JP2008309523A - コンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋の腐食領域を精度良く把握できる鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置を提供する。
【解決手段】この発明では、各回の測定において少なくとも3つの測定点P1〜P3で囲まれた領域の鉄筋腐食度の大小を把握でき、この鉄筋腐食度の大小から当該領域における鉄筋腐食度の傾向を平面的に把握できる。したがって、仮に、或る測定時に得られた測定結果が外部要因による影響を受けていた場合であっても、平面的に把握された鉄筋腐食度の傾向同士を相対的に対比することにより外部要因による影響を実質的に排除することができる。そして、これを全ての測定対象領域について繰り返し行なうことにより、測定対象領域全域における鉄筋の腐食度を誤判断なく正確に把握することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流インピーダンス法を利用した鉄筋コンクリート構造物の鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置の改良に関する。
鉄筋コンクリート構造物内部の鉄筋を補修するためには、鉄筋の腐食領域を予め把握しておく必要がある。そして、測定対象領域における鉄筋の腐食領域を把握するために、交流インピーダンス法を利用して鉄筋腐食度を測定することが従来から行なわれている(特許文献1)。
この交流インピーダンス法を利用した従来の鉄筋腐食度の測定方法は、コンクリート内部に埋設されている鉄筋とコンクリート母材の表面に設けた対極との間に周波数を変えながら交流電圧を印加し、鉄筋と対極との間に形成される等価回路の応答特性(具体的には、鉄筋と対極との間のインピーダンス)を測定するというものである。そして、等価回路の応答特性を解析すれば(具体的には、測定により得られたインピーダンスから位相角を算出し、得られた位相角の大小を解析すれば)、鉄筋の腐食度を判定することができ、鉄筋の腐食領域を把握することが可能となる。
特開2004−177124号公報
鉄筋コンクリート構造物の内部に埋設されている鉄筋の補修を的確に行なうためには、鉄筋の腐食領域を正確に把握する必要がある。そこで、従来は、上述した交流インピーダンス法を用い、以下の要領で鉄筋の腐食度を把握していた。すなわち、鉄筋コンクリート構造物の表面を碁盤の目状に区切り、各区域を1つの対極を用いて1箇所づつ順に測定し、得られた測定結果の大小を直接比較することによって(具体的には、各測定点において得られた位相角の大小を比較することによって)鉄筋の腐食度を把握していた。
ところが、この方法では、測定時に印加される電圧が数mVと非常に微弱であることから外部要因による影響(たとえば、雷による電圧上昇障害や、鉄塔付近の電磁誘導障害など)を受けやすく、測定結果に誤差を生じさせることがあった。
そのため、得られた測定結果の大小を直接比較した場合、測定時の外部要因による影響が原因で測定結果間に大小差が生じているにもかかわらず「鉄筋の腐食が原因で測定結果の大小差が生じている」と誤って判断してしまう場合があり、鉄筋の腐食度を正確に把握することができないという問題があった。
それゆえに、本願発明の目的は、測定結果同士を比較する際の誤判断を防止して鉄筋の腐食度をより精度良く把握できる鉄筋腐食度測定方法ならびにその測定装置を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「コンクリート母材14中に埋設されている鉄筋12を作用電極とし、測定点であるコンクリート母材14の表面に対極20を設置し、鉄筋12と対極20との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加することによって鉄筋12の腐食度を測定する鉄筋腐食度の測定方法において、対極20は少なくとも3つ設置されており、鉄筋腐食度を測定する際には、鉄筋12と各対極20a〜20cとの間のインピーダンスZ1〜Z3がそれぞれ同時に測定され、前記同時に測定されたインピーダンスZ1〜Z3がコール・コールプロット図として表示装置48に同時且つリアルタイムに表示される」ことを特徴とするコンクリート内部の鉄筋腐食測定方法である。
この発明では、少なくとも3つの対極20a〜20cを用いることにより、少なくとも3つの測定点P1〜P3における鉄筋腐食度を同時に測定できるので、同時に測定された少なくとも3つの測定結果については、その測定条件が同一であるものとして取り扱うことができる。このように、少なくとも3つの測定結果の測定条件が同一であれば、外部要因による影響が測定結果間の大小差として反映されることはなく、鉄筋腐食度による影響だけが測定結果間の大小差として反映されることになる。
つまり、少なくとも3つの測定点P1〜P3で囲まれた領域においては、同時に測定される少なくとも3つの測定結果同士を直接比較することにより、当該領域における鉄筋腐食度の大小を外部要因による影響を受けることなく把握することができる。
また、例えば1回目の測定の測定結果と2回目の測定の測定結果とを対比する場合のように測定タイミングが異なる測定結果同士を対比する場合には、上述したように、外部要因による影響が測定結果間の大小差として反映され、鉄筋腐食度の判断に誤りを生じさせる可能性がある。
しかしながら、本願発明では、上述したように、各回の測定では少なくとも3つの測定点P1〜P3で囲まれた領域の鉄筋腐食度の大小が把握できており、この鉄筋腐食度の大小から当該領域における鉄筋腐食度の傾向を平面的に把握できる。したがって、仮に、或る測定時に得られた測定結果が外部要因による影響を受けていた場合であっても、平面的に把握された鉄筋腐食度の傾向同士を相対的に対比することによって外部要因による影響を実質的に排除することができ、鉄筋腐食度の判断を正確に行なうことができる。
さらに、1回の測定で少なくとも3つの測定点P1〜P3を同時に測定できるので、その分、測定対象領域全体を測定するのに要する時間を短縮することができる。
そして、同時に測定された少なくとも3つのインピーダンスZ1〜Z3をコール・コールプロット図として表示装置48に同時且つリアルタイムに表示するようにしているので、測定者は、測定中にコール・コールプロット図を確認することで、鉄筋腐食度の測定状況を確認することが可能となる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明を実施するための測定装置に関するものであり、「コンクリート母材14中に埋設されている鉄筋12の腐食度を測定するのに用いられる鉄筋腐食度測定装置22であって、測定点であるコンクリート母材14の表面に設置される少なくとも3つの対極20a〜20cと、鉄筋12と各対極20a〜20cとの間に二種以上の周波数の交流電圧Vを印加するアンプ28と、アンプ28にて印加された各周波数毎の交流電圧Vに対応するインピーダンスZ1〜Z3を演算する演算装置44と、演算装置44にて演算されたインピーダンスZ1〜Z3をコール・コールプロット図として表示する表示装置48とを備えるコンクリート内部の鉄筋腐食度測定装置22」である。
本願発明によれば、各測定において、少なくとも3つの測定点で囲まれた領域の鉄筋腐食度の大小を把握でき、この鉄筋腐食度の大小から当該領域における鉄筋腐食度の傾向を平面的に把握できる。したがって、仮に、或る測定時に得られた測定結果が外部要因による影響を受けていた場合であっても、平面的に把握された鉄筋腐食度の傾向同士を相対的に対比することにより外部要因による影響を実質的に排除することができる。
そして、以上を全ての測定対象領域について繰り返し行なうことにより、測定対象領域全域における鉄筋の腐食度を誤判断することなくより正確に、しかも、より短時間で把握することが可能となる。
本発明が適用された「鉄筋腐食度の測定方法」は、図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物10を構成する鉄筋12の腐食の程度を交流インピーダンス法を利用して測定する方法の改良に関するものである。
鉄筋コンクリート構造物10の内部には、図1に示すように、複数の鉄筋12が互いに導通するように縦横に配設され、かつ、結束されており、これらの鉄筋12がコンクリート母材14中にほぼ一定の深さで埋設されている。
コンクリート母材14中には水分子が存在しているため、鉄筋12の表面では、酸化還元反応が進行する。つまり、鉄筋12からコンクリート母材14に向かって鉄イオンが移動し、鉄筋12中には電子が残留することによって鉄筋12の腐食が徐々に進行するのである。
このようにして鉄筋12とコンクリート母材14との界面に腐食が生じると、鉄筋12から飛び出した鉄イオンと電子とが界面において対峙した形態をとり、図2に示すような抵抗16とコンデンサ18との並列回路、すなわち電気二重層等価回路aが界面に構成される。このような電気二重層等価回路aを構成する部分は、一般に「電気二重層部」と称される。
また、図1に示すように、鉄筋12を作用電極とし、測定点P1〜P3におけるコンクリート母材14の表面に対極20(20a〜20c)を設置すると、或る対極20(例えば、対極20a)に着目した場合、鉄筋コンクリート構造物10においては、鉄筋12とコンクリート母材14との界面だけでなく、コンクリート母材14中や、コンクリート母材14と対極20aとの界面にも電気二重層等価回路aが構成されることになる。したがって、計測系の全体(鉄筋12と対極20aとの間)では、図3に示すように、3つの電気二重層等価回路a(a1〜a3)が直列に接続された等価回路Aが構成されることになる(同様に、対極20bや対極20cについても鉄筋12との間で等価回路Aがそれぞれ構成されることになる)。そして、この等価回路Aに交流電圧を印加することにより、測定点P1における鉄筋腐食度を測定するのであるが、この測定方法について説明する前に鉄筋腐食度を測定するための測定装置22について説明する。
鉄筋腐食度測定装置22は、図1に示すように、3つの対極20(20a〜20c)と、アンプ28と処理端末30とで大略構成されている。ここで、本実施例では、対極20が3つ設けられているが、これは、1回の測定で得られる測定結果から鉄筋腐食度の傾向を平面的に把握することを目的としているからである(この点については後述する)。したがって、この目的を達成するためには、少なくとも3つ以上の対極20が必要であり、上述のように対極20を3つ設ける場合の他、例えば4つ(或いはそれ以上)設けるようにしてもよい。
アンプ28は、鉄筋12と対極20との間に所定の交流電圧を付与するとともに、インピーダンスZの計測に必要な各種信号(電流値等)を取得するものであり、このアンプ28には、図3に示した電流計32が組み込まれている(本実施例では、電流計32が対極20の数に合わせて3つ組み込まれている)。なお、交流電圧の付与ならびに各種信号の取得は、各対極20a〜20cに対して個別に行なうことができる。
このアンプ28には、出力端子34が対極20の数に合わせて3つ設けられており、これら3つの出力端子34のそれぞれに各対極20a〜20cが接続線36を介して接続されている。
さらにこのアンプ28からは、アンプ28と鉄筋12とを電気的に接続するための接続線38が導出されている。また、アンプ28の背面であって接続線38の近傍には、接続端子40が設けられており、この接続端子40に処理端末30が接続ケーブル42を介して接続されている。なお、アンプ28にて取得された各種信号は、接続ケーブル42を介して処理端末30に取り込まれる。
処理端末30は、各種演算を実行する演算装置44と、制御または測定に必要な種々のデータを入力する入力装置(キーボードまたはマウス等)46と、データを記憶する記憶装置(ハードディスク等)と、データを表示するための表示装置(液晶ディスプレイ等)48とを備えている。そして、測定の際には、印加電圧V、計測周波数、検波数、電流レンジ等の設定データが入力装置46から入力され、これらの設定データに基づいて、アンプ28の出力が制御される。また、演算装置44では、印加電圧Vならびにアンプ28にて取得された各種信号(電流値Iなど)をもとにインピーダンスZが演算・測定され、記憶装置では、各周波数における生波形データ、電流値(実効値)およびインピーダンスZ等が記憶され、表示装置48では、交流インピーダンスZの軌跡がコール・コールプロット図として描画される。なお、これら一連の動作は、各対極20a〜20cについてそれぞれ個別に行なわれる。
演算装置44において各測定点P1〜P3における周波数毎のインピーダンスZ1〜Z3が算出されると、各測定点P1〜P3におけるインピーダンスZ1〜Z3の値が、その算出の都度、コール・コールプロット図として表示装置48に順次描画される。したがって、測定者は、鉄筋腐食度の測定をしながら、その測定経過を表示装置48にてリアルタイムに確認することができる。
なお、図5は、測定点P1〜P3におけるインピーダンスZ1〜Z3の値をコール・コールプロット図として表示装置48に描画した状態を示した図であり、その表示画面には、測定点P1〜P3における各測定結果がコール・コールプロット図としてそれぞれ表示されている(図5中、測定点P1についての測定結果をコール・コールプロット図として表したものがQ1であり、測定点P2についての測定結果をコール・コールプロット図として表したものがQ2であり、測定点P3についての測定結果をコール・コールプロット図として表したものがQ3である)。
鉄筋腐食度測定装置22を用いて鉄筋12の腐食度を測定する際には、まず、測定点P1〜P3に対極20a〜20cをそれぞれ設置するとともに、接続線38を鉄筋12と接続する。これにより、各測定点P1〜P3と鉄筋12との間において等価回路Aがそれぞれ構成されることになる。なお、測定点P1〜P3の位置(すなわち、各対極20a〜20cが設置される位置)は、測定誤差を防止するために鉄筋12の直上となるよう位置決めされる。
以上のようにして測定の準備が完了すると、アンプ28を駆動させて各対極20a〜20cと鉄筋12との間に一定の交流電圧を印加し、鉄筋腐食度の測定を開始する。なお、アンプ28の出力は、入力装置46を用いて入力された印加電圧V、計測周波数、検波数、電流レンジ等の設定データに基づいて決定される。
ここで、測定点P1に設置された対極20aに着目して説明すると、対極20aと作用電極となる鉄筋12との間に一定の交流電圧(数mHz〜数kHzという極めて広い周波数領域の間の20〜30程度(勿論、この数字に限定されるものではない。)の周波数が選択される)が印加されると、鉄筋12と対極20aとの間のインピーダンスを測定(演算)するのに必要な各種信号(電流値I等)がアンプ28にて取得される。演算装置44では、アンプ28にて取得された各種信号が取り込まれ、この各種信号を元にしてそれぞれの周波数において鉄筋12と対極20aとの間における全体のインピーダンスZ1=X+jY(jは虚数単位)が演算される。インピーダンスZを測定するための具体的方法については、たとえば先行技術1に開示されているため、ここではその説明を省略する。
なお、コンクリート母材14中における鉄筋12の界面に生じる電気二重層部の静電容量C3は、1cm2当たり数十マイクロファラドといわれており、対極20aとコンクリート母材14との間の静電容量C1やコンクリート母材14の静電容量C2に比べて十分大きい。そのため、大きな電気二重層部の静電容量C3に対して静電容量C1、C2を無視する事が出来、演算により得られたインピーダンスZ1の値を、測定点P1における鉄筋12とコンクリート母材14との界面に生じた電気二重層部のインピーダンスの値として取り扱うことができる。
以上のようにして得られたインピーダンスZ1のうち、実数部Xを横軸に、虚数部Yを縦軸にとり、インピーダンスの各点(X,Y)を曲線で結んだコール・コールプロット図の模式図が図4である。
コール・コールプロット図の曲線は、鉄筋12とコンクリート母材14との界面において発生する並列接続された電荷移動抵抗R3とコンデンサC3の組、コンクリート母材14中において発生する並列接続された抵抗R2とコンデンサC2の組、コンクリート母材14と対極20との界面において発生する並列接続された抵抗R1とコンデンサC1の組毎に半円を繋いだ3つの山状態を示す(図4においては、左側から右側に行くほど低周波領域となる)。
なお、第1の半円部S1は電荷移動抵抗R1とコンデンサC1の組であり、第2の半円部S2は電荷移動抵抗R2とコンデンサC2の組であり、第3の半円部S3が電荷移動抵抗R3とコンデンサC3の組である。
こうして得られたコール・コールプロット図を参照し、原点(0,0)から第3の半円部S3上の測定点(X、Y)を結ぶ直線と、X軸とが成す角度(これが位相角φである。)を求める。
位相角φは、抵抗値R1、R2の影響を受けるものの電気二重層部の静電容量C3の大小に依存しているので、その値が小さくなるほど、鉄筋12の腐食が進行していないことを示す。換言すれば、或る測定点P1において、適当な低周波数fにおける位相角φを測定し、基準となる腐食が生じていない鉄筋の位相角φと比較することで鉄筋12の状態を推測する事が出来るようになる。
なお、これまでの経験から基準となる腐食を生じていない鉄筋12の位相角φは5°〜8°であった。位相角φがこれ以上である場合、鉄筋12に腐食が発生しているか発生し得る状態にある事を示している。
そして、上述と同様の腐食度測定が測定点P2およびP3についても同時に行なわれることとなり、鉄筋腐食度測定装置22の全体としては、1回の測定で3つの測定点P1〜P3についての鉄筋腐食度の測定が同時に行われるのである。
ここで重要な点は、本実施例では、3つの対極20a〜20cを用いることによって3つの測定点P1〜P3における鉄筋腐食度を同時に測定でき、得られた3つの測定結果についてはその測定条件が同一であるものとして取り扱うことができる、という点である。
少なくとも3つの測定結果の測定条件が同一であれば、外部要因による影響が測定結果間の大小差として反映されることはなく、鉄筋腐食度による影響だけが測定結果間の大小差として反映されることになる。
したがって、少なくとも3つの測定点P1〜P3で囲まれた領域の腐食度については、同時に測定される少なくとも3つの測定結果同士を直接比較することにより、その大小を正確に把握することができるのである。
また、例えば1回目の測定の測定結果と2回目の測定の測定結果とを対比する場合のように測定タイミングが異なる測定結果同士を対比する場合には、上述したように、外部要因による影響が測定結果間の大小差として反映され、鉄筋腐食領域の判断に誤りを生じさせる可能性がある。
しかしながら、本実施例では、各回の測定において少なくとも3つの測定点P1〜P3で囲まれた領域の鉄筋腐食度の大小を把握できているので、この鉄筋腐食度の大小から当該領域における鉄筋腐食度の傾向を平面的に把握できる。したがって、仮に、或る測定時に得られた測定結果が外部要因による影響を受けていた場合であっても、平面的に把握された鉄筋腐食度の傾向同士を相対的に対比することにより外部要因による影響を実質的に排除することができ、鉄筋腐食度の判断を正確に行なうことができる。そして、これを全ての測定対象領域について繰り返し行なうことにより、測定対象領域全域における鉄筋の腐食度を正確に把握することが可能となるのである。
さらに、1回の測定で少なくとも3つの測定点を同時に測定できるので、測定対象領域全域を測定するのに要する時間をその分短縮することが可能となる。
そして、同時に測定された少なくとも3つのインピーダンスZ1〜Z3をコール・コールプロット図として表示装置48に同時に表示するようにしているので、測定者は、測定点P1〜P3における鉄筋腐食度の測定状況を確認しながら測定することができる。
なお、本願発明は、その前提として交流インピーダンス法を利用さえしていれば、他の統計的手法による腐食度測定法にも適用が可能である。
たとえば、特開2007−17405号のように静電容量に基づく統計的手法によって鉄筋の腐食度を評価するような場合であっても、その前提として交流インピーダンス法を利用して鉄筋の腐食度を測定するものであれば適用が可能である。
交流インピーダンスの測定方法を示す図である。 鉄筋とコンクリート母材との界面における等価回路図を示す図である。 鉄筋コンクリート構造物全体の等価回路図を示す図である。 交流インピーダンス法を利用して作成されたコール・コールプロット図の模式図である。 測定結果である交流インピーダンスの値を表示装置にコール・コールプロット図として表示させた状態を示す図である。
符号の説明
10…鉄筋コンクリート構造物
12…鉄筋
14…コンクリート母材
16…抵抗
18…コンデンサ
20…対極
22…腐食度測定装置
28…アンプ
30…処理端末
32…電流計
44…演算装置
48…表示装置

Claims (2)

  1. コンクリート母材中に埋設されている鉄筋を作用電極とし、測定点であるコンクリート母材の表面に対極を設置し、前記鉄筋と前記対極との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加することによって前記鉄筋の腐食度を測定する鉄筋腐食度の測定方法において、
    前記対極は少なくとも3つ設置されており、
    鉄筋腐食度を測定する際には、前記鉄筋と前記各対極との間のインピーダンスがそれぞれ同時に測定され、前記同時に測定されたインピーダンスがコール・コールプロット図として表示装置に同時且つリアルタイムに表示されることを特徴とするコンクリート内部の鉄筋腐食度測定方法。
  2. コンクリート母材中に埋設されている鉄筋の腐食度を測定するのに用いられる鉄筋腐食度測定装置であって、
    測定点であるコンクリート母材の表面に設置される少なくとも3つの対極と、
    前記鉄筋と前記各対極との間に二種以上の周波数の交流電圧を印加するアンプと、
    前記アンプにて印加された各周波数毎の交流電圧に対応するインピーダンスを演算する演算装置と、
    前記演算装置にて演算された前記各インピーダンスをコール・コールプロット図として表示する表示装置とを備えるコンクリート内部の鉄筋腐食度測定装置。



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