JP2012141156A - 電波受信機器、絶縁固定ねじ、および、絶縁固定ねじの製造方法 - Google Patents

電波受信機器、絶縁固定ねじ、および、絶縁固定ねじの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属製のケース本体と金属製の裏蓋との間の電気的な絶縁をより確実にした電波受信機器、絶縁固定ねじ、および、絶縁固定ねじの製造方法を提供すること。
【解決手段】電波受信機器は、内部にアンテナが配置された金属製のケース本体10と、このケース本体10の一端開口を閉塞する金属製の裏蓋20とを金属製の固定ねじで締結している。電気絶縁性の接合樹脂部材52は、固定ねじと裏蓋20の通し孔21との間に配置されている。この金属製の固定ねじの軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とに亘って形成されているナノメートルサイズの多数の凹凸部51を介して接合されている。この接合樹脂部材52の電気絶縁作用によって、機器本体10と閉塞部材20との固定ねじによる強固なねじ結合を図り、かつ、アンテナの渦電流損失の発生を長期に亘って確実に防止でき、電波の受信感度の向上を図る。
【選択図】図3

Description

本発明は、電波受信機器、絶縁固定ねじ、および、絶縁固定ねじの製造方法に関するものである。
電波受信機器として、時刻データを含む標準電波を受信するアンテナを機器内部に備え、このアンテナで受信した標準電波に基づいて時刻修正を行なう電波時計が知られている。
このような電波時計では、ケース本体と裏蓋とが金属で形成されている場合、両者が電気的に導通していると、ケース本体と裏蓋とを還流する電流が増大し、アンテナの受信感度が著しく低下してしまう。そこで、金属製のケース本体と金属製の裏蓋との間に、電気抵抗の大きい絶縁部材またはスペーサ部材を設け、ケース本体と裏蓋との接触を回避することによって、ケース本体と裏蓋とを還流する電流を抑制し、アンテナの受信感度の低下を抑制する電波時計が開発されている(例えば、特許文献1)。
ところで、金属製のケース本体と金属製の裏蓋との間の電気的な導通は、ケース本体と裏蓋との直接接触の場合だけでなく、ケース本体と裏蓋とが金属製のねじ部材で結合された場合にも生じる虞がある。ケース本体とねじ部材、ねじ部材と裏蓋とが電気的に接続され、結果的に、ケース本体と裏蓋とが電気的に導通してしまうからである。
そこで、近年、金属製のケース本体と金属製の裏蓋との間に、電気抵抗の大きい絶縁部材を設けるとともに、ケース本体と裏蓋とを固定するために、表面に絶縁性被膜が形成された金属製のねじ部材を使用する電波腕時計が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2006−112866号公報 特開2008−82722号公報
しかしながら、上記特許文献2の場合、ねじ部材の締め付けの際に、ねじ部材がケース本体および裏蓋と擦れ合うため、ねじ部材に形成した絶縁性被膜が破損する場合がある。この場合には、ねじ部材の絶縁性被膜の破損部を介して、ケース本体と裏蓋とが電気的に導通してしまう虞がある。
本発明は、金属製の機器本体と金属製の閉塞部材との間の電気的な絶縁をより確実にした電波受信機器、絶縁固定ねじ、および、絶縁固定ねじの製造方法を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、
筒状の金属製の機器本体、この機器本体の一端開口を閉塞する金属製の第1の閉塞部材、前記機器本体の他端開口を閉塞する電波透過性の第2の閉塞部材、前記機器本体と前記第1の閉塞部材とを締結する金属製の複数のねじ部材、および、前記機器本体内に配置されたアンテナを備えている電波受信機器において、
前記ねじ部材は、ねじ部および軸部が前記第1の閉塞部材に形成された通し孔に挿入された状態で、前記ねじ部が前記機器本体側に形成されたねじ部と螺合されており、
前記ねじ部材と前記通し孔との間には、前記軸部の外周壁面と前記頭部の底壁面とに形成されているナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して接合された電気絶縁性の接合樹脂部材が配置されていることを特徴とする電波受信機器である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電波受信機器であって、前記機器本体、前記第1の閉塞部材および前記第2の閉塞部材は、それぞれ、時計ケース本体、裏蓋および時計ガラスであり、全体として電波時計を構成していることを特徴とする。
請求項3の発明は、ねじ部、軸部および頭部を有し当該軸部の外周壁面と当該頭部の底壁面とにナノメートルサイズの凹凸部が形成された金属製のねじ部材と、前記凹凸部に接合され前記軸部の外周壁面を被覆する接合樹脂部材とを備えることを特徴とする絶縁固定ねじである。
請求項4の発明は、ねじ部、軸部および頭部を有する金属製のねじ部材における当該軸部の外周壁面と当該頭部の底壁面とに亘ってナノメートルサイズの多数の凹凸部を形成する形成工程と、
この形成工程の後に、射出成形によって前記ねじ部材の前記軸部の周壁に前記凹凸部を介して接合樹脂部材を接合させる接合工程と、
を備えることを特徴とする絶縁固定ねじの製造方法である。
本発明の電波受信機器によれば、接合樹脂部材の電気絶縁作用によって、機器本体と閉塞部材との固定ねじによる強固なねじ結合を図りながら、アンテナの渦電流損失の発生を長期に亘って確実に防止でき、電波の受信感度の向上を図ることができる。
また、金属製のねじ部材における軸部の外周壁面と頭部の底壁面とに接合樹脂部材が接合されているので、この接合樹脂部材によって、第1の閉塞部材とねじ部材との電気絶縁が確実に図れることになる。その結果、機器本体と第1の閉塞部材とが、このねじ部材を介して導通されることが確実に防止できる。また、接合樹脂部材は、ねじ部材に形成されたナノメートルサイズの凹凸部に強固に接合されることから、接合樹脂部材がねじ部材から離脱する虞もない。
また、本発明の絶縁固定ねじおよびその製造方法によれば、絶縁固定ねじにおける接合樹脂部材は、ねじ部材に形成されたナノメートルサイズの凹凸部に強固に接合されることから、接合樹脂部材がねじ部材から離脱する虞がなく、絶縁性を長期に亘って維持することができる。
本発明の実施形態に係る電波時計を示したもので、(A)はその側面断面図、(B)はその底壁面図である。 図1の電波時計におけるケース本体と裏蓋との結合構造を示す分解斜視図である。 図1の電波時計におけるケース本体と裏蓋との結合構造を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る絶縁固定ねじを示し、(A)はその断面図、(B)はその頭頂部側から見た図である。 ねじ部材に凹凸部を形成する手順を示し、(A)はねじ部材の断面図、(B)は保護キャップ付きのねじ部材に保持されたをホルダを液漕に設置した状態を示す断面図である。 凹凸部が形成されたねじ部材に接合樹脂部材を形成する手順を示し、(A)は保護キャップ付きのねじ部材を上型に装着した状態を示す図、(B)は金型の型締めを行った状態を示す図、(C)は金型の型開きを行った状態を示す断面図である。 (A)は出来上がった絶縁固定ねじを上型から取り出した状態を示す断面図、(B)は絶縁固定ねじの断面図である。 (A)は絶縁固定ねじの第1の変形例を示す断面図、(B)は絶縁固定ねじの第2の変形例を示す断面図、(C)は絶縁固定ねじの第3の変形例を示す断面図である。
図1は、本発明の実施形態に係る電波時計を示したもので、(A)はその側面断面図、(B)はその底壁面図である。また、図2は、ケース本体と裏蓋との結合構造を示す分解斜視図である。
この電波時計1は、筒状のケース本体(機器本体)10、裏蓋(閉塞部材)20、および時計ガラス(閉塞部材)30を備えている。そして、ケース本体10の下端開口は裏蓋20によって閉塞され、ケース本体10の上端開口は電波透過性の時計ガラス30によって閉塞されている。また、ケース本体10と裏蓋20との間にはシール部材2およびスペーサ2aが介装され、ケース本体10と時計ガラス30との間にはベゼル部材7およびシール部材3が介装されている。
また、ケース本体10の内部には、時計モジュール4や、時刻データ(タイムコード)を含む標準電波を受信するアンテナ5の他、見切り部材6、その他図示しない文字板および指針等が収容されている。
ここで、ケース本体10と裏蓋20との結合は絶縁固定ねじ500を用いてなされている。この絶縁固定ねじ500は、図3および図4に示すように、ねじ部50a、軸部50bおよび頭部50cからなる金属製(例えばチタン製)のねじ部材50と、このねじ部材50の軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とに接合された接合樹脂部材52とを備えている。この絶縁固定ねじ500のねじ部50aは雄ねじとなっている。
そして、ねじ部材50における軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とにはナノメートルサイズの多数の凹凸部51が形成されている。そして、軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とには、当該外周壁面と当該底壁面とを被覆するように、多数の凹凸部51を介して接合樹脂部材52が接合されている。なお、接合樹脂部材52は頭部50cの外形からはみ出している。
次に、ケース本体10について説明すれば、ケース本体10は金属製、例えばチタン製で、筒状に形成されている。このケース本体10の下端面には、シール部材2を設置するための環状溝10cが形成されている。また、このケース本体10の下端面には、周方向に所定の間隔で4個のねじ部11が形成されている。このねじ部11はねじ穴によって構成され、雌ねじとなっている。このねじ部11の開口側には、当該ねじ部11の径よりも径の大きな穴12が形成されている。この穴12には環状のスペーサ2aが設置されている。この環状のスペーサ2aは硬質の樹脂またはセラミックによって構成されており、穴12に設置された状態では、下端部がケース本体10の下面から突出している。このスペーサ2aは、ケース本体10の下端面と裏蓋20の上端面との間に所定の間隙を形成し、両者の直接接触による導通を防止する働きをしている。
続いて、裏蓋20について説明する。
裏蓋20は金属製、例えばチタン製である。この裏蓋20には周方向に所定の間隔で4個の通し孔21が形成されている。4個の通し孔21は、1対1で、上記ケース本体10の4個のねじ部11に対応して形成されている。また、通し孔21の開口側には座繰り穴22が形成されている。そして、4個の通し孔21には、絶縁固定ねじ500のねじ部50aが挿入され、座繰り穴22には、頭部50cの底壁面に形成した接合樹脂部材52が着座している。
次に、ケース本体10と裏蓋20との結合方法を説明する。
図2および図3に示すように、ケース本体10の穴12にスペーサ部材2aを収容させるとともに、ケース本体10の下端面に形成した環状溝10cにシール部材2を設置した後、ケース本体10の下端面に裏蓋20を重ね合わせる。その際、裏蓋20の4個の通し孔21とケース本体10の4個のねじ部11とは互いに合致するように位置決めされる。
次に、裏蓋20の通し孔21に絶縁固定ねじ500のねじ部50aおよび軸部50bを挿入し、絶縁固定ねじ500のねじ部50aをケース本体10のねじ部11に螺合させて、裏蓋20をケース本体10に締結する。
この締結状態では、絶縁固定ねじ500の軸部50bの外周壁面に存在する接合樹脂部分が裏蓋20の通し孔21に収容され、頭部50cの底壁面に形成した接合樹脂部分が座繰り穴22の底壁面に当接している。したがって、この接合樹脂部材52によって、ねじ部材50と裏蓋20とが互いに電気絶縁される。
また、裏蓋20とケース本体10とは、スペーサ部材2aとシール部材2によって間隙が確保され、これによっても、裏蓋20とケース本体10とが互いに電気絶縁される。
続いて、絶縁固定ねじ500の製造の手順を説明する。
この絶縁固定ねじ500の製造方法は、金属製のねじ部材50にナノメートルサイズの多数の凹凸部51を形成する工程(凹凸部形成工程)と、ねじ部材50の多数の凹凸部51に接合樹脂部材52を接合する工程(樹脂接合工程)と含んでいる。
この製造方法には、金属部材と樹脂部材の射出成形による一体成形化技術による製造方法を用いる。すなわち、金属部材への表面処理によりナノメートルサイズの微細な凹凸部を金属表面に形成し、この凹凸部に射出成形方法により、硬質樹脂を入れ込み、金属部材と樹脂部材とを一体化する技術による製造方法を用いる。この技術は、公知であるので、その説明は省略する。
まず、金属製のねじ部材50に凹凸部51を形成する工程を図5に基づいて説明する。
図5(A)に示すように、まず、ステンレス、チタン等の金属材料からなる金属製のねじ部材50を準備する。このねじ部材50は、ねじ部50a、軸部50bおよび頭部50cを備えている。
次に、このねじ部材50をアルカリ液に浸漬して、ねじ部材50に脱脂処理を施す。その後、ねじ部材50を酸液に浸漬して、ねじ部材50の表面を中和して、ねじ部材50の表面を洗浄する。
次に、図5(B)に示すように、ねじ部材50のねじ部50aに樹脂等の保護キャップ60を被せ、ねじ部材50をホルダ61に保持させ、ホルダ61を液槽62の底壁面に設置する。
上記保護キャップ60は硬質樹脂で筒状に形成されている。ここで使用される硬質樹脂は、凹凸部形成工程および樹脂接合工程での処理に対して耐性を有するとともに、接合樹脂部材52との親密性を有しない材料で形成されている。この保護キャップ60の内壁面には、ねじ部材50のねじ部50aに螺合するねじ部60aが形成されている。したがって、ねじ部材50のねじ部50aに樹脂等の保護キャップ60を被せるにあたっては、ねじ部50aとねじ部60aが螺合される。
なお、保護キャップ60は軟質樹脂で形成されていてもよい。この場合には、この軟質樹脂は、その後の処理に対して耐性を有することは勿論のこと、ねじ部材50に被せた際に、ねじ溝に食い込む程度の弾性を有する材料で形成することが好ましい。
また、ホルダ61には、当該ホルダ61の下壁面に開口する第1の穴61aが形成されている。この第1の穴61aは、ねじ部材50の頭部50cの径よりも大きな径を有している。
また、ホルダ61には、上記第1の穴61aの底壁面に開口する第2の穴61bが形成されている。この第2の穴61bは、ねじ部材50のねじ部50aの径よりも大きな径を有している。この第2の穴61bは、保護キャップ60付きのねじ部50aに嵌合する部分である。この第2の穴61bの深さは、保護キャップ60付きのねじ部50aを第2の穴61bに目一杯挿入した際、ねじ部材50の頭部50cがちょうどホルダ61の下壁面から突出する程度となっている。
さらに、ホルダ61には、当該ホルダ61の外周壁面および内周壁面に開口する通路61cが複数形成されている。この通路61cの形成位置は、保護キャップ60付きのねじ部50aを第2の穴61bに目一杯挿入した状態で見た場合、軸部50bに対応する位置である。
また、液槽62は侵食性水溶液または侵食性懸濁液63を貯留するためのものである。この液槽62には、当該浴槽62の底壁面に開口する穴62aが形成されている。この穴62aは、ねじ部材50の頭部50cが嵌合する形状となっている。この穴62aの深さは、ねじ部材50の頭部50cが嵌合した際に、頭部50cの底壁面が液槽62の底壁面と面一となる深さである。
この液槽62には、ねじ部材50の頭部50cがねじ部50aに対して下側となるようにして、ホルダ61が設置される。その際、ねじ部材50の頭部50cは穴62aに嵌合され、ホルダ61の下面は液槽62の底壁面に当接される。
この状態で、液槽62に侵食性水溶液または侵食性懸濁液63を注入する。すると、侵食性水溶液または侵食性懸濁液63はホルダ61の通路61cおよび第2の穴61bを経て第1の穴61aまで導かれる。これによって、ねじ部材50のうち、第2の穴61bおよび第1の穴61aに露出している部分が侵食性水溶液または侵食性懸濁液63にて侵食され、当該部分にナノメートルサイズの微細な凹凸部51が形成される。具体的には、ねじ部材50の軸部50bと、頭部50cの裏面(底壁面)とに凹凸部51が形成される。この多数の凹凸部26を構成している各くぼみそれぞれの直径および深さは、この実施の形態の場合、20ナノメートル程度の寸法であるが、これに限られず、他の寸法でもよい。
次に、ホルダ61を液槽62から取り出し、保護キャップ60を装着した状態でねじ部材50をホルダ61から取り出す。その後、ねじ部材50を水洗し、乾燥機によって乾燥させる。
続いて、ねじ部材50の凹凸部51に接合樹脂部材52を接合する工程を図6に基づいて説明する。
保護キャップ60を装着した状態でホルダ61から取り出されたねじ部材50を金型64の上型65に支持させる(図6(A))。
この金型64は上型65と下型66とによって構成されている。このうち上型65には、当該上型65の下面に開口する第1の穴65aが形成されている。この第1の穴65aは、ねじ部材50の頭部50cの径よりも僅かに大きな径を有している。
また、上型65には、上記第1の穴65aの底壁面に開口する第2の穴65bが形成されている。この第2の穴65bは、ねじ部材50のねじ部50aの径よりも僅かに大きな径を有している。この第2の穴65bは、保護キャップ60付きのねじ部50aに嵌合する部分である。この第2の穴65bの深さは、保護キャップ60付きのねじ部50aを第2の穴65bに目一杯挿入した際、ねじ部材50の頭部50cがちょうど上型65の下面から突出する程度となっている。
また、上型65には、当該上型65の外周面および第1の穴65aに開口する通路65cが形成されている。
一方、この下型66には、当該下型66の上面に開口する穴66aが形成されている。この穴66aは、ねじ部材50の頭部50cが嵌合する形状となっている。この穴66aの深さは、ねじ部材50の頭部50cが嵌合した際に、頭部50cの底壁面が下型66の上面と面一となる深さである。
次に、金型65の型締めを行う。すなわち、保護キャップ60付きのねじ部材50を上型65に支持させた状態で、上型65と下型66とを当接させる。その際、ねじ部材50の頭部50cを穴66aに嵌合する。
この状態で、図6(B)に示すように、成形樹脂52A、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)を通路65cを介して射出する。これによって、接合樹脂52Aは、ねじ部材50の軸部50bの外周壁面と、頭部50cの底壁面とを被覆し、当該軸部50bおよび頭部50cの凹凸部51に強固に接合される。これによって、ねじ部材50に成形樹脂52Aからなる接合樹脂部材52が接合され、絶縁固定ねじ500が出来上がる。
この場合のポリフェニレンスルファイド(PPS)は、単独で使用される場合のほか、(A)ポリフェニレンスルファイド70〜99重量%およびポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂組成物、(B)ポリフェニレンスルファイド70〜99重量%と、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体,グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体,グリシジルエーテル変性エチレン系共重合体,エチレンアルキルアクリレート共重合体の中から選択される1種以上のポリオレフィン系樹脂1〜30重量%とを含む樹脂分組成物の混合の形で使用される。
この実施の形態の場合、成形樹脂として、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を用いたが、これに限られず、ポリフェニレンスルファイド(PPS)に、ガラス繊維20%を含有させた材料を使用したもの、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(AXG)を用いてもよい。
次に、図7(A)に示すように金型64から絶縁固定ねじ500を取り出し、絶縁固定ねじ500から保護キャップ60を取り外す(図7(B))。
以上説明した電波時計1、絶縁固定ねじ500および、絶縁固定ねじ500の製造方法によれば次のような効果を得ることができる。
上記電波時計1によれば、金属製のねじ部材50における軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とに接合樹脂部材52が形成されているので、この接合樹脂部材52によって、裏蓋20とねじ部材50との電気絶縁が確実に図れることになる。その結果、ケース本体10と裏蓋20とが、このねじ部材50を介して導通されることが確実に防止できる。
また、接合樹脂部材52は、ねじ部材50に形成されたナノメートルサイズの凹凸部51に強固に直接接合されることから、接合樹脂部材52がねじ部材50から離脱する虞がなく、絶縁性を長期に亘って維持することができる。
次に、上記絶縁固定ねじ500の変形例を説明する。
図8(A)は、絶縁固定ねじの第1の変形例を示す図である。
上記絶縁固定ねじ500Aでは、接合樹脂部材52がねじ部材50の軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面だけに接合されているが、この第1の変形例の絶縁固定ねじ500Aでは、接合樹脂部材52が頭部50cの外周壁面にまで接合されている。この場合には、頭部50cの外周壁面にも凹凸部51を形成しておく必要がある。
この絶縁固定ねじ500Aによれば、頭部50cの外周壁面と裏蓋20の座繰り穴22の内周壁面との間に接合樹脂部材52が配置されるので、それらの間の絶縁も確実に防止できる。
図8(B)は、絶縁固定ねじの第2の変形例を示す図である。
この第2の変形例の絶縁固定ねじ500Bでは、接合樹脂部材52が軸部50bの外周壁面と頭部50c全体とに接合されている。この場合には、頭部50cの全体にも凹凸部51を形成しておく必要がある。
この絶縁固定ねじ500Bによれば、ねじ部材50の軸部50bおよび頭部50cに凹凸部51を形成する際に、ホルダ61を使用することなく、ねじ部材50を液槽62に直接漬けることができる。
図8(C)は、絶縁固定ねじの第3の変形例を示す図である。
この第3の変形例の絶縁固定ねじ500Cでは、軸部50bの外周壁面と頭部50cの底壁面とに接合樹脂部材52が接合され、硬質被膜52aがその残りの部分全体を覆っている。この硬質被膜52aの材料としては、例えば、窒化タンタル(TaN),炭化タンタル(TaC),窒炭化チタン等の硬質材料のいずれか、または、窒炭酸化チタンまたはダイヤモンドドライクカーボン等が使用される。この接合樹脂部材52と硬質被膜52aとは例えば2色成形その他の方法によって形成される。
この第3の変形例によれば、ねじ部50aの強度をより高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態の電波時計では、ねじ部材50がチタンで形成されている場合を説明したが、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、マンガン、銅、モリブデン、コバルト、タングステン若しくはマグネシウム、又は、これらの金属元素のうちの少なくとも1つを含有する合金から成るグループのうちから選ばれた少なくとも一種の金属によって形成されていてもよい。このうち鉄合金は、例えば、ステンレス鋼(SUS304、SUS316L、SUS316F)を含み、チタンは例えば純Tiを含み、チタン合金は例えば64チタン合金を含む。また、ねじ部材50は銀で形成されていてもよい。
また、成形樹脂としては、前述したもの以外にも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(ナイロンPA6,PA66)、ポリフタルアミド(PPA)等が使用できる。
さらに、成形樹脂に加えられる充填剤としては、ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,炭酸カルシウム,シリカ,タルク,粘土,ガラス等が使用されるが、これに限定されない。
また、侵食性水溶液または侵食性懸濁液としては、ヒドラジン,アンモニア,水溶性アミン類,またはアルカリ土類金属水酸化物等が使用されるが、これに限定されない。
さらに、上記実施形態は電波時計に本発明を適用した場合について説明したが、その他の電波受信機器にも本発明は適用できる。
1 電波時計(電波受信機器)
5 アンテナ
10 ケース本体
11 ねじ穴
20 裏蓋(閉塞部材)
21 通し孔
22 座繰り穴
30 ガラス部材(閉塞部材)
50 ねじ部材
50a ねじ部
50b 軸部
50c 頭部
51 凹凸部
52 接合樹脂部材
500,500A〜500C 絶縁固定ねじ

Claims (4)

  1. 筒状の金属製の機器本体、この機器本体の一端開口を閉塞する金属製の第1の閉塞部材、前記機器本体の他端開口を閉塞する電波透過性の第2の閉塞部材、前記機器本体と前記第1の閉塞部材とを締結する金属製の複数の固定ねじ、および、前記機器本体内に配置されたアンテナを備えている電波受信機器において、
    前記固定ねじは、ねじ部および軸部が前記第1の閉塞部材に形成された通し孔に挿入された状態で、前記ねじ部が前記機器本体側に形成されたねじ部と螺合されており、
    前記固定ねじと前記通し孔との間には、前記軸部の外周壁面と前記頭部の底壁面とに亘って形成されているナノメートルサイズの多数の凹凸部を介して接合された電気絶縁性の接合樹脂部材が配置されていることを特徴とする電波受信機器。
  2. 前記機器本体、前記第1の閉塞部材および前記第2の閉塞部材は、それぞれ、時計ケース本体、裏蓋および時計ガラスであり、全体として電波時計を構成していることを特徴とする請求項1に記載の電波受信機器。
  3. ねじ部、軸部および頭部を有し当該軸部の外周壁面と当該頭部の底壁面とにナノメートルサイズの凹凸部が形成された金属製の固定ねじと、前記凹凸部に接合され前記軸部の外周壁面を被覆する接合樹脂部材とを備えることを特徴とする絶縁固定ねじ。
  4. ねじ部、軸部および頭部を有する金属製の固定ねじにおける当該軸部の外周壁面と当該頭部の底壁面とに亘ってナノメートルサイズの多数の凹凸部を形成する形成工程と、
    この形成工程の後に、射出成形によって前記固定ねじの前記軸部の周壁に前記凹凸部を介して接合樹脂部材を接合させる接合工程と、
    を備えることを特徴とする絶縁固定ねじの製造方法。
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