JP7113419B2 - コンクリート中鉄筋の腐食箇所検出装置及びその検出方法 - Google Patents

コンクリート中鉄筋の腐食箇所検出装置及びその検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、コンクリート構造物におけるコンクリート中鉄筋の腐食箇所を非破壊検査手法により検出するコンクリート中鉄筋の腐食箇所検出装置及びその検出方法に関するものである。
コンクリート構造物内におけるコンクリート中鉄筋の腐食箇所を把握する従来の非破壊検査手法では、コンクリート内においてその測定範囲が不明確であるために埋設されている鉄筋の腐食箇所推定が困難であった。
また、鉄筋の腐食状態を推定する自然電位法も、コンクリートの状態によって測定値が変化し、鉄筋腐食有無あるいは腐食箇所の判定を誤る可能性があった。
さらに、従来の非破壊検査手法として、鉄筋との電気的導通を得るために、ドリルなどでコンクリート構造物を局所的に破壊しなければならなかった。しかしながら、非破壊検査手法にもかかわらずコンクリート構造物に孔をあけるのは、コンクリート構造物の利便性の面でも課題を残す結果となる。
非破壊検査手法と謳いながら、コンクリート内に埋設された鉄筋に測定電流を流すため、コンクリート構造物の表面に対極を設置し、測定装置に前記対極と埋設されている鉄筋とを接続する。すなわち、前記鉄筋と測定装置の電気的導通を得るべく鉄筋に銅線などをつなぐため、コンクリート構造物をドリルなどで局所的に破壊するのは好ましくないからである。
特開2019-105513号公報
かくして本発明は前記従来の課題を解消するために創案されたものであり、非破壊検査であっても、コンクリート構造物内において、腐食した鉄筋の測定範囲が明確化でき、もって鉄筋の腐食箇所推定が容易となり、また、コンクリートの状態によって測定値が変化してしまい、その結果、鉄筋腐食有無あるいは腐食箇所の判定を誤る可能性も低く、さらには、埋設鉄筋との電気的導通を得るために、ドリルなどでコンクリート構造物を局所的に破壊する必要がないコンクリート中鉄筋の腐食箇所検出装置及びその検出方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、
コンクリート構造物の測定面に設置する一対の対極と、該一対の対極に通電する高周波の交流電流と低周波の交流電流とを有する交流電源と、前記一対の対極間に通電した電流値を測定する電流計と、前記コンクリート構造物の測定面の基準電位を測定する基準電極と、前記一対の対極に前記それぞれの交流電流を通電しながら前記対極近傍略下側のコンクリートの電位を各々測定する走査電極と、前記基準電極と走査電極とによりコンクリート構造物の基準電位と対極近傍略下側の電位との電位差を計測する電位差計とを有し、
前記それぞれの交流電流通電時に測定された電流値と電位差値により前記対極近傍略下側の電位差の程度を求め、求められた電位差の程度によりコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
ことを特徴とし、
または、
コンクリート構造物の測定面に設置する一対の対極と、該一対の対極に通電する高周波の交流電流と低周波の交流電流とを有する交流電源と、前記一対の対極間に通電した電流値を測定する電流計と、前記コンクリート構造物の測定面の基準電位を測定する基準電極と、前記一対の対極に前記それぞれの交流電流を通電しながら前記対極近傍略下側のコンクリートの電位を測定する走査電極と、前記基準電極と走査電極とによりコンクリート構造物の基準電位と対極近傍略下側の電位との電位差を測定する電位差計と、画像表示部とを有し、
前記それぞれの交流電流通電時に測定された電流値と電位差値により前記対極近傍略下側の電位差の程度を求め、求められた電位差の程度を前記画像表示部に表示してコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
ことを特徴とし、
または、
コンクリート構造物の測定面より、高周波の交流電流と低周波の交流電流とをそれぞれコンクリート構造物内に向かって通電し、通電しながら測定したそれぞれの交流電流の電流値と電位値からコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、非破壊検査であっても、コンクリート構造物内において、腐食した鉄筋の測定範囲が明確化でき、もって鉄筋の腐食箇所推定が容易となり、また、コンクリートの状態によって測定値が変化してしまい、その結果、鉄筋腐食有無あるいは腐食箇所の判定を誤る可能性も低く、さらには、埋設鉄筋との電気的導通を得るために、ドリルなどでコンクリート構造物を局所的に破壊する必要がないとの優れた効果を奏する。
本発明の説明図(1)である。 本発明の説明図(2)である。 本発明の説明図(3)である。 本発明の説明図(4)である。 本発明の説明図(5)である。 本発明の説明図(6)である。 本発明の説明図(7)である。 本発明の説明図(8)である。 本発明の説明図(9)である。 本発明の説明図(10)である。 本発明の説明図(11)である。 本発明の構成を説明する説明図である。 本発明の構成によって測定された結果を説明する説明図である。 計測結果を画像表示した状態を説明する説明図(1)である。 計測結果を画像表示した状態を説明する説明図(2)である。 計測結果を画像表示した状態を説明する説明図(3)である。 計測結果を画像表示した状態を説明する説明図(4)である。
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、アルカリ性の水溶液に鉄を浸せきし、この状態で、鉄に交流電流を通電し、通電した1時間、10日間、12日間、15日間、20日間、30日間経過後の鉄の電気抵抗を測定した結果を示したものである。
そして、前記水溶液には随時塩化ナトリウムを添加し、前記の経過時間ごとに図2に示す塩分濃度にし、鉄の腐食を生じさせるものとした。
ここで、図1は、横軸は周波数、縦軸が電気抵抗の両対数グラフで示したものである。
図1に示すように、鉄の電気抵抗[Ω]は、通電する交流電流[A]の周波数[Hz]により異なることが理解できる。そして、周波数による電気抵抗の変化は腐食が進行するにしたがって小さくなることも理解できる。よって、図1に示すように、曲線の傾きにより鉄の腐食箇所が認識できるものとなる。すなわち、高周波の交流電流を通電した場合、鉄筋の腐食状態によらず、鉄筋の抵抗は小さな値を示す。しかし、低周波の交流電流を通電した場合、腐食のない健全な鉄筋の抵抗は大きな値を示すが、腐食した鉄筋の抵抗は比較的小さな値を示すこととなる。
これにより、図1において傾きがない曲線は腐食ありと判定されるのである。すなわち、図1において、30日経過後で塩分濃度1.0Mの場合が最も傾きが少なく、腐食していることが判断できる。次に、20日経過後で塩分濃度0.5Mの場合が2番目に腐食進行していることが判断できる。さらに、15日経過後で塩分濃度が0.25Mの場合が3番目に腐食進行し、12日経過後で塩分濃度が0.1Mの場合が4番目に腐食進行していることが判断できる。
(測定の基本原理)
図1に示す結果、すなわち、高周波の交流電流を通電した場合、鉄筋の腐食状態によらず、鉄筋の抵抗は小さな値を示し、低周波の交流電流を通電した場合、腐食のない健全な鉄筋の抵抗は大きな値を示すが、腐食した鉄筋の抵抗は比較的小さな値を示すとの結果を基に本発明の測定基本原理を説明する。
図3乃至図6は鉄筋コンクリートの表面、すなわち測定面1上に設置した2枚の対極2に周波数の異なる交流電流(高周波電流及び低周波電流)を通電した際の電流挙動の概念図であり、図3、図4は健全な鉄筋、図5、図6は腐食した鉄筋に電流を通電した図を示したものである。
図3につき説明すると、高周波の交流電流を通電した場合、鉄筋の腐食状態によらず、鉄筋の抵抗は小さな値を示し、電流は抵抗の小さな箇所を通ることから、通電電流の多くが鉄筋を通り、コンクリートを通る電流は少量である。
次に、図4につき説明する。低周波の交流電流を通電した場合、健全な鉄筋の抵抗は大きな値を示す。したがって通電電流の多くがコンクリートを通り、鉄筋を通る電流は少量である(図4参照)。
図5,図6につき説明する。高周波の交流電流を通電した場合、鉄筋が腐食していても、鉄筋の抵抗は小さな値を示す。よって、電流は抵抗の小さな箇所を通ることから、通電電流の多くが鉄筋を通る。しかし、低周波の交流電流を通電した場合においても、腐食した鉄筋の抵抗は比較的小さな値を示す。図1に示す結果の通りである。したがって通電電流の多くが腐食した鉄筋を通り、コンクリートを通る電流は少量である。
以上の結果をまとめると図7に示す結果となる。
すなわち、図8乃至図11に示す如く四角に囲んだ枠に着目することにする。すると、高周波電流と低周波電流でコンクリートを通る電流の変化が大きければ健全鉄筋箇所と判断できる(変化の大きさを矢印の太さで表している。)
そして、高周波電流と低周波電流でコンクリートを通る電流の変化が小さければ腐食鉄筋箇所と判断できることになる(ここで、図において変化の大きさを矢印の太さで表している。)。
すなわち、コンクリートに流れる電流の変化を検出することで鉄筋の腐食判定が可能となるのである。
ところで、コンクリートを通る電流の測定は現実問題として難しい。しかし、コンクリート表面で電位を測定することはできる。そしてその電位を測定することにより電流の変化を求めることが出来る。なぜなら、電流が大きく変化した箇所では電位も大きく変化するからである。
よって、電流が大きく変化した箇所では電位も大きく変化することを利用すれば、コンクリート表面で電位を測定し、測定電位の変化からコンクリートを流れる電流の変化を検知できるものとなるからである。
従って、最終的にはコンクリート表面で電位を測定すべく、高周波と低周波の交流電流を通電したときに電位に変化が生じた箇所が健全鉄筋箇所、これに対し、高周波と低周波を通電したときに電位に変化が生じない箇所が腐食鉄筋箇所と判断できるものとなる。
ここで、本発明の測定概要につき図12に基づいて説明する。
使用機器としては、高周波及び低周波の交流電流など周波数の異なる交流電流を通電できる交流電源4を使用する。また、電位差計7、電流計5、照合電極である基準電極3及び走査電極6の2つの電極、対極2(2枚で1セット:対極間の距離は常に同じ)が必要となる。
ところで、コンクリート中鉄筋の腐食箇所を測定するコンクリート構造物として、一例を挙げれば、以下のものが実験例として挙げられる。すなわち、鉄筋コンクリート構造物の寸法として、1500×1500×10cmのものが使用される。そして、 第一鉄筋のかぶりが5cmで、第二鉄筋のかぶりが6.9cmとなるように、鉄筋を10cm間隔で30本、例えば格子状に配筋してある。
また、測定面1に設置する2つの対極2間距離(最も近づけた場合の距離)は、10cmとしてある。
ここで、2つの対極2間の距離については、一方の対極2から他方の対極2へ電流が流れる際に、コンクリートおよび鉄筋を通るよう、2つの対極2間距離、好ましくは2つの対極2を最も近づけた場合の距離を確保する必要がある。そして、コンクリート構造物の大きさ、厚み、鉄筋のかぶり位置、鉄筋の数によって対極2間の距離は変更されるものとなる。
図12に示すように、まず、測定面1上に対極2一対をある所定の距離を離して設置する。次いで、前記設置した一対の対極2から離れた場所、すなわち一対の対極2間に流す電流の影響を受けない位置に基準電極3となる照合電極を1つ設置する。そして、前記一対の対極2には交流電源4と電流計5とを接続する。さらに、前記基準電極3と走査電極6と電位差計7とを接続する。
尚、重力の影響によって前記の機器、特に対極2の設置が単に置いただけでは固定しない場合には、吸盤型治具などを用い、コンクリート面の表面に固定することが考えられる。前記吸盤型治具を使用すれば、測定面1がコンクリート構造物の側面や底面であっても前記機器を固定でき、コンクリート構造物の内部鉄筋の腐食箇所をコンクリート構造物の側面や底面から測定できる。
次に、測定手順につき説明する。
まず、一対の対極2間に低周波電流及び高周波交流電流につき、それぞれ時間をずらして通電する。
例えば、低周波の交流電流を通電し、後述の測定を行った後、通電をストップすべく電源を切断する。次いで、高周波の交流電流を通電し、後述の測定を行った後、通電をストップすべく電源を切断するのである。
前述の測定であるが、電流計5によって一対の対極2間に流れる電流データをそれぞれの周波数の交流電流毎に取得する。
次いで、前記一対の対極2の設置近傍付近に走査電極6を設置し、これにより高周波交流電流及び低周波電流を通電したときの電位測定を行う。
すなわち、前記一対の対極2間に高周波交流電流、低周波交流電流を通電している状態において、電位差計7を用いて対極2設置近傍付近の電位データを取得する。
ここで、電位データの測定であるが、基準電極3が接しているコンクリート表面の電位は測定中には変化しない、そのため,基準電極3の電位を基準として,走査電極6が接しているコンクリート表面の電位を測定するのである。
上記のように、一対の対極2間に、高周波交流電流と、低周波交流電流の双方の交流電流をそれぞれ通電する。
具体的には、高周波交流電流の範囲としては100Hz箇所~100mHz箇所のもの、低周波交流電流の範囲としては100mHz箇所以下のものと分けることが出来る。これら周波数の交流電流を選択してそれぞれ通電する。
そして、電流計5によって電流データを各々取得し、前記一対の対極2間に前記高周波電流及び低周波交流電流を通電している状態において、電位差計7を用いて対極2付近の電位データを取得する。
次に、前記対極2設置近傍付近に設置した走査電極6の設置位置を変えて再度前記各々の測定を行う。
すなわち、上記走査電極6の設置位置を変えた状態で再び一対の対極2間に高周波交流電流及び低周波交流電流をそれぞれ通電して、電流計5によって電流データを取得し、電位差計7を用いて、前記設置位置を変えた対極2付近の電位データを取得する。
上記走査電極6の設置位置を変えて電位データ及び電流データの取得は繰り返し行う。この繰り返し行うデータ取得は少なくとも2回以上行うことが好ましい。そしてこの繰り返し回数が多ければ多いほど一対の対極2近傍位置における電位の正確なデータを取得できることとなる。
次に、測定面1における一対の対極2自体の設置位置を変えて上記の走査を行う。一対の対極2の設置位置が1箇所に固定した場合には、その一対の対極2のほぼ直下における鉄筋の腐食データしか測定できないからである。測定面1における一対の対極2自体の設置位置を変えれば、広範囲の測定範囲での鉄筋の腐食データが得られる。
よって、測定面1の全体面にわたっての鉄筋の腐食データを取得したい場合には前記一対の対極2の設置位置を測定面1の全体に亘って移動させて設置し、データを所得する必要がある。
(測定値の整理)
ここで、前記の操作により測定され、取得されたデータは図13に示すような電位データおよび電流のデータである。すなわち、交流電流なので波の形として得られ、また電流と電位の波形のズレ(位相:Pとする)と電位の振幅:Dが情報として得られるものとなる。
ここで、前記得られたデータPとDを数1の式に代入し、一つの数値
Figure 0007113419000001
に加工する。
Figure 0007113419000002
ここに、eはネイピア数、iは虚数単位である。
Figure 0007113419000003
は「鉄筋腐食探査原理」のコンクリート表面の電位に該当するものとなる。
前記したとおり、低周波数のコンクリート表面の電位と高周波数のコンクリート表面の電位の変化でコンクリート構造物中における鉄筋の腐食箇所を同定できる。低周波数の
Figure 0007113419000004
と高周波数の
Figure 0007113419000005
を計算し、両者の差
Figure 0007113419000006
とすれば、
Figure 0007113419000007
が電位の変化に該当する。
Figure 0007113419000008
ここに、
Figure 0007113419000009
は低周波の
Figure 0007113419000010

Figure 0007113419000011
は高周波の
Figure 0007113419000012
である。そして、
Figure 0007113419000013
が大きいと健全鉄筋、
Figure 0007113419000014
が小さいと腐食鉄筋と判断することができるのである。
なお、前記走査電極6の設置位置を変えて電位データ及び電流データの取得は繰り返し行う測定手順の段階で測定面1において設置位置を移動したときの各走査電極位置ごとの
Figure 0007113419000015
が計算でき、その結果測定面1の全面に亘っての腐食状態が認識できる。
次に、
Figure 0007113419000016
をマッピングして、鉄筋の腐食状態を画像表示して検出する操作につき説明する。
Figure 0007113419000017
をマッピングすると図14、図15のようになる。ここで、マッピングに際しては、例えば、
Figure 0007113419000018
が大きいと明るく、小さいと暗くなるよう色彩調整された画像変換ソフトを用い、測定面1からコンクリート構造物内鉄筋の腐食状態をディスプレイ上に画像表示することが考えられる。
図14、図15は測定面1の左上に対極2を置いて測定した結果である。ここで図14は、鉄筋の健全な試験体、中央に腐食した鉄筋のある試験体、一隅に腐食鉄筋のある試験体、全面に腐食した鉄筋のある試験体をおのおの表現した図面である。本来内部の腐食した鉄筋の箇所は外部からは可視できないが、図14ではそれを可視できるように表現したものである。
そして、図15は、左上の位置での検出においてマッピングした画像表示である。
このように、左上の画像表示によって、
Figure 0007113419000019
マッピングで対極2の付近の腐食の有無が判断できる。すなわち、図15に示すように、コンクリート中において健全鉄筋(健全試験体)の場合あるいは中央に腐食鉄筋(試験体)がある場合には、測定面1の左上の画像が明るくなる。これに対し、測定面1の左上に腐食鉄筋(腐食試験体)がある場合あるいは測定面1の全面に腐食鉄筋(試験体)がある場合には、測定面1の左上の画像が暗くなるのである。
次に、測定面1の全面を画像表示させる場合には、図17に示す通りとなる。
ここで、図16は図14と同様に、鉄筋の健全な試験体、中央に腐食した鉄筋のある試験体、一隅に腐食鉄筋のある試験体、全面に腐食した鉄筋のある試験体をおのおの表現した図面である。そして、図17は、測定面1の全面をマッピングして画像表示したものである。
そのマッピングにつき説明すると、まず、対極2の設置位置を移動し異なる対極位置での
Figure 0007113419000020
を足し合わせる。
すなわち測定全ての位置で
Figure 0007113419000021
を計算し、足し合わせれば、腐食の有無に関して面的なデータが得られるものとなる。
Figure 0007113419000022
前述した「一対の対極2の設置位置を測定面1の全体に亘って移動させて設置し、データを所得する」との測定手順の段階で
Figure 0007113419000023
が計算できるである。
Figure 0007113419000024
を図示すれば図17のとおり、腐食の有無に関して面的なデータが得られることとなる。すなわち、明るい部分が健全部、黒い部分が腐食部として判断できるである。
よって、コンクリート中において健全鉄筋(健全試験体)の場合は、測定面1の全面が明るい色の画面となる。また、中央に腐食鉄筋(試験体)がある場合には、測定面1の中央の部分が暗い画面となり、それ以外は明るい画面となる。これに対し、測定面1の左上に腐食鉄筋(腐食試験体)がある場合は、測定面1の左上の画面が暗くなり、それ以外は明るい画面となる。さらに、測定面1の全面に腐食鉄筋(試験体)がある場合には、測定面1の全面が暗くなるのである。
ここで、前記画像表示に際しては、画像表示部が使用される。画像表示部には、例えば、ディスプレイなどの表示部を備えたコンピュータなどが該当する。前記コンピュータには通常、制御部、記憶部、表示部、出入力部を有しており、前記制御部により所定のマッピングソフトを起動させ、そのマッピング結果をディスプレイの画像表示面に表示するものとなる。すなわち、本件発明においては、鉄筋の腐食箇所を前記ディスプレイ上に画像表示させることにより容易に腐食箇所が検出できて認識することが可能となる(図15、図17参照)。
1 測定面
2 対極
3 基準電極
4 交流電源
5 電流計
6 走査電極
7 電位差計

Claims (3)

  1. コンクリート構造物の測定面に設置する一対の対極と、該一対の対極に通電する高周波の交流電流と低周波の交流電流とを有する交流電源と、前記一対の対極間に通電した電流値を測定する電流計と、前記コンクリート構造物の測定面の基準電位を測定する基準電極と、前記一対の対極に前記それぞれの交流電流を通電しながら前記対極近傍略下側のコンクリートの電位を各々測定する走査電極と、前記基準電極と走査電極とによりコンクリート構造物の基準電位と対極近傍略下側の電位との電位差を計測する電位差計とを有し、
    前記それぞれの交流電流通電時に測定された電流値と電位差値により前記対極近傍略下側の電位差の程度を求め、求められた電位差の程度によりコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
    ことを特徴とするコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所検出装置。
  2. コンクリート構造物の測定面に設置する一対の対極と、該一対の対極に通電する高周波の交流電流と低周波の交流電流とを有する交流電源と、前記一対の対極間に通電した電流値を測定する電流計と、前記コンクリート構造物の測定面の基準電位を測定する基準電極と、前記一対の対極に前記それぞれの交流電流を通電しながら前記対極近傍略下側のコンクリートの電位を測定する走査電極と、前記基準電極と走査電極とによりコンクリート構造物の基準電位と対極近傍略下側の電位との電位差を測定する電位差計と、画像表示部とを有し、
    前記それぞれの交流電流通電時に測定された電流値と電位差値により前記対極近傍略下側の電位差の程度を求め、求められた電位差の程度を前記画像表示部に表示してコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
    ことを特徴とするコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所検出装置。
  3. コンクリート構造物の測定面より、高周波の交流電流と低周波の交流電流とをそれぞれコンクリート構造物内に向かって通電し、通電しながら測定したそれぞれの交流電流の電流値と電位値からコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所を検出する、
    ことを特徴とするコンクリート構造物に埋設された鉄筋の腐食箇所の検出方法。

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