JP5342609B2 - ボルトテンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器等の圧力容器の上蓋を締め付けているボルト・ナットを締め付け、あるいは弛めるボルトテンショナに関するものであり、限定するものではないが、特に原子炉の圧力容器の上蓋の締め付けや弛緩に適用されると好適なボルトテンショナに関するものである。
原子力発電所は国内において1960年代半ばから建設が開始され、我が国初の原子炉である敦賀1号炉は1970年に営業運転が開始された。国内には原子炉が50基以上建設されており、それぞれの発電所には大きさの異なる原子炉が複数基稼動している。例えば、関西電力株式会社の美浜原子力発電所においては、年々増加する電力消費量に対応して、より発電能力の高い原子炉を建設する必要があったことから、1970年に定格出力が34万kWの1号炉が、1972年には同50万kWの2号炉が、1976年には同82.6万kWの3号炉が建設された。このように、一般的な原子力発電所においては、定格出力が異なる複数基の原子炉が設けられており、それぞれの圧力容器の大きさも異なっている。原子炉は、安全運転の確保のために年に一度、圧力容器の上蓋を開いて内部を点検することが義務づけられている。ところで、圧力容器は上部が開口していると共に開口部の周囲にフランジ部が形成されている圧力容器本体と、この開口部を閉鎖する上蓋とから構成されている。圧力容器本体のフランジ部には、複数本のスタッドボルトが円周上に等間隔で埋め込まれており、上蓋にはスタッドボルトに対応する位置にボルト孔が複数個明けられている。そして、上蓋を圧力容器本体の上に載せ、ボルト孔のそれぞれにスタッドボルトを貫通させ、スタッドボルトのそれぞれにナットを螺合させ、締め付けて、上蓋が圧力容器本体に取り付けられている。
このようなナットの締め付けには、ボルトテンショナが使用されている。ボルトテンショナには、スタッドボルトの頭部と一体的に固定されるプラーバが設けられており、プラーバは油圧等によって所定の力で上方に押し上げる、あるいは引っ張り上げることができるようになっている。従って、スタッドボルトの頭部にプラーバを固定し、プラーバを上方に引き上げると、スタッドボルトは弾性変形して伸びる。浮いたナットを回転すると、所望の締め付け力でナットを締め付けることができる。これによって圧力容器の上蓋を均一に締め付けることができる。ナットを弛めるときには、同様にプラーバによってスタッドボルトを上方に引っ張って弾性変形させ、ナットを逆方向に回転する。そうするとナットを取り外すことができ、上蓋を開くことができる。
特開平9−216133号公報
色々な文献によって異なるタイプのボルトテンショナが提案され、例えばプラーバが設けられていないタイプのボルトテンショナもある。特許文献1には、プラーバの代わりに棒状加熱体を備えたスタッドボルト締付け装置すなわちボルトテンショナが記載されている。このスタッドボルト締付け装置が締付けの対象としているスタッドボルトには、棒状加熱体を挿入するための軸方向の孔が明けられている。このスタッドボルトの孔に棒状加熱体を挿入して、スタッドボルトを加熱するとスタッドボルトは熱膨張して伸張する。これによって、スタッドボルトに締め付けられているナットが浮くので、ナットを回転させる。スタッドボルトが常温に戻ったら、所望の締め付け力が得られることになる。
このように色々なタイプのボルトテンショナが提案されているが、1970年代の初期においては、位置決めや、油圧ポンプ等の操作を手動でする手動式のタイプのボルトテンショナが主に使用されていた。しかしながら、作業員を放射線の被曝から守ったり、作業の効率をアップするために、遠隔操作にて自動で操作できる全自動式のボルトテンショナが開発されてきた。このようなボルトテンショナは、電動ホイストクレーンによって吊り下げられて、任意のスタッドボルトに移動して自動的に位置決めできるようにする必要がある。そこで所定のガイド装置を備えたボルトテンショナ、例えばボルトテンショナ本体装置と、このボルトテンショナ本体の両隣に隣接して設けられている一対のガイド装置とからなるボルトテンショナが提供されている。このように構成されているボルトテンショナは、ボルトテンショナ本体が、電動ホイストクレーンによって吊り下げられて一対のガイド装置よりも上方に引き上げることができるようになっている。そして、この状態で圧力容器の円周上を横方向にスライドさせると、一対のガイド装置が上蓋上をスタッドボルトに沿って横方向に走行することになる。所定の位置に達した後に電動ホイストクレーンを駆動してボルトテンショナ本体を下降させると、ボルトテンショナ本体は所望のスタッドボルトに位置が合う。ボルトテンショナ本体置と一対のガイド装置の配置をより詳しく説明すると、これらは扁平な二等辺三角形のそれぞれの頂点に位置するように配置されている。既に説明したように、圧力容器に埋め込まれているスタッドボルトは、円周上に等間隔で埋め込まれている。つまり、所定のPCD、いわゆる所定のナット座ピッチ直径の円周上に埋め込まれている。従って、任意の1本のスタッドボルトと、その左右のスタッドボルトとは、それぞれの配置が扁平な二等辺三角形の頂点に位置していることになる。ボルトテンショナはこれらの二等辺三角形の形状が等しくなるように設計されている。このように二等辺三角形の形状が等しいので、ボルトテンショナ本体を電動ホイストクレーンによって吊り下げて、ボルトテンショナを横方向にスライドさせるとき、ボルトテンショナはスタッドボルトに沿って滑らかにスライドされ、そしてボルトテンショナ本体が所望のスタッドボルトに位置合わせされることになる。このような一対のガイド装置を備えたボルトテンショナは、スタッドボルトのPCDに合わせて設計されており、圧力容器毎に用意されている。
一対のガイド装置を備えた従来のボルトテンショナによっても、所望のスタッドボルトに自動的に位置決めすることができるので、遠隔操作してナットを締め付けることができ、放射線の被爆の恐れもなく作業の効率も高い。しかしながら、解決すべき問題点も見受けられる。具体的には、ボルトテンショナは、ボルトテンショナ本体装置と一対のガイド装置の配置を、スタッドボルトのPCDに適合するようにする必要があるので、圧力容器毎にボルトテンショナを設計しなければならないという問題がある。一般的にボルトテンショナは複雑な機構を備えていて高価であるし、保守費もかかる。従って、圧力容器毎にボルトテンショナを用意すると費用が嵩んでしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決したボルトテンショナを提供することを目的としており、具体的には、PCDの異なる圧力容器であっても圧力容器毎にボルトテンショナを用意する必要がなく、従って安価に装置を提供することができ、自動的に位置合わせして正確かつ効率よくスタッドボルトを締め付けることができるボルトテンショナを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、開口部に円周方向に沿って複数本のスタッドボルトが等間隔で植え込まれている圧力容器本体と、該圧力容器本体の開口部に、スタッドボルトに螺合しているナットによって締め付けられるようになっている上蓋とからなる圧力容器における、ナットを締め付け、あるいは弛めたるためのボルトテンショナとして構成する。そしてこのボルトテンショナは、ナット締付け装置と、該ナット締付け装置の左右の側部にピストンシリンダユニットを介して所定の角度で設けられている第1、2のガイド装置とから構成する。第1、2のガイド装置は、それぞれのガイド装置内において、取付角度が調整できるようになっているガイドプレートを備える。このガイドプレートは、ボルトテンショナが上蓋上をスタッドボルトに沿って円周方向に移動するとき、ナットに接して滑り、それによってボルトテンショナがガイドされるようにするものである。また第1、2のガイド装置のそれぞれには、上蓋上を走行すると共に、その車軸の角度を調整できるガイドローラを設ける。さらに、第1、2のガイド装置には、軸方向に駆動可能なロッドと、該ロッドの先端に交換可能に設けられているガイド部とからなる位置決め調整装置を設け、ロッドを駆動するとガイド部の先端に設けられている一対のローラがナットに接して転がってガイド部が隣り合う2個のナットの間に進入し、それによってボルトテンショナが位置決めされるようにする。
かくして、請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、開口部に円周方向に沿って複数本のスタッドボルトが等間隔で植え込まれている圧力容器本体と、該圧力容器本体の開口部に、前記スタッドボルトに螺合しているナットによって締め付けられるようになっている上蓋とからなる圧力容器における、前記ナットを締め付けあるいは弛めたるためのボルトテンショナであって、前記ボルトテンショナは、ナット締付け装置と、該ナット締付け装置の左右の側部に所定の角度で設けられている第1、2のガイド装置とからなり、前記第1、2のガイド装置は、それぞれのガイド装置内において取付角度が調整できるようになっているガイドプレートを備えると共に、車軸の角度が調整できるようになっている前記上蓋上を走行するためのガイドローラが設けられ、前記ボルトテンショナが前記上蓋上を前記スタッドボルトに沿って円周方向に移動するとき、前記ガイドプレートは前記ナットに接して滑り、それによって前記ボルトテンショナがガイドされることを特徴とするボルトテンショナとして構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボルトテンショナにおいて、前記ナット締付け装置と、前記第1、2のガイド装置とは、それぞれピストンシリンダユニットを介して接続され、ピストンシリンダユニットを駆動すると前記ナット締付け装置が前記第1、2のガイド装置に対して相対的に上方に引き上げられ、あるいは下方に下げられるように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のボルトテンショナにおいて、前記ガイドプレートは、前記第1、2のガイド装置の筐体に対して、一方の端部が回動可能に枢着され、他方の端部が所定のカム機構を介して接続されており、該カム機構を駆動して前記取付角度が調整できるように構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1、2のガイド装置のそれぞれには、軸方向に駆動可能なロッドと、該ロッドの先端に交換可能に設けられているガイド部とからなる位置決め調整装置が設けられ、前記ロッドを駆動すると前記ガイド部の先端に設けられている一対のローラが前記ナットに接して転がって前記ガイド部が隣り合う2個の前記ナットの間に進入し、それによって前記ボルトテンショナが位置決めされるように構成される。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1または第2のガイド装置には、投光器と受光器とからなるナット位置検出センサが設けられ、前記ボルトテンショナが前記上蓋上を走行するとき、前記投光器からの光がナットによって遮られ、あるいは前記受光器で検出されるように構成される。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1または第2のガイド装置には、スタッドボルトの高さを測定するリニアゲージセンサが設けられるように構成される。
以上のように、本発明によると、ボルトテンショナは、ナット締付け装置と、該ナット締付け装置の左右の側部に所定の角度で設けられている第1、2のガイド装置とからなり、第1、2のガイド装置は、それぞれのガイド装置内において取付角度が調整できるようになっているガイドプレートを備え、ボルトテンショナが上蓋上をスタッドボルトに沿って円周方向に移動するとき、ガイドプレートはナットに接して滑り、それによってボルトテンショナがガイドされるように構成されているので、ナット締付装置を電動ホイストクレーンで吊り上げてボルトテンショナを横方向に移動させるとき、滑らかに移動できると共に軌道から外れることはない。そして、ガイドプレートは取付角度が調整できるようになっているので、ナット座ピッチ直径が異なっている圧力容器に対しても、取付角度を変更すれば容易に対応することができる。また、第1、2のガイド装置のそれぞれには、上蓋上を走行すると共に、その車軸の角度を調整できるガイドローラが設けられているので、走行が滑らかになるだけでなく、ナット座ピッチ直径が異なる圧力容器に対しても車軸の角度を調整して対応することができる。
他の発明によると、ナット締付け装置と、第1、2のガイド装置とは、それぞれピストンシリンダユニットを介して接続され、ピストンシリンダユニットを駆動するとナット締付け装置が第1、2のガイド装置に対して相対的に上方に引き上げられ、あるいは下方に下げられるように構成されている。そうすると、ボルトテンショナを横方向に移動する前に、ナット締付け装置だけを引き上げ、そして横方向への移動が終了した時点でナット締付け装置を元に戻すようにすることができ、ボルトテンショナの移動の際にナット締付け装置が妨げになることはない。また他の発明によるとガイドプレートは、第1、2のガイド装置の筐体に対して、一方の端部が回動可能に枢着され、他方の端部が所定のカム機構を介して接続されており、該カム機構を駆動して取付角度が調整できるようになっているので、取付角度の調整は容易に実施できる。そして、他の発明によると、第1、2のガイド装置のそれぞれには、軸方向に駆動可能なロッドと、該ロッドの先端に交換可能に設けられているガイド部とからなる位置決め調整装置が設けられ、ロッドを駆動するとガイド部の先端に設けられている一対のローラがナットに接して転がってガイド部が隣り合う2個のナットの間に進入し、それによってボルトテンショナが位置決めされるようになっているので、精度良く正確に位置決めすることができる。さらに他の発明によると、第1または第2のガイド装置には、投光器と受光器とからなるナット位置検出センサが設けられ、ボルトテンショナが上蓋上を走行するとき、投光器からの光がナットによって遮られ、あるいは受光器で検出されるので、位置決め精度は比較的粗いが、迅速に位置決めすることができる。そして、他の発明によると、第1または第2のガイド装置には、スタッドボルトの高さを測定するリニアゲージセンサが設けられているので、容易にスタッドボルトの伸び量を測定することができ、圧力容器の上蓋の締め付け力を管理することができる。
本発明の実施の形態に係るボルトテンショナを模式的に示す図で、その(ア)(イ)はそれぞれボルトテンショナの斜視図と上面図である。 本発明の実施の形態に係るボルトテンショナのガイド装置に設けられているガイドプレートを模式的に示す図で、その(ア)はガイドプレートの斜視図、その(イ)(ウ)はガイドプレートの一部を示す上面図である。 本発明の実施の形態に係るボルトテンショナのガイド装置に設けられているガイドローラを模式的に示す図で、その(ア)は斜視図、その(イ)(ウ)は上面図である。 本発明の実施の形態に係るボルトテンショナのガイド装置に設けられている位置決め調整装置の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るボルトテンショナのナット締付け装置を示す側面断面図である。
原子炉等の圧力容器は、圧力容器本体と、この圧力容器本体の開口部を封鎖するドーム状の上蓋Cとから構成されている。圧力容器本体の開口部にはフランジ部が形成されており、このフランジ部には、等間隔に複数本のスタッドボルトB、B、…が植え込まれている。一方、上蓋Cのフランジ部FにはスタッドボルトB、B、…と整合して同数のボルト孔が明けられている。圧力容器本体に上蓋Cが被せられ締めつけられるが、このとき圧力本体のスタッドボルトB、B、…は上蓋Cのボルト孔を貫通し、貫通した部分に螺合しているナットN、N、…を所定の締付け力で締め付けることにより、上蓋Cは圧力容器本体に固着されている。図1の(ア)には、上蓋Cの一部と、スタッドボルトB、B、…と、ナットN、N、…と、上蓋Cのフランジ部Fに載せられている本実施の形態に係るボルトテンショナ1が示されている。本実施の形態に係るボルトテンショナ1は、スタッドボルトB、B、…に沿って上蓋C上を走行し、任意のスタットボルトB、B、…に位置合わせしてナットN、N、…を締め付け、あるいは弛めるようになっている。なお図においては、スタッドボルトB、B、…とナットN、N、…は点線で示されている。
本発明の実施の形態に係るボルトテンショナ1は、本体であるナット締付け装置2と、このナット締付け装置2の左右に設けられている第1、2のガイド装置4a、4bとから構成されている。ナット締付け装置2は、後で構造を詳しく説明するように、内部に設けられているプラーバによって1本のスタッドボルトBを上方に引っ張って弾性的に伸ばし、ナット回転機構によってこのスタッドボルトBに螺合しているナットNを締付けたり弛めたりするようになっている。このナット締付け装置2は、図示されていない電動ホイストクレーンによって吊り下げられている。ボルトテンショナ1は、この電動ホイストクレーンによって上蓋Cの円周方向に沿って横方向に移動できるようになっている。
第1、2のガイド装置4a、4bは、略中空の箱状を呈しており、底面と両側面は開口している。そして、第1、2のガイド装置4a、4bの内部には、それぞれ略2本のスタッドボルトB、BとナットN、Nが入るようになっている。このように第1、2のガイド装置4a、4bのそれぞれは両側面が開口しているので、ボルトテンショナ1が円周方向に移動するとき、スタッドボルトB、B、…とナットN、Nは、一方の側面の開口部から装置内に入り、他方の側面の開口部から出ることになる。つまり、これらの装置4a、4bの内部は、スタッドボルトB、B、…とナットN、N、…が通る通路になっている。
ナット締付け装置2と、第1、2のガイド装置4a、4bとは次のように連結されている。まず、ナット締付け装置2の左右の側部には、所定の取付具5a、5bが設けられ、この取付具5a、5bのそれぞれに、第1、2のピストンシリンダユニット6a、6bが、それぞれのシリンダ部において固定されている。第1、2のガイド装置4a、4bは、第1、2のピストンシリンダユニット6a、6bのピストンロッド7a、7bの先端に固着されている。これらのピストンロッド7a、7bは垂直方向に駆動されるようになっているので、第1、2のピストンシリンダユニット6a、6bを駆動し、電動ホイストクレーンによってナット締付け装置2を吊り上げると、第1、2のガイド装置4a、4bを上蓋Cのフランジ部Fに残した状態で、ナット締付け装置2だけを上方に引き上げることができる。これらの第1、2のガイド装置4a、4bは、上下の2本のガイド装置固定バー9、9によって互いに連結され、所定の角度が維持されるようになっている。ナット締付け装置2と、第1、2のガイド装置4a、4bを上から見ると、図1の(イ)に示されているように、扁平な二等辺三角形を呈するように配置されている。このような配置を円弧と見なすと、その直径は、一般的な大きさの圧力容器における、スタッドボルトB、B、…の中心を結んだ円の直径、すなわちナット座ピッチ直径もしくはPCDにおおよそ適合する。従って、ボルトテンショナ1が、上蓋C上を円周方向に移動するとき、第1、2のガイド装置4、5によってガイドされることになる。
第1、2のガイド装置4a、4bには、ボルトテンショナ1を正確にガイドするためのガイド機構、ボルトテンショナ1を所望のスタッドボルトBに位置合わせするための位置合わせ機構、等が設けられている。ガイド機構は、ガイドプレート10a、10b等からなるガイドプレート機構11a、11bと、ガイドローラ13a、13bからなるガイドローラ機構14a、14bとから構成され、位置合わせ機構は、位置決め調整装置16a、16bと、ナット位置検出センサ18とから構成されている。これらについて説明する。
ガイドプレート機構11a、11bは、第1、2のガイド装置4a、4bのそれぞれに設けられているが、ガイドプレート機構11a、11bは互いに左右対称の形状になっていて実質的に同じ形状なので、一方のガイドプレート機構11aについてのみ説明する。
ガイドプレート機構11aは、図1の(イ)に示されているように、第1のガイド装置4aの筐体に対して取付角度が調整可能なガイドプレート10aと、筐体に固定されている固定ガイドプレート19aとから構成されている。ガイドプレート10aは上蓋Cの中心に近い内側に、固定ガイドプレート19aは外側に設けられている。いずれも所定長さで所定幅の板状を呈しており、ボルトテンショナ1が上蓋C上を円周方向に移動するとき、これらのプレート10a、10b、19a、19bに、ナットN、N、…が接して滑らかに滑るようになっている。図1の(イ)において、矢印Y1方向からガイドプレート10aを見た様子が、図2の(ア)に示されている。ガイドプレート10aの一方の端部近傍は、第1のガイド装置4aの筐体に形成されているブラケット21にピン22によって軸支され、ピン22を中心に回動可能になっている。ガイドプレート10aの他方の端部近傍は所定のカム機構を介して第1のガイド装置4aの筐体に接続されている。詳しく説明すると第1のガイド装置4aの筐体には、水平に張りだした上下の取付部23、23が形成されている。この取付部23、23には、中央に孔が開けられており、1本の結合ピン24が縦方向に嵌め込まれている。ガイドプレート10aの他方の端部近傍には突部25が形成されており、この突部25にも縦方向の孔が形成され、リンクピン26が挿入されている。取付部23、23とガイドプレート10aの突部25とは所定の形状の上下のリンク27、27によって接続されている。具体的には、上下のリンク27、27は一方の端部に大径の孔が形成され、他方の端部に小径の孔が形成されている。このようなリンク27、27の小径の孔がリンクピン26によってガイドプレート10aの突部25に軸支されている。そして大径の孔が結合ピン24によって軸支されているが、結合ピン24には偏心軸28、28が設けられており、この偏心軸28、28を介して軸支されている。取付部23、23側には、この上下リンク27、27の間に所定のカム30が設けられ、結合ピン24によって回動可能に軸支されている。カム30にはガイドプレートレバー31が設けられ、このレバーによって回転できるようになっている。ガイドプレート10aの突部25には先端にスペーサ32が設けられ、カム30は滑らかにスペーサ33に当接している。従ってガイドプレートレバー31によってカム30を半回転させると、カム30によってスペーサ33が押されてガイドプレート10aの他方の端部が前方に押される。図2の(イ)(ウ)には、ガイドプレートレバー31の位置に応じて、カム30の回転位置が変化し、それによってガイドプレート10aの位置が変化する様子が示されている。このようにすると第1のガイド装置4aに対するガイドプレート10aの取付角度を変更することができ、取付角度は2つの角度から選択できることになる。なお、取付部23、23には、左右にそれぞれ小径の孔32、32、…が開けられており、左右のいずれかの孔32、32にガイドプレートロックピン34が挿入されている。これによってガイドプレートレバー31が係止され、カム30がロックされている。
次にガイドローラ機構14a、14bについて説明する。ガイドローラ機構14a、14bも第1、2のガイド装置4a、4bのそれぞれに設けられているが、これらも左右対称で実質的に同じ形状なので、一方のガイドローラ機構14aについてのみ説明する。ガイドローラ機構14aは、図3の(ア)に示されているように、ガイドローラ13aが設けられており、これによって第1のガイド装置4aが横方向に滑らかに移動できるようになっている。ガイドローラ機構14aは、次のように第1のガイド装置4aに設けられている。すなわち第1のガイド装置4aの筐体には水平な取付板36が固着されている。この取付板36の下面に接するようにガイドローラ調整板37が設けられ、ノックピン38によって取付板36に回動可能に軸支されている。このガイドローラ調整板37に車軸支持部材40が固着され、この車軸支持部材40にガイドローラ13aが回転可能に、あるいは転動可能に設けられている。ガイドローラ調整板37には、ガイドローラレバー41が固着されており、このレバーを操作すると取付板36に対してガイドローラ調整板37を左右に回動させることができ、ガイドローラ13aの車軸の角度を変更できるようになっている。取付板36には左右に2個の孔、すなわち取付板側孔43、43が開けられており、ガイドローラ調整板37にも左右に2個の孔、すなわち調整板側孔44、44が開けられている。一方の取付板側孔43と、一方の調整板側孔44とを整合させると、それぞれ他方の取付板側孔43と調整板側孔44は整合せず、他方の取付板側孔43と他方の調整板側孔44を整合させると、一方の取付板側孔43と調整板側孔44は整合しない。いずれの孔43、44を整合させるかによって、ガイドローラ13aの車軸の角度が調整でき、車軸の角度は2角度から選択できるようになっている。図3の(イ)(ウ)に、取付板側孔43、43と調整板側孔44、44の、一方を整合させたときと他方を整合させたときのそれぞれにおいてガイドローラ13aの車軸の角度が変化している様子が示されている。なお、整合している取付板側孔43と調整板側孔44には、1本のガイドローラロックピン45が挿入され、取付板36に対してガイドローラ調整板37がロックされている。
次に位置決め調整装置16a、16bについて説明するが、これらも左右対称で実質的に同じ形状なので一方についてのみ、具体的には第2のガイド装置4bに設けられている位置決め調整装置16bについて説明する。位置決め調整装置16bは、図1に示されているように、ピストンシリンダユニット47と、ガイド部49とから構成され、ガイド部49は、ピストンシリンダユニット47によって駆動されるロッド48の先端に着脱可能に設けられている。このようなピストンシリンダユニット47は、シリンダが第2のガイド装置4bの筐体に固定され、ロッド48が第2のガイド装置4bの内部に向かって水平方向に駆動されるようになっている。ガイド部49を先端の方向から見た様子が図4に示されている。図4に示されているように、ロッド48の先端は、所定長さだけ上側と下側が水平に切り取られ、中央に残された部分に縦孔51が開けられている。この縦孔51にガイド部49が接続されるようになっている。ガイド部49は略方形状を呈し、先端部が左右からテーパ状に切り落とされ、さらに上側と下側が所定の厚さで水平に切り取られている。これによって先端部は、中央部が所定の肉厚で前方に突き出た形状を呈している。このような先端部には、下側の切り取られた段部に2個のローラ58、58が回転可能に設けられている。ガイド部49が前方に駆動されると、これらのローラ52、52が隣り合う2個のナットN、Nに接して転がってガイド部49がこれらのナットN、Nの間に滑らかに進入できる。このときボルトテンショナ1が左右にわずかにずれ、ボルトテンショナ1が正確に位置合わせされることになる。ガイド部49は後方がくり抜かれてロッド48が挿入できるようになっている。そしてこのくり抜き部分には、縦方向の円柱部50が設けられ、この円柱部50はちょうどガイド部49の縦孔51に滑らかに嵌合する外径に形成されている。またガイド部49には上面に円形テーブル52が形成されており、この円形テーブル52には、円形テーブル52の中心から後方にずれた位置に縦方向の孔があけられ、円柱部50も貫通している。この孔に所定の軸53が挿入され、軸53の上端部にはクランプ55が固定されている。軸53の下端部には扁平なロック板56が固定されており、ガイド部49の円柱部50がロッド48の縦孔51から抜けないようにロックされている。クランプ55を円形テーブル52上で回転すると軸53、ロック板56が回転するが、所定の回転位置においてロック板56が縦孔51に整合してロックが解除され、円柱部50を縦孔51から抜くことができる。すなわちガイド部49をロッド48から取り外すことができるようになっている。
次にナット位置検出センサ18について説明する。ナット位置検出センサ18は、本実施の形態においては第1のガイド装置4aにのみ設けられ、図1の(ア)(イ)に示されているように、投光器59と受光器60とから構成されている。投光器59から発せられる光は、ナットNによって遮られ、そして隣接する2個のナットN、Nの間の位置で、受光器60において受光されることになる。従って、ボルトテンショナ1を円周方向にスライドさせるとき、遮光された回数をカウントすれば概略的な位置を得ることができ、さらに受光器60で受光できる位置を選択して停止するようにすれば、ボルトテンショナ1をある程度の精度で位置決めすることができる。
本実施の形態においては、第2のガイド装置4bには、図1の(ア)に示されているように、デジタルリニアゲージセンサ62が設けられている。デジタルリニアゲージセンサ62に設けられているロッド63を下方に駆動してスタッドボルトBの頭部に当接させると、スタッドボルトBの高さ、すなわち伸び量を正確に測定できることになる。
ボルトテンショナ1の本体、すなわちナット締付け装置2について説明する。スタッドボルトBは、図5に示されているように、その頭部に水平方向の溝M、M、…が複数本形成されており、ナットNにはその外周面に縦溝T、T、…が等間隔で形成されている。ナット締付け装置2は、このような溝M、M、…に係合させてスタッドボルトBを上方に引っ張り、弾性変形させて伸ばし、そしてナットNを回転して、ナットNを締付けたり弛めるするようになっている。本実施の形態に係るナット締付け装置2は、円筒状を呈しているケーシング71と、スタッドボルトBを上方に引っ張るスタッドボルト引っ張り機構72と、ナットNを回転するナット回転機構73とから構成されている。ケーシング71は、大きな荷重に耐えることができるように肉厚に形成され、その底部74においてさらに肉厚に形成されている。このケーシング71は底部74において、圧力容器の上蓋Cのフランジ部Fに載っている。
スタッドボルト引っ張り機構72は、スタッドボルトBと直径が略等しい円柱状のプラーバ76、互いにロックしてこのプラーバ76とスタッドボルトBとを連結する4個のスプリットプラーバソケット77、77、…、4個のスプリットプラーバソケット77、77、…をロックするロッキングリング78、このロッキングリング78を駆動するソケット開閉用ピストンシリンダユニット79、プラーバ76をスタッドボルトBと共に上方に持ち上げるボルト引っ張り用ピストンシリンダユニット81等から構成されている。プラーバ76の下部には、水平方向の溝82、82、…が複数本形成されている。これらの溝82、82、…のそれぞれは、上側の面が水平になっており、下側の面はテーパ状に縮径している。このように形成されているので、溝82、82、…が4個のスプリットプラーバソケット77、77、…に形成されている溝と係合して、プラーバ76を上方に引っ張り上げるとき、係合状態が維持され、引っ張り力が効率よく4個のスプリットプラーバソケット77、77、…に伝達されることになる。なお、スタッドボルトBに形成されている溝M、M、…は、プラーバ76の溝82、82、…とは反対の向き、すなわち上側の面がテーパ状に縮径していると共に下側の面が水平になっている。従って、溝M、M、…が4個のスプリットプラーバソケット77、77、…に形成されている溝と係合して、スプリットプラーバソケット77、77、…によって上方に引っ張り上げるとき、係合状態が保持され、引っ張り力が効率よくスタッドボルトBに伝達されることになる。プラーバ76には軸方向に貫通孔83が明けられ、この貫通孔83には、スタッドボルトBの位置を検出するガイドバー85が挿入されている。また、プラーバ76の上部には、ホールディングナット86が固定されている。
4個のスプリットプラーバソケット77、77、…は、1本の円筒が軸方向に4分割された形状を呈しており、スタッドボルトBとプラーバ76を囲むように配置され、互いにロックされると1本の円筒状を呈するようになっている。図5において、一点鎖線で示されている中心線CLに対して、左半分にはロックが解除された状態が、右半分にはロックされた状態が示されている。スプリットプラーバソケット77、77、…の内周面には、その下方部分にスタッドボルトBの溝M、M、…と係合するボルト係合用溝88、88、…が複数本形成され、上方部分にプラーバ76の溝82、82、…と係合するプラーバ係合用溝89、89、…が複数本形成されている。従って、4個のスプリットプラーバソケット77、77、…がロックされると、スタッドボルトBとスプリットプラーバソケット77、77、…とプラーバ76は、互いに結合されることになる。スプリットプラーバソケット77、77、…の外周面には、水平方向の溝91、91、…が等間隔で形成されている。これらの溝91、91、…は、比較的幅広であり、そのテーパ面92、92、…は比較的緩やかに形成されている。
ロッキングリング78は円筒状を呈しており、4個のスプリットプラーバソケット77、77、…を囲むように設けられている。ロッキングリング78の内周面には、スプリットプラーバソケット77、77、…の外周面に形成されている溝91、91、…と同じ形状の溝93、93、…が形成されている。このようなロッキングリング78は、連結部材94、94を介してソケット開閉用ピストンシリンダユニット79に連結されており、軸方向に駆動できるようになっている。このロッキングリング78を、所定の位置にすると、図5において中心線CLの左側に示されているように、スプリットプラーバソケット77、77、…のロック状態は解除されて開き、スプリットプラーバソケット77、77、…の外周面とロッキングリング78の内周面は密着する。ロッキングリング78を駆動すると、中心線CLの右側に示されているように4個のスプリットプラーバソケット77、77、…はロックされることになる。
ボルト引っ張り用ピストンシリンダユニット81は、そのシリンダ95がケーシング71に固定されており、ピストン96上部には球面座金97が固定されている。この球面座金97の上にホールディングナット86が載せられている。従って、ボルト引っ張り用ピストンシリンダユニット81を駆動するとホールディングナット86を介してプラーバ76を上方に引き上げることができ、それによってスタッドボルトBも上方に引っ張ることができる。
ナット回転機構73は、歯車を備えた駆動機構98と、この歯車に噛み合って回転するナット回転用歯車99とから構成されている。ナット回転用歯車99はスタッドボルトBを貫通させるために中心がくり抜かれ、ナットNの上に配置されている。ナット回転用歯車99には、ナットNの縦溝T、T、…に係合するナットソケット101、101、…が設けられている。従って、駆動機構98を駆動するとナット回転用歯車99が回転して、ナットNが回転する。
本実施の形態に係るボルトテンショナ1の作用を説明する。ボルトテンショナ1は、図1の(ア)に示されているように圧力容器の上蓋Cのフランジ部Fに載せられており、ナット締付け装置2は、所定のスタッドボルトBのナットNの位置に配置されている。最初に、全てのスタッドボルトB、B、…について伸び量を測定する方法を説明する。図示されていないコントローラからの指令によって、電動ホイストクレーンはナット締付け装置2を上方に吊り上げる。このとき、第1、2のピストンシリンダユニット6a、6bを駆動してナット締付け装置2だけが吊り上げられるようにする。ナット締付け装置2がスタッドボルトBから抜けた状態で吊り上げを停止する。電動ホイストクレーンは、ボルトテンショナ1を上蓋Cのフランジ部Fに沿って円周方向に移動させる。このとき、スタッドボルトB、B、…は、第1、2のガイド装置4a、4bの内部を通過し、ナットN、N、…はガイドプレート10a、10b、固定ガイドプレート19a、19bに接して滑らかに滑る。またガイドローラ13a、13bによって第1、2のガイド装置4a、4bは上蓋C上を滑らかに走行する。これらによって、ボルトテンショナ1はガイドされ、円周方向に移動することができる。投光器59と受光器60とからなるナット位置検出センサ18によって、第1のガイド装置4aの内部を通過するナットN、N、…の個数をカウントする。予め設定されている個数がカウントされ、ナット締付け装置2が伸び量測定対象のスタッドボルトBの位置に到達したことが確認されたら、ボルトテンショナ1の円周方向の移動を停止する。位置決め調整装置16a、16bを駆動する。そうするとガイド部49、49が隣り合う2個のナットN、N、…の間に進入し、その反動でボルトテンショナ1は左右にわずかにずれる。すなわち位置が微調整され、ボルトテンショナ1は正確に位置決めされる。ナット締付け装置2とスタッドボルトBは軸心が一致する。電動ホイストクレーンを駆動してナット締付け装置2を下降させる。ナットNとスタッドボルトBはナット締付け装置2内に入ることになる。第2のガイド装置4bのデジタルリニアゲージセンサ62によって、第2のガイド装置4b内のスタッドボルトBについてその伸び量を測定する。伸び量はコントローラに記憶させる。同様にして、電動ホイストクレーンによってナット締付け装置2を吊り上げ、次の伸び量測定対象のスタッドボルトBの位置まで移動させ、スタッドボルトBの伸び量を測定し、コントローラに記憶させる。このようにして、全てのスタッドボルトBについて伸び量を測定・記憶する。
次にナットN、N、…の締付けを行う方法を説明する。コントローラには、ナットN、N、…の締付けの順番が設定されており、この順番に従ってボルトテンショナ1は移動して、順次ナットN、N、…が締付けられる。スタッドボルトBの伸び量を測定した手順と同様にして、電動ホイストクレーンによってナット締付け装置2を吊り上げ、ナット位置検出センサによってナットN、N、…を検出させて、締付け対象のナットNの位置まで移動させる。位置決め調整装置16a、16bを駆動して位置決めし、電動ホイストクレーンによってナット締付け装置2を下降させると、締付け対象のスタッドボルトBとナットNはナット締付け装置2内に入る。ナット締付け装置2において、ソケット開閉用ピストンシリンダユニット79によってロッキングリング78を駆動してスプリットプラーバソケット77、77、…をロックする。そうすると、プラーバ76とスプリットプラーバソケット77、77、…とスタッドボルトBは連結される。ボルト引っ張り用ピストンシリンダユニット81を駆動する。そうすると、プラーバ76と連結されているスタッドボルトBは上方に引っ張られ、弾性変形して伸張する。ナット回転機構73を駆動してナットNを回転する。ナットNの締付けが完了する。以下同様にして、ボルトテンショナ1は次の締付け対象のナットNまで移動して、締付けを行う。全てのナットN、N、…について締付けを行う。
ナットN、N、…の締付けをした場合には、締付け後に全てのスタッドボルトB、B、…について伸び量を測定する。最初に実施した、スタッドボルトB、B、…の伸び量の測定方法と同様の手順によって、全てのスタッドボルトB、B、…の伸び量を測定し、コントローラに記憶する。ナットN、N、…の締付け前に測定されていたスタッドボルトB、B、…の伸び量と比較して、所望の伸び量になっているか、すなわち所望の締付け力が得られているか否かを確認する。また、全てのスタッドボルトB、B、…について伸び量が均一になっているか、すなわち締付け力が均一になっているか否かを確認する。このようにして締付け力を管理する。
ナットN、N、…を弛める方法については、当業者であれば、上で説明したナットN、N、…の締付けを行う方法から容易に理解できるので、説明を省略する。なお、ナットN、N、…を弛める場合にも、その前後においてスタッドボルトB、B、…について伸び量を測定してコントローラに記憶させるようにしても良いし、ナットN、N、…を完全に取り外す場合には伸び量の測定を省略しても良い。
本実施の形態に係るボルトテンショナ1は、ガイドプレート機構11a、11b、ガイドローラ機構14a、14bを調整し、位置決め調整装置16a、16bのガイド部49、49を交換すると、ナット座ピッチ直径が異なる2種類の大きさの圧力容器に対応させることができる。具体的には次のようにする。ボルトテンショナ1を電動ホイストクレーンによって吊り上げ、所定の作業台に載せる。以下この作業台の上で調整する。ガイドプレート機構11a、11bにおいて次のように操作する。まずガイドプレートロックピン34を一方の孔32、32から抜き、ロックを解除する。次いで図2の(イ)(ウ)に示されているように、ガイドプレートレバー31を操作してカム30を半回転させる。そうするとガイドプレート10a、10bの取付角度が変化する。ガイドプレートロックピン34を他方の孔32、32に挿入してガイドプレートレバー31をロックする。ガイドローラ機構14a、14bにおいては次のように操作する。まずガイドローラロックピン45を一方の取付板側孔43、調整板側孔44から抜いてロックを解除する。ガイドローラレバー41を操作して図3の(イ)(ウ)に示されているように、ガイドローラ13a、13bの車軸の角度を変更する。ガイドローラロックピン45を他方の取付板側孔43、調整板側孔44に挿入してロックする。位置決め調整装置16a、16bにいては次のように操作する。まずピストンシリンダユニット47を駆動してロッド48を前方に突き出す。ガイド部49においてクランプ55を回転してロック板56の係合を解除する。ガイド部49の円柱部50、ロック板56を、ロッド48の縦孔51から引き抜くようにしてガイド部49を外す。このガイド部49を他のガイド部と交換する。他のガイド部は図には示されていない。他のガイド部の円柱部をロッド48の縦孔51に挿入する。クランプを回転してロック板を回転させ他のガイド部をロッド48に固定する。これらの操作よってボルトテンショナ1は、ナット座ピッチ直径の異なる圧力容器に適合することになる。
本発明の実施の形態は色々な変形が可能である。例えば、ナット締付け装置2については、従来周知の他のナット締付け装置から構成されていても良く、本実施の形態には限定されない。例えばスタッドボルトの頭部に雄ネジが形成されている場合、この雄ネジに螺合する雌ネジが形成されているプラーバを採用することができる。そうすると、格別にスプリットプラーバソケットを設けなくてもスタッドボルトに直接プラーバを結合することができる。また、ナット締付け装置2と第1、2のガイド装置4a、4bの結合方法についても変形が可能である。本実施の形態においては、これらは第1、2のピストンシリンダユニット6a、6bによって結合されているように説明されているが、ナット締付け装置2が格納される円筒状のケーシングを別途設け、このケーシングと第1、2のガイド装置4a、4bとを所定の固定部材で結合するようにし、ナット締付け装置2はこのケーシング内で上下方向にスライド出来るようにしてもよい。ガイドプレート10a、10bについても変形が可能である。本実施の形態においてはガイドプレート10a、10bは上蓋の中心に近い内側に、固定ガイドプレート19a、19bは外側に設けられているように説明したが、これらの配置は逆になっていても良い。また固定ガイドプレート19a、19bは取付角度は不変であるように説明したが、取付角度が調整できるようになっていてもよい。さらには、センサについても変形が可能である。本実施の形態においてはスタッドボルトの伸び量は第2のガイド装置4bに設けられているデジタルリニアゲージセンサ62によって測定されるように説明したが、ナット締付け装置2にデジタルリニアゲージセンサを設けてもよいし、さらにはプラーバに歪みセンサを設けて、締付け対象のスタッドボルトの伸び量を直接測定するようにしてもよい。
1 ボルトテンショナ 2 ナット締付け装置
4a、4b 第1、2のガイド装置
6a、6b 第1、2のピストンシリンダユニット
10a、10b ガイドプレート
11a、11b ガイドプレート機構
13a、13b ガイドローラ
14a、14b ガイドローラ機構
16a、16b 位置決め調整装置
18 ナット位置検出センサ 19a 固定ガイドプレート
21 ブラケット 22 ピン
23 取付部 24 結合ピン
25 突部 26 リンクピン
27 リンク 28 偏心軸
30 カム 31 ガイドプレートレバー
34 ガイドプレートロックピン 36 取付板
37 ガイドローラ調整板 38 ノックピン
41 ガイドローラレバー 45 ガイドローラロックピン
47 ピストンシリンダユニット 48 ロッド
49 ガイド部 44 クランプ
56 ロック板 48 ローラ
59 投光器 60 受光器
62 デジタルリニアゲージセンサ 63 ロッド
71 ケーシング 72 スタッドボルト引っ張り機構
73 ナット回転機構 76 プラーバ
77 スプリットプレーバソケット 78 ロッキングリング
85 ガイドバー 86 ホールディングナット
98 駆動機構 99 ナット回転用歯車

Claims (6)

  1. 開口部に円周方向に沿って複数本のスタッドボルトが等間隔で植え込まれている圧力容器本体と、該圧力容器本体の開口部に、前記スタッドボルトに螺合しているナットによって締め付けられるようになっている上蓋とからなる圧力容器における、前記ナットを締め付けあるいは弛めたるためのボルトテンショナであって、
    前記ボルトテンショナは、ナット締付け装置と、該ナット締付け装置の左右の側部に所定の角度で設けられている第1、2のガイド装置とからなり、
    前記第1、2のガイド装置は、それぞれのガイド装置内において取付角度が調整できるようになっているガイドプレートを備えると共に、車軸の角度が調整できるようになっている前記上蓋上を走行するためのガイドローラが設けられ、
    前記ボルトテンショナが前記上蓋上を前記スタッドボルトに沿って円周方向に移動するとき、前記ガイドプレートは前記ナットに接して滑り、それによって前記ボルトテンショナがガイドされることを特徴とするボルトテンショナ。
  2. 請求項1に記載のボルトテンショナにおいて、前記ナット締付け装置と、前記第1、2のガイド装置とは、それぞれピストンシリンダユニットを介して接続され、ピストンシリンダユニットを駆動すると前記ナット締付け装置が前記第1、2のガイド装置に対して相対的に上方に引き上げられ、あるいは下方に下げられることを特徴とするボルトテンショナ。
  3. 請求項1または2に記載のボルトテンショナにおいて、前記ガイドプレートは、前記第1、2のガイド装置の筐体に対して、一方の端部が回動可能に枢着され、他方の端部が所定のカム機構を介して接続されており、該カム機構を駆動して前記取付角度が調整できるようになっていることを特徴とするボルトテンショナ。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1、2のガイド装置のそれぞれには、軸方向に駆動可能なロッドと、該ロッドの先端に交換可能に設けられているガイド部とからなる位置決め調整装置が設けられ、
    前記ロッドを駆動すると前記ガイド部の先端に設けられている一対のローラが前記ナットに接して転がって前記ガイド部が隣り合う2個の前記ナットの間に進入し、それによって前記ボルトテンショナが位置決めされるようになっていることを特徴とするボルトテンショナ。
  5. 請求項1〜のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1または第2のガイド装置には、投光器と受光器とからなるナット位置検出センサが設けられ、前記ボルトテンショナが前記上蓋上を走行するとき、前記投光器からの光がナットによって遮られ、あるいは前記受光器で検出されるようになっていることを特徴とするボルトテンショナ。
  6. 請求項1〜のいずれかの項に記載のボルトテンショナにおいて、前記第1または第2のガイド装置には、スタッドボルトの高さを測定するリニアゲージセンサが設けられていることを特徴とするボルトテンショナ。
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