JP5342648B2 - シンチレータ用蛍光体 - Google Patents
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Description
本発明は、放射線検出器などに用いるシンチレータの構成材料として有用な蛍光体に関する。
シンチレータとは、γ線やX線などの放射線を吸収し、可視光線又は可視光線に近い波長の電磁波を放射する物質である。その用途としては、医療用のPET(陽電子放射断層撮影装置)やTOF−PET(タイム・オブ・フライト陽電子放射断層撮影装置)、X線CT(コンピュータ断層撮影装置)、さらには空港などで使用される所持品検査装置など、各種放射線検出器を挙げることができる。
中でもPET(;Positron Emission Tomography、ポジトロン断層撮影法)は、511KeVの消滅放射線を発生させる陽電子放出核種で標識された薬剤を用いて、代謝や血流量などの生理学的機能を断層像で得る放射線検出器である。この種の放射線検出器は、一般に放射線を受光して可視光に変換するシンチレータ部と、このシンチレータ部で変換され透過してくる可視光を検知して電気信号に変換するホトマルチプライヤチューブ(以下「ホトマル」という)やホトダイオードなどの光検出部とから構成されている。
この種の用途に用いるシンチレータ材料としては、従来、Lu3Al5O12:Pr(特許文献1)やLu2SiO5:Ce(特許文献2)などが開示されている。
また、硫黄を含むシンチレータ材料として、Gd2O2S:Pr(特許文献3)や、Lu2O2S:Pr(特許文献4)などの酸硫化物が開示されている。
シンチレータの重要な用途として、陽電子断層撮影(PET)装置が挙げられるが、PET装置は、空間分解能が低いことや、検査時間が長いことが課題とされている。仮にPETに用いるシンチレータの発光寿命、すなわち蛍光減衰時間を短縮化することができれば、検査時間の短縮が可能となる。また、TOF(タイム・オブ・フライト)情報の利用による、PET装置の空間分解能の向上も期待できる。PET以外の用途においても、出力(明るさ)を維持しつつ蛍光減衰時間の短縮化を図ることができれば、各種検出装置の検出効率を高めることができる。
そこで本発明は、放射線を吸収して可視光に変換できることはもちろん、蛍光減衰時間が短いという特徴を有する、新たなシンチレータ用蛍光体を提供せんとするものである。
本発明は、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとを含有するシンチレータ用蛍光体を提案する。
本発明が提案する蛍光体は、放射線を吸収して可視光に変換できるばかりか、蛍光減衰時間が短いという特徴を有している。よって、PETなどの放射線検出器に用いるシンチレータ材料として特に有用である。
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る蛍光体(以下「本蛍光体」という)は、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとを含有する蛍光体である。
本蛍光体は、一般式(Lu1-xMx)2S3(式中、Mは賦活剤元素を示す。)で示される結晶を含む蛍光体であるのが好ましい。
この際、式中のxは0.001〜0.1であるのが好ましい。xがこのような範囲内であれば発光量を維持することができる。よって、このような観点から、xは0.1以下であるのがより好ましく、特に0.0025以上或いは0.05以下であるのがさらに好ましく、最も好ましくは0.004以上0.015以下である。
この際、式中のxは0.001〜0.1であるのが好ましい。xがこのような範囲内であれば発光量を維持することができる。よって、このような観点から、xは0.1以下であるのがより好ましく、特に0.0025以上或いは0.05以下であるのがさらに好ましく、最も好ましくは0.004以上0.015以下である。
また、本蛍光体は、一般式(Lu1-xPrx)2S3、或いは、一般式(Lu1-xCex)2S3で示される組成物を含む蛍光体であるのが好ましい。
この際、Lu2S3相のほかにLu2O2S相などを含んでいてもよい。但し、Lu2S3であれば所望の強い発光が得られるほか、Lu2O2S相を多く含むと励起光照射後数μ秒にわたって500nm付近の発光が続く傾向があるため、このような不都合を回避する観点からも、Lu2S3相が多い方が好ましい。このような観点から、Lu2S3相を20%以上、中でも85%以上、その中でも95%以上(100%含む)含有するのが特に好ましい。
この際、Lu2S3相のほかにLu2O2S相などを含んでいてもよい。但し、Lu2S3であれば所望の強い発光が得られるほか、Lu2O2S相を多く含むと励起光照射後数μ秒にわたって500nm付近の発光が続く傾向があるため、このような不都合を回避する観点からも、Lu2S3相が多い方が好ましい。このような観点から、Lu2S3相を20%以上、中でも85%以上、その中でも95%以上(100%含む)含有するのが特に好ましい。
本蛍光体の賦活剤のイオン、すなわち発光中心(発光イオン)としては、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Cr、Bi及びTlなどのイオンが考えられるが、中でもPr3+又はCe3+又はこれらの両方であるのが好ましい。その中でも、可視光を発光し、かつ蛍光減衰時間が短いという観点から、Pr3+が特に優れている。
本蛍光体は、母体結晶及び賦活剤以外に、本発明の効果を得られる範囲内で、他の成分を含有してもよい。例えば、アルカリ金属元素等の1価の陽イオン金属、Cl-、F-、I-等のハロゲンイオンを電荷補償剤として原料に添加するようにしてもよい。但し、その添加量は、電荷補償効果を得られる程度とするのが好ましい。
(製造方法)
次に、本蛍光体の好ましい製造方法の一例について説明する。但し、下記に説明する製造方法に限定されるものではない。
次に、本蛍光体の好ましい製造方法の一例について説明する。但し、下記に説明する製造方法に限定されるものではない。
本蛍光体は、例えばLu原料、賦活剤原料(例えばPr原料)及びその他の添加原料をそれぞれ秤量して混合し、硫化水素若しくは二硫化炭素の雰囲気中、700〜1500℃で焼成して得ることができる。
上記のLu原料としては、Luの酸化物の他、複酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
Prなどの賦活剤原料としては、Pr等の酸化物の他、フッ化物、炭酸塩、硫化物等を挙げることができる。
Prなどの賦活剤原料としては、Pr等の酸化物の他、フッ化物、炭酸塩、硫化物等を挙げることができる。
原料の混合は、乾式、湿式いずれで行なってもよい。
乾式混合する場合、その混合方法を特に限定するものではなく、例えばジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合し、必要に応じて乾燥させて、原料混合物を得るようにすればよい。
湿式混合する場合は、原料を懸濁液の状態とし、上記同様にジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合した後、篩等でメディアを分離し、減圧乾燥や真空乾燥、スプレードライなどの適宜乾燥法によって懸濁液から溶媒を除去して乾燥原料混合物を得るようにすればよい。
乾式混合する場合、その混合方法を特に限定するものではなく、例えばジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合し、必要に応じて乾燥させて、原料混合物を得るようにすればよい。
湿式混合する場合は、原料を懸濁液の状態とし、上記同様にジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合した後、篩等でメディアを分離し、減圧乾燥や真空乾燥、スプレードライなどの適宜乾燥法によって懸濁液から溶媒を除去して乾燥原料混合物を得るようにすればよい。
焼成する前に、必要に応じて、上記如く得られた原料混合物を粉砕、分級、乾燥を施すようにしてもよい。但し、必ずしも粉砕、分級、乾燥を施さなくてもよい。
焼成は、700℃以上で焼成するのがより好ましい。
この際の焼成雰囲気としては、硫化水素、二硫化炭素といった硫黄を含む雰囲気中で焼成するのが望ましい。特に加熱開始時(常温時)から、硫黄を含む雰囲気で焼成することが、目的物質であるLu2S3の純度を高める観点から好ましい。
焼成温度が700℃以上であれば、十分かつ均一な焼成を行うことできる。尚、硫化水素を用いる場合には1000℃以上とするのが好ましい。焼成温度の上限は、特に限定されないが、焼成炉の耐久性などを考慮すると1400〜1500℃程度と考えられる。
また、焼成時間は、焼成温度と関連するが、2時間〜100時間程度が好ましく、硫化水素を用いる場合は10時間以上とするのが好ましい。
この際の焼成雰囲気としては、硫化水素、二硫化炭素といった硫黄を含む雰囲気中で焼成するのが望ましい。特に加熱開始時(常温時)から、硫黄を含む雰囲気で焼成することが、目的物質であるLu2S3の純度を高める観点から好ましい。
焼成温度が700℃以上であれば、十分かつ均一な焼成を行うことできる。尚、硫化水素を用いる場合には1000℃以上とするのが好ましい。焼成温度の上限は、特に限定されないが、焼成炉の耐久性などを考慮すると1400〜1500℃程度と考えられる。
また、焼成時間は、焼成温度と関連するが、2時間〜100時間程度が好ましく、硫化水素を用いる場合は10時間以上とするのが好ましい。
(本蛍光体の特徴)
本蛍光体は、蛍光減衰時間32nsec以下、特に好ましい態様では5nsec以下を達成可能であるから、高速発光を実現することができる。下記表1は、各種蛍光体の発光波長と蛍光減衰時間を示すものであるが、32nsec以下、特に5nsec以下という蛍光減衰時間が格別に短いことが理解できる。但し、表1に示した発光波長と蛍光減衰時間は、比較のために示した代表値の一例であり、決してこの数値に限定されるものではない。
本蛍光体は、蛍光減衰時間32nsec以下、特に好ましい態様では5nsec以下を達成可能であるから、高速発光を実現することができる。下記表1は、各種蛍光体の発光波長と蛍光減衰時間を示すものであるが、32nsec以下、特に5nsec以下という蛍光減衰時間が格別に短いことが理解できる。但し、表1に示した発光波長と蛍光減衰時間は、比較のために示した代表値の一例であり、決してこの数値に限定されるものではない。
前述したように、PET装置に用いるシンチレータの蛍光減衰時間が短縮化できれば、検査時間の短縮が可能となるばかりか、TOF(タイム・オブ・フライト)情報の利用による空間分解能の向上も期待できる。また、PET装置以外の用途においても、出力(明るさ)を維持しつつ蛍光減衰時間の短縮化を図ることができれば、各種検出装置の検出効率を高めることができる。
さらに本蛍光体は、原子番号の大きなLuを主成分とするため、放射線の吸収能力に優れ、より薄いシンチレータ材料であっても十分に放射線を吸収することができるようになり、放射線検出器全体で見ると、機能を維持しつつ小型化(厚さを薄くする)することができる。
よって、本蛍光体は、医療用のPET(陽電子放射断層撮影装置)やTOF−PET(タイム・オブ・フライト陽電子放射断層撮影装置)、X線CT(コンピュータ断層撮影装置)のほか、空港などで使用される所持品検査装置など、各種放射線検出器のシンチレータ用材料として好適に使用することができ、これを用いて各種放射線検出器を構成することができる。
より具体的には、本蛍光体から単結晶を作製し、これをシンチレータ用単結晶材料に加工してシンチレータとし、このシンチレータとホトマルやホトダイオードなどの光検出部とを組み合わせて放射線検出器を構成することができる。
さらに本蛍光体は、原子番号の大きなLuを主成分とするため、放射線の吸収能力に優れ、より薄いシンチレータ材料であっても十分に放射線を吸収することができるようになり、放射線検出器全体で見ると、機能を維持しつつ小型化(厚さを薄くする)することができる。
よって、本蛍光体は、医療用のPET(陽電子放射断層撮影装置)やTOF−PET(タイム・オブ・フライト陽電子放射断層撮影装置)、X線CT(コンピュータ断層撮影装置)のほか、空港などで使用される所持品検査装置など、各種放射線検出器のシンチレータ用材料として好適に使用することができ、これを用いて各種放射線検出器を構成することができる。
より具体的には、本蛍光体から単結晶を作製し、これをシンチレータ用単結晶材料に加工してシンチレータとし、このシンチレータとホトマルやホトダイオードなどの光検出部とを組み合わせて放射線検出器を構成することができる。
また、本蛍光体を焼成して透明なセラミックス体を作製して各種用途に利用することもできる。
さらにまた、本蛍光体を樹脂と混合して、発光するプラスチック体として各種用途に利用することもできる。例えば液状の熱硬化性樹脂(例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂など)に本蛍光体を添加して蛍光体含有樹脂組成物を調製し、この蛍光体含有樹脂組成物を混練した上で、これを型に注入(ポッティング)し、その後、加熱して樹脂を硬化させればよい。
さらにまた、本蛍光体を樹脂と混合して、発光するプラスチック体として各種用途に利用することもできる。例えば液状の熱硬化性樹脂(例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂など)に本蛍光体を添加して蛍光体含有樹脂組成物を調製し、この蛍光体含有樹脂組成物を混練した上で、これを型に注入(ポッティング)し、その後、加熱して樹脂を硬化させればよい。
(用語の解説)
本発明において「蛍光体」とは、電子線、X線、紫外線、電界などのエネルギーを吸収し、このエネルギーの一部を効率良く可視光線として放出(発光)する粉体の意味である。
また、本発明において「シンチレータ」とは、γ線やX線などの放射線を吸収し、可視光線又は可視光線に近い波長(光の波長域は近紫外〜近赤外にまで広がっていてもよい)の電磁波を放射する物質、並びに、そのような機能を備えた放射線検出器の構成部材を意味する。
本発明において「蛍光体」とは、電子線、X線、紫外線、電界などのエネルギーを吸収し、このエネルギーの一部を効率良く可視光線として放出(発光)する粉体の意味である。
また、本発明において「シンチレータ」とは、γ線やX線などの放射線を吸収し、可視光線又は可視光線に近い波長(光の波長域は近紫外〜近赤外にまで広がっていてもよい)の電磁波を放射する物質、並びに、そのような機能を備えた放射線検出器の構成部材を意味する。
本発明において「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Yより小さいことが好ましい」旨の意図を包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Yより小さいことが好ましい」旨の意図を包含する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
<XRD測定>
RINT−TTRIII(リガク社製)を用い、線源にはCuターゲットを用いて、2θが5〜80°の範囲でXRDパターンを得た(下記条件参照)。
RINT−TTRIII(リガク社製)を用い、線源にはCuターゲットを用いて、2θが5〜80°の範囲でXRDパターンを得た(下記条件参照)。
(管球)CuKα線
(管電圧)40kV
(管電流)150mA
(サンプリング間隔)0.02°
(スキャンスピード)4.0°/min
(開始角度)5°
(終了角度)80°
(管電圧)40kV
(管電流)150mA
(サンプリング間隔)0.02°
(スキャンスピード)4.0°/min
(開始角度)5°
(終了角度)80°
<フォトルミネッセンス測定>
実施例及び比較例で得られた蛍光体粉末について、励起光としてArFエキシマレーザLPF205(Lambda Physik・波長193nm)を用い、分光器SpectraPro2300i(Princeton Instruments)、CCD検出器PI−MAX1024(Princeton Instruments)を用いて分析した。
実施例及び比較例で得られた蛍光体粉末について、励起光としてArFエキシマレーザLPF205(Lambda Physik・波長193nm)を用い、分光器SpectraPro2300i(Princeton Instruments)、CCD検出器PI−MAX1024(Princeton Instruments)を用いて分析した。
蛍光減衰時間は、以下の式に従ってフィッティングした。
I=A0+Aexp(−T/τ)
I:発光強度、T:時間、τ:蛍光減衰時間、
I=A0+Aexp(−T/τ)
I:発光強度、T:時間、τ:蛍光減衰時間、
(実施例1)
出発原料として、4N(99.99%)のLu2O3と、4N(99.99%)のPr6O11とを用い、それぞれの出発原料を秤量して配合し、乳鉢で混合し、得られた混合物を、硫化水素雰囲気中1100℃で48時間焼成し、(Lu0.995Pr0.005)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
出発原料として、4N(99.99%)のLu2O3と、4N(99.99%)のPr6O11とを用い、それぞれの出発原料を秤量して配合し、乳鉢で混合し、得られた混合物を、硫化水素雰囲気中1100℃で48時間焼成し、(Lu0.995Pr0.005)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
実施例1で合成した蛍光体粉末のXRDパターンの回折強度比、すなわち図1のピークAのピーク高さとピークBのピーク高さの比から、Lu2S3相及びLu2 O2S相の生成率を求めたところ、Lu2S3相の生成率(Lu2S3相/(Lu2S3相+Lu2 O2S相))を求めたところ91.94%であり、僅かにLu2 O2S相を含んでいた。
また、実施例1で合成した蛍光体粉末を、ArFエキシマレーザLPF230(Lambda Physik・波長193nm)で励起させて、2nsec毎に測定した発光スペクトルを図2に示す。この結果、388nmに強い発光を確認した。
さらに、上記発光スペクトルから388nmにおける発光の減衰曲線を抽出し、上記式から蛍光減衰時間(τ)を求めたところ、τ=5nsecであった。
さらに、上記発光スペクトルから388nmにおける発光の減衰曲線を抽出し、上記式から蛍光減衰時間(τ)を求めたところ、τ=5nsecであった。
(実施例2−4、実施例10)
実施例1において、焼成時間(実施例1:48時間、実施例2:4時間、実施例3:8時間、実施例4:40時間、実施例10:32時間)を変化させた以外は、実施例1と同様に蛍光体粉末を得た。
実施例1において、焼成時間(実施例1:48時間、実施例2:4時間、実施例3:8時間、実施例4:40時間、実施例10:32時間)を変化させた以外は、実施例1と同様に蛍光体粉末を得た。
なお、上記の実施例1において1100℃で48時間焼成したとは、1100℃を保持した時間が48時間であったという意味であり、他の実施例2−4及び10においても、焼成時間は焼成温度の保持時間を意味するものである。
また、上記の実施例1−4は、最初はアルゴン雰囲気で加熱し、500℃まで昇温してから硫化水素雰囲気に切り替えたのに対し、実施例10は、最初から硫化水素雰囲気中で焼成を行った。
また、上記の実施例1−4は、最初はアルゴン雰囲気で加熱し、500℃まで昇温してから硫化水素雰囲気に切り替えたのに対し、実施例10は、最初から硫化水素雰囲気中で焼成を行った。
実施例1−4及び10で合成された蛍光体粉末のXRDパターン(図5)の回折強度比、すなわち図1に示したピークAの高さとピークBの高さの比から、実施例1−4及び10で得られた蛍光体粉末のLu2S3相及びLu2 O2S相の生成率を求め、388nmにおけるPL (フォトルミネッセンス)強度(PL Intensity (a.u.))と共に、表2に示した。
なお、実施例10で得られた蛍光体粉末は、Lu2 O2S相を含んでいなかったため、発光はLu2S3によるものと考えることができる。
なお、実施例10で得られた蛍光体粉末は、Lu2 O2S相を含んでいなかったため、発光はLu2S3によるものと考えることができる。
この結果、Lu2S3相の占める割合が高いほど強い発光が得られるため、Lu2S3相を20%以上、中でも85%以上、その中でも95%以上含むのが特に好ましいと考えることができる。
(実施例5)
出発原料として、4N(99.99%)のLu2O3と、4N(99.99%)のCe2S3とを用い、それぞれの出発原料を秤量して配合し、乳鉢で混合し、得られた混合物を、硫化水素雰囲気中1100℃で40時間焼成し、(Lu0.995Ce0.005)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
出発原料として、4N(99.99%)のLu2O3と、4N(99.99%)のCe2S3とを用い、それぞれの出発原料を秤量して配合し、乳鉢で混合し、得られた混合物を、硫化水素雰囲気中1100℃で40時間焼成し、(Lu0.995Ce0.005)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
実施例5で合成した蛍光体粉末を、ArFエキシマレーザLPF230(Lambda Physik・波長193nm)で励起させて、5nsec毎に測定した発光スペクトルを図3に示す。この結果、580nmに強く発光を確認した。
また、上記発光スペクトルから580nmにおける発光の減衰曲線を抽出し、上記式から蛍光減衰時間(τ)を求めたところ、τ=32nsecであった。
また、上記発光スペクトルから580nmにおける発光の減衰曲線を抽出し、上記式から蛍光減衰時間(τ)を求めたところ、τ=32nsecであった。
これより、蛍光減衰時間(τ)の短さの観点では、賦活剤のイオンとしてPr3+を含む蛍光体の方がより優れているが、賦活剤のイオンとしてCe3+を含む蛍光体であっても、十分に短く、かつ可視光領域での強く発光し有用であることが確認できた。
(比較例1・実施例6−9)
実施例2において、4N(99.99%)のPr6O11の添加量を変えること以外は実施例2と同様に、(Lu1-xPrx)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
実施例2において、4N(99.99%)のPr6O11の添加量を変えること以外は実施例2と同様に、(Lu1-xPrx)2S3で示される結晶からなる蛍光体粉末を得た。
実施例1(x=0.005)、実施例6−9及び比較例1(x=0)で得られた蛍光体粉末について、388nmにおけるPL (フォトルミネッセンス)強度(PL Intensity (a.u.))を図4に示す。
これより、一般式(Lu1-xMx)2S(式中、Mは賦活剤元素を示す。)で示される結晶を含む蛍光体において、賦活剤元素(M)の添加量(x)が0.001以上であれば2000(a.u.)以上のPL強度を得ることができ、上限値はおそらく0.1程度と考えられるため、0.001〜0.1であるのが好ましいと考えられる。また、xが0.0025以上であれば2500(a.u.)以上のPL強度を得ることができ、0.004〜0.015付近に最適値があると推定することができる。
これより、一般式(Lu1-xMx)2S(式中、Mは賦活剤元素を示す。)で示される結晶を含む蛍光体において、賦活剤元素(M)の添加量(x)が0.001以上であれば2000(a.u.)以上のPL強度を得ることができ、上限値はおそらく0.1程度と考えられるため、0.001〜0.1であるのが好ましいと考えられる。また、xが0.0025以上であれば2500(a.u.)以上のPL強度を得ることができ、0.004〜0.015付近に最適値があると推定することができる。
(考察)
硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+又はCe3+を含む蛍光体粉末は、蛍光減衰時間が格別に短いことが分かった。 中でも、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+を含む蛍光体粉末は、可視光を発光し、かつ光減衰時間が格別に短いことが分かった。 よって、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+を含む蛍光体粉末はPET装置などの各種検出装置に用いる新たなシンチレータ用蛍光体として特に有用であると考えられる。
硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+又はCe3+を含む蛍光体粉末は、蛍光減衰時間が格別に短いことが分かった。 中でも、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+を含む蛍光体粉末は、可視光を発光し、かつ光減衰時間が格別に短いことが分かった。 よって、硫化ルテチウムを含有する母体結晶と、賦活剤のイオンとしてPr3+を含む蛍光体粉末はPET装置などの各種検出装置に用いる新たなシンチレータ用蛍光体として特に有用であると考えられる。
Claims (5)
- 一般式(Lu 1-x Pr x ) 2 S 3 (xは0.001〜0.1)で示される組成物を含むシンチレータ用蛍光体。
- Lu 2 S 3 相を含むことを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ用蛍光体。
- Lu 2 S 3 相のほかにLu 2 O 2 S相を含むことを特徴とする請求項2に記載のシンチレータ用蛍光体。
- Lu 2 S 3 相を20%以上含有することを特徴とする請求項2又は3に記載のシンチレータ用蛍光体。
- 蛍光減衰時間が5nsec以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のシンチレータ用蛍光体。
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