JP5343390B2 - マスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンデンサ等の積層電子部品の製造等に用いるマスクを精度よく製造することができるマスクの製造方法に関する。
従来、コンデンサ等の積層電子部品の製造等に用いられるマスクは、例えば、金属の枠にメッシュ状の支持体スクリーンを張り付け、該支持体スクリーンに印刷版(めっき膜)の周囲を接着し、該印刷版の接着部分内側の支持体スクリーン部分を切り取って製造されている。すなわち、めっき膜の成膜精度を充分に確保できなかったこともあり、以前から、印刷版が支持体スクリーンを介して枠と接合される、コンビネーションマスクとして製造されている。
上記マスクは、例えばセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷するためのマスクとして用いられる。印刷されたセラミックグリーンシートは所定の枚数が積み重ねられることになるが、印刷された電極パターンが歪んでいる等のために、積み重ねが正確に行なわれていない場合、積層電子部品の特性のばらつきが大きくなったり、甚だしい場合は不良品となったりすることがある。そのため、印刷に用いるマスクにおいて内部電極が正確な座標位置で精度よく印刷されている必要がある。
しかし、従来のコンビネーションマスクのように、支持体スクリーンを用いて製造されたマスクは、張力が負荷された支持体スクリーンにめっき膜を接合するため、支持体スクリーンの張力によりめっき膜に歪みが生じ、支持体スクリーンに接合されためっき膜の形状が変化するという問題が生じていた。変形が生じためっき膜上では、内部電極を印刷するために用いられるパターン用開口部を高い精度で形成することが困難であり、内部電極を高い精度で印刷することができない。
そこで、支持体スクリーンと印刷版(めっき膜)との接合を工夫することによって、めっき膜の形状変化を抑制する方法が多々開発されている。例えば特許文献1では、枠に、所定の張力を加えた状態でメッシュ状の支持体スクリーンを保持し、支持体スクリーンとの接合に供する接合部を周縁部分に有する印刷版(めっき膜)を、支持体スクリーンと接合部の一部で接合している。そして、接合部内側の支持体スクリーンを切除して、未接合である接合部を接合することによってコンビネーションマスクを製造している。これによって、印刷版に加える張力の大きさを適切に調整することができ、マスクの歪み量を低減することができる。
特開2003−326869号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているコンビネーションマスクのように接合方法を工夫した場合であっても、張力が負荷された支持体スクリーンにめっき膜を接合することには変わりなく、マスクの歪み量の低減効果は充分とは言えない。すなわち、支持体スクリーンを用いる限り、支持体スクリーンの張力による歪みが発生しないようにすることは不可能であるので、支持体スクリーンに接合されためっき膜の形状変化を回避することはできないからである。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、枠に支持体スクリーンを介することなく直接めっき膜を接合することにより、めっき膜の形状変化を抑制することができるマスクの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係るマスクの製造方法は、基板上にめっき膜を成膜し、該めっき膜上に剛体の枠を接合し、該枠が接合されためっき膜から、前記基板を剥離し、前記めっき膜の全体又は一部に、当該めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を形成し、前記めっき膜の一部に複数の前記開口部が形成されている場合、前記めっき膜の複数の前記開口部が形成されていない領域に、当該めっき膜の表裏を貫通しない複数の凹部を形成することを特徴とする。
また、第発明に係るマスクの製造方法は、第発明において、前記めっき膜の成膜前に、前記基板上に部分的に絶縁膜を形成し、前記めっき膜を成膜した後に、前記絶縁膜を除去し、該絶縁膜を除去した領域に前記めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を形成することを特徴とする。
また、第発明に係るマスクの製造方法は、第又は第発明において、複数の前記開口部は、前記めっき膜全面に互いに略均等な位置関係で配置されるように形成することを特徴とする。
また、第発明に係るマスクの製造方法は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、複数の前記開口部と、複数の前記凹部とが、それぞれ前記めっき膜全面に互いに略均等な位置関係で配置されるように形成することを特徴とする。
第1発明では、基板上に成膜しためっき膜に剛体の枠を接合した後、めっき膜から基板を剥離することによって、めっき膜を支持体スクリーンを介することなく剛体の枠に保持する。したがって、枠に支持体スクリーンを介することなく直接めっき膜を接合することができ、支持体スクリーンを介する場合のように、支持体スクリーンに生じた張力により、接合されためっき膜の形状が変化するということがなく、めっき膜の形状変化を抑制することができる。また、めっき膜が基板上に成膜され、めっき膜が引張応力を有する状態で剛体の枠に接合される。したがって、めっき膜は引張応力によってたるむことなく平面状に枠に固定され、基板剥離後も剛体の枠と接着されていることによってめっき膜がたるまない。したがって、めっき膜の形状変化を十分に抑制することが可能となる。このようにめっき膜の形状変化を十分に抑制することができることから、例えば積層電子部品の内部電極形成のためのパターン用開口部を高い精度で形成することができる。したがって印刷精度の高い内部電極パターンを得ることができ、延いては均一な形状の内部電極が正確に積層され、特性ばらつきの小さい積層電子部品を得ることが可能となる。
さらに、めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を、内部電極を印刷する際のパターン用として、形状変化が抑制されためっき膜に高い精度で形成することができる。このように高い精度で形成された複数の開口部を有するマスクは、複数の開口部が高い位置精度で形成された印刷版として用いることが可能となる。また、めっき膜は枠のみに接合され、複数の開口部はめっき膜の表裏を貫通しているので、めっき膜は表裏任意の面を上面として用いることができ、利便性が高くなる。
さらに、めっき膜の一部に複数のめっき膜の表裏を貫通する開口部が形成されている場合、複数の該開口部に加え、貫通しない複数の凹部を形成することによって、複数の開口部の有無によるめっき膜面における引張応力を有する領域と有さない領域との応力差を低減することができ、めっき膜に生じる歪みを抑制してめっき膜の形状変化をより効果的に抑制することが可能となる。
発明では、あらかじめ基板上に絶縁膜を形成してめっき膜を成膜した後に絶縁膜を除去することによって、めっき膜の形状変化をより効果的に抑制することができ、複数の開口部をより高い位置精度で形成することが可能となる。
発明では、複数の開口部がめっき膜全面に略均等に分布するよう形成されることにより、めっき膜面における引張応力分布を略均一にすることができ、めっき膜に生じる歪みを低減することにより形状変化をさらに抑制することが可能となる。
発明では、複数の開口部だけでなく複数の凹部も含めてめっき膜全面に略均等に分布するよう形成することにより、複数の開口部を設ける必要のないめっき膜部分との引張応力差を低減することができ、めっき膜に生じる歪みを低減することにより形状変化を抑制することが可能となる。
上記構成によれば、基板上に成膜しためっき膜に剛体の枠を接合した後、めっき膜から基板を剥離することによって、めっき膜を支持体スクリーンを介することなく剛体の枠に保持する。したがって、枠に支持体スクリーンを介することなく直接めっき膜を接合することができ、支持体スクリーンを介する場合のように、支持体スクリーンに生じた張力により、接合されためっき膜の形状が変化することがなく、めっき膜の形状変化を抑制することができる。また、めっき膜が基板上に成膜され、めっき膜が引張応力を有する状態で剛体の枠に接合される。したがって、めっき膜は引張応力によってたるむことなく平面状に枠に固定され、基板剥離後も剛体の枠と接着されていることによってめっき膜がたるまない。したがって、めっき膜の形状変化を十分に抑制することが可能となる。このようにめっき膜の形状変化を十分に抑制することができることから、例えば積層電子部品の内部電極形成のためのパターン用開口部を高い精度で形成することができる。したがって印刷精度の高い内部電極パターンを得ることができ、延いては均一な形状の内部電極が正確に積層され、特性ばらつきの小さい積層電子部品を得ることが可能となる。
さらに、めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を、内部電極を印刷する際のパターン用として、形状変化が抑制されためっき膜に高い精度で形成することができる。このように高い精度で形成された複数の開口部を有するマスクは、複数の開口部が高い位置精度で形成された印刷版として用いることが可能となる。また、めっき膜は枠のみに接合され、複数の開口部はめっき膜の表裏を貫通しているので、めっき膜は表裏任意の面を上面として用いることができ、利便性が高くなる。
さらに、めっき膜の一部に複数のめっき膜の表裏を貫通する開口部が形成されている場合、複数の該開口部に加え、貫通しない複数の凹部を形成することによって、複数の開口部の有無によるめっき膜面における引張応力を有する領域と有さない領域との応力差を低減することができ、めっき膜に生じる歪みを抑制してめっき膜の形状変化をより効果的に抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係るマスクの製造方法について、積層電子部品に用いる印刷版として機能するマスクの製造方法を一例とし、図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を示す平面図である。図3は、図2におけるII−II’断面図である。図1から図3に示すように、本実施の形態1におけるマスク10は、印刷枠である枠1と、枠1と周縁部分が接合部2で接合されためっき膜3とで構成される。
枠1は、接合されためっき膜3の形状が変化しないよう、SUS(ステンレス鋼)等の変形し難い硬質材(剛体)で構成される。めっき膜3は、ニッケル(Ni)等のめっき材料が成膜されたものである。接合部2では、枠1とめっき膜3とが接着剤にて接合されている。
図4は、本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法としてマスクの各製造工程の状態を示す斜視図である。図4(a)は、めっき膜成膜後、図4(b)は枠接合状態、図4(c)は基板剥離前、図4(d)は基板剥離後の各製造工程の状態を示している。本実施の形態1では、マスク10の一辺が約300mmである場合を例に挙げて説明する。
まず、図4(a)に示すように、SUS等の導電性基板である基板4上の全面に、例えばスルファミン酸浴やワット浴等のめっき浴を用いた電気めっきによって、厚さ10μmのめっき膜3を成膜する。めっき膜3の膜厚は、印刷精度向上のためには厚い方がめっき膜3が歪みにくくなり好ましいが、膜厚は所望の印刷厚みに対して設計する必要がある。一方、膜厚が薄すぎる場合には剛体の枠1を貼り付けるとき、又は印刷枠として使用中にめっき膜が破損しやすく、また印刷を繰り返すことによるめっき膜3の歪みが発生しやすい。よって、数μm〜数十μm程度で成膜することが好ましく、10μm程度で成膜することがより好ましい。
また、めっき膜成膜時において、電流密度とめっき浴への添加剤含有量を調整してめっき成長の度合を変化させて、めっき膜3の引張応力を調整する。引張応力が強すぎると基板4が反り返り、接着不良の発生が懸念される。なお、引張応力とは、めっき膜3が中央部分に向かって収縮しようとする応力を意味する。
具体的な成膜方法としては、400mm×400mm、厚さ0.3〜0.5mmの基板4をスルファミン酸浴中に浸漬し、電流密度800〜2000A/m2 で所定の引張応力となるように、所定の厚みでNiのめっき膜3を基板4上に成長させる。めっき膜3が成膜された基板4は、325mm×325mmに切断される。
なお、引張応力を調整するために設定する電流量は、事前のテストによって決定しておく。例えば、あらかじめ設定された複数の通電条件で、基板4上にめっき膜3を成膜して基板4を剥離し、めっき膜3を枠1に貼り付けた応力チェック用の複数のテストピースを作成する。複数のテストピースのめっき膜3を押圧した場合の撓み量をそれぞれ測定し、所定の撓み量となる電流量を確認する。
次に図4(b)に示すように、基板4上に成膜されためっき膜3上に、例えばアクリル系接着剤を用いて枠1を貼り付ける。枠1は、10〜20mm程度の厚みで設定することができる。枠1は、めっき膜3上の周縁において、その厚みの半分程度(5〜10mm程度)の接合部2(図2参照)で接着される。
例えば枠1は、アルミニウム(Al)からなる外枠とSUSからなる内枠とで構成され、内枠の開口は290mm×290mm、厚みは0.4mmである。内枠の外回りは390mm×390mm、外枠の外回りは410mm×410mm、トータルの厚みは23mmである。よって、めっき膜3は5mm幅の接合部2により内枠に貼り付けることになる。このとき、基板4上のめっき膜3は、中央部分に向かって収縮しようとする引張応力を有する状態である。
図4(c)は、図4(b)の状態から枠1を基板4上のめっき膜3に接合し、180°回転して紙面上下方向に反転した状態である。図4(c)において、接着剤が乾燥した後、基板4を、枠1が接合されためっき膜3から剥離する。基板4を剥離した後、図4(d)(図1と同様)に示すように、支持体スクリーンを介することなく枠1にめっき膜3が直接接合されたマスク10となる。
基板4を剥離した後、めっき膜3の周縁部分は完全に剛体の枠1と接合されているため、めっき膜3上における周囲の形状が変化することはなく、剥離前と同様に引張応力により張った状態が保持されている。すなわち、基板4を剥離した後のめっき膜3における残留応力が引張応力となるため、剛体の枠1内のめっき膜3にたるみ等の変形が生じない。
以上のように、本実施の形態1によれば、基板4上に成膜しためっき膜3に剛体の枠1を接合した後、めっき膜3から基板4を剥離することによって、めっき膜3を支持体スクリーンを介することなく剛体の枠1に保持する。したがって、枠1に支持体スクリーンを介することなく直接めっき膜3を接合することができ、支持体スクリーンを介する場合のように、支持体スクリーンに生じた張力の歪みにより、接合されためっき膜3の形状が変化するということがなく、めっき膜3の形状変化を抑制することができる。また、めっき膜3が基板4上に成膜され、めっき膜3が引張応力を有する状態で剛体の枠1に接合される。したがって、めっき膜3は引張応力によってたるむことなく平面状に枠1に固定され、基板4を剥離した後も剛体の枠1と接着されていることによってめっき膜3がたるむことがない。したがって、めっき膜3の形状変化を十分に抑制することができる。このようにめっき膜3の形状変化を十分に抑制することができることから、例えば積層電子部品の内部電極形成のためのパターン用開口部を高い精度で形成することができる。したがって印刷精度の高い内部電極パターンを得ることができ、延いては均一な形状の内部電極が正確に積層され、特性ばらつきの小さい積層電子部品を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。図5に示すように、本実施の形態2におけるマスク20は、剛体の枠1と、枠1と周縁部分が接合部で接合されためっき膜3とで構成され、めっき膜3には内部電極形成のためのパターン用の複数の開口部6、6、・・・が設けられている。すなわち、マスク20は、実施の形態1におけるマスク10に複数の開口部6、6、・・・を設けたものである。本実施の形態2において実施の形態1と同じ構成については同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係るマスクの製造方法の一部の製造工程の状態を示す斜視図である。図6(a)は絶縁膜形成後、図6(b)はめっき膜形成後、図6(c)は絶縁膜除去後の各製造工程の状態を示している。
まず、図6(a)に示すように、400mm×400mm、厚さ0.3〜0.5mmである基板4上において、内部電極形成のためのパターン用の複数の開口部6、6、・・・を形成する位置に、絶縁膜5を塗布する。複数の開口部6、6、・・・が形成される領域、すなわち絶縁膜5を塗布する領域は、製造する電子部品の電極パターンによって種々変更されるが、本実施の形態2では基板4の中央部分の225mm×225mmの領域とする。
次に図6(b)に示すように、絶縁膜5が形成された基板4上に、実施の形態1と同様にして、ワット浴によって厚さ10μmのめっき膜を成膜する。めっき膜3は、絶縁膜5が形成されていない基板4上に形成される。
そして図6(c)に示すように、基板4上に形成された絶縁膜5をエッチング等によって除去し、複数の開口部6、6、・・・を形成する。
その後、実施の形態1と同様に、図4(b)に示すように、基板4上に成膜されて開口部6、6、・・・を有するめっき膜3上に、接着剤を用いて枠1を貼り付ける。このとき、基板4上のめっき膜3は、実施の形態1と同様、中央部分に向かって収縮しようとする引張応力を有する状態で、周縁部分が枠1と接合されている。ただし、本実施の形態2におけるめっき膜3の中央部分には開口部6、6、・・・が設けられているため、めっき膜3の面において中央部分と周辺部分とに応力の差が生じている。
さらに、実施の形態1と同様にして、図4(c)において、基板4を枠1が接合されためっき膜3から剥離する。基板4を剥離した後、図5に示すように、支持体スクリーンを介することなく枠1に複数の開口部6、6、・・・を有するめっき膜3が直接接合されたマスク20を形成する。複数の開口部6、6、・・・は、めっき膜3の表裏を貫通している。
基板4を剥離した後、めっき膜3の面には複数の開口部6、6、・・・による応力差は生じているが、実施の形態1と同様、めっき膜3は、周縁部分が完全に剛体の枠1と接合されているために、剥離前と同様に引張応力により張った状態を保持しており、めっき膜3上における周囲の形状が変化することがない。すなわち実施の形態1と同様、基板4を剥離した後のめっき膜3における残留応力が引張応力となり、剛体の枠1内のめっき膜3にたるみ等の変形が生じない。
以上のように、本実施の形態2によれば、めっき膜3の表裏を貫通する複数の開口部6、6、・・・は、内部電極を印刷する場合のパターンとして用いるめっき膜3に高い位置精度で形成することができる。また、複数の開口部6、6、・・・を有するマスクは、膜厚が数μm〜数十μmの極めて薄いめっき膜であっても、開口部6、6、・・・を高い精度で設けてある印刷版として用いることが可能となる。例えば発明者らによる実施例では、膜厚5μm〜67μmの範囲で、基板4の中央部分の225mm×225mmの領域において座標精度5μm以下で開口部を設けることができることを検証している。
さらに、めっき膜3は枠1のみに接合され、複数の開口部6、6、・・・がその表裏を貫通していることから、めっき膜3は表裏任意の面を上面に保持して用いることができ、利便性が高くなる。また、あらかじめ基板4上に絶縁膜5を形成してめっき膜3を成膜した後に絶縁膜5を除去することにより、確実に貫通した複数の開口部6、6、・・・を高い位置精度で形成することが可能となる。したがって、めっき膜3の形状変化を抑制することができるとともに、開口部6、6、・・・を高い位置精度で形成することが可能となる。
なお、本実施の形態2では、めっき膜3の表裏を貫通する複数の開口部6、6、・・・は、基板4上に絶縁膜5を塗布することによって形成しているが、形成方法は特に限定されるものではなく、基板4上へのめっき膜3の成膜後に打ち抜いて設けるようにしても、絶縁膜5を形成することによる効果以外は、同様の効果を奏することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。図8は、開口部及び凹部を模式的に示す斜視図である。
図7に示すように、本実施の形態3におけるマスク30は、剛体の枠1と、枠1と周縁部分が接合部で接合されためっき膜3とで構成され、めっき膜3にはその表裏を貫通する複数の開口部6、6、・・・と貫通しない複数の凹部7、7、・・・が設けられている。すなわち、マスク30は、実施の形態2のマスク20に複数の凹部7、7、・・・を設けたものである。本実施の形態3において実施の形態1及び2と同じ構成については同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の実施の形態3に係るマスクの製造方法の製造工程途中の状態を示す斜視図である。
まず、実施の形態1と同様にして、図4(a)に示すように、基板4上全面にめっき膜3を成膜する。
次に図9に示すように、基板4上に成膜されためっき膜3に、複数の開口部6、6、・・・及び複数の凹部7、7、・・・を、めっき膜3上で略均等な位置関係になるよう形成する。具体的には、めっき膜3の中央部分には内部電極形成のためのパターン用として複数の開口部6、6、・・・を、めっき膜3を貫通して基板4に到達するように打ち抜いて形成する。内部電極形成のためのパターンが不要なめっき膜3の周辺部分には、複数の凹部7、7、・・・をめっき膜3の表裏を貫通しないように形成する。
その後、実施の形態1及び2と同様にして、図4(b)に示すように、基板4上に成膜され、複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7、・・・を有するめっき膜3上に、接着剤を用いて枠1を貼り付ける。
このとき、基板4上のめっき膜3は、実施の形態1及び2と同様、中央部分に向かって収縮しようとする引張応力を有する状態で、周縁部分が枠1と接合されている。ここで、実施の形態2においては、めっき膜3の中央部分のみに複数の開口部6、6、・・・が設けられているため、めっき膜3の面において中央部分と周辺部分とに応力の差が生じている。本実施の形態3では、中央部分の複数の開口部6、6、・・・だけでなく、周辺部分に複数の凹部7、7、・・・を設けることにより、めっき膜3の面における中央部分と周辺部分の応力差を小さくすることができる。
さらに、実施の形態1及び2と同様にして、図4(c)において、基板4を枠1が接合されためっき膜3から剥離する。基板4を剥離した後、図7に示すように、支持体スクリーンを介することなく枠1に複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7、・・・を有するめっき膜3が直接接合され、マスク30を形成する。
基板4を剥離した後、めっき膜3の面における引張応力差を抑制しつつ、実施の形態1及び2と同様、めっき膜3は、その周縁部分が完全に剛体の枠1と接合されているために、めっき膜3上における周囲の形状が変化することなく、剥離前と同様に張った状態を保持している。また、実施の形態1及び2と同様、基板4を剥離した後のめっき膜3における残留応力が、引張応力となるため、剛体の枠1内のめっき膜3にたるみ等の変形が生じない。
本実施の形態3では、内部電極形成のためのパターンが不要なめっき膜3の周辺部分には、複数の凹部7、7、・・・が設けてあり、めっき膜3を貫通しないようにすることによって、めっき膜3の強度を確保することができる。一方、周辺部分にも、中央部分と同様に複数の開口部6、6、・・・を設けるようにすることで、めっき膜3の面における応力が略均一に分布するようにすることができる。
また、複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7、・・・を、めっき膜3の全面に略均等な位置関係になるように配置しない場合であっても、めっき膜3の全面に適当に分散して配置することによって、めっき膜3の面における部分間の応力差を小さくすることが可能となる。よって、めっき膜3の面における応力差によって生じるめっき膜3の歪みを抑制することができ、ひいてはめっき膜3の形状変化をより抑制することが可能となる。
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態1又は2と同様、めっき膜3の表裏を貫通する複数の開口部6、6、・・・だけでなく、貫通しない複数の凹部7、7、・・・を形成することによって、開口部6、6、・・・の有無によるめっき膜3の面における応力差を低減することができ、めっき膜3の歪みを抑制して形状変化をより抑制することが可能となる。
また、複数の開口部6、6、・・・をめっき膜3全面に略均等な位置関係になるように形成することによって、めっき膜3の面における応力の分布を略均一にすることができ、めっき膜3の歪みを無くすようにしてめっき膜3の形状変化をさらに抑制することが可能となる。
さらに、複数の開口部6、6、・・・だけでなく複数の凹部7、7、・・・を含めてめっき膜全面に略均等な位置関係となるように形成する場合には、開口部6、6、・・・を設ける必要のないめっき膜3部分にまで開口部6、6・・・を形成することなく、めっき膜3の面における応力分布が略均一となるようにすることができ、めっき膜3の歪みを抑制して形状変化を抑制することが可能となる。
なお、複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7、・・・は、枠1を貼り付けた後でめっき膜3に形成することもでき、また実施の形態2と同様、絶縁膜5の塗布によって形成することもでき、いずれの場合も同様の効果を奏することができる。
絶縁膜5の塗布によって複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7・・・を形成する方法としては、基板4上の、複数の開口部6、6、・・・及び凹部7、7、・・・を形成する位置に、絶縁膜5を塗布する。その後、めっき膜3を薄く成膜する。そして、凹部7、7、・・・の絶縁膜5のみを除去し、引き続いてめっき膜3を成膜する。このようにすることで、複数の開口部6、6、・・・にはめっき膜3が成膜されず、複数の凹部7、7、・・・は絶縁膜5の除去によって基板4が露出することになり、新たにめっき成長してめっき膜3を貫通しない凹部7、7、・・・を形成することができる。
本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を示す平面図である。 図2におけるII−II’断面図である。 本発明の実施の形態1に係るマスクの製造方法としてマスクの各製造工程の状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るマスクの製造方法の一部の製造工程の状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るマスクの製造方法により製造されるマスクの構成を模式的に示す斜視図である。 複数の開口部及び複数の凹部を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るマスクの製造方法の製造工程途中の状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 枠
2 接合部
3 めっき膜
4 基板
5 絶縁膜
6 開口部
7 凹部
10、20、30 マスク

Claims (4)

  1. 基板上にめっき膜を成膜し、
    該めっき膜上に剛体の枠を接合し、
    該枠が接合されためっき膜から、前記基板を剥離し、
    前記めっき膜の全体又は一部に、当該めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を形成し、
    前記めっき膜の一部に複数の前記開口部が形成されている場合、前記めっき膜の複数の前記開口部が形成されていない領域に、当該めっき膜の表裏を貫通しない複数の凹部を形成することを特徴とするマスクの製造方法。
  2. 前記めっき膜の成膜前に、前記基板上に部分的に絶縁膜を形成し、
    前記めっき膜を成膜した後に、前記絶縁膜を除去し、該絶縁膜を除去した領域に前記めっき膜の表裏を貫通する複数の開口部を形成することを特徴とする請求項1記載のマスクの製造方法。
  3. 数の前記開口部は、前記めっき膜全面に互いに略均等な位置関係で配置されるように形成することを特徴とする請求項1又は記載のマスクの製造方法。
  4. 数の前記開口部と、複数の前記凹部とが、それぞれ前記めっき膜全面に互いに略均等な位置関係で配置されるように形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスクの製造方法。
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