JPH1081890A - 耐熱性潤滑油組成物 - Google Patents

耐熱性潤滑油組成物

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JPH1081890A
JPH1081890A JP8253740A JP25374096A JPH1081890A JP H1081890 A JPH1081890 A JP H1081890A JP 8253740 A JP8253740 A JP 8253740A JP 25374096 A JP25374096 A JP 25374096A JP H1081890 A JPH1081890 A JP H1081890A
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JP
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weight
group
oil
lubricating oil
base oil
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JP8253740A
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Inventor
Hiroshi Nakanishi
博 中西
Yasushi Onodera
康 小野寺
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温および高速条件下で運転される各種
機械装置の特にチェーン用潤滑油として耐酸化性と耐摩
耗性の両性能に優れた耐熱性潤滑油を提供すること。 【解決手段】 ジペンタエリスリトールエステルを主成
分とする潤滑油基油に、潤滑油組成物全重量基準で、
(a)ジフェニルアミン類 0.1重量%〜7重量%、
(b)フェニル−α−ナフチルアミン類 0.1重量%
〜3重量%、および(c)中性金属スルホネート 0.
1重量%〜7重量%を配合し、さらに(d)リン系酸化
防止剤 0.1重量%〜5重量%所望により(e)ポリ
メタクリレート 2重量%〜8重量%配合してなる耐熱
性潤滑油組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性潤滑油組成
物に関するものであり、さらに詳しくは、各種機械装置
のチェーン用潤滑油として好適な耐酸化性と耐摩耗性の
両性能に優れたジペンタエリスリトールエステル系耐熱
性潤滑油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種機械装置に用いられる潤滑油には、
その品質を補充し、さらに改善するため種々の添加剤が
配合される。特に、高温、高速条件下において、かつ荷
重状態で運転される装置の潤滑部分に使用する潤滑油と
しては、高温における耐酸化性に加えて耐摩耗性を具備
することが要求される。例えば、高温下の各種機械装置
のチェーン部に塗布または滴下給油等により供給し使用
するチェーン用潤滑油としては特定の粘度を有すると共
に特に耐酸化性と耐摩耗性に優れたものが要求されてい
る。
【0003】従って、このような要求を満たすため種々
の酸化防止剤が検討され、例えば、トリスノニルフェニ
ルホスファイト(TNP)とアルキル化ジフェニルアミ
ンとを特定の比率で混合したネオペンチルポリオールエ
ステル系潤滑油用酸化防止剤が提案されている(特公平
5−3798号公報参照。)。この公報によると、ネオ
ペンチルポリオールエステルとして、ネオペンチルグリ
コール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリ
トールと炭素数7〜20の脂肪酸とのエステル、具体的
には、ネオペンチルグリコールイソデカン酸エステル、
トリメチロールプロパンオレイン酸エステルおよびペン
タエリスリートールイソステアリン酸エステルが用いら
れ、これらの基油に酸化防止剤としてトリスノニルフェ
ニルホスファイト(I)とアルキル化ジフェニルアミン
(II)を(I):(II)=1:1−20の割合で混
合して添加すると耐酸化性が向上すると記載されてい
る。
【0004】しかしながら、ネオペンチルポリオールエ
ステルに上記のトリスノニルフェニルホスファイトとア
ルキル化ジフェニルアミンを添加した潤滑油であって
も、尚、高温下での蒸発損失が大きく、短時間で急速に
蒸発し固化状態に至るという問題が提起されるなど未だ
耐酸化性に劣り、加えて耐摩耗性にも欠けるので、依然
として実用化できるまでには達していない。
【0005】上記のような背景から高温かつ荷重状態で
の各種機械装置のチェーン部で安定して使用される耐熱
性潤滑油の開発が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、高
温条件かつ荷重状態での使用に耐え得る耐酸化性および
耐摩耗性の両性能を兼ね備えた耐熱性潤滑油組成物を提
供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来の耐熱性潤滑油の開発状況に鑑み、上記の課題を解
決すべく、鋭意検討した結果、ジペンタエリスリトール
エステル系基油に特定のアミン系酸化防止剤および中性
の金属スルホネート等を配合し、さらに、リン系酸化防
止剤を配合することにより前記課題を達成できることを
見い出し、これらの知見に基いて本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明は、ジペンタエリスリト
ールエステル系基油を主成分とする潤滑油基油に、潤滑
油組成物全重量基準で、(a)次の一般式[I]:
【0009】
【化3】 (上記一般式[I]において、R1 〜R4 は、各々水素
原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに
同一であっても異なっていてもよい。)で表されるジフ
ェニルアミン類 0.1重量%〜7重量%および/また
は(b)次の一般式[II]:
【0010】
【化4】 (上記一般式[II]において、R5 〜R8 は、各々水
素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、互い
に同一であっても異なっていてもよい。)で表されるフ
ェニル−α−ナフチルアミン類 0.1重量%〜3重量
%ならびに(c)中性金属スルホネート、フェネートお
よびサリシレートからなる群より選択される少なくとも
一種の化合物0.1重量%〜7重量%を配合させたこと
を特徴とする耐熱性潤滑油組成物を提供するものであ
る。さらに、本発明の好ましい実施の態様として、ジペ
ンタエリスリトールと3,5,5−トリメチルヘキサン
酸とのエステルおよび/またはジペンタエリスリトール
と直鎖状および分岐状の混合ヘプタン酸とのエステルの
混合油に、潤滑油組成物全重量基準で、(a)ジアルキ
ルジフェニルアミン 0.1重量%〜7重量%、(b)
アルキルフェニル−α−ナフチルアミン 0.1重量%
〜3重量%および(c)中性カルシウムスルホネート
0.1重量%〜7重量%さらに(d)リン系酸化防止剤
0.1重量%〜5重量%さらに、好ましくは、(e)
粘度指数向上剤 2重量%〜8重量%を配合させてなる
耐熱性潤滑油組成物を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明に用いるジペンタエリスリトールエ
ステル系基油は、ネオペンチル基を有するジペンタエリ
スリトールと脂肪酸とを構成成分とするエステルであ
る。脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数5〜10の
直鎖状または分岐状脂肪酸が好ましい。具体的には、例
えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン
酸、ノナン酸、デカン酸、2−メチルブタン酸、2−エ
チルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチル
ペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−エチル
−2−メチルブタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エ
チルヘキサン酸、2−プロピルペンタン酸、2,2−ジ
メチルヘキサン酸、2−エチル−2−メチルペンタン
酸、2−メチルオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン
酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2,2−ジメ
チルオクタン酸等を挙げることができる。特に、炭素数
6〜10の分岐状脂肪酸、例えば、3,5,5−トリメ
チルヘキサン酸および炭素数6〜10の直鎖状および分
岐状脂肪酸、例えば、n−ヘキサン酸、イソヘキサン
酸、n−ヘプタン酸、イソヘプタン酸、n−オクタン
酸、イソオクタン酸等の混合物が耐熱性に優れ、本発明
のジペンタエリスリトールエステルを構成する脂肪酸と
して好適である。
【0013】ジペンタエリスリトールエステルの具体例
を例示すると次の如くである(以下、ジペンタエリスリ
トールをDPEと略記する。)。
【0014】すなわち、DPE・ヘキサ(n−ペンタノ
エート)、DPE・ヘキサ(イソペンタノエート)、D
PE・ヘキサ(n−ヘキサノエート)、DPE・ヘキサ
(2−メチルペンタノエート)、DPE・ヘキサ(n−
ヘプタノエート)、DPE・ヘキサ(2−エチルペンタ
ノエート)、DPE・ヘキサ(2,2−ジメチルペンタ
ノエート)、DPE・ヘキサ(2−エチル−2−メチル
ブタノエート)、DPE・ヘキサ(n−オクタノエー
ト)、DPE・ヘキサ(2−メチルヘプタノエート)、
DPE・ヘキサ(2−エチルヘキサノエート)、DPE
・ヘキサ(2−プロピルペンタノエート)、DPE・ヘ
キサ(ジメチルヘキサノエート)、DPE・ヘキサ(2
−エチル−2−メチルペンタノエート)、DPE・ヘキ
サ(n−ノナネート)、DPE・ヘキサ(2−メチルオ
クタノエート)、DPE・ヘキサ(2,2−ジメチルヘ
プタノエート)、DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート)、DPE・ヘキサ(n−デカノエ
ート)、DPE・ヘキサ(2,2−ジメチルオクタノエ
ート)、DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、
イソヘプタノエート、イソノナネート)]、DPE・ヘ
キサ[混合(n−ペンタノエート、イソペンタノエー
ト、n−ヘプタノエート、n−ノナネート)]等を挙げ
ることができる。
【0015】ジペンタエリスリトールエステルを主成分
とする潤滑油の粘度は、高温条件下の各種機械装置のチ
ェーン部に塗布または滴下給油して用いる場合に安定的
に使用するためには、40℃において約120cSt〜
約400cStの範囲が好ましく、約150cSt〜約
350cStの範囲が特に好ましい。特に、常温粘度が
低く、高温粘度の高いことが要求され、100℃におい
て20cSt以上の動粘度を有することが好ましい。4
0℃における動粘度が約120cSt未満では蒸発損失
が大きくなり、また、油膜が破壊し摺動部分に摩耗が生
じるおそれがある。一方、約400cStを超えると潤
滑油の供給不良を招くことにもなる。
【0016】上記のような粘度調整のため、ジペンタエ
リスリトールエステルに他のポリオールエステルおよび
ポリ−α−オレフィン油等を配合することができる。ポ
リオールエステルは炭素数5〜30のヒンダードアルコ
ールと脂肪酸とのエステルが用いられる。ヒンダードア
ルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリ
メチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等を挙げ
ることができる。脂肪酸は、特に限定されないが、例え
ば、炭素数4〜18の直鎖状または分岐状脂肪酸が用い
られる。具体的には、前記のジペンタエリスリトールエ
ステルの合成に用いられる脂肪酸と同一のものを使用す
ることができる。脂肪酸は一種または二種以上を混合し
て用いることもできる。
【0017】また、ポリ−α−オレフィンとしては、炭
素数4〜10のα−オレフィンを単量体として重合し、
100℃における動粘度が7.9cSt〜110cSt
@100℃のものが好ましい。さらに、動粘度32cS
t〜400cSt@100℃のポリブテンも使用するこ
とができる。
【0018】本発明に用いるジフェニルアミン類として
は、次の一般式[I]:
【0019】
【化5】 で表される化合物が用いられる。
【0020】上記一般式[I]においてR1 〜R4 は、
各々水素原子または炭素数1〜18の炭化水素であり、
互いに同一であっても異なっていてもよい。該炭化水素
基としては炭素数1〜18の直鎖状または分岐状アルキ
ル基;炭素数2〜18の直鎖状または分岐状アルケニル
基;炭素数6〜18のシクロアルキル基;炭素数6〜1
8のアリール基等が挙げられ、アリール基は炭素数1〜
12のアルキル基またはアルケニル基を含有するもので
あってもよい。好ましい炭化水素基は、アルキル基であ
る。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、および
これらの異性体を挙げることができる。特に好ましいア
ルキル基は炭素数7〜10を有するものである。
【0021】本発明に用いるジフェニルアミン類は、具
体的には、ジフェニルアミン、p,p’−ジブチルジフ
ェニルアミン、p,p’−ジペンチルジフェニルアミ
ン、p,p’−ジヘキシルジフェニルアミン、p,p’
−ジヘプチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチル
ジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミ
ン、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェ
ニルアミン、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘ
キシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルア
ミン、テトラノニルジフェニルアミン、炭素数4〜9の
混合アルキルジフェニルアミン等が挙げられる。これら
のなかで好ましいジフェニルアミン類としてアルキル化
ジフェニルアミンが選択され、特に、p,p’−ジオク
チルジフェニルアミンが好ましい。
【0022】上記一般式[I]で表されるジフェニルア
ミン類は、ジペンタエリスリトールエステル系基油に組
成物全重量基準で0.1重量%〜7重量%、好ましく
は、0.5重量%〜5重量%配合される。
【0023】本発明に用いるフェニル−α−ナフチルア
ミン類としては、次の一般式[II]:
【0024】
【化6】 で表される化合物が用いられる。
【0025】上記の一般式[II]において、R5 〜R
8 は、各々水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基
であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。該
炭化水素基としては炭素数1〜18のアルキル基;炭素
数2〜18のアルケニル基;炭素数6〜18のシクロア
ルキル基;炭素数6〜18のアリール基等を挙げること
ができ、アリール基は、炭素数1〜12のアルキル基ま
たはアルケニル基を含有するものであってもよく、該ア
ルキル基およびアルケニル基は直鎖状であってもよい
し、分岐状であってもよい。好ましい炭化水素基は、ア
ルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基、およびこれらの異性体を挙げることができる。特
に好ましいアルキル基は、炭素数7〜10を有するもの
である。
【0026】フェニル−α−ナフチルアミン類としては
具体的には、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフ
ェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−
ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミ
ン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチル
フェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−
ナフチルアミン等が挙げられる。これらのなかで、アル
キル化フェニル−α−ナフチルアミン例えばオクチルフ
ェニル−α−ナフチルアミンが特に好ましい。上記一般
式[II]で表されるフェニル−α−ナフチルアミン類
は、ジペンタエリスリトールエステル系基油に組成物全
重量基準で0.1重量%〜3重量%、好ましくは、0.
5重量%〜2重量%配合される。
【0027】本発明においては、上記一般式[I]で表
されるジフェニルアミン類と一般式[II]で表される
フェニル−α−ナフチルアミン類とを組み合せて用いる
と耐酸化性が著しく向上し、これにより本発明の目的を
達成することができる。一般式[I]で表されるジフェ
ニルアミン類と一般式[II]で表されるフェニル−α
−ナフチルアミン類は、重量比1:1〜5:1好ましく
は1:1〜4:1の割合で混合して用いられる。好適な
具体例は、p,p’−ジオクチルジフェニルアミンとオ
クチルフェニル−α−ナフチルアミンとを重量比2:1
〜3:1の割合で混合したものである。
【0028】本発明の耐熱性潤滑油組成物に用いられる
中性金属スルホネート、フェネートおよびサリシレート
としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および
亜鉛塩を用いることができる。アルカリ金属塩として
は、ナトリウム塩およびカリウム塩を、また、アルカリ
土類金属塩としては、カルシウム塩、バリウム塩および
マグネシウム塩を挙げることができ、特にカルシウム塩
が好ましい。また、スルホネート、フェネートおよびサ
リシレートのうち、酸化安定性保持の観点からスルホネ
ートが好ましい。スルホネートとしては、特に限定する
ものではないが、例えば、次の一般式[III]〜[V
I]一般式[III]
【0029】
【化7】 (上記一般式[III]において、R12は、炭素数1〜
30の炭化水素基またはヘテロ原子を含有する基であ
り、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属および亜鉛か
らなる群より選択される少なくとも一種の金属であり、
nは金属の原子価に応じて1または2である。)、一般
式[IV]
【0030】
【化8】 (上記一般式[IV]において、R14は、炭素数1〜3
0の直鎖状または分岐状炭化水素基であり、R15は、水
素原子または炭素数1〜30の直鎖状または分岐状炭化
水素基であり、各々互いに同一であっても異なっていて
もよい。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属および亜
鉛からなる群より選択される少なくとも一種の金属であ
り、nは金属の原子価に応じて1または2である。)、
一般式[V]
【0031】
【化9】 (上記一般式[V]において、R15およびR16の少なく
とも1個は炭素数1〜30の直鎖状または分岐状炭化水
素基であり、他のRは、水素原子または炭素数1〜30
の直鎖状または分岐状炭化水素基であり、各々互いに同
一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ金属、
アルカリ土類金属および亜鉛からなる群より選択される
少なくとも一種の金属であり、nは金属の原子価に応じ
て1または2である。)および一般式[VI]
【0032】
【化10】 (上記一般式[VI]において、R17〜R20の少なくと
も1個は炭素数1〜30の直鎖状または分岐状炭化水素
基であり、その他のRは、水素原子または炭素数1〜3
0の直鎖状または分岐状炭化水素基であり、各々互いに
同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類
金属または亜鉛である。)で表される中性の金属スルホ
ネートからなる群より選択される少なくとも一種の化合
物を用いることができる。上記一般式[III]〜[V
I]においてR12〜R20は、水素原子または炭化水素基
である。炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキ
ル基;炭素数2〜30のアルケニル基;炭素数6〜30
のシクロアルキル基、アリール基等を挙げることができ
る。アリール基には炭素数1〜24のアルキル基が結合
されていてもよい。炭化水素基としては、具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコ
シル基およびこれらの分岐状アルキル基を例示すること
ができる。特に炭素数6〜20の直鎖状または分岐状ア
ルキル基が好ましい。
【0033】本発明の耐熱性潤滑油組成物に用いられる
中性の金属スルホネート、金属フェネートおよび金属サ
リシレートとしては、全塩基価30mgKOH/g以下
のものである。
【0034】中性金属塩の配合量は、潤滑油組成物全重
量基準で、0.1重量%〜7重量%、好ましくは、0.
2重量%〜3重量%である。
【0035】本発明の耐熱性潤滑油組成物に用いるリン
系酸化防止剤は、次の一般式[VII]: (RO)3 P [VII] で表される第三級ホスファイト類である。
【0036】上記一般式[VII]において、Rは、炭
素数1〜20の炭化水素基であり、互いに同一であって
も異なっていてもよい。炭化水素基としては、炭素数1
〜20の直鎖状または分岐状アルキル基;炭素数2〜2
0の直鎖状または分岐状アルケニル基;炭素数6〜20
のアリール基等を挙げることができ、アリール基は炭素
数1〜14のアルキル基を結合したものでもよい。アル
キル基としては炭素数2〜18のものが好ましく、例え
ば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基
およびこれらの分岐状アルキル基等を列挙することがで
きる。また、アリール基としては、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基を挙げるこ
とができるが、炭素数2〜14、特に4〜10の直鎖状
または分岐状アルキル基を有するアリール基が好まし
い。
【0037】上記一般式[VII]で表される第三級ホ
スファイト類の代表例を例示すると、トリエチルホスフ
ァイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホス
ファイト、トリペンチルホスファイト、トリオクチルホ
スファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホス
ファイト、トリストリデシルホスファイト、トリスヘキ
サデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
および下記の式[VIII]
【0038】
【化11】 で表されるトリスノニルフェニルホスファイトを挙げる
ことができる。
【0039】上記式[VIII]において、ノニル基
は、特に限定を要することなくいずれの異性体も使用す
ることができ、例えば、n−ノニル基、7−メチル−オ
クチル基、6,7−ジメチル−ヘプチル基、5−エチル
−ヘプチル基等を挙げることができる。また、フェニル
基に置換するノニル基の位置は特に限定されず、いずれ
の位置でもよい。
【0040】上記式[VII]で表されるリン系酸化防
止剤の基油に対する配合量は、組成物全重量基準で、
0.1重量%〜5重量%、好ましくは、0.5重量%〜
3重量%である。
【0041】本発明の耐熱性潤滑油組成物を調製するに
あたり、上記の必須の添加剤のほか、所望に応じて、例
えば、耐摩耗剤、粘度指数向上剤、腐蝕防止剤、流動点
降下剤、金属不活性化剤等を用いることができる。耐摩
耗剤として、リン酸エステル、例えば、トリアリールリ
ン酸エステル、具体的にはトリクレジルホスフェート等
が好ましい。
【0042】特に、粘度指数向上剤の配合により粘度性
状を改善し、温度差にかかわらず、給油量を多くし、油
膜の保持量を安定化することができる。粘度指数向上剤
としては、特に限定するものではなく、重量平均分子量
が約4×104 〜5×105のポリメタクリレート系、
エチレン−α−オレフィン共重体系等いずれのものも選
択して用いることができる。配合量は、2重量%〜8重
量%、好ましくは、3重量%〜6重量%の範囲で採用す
ることができる。
【0043】本発明の耐熱性潤滑油組成物は、ジペンタ
エリスリトールエステルを主成分とする潤滑油基油に
(a)ジフェニルアミン類、(b)フェニル−α−ナフ
チルアミン類、(c)中性のカルシウムスルホネートお
よび(d)トリスノニルフェニルホスファイトを含有さ
せてなるものであり、高温用潤滑油として耐酸化性およ
び耐摩耗性の両面において優れた性能を発揮する。従っ
て、各種機械装置の高温部で用いることができ、例え
ば、二軸延伸機、パン製造装置等各種機械装置のチェー
ン部に塗布または滴下給油等により使用される潤滑油と
して極めて好適である。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらは本
発明の態様を詳細に説明するためのものであり、本発明
を限定するためのものではない。
【0045】なお、性能評価については、次に示す試験
法により耐酸化性を評価した。 (1)耐酸化性(オーブン試験) アルミ容器(直径5mmφ、高さ2.5mm)に試料油
10mgを採り、230℃のオーブン内に静置する。試
験開始後、一定時間(4時間、8時間、12時間、24
時間、48時間、72時間・・・・・・・)経過毎にア
ルミ容器をオーブンから取り出し、その重量を測定し、
蒸発減量(重量減少率)を算出した。
【0046】実施例1 次のおよびの二種のエステルの混合物を基油とし
た。
【0047】ジペンタエリスリトールと3,5,5−
トリメチルヘキサン酸とのエステル[DPE・ヘキサ
(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)] ジペンタエリスリトールとn−ヘプタン酸/イソヘプ
タン酸の混合酸とのエステル[DPE・ヘキサ[混合
(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)]] この基油にp,p’−ジオクチルジフェニルアミン、オ
クチルフェニル−α−ナフチルアミンおよび中性カルシ
ウムスルホネートを配合し、さらに、トリスノニルフェ
ニルホスファイトおよびトリクレジルホスフェートを配
合し、次に示す組成の動粘度218cSt(@40℃)
の試作油Aを得た。試作油A (組成) 基 油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)45重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 38重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 5重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性カルシウムスルホネート (Ca−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト (TNP) 3重量% ポリメタクリレート (PMA) 3重量% トリクレジルホスフェート (TCP) 4重量% (性能評価)上記の試作油Aをオーブン試験による耐酸
化性の性能評価に供した。表1にオーブン試験の結果を
示す。
【0048】実施例2 次のおよびの二種のエステルの混合物を基油とし
た。
【0049】ジペンタエリスリトールと3,5,5−
トリメチルヘキサン酸とのエステル ジペンタエリスリトールとn−ヘプタン酸/イソヘプ
タン酸との混合酸とのエステル この基油にp,p’−ジオクチルジフェニルアミン、オ
クチルフェニル−α−ナフチルアミンおよび中性カルシ
ウムスルホネートを配合し、さらにトリスノニルフェニ
ルホスファイトおよびトリクレジルホスフェートを配合
し、次に示す組成の試作油Bを得た。試作油B (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)47重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 31重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性カルシウムスルホネート(Ca−S) 5重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Bを実施例1と同様にオーブン試験
に供したところ、表1に示す評価結果を得た。
【0050】実施例3 次のおよびの二種のエステルの混合物を基油とし
た。
【0051】ジペンタエリスリトールと3,5,5−
トリメチルヘキサン酸とのエステル ジペンタエリスリトールとn−ヘプタン酸/イソヘプ
タン酸とのエステル この基油にp,p’−ジオクチルジフェニルアミン、オ
クチルフェニル−α−ナフチルアミンおよび中性カルシ
ウムスルホネートを配合し、さらにトリスノニルホスフ
ァイト、ポリメタクリレートおよびトリクレジルホスフ
ェートを配合し、次に示す組成の試作油Cを得た。試作油C (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)49.5重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 33重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性カルシウムスルホネート(Ca−S) 0.5重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Cをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0052】実施例4 実施例3の基油と同一の基油に中性カルシウムスルホネ
ートを1重量%配合したこと以外すべて実施例3と同様
に各成分を配合し、次に示す組成の試作油Dを得た。試作油D (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)49重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 33重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性カルシウムスルホネート(Ca−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Dをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。 実施例5 次のおよびの二種のエステルの混合物を基油とし
た。
【0053】ジペンタエリスリトールと3,5,5−
トリメチルヘキサン酸とのエステル ジペンタエリスリトールとn−ヘプタン酸/イソヘプ
タン酸とのエステル この基油にp,p’−ジオクチルジフェニルアミン、オ
クチルフェニル−α−ナフチルアミンおよび中性ナトリ
ウムスルホネートを配合し、さらにトリスノニルホスフ
ァイト、ポリメタクリレートおよびトリクレジルホスフ
ェートを配合し、次に示す組成の試作油Eを得た。試作油E (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)57重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 25重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性ナトリウムスルホネート(Na−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Eをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0054】実施例6 中性ナトリウムスルホネートの代わりに中性カリウムス
ルホネートを用いたこと以外すべて実施例5と同様にし
て各成分を配合し、次に示す組成の試作油Fを得た。試作油F (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)57重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 25重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性カリウムスルホネート(K−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Fをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0055】実施例7 中性ナトリウムスルホネートの代わりに中性マグネシウ
ムスルホネートを用いたこと以外すべて実施例5と同様
にして各成分を配合し、次に示す組成の試作油Gを得
た。試作油G (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)57重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 25重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性マグネシウムスルホネート(Mg−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Gをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0056】実施例8 中性ナトリウムスルホネートの代わりに中性バリウムス
ルホネートを用いたこと以外すべて実施例5と同様にし
て各成分を配合し、次に示す組成の試作油Hを得た。試作油H (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)57重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 25重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性バリウムスルホネート(Ba−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Hをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0057】実施例9 中性ナトリウムスルホネートの代わりに中性亜鉛スルホ
ネートを用いたこと以外すべて実施例5と同様にして各
成分を配合し、次に示す組成の試作油Iを得た。試作油I (組成) 基油 DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)57重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘプタノエート)] 25重量% 添加剤 p,p’−ジオクチルジフェニルアミン(DPA) 3重量% オクチルフェニル−α−ナフチルアミン(OPAN) 1重量% 中性亜鉛スルホネート(Zn−S) 1重量% トリスノニルフェニルホスファイト(TNP) 1重量% ポリメタクリレート(PMA) 4重量% トリクレジルホスフェート(TCP) 8重量% (性能評価)試作油Iをオーブン試験に供したところ、
表1に示す評価結果を得た。
【0058】比較例1 次のおよびを混合して得られた基油; DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート)54重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘ
プタノエート)]46重量% に中性金属スルホネート等の添加剤を配合せずにオーブ
ン試験による性能評価に供したところ表2に示す結果を
得た。
【0059】比較例2 次のおよびを成分とする基油; DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート)54重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘ
プタノエート)]45重量% に添加剤としてp,p’−ジオクチルジフェニルアミン
のみを1重量%配合し表1に示す動粘度153cSt
(@40℃)の試作油bを調製した。試作油bを前記の
性能評価に供し、表2に示す評価結果を得た。
【0060】比較例3 次のおよびを成分とする基油; DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート)54重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘ
プタノエート)]45重量% に添加剤としてトリスノニルフェニルホスファイトのみ
を1重量%配合し、表2に示す試作油cを調製した。試
作油cを前記の性能評価に供し、表2に示す評価結果を
得た。
【0061】比較例4 次のおよびを成分とする基油; DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート)46重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘ
プタノエート)]38重量% に添加剤として、p,p’−ジオクチルジフェニルアミ
ン5重量%、オクチル−α−ナフチルアミン1重量%、
トリスノニルフェニルホスファイト3重量%、ポリメタ
クリレート3重量%およびトリクレジルホスフェート4
重量%を配合し、表1に示す試作油dを得た。試作油d
を前記の耐酸化性および耐摩耗性の性能評価に供したと
ころ表2に示す結果を得た。
【0062】比較例5 次のおよびを成分とする基油; DPE・ヘキサ(3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート)50重量% DPE・ヘキサ[混合(n−ヘプタノエート、イソヘ
プタノエート)]33重量% に添加剤として、p,p’−ジオクチルジフェニルアミ
ン3重量%、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン1
重量%、トリスノニルフェニルホスファイト1重量%、
ポリメタクリレート4重量%およびトリクレジルホスフ
ェート8重量%を配合し試作油eを得た。試作油eの性
能評価の結果を表2に示す。
【0063】上記の実施例と比較例から明らかなように
本発明によるジペンタエリスリトールエステル系基油と
二種の相異なるアミン系酸化防止剤および中性金属スル
ホネート等の組合せ、さらにリン系酸化防止剤およびポ
リメタクリレート系粘度指数向上剤との組合せの結果、
耐酸化性に優れた耐熱性潤滑油が得られた。すなわち、
比較例1の試作油aは基油のみを成分としたものであ
り、比較例2の試作油bには、アミン系酸化防止剤とし
てp,p’−ジオクチルジフェニルアミンのみを配合
し、比較例3ではリン系の酸化防止剤としてトリスノニ
ルフェニルホスファイトのみを配合したものである。さ
らに、比較例4および5では、p,p’−ジオクチルジ
フェニルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミ
ンおよびトリスノニルホスファイトの三者を配合した
が、依然として耐酸化性に劣るものであった。アミン系
酸化防止剤に中性金属スルホネートを配合することによ
り実施例1に示すようにはじめて耐酸化性について著し
い改善がみられ、品質良好なチェーン用潤滑油を提供で
きることが判明した。
【0064】本発明により明らかにしたように、アミン
系酸化防止剤と中性金属スルホネート等の併用により酸
化安定性が改善できるという知見は、新規なものであ
り、従来全く開示されていないものである。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジペンタ
エリスリトールエステルを主成分とする基油と上記の酸
化防止剤と中性金属スルホネート、フェネートまたはサ
リシレートを必須成分とする耐熱性潤滑油組成物は、蒸
発減量が小さく、優れた耐酸化性を示し、さらに、耐摩
耗性にも優れるなど実用的価値の高いものである。従っ
て、特に高温下で運転される機械装置のチェーン部に用
いられる高温用潤滑油として高い効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:54 135:10) C10N 30:08 30:10 40:32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジペンタエリスリトールエステル系基油
    を主成分とする潤滑油基油に、潤滑油組成物全重量基準
    で、(a)次の一般式[I]: 【化1】 (上記一般式[I]において、R1 〜R4 は、各々水素
    原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに
    同一であっても異なっていてもよい。)で表されるジフ
    ェニルアミン類 0.1重量%〜7重量%および/また
    は(b)次の一般式[II]: 【化2】 (上記一般式[II]において、R5 〜R8 は、各々水
    素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、互い
    に同一であっても異なっていてもよい。)で表されるフ
    ェニル−α−ナフチルアミン類 0.1重量%〜3重量
    %ならびに(c)中性金属スルホネート、フェネートお
    よびサリシレートからなる群より選択される少なくとも
    一種の化合物0.1重量%〜7重量%を配合したことを
    特徴とする耐熱性潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 前記ジペンタエリスリトールエステル系
    基油を主成分とする潤滑油基油に、さらにリン系酸化防
    止剤を潤滑油組成物全重量基準で0.1重量%〜5重量
    %配合させてなる請求項1記載の耐熱性潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 前記ジペンタエリスリトールエステル系
    基油を主成分とする潤滑油基油に、さらにポリメタクリ
    レート系粘度指数向上剤を潤滑油組成物全重量基準で、
    2重量%〜8重量%配合させてなる請求項1または2記
    載の耐熱性潤滑油組成物。
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