JP2010230512A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】外装とカバー部材とが金属で構成されており、かつ裏蓋などのカバー部材はスクリュー式であり、受信感度の高い電波修正腕時計などの電子機器を提供すること。
【解決手段】時計外装の内側にネジ締めされる固定部材と、この固定部材と時計外装とによって絶縁材を介しつつ挟まれるネジ部材とを備え、このネジ部材にネジ締めされてかつ外装に絶縁材を介して固定される裏蓋を持つことを特徴とする電波修正時計などの電子機器。この構成によって、外装と裏蓋とを電気的に完全に絶縁することができつつ、金属で構成されたスクリュー式裏蓋を採用した場合と同等の防水性、強度、メンテナンス性、美観を備えた電波修正時計などを提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】時計外装の内側にネジ締めされる固定部材と、この固定部材と時計外装とによって絶縁材を介しつつ挟まれるネジ部材とを備え、このネジ部材にネジ締めされてかつ外装に絶縁材を介して固定される裏蓋を持つことを特徴とする電波修正時計などの電子機器。この構成によって、外装と裏蓋とを電気的に完全に絶縁することができつつ、金属で構成されたスクリュー式裏蓋を採用した場合と同等の防水性、強度、メンテナンス性、美観を備えた電波修正時計などを提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、時刻情報を含む所定の電波を受信し、その情報に基づいて時刻を修正する機能を有する電子機器である電波修正時計に関し、特に腕時計型の電波修正時計に関するものである。
電波修正時計は、100万年に1秒の精度を持つセシウム原子時計による時刻情報や日付情報を含む標準電波(例えば、40kHzの電波)を、時計ケースに内蔵するアンテナで受信し、時刻の誤差を修正する機能を具備している時計である。このため、一ヶ月にある程度の誤差が生じるクォーツ時計と比べて常時正確な時刻を表示することが可能であり、時刻修正の手間を省くことができるため、近年急速に普及しつつある。
電波修正時計において、受信性能を決めるのは、アンテナ特性と受信回路特性である。
標準電波はその波長が5km前後と長く、腕時計内部において波長方向による共振を行うことが難しいため、受信アンテナの種類としては、強磁性体コアに導線を巻き付けたコイル状のバーアンテナを用いるのが一般的である。このバーアンテナを透過する磁束によってコイルに起電力を得る。
受信回路は、受信アンテナの出力を元に時刻情報を検知し、時計用ムーブメントに伝えるものである。時計用ムーブメントとは、電池や時計動作に必要な計時回路などの回路要素を1ユニットにまとめた複合部品をいう。場合によっては、文字盤や液晶表示装置などの時刻表示手段も含むこともある。
腕時計型の電波修正時計は、時計としての機能のほかに身飾品としての役割も持つことから、デザインや質感は重要である。特に時計としての高級感は重要な要素であり、時計本体の外装を金属で構成する金属外装が望まれている。
しかしながら、受信アンテナの出力は、金属外装に収納すると極端に低下してしまう。これは、金属外装表面で渦電流が生じ、標準電波が時計内部に入りにくくなること、アンテナに流れる電流によって発生する磁束が、金属外装表面で発生する渦電流による反磁束によって妨げられることとで、受信アンテナに流れる電流が妨げられるためである。
特に、時計外装と裏蓋とが金属で構成されていて、互いに電気的に導通している場合にこの影響は顕著である。これは外部磁束に対する渦電流が主に裏蓋を流れることで時計外装と裏蓋とが磁束にとって一体化した障害物となるためである。
そのため、多くの場合、ネジ止めやパッキンを介した圧入などで裏蓋を時計外装に固定することで、両者の電気的な結合度を低下させたり、裏蓋をガラスやプラスチックのような絶縁体で構成する構造が用いられる。
しかしながら、裏蓋と時計外装の結合度が低下することは、時計としての防水性や強度を低下させることでもあり、本来望ましくない。
また、裏蓋を絶縁体で構成することは、腕時計の身飾品としての観点から、裏蓋の材質が固定されてしまい、デザイン上の制約を課すことにもなるので、あまり好ましくない。さらに、裏蓋をガラスやプラスチックのような絶縁材で構成すると、一般的に金属より強
度が不足するため、裏蓋の厚みを増さざるを得ず、結果として時計全体が分厚くなり、小型軽量が望まれる昨今の携帯機器の流れに逆行するため、これも好ましくはない。
度が不足するため、裏蓋の厚みを増さざるを得ず、結果として時計全体が分厚くなり、小型軽量が望まれる昨今の携帯機器の流れに逆行するため、これも好ましくはない。
腕時計の裏蓋の中で特に高級機種に好んで用いられるのは、裏蓋そのものが巨大なネジとなり時計外装に強固に嵌合するスクリュー式裏蓋である。裏蓋を金属で構成すれば、スクリュー式裏蓋は、高い美観,防水性,強度,メンテナンス性を同時に持つことのできる優れた構成となるのである。
しかしながら、スクリュー式裏蓋は、時計外装と裏蓋とがネジ機構部を通じて強固に結合するため、電気的な結合度も上がり、渦電流の発生が大きく、電波修正時計の感度を確保するという点では好ましくない。
これに対して、スクリュー式裏蓋に類似の構造でありながら渦電流の発生を和らげ、感度向上を図れる技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
これに対して、スクリュー式裏蓋に類似の構造でありながら渦電流の発生を和らげ、感度向上を図れる技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
図3は特許文献1に示した従来技術を説明するための図であって、説明しやすいようにその趣旨を逸脱しないように書き直したものであり、図3は側面から見たときの様子を模式的に示す断面図である。図3において、1は外装、2は裏蓋、103は中枠、104はツバを持つOリング、107は外装1に設けられたツバ部、109は絶縁シート、110はネジ機構部である。ここでOリング104と絶縁シート109は絶縁材で構成されていることを特徴とする。ネジ機構部110は裏蓋2と中枠103との間に設けられており、互いにかみ合っている。
図3において、中枠103を外装1の上方から挿入し、更に裏蓋2を更に下からネジ機構部110を介して中枠103にねじ込むことで、外装1のツバ部107が裏蓋2と中枠103との間に挟まれる形となって、スクリュー式裏蓋と同様に裏蓋2を外装1に対して強固に固定することができる。
ここで、裏蓋2は、絶縁材であるOリング104と、同じく絶縁材である絶縁シート109を介して外装1に固定されている中枠103を介して外装1に固定されており、外装1とは電気的に導通していない。すなわち、外装1と裏蓋2とは電気的に結合していない。このようにすることで、スクリューバックに類似の外見及び構造を保ちつつも裏蓋2を外装1から電気的に分離することができて、電波修正時計の感度を向上させることができる。
図4は、特許文献2に示した従来技術を説明するための図であって、説明しやすいようにその主旨を逸脱しないように書き直したものであり、図4は側面から見たときの様子を模式的に示す断面図である。図4において、1は外装、2は裏蓋、103は外枠、104はツバを持つOリング、108は裏蓋2に設けられたツバ部、109は絶縁シート、110はネジ機構部である。ここでOリング104と絶縁シート109は絶縁材で構成されていることを特徴とする。ネジ機構部110は外装1と外枠103との間に設けられており、互いにかみ合っている。
図4において、裏蓋2を外装1の下から挿入し、ネジ機構部110を有する外枠103を更に下からねじ込むことで、裏蓋2のツバ部108が外装1と外枠103との間に挟まれる形となって、スクリュー式裏蓋と同様に裏蓋2を外装1に対して強固に固定することができる。
ここで、裏蓋2は絶縁材であるOリング104と絶縁シート109を介して外装1または外枠103と嵌合しているため、外装1と外枠103のどちらとも電気的に導通していない。すなわち、特許文献1に示した従来技術と同じく、外装1と裏蓋2は電気的に結合
していない。このようにすることで、スクリューバックに類似の外見及び構造を保ちつつも裏蓋2を外装1から電気的に分離することができて、電波修正時計の感度が向上するのである。
していない。このようにすることで、スクリューバックに類似の外見及び構造を保ちつつも裏蓋2を外装1から電気的に分離することができて、電波修正時計の感度が向上するのである。
特許文献1及び2に記載の従来技術においては、スクリュー式裏蓋と類似の構造でありながら外装と裏蓋とを電気的に分離することが可能である。しかしながら、発明者が検討したところ、以下の問題があることが分かった。
まず、特許文献1に記載の従来技術では、裏蓋を保持する為の中枠は外装内周部に設けられたツバ部により固定されなければならない為に、時計外装を裏蓋側から見た場合の開口部よりも大きく作らなければならない。そのため、この中枠を裏蓋側から装着することはできず、裏蓋とは反対側から挿入する必要がある。
通常、時計においては防水性や作業性の観点から裏蓋側からムーブメントを挿入することがほとんどである。特許文献1に記載の構造において同様に裏蓋側からムーブメントを挿入しようとすると、中枠内径よりも小さなムーブメントを採用しなくてはならないが、図3にも示したように中枠の上部は中枠をツバ部へ搭載する際の通路となるために必然的に空洞となっており、大きなデッドスペースとなってしまう。そのため、外装外周部と文字盤外周部との距離が増大する。すなわち、デザイン的に大きく制約を受けるのみならず、ムーブメントに対する外装のサイズを大きくすることになるため時計全体のサイズが増大してしまう。
次に、特許文献2に記載の従来技術の構造では既に述べた特許文献1に記載の従来技術の問題点は解消されているものの、時計を裏蓋側から見た際に、外枠が時計外装の表面に露出しているためにスクリュー式裏蓋と全く同じ外観とすることができず、また時計の裏蓋側全体を一体として扱うことができないためにデザイン上の制約が生ずる。外枠は最後にねじ込む必要があるため、裏蓋や外装の形状によって覆い隠すことも不可能である。
更に、外枠と裏蓋との隙間は溝形状を成しているが、加工精度及び実際の組み立ての際にスムースに外枠をねじ込む必要があるために、この溝幅を小さくすることが難しく、また、外枠はねじ込み強度を確保するためにある程度のねじ込み深さを確保する必要があり、これがそのまま溝形状の深さとなるため、これを浅くすることも難しい。そのために時計を裏蓋側から見たとき、外枠と裏蓋との隙間に深い溝形状が目立つこととなり、多くの場合、部品同士の高精度な合致を要求される高級な時計では問題が生ずる。
また、通常の時計と違い、このように直接肌に接触する箇所に深い溝形状が存在すると、汗や垢などが堆積することとなって美観上そして衛生上の問題が生ずるのである。
以上のように、特許文献1に記載の構造では、外装外周と文字盤外周との間に大きなデッドスペースが生じ、デザイン上の制約を及ぼすばかりか時計そのものがムーブメントとは不釣合いに大型化してしまうこと、メンテナンスが困難であることという問題を抱えているのである。
また、特許文献2に記載の構造では、裏蓋を一体として扱うことがデザイン上不可能であること、外枠と裏蓋との隙間を小さくすることが難しいことに起因する問題を抱えているのである。
本発明の技術的な課題は、このような問題を解決し、金属で構成されるスクリュー式裏蓋を持つ時計と同等の強度、防水性そして外観を持ちながら、充分な標準電波の受信レベルを確保し得る電波修正時計を提供することにある。
上記した目的を達するため、本発明の電波修正時計は、以下に示す構成を採用する。開口部を有するとともに内部にアンテナが収容された金属製のケースと、鍔部を有するとともに、前記開口部を塞ぐように取付けられる金属製の蓋部材と、前記蓋部材を螺合するためのネジ部が形成され、前記ケースと絶縁した状態で前記ケースに取付けられたネジ部材とを有し、前記ケースは前記ネジ部材を配置するとともに、前記ネジ部材を固定する固定部材を配置するための段部を有し、前記ネジ部材は前記段部と前記固定部材との間に挟み込まれて固定されており、前記蓋部材は前記ネジ部材に螺合して前記ケースとは絶縁された状態で前記開口部を塞ぐとともに、前記鍔部で前記固定部材を覆い隠すことを特徴とする電子機器である。
また、前記ネジ部材が金属製であり、該ネジ部材と前記ケースとの間に絶縁部材を介在させたことを特徴とする。
また、前記固定部材は前記ケースに螺合する固定用ネジ部材であり、前記ネジ部材との間に絶縁部材を介して前記ケースに固定されていることを特徴とする。
また、前記ネジ部材と前記固定部材は互いに接合する面が斜面部を有しており、前記固定部材の斜面部を前記ネジ部材の斜面部に押圧することによって前記ネジ部材を前記段部に固定したことを特徴とする。
本発明の電波修正時計は上記のような構造となっているので、時計外装と裏蓋とを電気的に完全に絶縁することができつつ、かつ時計外装内部に影響を与えることなしに金属製のスクリュー式裏蓋を用いた今までの電波修正時計と同様の構造を採用することができる。
したがって、電波修正時計のデザインの自由度,強度,防水性,メンテナンス性を向上しつつも感度を高めることができる。
以下図面を用いて本発明の電波修正時計について説明する。図1は、本発明の電波修正時計の構造を説明するものであり、時計を側面から見たときの様子を模式的に示す断面図である。特に断りがないときを除き、図面の上方に文字板や液晶表示装置などの時刻表示手段が設けられるが、説明しやすいようにそれらは省略してある。
図1において、1はケースを構成する外装、2は裏蓋、3は固定部材、4はネジ部材、5はOリング、6は外絶縁シート、7は中絶縁シート、8は内絶縁シート、9は裏蓋2の立設部、10は外装1と固定部材3に設けた外ネジ部、11はネジ部材4と裏蓋2に設けた内ネジ部、15は外装1に設けられた段部、20は電波修正時計が電波を受信するために用いるアンテナ、30は裏蓋2に設けた鍔部、100はアンテナ20などを備えたムーブメントである。
時計外装1、裏蓋2、固定部材3、ネジ部材4は全て金属で構成している。一方、Oリング5、外絶縁シート6、中絶縁シート7、内絶縁シート8は全て絶縁体で構成している。
まず外装1の段部15に対し、中絶縁シート7と内絶縁シート8を介してネジ部材4を裏蓋側、即ち図1においては下から挿入して配置する。次に外絶縁シート6を介して固定部材3を裏蓋側から外ネジ部10に締め付ける。これによってネジ部材4は外装1に固定した固定部材3と段部5の間に挟まれる形となり、ネジ部材4と固定部材3は外装1に固定される。次に外装1にムーブメント100を配置する。最後に裏蓋2をOリング5を介して内ネジ部11に締め付ける。これによって裏蓋2が外装1に対して固定される。
外装1と裏蓋2とはOリング5やネジ部材4を介して固定されているが、ネジ部材4は内絶縁シート8と中絶縁シート7と固定部材3とを介して外装1に固定している。内絶縁シート8及び中絶縁シート7は既に述べたとおり絶縁材であるからネジ部材4から直接に外装1へ電気が流れることは無い。また、固定部材3とネジ部材4との間には外絶縁シート6が介在しており、外絶縁シート6が同様に絶縁材であることから、固定部材3を介して外装1に固定しているため直接接触することが無く、やはりネジ部材4から固定部材3へと電気が流れることも無い。即ち、ネジ部材3は裏蓋2としか電気的には結合していないが、その裏蓋2も固定部材3としか電気的に結合していないため、この2つの部品は外装1及び他の全ての時計部材から電気的に分離されている。
このような構成とすることで、裏蓋2を締め付けた場合、裏蓋2と外装1とは、外装1と鍔部30の間に配置したOリング5によって互いに電気的に絶縁されつつ、外装1に裏蓋2は固定される。強度の高い金属からなるネジ部材4を金属製の外装1と固定部材3とで挟み込む形となっているため強度的にも高い。また、ネジ嵌合になっているうえに全ての部品を裏蓋側から外すことができるためにメンテナンス性も高い。また裏蓋2の鍔部30によって固定部材3を覆い隠しているので、裏蓋2の立設部9と固定部材3との隙間も覆い隠されて、隙間を隠すとともに隙間への汗や垢の堆積も防止できる。
このようにすることで、外装1内部の構造及び外部の構造において従来のスクリュー式裏蓋と全く同じ構造を採用することができる。
ネジ部材4は外装1に対して回転しにくいことが望ましい。回転しやすくなっていると、裏蓋2を締め付ける際、裏蓋2と共に回転してしまって締め付けるのが困難になるし、逆に裏蓋2を開ける場合にも同様に裏蓋2とネジ部材4が共に回転してしまって裏蓋2を外すことができなくなるからである。
そのため、例えば、外装1とネジ部材4との間に対応する凹みと突起を設けるなどすることができる。
同様に、固定部材3はリング形状をした部材であるが、ネジ部材4をある程度強固に固定する必要があるから、ネジ部材4に対して十分なトルクをかけられる構造になっている
ことが望ましい。そこで従来のスクリューバック式裏蓋に見られるような、外周付近に突起や凹みを等間隔で設けて十分なトルクをかけられるようにしても良い。
ことが望ましい。そこで従来のスクリューバック式裏蓋に見られるような、外周付近に突起や凹みを等間隔で設けて十分なトルクをかけられるようにしても良い。
また、3つある絶縁シートの材質としては、耐圧縮性や耐摩耗性に富み、金属との間の摩擦係数が低い絶縁材が適している。特に限定しないが、例えば、ビニルフィルムなどを用いることができる。もちろん、同様な材質の絶縁板を用いてもかまわないし、またOリングなどを用いることもできる。
また、防水性能を決定付けるOリング5は弾性体であり、裏蓋2の開け閉めの際の劣化や経年劣化が避けられないため容易に取り外しできることが望ましいが、3つある絶縁シートはあくまでネジ部材4を電気的に分離するために存在しているのであるから、Oリング4のように高い弾性を示す必要はなく、外絶縁シート6以外は裏蓋2の開け閉めの際にも大きく変形することがないため劣化することもなく、容易に取り外しできなくても構わない。そのため、ネジ部材4と内絶縁シート8と中絶縁シート7、または外装1と内絶縁シート8と中絶縁シート7とは互いに接着されていてもかまわない。
このようにすると、中枠や絶縁シートと外装のうちの幾つかが一体化されるためにメンテナンスの際に取扱う部品点数を減らすことができる。
また、固定部材3やネジ部材4の少なくとも一方をプラスチックなどの絶縁部材にすれば、電気的には幾つかの絶縁シートは必要なくなり部品点数が減少するため製造が容易になる。特に固定部材3がプラスチック製の場合は、外装1に対して固定部材3を螺合させるのではなく、外装1に圧入して固定しても良い。固定部材3がプラスチックなので、ネジ部材が金属製の場合は絶縁シートを省略することもできる。
なお上記実施形態では、固定部材3とネジ部材4とが金属である場合に、両者の間に絶縁シートを介在させる構造を示したが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば両者の対向する少なくともどちらか一方の面に凹凸を形成し、両者の接触面積を減らして接触抵抗を高めることにより、絶縁シートを用いた場合と同様の効果を得ることも可能である。また、固定部材3とネジ部材4とが金属である場合に、少なくとも一方の表面に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)による表面処理を施して絶縁シートと同様の絶縁効果を発揮させても良い。
次に、固定部材3とネジ部材4の他の実施形態を説明する。
固定部材3とネジ部材4の形状は既に説明した形状に限定されるものではない。固定部材3が外装1との間に成立するネジ構造によってネジ部材4を固定することが重要であり、さまざまに変更可能である。図2は裏蓋と外装との結合部のさまざまな変形例を拡大して示すと計の部分断面図である。図1ですでに説明した構成には同一の番号を付与してその説明を省略する。
図2(a)と(b)は、固定部材3とネジ部材4との接合面を斜めにしたものと楔状にしたものである。図1に示す例では、文字盤と平行な面内での裏蓋2の自由度、すなわち図中での横方向の移動を制限しているのはOリング5と中絶縁シート7とネジ部材4である。Oリング5はその性質上、外装1と裏蓋2にそれぞれOリング5を嵌めるための溝を切り込むため、これを介して裏蓋2の横移動は制限する。しかしながら、Oリング5は弾性体であり、形状としても円形断面が多いために溝に対して引っかかりにくく、また、もともと潰した状態で使用されることが前提であるから、裏蓋2の横移動を完全に制限するには適さない。中絶縁シート7はネジ部材4が外装1内にスムースに挿入されなければならないという関係上、やはり寸法的に外装1との間にある程度の遊びを必要とする。その
ため、図1に記載の構造では裏蓋2の横移動の自由度がある程度残ってしまうのである。もちろんこれはわずかな量ではあるが、裏蓋に同心円のパターンなどが刻まれたデザインの腕時計や外装1と裏蓋2との接合溝が目立つ構造をした腕時計などではこのわずかなずれが目立つことが考えられる。
ため、図1に記載の構造では裏蓋2の横移動の自由度がある程度残ってしまうのである。もちろんこれはわずかな量ではあるが、裏蓋に同心円のパターンなどが刻まれたデザインの腕時計や外装1と裏蓋2との接合溝が目立つ構造をした腕時計などではこのわずかなずれが目立つことが考えられる。
図2(a)と(b)に示した構造は、固定部材3に対するネジ部材4の横移動を制限することができる。図2(a)に示した構造では固定部材3の上面がすり鉢状の斜面部有する構造になっており、ネジ部材4の下面はそれに対応した斜面部を有している。この状態で裏蓋2を締め付けることでネジ部材4が固定部材3の上面を下の方へ引張られるにつれて、必然的にネジ部材4と固定部材3の中心が一致するようになる。このとき、固定部材3は外装1にネジで締付けられて、その中心が外装1の中心とほぼ一致しているので、ネジ部材4にネジ締めされた裏蓋2も外装1の中心と一致するように固定される。
図2(b)に示した構造は固定部材3とネジ部材4との接合面が斜面部を有する楔形になっており、図2(a)と同様に裏蓋2を締め付けることで固定部材3と内中4との中心線が一致するものである。図2(a),(b)どちらにしても、ネジ部材4と裏蓋2とは内ネジ部11によって強固かつ精確に互いに固定されているから、これにより、ネジ部材4を介して外装1と裏蓋2との位置関係が精確に固定されることになるのである。また、そのためにこれらの構造では中絶縁シート7を省略することもできる。
このようにすることで、裏蓋2と外装1との位置関係を精確にして固定することができるものである。
図2(c)は、ネジ部材4の内ネジ部11のみを時計内周側へせり出させ、内ネジ部11を裏蓋2側へ近づけた形状になっている。このようにすると、裏蓋2の立設部9の高さを図1に示した例に比べて短くすることができる。勿論、ネジ部材4がその分伸びることになが、例えば裏蓋2をプレスで製造していて立設部9の高さを高くとることが難しい場合にはこちらの構造を用いることができる。
本発明の電波修正時計用は、裏蓋などのカバー部材と時計外装を金属で構成しても、電波修正時計として感度を落とすことがない。したがって、美観を要求される腕時計型の電波修正時計に好適である。
1 外装
2 裏蓋
3 固定部材
4 ネジ部材
5 Oリング
6 外絶縁シート
7 中絶縁シート
8 内絶縁シート
9 立設部
10 外ネジ機構部
11 内ネジ機構部
15 段部
20 アンテナ
30 鍔部
100 ムーブメント
2 裏蓋
3 固定部材
4 ネジ部材
5 Oリング
6 外絶縁シート
7 中絶縁シート
8 内絶縁シート
9 立設部
10 外ネジ機構部
11 内ネジ機構部
15 段部
20 アンテナ
30 鍔部
100 ムーブメント
Claims (4)
- 開口部を有するとともに内部にアンテナが収容された金属製のケースと、鍔部を有するとともに、前記開口部を塞ぐように取付けられる金属製の蓋部材と、前記蓋部材を螺合するためのネジ部が形成され、前記ケースと絶縁した状態で前記ケースに取付けられたネジ部材とを有し、前記ケースは前記ネジ部材を配置するとともに、前記ネジ部材を固定する固定部材を配置するための段部を有し、前記ネジ部材は前記段部と前記固定部材との間に挟み込まれて固定されており、前記蓋部材は前記ネジ部材に螺合して前記ケースとは絶縁された状態で前記開口部を塞ぐとともに、前記鍔部で前記固定部材を覆い隠すことを特徴とする電子機器。
- 前記ネジ部材が金属製であり、該ネジ部材と前記ケースとの間に絶縁部材を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記固定部材は前記ケースに螺合する固定用ネジ部材であり、前記ネジ部材との間に絶縁部材を介して前記ケースに固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
- 前記ネジ部材と前記固定部材は互いに接合する面が斜面部を有しており、前記固定部材の斜面部を前記ネジ部材の斜面部に押圧することによって前記ネジ部材を前記段部に固定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009078758A JP2010230512A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009078758A JP2010230512A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | 電子機器 |
Publications (1)
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---|---|
JP2010230512A true JP2010230512A (ja) | 2010-10-14 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2010230512A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102540872A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-04 | 卡西欧计算机株式会社 | 电波接收设备 |
-
2009
- 2009-03-27 JP JP2009078758A patent/JP2010230512A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102540872A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-04 | 卡西欧计算机株式会社 | 电波接收设备 |
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