JP5343807B2 - 高温炉内用ガス仕切弁 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉等の各種高温ガスを取り扱う産業に係わる装置に使用される高温炉内用ガス仕切弁に関する。
製鉄用のコークス炉では石炭の乾留時に発生する石炭乾留ガス(COG)を集合配管で回収して燃料に使用している。この際、発生するCOGは,850℃程度までの高温であるので、ガスの顕熱を回収して省エネルギを図ることが原理的には可能である。しかしながら、COG中には高沸点ガスであるタールが含有されており、700℃以下にCOGの温度が低下するとタールが凝縮する性質を持つ。一旦凝縮したタールは、凝縮後に性質が変化して、再度加熱しても容易には蒸発しない物質に変化することが多い。また、COGには、メタン等の炭化水素の形で含有されていた炭素が700℃以上の高温で分解して固体の炭素(煤)として析出する(この現象をコーキングと呼ぶ)性質も有する。この一旦析出した固体炭素も、互いに強固に結合しているため、再度温度を低下させても容易には炭化水素化しない。
従来技術において、仮に、高温のCOGを流通させる場合、このようなタールや固体炭素が管路系設備(管路、弁、送風機等)のCOG接触面において多量に付着するため、管路系設備の操作が困難となる。このため、従来、コークス炉にて発生したCOGは、コークス炉の上昇管から排出されると、直ちに水冷されて常温化されていた。この際、タールは凝縮してCOGから分離されて冷却水中に混和して除去されるので、常温のCOG中の低沸点ガス(これをドライCOGと呼ぶ)のみが燃料として回収されてきた。ドライCOGには、特段の作業上の問題はないので、一般的な産業用管路系設備を適用することができ、管路のガス流れを自由に制御できる。
一方、前記上昇管中は、COGはタールを除去されていないガス(ウエットCOGと呼ぶことにする)と接触せざるを得ないので、上昇管内面へのコーキングが避けられない。また、COGは一連の石炭乾留作業のプロセスにおいて低温化する場合があり、このとき、COG中のタールの凝縮物が上昇管内壁面に付着して、強固な固着層を形成することもある。これらの付着物は、操業を継続すると増大し続けて上昇管の管路を閉塞させるので、上昇管の管路では、一定短周期ごと、例えば、毎日、上昇管内面に付着した炭素を焼き取る作業を必要とする。このような上昇管で生じるタール付着やコーキングの問題は、上昇管に限らず、ウエットCOGを流通させる管路系に共通の問題である。このため、従来技術においては、タール付着やコーキングの問題で、COGの顕熱は殆ど利用されることなく、COGは速やかに水冷されていた。
例えば、特許文献1に示す、上昇管とドライメーンの間に流量調整弁を設置する方法においては、流量調整弁を流通するCOGは、スプレー水散布によって既に低温化されたものであり、また、流量調整弁単独ではガスの流通を遮断することはできないので、別途、水封弁を必要とする。特許文献2にはウエットCOG用の遮断弁が開示されているが、この装置では弁座と弁体が共にウエットCOGに接触し続け、これらの表面での激しいコーキングやタール凝縮固化が避けられないので頻繁な清掃作業が必要である。また、特許文献3には、上昇管内に空気配管を設けて、上昇管内の高温なCOG流れによって空気管内を流通する空気を加熱することで排熱回収を図っている。しかし、この装置の場合、COGの冷却量が大きいとCOGが直ちにタールとして空気配管表面に凝縮固化して伝熱を阻害すると共に、上昇管を閉塞させる問題を生じるので、COG顕熱の僅かな部分しか回収できないと言う問題がある。このように、高温ウエットCOGの顕熱利用に際しては、排熱回収を目的とするよりも、高温でしかなしえないCOGの有用な化学反応(ガス改質)を促進することを主眼にする方が有利と考えられる。
上昇管にも管路開閉の必要があるので、通常、上昇管頂部蓋及びドライメーン蓋の2つの弁が設けられている。上昇管頂部蓋は、乾留終了後にコークス炉内の残留ガスを大気中に放散させつつ燃焼させるためのものであり、上昇管との間では、作業中には水封されている。あるいは、付着物析出によって上昇管頂部蓋が上昇管に固着することを避けるため、上昇管と蓋との間に予め隙間を設けて完全にはCOGを封止しない構造とすることもかつては採用されてきた。また、ドライメーン蓋は、上昇管とドライメーンを繋ぐ管路の蓋であるが、こちらも、管路閉止する場合には水封されている。このように、従来技術でウエットCOGに接触し得る弁は、低温に維持されるか、完全に封止しない構造のものであった。
特開2004−107466号公報 実公昭62−39077号公報 実開昭58−7847号公報
ウエットCOGの状態でCOGの顕熱を利用するためには、高温状態のウエットCOGの管路系内での流通を制御するための管路を開閉できる弁が必要不可欠である。しかしながら、従来技術の弁(蓋)ではウエットCOGを完全には封止できないか、ウエットCOGを低温化してしまうか、あるいは、操業(石炭乾留)を頻繁に終了して弁内面に固着するタールや固体炭素を、除去する必要がある等、不確実か実現困難なものしか存在しなかった。
そこで、本発明においては、ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならないガス、例えば、常温から850℃程度までのウエットCOG、の顕熱を利用するために、当該ガスに対して、管路内で長期間の流通を制御可能な高温炉内用ガス仕切弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者の研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
第1発明は、弁箱内に収納された、弁体、上流側弁座、下流側弁座、前記上流側弁座と前記下流側弁座の対向する表面にそれぞれ設けられたシール材、伸縮管、シリンダ、ピストン、シースガス供給装置、ピストンアクチュエータ、及び、弁体アクチュエータを備える高温炉内用ガス用仕切弁であって、
前記弁体が、主流方向に垂直な方向である主流垂直方向に可動な弁体であり、
前記上流側弁座及び前記下流側弁座の少なくともいずれか一方が主流方向に可動な可動弁座であり、
前記弁体アクチュエータを用いて、前記弁体を主流垂直方向に移動させて、前記弁体が前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在しない状態である弁体開位置、又は、前記弁体が前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在する状態である弁体閉位置のいずれかに切り替える弁体位置切替機構と、
前記シリンダにガイドされる前記ピストンに結合された前記可動弁座を、前記ピストンアクチュエータを用いて主流方向に移動させて、前記可動弁座に対向する弁座の表面に前記シール材を介して押し付けて接触させる状態である弁座開位置、前記可動弁座のシール面が前記弁箱内に収納されたいずれの部材にも接触していない中間位置、又は、前記可動弁座を前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在する前記弁体表面に前記シール材を介して押し付けて接触させる状態である弁座閉位置のいずれかに切り替える弁座位置切替機構と、
をさらに備え、
前記シースガス供給装置が、前記下流側弁座より上流の位置まで二重管である仕切弁入側管路を有し、前記二重管の外側管を主流方向にシースガスを流通させて、前記上流側弁座内周面上を覆うように前記二重管終端部からシースガスを軸対象のリング状に吐出する機構であることを特徴とする、高温炉内用ガス仕切弁である。
第2発明は、前記シリンダ及び前記ピストンを耐熱セラミックスで構成し、
前記弁箱を前記耐熱セラミックスよりも熱膨張係数の大きな耐熱金属で構成すると共に、
前記シリンダを、軸対称に複数設けられて前記耐熱セラミックスと前記耐熱金属との熱膨張差を吸収する結合部を介して前記弁箱に固定することを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用ガス仕切弁である。
第3発明は、前記耐熱セラミックスが、黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材、炭化珪素、及び、窒化珪素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第2発明に記載の高温炉内用ガス仕切弁である。
第4発明は、前記耐熱セラミックスよりも熱膨張係数の大きな耐熱金属が、耐熱ステンレス鋼、チタン、耐熱チタン合金、耐熱コバルト合金、インコネル、ハステロイ、及び、その他の耐熱ニッケル合金から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第2発明又は第3発明に記載の高温炉内用ガス仕切弁である。
本発明によって、ウエットCOG等の、ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならないガスの顕熱を利用する各種ガス改質技術が可能になる。
本発明の実施形態の模式図である。 本発明の他の実施形態の模式図である。 本発明の実施形態の模式図である。 本発明のシール機構に関する模式図である。 本発明のシースガス流れに関する模式図である。 本発明のシースガス流れに関する他の模式図である。 (a)は、本発明の結合部に関する断面の模式図であり、(b)は、図7(a)に示した本発明の結合部に関するA−A断面の模式図である。 (a)は、本発明の他の結合部に関する断面の模式図であり、(b)は、図8(a)に示した本発明の結合部に関するA−A断面の模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1を用いて説明する。なお、図1は、管路の開放状態を示している。開閉弁1は、基本的に仕切弁の形式であり、上流からの高温なウエットCOGを上流側主管路8を通じて弁内に流入させて、前記ウエットCOGの成分・温度を殆ど変更することなく、下流側主管路を兼ねるピストン14を通じてウエットCOGを流出させる。弁体2、弁座3、4等の主要部品は、弁箱7に収納されている。弁箱7及び弁箱内部の各部品は、加熱炉内に配置されて全体がウエットCOGと同程度の高温、例えば、800〜850℃の温度に維持されている。また、本発明の仕切弁は、加熱炉の温度の低い状態でも弁として使用される。
弁の開閉構造について説明する。弁座は、主管路と共通の中心軸を有し、その形状は、略リング状で主流方向(主管路の中心軸方向)に二分割されており、上流側弁座3を弁箱7に接続して固定し、下流側弁座4は、ピストン14の上流端に接続して主流方向に可動な可動弁座とする。ピストン14は、弁箱7下流側の内壁をシリンダとして用い、弁箱7に穿たれた孔を通してピストンロッド16により、前進(下流から上流)、又は、後退(上流から下流)する。ピストンロッド16の推進は、炉壁22に穿たれた孔を通じて接続された炉外のピストンアクチュエータ17、例えばエアシリンダによってなされる。ピストン14外周には、シリンダとの摺動性を高めるために、適宜ピストンリング18を設けてもよい。ピストンの移動に伴って主管路に隙間を生じないように、主管路には伸縮管であるベローズ13が設けられており、管路の伸縮を吸収する。下流側弁座4の前進位置の末端(弁座開位置)では、下流側弁座4は、シール材である下流側Oリング6及びシール材である上流側Oリング5を介して上流側弁座3に押し付けて固定される。この際、Oリング同士の接触部によって、主管路内と弁箱内ガスの流通は遮断される。
弁体2は略円盤の形状であり、上端において弁体ロッド19と結合されている。この結合部は2つのリングを組み合わせた構造となっており、主流方向に可動である。弁体2は、弁体ロッド19により、前進(主流外側から内側方向)、又は、後退(主流内側から外側方向)する。弁体ロッド19の推進は、炉壁22に穿たれた孔を通じて接続された炉外の弁体アクチュエータ20、例えばエアシリンダによってなされる。弁体2の後退限界位置(弁体開位置)において、弁体2は、弁箱7内の自由空間に保持される。また、下流側弁座4の後退限界位置(弁座中間位置)において、弁体2の前進限界位置(弁体閉位置)では、弁体2は、弁体2の中心軸が主管路と同一の中心軸と一致する位置に保持される。
なお、本実施形態における弁体位置切替機構は、弁体ロッド19と、弁体アクチュエータ20とから構成されており、本実施形態における弁座位置切替機構は、ピストンロッド16と、ピストンアクチュエータ17とから構成されている。
弁の開閉作動について説明する。管路の開放状態において、下流側弁座4は弁座開位置に、弁体は弁体開位置に保持される。管路の閉止状態において、下流側弁座4は下流側弁座4を下流側Oリング6を介して弁体2に押し付ける位置(弁座閉位置)に、弁体は弁体閉位置に保持される。管路の開放状態から閉止状態に移行する手順は、まず、下流側弁座4を弁座中間位置まで後退させ、次に、弁体2を弁体閉位置まで前進させる。最後に、下流側弁座4を弁座閉位置まで前進させてこの状態を維持する。逆に、管路の閉止状態から開放状態に移行する手順は、まず、下流側弁座4を弁座中間位置まで後退させ、次に、弁体2を弁体開位置まで後退させる。最後に、下流側弁座4を弁座開位置まで前進させてこの状態を維持する。管路の閉止状態において、弁体2は、下流側弁座4によって上流側弁座3に、下流側Oリング6を介して押し付けられる。このとき、上流側Oリング5と弁体2の上流側表面との接触部、並びに、下流側Oリング6と弁体2の下流側表面との接触部において主管路内と弁箱内ガスの通気は遮断される。これら一連の動作は、図示しない制御装置、又は、手動によって実施される。
弁座や弁体へのタールや固体炭素の付着防止対策について説明する。上流側主管路8は二重管となっており、ウエットCOGは、内管を流通する。外管は、シースガス管路12とし、シースガスは、加熱炉外の図示しないシースガスボンベからシースガスを導入するシースガス供給管10を通り、シースガスヘッダ11で均圧化された上で、シースガス管路12内を軸対称に流れて、弁座のシール面近傍の上流側に設けられたシースガス管路12の末端から主管路内に吐出される。この結果、管路が開放状態の場合、シースガスは、図5のシースガスの流れを示す矢印25に示すように、上流側弁座3の内面を覆うように流れた後、主管路中のウエットガスと混合するので、弁座のシール面に不可避的に生じる隙間では主管路中のウエットCOGが接触せず、上流側弁座3への付着物を防止できる。管路の開放状態では、前記吐出されたシースガスが、下流側弁座4の内面も覆うように同心軸状に流れた後、主管路中のウエットCOGと混合するので、下流側弁座4にも付着は生じない。このとき、弁体2は、主管路と接触しない位置に保持されているので、当然、付着物は発生しない。
また、管路の閉止状態では、前記吐出されたシースガスは、図6に示すように、主管路内の弁体2の表面を覆うように流れて逆流した後、主管路中に存在し得るウエットCOGと混合するので、弁体2への付着物を防止できる。このとき、下流側弁座4にはシースガスは届かないが、そもそも管路の閉止状態では、弁体より下流側にはウエットCOGは殆ど存在しないので、下流側弁座4に付着物の生じることはない。
また、シースガス種としては、窒素、アルゴンガス、又は、ドライCOG等を用いることができる。弁体2を保温するために、熱交換器26を通してシースガスを予熱してもよい。また、シースガスの一部は弁箱7内に供給して、弁体−弁座間のシールが途切れる際(例えば、弁座中間位置の状態)にウエットCOGが弁箱7内に侵入することを防止することができる。シースガスの流量は、主流ガスより十分少ない流量、例えば、主流ガス流量の10%(mol流量で定義)程度以下でよい。弁の開放状態で必要なシースガスの最小流量は、装置の寸法、ガス種、ガス温度、及び、ウエットCOG中のタール成分濃度によって異なるので、装置ごとに適宜、試験するなどして最適値を求めればよい。例えば、ウエットCOG中のタール成分濃度等をオンライン計測する場合、前記計測値に基づいて、タール成分濃度が著しく低い場合(石炭乾留末期にはしばしばこのような状態が出現する)には、タール付着の可能性が少ないと判断して一時的にシースガスの流量を0に設定することもあり得る。弁の閉止時にはシースガス流量を弁の開放時よりも低下させることができる。特に、長い流入管路を用い、かつ、管路・弁体とも高温に維持されている場合には、弁の上流側管路内でのガス交換が著しく制約され、タールの凝縮も生じないので、管路閉止状態でシースガスを適宜停止することも可能である。この場合、弁体に若干のコーキングの生じることがあり得るが、弁体の日常メンテナンス周期を考慮して、適宜、シースガス流量を決定すればよい。
本発明の装置では、常温から850℃程度の高温までの温度範囲で同一の管路開閉状態を維持する必要がある。この際、熱膨張の影響を除去する構造である必要がある。なぜならば、常温から850℃まで仕切弁の温度を上昇させると、100mmにつき1〜3mm程度の熱膨張量を生じるため、異なる熱膨張率の材料を用いる場合や、仕切弁内部で大きな温度分布を生じる場合には、部品間での熱膨張量差によって、シールに隙間を生じたり、逆に、部品間で強い圧縮力が生じて弁の可動部での移動を妨げる等の問題が発生するからである。
熱膨張の影響を回避するための本発明での工夫は以下のとおりである。第1に、仕切弁の主要部を全て加熱炉内に配置することによって、弁の部品内及び部品間での温度差を最小化することができる。また、仕切弁の主要部を内部加熱や内部冷却を行わずに加熱炉内に配置して、流通させるガスと同程度の温度に仕切弁全体の温度を維持することにより、流通するガスが加熱や冷却されることがないので、流通させるガスの状態を好適に維持する効果も期待できる。第2に、弁の材質に関しては、熱膨張率を部品間で揃えるために基本的に加熱炉内に存在する全ての部品を同一の耐熱材料、又は、略同一の熱膨張率である耐熱材料を用いることで部品間の熱膨張率差を生じさせない。例えば、窒化珪素、炭化珪素、黒鉛、または、炭素繊維強化炭素複合材等のうちから単一の材料を選んで仕切弁の全ての部品をこの材料を用いて製作することで、このような装置を実現できる。第3に、熱膨張によって、弁座、弁体間の長さが変化することの対策として、長さの変化した分だけ、弁体2及び下流側弁座4の位置を移動することによって、一定のシール力を維持できる。第4に、耐熱金属材料を使用する場合には850℃の高温ではクリープによる部品の変形の生じることが避けられないので、本発明では、弁の各部品に極力荷重のかからない構造としている。即ち、ベローズ13により主流方向の熱膨張やピストン移動による荷重を吸収し、ピストン14もエアシリンダ17による圧力制御を行うことによって、一定の押し付け力を維持できる。尚、本発明における「開位置」「閉位置」等は、厳密な位置制御を行うことを意味せず、エアシリンダの圧力一定制御を前提として、熱膨張による荷重変化を吸収する分だけ、定位置とする基準位置の微動を許容するものである。シールのための部品締め付け時の面圧は、従来技術の仕切弁では通常、数十MPa以上であるのに対し、本発明では1MPa程度以下まで低減できる。このため、耐熱金属材料を部品に用いる場合には高温でのクリープ変形を許容可能な範囲に制限できる。また、一般に引っ張り耐荷重の低い、耐熱セラミックスを部品に用いる場合でも許容応力の範囲内で設計できる。
仕切弁の寸法に関して、例えば、主配管の内径を10mm以上500mm以下の範囲とすることができる。弁体2の厚みは、2mm〜50mmとすることができる。上流側弁座3及び下流側弁座4の厚みは、5mm〜50mmにすることができる。上流Oリング5及び下流側Oリング6の材質は、いずれか一方、又は両方を黒鉛又はカーボンコンポシット製にすることができる。これらOリングの太さは、1mm以上30mm以下とすることができる。下流側Oリング6の直径を、上流側Oリング5と異なる径にすることができる。この場合、図4に示すように一方のOリングが他方のOリングの内側で接触させるように設定すれば、上流側弁座3と下流側弁座4間で軸心に若干の偏差が存在する場合でも、弁座開位置において、ピストン14による締め付けを行う過程で自動的にセンタリングできるので好適である。尚、前記Oリングの弁座への固定は、図4に示すように適宜、ピン23等を用いればよい。本発明の仕切弁を流通できるガス流量は、例えば、ウエットCOGの場合、1000Nm/時程度以下で可能である。
ピストンアクチュエータ17及び弁体アクチュエータ20には、エアシリンダ以外に、油圧シリンダ、モータで駆動されるラックアンドピニオンやボールねじ、又は、リニアモータ等を用いることができる。また、これらのアクチュエータにおいて耐熱性を有するものであれば、必ずしも加熱炉外部に配置する必要はなく、加熱炉内に設置して装置のコンパクト化を図ってもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態のように仕切弁全体を耐熱セラミックス製で構成すると、確かに仕切弁としての耐熱性の点では申し分ない。しかし、この様な装置は高価になりがちであるので、本実施形態では、最低限必要な部位のみに耐熱セラミックスを用い、それ以外の部分には耐熱金属を用いることで、装置コストの低減を図る。
前記耐熱セラミックスとしては、黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材、炭化珪素、又は、窒化珪素のいずれか1つ、又は、2つ以上の組み合わせを用いることができる。耐熱金属としては、耐熱ステンレス鋼、チタン、耐熱チタン合金、耐熱コバルト合金、インコネル、ハステロイ、又は、その他の耐熱ニッケル合金のいずれか1つ、又は、2つ以上の組み合せを用いることができる。
これらの耐熱セラミックスと耐熱金属を比較した場合、耐熱金属の方が耐熱セラミックスよりも著しく熱膨張率が大きい。従って、耐熱セラミックスと耐熱金属を組み合わせて仕切弁を構成するために、材料間の熱膨張差を吸収する特別な結合機構を耐熱セラミックスと耐熱金属の間に設ける。
具体的に、図2を用いて説明する。耐熱セラミックスが最低限必要な部位を、ピストン14、シリンダ15、ピストンロッド16、ピストンリング18、並びに、弁体ロッド19とした。これらの部品は、ピストン・シリンダのように高温での形状安定性が特に求められる部品か、ロッドのように比較的大きな圧縮応力を受ける部品である。例えば、これらの部品には炭素繊維強化炭素複合材を用いて靭性を確保してもよい。ピストンリングには、黒鉛、又は、炭素繊維強化炭素複合材を用いることが摺動性の観点から好ましい。あるいは、窒化ホウ素等の固体潤滑材料を用いてもよい。これ以外の部品は、比較的安価で清掃の容易な、耐熱金属材料を用いることができる。本実施例では、配管内部の清掃性を考慮して、耐熱金属製の独立した下流側主管路9を設けている。ピストンロッド16や弁体ロッド19と、これらと結合する部品との結合方法は、単に、結合用のリング穴形状を大きめに設定して間隙を設ければ、熱膨張を吸収できる。また、ピストン−シリンダ間は、同一の耐熱セラミックスを用いれば、熱膨張の影響を回避できる。
一方、同心軸の関係を維持した状態で熱膨張差を吸収するための部品の結合部、即ち、シリンダ−弁箱間結合部18及びピストン−弁座間結合部27に関しては、特別な結合機構を用いる。図7には、シリンダ−弁箱間結合部18の断面図を示す。シリンダ15両端には円周方向に、台形状の切欠き29を設け、弁箱7内面にはこの切欠き29にはめ合う形状の台形状21の突起を設ける。この結果、弁全体の温度が上昇したとき、より膨張量の大きい弁箱の突起は、シリンダ15の切欠き29内に接しながら同心軸を維持した状態でシリンダ15に対して外側に移動することができる。また、図8に示すピストン−弁座間結合部27では、図7と同様の切欠き29と突起21をピストン14及び下流側弁座4にそれぞれ設ける。さらに、ピストン14を後退させる際に下流側弁座4を連動して後退させるために、ピストン固定ピン30でピストン14と下流側弁座4を結合する。ピンは耐熱金属性であり、下流側弁座4の下流側表面に接続したスラスト受28に根元がねじ込み固定されると共に、ピン先端部は、ピストン14の側面に穿たれた孔に挿入されてピストン14と下流側弁座4を結合する。
尚、本発明の対象は、ウエットCOGに限るものではなく、ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならない全てのガス種に対して、適用可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 ・・・開閉弁
2 ・・・弁体
3 ・・・上流側弁座
4 ・・・下流側弁座
5 ・・・上流側Oリング
6 ・・・下流側Oリング
7 ・・・弁箱
8 ・・・上流側主管路
9 ・・・下流側主管路
10 ・・・シースガス供給管
11 ・・・シースガスヘッダ
12 ・・・シースガス管路
13 ・・・伸縮管
14 ・・・ピストン
15 ・・・シリンダ
16 ・・・ピストンロッド
17 ・・・ピストンアクチュエータ
18 ・・・ピストンリング
19 ・・・弁体ロッド
20 ・・・弁体アクチュエータ
21 ・・・シリンダ結合部
22 ・・・炉壁
23 ・・・ピン
24 ・・・主流の流れ
25 ・・・シースガスの流れ
26 ・・・熱交換器
27 ・・・ピストン結合部
28 ・・・スラスト受
29 ・・・切欠き
30 ・・・ピストン固定ピン

Claims (4)

  1. 弁箱内に収納された、弁体、上流側弁座、下流側弁座、前記上流側弁座と前記下流側弁座の対向する表面にそれぞれ設けられたシール材、伸縮管、シリンダ、ピストン、シースガス供給装置、ピストンアクチュエータ、及び、弁体アクチュエータを備える高温炉内用ガス用仕切弁であって、
    前記弁体が、主流方向に垂直な方向である主流垂直方向に可動な弁体であり、
    前記上流側弁座及び前記下流側弁座の少なくともいずれか一方が主流方向に可動な可動弁座であり、
    前記弁体アクチュエータを用いて、前記弁体を主流垂直方向に移動させて、前記弁体が前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在しない状態である弁体開位置、又は、前記弁体が前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在する状態である弁体閉位置のいずれかに切り替える弁体位置切替機構と、
    前記シリンダにガイドされる前記ピストンに結合された前記可動弁座を、前記ピストンアクチュエータを用いて主流方向に移動させて、前記可動弁座に対向する弁座の表面に前記シール材を介して押し付けて接触させる状態である弁座開位置、前記可動弁座のシール面が前記弁箱内に収納されたいずれの部材にも接触していない中間位置、又は、前記可動弁座を前記上流側弁座と前記下流側弁座との間に存在する前記弁体表面に前記シール材を介して押し付けて接触させる状態である弁座閉位置のいずれかに切り替える弁座位置切替機構と、
    をさらに備え、
    前記シースガス供給装置が、前記下流側弁座より上流の位置まで二重管である仕切弁入側管路を有し、前記二重管の外側管を主流方向にシースガスを流通させて、前記上流側弁座内周面上を覆うように前記二重管終端部からシースガスを軸対象のリング状に吐出する機構であることを特徴とする、高温炉内用ガス仕切弁。
  2. 前記シリンダ及び前記ピストンを耐熱セラミックスで構成し、
    前記弁箱を前記耐熱セラミックスよりも熱膨張係数の大きな耐熱金属で構成すると共に、
    前記シリンダを、軸対称に複数設けられて前記耐熱セラミックスと前記耐熱金属との熱膨張差を吸収する結合部を介して前記弁箱に固定することを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用ガス仕切弁。
  3. 前記耐熱セラミックスが、黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材、炭化珪素、及び、窒化珪素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の高温炉内用ガス仕切弁。
  4. 前記耐熱セラミックスよりも熱膨張係数の大きな耐熱金属が、耐熱ステンレス鋼、チタン、耐熱チタン合金、耐熱コバルト合金、インコネル、ハステロイ、及び、その他の耐熱ニッケル合金から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3に記載の高温炉内用ガス仕切弁。

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