JPH08211115A - 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置 - Google Patents

被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置

Info

Publication number
JPH08211115A
JPH08211115A JP1758095A JP1758095A JPH08211115A JP H08211115 A JPH08211115 A JP H08211115A JP 1758095 A JP1758095 A JP 1758095A JP 1758095 A JP1758095 A JP 1758095A JP H08211115 A JPH08211115 A JP H08211115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wire
deterioration
coated electric
insulation coating
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1758095A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiko Itou
経子 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP1758095A priority Critical patent/JPH08211115A/ja
Publication of JPH08211115A publication Critical patent/JPH08211115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆電線の絶縁被膜の劣化度合を非破壊で定
量的に測定して診断可能とし、ピンホ−ルやピンホール
に至らないクラックあるいはボイドなどの絶縁劣化とそ
の前駆状態を診断することができるようにする。 【構成】 パーソナルコンピュータ1は、CPU2,R
OM3,RAM4,FDD5などから構成される。測定
用プローブ11は、円筒状の電極ケース12内に導電性
ゲルを含むスポンジ状電極13が収容され、被覆電線1
4の絶縁被膜16を覆うように装着される。電極ケース
12と被覆電線14の電線導体15との間にプリアンプ
9を介して所定周波数領域の電圧信号を印加し、そのと
きの電流値と位相を測定する。インピーダンスZと容量
成分Cxおよび誘電正接 tanδの値の周波数特性のパタ
ーンから劣化の度合いを診断することができる。非破壊
で簡単に診断を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆電線の絶縁被膜の
劣化状態を客観的に診断できるようにした被覆電線用絶
縁被膜劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被膜電線の絶縁被膜の劣化度
合を評価する方法としては、例えば、電気的,機械的あ
るいは熱的ストレスを加えた後に電気特性,機械特性あ
るいは化学組成などの変化を調査することでその劣化状
態を診断するようにした方法がある。また、簡便な方法
としては、被覆電線の絶縁被膜の外観を観察することに
より、その劣化の度合を診断する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の方法
で劣化診断を行う場合には、測定対象となる被覆電線の
絶縁被膜に対して、破壊電圧の測定を実施したり、機械
特性を測定するための引張試験や化学組成を調べるため
の熱分析などのいわゆる破壊試験を行うことが行われて
おり、そのために、試料の経時変化を調査するためには
多数の試料を準備して行う必要があり、多大な手間と時
間を要するものであった。
【0004】一方、上述の不具合を回避した非破壊によ
る評価方法としては、後者の外観観察による評価であ
る。これは、劣化状態の進度に応じたサンプル写真をあ
らかじめ作成しておき、被診断対象を目視あるいはカメ
ラなどにより撮影してサンプル写真と比較することによ
り診断しようというものである。
【0005】しかしながら、このような方法において
は、目視確認の際に観察者による個人差で診断結果にば
らつきが生ずる場合があり、さらには、目視やカメラで
は捕らえ切れないような極小さい被膜の損傷を見逃す場
合が生ずる。しかし、これらの極小さい損傷は、トラッ
キングの起点となって絶縁特性を大きく損なう結果につ
ながる場合があり、このような劣化を確実に診断するこ
とが必要不可欠な条件となっている。
【0006】ところで、被覆電線の絶縁被膜のように絶
縁効果を持つ塗装被膜の劣化状態を非破壊で診断する方
法として、例えば、同一出願人の出願にかかる特願平2
−93637号に示されるものがある。ところが、この
ものは、塗装平板の塗装被膜のインピーダンス特性を測
定して劣化度合を診断するようにしたものであるため、
そのための平面プローブを被覆電線の絶縁被膜の診断に
用いるためには、複数本の線材を束ねたり巻いたりして
平面状に試料をつくる必要があるなど、簡便に使用する
ことができないため、使い勝手が悪くなる不具合があ
る。また、このために、実機架線にそのまま適用するこ
とはできないという不都合もある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、被覆電線の絶縁被膜の劣化度合を非破
壊で定量的に測定して診断することができ、しかも、ピ
ンホ−ルやピンホールに至らないクラックあるいはボイ
ド、絶縁被膜中への水分および電解質の浸透といった被
膜の絶縁劣化とその前駆状態を診断することができるよ
うにした被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被覆電線の絶
縁被膜の劣化状態を非破壊で診断する被覆電線用絶縁被
膜劣化診断装置を対象とするものであり、前記被覆電線
の絶縁被膜外部を所定長さだけ覆うようにして装着する
測定用プローブと、この測定用プローブと前記被膜電線
の導体との間に所定周波数領域の電圧信号を印加して電
流とその位相を測定する測定手段と、この測定手段によ
り測定された電流値と位相の大きさのデータとから前記
周波数範囲におけるインピーダンス特性を演算する演算
手段とを設けて構成したところに特徴を有する(請求項
1記載の発明)。
【0009】また、前記測定用プローブを、円筒形をな
す金属電極ケースとその内部に充填された導電性ゲルと
から構成し、前記測定手段による測定時には前記被覆電
線をこの導電性ゲル中に接触させた状態として用いるこ
とができる(請求項2記載の発明)。
【0010】さらに、前記円筒形の金属電極ケースを、
軸方向に沿って分割された部分が開閉可能となるように
構成することができる(請求項3記載の発明)。そし
て、前記円筒形の金属電極ケースを、両端部に蓋を設け
て構成すると良い(請求項4記載の発明)。
【0011】また、前記金属電極ケースの蓋を、前記測
定試料を挿通状態で閉塞可能となるガイド部を設けて構
成することが好ましい(請求項5記載の発明)。さら
に、前記被覆電線の絶縁被膜の各種劣化モードに対応す
るデータが記憶されており、前記演算手段により演算さ
れたインピーダンス特性のデータを前記記憶しているデ
ータと比較することによりその測定した絶縁被膜の劣化
度合を判定する判定手段を設けて構成することもできる
(請求項6記載の発明)。
【0012】
【作用】請求項1記載の被覆電線用絶縁被膜診断装置に
よれば、プローブを被覆電線の絶縁被膜に装着して測定
を開始すると、測定手段により、所定周波数範囲の電圧
信号が印加されるようになり、そのときの電流値と位相
値が測定されるようになる。これにより、そのときの電
流値および位相値から絶縁被膜のインピーダンスの周波
数特性を演算により求めることができるようになる。一
般に、絶縁被膜が劣化している状態では、健全な状態に
比べてインピーダンスの周波数特性が変化するので、例
えば、等価回路としてみたときの抵抗成分あるいは容量
成分などの値が、その劣化のモードに応じて異なる変動
を来すようになる。したがって、得られたインピーダン
スの周波数特性を示すデータから測定を行っている被膜
電線の絶縁被膜がどの程度劣化しているかを判定するこ
とができるようになる。
【0013】請求項2記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、インピーダンスの測定時には、測定用プロ
ーブにより被覆電線を外部から覆うようにして導電性ゲ
ルに接触させた状態で実施するので、絶縁被膜との間の
良好な接触状態を維持しながら測定を行うことができる
ようになり、常に安定した測定条件を設定することがで
きて測定データの信頼性の向上を図ることができるよう
になる。
【0014】請求項3記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、測定用プローブの金属電極ケースを分割す
ることにより、被覆電線を簡単に内部の導電性ゲルと接
触状態として測定することができるようになる。
【0015】請求項4記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、測定用プローブの金属電極ケースの両端部
に蓋が設けられているので、導電性ゲルの流出を防止す
ることができ、取扱いが楽になり、測定時においても簡
単に行うことができるようになる。
【0016】請求項5記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、金属電極ケースの蓋にガイド部が形成され
ているので、蓋を閉じた状態で被覆電線の絶縁被膜のイ
ンピーダンス測定を行うことができ、使い勝手が良くな
る。
【0017】請求項6記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、判定手段により各種劣化モードに対応して
記憶されているデータと測定データとを比較して測定し
た絶縁被膜の劣化度合を判定するので、客観的に定量的
な劣化状態の判定を行うことができるようになり、個人
差をなくした的確な診断動作を行うことができるように
なる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について、図1
ないし図3を参照しながら説明する。図1は全体構成を
示すもので、いわゆるラップトップ形のパーソナルコン
ピュータ1は、演算手段および判定手段としての機能を
兼ね備えており、本体ケース(図示せず)内に、CPU
2,ROM3,RAM4,FDD(フロッピーディスク
ドライブ)5などを内蔵していると共に、液晶形のディ
スプレイ6およびキーボード7が備えられた一般的な構
成のものである。このパーソナルコンピュータ1の拡張
スロット内には、D/A変換機能およびA/D変換機能
を備えるインターフェイスボード8が装着されている。
そして、パーソナルコンピュータ1には、あらかじめ絶
縁被膜の劣化診断用プログラムが記憶されており、CP
U2はそのプログラムにしたがって診断処理を実行する
ようになっている。
【0019】パーソナルコンピュータ1の外部には、こ
のインターフェイスボード8を介して測定手段としての
電流検出用のプリアンプ9が接続されている。このプリ
アンプ9には2本の測定用ケーブル10a,10bのう
ちの測定用ケーブル10aを介して測定用プローブ11
が接続されるようになっている。この測定用プローブ1
1は、図2に示すように、金属電極である円筒状をなす
電極ケース12が蝶番11a,11aにより開閉可能に
2個の部分12a,12bに分割されて形成されてお
り、その内部に導電性ゲルを染み込ませたスポンジ状電
極13を収納した状態に形成されているものである。
【0020】さて、劣化診断を行うべき対象である被覆
電線14は、電線導体15の外部に絶縁被膜16を覆う
ように設けた一般的なもので、測定時には、上述したプ
ローブ11の電極ケース12を開けてスポンジ状電極1
3に形成されたスリット部分に挿入するようにして装着
する。これにより、被覆電線14の絶縁被膜16はスポ
ンジ状電極13と密着した状態で安定した電気的接触状
態を保持することができるようになる。また、測定用ケ
ーブル10bは被覆電線14の電線導体15に接続され
るようになっており、この状態で測定が行われる。
【0021】前述したプリアンプ9は、測定用ケーブル
10a,10b間に所定の測定電圧を印加したときに絶
縁被膜16を流れる電流を検出してその電流値に応じた
電圧信号をパーソナルコンピュータ1のインターフェイ
スボード8に入力するようになっている。そして、プリ
アンプ9は、絶縁被膜16の劣化度合による測定電流の
程度に応じて測定電流のレンジを切り替え得るように構
成されており、例えば、0.1MΩから100MΩの範
囲とされ、そのときの電流値にすると0.01μAから
10μA程度の範囲が設定可能となっている。
【0022】次に、本実施例の作用について図3をも参
照して説明する。まず、劣化診断を行うべき被覆電線1
4が配設された場所に、パーソナルコンピュータ1,プ
リアンプ9および測定用プローブ11を持ち込み、測定
用プローブ11の金属ケース12を開けて内部のスポン
ジ状電極13に接触させた状態で閉じ、ケーブル10b
は電線導体15に接続する。この状態で、パーソナルコ
ンピュータ1のFDD5にフロッピーディスクを挿入
し、キーボード7を操作して診断用プログラムを読み込
むと共に実行させる。
【0023】そして、診断用プログラムを実行すると、
スポンジ状電極13を介して被覆電線14の絶縁被膜1
6と電線導体15との間に所定周波数範囲の電圧信号が
印加され、そのとき絶縁被膜16に流れる電流はプリア
ンプ9により検出されて電圧に変換され、パーソナルコ
ンピュータ1のインターフェイスボード8を介してデジ
タル信号に変換された信号がCPU2に取り込まれるよ
うになる。このようにして入力される電流値に相当する
デジタル信号は、CPU2により、インピーダンス測定
データとして一旦FDD5においてフロッピーディスク
に書き込み処理が行われる。以下、他の測定部位につい
ても上述と同様にして測定すると、各測定データはFD
D5のフロッピーディスクに次々と書き込み処理される
ようになり、データが蓄積されるようになる。
【0024】一方、被覆電線14の絶縁被膜16の正常
状態における膜厚,材質データやプローブ11の接触面
積等の各種データはあらかじめキーボード7から入力さ
れ、パーソナルコンピュータ1内部のRAM4に記憶さ
れている。また、測定時にプローブ11に印加する電圧
信号の波形は、あらかじめフロッピーディスク内に記憶
されているデジタルデータに基づいて、インターフェイ
スボード8のD/A変換機能を用いて生成・合成される
ようになっている。
【0025】本実施例で印加される電圧波形は、例えば
周波数が0.1Hz程度から50Hz程度の範囲に設定
されており、パワースペクトルPが周波数fに対して−
1/2乗から−2乗の範囲に存在する程度となるように
設定されている。さらに、ここでは、電圧波形を構成す
る各周波数成分の位相はランダム化してあって、ピーク
電圧を極力抑えるようにしてある。
【0026】さて、上述したようなプローブ11を用い
た測定が終了したら、次に診断プログラムを読出して実
行させる。CPU2によるこの診断プログラムの実行手
順は以下に示す通りである。すなわち、まず、測定デー
タの読み込みステップでは、フロッピーディスクに記録
された測定用の各種データを読出し、確認のためにディ
スプレイ6に表示させるようになる。そして、キーボー
ド7により確認操作を行うと、ディスプレイ6は、初期
条件入力画面となる。
【0027】次に、初期条件入力ステップでは、絶縁被
膜16の劣化状態を診断するための材質を示すデータ,
仕様年数,外観状態あるいは設置環境などを示すコード
をキーボード7により入力するようになっている。この
後、CPU2は、入力された測定データの測定精度を向
上させるために、スムージング処理を行い、この後デー
タ解析処理を行う。すなわち、この処理ステップにて、
測定データのインピーダンスZを周波数分として解析
し、インピーダンスの周波数特性を作成してその対数値
logZをディスプレイ6に表示するようになる。また、
絶縁被膜16の電気的な等価回路を図3(a)に示すよ
うな容量成分Cxと抵抗成分R1,R2との組み合わせ
の回路としてみたときの容量成分Cxの特性を演算によ
り求めると共に、誘電正接の値 tanδを周波数特性とし
て求めて表示するようになる(図3(b),(c),
(d)参照)。
【0028】図3(b)は絶縁被膜16が健全な状態で
あるときのインピーダンスZの対数値 logZ,容量成分
Cxおよび誘電正接 tanδの周波数特性を示しており、
この図において、インピーダンスZの対数値 logZの値
は周波数の増大と共に直線的に減少し、容量成分Cxの
値は略一定の値を示し、誘電正接 tanδの値は10Hz
近傍でやや低下して再び増加する傾向にある。なお、こ
のような特性の傾向は、絶縁被膜16の種類が異なるも
のであっても、ほぼ同じような傾向を示す極性となるこ
とがわかっている。
【0029】そして、同図(c)は、絶縁被膜16に電
線導体15まで達する程度のクラックやピンホールが発
生している場合に現れる特徴的な特性を示している。す
なわち、この場合には、インピーダンスZの値は健全状
態の特性に比べて、低周波数領域で2〜3桁低下してお
り、また、容量成分Cxも低周波数領域(〜10Hz)
で増大する特性となっている。
【0030】一方、同図(d)には、絶縁被膜16に水
分や電解質が浸透して発生する表面クレージングや、電
線導体15まで達しない程度でクラックまたはボイドが
発生している状態で現れる周波数特性の特徴的な特性を
示している。この場合、誘電正接 tanδの値が0〜2H
zの周波数領域で大きい値を示しており、このような誘
電正接 tanδの低周波数領域での増大の傾向をみること
により、絶縁被膜16の分子鎖が物理的に切断された状
態となるクラックが発生しているのではなく、分子鎖の
絡まり合いがほぐれて空隙が広がっている状態の表面ク
レージングの発生を推定することもできるようになる。
【0031】そして、CPU2は、前述のようにして絶
縁被膜16の周波数特性が測定されると、診断プログラ
ムによって、インピーダンスZ,容量成分Cxおよび誘
電正接 tanδの値に基づいて上述したいずれのパターン
に対応する周波数特性を呈しているかを判定し、劣化度
合を診断するようになっている。そして、診断結果のデ
ータは、ディスプレイ6に表示すると共に、FDD5に
よりフロッピーディスクに記憶されるようになり、次回
の測定データとの比較にも利用可能となるように処理さ
れる。
【0032】このような本実施例によれば、被覆電線1
4の絶縁被膜16にプローブ11を装着して所定周波数
領域の信号を含む電圧信号を印加してその電流を測定
し、これに基づいてインピーダンスZ,容量成分Cxお
よび誘電正接 tanδの周波数特性を検出することによ
り、絶縁被膜16の劣化度合を診断するようにしたの
で、被覆電線14をそのままの状態つまり非破壊で劣化
度合を診断することができると共に、簡単に行うことが
できる。
【0033】また、本実施例によれば、プローブ11を
金属電極ケース12内にスポンジ状電極13を収容して
被覆電線14を内部に貫通する状態として測定できるよ
うにしたので、プローブ11を被覆電線14に簡単に装
着することができると共に、被覆電線14の絶縁被膜1
6に対して電圧信号を安定且つ良好な状態で印加するこ
とができるようになり、測定データの信頼性の向上も図
ることができるようになる。
【0034】図4は本発明の第2ないし第4の実施例を
示すもので、同図中(a)は第2の実施例を示すもの
で、プローブ11の金属電極ケース12の両端部に円板
状をなす蓋17,17を設けたものであり、測定時には
これらの蓋17,17を取り外すようになっている。こ
れにより、スポンジ状電極13に含まれる導電性ゲルの
垂れ落ちや水分の蒸発を防止することができるようにな
る。
【0035】また、同図中(b)に示す第3の実施例で
は、電極ケース12の二つの部分12a,12bのそれ
ぞれの両端部に半円状をなす蓋18a,18aあるいは
18b,18bを設けたものである。また、同図中
(c)に示す第4の実施例では、円板状をなす蓋19,
19を金属ケース12の一方の部分例えば12b側に取
り付けて構成したものである。そして、これら第3およ
び第4の各実施例においても第2の実施例と同様の効果
を得ることができる。
【0036】図5は本発明の第5ないし第7の実施例を
示すもので、それぞれ第2ないし第4の実施例に対応し
て、蓋17,18a,18bあるいは19のぞれぞれに
被覆電線14を装着した状態で電極ケース12を閉塞状
態として測定を行うことができるように、ガイド部とし
ての穴20,切欠部21a,21bあるいは切欠部22
が形成されたものである。そして、このような構成とし
た第5ないし第7の実施例においては、第2ないし第4
の実施例の効果に加えて、電極ケース12を閉塞状態と
して測定を行うことができるという効果を得ることがで
きる。
【0037】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、以下のように変形あるいは拡張できる。
蓋、穴は適宜の形に設定することができる。
【0038】導電性ゲルを収容可能なものであれば、ス
ポンジ状電極以外のものでも用いることができる。測定
時にディスプレイ6に表示して判定を行うようにしても
良い。
【0039】インピーダンス測定機能を有する装置にマ
イクロコンピュータを搭載してプローブおよびプリアン
プを接続する構成とすることもできる。測定データの処
理は適宜のタイミングで実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被覆電線
用絶縁被膜劣化診断装置によれば、次のような効果を得
ることができる。すなわち、請求項1記載の被覆電線用
絶縁被膜劣化診断装置によれば、被覆電線の絶縁被膜外
部を所定長さだけ覆うようにして装着する測定用プロー
ブを設けると共に、この測定用プローブにより所定周波
数領域の電圧信号を印加して電流とその位相を測定する
測定手段を設け、演算手段により、電流値および位相値
から絶縁被膜のインピーダンスの周波数特性を演算によ
り求めることができるようになるので、絶縁被膜が劣化
状態に応じて変動するインピーダンス特性と比較するこ
とにより、被膜電線の絶縁被膜がどの程度劣化している
かを判定することができるようになるという優れた効果
を奏する。
【0041】請求項2記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、インピーダンスの測定時に、測定用プロー
ブにより被覆電線を外部から覆うようにして導電性ゲル
に接触させた状態で実施する構成としたので、絶縁被膜
との間の良好な接触状態を維持しながら測定を行うこと
ができるようになり、常に安定した測定条件を設定する
ことができて測定データの信頼性の向上を図ることがで
きるという優れた効果を奏する。
【0042】請求項3記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、測定用プローブの金属電極ケースを分割す
ることにより、被覆電線を簡単に内部の導電性ゲルと接
触状態として測定することができるという優れた効果を
奏する。
【0043】請求項4記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、測定用プローブの金属電極ケースの両端部
に蓋が設けられているので、導電性ゲルの流出を防止す
ることができて取扱いが楽になり、測定時においても簡
単に行うことができるようになるという優れた効果を奏
する。
【0044】請求項5記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、金属電極ケースの蓋にガイド部を形成した
ので、蓋を閉じた状態で被覆電線の絶縁被膜のインピー
ダンス測定を行うことができ、使い勝手が良くなるとい
う優れた効果を奏する。
【0045】請求項6記載の被覆電線用絶縁被膜診断装
置によれば、判定手段により各種劣化モードに対応して
記憶されているデータと測定データとを比較して測定し
た絶縁被膜の劣化度合を判定するので、客観的に定量的
な劣化状態の判定を行うことができるようになり、個人
差をなくした的確な診断動作を行うことができるように
なるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す全体のブロック構
成図
【図2】測定用プローブを開いた状態で示す外観斜視図
【図3】健全状態と異なる劣化モード状態におけるイン
ピーダンス特性図
【図4】本発明の第2ないし第4の実施例を示す金属電
極ケース端部の外観斜視図
【図5】本発明の第5ないし第7の実施例を示す図4相
当図
【符号の説明】
1はパーソナルコンピュータ(演算手段、判定手段)、
2はCPU、3はROM、4はRAM、5はFDD、6
はディスプレイ、7はキーボード、8はインターフェイ
スボード、9はプリアンプ、10a,10bは測定用ケ
ーブル、11は測定用プローブ、12は電極ケース、1
1a,11bは蝶番、13はスポンジ状電極、14は被
覆電線、15は電線導体、16は絶縁被膜である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆電線の絶縁被膜の劣化状態を非破壊
    で診断するものにおいて、 前記被覆電線の絶縁被膜外部を所定長さだけ覆うように
    して装着する測定用プローブと、 この測定用プローブと前記被膜電線の導体との間に所定
    周波数領域の電圧信号を印加して電流とその位相を測定
    する測定手段と、 この測定手段により測定された電流値と位相の大きさの
    データとから前記周波数範囲におけるインピーダンス特
    性を演算する演算手段とを具備したことを特徴とする被
    覆電線用絶縁被膜劣化診断装置。
  2. 【請求項2】 前記測定用プローブは、円筒形をなす金
    属電極ケースとその内部に充填された導電性ゲルとから
    構成され、前記測定手段による測定時には前記被覆電線
    をこの導電性ゲル中に接触させた状態とされることを特
    徴とする請求項1記載の被覆電線用絶縁被膜劣化診断装
    置。
  3. 【請求項3】 前記円筒形の金属電極ケースは、軸方向
    に沿って分割された部分が開閉可能に設けられているこ
    とを特徴とする請求項2記載の被覆電線用絶縁被膜劣化
    診断装置。
  4. 【請求項4】 前記円筒形の金属電極ケースは、両端部
    に蓋が設けられていることを特徴とする請求項2または
    3のいずれかに記載の被覆電線用絶縁被膜劣化診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記金属電極ケースの蓋は、前記測定試
    料を挿通状態で閉塞可能となるガイド部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項4記載の被覆電線用絶縁被膜
    劣化診断装置。
  6. 【請求項6】 前記被覆電線の絶縁被膜の各種劣化モー
    ドに対応するデータが記憶されており、前記演算手段に
    より演算されたインピーダンス特性のデータを前記記憶
    しているデータと比較することによりその測定した絶縁
    被膜の劣化度合を判定する判定手段を備えたことを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれかに記載の被覆電線用
    絶縁被膜劣化診断装置。
JP1758095A 1995-02-06 1995-02-06 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置 Pending JPH08211115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1758095A JPH08211115A (ja) 1995-02-06 1995-02-06 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1758095A JPH08211115A (ja) 1995-02-06 1995-02-06 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08211115A true JPH08211115A (ja) 1996-08-20

Family

ID=11947854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1758095A Pending JPH08211115A (ja) 1995-02-06 1995-02-06 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08211115A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004001430A1 (en) * 2002-06-21 2003-12-31 S & C Electric Company Electric power line on-line diagnostic method
JP2011174823A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Railway Technical Research Institute 亀裂監視装置及び亀裂監視方法
KR101142160B1 (ko) * 2010-07-29 2012-05-03 한국전력공사 고압 케이블의 절연열화 진단 방법
JP2012122866A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Nhk Spring Co Ltd 圧電素子のクラック検出方法及びその装置
JP2013019710A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Hioki Ee Corp 被覆電線の表面汚れ検出装置
JP2015175596A (ja) * 2014-03-12 2015-10-05 中国電力株式会社 インピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置
JP2017032514A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 太平洋セメント株式会社 腐食センサおよび腐食検出方法
WO2022153821A1 (ja) * 2021-01-14 2022-07-21 三菱電機株式会社 欠陥検出装置、欠陥検出方法、欠陥検出システムおよび回転電機の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004001430A1 (en) * 2002-06-21 2003-12-31 S & C Electric Company Electric power line on-line diagnostic method
JP2011174823A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Railway Technical Research Institute 亀裂監視装置及び亀裂監視方法
KR101142160B1 (ko) * 2010-07-29 2012-05-03 한국전력공사 고압 케이블의 절연열화 진단 방법
JP2012122866A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Nhk Spring Co Ltd 圧電素子のクラック検出方法及びその装置
US8890553B2 (en) 2010-12-09 2014-11-18 Nhk Spring Co., Ltd. Method of and apparatus for detecting cracks in piezoelectric element
JP2013019710A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Hioki Ee Corp 被覆電線の表面汚れ検出装置
JP2015175596A (ja) * 2014-03-12 2015-10-05 中国電力株式会社 インピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置
JP2017032514A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 太平洋セメント株式会社 腐食センサおよび腐食検出方法
WO2022153821A1 (ja) * 2021-01-14 2022-07-21 三菱電機株式会社 欠陥検出装置、欠陥検出方法、欠陥検出システムおよび回転電機の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6054038A (en) Portable, hand-held, in-situ electrochemical sensor for evaluating corrosion and adhesion on coated or uncoated metal structures
Jamali et al. A critical review of electrochemical noise measurement as a tool for evaluation of organic coatings
US20050104607A1 (en) Electrochemical impedance measurement system and method for use thereof
US6280603B1 (en) Electrochemical noise technique for corrosion
US7005851B2 (en) Methods and apparatus for inspection utilizing pulsed eddy current
US6328878B1 (en) Adhesive tape sensor for detecting and evaluating coating and substrate degradation utilizing electrochemical processes
US5221893A (en) Method and device for diagnosis of paint film deterioration
JPH08211115A (ja) 被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置
CN113419147A (zh) 基于雷达谱图式的可视化电缆绝缘状态诊断评估方法
US5746905A (en) Coating evaluation system
Darowicki et al. Dynamic electrochemical impedance spectroscopy measurements of passive layer cracking under static tensile stresses
Koch et al. On-site methods for reliable moisture determination in power transformers
JP2007017405A (ja) 鉄筋腐食度の評価方法
Schwarz et al. Diagnostic methods for transformers
JPH06102218A (ja) 塗膜劣化測定方法
JP3109065B2 (ja) 誘電緩和測定用電極
JP2001027662A (ja) 回転電機の残存絶縁破壊電圧値の推定方法
JPH09163685A (ja) 絶縁診断装置
Knapek et al. Dielectric response analysis of transformers
EP0452071B1 (en) Method and device for diagnosis of paint film deterioration
JP2911070B2 (ja) 塗膜劣化診断装置
RU2112965C1 (ru) Электрохимический анализатор физико-химических свойств материалов
JPH05264642A (ja) ケーブルの劣化診断方法
Hoja et al. Virtual instrument using bilinear transformation for parameter identification of anticorrosion coatings
JPH02285250A (ja) 塗膜測定用プローブ