JP5343280B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱安定性に優れると共に、高温での使用に適した潤滑油組成物に関する。
一般に、ポリオールエステルを基油とする潤滑油は、固化時間(流動性を失う時間)が比較的長く、蒸発損失も低いため、熱安定性に優れている。従って、この種の潤滑油は、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機の開放系チェーンにおいて、200℃前後の高温で使用される潤滑油として知られている。
しかし、近年では使用条件の過酷化が更に進み、ポリオールエステルを基油とする潤滑油でも、高温での劣化による酸価の上昇、タール分(スラッジ、ワニス、コーク)の生成など、耐熱性の面で問題が生じるようになってきた。例えば、チェーン用潤滑剤は230〜250℃の高温条件で使用されるが、このような高温条件下では、ポリオールエステル系の潤滑油であっても酸価劣化によるタール分の生成が起こったり、臭気が発生したりする。また、油の蒸発損失により油切れが起こり易いため、給油頻度が多くなり、コスト面への影響が大きくなる。更に潤滑性の面からも、油切れによりチェーンのきしみ音が生じると共に摩耗が進行し、装置寿命への影響が現れるやすい。
このため、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機等の高温の開放系チェーンで用いた場合でも、高温安定性及び潤滑性を損なわない潤滑油が検討されている。例えば、ポリオールエステルを基油とする潤滑油に関して特開2005−314650号公報(特許文献1)には、ポリオールエステル系合成油と、脂肪酸及び/又はアリールアルキル基を有するジフェニルアミン誘導体とを含有する潤滑油組成物が記載されている。
一方、潤滑油の熱安定性向上の目的で種々の酸化防止剤の添加についても検討され、例えば、特開2000−129279号公報(特許文献2)には、基油である芳香族カルボン酸エステルにアミン系酸化防止剤と固体潤滑剤を添加することにより、熱安定性を高めた潤滑油組成物が記載されている。
また、特開平10−81890号公報(特許文献3)には、ジペンタエリスリトールエステルを主成分とする基油に、酸化防止剤として、ジフェニルアミン類を0.1〜7質量%、フェニル−α−ナフチルアミン類を0.1〜3質量%、中性金属スルホネートを0.1〜7質量%、リン系酸化防止剤を0.1〜5質量%配合し、更に粘度指数向上剤としてポリメタクリレートを2〜8質量%配合した、耐酸化性及び耐摩耗性に優れている潤滑油組成物が提案されている。
しかしながら、上記した従来の潤滑油は、いずれも、高温下での蒸発損失が大きく、短時間で急速に蒸発して固化状態に至るという問題が十分に解決されたとは言えず、未だ耐酸化性に劣り、加えて耐摩耗性にも欠けるため、依然として実用化できるまでには達していない。
特開2005−314650号公報 特開2000−129279号公報 特開平10−81890号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、各種機械装置のチェーン部の実機環境下において、高温下での蒸発損失が小さく、固化時間が十分に長くなると共に、スラッジ化し難く、熱安定性の高い潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する高温用潤滑油組成物は、ポリオールエステルと芳香族系エステルを基油とし、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤を含有することを特徴とし、耐蒸発性並びに低残渣(スラッジ)性を改善向上させたものである。
上記本発明の高温用潤滑油組成物においては、前記ポリオールエステルの含有量が69〜85質量%、芳香族系エステルの含有量が5〜20質量%、アミン系酸化防止剤の含有量が0.1〜10質量%、フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%、チオエーテル系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%であることが好ましい。
本発明によれば、高温下での蒸発損失が小さく、従って固化時間が十分に長いうえ、実機環境下でスラッジ化し難く、熱安定性の高い潤滑油組成物を提供することができる。従って、本発明の潤滑油組成物は、例えば連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターセンター、各種乾燥機等のチェーン部で用いられ、特に開放系で150〜250℃の高温で使用される潤滑油として好適である。
本発明の潤滑油組成物は、ポリオールエステルと芳香族系エステルとからなる基油成分と、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤からなる3種の酸化防止剤とを含んでいる。また、本発明の潤滑油組成物は、必要に応じて、潤滑油分野で一般的に使用される各種の添加剤、例えば、腐食防止剤、防錆剤、耐摩擦摩耗添加剤、極圧添加剤、油性剤、固体潤滑剤等を添加配合することができる。
本発明の潤滑油組成物で用いられる基油としては、固化し難く、蒸発損失が小さく、高温安定性に優れることから、ポリオールエステルと芳香族系エステルを用いる。芳香族系エステルをポリオールエステルと組み合わせて使用することによって、蒸発損失を改善することができる。潤滑油組成物の全量に対し、ポリオールエステルの含有量は69〜85質量%の範囲が好ましく、芳香族系エステルの含有量は5〜20質量%の範囲が好ましい。
上記基油のポリオールエステルとしては、従来から高温用潤滑油の基油として用いられてきたものを用いることができる。特に、ポリオールエステルのアルコール成分がジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンまたはネオペンチルグリコールであるものが好適に用いられる。
ポリオールエステルの酸成分は、特に限定されないが、潤滑油の粘度が所望の範囲になるように適宜選択できる。酸成分としては、炭素数7〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪酸などが使用でき、分岐鎖状の脂肪酸がより好適に用いられる。具体的には、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−エチル−2−メチルブタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、2−プロピルペンタン酸、2,2−ジメチルへキサン酸、2−エチル−2−メチルヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸等を挙げることができる。特に、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が耐熱性に優れているため好ましい。
上記基油の芳香族系エステルについては、その芳香族カルボン酸成分として、フタル酸、4−t−ブチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、4,4’−チオビス安息香酸などの芳香族カルボン酸、又はその無水物及びその芳香族カルボン酸とメタノール、エタノール等の炭素数1〜4の低級アルコールエステルが例示される。これらの芳香族カルボン酸成分の中では、特に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びピロメリット酸が推奨される。また、チェーン用潤滑油として非常に厳しい高温条件で使用される場合には、高粘度で蒸発損失の少ないエステルを提供するトリメリット酸、トリメシン酸、またはピロメリット酸を用いることが望ましい。
芳香族系エステルを構成するアルコール成分としては、炭素数4〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を有する脂肪族一価アルコールが好ましい。具体的には、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノール、n−ウンデカノール、イソウンデカノール、n−ドデカノール、イソドデカノール、n−トリデカノール、イソトリデカノール、n−テトラデカノール、イソテトラデカノール、n−ペンタデカノール、イソペンタデカノール,n−デキサデカノール、イソヘキサデカノール、n−オクタデカノール、イソオクタデカノール等が例示させる。また、これらのアルコールの代わりに、その酢酸エステル等の低級アルキルエステルを用いることも可能である。これらの一価アルコールの中では、特に2−エチルヘキサノール及び3,5,5−トリメチルヘキサノールを用いることが望ましい。
本発明の潤滑油組成物で用いる好ましい芳香族エステルとしては、フタル酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、イソフタル酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、トリメリット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、トリメシン酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、ピロメリット酸テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、イソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメシン酸トリ(2−エチルヘキシル)、ピロメリット酸テトラ(2−エチルヘキシル)があり、この中でも特にトリメリット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)及びトリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)が推奨される。
上記した基油の潤滑油組成物中における含有量は、潤滑油組成物の全量に対して、ポリオールエステルは69〜85質量%が好ましく、芳香族系エステルは5〜20質量%が好ましい。ポリオールエステルの含有量が69質量%より少ないとスラッジ量が増加し、85質量%より多くなると芳香族系エステルを十分に組み合わせることができなくなる。また、芳香族系エステルの含有量が5質量%よりも少ない場合、望ましい初期耐蒸発性が得られなくなるため好ましくない。また、芳香族系エステルの含有量が20質量%よりも多くなると、スラッジ量が多くなるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物に用いるアミン系酸化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニル−α−ナフチルアミン類及びフェニレンジアミン類が挙げられる。ジェフェニルアミン類の具体例としては、ジフェニルアミン、p,p’−ジブチルジフェニルアミン、p,p’−ジペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジヘキシルジフェニルアミン、p,p’−ジヘプシルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミンのほか、炭素数4〜9の混合アルキルジフェニルアミン等も挙げられる。フェニル−α−ナフチルアミン類の具体的としては、N−フェニル−α−ナフチルアミン、N−ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、N−ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、N−ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、N−オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、N−ノニルフェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。また、フェニレンジアミン類の具体的としては、p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
上記したアミン系酸化防止剤の中では、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン及びN−オクチルフェニル−α−ナフチルアミンが特に好ましい。また、上記アミン系酸化防止剤の含有量は、潤滑油組成物の全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、4〜8質量%が更に好ましい。アミン系酸化防止剤の含有量が0.1質量%よりも少なくなると固化時間が短くなり、10質量%よりも多くなると固化時間は変わらないが、スラッジ量が多くなるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物に用いるフェノール系酸化防止剤としては、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシシル、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤の中では、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニルが特に好ましい。また、上記フェノール系酸化防止剤の含有量は、潤滑油組成物の全量に対し、0.1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%が更に好ましい。フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1%質量%よりも少なくなると固化時間が短くなり、5質量%よりも多くなると固化時間は変わらないが、スラッジ量が多くなるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物に用いるチオエーテル系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリエウチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’−チオジプロピオネート、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィドが挙げられる。
上記チオエーテル系酸化防止剤の中では、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィドが好適であり、そのアルキル基はC12又はC14が好ましい。また、チオエーテル系酸化防止剤の含有量は、潤滑油組成物の全量に対し、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%が更に好ましい。チオエーテル系酸化防止剤の含有量が0.1質量%よりも少なくなると固化時間が短くなり、5質量%よりも多くなると固化時間は変わらないが、スラッジ量が多くなるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物の調整方法については、特に限定されないが、基油であるポリオールエステル及び芳香族系エステルと、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤の各成分を、通常の撹拌機を用いて混合すればよい。その際、必要に応じて、潤滑油分野で一般的に使用される各種の添加剤を配合することもできる。
以下の実施例において、下記A〜Iの化合物を用いて潤滑剤組成物を製造した。尚、Aは基油成分のポリオールエステル、BとCは基油成分の芳香族系エステル、DとEはアミン系酸化防止剤、FとGはフェノール系酸化防止剤、Hはチオエーテル系酸化防止剤、及びIは添加剤の1種で極圧剤である。
A:ジペンタエリスリトールイソノナン酸エステル
B:トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)エステル
C:トリメリット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)エステル
D:p,p’−ジオクチルジフェニルアミン
E:N−オクチルフェニル−α−ナフチルアミン
F:(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル
G:(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル
H:ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド
I:リン系添加剤
[実施例1]
下記表1に示すように上記化合物のうちA、B、C、D、F、H、Iを配合し、混合して試料1〜5の潤滑油組成物を製造した。試料1〜3は基油成分のAとB又はCの配合を変えた潤滑油組成物である。試料4〜6は比較例であり、試料4は3種の酸化防止剤のうちチオエーテル系酸化防止剤Hのみを含まない潤滑油組成物である。試料5は従来のポリオールエステルを基油とする潤滑油組成物の一例であり、試料6は市販されている従来の一般的な潤滑油(株式会社松村石油研究所製、商品名モレスコハイルーブL−150)である。
Figure 0005343280
上記試料1〜6の潤滑油組成物について、アルミ皿蒸発試験により固化時間とスラッジ量を測定した。即ち、直径6cm×厚み1cmのアルミニウム製金属板の中央部を凹状に切削して作製した皿に、各試料をそれぞれ約0.2g採取し、250℃のパネルヒーター上で8時間毎に加熱することにより、各試料が加熱減量して流動しなくなるまでの時間(固化時間)と、固化して残ったスラッジ量(試料全量に対する質量%)を求めた。得られた結果を下記表2に示した。
Figure 0005343280
従来の一般的な潤滑油である比較例の試料6の固化時間が8時間及びスラッジ量が40.6質量%であるのに対し、本発明の試料1〜3の各潤滑油組成物は固化時間が56〜64時間と遥かに長く、且つスラッジ量も4.5〜11.5質量%と極めて少ないことが分る。尚、比較例の試料4及び5は、本発明の試料1〜3と比較すると、いずれもスラッジ量は少ないが固化時間が極端に短くなっている。
[実施例2]
下記表3に示すように上記化合物のうちA、B、D〜Iを配合し、混合して試料7〜19の潤滑油組成物を製造した。試料7〜12はアミン系酸化防止剤DとEの配合を変えた例、試料13〜16はフェノール系酸化防止剤FとGの配合を変えた例、及び試料17〜19はチオエーテル系酸化防止剤Hの配合を変えた例である。
Figure 0005343280
上記試料7〜19の潤滑油組成物について、上記実施例1と同様にアルミ皿蒸発試験により固化時間とスラッジ量を測定し、得られた結果を下記表4に示した。また、試料7〜9の経過時間毎の蒸発残量を、上記実施例1における比較例の試料6と共に、図1に示した。
Figure 0005343280
本発明の試料7〜19の各潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤又はチオエーテル系酸化防止剤の含有量が本発明の範囲、即ちそれぞれ0.1〜10質量%、0.1〜5.0質量%、0.1〜5質量%の範囲で変化しているが、スラッジ量は10質量%以下及び固化時間は48時間以上であり、耐熱性に優れていることが分る。
また、図1から分るように、本発明の試料7の潤滑油組成物は48時間、試料8と9の潤滑油組成物は64時間まで固化せずに流動性を保持しており、従来例の試料6と比較して遥かに耐熱性に優れていることが分る。
本発明の潤滑油組成物である試料7〜9と従来例の試料6における経過時間毎の蒸発残量を示すグラフである。

Claims (4)

  1. ポリオールエステルと芳香族系エステルを基油とし、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤を含有し、チェーン部で使用する高温用の潤滑油組成物であって、アミン系酸化防止剤がp,p’−ジオクチルジフェニルアミンまたはN−オクチルフェニル−α−ナフチルアミンであり、フェノール系酸化防止剤が(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチルまたは(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニルであり、チオエーテル系酸化防止剤がビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィドあって、アミン系酸化防止剤の含有量が0.1〜10質量%、フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%、チオエーテル系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 前記ポリオールエステルの含有量が69〜85質量%、芳香族系エステルの含有量が5〜20質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記ポリオールエステルの酸成分が、3,5,5−トリメチルヘキサン酸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記芳香族系エステルのアルコール成分が、2−エチルヘキサノールまたは3,5,5−トリメチルヘキサノールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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