JP5345089B2 - 亀裂監視装置及び亀裂監視方法 - Google Patents
亀裂監視装置及び亀裂監視方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5345089B2 JP5345089B2 JP2010039467A JP2010039467A JP5345089B2 JP 5345089 B2 JP5345089 B2 JP 5345089B2 JP 2010039467 A JP2010039467 A JP 2010039467A JP 2010039467 A JP2010039467 A JP 2010039467A JP 5345089 B2 JP5345089 B2 JP 5345089B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crack
- conductive layer
- unit
- impedance
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Description
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3及び図8に示すように、監視対象物(1)に発生する亀裂(C1)を監視する亀裂監視装置であって、前記亀裂の発生に応じて電気抵抗が変化する塗膜(5a)に複数の異なる周波数の交流電力を供給する給電部(9)と、前記複数の異なる周波数毎に前記塗膜の交流インピーダンスを測定する測定部(11)と、前記測定部の測定結果に基づいて前記亀裂の発生状況を評価する評価部(13)とを備え、前記評価部は、前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が異なるときには、前記亀裂が発生していると評価し、前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が略同一であるときには、前記亀裂が発生していないと評価することを特徴とする亀裂監視装置(2)である。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る亀裂監視装置によって監視される鋼構造物に亀裂が発生した状態を一例として示す斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る亀裂監視装置の亀裂監視材を鋼構造物に形成した状態を一例として示す断面図である。
図3に示す亀裂監視装置2は、鋼構造物1に発生する亀裂C1〜C3を監視する装置である。亀裂監視装置2は、図1〜図3に示す亀裂監視材3と、図1及び図3に示す配線材6,7と、図3に示す給電部8,9と、通電状態測定部10,11と、評価部12,13と、通信部14と、制御部15と、図1及び図3に示す収容部16などを備えている。亀裂監視装置2は、図1及び図2に示す亀裂C1〜C3の発生が予測される鋼構造物1の部位にそれぞれ設置されている。以下では、図2に示すように、下フランジ1bの縁部(長辺部)に発生する亀裂C1を亀裂監視装置2によって監視する場合を例に挙げて説明する。
亀裂監視材3は、亀裂C1の発生が予測される鋼構造物1の表面に形成され、この鋼構造物1の亀裂C1の発生及びこの亀裂C1の進展を監視する部材である。亀裂監視材3は、図4〜図6に示すように、亀裂進展検出部4と、亀裂発生検出部5とを備えている。亀裂監視材3は、図2に示すように、亀裂C1の発生が予測される鋼構造物1の縁部に刷毛、ローラ又はスプレーなどによって塗布され形成されている。
通電状態測定部10は、図7(A)に示すように、監視領域A1に亀裂C1が発生したときには、亀裂進展検出用電極層4c,4d間(監視領域A1)の亀裂進展検出用導電層4aの電気抵抗を測定するとともに、亀裂進展検出用電極層4d,4e間(監視領域A2)の電気抵抗又は亀裂進展検出用電極層4e,4f間(監視領域A3)の電気抵抗を測定する。一方、通電状態測定部10は、図7(B)に示すように、亀裂進展検出用電極層4dに亀裂C1が発生したときには、亀裂進展検出用電極層4c,4e間(監視領域A1,A2)の亀裂進展検出用導電層4aの電気抵抗を測定するとともに、亀裂進展検出用電極層4d,4f間(監視領域A2,A3)の電気抵抗を測定する。通電状態測定部10は、通電状態の測定結果(電気抵抗)を通電状態測定信号(通電状態測定情報)として制御部15に送信する。
図8に示す縦軸は、交流インピーダンス(Ω)の対数であり、横軸が周波数(Hz)の対数である。通電状態測定部11は、図8に示すような交流インピーダンスの測定結果をボード線図(ボーデ線図)として生成する。通電状態測定部11は、図8(A)に示すように、亀裂発生検出用導電層5aに亀裂C1が発生していないときには、周波数にかかわらず交流インピーダンス値が略一定のボード線図を生成する。一方、通電状態測定部11は、図8(B)に示すように、亀裂発生検出用導電層5aに亀裂C1が発生したときには、低周波数側では交流インピーダンス値が略一定であるが高周波数側では周波数の対数に対して交流インピーダンスの対数が略一定で減少するようなボード線図を生成する。通電状態測定部11は、通電状態の測定結果(ボード線図)を通電状態測定信号(通電状態測定情報)として制御部15に送信する。
図1及び図2に示すように、鋼構造物1では構成部材のエッジ部などの限られた範囲を起点として亀裂C1〜C3が発生するおそれがある。例えば、図3及び図4に示すように、下フランジ1bのエッジ部を起点として亀裂C1の発生が予測される場合には、図4に示すように鋼構造物1の塗替え塗装時にこのエッジ部に沿って、鋼構造物1の表面に防錆絶縁塗料を塗布し防錆絶縁層4bを形成する。次に、防錆絶縁層4bの表面に導電性塗料を帯状に塗布して、亀裂進展検出用導電層4aを形成する。その後に、亀裂進展検出用導電層4aの表面に導電性塗料を等間隔に複数本(例えば4本)線状に塗布して亀裂進展検出用電極層4c〜4fを形成し、亀裂進展検出用電極層4c〜4fにそれぞれ配線材6を接続する。次に、亀裂進展検出用導電層4a及び亀裂進展検出用電極層4c〜4fの表面に環境遮断性を有する塗料を帯状に塗布して環境遮断層4gを形成し、鋼構造物1の表面に亀裂進展検出部4が形成される。
図9は、この発明の第1実施形態に係る亀裂監視装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図9に示すステップ(以下Sという)100において、亀裂C1〜C3の測定開始時期になったか否かが判断される。制御部15は、例えば、時刻を測定する計時機能を有しており、全般検査時のような予め設定されている所定時期又は所定時刻に達するとS100〜S240の処理を開始する。制御部15は、S130において鋼構造物1に亀裂C1が発生したと評価部13が評価したときには、亀裂C1の発生部位を要観察箇所としこの発生部位の重要度に応じて、全般検査時期よりも短期間である最適な時期に測定開始時期を再設定する。亀裂C1〜C3の測定開始時期になったと制御部15が判断したときにはS110に進み、亀裂C1〜C3の測定開始時期になっていないと制御部15が判断したときには一連の処理を終了する。
(1) この第1実施形態では、亀裂C1の発生に応じて電気抵抗が変化する亀裂発生検出用導電層5aに、複数の異なる周波数の交流電力を給電部9が供給し、この複数の異なる周波数毎にこの亀裂発生検出用導電層5aの交流インピーダンスを通電状態測定部11が測定し、この通電状態測定部11の測定結果に基づいて亀裂C1の発生状況を評価部13が評価する。このため、亀裂C1の開口幅が変動しても交流インピーダンスを測定することによって亀裂C1の発生を初期の段階から正確に検知することができる。
図10は、この発明の第2実施形態に係る亀裂監視装置の構成図である。以下では、図1〜図7に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明する。
図10に示す亀裂監視装置2は、振動検出部17を備えており、この振動検出部17は鋼構造物1の振動を検出する部分である。振動検出部17は、鋼構造物1を列車などの移動体が通過したときに発生する振動を検出して、この振動に応じた振動検出信号(振動検出情報)を制御部15に送信する。振動検出部17は、例えば、加速度センサ、速度センサ又は変位センサなどの振動センサである。
図11に示すS100において、振動を検出したか否かが判断される。鋼構造物1を列車が通過すると、この列車の荷重を受けてこの鋼構造物1が振動しこの鋼構造物1が変位するとともに、亀裂発生検出用導電層5aも鋼構造物1と一体となって変位する。振動検出部17が鋼構造物1の振動を検出すると振動検出信号を制御部15に送信し、制御部15が振動検出信号を受信したと判断したときにはS110に進み、給電部8に直流電力の供給を制御部15が指令するとともに、給電部9に交流電力の供給を制御部15が指令する。一方、振動検出部17が鋼構造物1の振動を検出しないときには、振動検出部17が振動検出信号を制御部15に送信しないため、制御部15が振動検出信号を受信していないと判断し一連の処理を終了する。
この第2実施形態では、鋼構造物1の振動を振動検出部17が検出したときに、亀裂発生検出用導電層5aに複数の異なる周波数の交流電力を給電部9が供給し、この複数の異なる周波数毎に亀裂発生検出用導電層5aの交流インピーダンスを通電状態測定部11が測定する。このため、鋼構造物1の振動によって亀裂発生検出用導電層5aの亀裂C1の開口幅が変動したときに、この亀裂発生検出用導電層5aの交流インピーダンスを測定することによって、鋼構造物1の亀裂C1の発生を初期段階からより一層高精度に検出することができる。
実際の構造物では、列車の走行に伴う荷重変動を原因として構造物が変位し、図12に示すように疲労亀裂開口幅の変動が想定される。この場合に、亀裂長さが同じでも開口幅が変動することによって、図2及び図6に示す亀裂発生検出用導電層5aの電気特性に変化が予測される。特に、亀裂の発生は細線で塗付けた発生検出用導電層5aの断線の有無で評価するため、的確に評価するためには亀裂開口幅の変動による再導通などの影響評価が重要になる。そこで、亀裂開口幅の変動時における亀裂発生検出用導電層5aの電気特性の把握試験を行い、亀裂開口幅の変動時における亀裂の発生の的確な評価法について検討した。
十分な亀裂開口幅である場合の亀裂発生検出用導電層の電気特性の把握のため、完全に破断した亀裂発生検出用導電層を有する試験片を作製し、この亀裂発生検出用導電層の電気特性を交流インピーダンス法によって測定した。JIS R 3202フロートガラス(150×70×1.0mm)に亀裂発生検出用導電層を幅25mm長さ120mm、乾燥時厚み約50μmとなるように塗付けた。塗付けた亀裂発生検出用導電層を約23℃の室内で1ヶ月ほど養生した。養生後に、10mm×10mm×0.3mmの銀板を試験片両端に銀ペーストで接着し、導線をはんだ付けした試験片A,Bを2枚用意した。23℃、30%RHの環境で、試験片Bの交流インピーダンスを測定(割裂前)し、次いで、試験片中央部を割裂し、疲労亀裂の開口を模擬するため割裂面を突き合わせた。突き合わせた箇所の隙間を観察するとともに、交流インピーダンス測定を実施した。交流インピーダンス測定は、日置電機製LCRハイテスタ3522-50を用いて、端子間電圧1Vで0.1〜100kHz間の任意の周波数で、測定電流からのインピーダンス計測、電位と電流の位相角(θ)計測を実施した。なお、装置の測定限界は、周波数0.01〜100kHz、インピーダンス値2×108Ωまでである。
図13は、開口した亀裂発生検出用導電層の交流インピーダンスの測定結果を示すボード線図である。
図13に示す縦軸は、インピーダンス(Ω)の対数であり、横軸は周波数(Hz)の対数である。試験片の突き合わせ面には、20〜30μmの隙間が観察された。図13に示すように、割裂前(B試験片)は、測定周波数によらず同じインピーダンス値であったが、割裂後には試験片A,Bとも低周波数で装置の計測限界以上の高インピーダンスを示し、高周波数側では周波数の対数に対し勾配−1で変化した。
図14に示す縦軸は、インピーダンスの対数(log(Z))であり、横軸は周波数の対数(log(周波数))である。計測する回路の抵抗R、インダクタンス(コイル成分)L及びキャパシタンス(静電容量)Cとすると、抵抗、コイル及びコンデンサのインピーダンス値ZR,ZL,ZCは、角周波数ω(=2πf:周波数f)により、以下の数1に示す値になり、インピーダンスの絶対値を対数にすると以下の数2で表される。
次に、疲労亀裂で破断した亀裂発生検出用導電層が列車通過などの荷重変動に伴う構造物の変位の影響を受けて、亀裂開口幅の変動を受けた場合の電気特性について検討した。変性エポキシ樹脂塗料を2回塗付け、絶縁層を形成した材質がSS400の鋼板(400×60×3.1mm)を用い、亀裂の発生検知を目的に、亀裂発生検出用導電層を幅2.6mm長さ210mmに塗付けた試験片を作製した。疲労試験機には、EHF-UG100kN(株式会社島津製作所製)を用いた。疲労試験は、試験片の破断を防ぎ、かつ、試験時間の短縮を図るために、SS400が降伏する平均応力(約240MPa)の70%程度を最大の平均応力とし、片引張りによる繰り返し荷重をかけ、1〜2mmの疲労亀裂発生を確認後、最大の平均応力を160MPaに変更した。使用した疲労試験機は、繰り返し荷重値(kN)で設定する必要があるため、ほぼ一定の応力値を保つために疲労亀裂の進展に伴って、残存する試験片の断面積に合わせて繰り返し荷重を変更しながら試験を行った。疲労試験中に周波数100Hzのインピーダンスを連続計測し、疲労亀裂発生時期をモニターした。疲労亀裂が亀裂発生検出用導電層を完全に横断したと推定された時点で疲労試験を終了した。疲労試験終了後に亀裂部を拡大観察し、次いで引張荷重載荷条件を0.01Hzサイン波、0.05〜27.0kNに変更し、日置電機製LCRハイテスタ3522-50を用いて、端子間電圧1Vで0.1〜100kHz間の任意の周波数で周波数を変えてインピーダンスを測定した。
図15は、疲労試験中のインピーダンス(100Hz)の連続測定結果を示すグラフである。
図15に示す左側の縦軸は、インピーダンス値(Z)(Ω)であり、右側の縦軸は位相角(θ)(°)であり、横軸は加振数である。加振1.5×105回を超えた頃から(図中1)インピーダンス値と位相角に変化が観察され始めた。疲労試験終了時(1.8×105回)は、インピーダンス値が100倍以上増加した時点(図中2)で、疲労亀裂長さは約5mmに至っていた。今回使用した疲労試験条件では、亀裂長さ1mm進むのに1〜2万回であった。インピーダンス値の変化が観察された時点は、疲労試験終了の3万回前であることから、疲労亀裂が亀裂発生検出用導電層の幅を超えた時点と略同時期と考えられる。試験片に引張荷重20kNを加えて状態で亀裂部を拡大観察すると、亀裂開口幅は亀裂起点付近で約10μmであり、亀裂先端に向かうに従い徐々に狭くなっていた。試験片に引張荷重を加えない状態(無負荷)では、亀裂開口を目視で認識することが困難であり、開口幅は数μm以下と想定された。
図16に示す左側の縦軸は、インピーダンス値(Z)(Ω)であり、右側の縦軸は位相角(θ)(°)であり、横軸は時間(mm:ss)である。疲労試験後に、引張荷重条件を0.01Hzサイン波、0.05〜27.0kNに変更し、周波数100Hzで交流インピーダンスを測定した。図16に示すように、インピーダンス値の多くは30MΩ程度であったが、引張荷重の低い場合に約1MΩまで低下し、位相角θも荷重変動に伴い大きく変動した。
鋼の疲労亀裂進展に伴う亀裂発生検出用導電層の破壊は、図17(A)に示すように、最初に、亀裂開口部が開くことで亀裂発生検出用導電層に局所的な伸び(ゼロスパン伸び)を受けるが、亀裂発生検出用導電層は有機樹脂主体のため、脆性的破断に至らず、繰り返しの疲労による局所的破壊が進む。次に、図17(B)に示すように、亀裂発生検出用導電層の疲労が進み、局所的破壊の領域が拡大し、ついには材料破断に至る。このとき、破断面は、破断線に対し左右対称の構造を持ち、一方の破面の凸部に対応する他方の破面も凸部になると考えられる。亀裂発生検出用導電層の破断後は、図17(D)に示すように、疲労き裂の開口幅の開閉に伴い、亀裂発生検出用導電層の左右の破面が互いに近づいたり離れたりする。このとき、ある開口幅以下になった場合に、両破面の凸部が接触し、亀裂発生検出用導電層の左右間の抵抗値が低くなると考えられる。このように、亀裂開口幅が狭い段階では、接触箇所の変動などによる抵抗値の変化が卓越しているが、亀裂開口幅が広がるに従って、抵抗値の増大に加え静電容量の影響が顕著に現れてくることが予測された。
図18に示す縦軸は、インピーダンス(Ω)の対数であり、横軸は周波数(Hz)の対数である。図18に示すグラフは、図16に示す測定データから引張荷重0.05kN、3kN、10kN及び20kNの時点のインピーダンス値のみを抽出し、ボード線図で表したものである。低周波数側のインピーダンスは、引張荷重10kN以下で疲労試験前(初期値)の数倍から10倍程度の範囲でばらついている。亀裂開口幅が大きく、接触点が少なくなったと想定される引張荷重15kNや20kNでは初期値の100倍以上のインピーダンス値に増加し、数百Hz以上の高周波数側に勾配−1の変化が現れた。これらの測定結果は、図14に示す模式図で説明できる結果であった。図13に示すガラス板の試験片の破断後の突合せ試験結果では、亀裂開口幅20μm程度で低周波数側が計測できないほどの高抵抗となっていたが、疲労亀裂長さ5mm未満の試験片(亀裂開口幅10μm未満)では低周波数側で計測可能なほどの抵抗範囲であった。このため、図18に示すボード線図の引張荷重20kNでも、接触点が多く残った状態であると考えられ、5mm未満の疲労亀裂を確実に検知するためには、直流抵抗値の変動のみでは不確実性が高いことが確認された。その結果、亀裂の発生検知の確実性を増すためには、列車通過時などの構造物の変位変動時に、周波数を変えてインピーダンスを計測し、断線を示す容量成分の存在を把握する必要があることが確認された。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、監視対象物として鋼構造物1を例に挙げて説明したが、コンクリート構造物などの他の構造物についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、疲労亀裂などによって鋼構造物1に亀裂C1が発生する場合を例に挙げて説明したが、リベットやボルトなどの緩みによって塗膜に亀裂が発生する場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、亀裂進展検出部4上に亀裂発生検出部5を形成した場合を例に挙げて説明したが、亀裂発生検出部5上に亀裂進展検出部4を形成することもできる。
2 亀裂監視装置
3 亀裂監視材
4 亀裂進展検出部
4a 亀裂進展検出用導電層
4b 防錆絶縁層
4c〜4f 亀裂進展検出用電極層
4g 環境遮断層
5 亀裂発生検出部
5a 亀裂発生検出用導電層
5b,5c 亀裂発生検出用電極層
5d 環境遮断層
5e 耐候層
6,7 配線材
8,9 給電部
10,11 通電状態測定部(測定部)
12,13 評価部
14 通信部
15 制御部
16 収容部
17 振動検出部
A1〜A3 監視領域
C1〜C3 亀裂
Claims (11)
- 監視対象物に発生する亀裂を監視する亀裂監視装置であって、
前記亀裂の発生に応じて電気抵抗が変化する塗膜に複数の異なる周波数の交流電力を供給する給電部と、
前記複数の異なる周波数毎に前記塗膜の交流インピーダンスを測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づいて前記亀裂の発生状況を評価する評価部とを備え、
前記評価部は、
前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が異なるときには、前記亀裂が発生していると評価し、
前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が略同一であるときには、前記亀裂が発生していないと評価すること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 請求項1に記載の亀裂監視装置において、
前記監視対象物の振動を検出する振動検出部を備え、
前記給電部は、前記振動検出部が振動を検出したときに、前記複数の異なる周波数の交流電力を前記塗膜に供給し、
前記測定部は、前記振動検出部が振動を検出したときに、前記複数の異なる周波数毎に前記塗膜の交流インピーダンスを測定すること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の亀裂監視装置において、
前記評価部は、低周波数側で測定したときの交流インピーダンス値に比べて、高周波数側で測定したときの交流インピーダンス値が減少したときには、前記塗膜に亀裂が発生していると評価すること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の亀裂監視装置において、
前記評価部は、低周波数側で測定したときの交流インピーダンス値と、高周波数側で測定したときの交流インピーダンス値とが略同一であるときには、前記塗膜に亀裂が発生していないと評価すること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の亀裂監視装置において、
前記測定部は、前記塗膜の電極部間に交流電流を流し、この電極部間の交流インピーダンスを測定すること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれ1項に記載の亀裂監視装置において、
前記塗膜は、導電性塗料を塗布して形成されていること、
を特徴とする亀裂監視装置。 - 監視対象物に発生する亀裂を監視する亀裂監視方法であって、
前記亀裂の発生に応じて電気抵抗が変化する塗膜に複数の異なる周波数の交流電力を供給する給電工程と、
前記複数の異なる周波数毎に前記塗膜の交流インピーダンスを測定する測定工程と、
前記測定工程における測定結果に基づいて前記亀裂の発生状況を評価する評価工程とを含み、
前記評価工程は、
前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が異なるときには、前記亀裂が発生していると評価する工程と、
前記複数の異なる周波数に対応する各交流インピーダンス値が略同一であるときには、前記亀裂が発生していないと評価する工程とを含むこと、
を特徴とする亀裂監視方法。 - 請求項7に記載の亀裂監視方法において、
前記監視対象物の振動を検出する振動検出工程を含み、
前記給電工程は、前記振動検出工程において振動を検出したときに、前記複数の異なる周波数の交流電力を前記塗膜に供給する工程を含み、
前記測定工程は、前記振動検出工程において振動を検出したときに、前記複数の異なる周波数毎に前記塗膜の交流インピーダンスを測定する工程を含むこと、
を特徴とする亀裂監視方法。 - 請求項7又は請求項8に記載の亀裂監視方法において、
前記評価工程は、低周波数側で測定したときの交流インピーダンス値に比べて、高周波数側で測定したときの交流インピーダンス値が減少したときには、前記塗膜に亀裂が発生していると評価する工程を含むこと、
を特徴とする亀裂監視方法。 - 請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の亀裂監視方法において、
前記評価工程は、低周波数側で測定したときの交流インピーダンス値と、高周波数側で測定したときの交流インピーダンス値とが略同一であるときには、前記塗膜に亀裂が発生していないと評価する工程を含むこと、
を特徴とする亀裂監視方法。 - 請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載の亀裂監視方法において、
前記測定工程は、前記塗膜の電極部間に交流電流を流し、この電極部間の交流インピーダンスを測定する工程を含むこと、
を特徴とする亀裂監視方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010039467A JP5345089B2 (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 亀裂監視装置及び亀裂監視方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010039467A JP5345089B2 (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 亀裂監視装置及び亀裂監視方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011174823A JP2011174823A (ja) | 2011-09-08 |
JP5345089B2 true JP5345089B2 (ja) | 2013-11-20 |
Family
ID=44687808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010039467A Active JP5345089B2 (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 亀裂監視装置及び亀裂監視方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5345089B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5929213B2 (ja) * | 2012-01-16 | 2016-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | センサー装置およびセンサー装置を備える構造物 |
JP5936276B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2016-06-22 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 亀裂監視装置 |
JP5936275B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2016-06-22 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 亀裂監視装置 |
JP6219245B2 (ja) * | 2014-07-24 | 2017-10-25 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | マスキングテープを用いて塗布した導電塗料によるコンクリート構造物の変状検知方法 |
CN108828070B (zh) * | 2018-06-20 | 2019-12-17 | 中国科学院声学研究所 | 一种用于振动声调制检测的最佳高频选取方法 |
JP7174236B2 (ja) * | 2018-11-15 | 2022-11-17 | 日本電信電話株式会社 | クラック検出装置とその方法 |
CN111007110A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-04-14 | 何卫东 | 一种地下工程裂缝检测报警装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2519786B2 (ja) * | 1988-11-01 | 1996-07-31 | 志郎 春山 | 塗装金属部材の塗膜劣化度検出方法 |
JPH0356848A (ja) * | 1989-07-25 | 1991-03-12 | Babcock Hitachi Kk | 表面亀裂測定方法および装置 |
JPH08211115A (ja) * | 1995-02-06 | 1996-08-20 | Toshiba Corp | 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置 |
JP2004191282A (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-08 | Fujitsu Ltd | 欠陥検査方法および欠陥検査装置 |
JP4102296B2 (ja) * | 2003-12-19 | 2008-06-18 | 財団法人鉄道総合技術研究所 | 亀裂監視材及び亀裂監視システム |
JP4913628B2 (ja) * | 2007-02-27 | 2012-04-11 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 構造物の監視装置及び監視方法 |
-
2010
- 2010-02-25 JP JP2010039467A patent/JP5345089B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011174823A (ja) | 2011-09-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5345089B2 (ja) | 亀裂監視装置及び亀裂監視方法 | |
JP5936276B2 (ja) | 亀裂監視装置 | |
JP4767145B2 (ja) | 流電陽極方式によるカソード防食システム及びカソード防食方法、パイプライン健全性評価システム及び健全性評価方法 | |
JP6574356B2 (ja) | 静電容量型腐食センサおよび腐食検出方法 | |
JP2014505178A (ja) | 陰極防食の監視プローブ | |
JP2015099083A (ja) | 酸露点腐食評価装置及び酸露点腐食評価方法 | |
Nazir et al. | A novel non-destructive sensing technology for on-site corrosion failure evaluation of coatings | |
US11346766B2 (en) | Monitoring steel support structures for offshore wind turbines | |
JP2007278843A (ja) | 地下埋設鋼構造物の腐食診断装置及び腐食診断方法 | |
JP4632434B2 (ja) | 配管診断装置 | |
JP2008191169A (ja) | 亀裂監視材及び亀裂監視システム | |
JP5515680B2 (ja) | 重防食被覆鋼材およびその耐久性モニタリング方法 | |
CN106596391A (zh) | 一种飞机结构涂层防腐蚀在线监测传感探头 | |
JP2002296213A (ja) | 腐食評価方法及びデータベース | |
JP2017032515A (ja) | 腐食センサおよび腐食検出方法 | |
JP2017032515A5 (ja) | ||
JP2017138285A (ja) | 腐食センサおよび腐食検出方法 | |
JP5718190B2 (ja) | 導電材料製構造物におけるきずの深さ推定方法 | |
JP2005181109A (ja) | 亀裂監視材及び亀裂監視システム | |
JP5086287B2 (ja) | 埋設金属パイプラインにおけるプラスチック塗覆装の健全性計測評価方法 | |
JP4102296B2 (ja) | 亀裂監視材及び亀裂監視システム | |
JP4913628B2 (ja) | 構造物の監視装置及び監視方法 | |
JP2008083038A (ja) | 導電材料製構造物の損傷検出方法 | |
JP2008081607A (ja) | 導電性塗料、導電性塗膜、亀裂検出用塗料及び亀裂検出用塗膜 | |
JP2023053790A (ja) | 被覆金属材の耐食性試験方法、耐食性試験装置、耐食性試験用プログラム及び記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120424 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130528 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130725 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130812 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130813 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5345089 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |