JP2007017405A - 鉄筋腐食度の評価方法 - Google Patents

鉄筋腐食度の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007017405A
JP2007017405A JP2005202019A JP2005202019A JP2007017405A JP 2007017405 A JP2007017405 A JP 2007017405A JP 2005202019 A JP2005202019 A JP 2005202019A JP 2005202019 A JP2005202019 A JP 2005202019A JP 2007017405 A JP2007017405 A JP 2007017405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion
base material
degree
capacitance
concrete base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005202019A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kaji
孝司 加治
Yukihiko Kono
幸彦 河野
Mitsuru Kondo
充 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Kanso Technos Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
General Environmental Technos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, General Environmental Technos Co Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2005202019A priority Critical patent/JP2007017405A/ja
Publication of JP2007017405A publication Critical patent/JP2007017405A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 腐食の程度を簡単かつ正確に評価することのできる鉄筋腐食度の評価方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、「交流インピーダンス法において求められる静電容量と腐食の程度との間に有意な相関関係がある」といった新規な発見に基づいてなされたものであり、(a)鉄筋12を作用極として、計測点におけるコンクリート母材14の表面に対極20を設置し、(b)鉄筋12と対極20との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加し、(c)鉄筋12と対極20との間に流れる電流の大きさと印加電圧に対する位相角とに基づいて、鉄筋12とコンクリート母材14との界面における静電容量を求め、(d)静電容量に基づく統計的手法によって鉄筋12の腐食度を評価するものである。
【選択図】 図7

Description

本発明は、護岸構造物や橋梁基礎等のコンクリート構造物において、コンクリート母材中に埋設されている鉄筋の腐食の程度を非破壊検査により評価する、鉄筋腐食度の評価方法に関する。
コンクリート構造物において、コンクリート母材中に埋設された鉄筋は、かぶりコンクリートの中性化や、コンクリート母材に含まれる塩分や、外部環境からコンクリート母材内へ浸透した塩分等によって徐々に腐食されていく。このような鉄筋の腐食機構は、上記腐食因子による電位場の乱れが主原因で起こる電池作用であると考えられており、従来では、「自然電位法」や「分極抵抗法」のような電気的計測手法を用いた非破壊検査法によって、鉄筋の腐食状態を検査するようにしていた。
これらの非破壊検査法のうち、「自然電位法」は、銅-硫酸銅電極あるいは銀-塩化銀電極等の照合電極をコンクリート母材の表面(すなわちコンクリート構造物の表面)の計測点に設置し、照合電極とその直下にある鉄筋との電位差を計測し、鉄筋表面の電位分布に基づいて腐食箇所を特定する方法であり、ASTM(米国材料試験協会)において基準化されている。
一方、「分極抵抗法」は、酸化・還元反応が平衡している状態、すなわち分極していない状態におけるコンクリート母材と鉄筋との界面の抵抗(以下、「分極抵抗」という。)を計測し、その分極抵抗の大きさから腐食電流(すなわち腐食速度)の大小を評価する方法であり、腐食電池作用における電流の大きさが分極抵抗と反比例の関係にあることに着目したものである。そして、分極抵抗の計測方法としては、「直流計測法」と「交流インピーダンス法」とがあり、いずれも自然電位(分極していない状態)を中心にして、鉄筋の電位をプラス/マイナス方向に振り、応答する電流の値から分極抵抗を求めるものである。
そして、「交流インピーダンス法」を改良した非破壊検査方法として、特許文献1には、「鉄筋と対極との間に流れる電流の位相角を所定の周波数において計測し、位相角の大小から鉄筋の腐食度を判定するようにした鉄筋腐食計測方法」が開示されている。
特開2004−177124号
従来では、鉄筋の腐食状態を検査する方法として、「自然電位法」や「分極抵抗法」を用いていたが、いずれの方法でも、その計測値から腐食の程度を正確に評価することができないという問題があった。
つまり、「自然電位法」では、原理的に、軽微な腐食と進行した腐食との違いが計測値に反映されることがなく、その計測値を指標とした場合には、「腐食しつつあるのか否か」を漠然と評価できるに過ぎず、「腐食の程度」を知ることができなかった。
一方、「分極抵抗法」では、その計測値が意味するものは「腐食速度」であり、この「腐食速度」については、腐食開始直後の状態と終局に近い状態とで差異がない場合もあるため、「腐食速度」から腐食の程度を正確に評価することは極めて困難であった。そして、「分極抵抗法」では、「自然電位法」よりも定量的な評価が可能ではあるが、計測機材の装備(アンプ、オシロスコープ等)が大きく、また、電気化学の有知識者でないとデータの確認や記録等の作業が困難であるといった問題もあった。
さらに、「交流インピーダンス法」の改良である鉄筋腐食計測方法(特許文献1)では、鉄筋の腐食具合を短時間で正確に評価できるものの、それでも未だ十分ではなく、「評価精度をさらに高めること」に対する強い要請が存在していた。
それゆえに、本発明の主たる課題は、腐食の程度を簡単かつ正確に評価することができる、鉄筋腐食度の評価方法を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「コンクリート母材14と前記コンクリート母材14中に埋設されている鉄筋12とを備えるコンクリート構造物10において前記鉄筋12の腐食の程度を評価する、鉄筋腐食度の評価方法であって、(a)前記鉄筋12を作用極として、計測点における前記コンクリート母材14の表面に対極20を設置し、(b)前記鉄筋12と前記対極20との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加し、(c)前記鉄筋12と前記対極20との間に流れる電流の大きさと印加電圧に対する位相角とに基づいて、前記鉄筋12と前記コンクリート母材14との界面における静電容量を求め、(d)前記静電容量に基づく統計的手法によって前記鉄筋12の腐食度を評価する、鉄筋腐食度の評価方法」である。
本発明は、「交流インピーダンス法において求められる静電容量と腐食の程度との間に有意な相関関係がある」といった新規な発見に基づいてなされたものであり、従来の「交流インピーダンス法」では、「分極抵抗」に着目しているのに対し、本発明では、「静電容量」に着目している点に特徴がある。
本発明によれば、腐食の程度を簡単かつ正確に評価することができる。なお、十分な評価精度を得られることや、腐食の程度を評価できることについては、発明者等の実験(後述)により確認されている(図7参照)。
本発明が適用された「鉄筋腐食度の評価方法」は、図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物10を構成する鉄筋12の腐食の程度を評価する方法であり、上述した「分極抵抗法」のうちの「交流インピーダンス法」の改良に関するものである。
鉄筋コンクリート構造物10では、図1に示すように、複数の鉄筋12が、互いに導通するように縦横に配設され、かつ、結束されており、これらの鉄筋12が、コンクリート母材14中にほぼ一定の深さで埋設されている。したがって、鉄筋12とコンクリート母材14との界面に腐食が生じると、鉄筋12から分離した鉄イオンと電子とが界面において対峙した形態をとり、図2に示すように、抵抗16とコンデンサ18との並列回路、すなわち電気二重層等価回路aがその界面に構成される。このような電気二重層等価回路aを構成する部分は、一般に「電気二重層部」と称される。
また、図1に示すように、鉄筋12を作用極として、計測点におけるコンクリート母材14の表面に対極20を設置すると、鉄筋コンクリート構造物10においては、鉄筋12とコンクリート母材14との界面だけでなく、コンクリート母材14中や、コンクリート母材14と対極20との界面にも電気二重層等価回路aが構成されることになる。したがって、計測系の全体では、図3に示すように、3つの電気二重層等価回路aが直列に接続された等価回路Aが構成されることになる。
本実施例の「鉄筋腐食度の評価方法」は、等価回路Aについて「交流インピーダンス法」によって各種データを取得し、そのデータに基づいて、鉄筋12とコンクリート母材14との界面における静電容量を求め、その静電容量に基づいて、鉄筋12の腐食の程度を評価するものである。
以下には、まず、「静電容量の計測原理」について説明し、続いて、「腐食評価装置22」について説明し、その後、「統計的手法による評価方法」について説明する。
A.静電容量の計測原理について
(1) 図2に示した1つの電気二重層等価回路aに、数kHz〜数mHzの範囲内の二種以上の周波数の微小な交流電圧を、自然電位を中心にしてプラス/マイナス方向に振りながら印加すると、コンデンサ18のインピーダンスにより、位相の進んだ同一周波数の電流が得られる。そして、周波数ごとに計測された印加電圧Vと電流Iと位相角Φとに基づいて、周波数ごとの交流インピーダンスZを数1式によって求めることができる。ただし、一般に、位相角Φは、遅れ位相を負の値として取り扱うが、ここでは、遅れ位相を正の値として取り扱うものとする。
Z:交流インピーダンス(Ω)
X:Zの実軸値(Ω)
Y:Zの虚軸値(Ω)
V:交流電圧(V)の実効値(V:ボルト)
I:交流電流(I)の実効値(A:アンペア)
なお、印加電圧Vは、できるだけ大きい方が電流Iの検出量も大きくなって計測が容易になるが、1(V)を超えると、水の電気分解やコンクリート母材14中に内在する各種イオンの影響が出る恐れがあるため、10(mV)を基本とすることが好ましい。
また、鉄筋12とコンクリート母材14との界面における交流インピーダンスZの情報は、200(mHz)以下の低周波領域で得られることが現地計測の実績から分かっているため、200(mHz)以下の低周波領域で多くのデータを取得することによって、分極抵抗や静電容量の計測精度を高めることができる。ただし、低周波領域では、波長が長くなる分、計測に時間を要するため、計測精度と計測時間との兼ね合いが、周波数選択のポイントとなる。
(2) 一方、交流インピーダンスZの実軸値Xおよび虚軸値Yは、周波数fをパラメータとして、数2式によって表すことができる。
ω:角周波数(rad/sec)
c:コンデンサ静電容量(F)
r:抵抗値(Ω)
f:周波数(Hz)
そして、電気二重層等価回路aにおける周波数ごとの交流インピーダンスZは、図4に示すように、コールコール(cole−cole)図と呼ばれる複素平面に表すことができ、周波数ごとの交流インピーダンスZの軌跡は、複素平面上に半円形の円弧として現れることになる。
なお、理論上は、低周波領域内において、2つの周波数に対する交流インピーダンスZを計測すれば、コールコール図上で円弧外挿が可能となり、また、後述するように、静電容量cおよび分極抵抗rの計算も可能となるが、計測精度を高めるためには、少なくとも3個以上の周波数に対して交流インピーダンスZを計測することが望ましい。
また、各周波数における計測データの取得に際しては、少なくとも16波以上の波形データに対してフーリエ変換等の方法によりノイズ除去処理を施し、平均化された電流値Iおよび位相角Φを用いることが、計測誤差を小さくする上で望ましい。
・ 以上は、1つの電気二重層等価回路a(図2)について、交流インピーダンス特性を把握する手法であるが、実際の計測系では、3つの電気二重層等価回路aが直列に接続された等価回路A(図3)が対象となる。そのため、等価回路A(図3)の全体について交流インピーダンス特性を把握する際には、以下の数3式のように、3つの電気二重層等価回路aについての実軸値Xおよび虚軸値Yを加算することになる。
:対極とコンクリート母材との界面における静電容量(F)
:コンクリート母材中の静電容量(F)
:鉄筋とコンクリート母材との界面における静電容量(F)
:対極とコンクリート母材との界面における抵抗値(Ω)
:コンクリート母材中の抵抗値(Ω)
:鉄筋とコンクリート母材との界面における抵抗値(Ω)
しかし、一般的な鉄筋コンクリート構造物10の静電容量c、cおよびcについては、c<<c、c<<cの関係にあり、各コンデンサ静電容量の値は、10〜100倍程度の違いがある。そして、虚軸値Yに大きく影響する周波数帯は、各電気二重層等価回路aにおける静電容量cに応じて異なり、静電容量cが大きいものほど、低周波域で虚軸値Yが顕著となる。したがって、数3式中のcおよびcについては、これを「ゼロ」として取り扱うことが可能であり、数3式を以下の数4式に置き換えることができる。
また、等価回路A(図3)についての交流インピーダンスZをコールコール図に表すと、各電気二重層等価回路aにおける交流インピーダンスZの軌跡は、実軸上に中心点を持つ3つの半円形の円弧として複素平面上に連続して現れることになる。しかし、数3式中のcおよびcを「ゼロ」とした以上、コールコール図上においてcおよびcに対応する円弧を考慮する必要はなく、cに対応する円弧にのみ着目して交流インピーダンス特性を把握すれば足りる。つまり、cに対応する円弧の基点をXとし、この点Xを原点に置き換えた複素平面上の座標系(X´,Y)において、交流インピーダンス特性を把握すれば足りる。このような考えに基づけば、数4式を以下の数5式に置き換えることができる。
(4) 数1式を用いれば、等価回路A(図3)における交流インピーダンスZの実軸値X´および虚軸値Yを、腐食評価装置22で取得された各種データから求めることが可能である。したがって、少なくとも2つの特定の周波数ω´について交流インピーダンスZの実軸値X´および虚軸値Yを求めると、実軸値X´、虚軸値Yおよび周波数ω´の値を数5式に代入することによって連立方程式を作成することができ、この連立方程式から静電容量cを求めることができる。
B.腐食評価装置について
(1) 腐食評価装置22は、図5に示すように、対極20および照合電極24と協働して腐食評価システム26を構成するものであり、アンプ部22aとパソコン部22bとによって構成されている。
アンプ部22aは、鉄筋12と対極20との間に所定の交流電圧を付与するとともに、静電容量の計測に必要な各種信号を取得するものであり、このアンプ部22aには、図1および図3に示した電流計28が組み込まれている。そして、アンプ部22aの2つの出力端子に鉄筋12および対極20が接続され、照合端子(図示省略)に自然電位を取得するための照合電極24が接続される。
パソコン部22bは、各種演算を実行する演算装置と、制御または評価に必要な種々のデータを入力する入力装置(キーボードまたはマウス等)と、データを記憶する記憶装置(ハードディスク等)と、データを表示するための表示装置(液晶ディスプレイ等)とを備えている。そして、腐食評価の際には、印加電圧、計測周波数、検波数、電流レンジ等の設定データが入力装置から入力され、これらの設定データに基づいて、アンプ部22aの出力が制御される。また、演算装置では、印加電圧に対応する電流および位相角が算出されるとともに、必要な静電容量cが算出され、記憶装置では、各周波数における生波形データ、電流値(実効値)および位相角等が記憶され、表示装置では、交流インピーダンスの軌跡がコールコール図上に描画される。したがって、表示装置の描画結果を確認することによって適正な計測がなされたか否かをリアルタイムで判断できる。
なお、演算装置における演算動作は、具体的には、汎用OS上で動作する専用ソフトで実行され、アンプ部22aを通して取得された波形データは、1波256階調でデジタル変換されたテキストデータとして記憶装置に保存される。また、アンプ部22aの駆動電力は、パソコン部22bからUSBバスパワーによって供給される。
また、腐食評価装置22と同様の機能を備える装置は、ロックインアンプやポテンシオスタット等の電気化学実験で用いられる複数の計測器を接続することによっても構成可能であるが、「容易に操作できる」、「小型化できる」、「人的操作に頼る部分が少ない」といった点において、本実施例の腐食評価装置22の方が有利である。
また、対極20を鉄筋12の真上に位置決めするためには、鉄筋12の位置を事前に把握しておく必要があるが、その位置は、対象構造物の施工図(配筋図)に基づいて、または、既往の鉄筋探査技術等を用いて、比較的容易に把握することができる。また、計測精度を高めるためには、対極20とコンクリート母材14との界面における抵抗の影響を抑える必要があるが、その影響は、石鹸水で浸潤した不織布を界面に介在させることで抑制可能である。
(2) 発明者等は、腐食評価装置22を用いた交流インピーダンスZの計測精度が実用に耐え得るレベルであることを、以下の実験により検証した。
実験1(実施例): 抵抗値5.1kΩの抵抗16と静電容量470μFのコンデンサ18とによって、図2に示す電気二重層等価回路aを模擬作製し、これについて腐食評価装置22(図5)を用いて、交流インピーダンスZを計測し、交流インピーダンスZの軌跡を図6に示すコールコール図に描画した。そして、描画された円弧特性から、分極抵抗rおよび静電容量cを算出した。
なお、腐食評価装置22における計測条件は、表1の通りである。
実験2(比較例): 上述の実施例で用いたのと同じ電気二重層等価回路aを模擬作製し、これを構成する抵抗16の抵抗rおよびコンデンサ18の静電容量cを、テスタ等で計測した。そして、これらの計測値に基づいた回路計算により、実施例で計測した周波数と同じ周波数における交流インピーダンスZを算出し、交流インピーダンスZの軌跡を図6に示すコールコール図に描画した。
実験結果: 実施例および比較例によって得られた分極抵抗rおよび静電容量cの値は、表2の通りである。
表1および図6(コールコール図)を見ると、実施例と比較例とでは、計測結果にわずかな相違が認められるものの、いずれも公称値に極めて近い値が得られており、腐食評価装置22(図5)は、ほぼ適正に交流インピーダンスZを計測していることが分かる。
C.統計的手法による評価方法について
静電容量に基づいて鉄筋12の腐食の程度を評価するためには、「静電容量と腐食の程度との関係」を実験等によって予め把握しておき、この関係をデータとして腐食評価装置22の記憶装置に記憶させておく必要がある。そこで、この実施例では、以下の実験により、「静電容量と腐食の程度との関係」を取得した。
なお、本実施例における鉄筋腐食度の評価基準は、単位面積当たりの静電容量としなければならない。ここで、鉄筋界面における電流の分布幅と対極幅とが等しいとみなして、「対極幅×鉄筋周長」を通電面積とすることも考えられるが、実際の電流分布幅は対極幅以上あることが供試体実験により確認されており、かぶり厚さが50mm以上であれば、対極20を中心にして半径150mmの領域内に位置する鉄筋の全表面積を通電面積として単位面積当りの静電容量を求める必要がある。また、かぶり厚さが50mmに満たない場合は、実がぶり厚さに応じた比例配分によって、かぶり50mmで分布幅150mmとなるように電流の分布幅を設定し、分布幅を半径とする領域内に位置する鉄筋の総表面積を通電面積として単位面積当りの静電容量を求める必要がある。
実験: ある程度の年月を経た複数の試料について、腐食評価装置22を用いて上述の手法により静電容量を計測し、また、目視によってその腐食の程度を確認した。そして、図7に示すように、腐食の程度を5つの腐食度区分I〜Vに分類し、「静電容量と腐食の程度(腐食度区分)との関係」を散布図として表示し、散布データに原点を通る2次曲線を当て嵌めるととともに、相関係数を算出した。
なお、この実験における腐食評価装置22の緒元および計測条件は、表3および表4の通りである。
実験結果: 散布図から得られた相関係数は、0.870と高度に有意な相関関係にあることを示すものとなった。このことから、鉄筋12の腐食の程度を静電容量に基づいて正確に評価できることが明らかとなり、本発明の実用性を確認できた。
したがって、「静電容量と腐食の程度との関係」を腐食評価装置22の記憶装置に記憶しておくことによって、鉄筋12の腐食の程度を静電容量cに基づいて自動的に評価することが可能となり、その結果を表示装置に表示させることによって、瞬時に把握することが可能となる。
交流インピーダンスの計測方法を示す図 電気二重層部の等価回路図 鉄筋コンクリート構造物全体の等価回路図 交流インピーダンス法にて作成されたコールコール図 腐食評価装置を示す簡略図 計測精度を検証するためのコールコール図 静電容量と腐食の程度との関係を示すグラフ
符号の説明
10… 鉄筋コンクリート構造物
12… 鉄筋
14… コンクリート母材
16… 抵抗
18… コンデンサ
20… 対極
22… 腐食評価装置
22a… アンプ部
22b… パソコン部
24… 照合電極
26… 腐食評価システム
28… 電流計

Claims (1)

  1. コンクリート母材と前記コンクリート母材中に埋設されている鉄筋とを備えるコンクリート構造物において前記鉄筋の腐食の程度を評価する、鉄筋腐食度の評価方法であって、
    (a)前記鉄筋を作用極として、計測点における前記コンクリート母材の表面に対極を設置し、
    (b)前記鉄筋と前記対極との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加し、
    (c)前記鉄筋と前記対極との間に流れる電流の大きさと印加電圧に対する位相角とに基づいて、前記鉄筋と前記コンクリート母材との界面における静電容量を求め、
    (d)前記静電容量に基づく統計的手法によって前記鉄筋の腐食度を評価する、鉄筋腐食度の評価方法。
JP2005202019A 2005-07-11 2005-07-11 鉄筋腐食度の評価方法 Pending JP2007017405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005202019A JP2007017405A (ja) 2005-07-11 2005-07-11 鉄筋腐食度の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005202019A JP2007017405A (ja) 2005-07-11 2005-07-11 鉄筋腐食度の評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007017405A true JP2007017405A (ja) 2007-01-25

Family

ID=37754680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005202019A Pending JP2007017405A (ja) 2005-07-11 2005-07-11 鉄筋腐食度の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007017405A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008309523A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Kansai Electric Power Co Inc:The コンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置
JP2008309524A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Kansai Electric Power Co Inc:The コンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法
EP2367018A1 (en) 2010-03-16 2011-09-21 Yokogawa Electric Corporation AC impedance measuring device
CN104880544A (zh) * 2015-04-02 2015-09-02 山东大学 地下工程中对软弱围岩注浆加固效果的检测与评价方法
JP2019020226A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 国立研究開発法人産業技術総合研究所 鉄筋コンクリートの鉄筋腐食評価方法
JP2020115146A (ja) * 2015-07-13 2020-07-30 ユニバーシティー オブ ヒューストン システム 統合リアルタイムモニタリングシステムが付随したケモーサーモーピエゾ抵抗性高感知スマートセメント

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008309523A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Kansai Electric Power Co Inc:The コンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置
JP2008309524A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Kansai Electric Power Co Inc:The コンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法
EP2367018A1 (en) 2010-03-16 2011-09-21 Yokogawa Electric Corporation AC impedance measuring device
US8878549B2 (en) 2010-03-16 2014-11-04 Yokogawa Electric Corporation AC impedance measuring device
CN104880544A (zh) * 2015-04-02 2015-09-02 山东大学 地下工程中对软弱围岩注浆加固效果的检测与评价方法
CN104880544B (zh) * 2015-04-02 2016-04-06 山东大学 地下工程中对软弱围岩注浆加固效果的检测与评价方法
JP2020115146A (ja) * 2015-07-13 2020-07-30 ユニバーシティー オブ ヒューストン システム 統合リアルタイムモニタリングシステムが付随したケモーサーモーピエゾ抵抗性高感知スマートセメント
JP2019020226A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 国立研究開発法人産業技術総合研究所 鉄筋コンクリートの鉄筋腐食評価方法
JP7032722B2 (ja) 2017-07-14 2022-03-09 国立研究開発法人産業技術総合研究所 鉄筋コンクリートの鉄筋腐食評価方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rengaraju et al. Investigation on the polarization resistance of steel embedded in highly resistive cementitious systems–An attempt and challenges
Gonzalez et al. On-site determination of corrosion rate in reinforced concrete structures by use of galvanostatic pulses
JPH0514224B2 (ja)
EP2757306A1 (en) Method and equipment for identifying and measuring alternating current interference in buried ducts
Rios et al. Analysis of AISI 1020 steel corrosion in seawater by coupling electrochemical noise and optical microscopy
JP2007017405A (ja) 鉄筋腐食度の評価方法
JP2007333494A (ja) 蓄電池の劣化診断方法および劣化診断装置
Rauf et al. Employing electrochemical frequency modulation for pitting corrosion
Ahmad et al. A simple and reliable setup for monitoring corrosion rate of steel rebars in concrete
JP2685358B2 (ja) コンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法
Poursaee et al. Galvanostatic pulse technique with the current confinement guard ring: The laboratory and finite element analysis
JP7032722B2 (ja) 鉄筋コンクリートの鉄筋腐食評価方法
Jaśniok Investigation and modelling of the impact of reinforcement diameter in concrete on shapes of impedance spectra
JP2012127908A (ja) 鉄筋異常判定方法及び鉄筋異常判定システム
Keddam et al. Impedance based method for non-contact determination of the corrosion rate in buried metallic structures
JP2002296213A (ja) 腐食評価方法及びデータベース
Andrade et al. Techniques for measuring the corrosion rate (polarization resistance) and the corrosion potential of reinforced concrete structures
Li et al. Damage evolution of coated steel pipe under cathodic-protection in soil
JP2020159770A (ja) 繊維量測定装置、及び繊維量測定方法
Poursaee Corrosion sensing for assessing and monitoring civil infrastructures
Bjegovic et al. Non-destructive corrosion rate monitoring for reinforced concrete structures
Subramaniam et al. Investigation of the local response of the steel–concrete interface for corrosion measurement
JP2004177124A (ja) コンクリート内部の鉄筋腐食計測方法
JP6792859B2 (ja) 解析方法、解析プログラム、および解析装置
JP7113419B2 (ja) コンクリート中鉄筋の腐食箇所検出装置及びその検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Effective date: 20071130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080415

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080909

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02