JP5344026B2 - 電波受信機器 - Google Patents

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Description

本発明は電波受信機器に関するものである。
従来、電波受信機器の1つとして、時刻データを含む標準電波を受信するアンテナをケース本体(機器本体)の内部に備え、このアンテナで受信した標準電波に基づいて時刻修正を行なう電波時計が知られている。
このような電波時計として、外観の高級感を高めるために、ケース本体と閉塞部材である裏蓋を共に金属によって形成するとともに、ケース本体の内周壁面と裏蓋の外周壁面とにそれぞれねじ部を形成し、ねじ同士を互いに螺合させることによって、ケース本体と裏蓋とをねじ結合させた電波時計がある。
しかし、この電波時計では、金属製のケース本体と金属製の裏蓋とが電気的に導通していると、ケース本体と裏蓋を還流する電流が増大し、アンテナの受信感度が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、このような問題を解消するために、ケース本体の内部に内延部と、この内延部に絶縁部材を介して接触している中枠とを有し、この中枠に形成したねじ部に裏蓋のねじ部を螺合させることで、ケース本体と裏蓋とを電気絶縁した電波時計が知られている(例えば、特許文献1)。また、裏蓋側のねじ部が形成された金属製の突起部に所々切欠きを設け、この切欠きによってねじ部を分断し、この裏蓋側のねじ部とケース本体側のねじ部との螺合面積を小さくすることで、ケース本体と裏蓋との結合面積を小さくして、受信感度の低下を抑制した電波時計が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2008−76326号公報 特開2007−263572号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の電波時計においては、ケース本体および裏蓋とは別体の中枠を使用するため、ケース本体への裏蓋の結合作業が煩雑であるという問題がある。また、ケース本体の内部に中枠を設けるため、その分、ケース本体を大きくしなければならないという問題がある。
一方、上記特許文献2に記載の電波時計においては、ねじ部同士の螺合面積が小さくなるとは言え、裏蓋側のねじ部とケース本体側のねじ部とが金属接触していることから、ケース本体と裏蓋との電気的な絶縁を確実には図れないという問題がある。また、ねじ部が形成される突起部に切欠きを設けるため、その分、ケース本体と裏蓋との結合力が弱くなってしまうという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、機器本体と閉塞部材との結合力を低下させることなく、機器本体と閉塞部材との間の電気的な絶縁をより確実にした電波受信機器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
筒状の金属製の機器本体、この機器本体の一端開口を閉塞する金属製の第1の閉塞部材、前記機器本体の他端開口を閉塞する電波透過性の第2の閉塞部材、および、前記機器本体内に配置されたアンテナを備えている電波受信機器において、
前記機器本体と前記第1の閉塞部材とを、互いの螺合によってねじ結合する第1のねじ部および第2のねじ部を備え、
前記第1のねじ部は、前記機器本体の金属壁面に形成され、
前記第2のねじ部は、前記第1の閉塞部材に接合樹脂部材を介して取り付けられた金属製の環状部材に形成され、
前記接合樹脂部材は、前記第1の閉塞部材の内面に設けられた環状凹部の金属壁面に形成されたナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して前記環状凹部の金属壁面に接合されているとともに、前記環状部材の金属壁面に形成されたナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して前記環状部材の金属壁面に接合されていることを特徴とする電波受信機器である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電波受信機器であって、前記機器本体および前記第1の閉塞部材は、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、マンガン、銅、モリブデン、コバルト、タングステン若しくはマグネシウム、又は、これらの金属元素のうちの少なくとも1つを含有する合金から成るグループのうちから選ばれた少なくとも一種の金属によって形成され、前記接合樹脂部材は、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフタルアミドのうちから選ばれた少なくとも一種の樹脂によって形成されていることを特徴とする
この発明によれば、金属製の機器本体とこの機器本体の一端開口を閉塞する金属製の第1の閉塞部材とのいずれか一方と接合樹脂部材とが接合されており、この接合樹脂部材を介して、機器本体と第1の閉塞部材とがねじ結合されているので、両者の結合作業を簡単に行うことができる。また、接合樹脂部材の電気絶縁作用によって、機器本体と第1の閉塞部材との電気絶縁を確実に図ることができ、機器本体と第1の閉塞部材との間の電気絶縁性を確保するために別途部品を必要としないことから、機器本体ひいては電波受信機器のサイズを小型にすることができる。
さらに、金属壁面に形成されたナノメートルサイズの多数の凹凸部に接合樹脂部材が強固に接合されているため、結合、分解を繰り返しても接合樹脂部材が脱落する虞がなく、長期に亘って確実な電気絶縁を図ることができる。
さらにまた、機器本体と第1の閉塞部材が全周で結合されるため、機器本体と第1の閉塞部材との結合をより一層強固にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る電波時計の一部を示す断面図である。 図1の電波時計におけるケース本体および裏蓋の要部を拡大して示す断面図である。 図1の電波時計の裏蓋を示したもので、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A線断面図、(C)は底面図である。 図2の裏蓋に接合樹脂部材を接合させる手順を示し、(A)は接合樹脂部材の接合前の状態の裏蓋の要部断面図、(B)は多数の凹凸部を形成した後の裏蓋の要部断面図、(C)は多数の凹凸部を介して接合樹脂部材を接合した後の裏蓋および接合樹脂部材の要部断面図、(D)は接合樹脂部材にねじ部を形成して完成した裏蓋の要部断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電波時計におけるケース本体および裏蓋の要部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る電波時計におけるケース本体および裏蓋の要部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る電波時計におけるケース本体および裏蓋の要部断面図である。
以下、本発明の電波受信機器として電波時計の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電波時計の一部を示す断面図、図2は、電波時計におけるケース本体および裏蓋の要部を拡大して示す断面図である。
この第1の実施形態の電波時計1は、筒状の機器本体であるケース本体10、第1の閉塞部材である裏蓋20、および、第2の閉塞部材である時計ガラス30を備えている。そして、ケース本体10の一端開口10aは、裏蓋20によって閉塞されている。一方、ケース本体10の他端開口10bは電波透過性の時計ガラス30によって閉塞されている。また、ケース本体10と裏蓋20との間にはシール部材2が介装されている。一方、ケース本体10と時計ガラス30との間にはシール部材3がそれぞれ介装されている。これによって、ケース本体10の内部の防水性が確保されている。
また、ケース本体10の内部には、時計モジュール4、時刻データを含む標準電波を受信するアンテナ5、見切り部材8、その他図示しない文字板および指針等が収容されている。
ここで、ケース本体10は金属製、例えばチタン製で、筒状に形成されている。このケース本体10の下端面には、図2に示すように、シール部材2を設置するための環状溝10cが形成されている。また、このケース本体10の下端部内周側には環状段部10dが形成されている。この環状段部10dは、下方を向く壁面10d−1と、ケース本体10の中心を向く壁面10d−2とによって構成されている。この壁面10d−1,10d−2は金属壁面である。このうち壁面10d−2はケース本体10の内周壁面の一部を構成し、この内周壁面には、雌ねじからなる第1のねじ部11が形成されている。
図3は、電波時計1の裏蓋20を示したもので、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A線断面図、(C)は底面図である。
この裏蓋20は金属製、例えばチタン製で円盤状に形成されている。
この裏蓋20の内面には、当該裏蓋20の周縁近くに、当該内面に対して起立する環状突起部22が形成されている。この環状突起部22の外径は、上記ケース本体10の壁面10d−2に囲まれる円の直径よりも小さくなっている。そして、この環状突起部22の頂壁面はケース本体10の壁面10d−1に対峙し、一方、環状突起部22の外周壁面はケース本体10の壁面10d−2に対峙している。
また、裏蓋20の内面には、環状突起部22の直ぐ外側に、当該環状突起部22を取り囲むように環状凹部25が形成されている。この環状凹部25の壁面は金属壁面である。この環状凹部25の壁面のうち内周側の壁面は環状突起部22の外周壁面と面一となっている。そして、環状凹部25の壁面と環状突起部22の外周壁面とには、ナノメートルサイズの多数の凹凸部(でこぼこ部)26(図4(B)参照)が形成されている。ここで、ナノメートルサイズとは、10〜300nmのサイズをいう。この実施の形態の場合は、多数の凹凸部26の超微細な穴の直径は、10〜100nmのサイズの穴径であるが、例えば、20〜300nm、20〜30nmのサイズの穴径であってもよい。
そして、裏蓋20には、上記多数の凹凸部26を介して接合樹脂部材40が接合されている。この接合樹脂部材40は、環状凹部25と環状突起部22の外周壁面とに亘って形成され、環状凹部25および環状突起部22の外周壁面を被覆している。この環状接合樹脂部材40の外周壁面は、上記ケース本体10の壁面10d−2に対峙しており、そこには、雄ねじからなる第2のねじ部27が形成されている。この第2のねじ部27はケース本体10の第1のねじ部11と螺合され、これによって、ケース本体10と裏蓋20とがねじ結合されている。
なお、この接合樹脂部材40の形成位置は、ケース本体10に裏蓋20を結合した際に外部から視認できない位置とすることが好ましい。
また、裏蓋20の外面周縁部には、傾斜面23が形成され、その傾斜面23には、周方向に等間隔に6個の切欠き24が形成されている。この切欠き24は、ケース本体10に対して裏蓋20を回転させる際に、引っ掛けスパナーの爪を引っ掛ける部分である。
続いて、接合樹脂部材40付きの裏蓋20の製造方法について説明する。
この製造方法には、金属部材と樹脂部材の射出成形による一体成形化技術による製造方法を用いる。
すなわち、この製造方法には、金属部材への表面処理によりナノメートルサイズの微細な凹凸部を金属表面に形成し、この凹凸部に射出成形方法により、硬質樹脂を入れ込み、金属部材と樹脂部材とを一体化する技術を用いる。この技術は、公知であるので、その説明は省略する。
以下、この製造手順について説明する。
まず、図4(A)に示すように、環状突起部22および環状凹部25が形成された裏蓋母体21を準備する。裏蓋母体21は、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、マンガン、銅、モリブデン、コバルト、タングステン若しくはマグネシウム、又は、これらの金属元素のうちの少なくとも1つを含有する合金から成るグループのうちから選ばれた少なくとも一種の金属によって形成されていてもよい。このうち、鉄合金は、例えば、ステンレス鋼(SUS304、SUS316L、SUS316F)を含む。チタンは例えば純Tiを含む。チタン合金は例えば64チタン合金を含む。これらの金属材料のうちでも、64チタン合金(アルミニウム約6%、バナジュウム約4%およびチタン約90%を含有する合金)が特に好ましい。また、ケース本体10も、裏蓋母体21と同様な金属材料を用いることが好ましい。
次に、この裏蓋母体21をアルカリ液に浸漬して脱脂処理を行ない、その後、酸液に浸漬して中和を図る。
次に、侵食性水溶液または侵食性懸濁液に裏蓋母体21を浸漬して、図4(B)に示すように、環状突起部22の外周壁面と環状凹部25の壁面とに亘ってナノメートルサイズの直径および深さの多数の凹凸部26を形成する。多数の凹凸部26を構成している各くぼみそれぞれの直径および深さは、この実施の形態の場合、20ナノメートル程度の寸法であるが、これに限られず、他の寸法でもよい。
その後、裏蓋母体21を水洗し、乾燥機によって乾燥させる。
次に、裏蓋母体21を金型内に入れ、射出成形によって、成形樹脂、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)を環状突起部22の外周壁面と環状凹部25とに亘って入れ込み、図4(C)に示すように樹脂ブロック40Aを形成する。
ポリフェニレンスルファイド(PPS)は、単独で使用される場合のほか、(A)ポリフェニレンスルファイド70〜99重量%およびポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂組成物、(B)ポリフェニレンスルファイド70〜99重量%と、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体,グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体,グリシジルエーテル変性エチレン系共重合体,エチレンアルキルアクリレート共重合体の中から選択される1種以上のポリオレフィン系樹脂1〜30重量%とを含む樹脂分組成物の混合の形で使用される。
この実施の形態の場合、成形樹脂として、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を用いたが、これに限られず、ポリフェニレンスルファイド(PPS)に、ガラス繊維20%を含有させた材料を使用したもの、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(AXG)を用いてもよい。
次いで、裏蓋母体21の表面を切削するとともに、図4(D)に示すように樹脂ブロック40Aの外周壁面を切削して第2のねじ部27を形成し、その後に、全体を研磨するとともに、切欠き24を形成する。これによって、第2のねじ部27が形成された接合樹脂部材40付きの裏蓋20が製造される。
この第1の実施形態の電波時計1によれば次のような効果が得られる。
すなわち、この第1の実施形態の電波時計1によれば、金属製のケース本体10と金属製の裏蓋20とは、ケース本体10側の第1のねじ部11と接合樹脂部材40側の第2のねじ部27とによりねじ結合されている上に、接合樹脂部材40による電気絶縁作用により、両者の確実な電気絶縁を行うことができる。このために、外部からの電波受信の際に、アンテナ5に発生する起電力による電流が金属製のケース本体10から金属製の裏蓋20へ、金属製の裏蓋20から金属製のケース本体10へそれぞれ流れ込む事態を防止し、そこで渦電流損失が発生するような事態を確実に防止することができるので、その分、アンテナ5の受信感度の向上を図ることができる。
また、接合樹脂部材40がナノメートルサイズの多数の凹凸部26(図4B参照)を介して裏蓋20と一体となっているため、ケース本体10に対する裏蓋20の結合作業を簡単に行うことができる。また、電気絶縁性を確保するために、別途部品を必要としないため、電波時計1のサイズを小型化することができ。
また、接合樹脂部材40がナノメートルサイズの多数の凹凸部26を介して裏蓋20と強固に接合されるため、結合,分解を繰返しても接合樹脂部材40が脱落する虞がないので、長期に亘って確実な電気絶縁を得ることができる。
さらに、ケース本体10と裏蓋20が全周で結合されるため、ケース本体10と裏蓋20との結合が強固となり、防水性等に優れた電波時計1を実現することができる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る電波時計1におけるケース本体10および裏蓋20の要部断面図である。
この第2の実施形態に係る電波時計1が第1の実施形態の電波時計1と異なる点は、裏蓋20側ではなく、ケース本体10側に接合樹脂部材40が接合されている点である。
すなわち、この第2の実施形態に係る電波時計1では、裏蓋20に、ねじ部27が形成された金属製の環状突起部22Aが設けられている。一方、環状突起部22Aの頂壁面に対峙するケース本体10の壁面10d−1と、環状突起部22Aの外周壁面に対峙するケース本体10の壁面10d−2とに、ナノメートルサイズの多数の凹凸部26が形成されている。そして、ケース本体10には多数の凹凸部26を介して接合樹脂部材40が接合されている。さらに、この接合樹脂部材40にねじ部11が形成されている。
なお、ケース本体10の下端面に形成される環状溝10cは内周側の壁面が接合樹脂部材40の壁面によって構成されている。この環状溝10cは、例えば、環状溝10cの底壁面と外周側の壁面となるべき段部を形成し、その段部にも多数の凹凸部26を形成しておき、その段部の凹凸部26に樹脂ブロック40Aを接合しておいた後、接合樹脂ブロック40Aの一部を切削することにより形成される。
その他の点では、この第2の実施形態に係る電波時計1は第1の実施形態の電波時計1と同様であるので、その説明および図示は省略する。
この第2の実施形態の電波時計1によれば次のような効果が得られる。
すなわち、第2の実施形態の電波時計1によれば、接合樹脂部材40がケース本体10と一体となっているので、ケース本体10に対する裏蓋20の結合作業が簡単に行えることになる。また、電気絶縁性を確保するために、別途部品を必要としないため、電波時計1のサイズを大きくしなくて済むことになる。
また、接合樹脂部材40がケース本体10と強固に接合されるため、結合,分解を繰返しても接合樹脂部材40が脱落する虞がないので、長期に亘って、確実な電気絶縁が得られることになる。
さらに、ケース本体10と裏蓋20が全周で結合されるため、ケース本体10と裏蓋20との結合が強固となり、防水性等に優れた電波時計1が実現できる。
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係る電波時計1におけるケース本体10および裏蓋20の要部断面図である。
この第3の実施形態に係る電波時計1が第1の実施形態の電波時計1と異なる点は、裏蓋20が金属製の環状突起部22を有していない点である。
すなわち、この第3の実施形態に係る電波時計1では、裏蓋20に、環状凹部25Aが形成されており、この環状凹部25Aの壁面に、ナノメートルサイズの多数の凹凸部26が形成されている。そして、裏蓋20には多数の凹凸部26を介して接合樹脂部材40が接合されている。この接合樹脂部材40は、多数の凹凸部26を介して環状凹部25Aの壁面に接合され当該環状凹部25Aを埋め尽くす埋設部40Aと、埋設部40Aに連設されねじ部27が形成された環状突起部40Bから構成されている。そして、この環状突起部40Bにねじ部27が形成されている。
その他の点では、この第3の実施形態に係る電波時計1は第1の実施形態に係る電波時計1と同様であるので、その説明および図示は省略する。
この第3の実施形態の電波時計1によれば次のような効果が得られる。
すなわち、第3の実施形態の電波時計1によれば、第1の実施形態に係る電波時計1と同様な効果が得られる上、金属製の環状突起部22を設けていないので、当該金属製の環状突起部22を形成する切削工程を省略できる一方、埋設部40Aおよび環状突起部40Bは同時に成形できるので、裏蓋20の製造のスループットを向上させることができる。
[第4の実施形態]
図7は、第4の実施形態に係る電波時計1におけるケース本体10および裏蓋20の要部断面図である。
この第4の実施形態に係る電波時計1は、第3の実施形態の電波時計1の環状突起部40Bの代わりに、裏蓋20が金属製の環状部材22Bを備えている点で、第3の実施形態に係る電波時計1とは異なっている。この金属製の環状部材22Bの下端の壁面にはナノメートルサイズの多数の凹凸部26が形成され、環状部材22Bはこの多数の凹凸部26を介して埋設部40Aに接合されている。この接合の仕方は、第1の実施形態の場合と同様である。
その他の点では、この第4の実施形態に係る電波時計1は第3の実施形態に係る電波時計1と同様であるので、その説明および図示は省略する。
この第4の実施形態の電波時計1によれば次のような効果が得られる。
すなわち、第4の実施形態の電波時計1によれば、第3の実施形態に係る電波時計1と同様な効果が得られる上、環状部材22Bの金属の選択によって、強度や結合力のより高いねじ部27を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態の電波時計では、ケース本体10や裏蓋20等がチタンで形成されている場合だけでなく、前述したとおり、アルミニウム部品,アルミニウム合金部品,マグネシウム部品,マグネシウム合金部品、銅部品,銅合金部品,チタン合金部品,ステンレス部品,鉄部品,黄銅部品等で形成されている場合にも、本願発明を適用できる。
また、成形樹脂としては、前述したもの以外にも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(ナイロンPA6,PA66)、ポリフタルアミド(PPA)等が使用できる。
さらに、成形樹脂に加えられる充填剤としては、ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,炭酸カルシウム,シリカ,タルク,粘土,ガラス等が使用されるが、これに限定されない。
また、侵食性水溶液または侵食性懸濁液としては、ヒドラジン,アンモニア,水溶性アミン類,またはアルカリ土類金属水酸化物等が使用されるが、これに限定されない。
さらに、上記実施形態は電波時計に本発明を適用した場合について説明したが、その他の電波受信機器にも本発明は適用できる。
1 電波時計(電波受信機器)
5 アンテナ
10 ケース本体(機器本体)
10a 一端開口
10b 他端開口
11 ねじ部
20 裏蓋(閉塞部材)
21 裏蓋主部
22 環状突起部
22A 環状突起部材
25,25A 環状凹部
26 凹凸部
27 ねじ部
30 時計ガラス
40 接合樹脂部材
40A 埋設部
40B 環状突起部

Claims (2)

  1. 筒状の金属製の機器本体、この機器本体の一端開口を閉塞する金属製の第1の閉塞部材、前記機器本体の他端開口を閉塞する電波透過性の第2の閉塞部材、および、前記機器本体内に配置されたアンテナを備えている電波受信機器において、
    前記機器本体と前記第1の閉塞部材とを、互いの螺合によってねじ結合する第1のねじ部および第2のねじ部を備え、
    前記第1のねじ部は、前記機器本体の金属壁面に形成され、
    前記第2のねじ部は、前記第1の閉塞部材に接合樹脂部材を介して取り付けられた金属製の環状部材に形成され、
    前記接合樹脂部材は、前記第1の閉塞部材の内面に設けられた環状凹部の金属壁面に形成されたナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して前記環状凹部の金属壁面に接合されているとともに、前記環状部材の金属壁面に形成されたナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して前記環状部材の金属壁面に接合されていることを特徴とする電波受信機器。
  2. 前記機器本体および前記第1の閉塞部材は、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、マンガン、銅、モリブデン、コバルト、タングステン若しくはマグネシウム、又は、これらの金属元素のうちの少なくとも1つを含有する合金から成るグループのうちから選ばれた少なくとも一種の金属によって形成され、前記接合樹脂部材は、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフタルアミドのうちから選ばれた少なくとも一種の樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電波受信機器。
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