JP2019090708A - 締結弛緩装置および締結弛緩方法 - Google Patents

締結弛緩装置および締結弛緩方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被締結物に対してスタッドボルトを締結するために要する時間を短縮すること。【解決手段】被締結物に締結される複数のスタッドボルトの配列方向に沿って移動する装置本体と、装置本体に支持されており、スタッドボルトに対して圧力を印加させながらナットを回転させることでスタッドボルトと被締結物との間を締結または弛緩するボルトテンショナと、ボルトテンショナがスタッドボルトに対して印加した圧力を測定する圧力検出器と、スタッドボルトが被締結物に締結されている状態のスタッドボルトの伸び量を検出する伸び量検出器と、過去から現在までのスタッドボルトが締結された位置と、スタッドボルトに印加された圧力と、スタッドボルトの伸び量とを関連付けた締結関連情報を保持する記憶部及び締結関連情報に基づいて、スタッドボルトに印加する圧力を調整する制御部を有する制御装置と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、締結弛緩装置および締結弛緩方法に関する。
加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する。
このような加圧水型原子炉に用いられる原子炉容器は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体とその上部に装着される原子炉容器蓋により構成されており、この原子炉容器本体に対して原子炉容器蓋が開閉可能となっている。そして、この原子炉容器本体に原子炉容器蓋を装着する場合、スタッドボルトを原子炉容器蓋の外周フランジを貫通し、原子炉容器本体の上部外周フランジに捩じ込んで植え込み、このスタッドボルトに圧力を印加させながら、ナットを螺合することで締結するようにしている。
特許文献1には、ボルトテンショナを用いて、原子炉容器本体に原子炉容器蓋を装着する締結弛緩装置が開示されている。
特許第5653780号公報
特許文献1の締結弛緩装置は、予め定められた油圧設定値に従ってスタッドボルトに対して圧力を印加しながらナットを回転させて、原子炉容器本体に対して原子炉容器蓋を取り付けている。この時、原子炉容器本体に原子炉容器蓋を装着した後のスタッドボルトの伸び量が規定範囲外である場合には、スタッドボルトの伸び量を規定範囲内に収めるために調整締め作業が行われることがある。この場合、作業員などは、経験および勘などに基づいて、調整締め作業に必要な油圧設定値を算出し、算出した値を締結弛緩装置に手入力する。
しかしながら、調整締め作業では、作業員などの経験および勘などに基づいて油圧設定値を算出するため、作業員に応じて算出する値が異なる場合がある。また、作業員などは、算出した油圧設定値を締結弛緩装置に手入力しているため、誤った油圧設定値を締結弛緩装置に入力してしまう場合もある。そのため、上述の締結弛緩装置には、調整締め作業に必要な油圧設定値が正しく設定されずに調整締め作業を行った場合、その後、再度の調整締め作業が必要になるので、調整締め作業に時間が掛かってしまうという問題がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、被締結物に対してスタッドボルトを締結するために要する時間を短縮することのできる締結弛緩装置および締結弛緩方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様の締結弛緩装置は、被締結物に締結される複数のスタッドボルトの配列方向に沿って移動する装置本体と、前記装置本体に支持されており、前記スタッドボルトに対して圧力を印加させながらナットを回転させることで前記スタッドボルトと前記被締結物との間を締結または弛緩するボルトテンショナと、前記ボルトテンショナが前記スタッドボルトに対して印加した圧力を測定する圧力検出器と、前記スタッドボルトが前記被締結物に締結されている状態の前記スタッドボルトの伸び量を検出する伸び量検出器と、過去から現在までの前記スタッドボルトが締結された位置と、前記スタッドボルトに印加された圧力と、前記スタッドボルトの伸び量とを関連付けた締結関連情報を保持する記憶部及び前記締結関連情報に基づいて、前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する制御部を有する制御装置と、を備える。
また、第1の態様の締結弛緩装置において、前記スタッドボルトが、第1の締結工程と、第2の締結工程との少なくとも2つの締結工程によって締結される場合、前記伸び量検出器は、前記第1の締結工程の後、前記スタッドボルトの伸び量を検出し、前記制御部は、前記締結関連情報と、前記第1の締結工程の後の前記スタッドボルトの伸び量とに基づいて、前記第2の締結工程で前記スタッドボルトに印加する圧力を調整することが好ましい。
また、第1の態様の締結弛緩装置において、前記伸び量検出器が、前記第2の締結工程の後、前記スタッドボルトの伸び量を検出した結果、前記スタッドボルトに対して調整締めが必要であった場合、前記制御部は、前記締結関連情報と、前記第2の締結工程の後の前記スタッドボルトの伸び量とに基づいて、前記調整締めの際に前記スタッドボルトに印加する圧力を調整することが好ましい。
また、第1の態様の締結弛緩装置において、前記制御部は、前記複数のスタッドボルトを前記被締結物に締結する際に印加する圧力を、前記被締結物に締結する順に応じて調整することが好ましい。
また、第1の態様の締結弛緩装置において、前記被締結物は円盤形状であり、前記スタッドボルトの配列方向は、前記被締結物の円周方向であることが好ましい。
また、第1の態様の締結弛緩装置において、隣接する前記ナット間に前記円周方向の外側から嵌入する位置決め部材を有する位置決め装置が設けられていることが好ましい。
上記した課題を解決するために、本発明の第2の態様の締結弛緩方法は、被締結物に締結される複数のスタッドボルトの配列方向に沿って移動する工程と、前記スタッドボルトに対して圧力を印加させながらナットを回転させることで前記スタッドボルトと前記被締結物との間を締結または弛緩する工程と、前記スタッドボルトに対して印加した圧力を測定する工程と、前記スタッドボルトが前記被締結物に締結されている状態の前記スタッドボルトの伸び量を検出する工程と、過去から現在までの前記スタッドボルトが締結された位置と、前記スタッドボルトに印加された圧力と、前記スタッドボルトの伸び量とを関連付けた締結関連情報を記憶する工程と、前記締結関連情報に基づいて、前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する工程と、を含む。
本発明の締結弛緩装置および締結弛緩方法によれば、スタッドボルトを被締結物に締結する際に印加する圧力を自動的に調整することができるため、作業者が手動で圧力の設定値を算出したり、算出した値を締結弛緩装置に入力したりする必要がなくなり、スタッドボルトを被締結物に締結するのに要する時間を短縮することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置の全体構成を表す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置の全体構成を表す平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置を表す斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置を表す正面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置を表す側面図である。 図6は、ボルトテンショナを表す断面図である。 図7−1は、ボルトテンショナの作動を表す概略図である。 図7−2は、ボルトテンショナの作動を表す概略図である。 図7−3は、ボルトテンショナの作動を表す概略図である。 図7−4は、ボルトテンショナの作動を表す概略図である。 図7−5は、ボルトテンショナの作動を表す概略図である。 図8は、本発明の実施形態におけるガイド装置を示す平面図である。 図9は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置が備える制御装置の構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係る締結弛緩装置の図10とは異なる動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施形態に係るテンション制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図13は、原子力発電プラントの概略構成図である。 図14は、加圧水型原子炉を表す縦断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る締結弛緩装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、図13および図14を参照しつつ、本発明の実施形態を適用することのできる、原子力発電プラントおよび加圧水型原子炉の一例について説明する。図13は原子力発電プラントの概略構成図であり、図14は加圧水型原子炉を表す縦断面図である。
図13に図示の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
図13に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ15aが設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水(冷却材)として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料(原子燃料)として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、蒸気タービン17と冷却水配管18を介して連結されており、この蒸気タービン17は高圧タービン19及び低圧タービン20を有すると共に、発電機21が接続されている。また、高圧タービン19と低圧タービン20との間には、湿分分離加熱器22が設けられており、冷却水配管18から分岐した冷却水分岐配管23が湿分分離加熱器22に連結される一方、高圧タービン19と湿分分離加熱器22は低温再熱管24により連結され、湿分分離加熱器22と低圧タービン20は高温再熱管25により連結されている。
更に、蒸気タービン17の低圧タービン20は、復水器26を有しており、この復水器26には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管27及び排水管28が連結されている。この取水管27は、循環水ポンプ29を有し、排水管28と共に他端部が海中に配置されている。そして、この復水器26は、冷却水配管30を介して脱気器31に連結されており、この冷却水配管30に復水ポンプ32及び低圧給水加熱器33が設けられている。また、脱気器31は、冷却水配管34を介して蒸気発生器13に連結されており、この冷却水配管34には給水ポンプ35及び高圧給水加熱器36が設けられている。
従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管18を通して蒸気タービン17(高圧タービン19から低圧タービン20)に送られ、この蒸気により蒸気タービン17を駆動して発電機21により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン19を駆動した後、湿分分離加熱器22で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン20を駆動する。そして、蒸気タービン17を駆動した蒸気は、復水器26で海水を用いて冷却されて復水となり、低圧給水加熱器33で、例えば、低圧タービン20から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器31で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、高圧給水加熱器36で、例えば、高圧タービン19から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器13に戻される。
このように構成された原子力発電プラントに適用された加圧水型原子炉12において、図14に示すように、原子炉容器41は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体42とその上部に装着される原子炉容器蓋43により構成されており、この原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43が開閉可能となっている。原子炉容器本体42は、上部が開口して下部が球面状に閉塞された円筒形状をなし、上部に一次冷却水としての軽水(冷却材)を給排する入口ノズル44及び出口ノズル45が形成されている。
原子炉容器本体42内にて、入口ノズル44及び出口ノズル45より下方には、円筒形状をなす炉心槽46が原子炉容器本体42の内面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽46の上部には、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板47が連結され、下部には、同じく円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板48が連結されている。そして、原子炉容器本体42内には、炉心槽46の上方に位置して円板形状をなす上部炉心支持板49が固定されており、この上部炉心支持板49から複数の炉心支持ロッド50を介して上部炉心板47、つまり、炉心槽46が吊下げ支持されている。一方、下部炉心板48、つまり、炉心槽46は、原子炉容器本体42の内面に対して複数のラジアルキー52により位置決め保持されている。
炉心槽46と上部炉心板47と下部炉心板48により炉心53が形成されており、この炉心53には、多数の燃料集合体54が配置されている。この燃料集合体54は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。そして、複数の制御棒55は、上端部がまとめられて制御棒クラスタ56となり、燃料集合体54内に挿入可能となっている。上部炉心支持板49には、この上部炉心支持板49を貫通して多数の制御棒クラスタ案内管57が支持されており、下端部が燃料集合体54の制御棒クラスタ56まで延出されている。
原子炉容器41を構成する原子炉容器蓋43の上部には、磁気式ジャッキの制御棒駆動装置58が設けられており、原子炉容器蓋43と一体をなすハウジング59内に収容されている。多数の制御棒クラスタ案内管57の上端部は、制御棒駆動装置58まで延出され、この制御棒駆動装置58から延出された制御棒クラスタ駆動軸60が、制御棒クラスタ案内管57内を通って燃料集合体54まで延出され、制御棒クラスタ56を把持可能となっている。また、図示しないが、上部炉心支持板49には、この上部炉心支持板49を貫通して多数の炉内計装案内管が支持されており、下端部が燃料集合体54まで延出されており、中性子束を計測できるセンサを挿入可能となっている。
この制御棒駆動装置58は、上下方向に延設されて制御棒クラスタ56に連結されると共に、その表面に複数の周溝を長手方向に等ピッチで配設してなる制御棒クラスタ駆動軸60を磁気式ジャッキで上下動させることで、原子炉の出力を制御している。
従って、制御棒駆動装置58により制御棒クラスタ駆動軸60を移動して燃料集合体54に制御棒55を挿入することで、炉心53内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器41内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口ノズル45から排出され、上述したように、蒸気発生器13に送られる。即ち、燃料集合体54を構成する燃料としてのウランまたはプルトニウムが核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。また、制御棒55を燃料集合体54に挿入することで、炉心53内で生成される中性子数を調整し、また、原子炉を緊急に停止するときには炉心53に急速に挿入される。
また、原子炉容器41内には、炉心53に対して、その上方に出口ノズル45に連通する上部プレナム61が形成されると共に、下方に下部プレナム62が形成されている。そして、原子炉容器41と炉心槽46との間に入口ノズル44及び下部プレナム62に連通するダウンカマー部63が形成されている。従って、軽水は、4つの入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入し、ダウンカマー部63を下向きに流れ落ちて下部プレナム62に至り、この下部プレナム62の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心板48を通過した後、炉心53に流入する。この炉心53に流入した軽水は、炉心53を構成する燃料集合体54から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体54を冷却する一方、高温となって上部炉心板47を通過して上部プレナム61まで上昇し、出口ノズル45を通って排出される。
このように構成された原子炉容器41は、上述したように、原子炉容器本体42と原子炉容器蓋43により構成され、この原子炉容器蓋43は、複数のスタッドボルト65及び複数のナット66により原子炉容器本体42の上部に着脱自在に装着されている。この場合、スタッドボルト65は、図7−1に詳細に示すように、下部ねじ部65a、貫通部65b、上部ねじ部65c、平行溝部65dを有している。そして、上部ねじ部65cにナット66が螺合するスタッドボルト65は、貫通部65bが原子炉容器蓋43に形成された取付穴43aを貫通し、下部ねじ部65aが原子炉容器本体42に形成されたねじ穴42aに捩じ込まれた状態で、スタッドボルト65に対して原子炉容器本体42から離間する軸心方向(ここでは、上方)に圧力を印加させながら、ナット66を螺合することで、締結または弛緩することができ、原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43を着脱することができる。
ここで、本発明の被締結部材は、原子炉容器本体42及び原子炉容器蓋43である。そして、第1の実施形態の締結弛緩装置は、複数のスタッドボルト65及びナット66を用いて原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43を取付けたり、取り外したりすることができるものである。以下、第1の実施形態の締結弛緩装置について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態において、図1及び図2に示すように、原子炉格納容器11(図13参照)を構成する建屋11aに対してハウジング59の支持円盤59aが複数の支持ロッド71により支持されている。この支持円盤59aは、外周部にガイドレール72が固定され、4つの搬送装置(電動トロリーホイスト)73が移動自在に支持されている。そして、この4つの搬送装置73は、それぞれリフト装置74を有しており、吊りケーブル75を介して締結弛緩装置76が吊り下げ支持されると共に、昇降可能となっている。この場合、4つの搬送装置73及び締結弛緩装置76は、ほぼ同様の構成をなし、周方向に均等間隔(90度間隔)に配置されている。
搬送操作装置77は、テンション制御装置78が連結されると共に、電源部79及び空気圧源80が連結されている。そして、搬送操作装置77は、電源ケーブル81により各搬送装置73及び各締結弛緩装置76に接続されると共に、空圧ホース82により各締結弛緩装置76に接続されている。
締結弛緩装置76は、上述したように、原子炉容器本体42及び原子炉容器蓋43の外周部に対して複数のスタッドボルト65が捩じ込まれて配列されると共に、この複数のスタッドボルト65にそれぞれナット66が螺合し、スタッドボルト65に原子炉容器本体42から離間する軸心方向に圧力を印加させながらナット66を回転して締結または弛緩を行うものである。
即ち、締結弛緩装置76は、図3乃至図5に示すように、装置本体101と、ボルトテンショナ102と、2つのガイド装置103と、2つの位置決め装置104と、制御装置107と、を有する。
吊り金具111は、搬送装置73におけるリフト装置74の吊りケーブル75に吊り下げ支持可能であり、複数の吊りロッド112により支持プレート113が支持されている。装置本体101は、この吊り金具111、吊りロッド112、支持プレート113などにより構成されている。従って、装置本体101は、上部が搬送装置73に支持されることで、スタッドボルト65の配列方向(原子炉容器本体42及び原子炉容器蓋43の円周方向)に沿って移動自在に支持されることとなる。
ボルトテンショナ102は、上部が支持プレート113の中央部を貫通するように支持されており、上部に油タンク114、油圧ポンプユニット115、圧力計116が配置されている。従って、ボルトテンショナ102は、装置本体101に装着されることから、リフト装置74の作動によりスタッドボルト65の軸心方向に沿って移動自在となる。ここで、圧力計116は、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する際に、ボルトテンショナ102に印加する圧力を測定するように構成されている。
このボルトテンショナ102において、図6に示すように、円筒形状をなすハウジング201は、上部が支持プレート113に嵌入して固定されており、先端部が原子炉容器蓋43の上面に当接可能となっている。プラーバ202は、ハウジング201よりも小径の円筒形状をなし、このハウジング201内の中心部に収容されている。このプラーバ202は、ハウジング201の内周面に図示しないピストンを介して移動自在に嵌合しており、油圧ポンプユニット115により給排される油圧により軸心方向(上下方向)に沿って移動可能となっている。そして、プラーバ202は、下端部に平行溝部202aが形成されている。
プラーバソケット203は、周方向に4分割された円筒形状をなし、ハウジング201とプラーバ202の下端部及びスタッドボルト65との間に配置されている。このプラーバソケット203は、上端部がカラー204を介してプラーバ202の下部に支持されており、4分割された各部材が径方向に移動自在で、且つ、外側に付勢支持されている。そして、このプラーバソケット203は、上部内周面にプラーバ202の平行溝部202aに係合する上係合溝部203aが形成されると共に、下部内周面にスタッドボルト65の平行溝部65dに係合する下係合溝部203bが形成されている。また、プラーバソケット203は、外周面に凹凸部203cが形成されている。
また、ロッキングリング205は、円筒形状をなし、ハウジング201とプラーバソケット203との間に配置されている。このロッキングリング205は、内周面にプラーバソケット203の凹凸部203cに嵌合可能な凹凸部205aが形成されている。そして、ロッキングリング205は、ハウジング201の内周面に装着された複数のエアシリンダ206により昇降可能となっている。従って、ロッキングリング205が上昇位置にあるとき、図6にて左側に示すように、プラーバソケット203が径方向の外側に移動し、凹凸部205aがこのプラーバソケット203の凹凸部203cに嵌合しており、各係合溝部203a,203bは、プラーバ202の平行溝部202a及びスタッドボルト65の平行溝部65dに係合していない。一方、ロッキングリング205が下降位置にあるとき、図6にて右側に示すように、凹凸部205aがプラーバソケット203の凹凸部203cを押圧し、プラーバソケット203が径方向の内側に移動し、各係合溝部203a,203bは、プラーバ202の平行溝部202a及びスタッドボルト65の平行溝部65dに係合する。
ハウジング201は、その下端内周部にナットソケット207が回転自在に支持されており、外周部に従動ギア208が固定されている。このナットソケット207は、ナット66に対して軸心方向には相対移動自在である一方、周方向には一体回転自在になっている。また、ハウジング201は、その下端外周部にナットソケット207を回転させるナット回転装置209が装着されている。このナット回転装置209は、ハウジング201に固定されるケース210、電動サーボモータ211、駆動ギア212、3つの中間ギア213から構成されている。従って、電動サーボモータ211により駆動ギア212を正回転させると、その回転駆動力が各中間ギア213を介して従動ギア208に伝達され、ナットソケット207を回転し、ナット66を回転して締結することができる。一方、電動サーボモータ211により駆動ギア212を逆回転させると、その回転駆動力が各中間ギア213を介して従動ギア208に伝達され、ナットソケット207を回転し、ナット66を回転して弛緩することができる。
従って、まず、図7−1に示すように、搬送装置73により締結弛緩装置76を移動し、所定の位置、つまり、ボルトテンショナ102とスタッドボルト65及びナット66の位置で停止する。次に、図7−2に示すように、リフト装置74により締結弛緩装置76を下降し、ボルトテンショナ102をスタッドボルト65及びナット66に係合させる。そして、図7−3に示すように、プラーバソケット203を径方向の内側に移動し、スタッドボルト65の平行溝部65dをチャッキングする。この状態で、図7−4に示すように、油圧ポンプユニット115を作動することでプラーバ202を上昇させ、スタッドボルト65に対して原子炉容器本体42から離間する軸心方向(上方)に圧力を印加する。そして、図7−5に示すように、ナット回転装置209を作動することでナットソケット207を回転し、ナット66を回転して締結または弛緩することができる。
また、締結弛緩装置76にて、図3乃至図5に示すように、ボルトテンショナ102に対して装置本体101の移動方向の前後にガイド装置103が設けられている。この前後のガイド装置103は、ボルトテンショナ102の中心線に対して対称をなす形状であり、ほぼ同様の構成となっている。
即ち、前後のシリンダ121は、本体が支持プレート113に固定され、下方に延びるピストンロッド121aの先端部に断面が逆U字形状をなす箱体122が連結されている。なお、シリンダ121は、ピストンロッド121aの最長伸張位置が規制されている。この箱体122は、図8に詳細に示すように、装置本体101の移動方向の左右両側に内ガイド部材123と外ガイド部材124が装着されている。この各ガイド部材123,124は、それぞれが対向する側にガイド片125,126が固定され、このガイド片125,126は、スタッドボルト65の配列方向(円周方向)に沿った湾曲形状をなしている。この場合、各ガイド片125,126は、隣接する2つ(または、3つ以上)のナット66の外周に接触可能となっている。また、各ガイド部材123,124は、前方側の端部と後方側の端部にそれぞれ上下に沿う回転軸心を有するガイドローラ127,128が装着されている。
この場合、箱体122、各ガイド部材123,124、ガイド片125,126、ガイドローラ127,128などによりガイド装置103が構成されている。また、シリンダ121は、装置本体101と共にボルトテンショナ102が昇降しても、ピストンロッド121aが伸縮することで、装置本体101とガイド装置103とが相対移動するようになっている。更に、2つのガイド装置103は、円周方向の外側で、各箱体122が上下2つの連結部材129により連結されており、所定の剛性が確保されている。
従って、この各ガイド部材123,124におけるガイド片125,126やガイドローラ127,128は、装置本体101の移動方向の左右両側から各スタッドボルト65に螺合した各ナット66の外周に接触することで、この装置本体101の下部をガイドすることができる。
また、締結弛緩装置76にて、図3乃至図5に示すように、ボルトテンショナ102に対して装置本体101の移動方向の前後にガイド装置103と共に位置決め装置104が設けられている。この前後の位置決め装置104は、ガイド装置103に装着され、ボルトテンショナ102の中心線に対して対称をなす形状であり、ほぼ同様の構成となっている。
即ち、ガイド装置103の箱体122の側部(原子炉容器蓋43における円周方向の外側)に箱型のケース131が固定され、このケース131内にエアシリンダ132が装着されている。このエアシリンダ132は、原子炉容器蓋43における円周方向の内側に向けてピストンロッド132a(図8参照)が伸縮可能であり、先端部に隣接するナット66間に円周方向の外側から嵌入する位置決め部材133が装着されている。また、ケース131は、箱体122側に位置して下部に車輪134が装着されており、ガイド装置103及び位置決め装置104の荷重が車輪134により支持され、原子炉容器蓋43の上面を転動可能となっている。
この場合、ケース131、エアシリンダ132、位置決め部材133などにより位置決め装置104が構成されている。
従って、所定の位置で、エアシリンダ132を作動してピストンロッド132aを伸張すると、位置決め部材133が隣接するナット66間に嵌入することで、装置本体101をその移動方向に対して所定の位置に位置決めすることができる。
なお、前方側のガイド装置103の箱体122に、締結弛緩装置76による作業前後におけるスタッドボルト65の伸び量を検出する伸び量検出装置141が設けられ、この伸び量検出装置141の検出結果に基づいてボルトテンショナ102に適正に圧力が印加されて締結されているかを検出している。また、前方側のガイド装置103の箱体122にナット66を検出するナット検出センサ(光センサ)142が設けられ、位置決め装置104のケース131に車輪134の回転数を検出するロータリエンコーダ143が設けられており、ナット検出センサ142及びロータリエンコーダ143の検出結果に基づいて装置本体101、つまり、ボルトテンショナ102の移動位置を検出している。
ここで、締結弛緩装置76において、スタッドボルト65に対して印加する圧力を制御する方法について説明する。本実施形態では、締結弛緩装置76の制御装置107が、スタッドボルト65に印加する圧力の大きさを制御するように構成されている。
図9は、制御装置107の構成を示すブロック図である。図9に示すように、制御装置107は、記憶部117と、制御部118とを備える。
記憶部117は、締結されたスタッドボルト65の位置と、圧力計116で測定したスタッドボルト65に印加された圧力と、伸び量検出装置141で測定したスタッドボルト65の伸び量とが関連付けられた過去から現在までの締結関連情報を記憶している。過去から現在までの締結関連情報とは、スタッドボルト65の締結時に取得した履歴の情報である。
制御部118は、ボルトテンショナ102に対して、締結するスタッドボルト65の位置を指定する。制御部118は、スタッドボルト65を締結する際に、スタッドボルト65に対して印加する圧力を、締結関連情報に基づいて設定する。すなわち、本実施形態では、制御部118が、過去に測定されたスタッドボルト65に対して印加された圧力と、伸び量とに基づいてボルトテンショナ102を制御するため、スタッドボルト65に印加する圧力を適切に設定することができる。また、制御部118は、スタッドボルト65に実際に印加された圧力に関する情報を圧力計116から取得し、スタッドボルト65の伸び量に関する情報を伸び量検出装置141から取得する。そして、制御部118は、今回締結されたスタッドボルト65の位置と、スタッドボルト65に実際に印加された圧力と、スタッドボルト65の伸び量とを関連付けて締結関連情報を生成し、生成した締結関連情報を記憶部117に格納する。
制御部118は、被締結物に対して複数のスタッドボルト65が締結される場合に、被締結物にスタッドボルト65が締結される順番に応じて、スタッドボルト65に印加する圧力を調整するようにしてもよい。これは、被締結物に締結されるスタッドボルト65の数が多くなると、締結が進むにつれて、最初の方に締結したスタッドボルト65に弛みが生じてしまう可能性があるためである。このような場合、制御部118は、最初の方に締結するスタッドボルト65に対しては、割増分の圧力を考慮してスタッドボルト65に印加する圧力を調整する。
ここでは、制御部118が、原子炉容器本体42と、原子炉容器蓋43との間を54本のスタッドボルト65で複数のセットに分けて締結する場合について説明する。この場合、制御部118は、例えば、最初の3セット(1〜3セット)を1セット4本のスタッドボルト65で締結する際に、スタッドボルト65に対して印加する圧力を本来必要な圧力の1.12倍に調整する。制御部118は、例えば、次の3セット(4〜6セット)を1セット4本のスタッドボルト65で締結する際に、スタッドボルト65に対して印加する圧力を本来必要な圧力の1.06倍に調整する。そして、制御部118は、例えば、最後の5セット(7〜12セット)を1セット5本のスタッドボルト65で締結する際に、スタッドボルト65に対して印加する圧力を本来必要な圧力に調整する。このように、制御部118が、被締結物に対して締結される順番に応じて、スタッドボルト65に印加する圧力を調整することで、締結が進むにつれて生じるスタッドボルト65の弛みを防止することができる。なお、上述した割増分の圧力は、例示であり、本発明を限定するものではない。割増分の圧力は、被締結物の設計に応じて、設定すればよい。
[締結弛緩装置の動作]
図10を参照しつつ、本実施形態に係る締結弛緩装置において圧力を制御する動作の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係る締結弛緩装置において圧力を制御する動作の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、装置本体101は、スタッドボルト65の配列方向に沿って、締結対象のスタッドボルト65の位置まで移動する(ステップS101)。次に、制御部118は、記憶部117が保持する締結関連情報に基づいて、スタッドボルト65に対して印加する圧力を設定する(ステップS102)。次に、ボルトテンショナ102は、ステップS102において設定された圧力をスタッドボルト65に印加させつつ、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する(ステップS103)。次に、圧力計116は、ステップS103において、スタッドボルト65に実際に印加された圧力を測定する(ステップS104)。次に、伸び量検出装置141は、原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結されているスタッドボルト65の伸び量を測定する(ステップS105)。次に、制御部118は、スタッドボルト65の位置と、スタッドボルト65に対して実際に印加された圧力と、スタッドボルト65の伸び量とを関連付け、締結関連情報として記憶部117に格納する(ステップS106)。
上述のとおり、第1の実施形態は、制御部118が、締結関連情報に基づいて、スタッドボルト65に印加する圧力を自動的に設定している。これにより、第1の実施形態では、各スタッドボルト65に応じた適切な圧力を設定することができる。このため、第1の実施形態では、1つの締結工程でスタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結することができるので、作業時間を短縮することができる。これは、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する作業を短縮することは、放射線被ばくの観点からも有利となる。また、本実施形態では、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結するたびに、締結関連情報を記憶部117に格納しているので、締結関連情報のデータ量は経時的に増加する。これにより、制御部118が設定する圧力の精度は、経時的に向上する。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、1つの締結工程で、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結している。しかしながら、第1の締結工程と、第2の締結工程との少なくとも2つの締結工程と、調整締めを行う調整締め工程とによって、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結することがある。以下、第1の締結工程と、第2の締結工程と、調整締め工程とによって、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する方法について説明する。
この場合、第1の締結工程は、第2の締結工程よりも小さな圧力でスタッドボルト65を締めつける工程である。第2の締結工程は、スタッドボルト65の伸び量を、規定の伸び量に収めるためにスタッドボルト65を締めつける工程である。調整締め工程は、第2の締結工程において、規定の伸び量から外れたスタッドボルト65に対して、規定の伸び量に収めるためにスタッドボルト65を締めつけたり、弛めたりする工程である。
第2の実施形態では、記憶部117は、第1の締結工程における締結関連情報と、第2の締結工程における締結関連情報と、調整締め工程における締結関連情報とを保持している。すなわち、記憶部117は、スタッドボルト65を締めつける、それぞれの工程についての締結関連情報を保持している。これにより、制御部118は、第1の締結工程、第2の締結工程、および調整締め工程のいずれの工程においても、締結関連情報に基づいて、スタッドボルト65に印加する圧力を設定することができる。
図11は、第1の締結工程と、第2の締結工程と、調整締め工程によって、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する締結弛緩装置76の動作の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部118は、第1の締結工程における締結関連情報に基づいて、第1の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力を設定する(ステップS201)。ここで、第1の締結工程では、第2の締結工程で設定される圧力よりも、小さな圧力を設定する。具体的には、第1の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力の大きさは、例えば、第2の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力の大きさの70%程度である。
次に、ボルトテンショナ102は、ステップS201で設定された圧力に従って、スタッドボルト65を締めつける(ステップS202)。
次に、圧力計116は、ステップS202において、スタッドボルト65に実際に印加された圧力を測定する(ステップS203)。伸び量検出装置141は、ステップS202において締めつけたスタッドボルト65の伸び量を測定する(ステップS204)。
次に、制御部118は、ステップS202で締めつけられたスタッドボルト65の位置と、ステップS203で測定した圧力と、ステップS204で測定した伸び量とを関連付けて第1の締結工程における締結関連情報を生成し、記憶部117に格納する(ステップS205)。
次に、制御部118は、第2の締結工程における締結関連情報と、ステップS204で測定したスタッドボルト65の伸び量に基づいて、第2の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力を設定する(ステップS206)。ここでは、制御部118は、第1の締結工程後のスタッドボルト65の伸び量を考慮しているため、第2の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力を適切に設定することができる。また、制御部118は、第1の締結工程における締結関連情報と、ステップS204で測定したスタッドボルト65の伸び量とを比較することで、過去のデータと、実測値とのずれを算出してもよい。これにより、制御部118は、過去のデータと、実測値とのずれに基づいて、ボルトテンショナ102およびスタッドボルト65などの現状の状態を把握することができる。この場合、制御部118は、現状のボルトテンショナ102や、スタッドボルト65などの状態に応じて、第2の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力を補正することによって、スタッドボルト65に印加する圧力をより適切に設定することができる。また、制御部118は、原子炉容器本体42と、原子炉容器蓋43との間に設置されるOリングなどのシール部材のシール特性の変化を考慮に入れて、スタッドボルト65に印加する圧力を設定してもよい。さらに、制御部118は、第1の締結工程でスタッドボルト65に影響を与えるパラメータであれば、そのパラメータを考慮して、第2の締結工程でスタッドボルト65に印加する圧力を設定してもよい。
ボルトテンショナ102は、ステップS206で設定された圧力に従って、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結する(ステップS207)。ここで、圧力計116は、ステップS207において、スタッドボルト65に実際に印加された圧力を測定する(ステップS208)。伸び量検出装置141は、ステップS207において締結されたスタッドボルト65の伸び量を測定する(ステップS209)。
次に、制御部118は、ステップS202で締結されたスタッドボルトの位置と、ステップS208で測定した圧力と、ステップS209で測定した伸び量とを関連付けて第2の締結工程における締結関連情報を生成し、記憶部117に格納する(ステップS210)。
次に、制御部118は、ステップS209で測定されたスタッドボルト65の伸び量が規定範囲内であるか否かを判定する。スタッドボルト65の伸び量が規定範囲内である場合(ステップS211の「YES」)、締結弛緩装置76は動作を終了する。また、スタッドボルト65の伸び量が規定範囲外である場合(ステップS211の「NO」)、制御部118は、調整締めを行うために、調整締め工程における締結関連情報と、ステップS209で測定したスタッドボルト65の伸び量に基づいて、スタッドボルト65に対して調整締めを行うための圧力を設定する(ステップS212)。
次に、ボルトテンショナ102は、ステップS212で設定された圧力に従って、スタッドボルト65に対して調整締めを行う(ステップS213)。
圧力計116は、ステップS213において、スタッドボルト65に実際に印加された圧力を測定する(ステップS214)。伸び量検出装置141は、ステップS213において締結されたスタッドボルト65の伸び量を測定する(ステップS215)。
ここで、制御部118は、ステップS202で締結されたスタッドボルトの位置と、ステップS214で測定した圧力と、ステップS215で測定した伸び量とを関連付けて調整締めにおける締結関連情報を生成するとともに、記憶部117に格納する(ステップS216)。
次に、制御部118は、ステップS215で測定されたスタッドボルト65の伸び量が規定範囲内であるか否かを判定する。スタッドボルト65の伸び量が規定範囲内である場合(ステップS217の「YES」)、締結弛緩装置76の動作は終了する。また、スタッドボルト65の伸び量が規定範囲外である場合(ステップS217の「NO」)、締結弛緩装置76は、ステップS212に戻り、ステップS212〜ステップS217の処理を繰り返す。
上述のとおり、本実施形態は、制御部118が、第1の締結工程、第2の締結工程、および調整締め工程のいずれにおいても、締結関連情報に基づいて、スタッドボルト65に印加する圧力を自動的に設定している。このため、本実施形態では、作業員などが行っていた調整締めも自動で行うことができるので、スタッドボルト65を原子炉容器本体42および原子炉容器蓋43に締結するための作業時間を短縮することができる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態および第2の実施形態では、図2に示す各締結弛緩装置76が制御装置107を備えている。本発明の第3の実施形態では、例えば、図2に示すテンション制御装置78が、各締結弛緩装置76のボルトテンショナ102の圧力を設定するように構成されている。すなわち、第3の実施形態では、テンション制御装置78が各締結弛緩装置76を制御している。
図12は、締結弛緩装置76と、テンション制御装置78との構成を示すブロック図である。図12に示すように、テンション制御装置78は、全体記憶部83と、全体制御部84とを備える。
全体記憶部83は、図2に示す各締結弛緩装置76が締結するスタッドボルト65の位置と、スタッドボルト65に印加された圧力と、スタッドボルト65の伸び量とを関連付けた締結関連情報を保持している。すなわち、全体記憶部83は、締結弛緩装置76ごとに締結関連情報を保持している。
全体制御部84は、各締結弛緩装置76からスタッドボルト65の位置に関する情報と、スタッドボルト65に印加された情報と、スタッドボルト65の伸び量に関する情報を受ける。そして、全体制御部84は、受けた各情報に基づいて、締結弛緩装置76ごとの締結関連情報を生成し、生成した締結関連情報を全体記憶部83に格納する。また、全体制御部84は、全体記憶部83が保持する締結関連情報に基づいて、各締結弛緩装置76のボルトテンショナ102がスタッドボルト65に印加する圧力を設定する。さらに、全体記憶部83が締結弛緩装置76ごとの締結関連情報を保持しているため、全体制御部84は、締結弛緩装置76が締結するスタッドボルトの位置が換わったとしても、各締結弛緩装置76の性能を考慮して、適切に圧力を設定することができる。なお、全体制御部84が、各締結弛緩装置76を制御する方法については、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の方法と同様であるため、説明は省略する。
また、上述した各実施形態では、本発明の締結弛緩装置を原子炉容器41に適用して説明したが、被締結部材としてはこれに限るものではなく、複数のスタッドボルト及びナットが所定の方向に沿って配列されたものであれば、いずれのものであっても適用することができる。
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
17 蒸気タービン
21 発電機
41 原子炉容器
42 原子炉容器本体(被締結部材)
43 原子炉容器蓋(被締結部材)
46 炉心槽
53 炉心
54 燃料集合体
55 制御棒
58 制御棒駆動装置
59 ハウジング
65 スタッドボルト
66 ナット
73 搬送装置
74 リフト装置
76 締結弛緩装置
83 全体記憶部
84 全体制御部
101 装置本体
102 ボルトテンショナ
103 ガイド装置
104 位置決め装置
107 制御装置
116 圧力計
117 記憶部
118 制御部
123 内ガイド部材
124 外ガイド部材
125,126 ガイド片
127,128 ガイドローラ
132 エアシリンダ
133 位置決め部材
141 伸び量検出装置

Claims (7)

  1. 被締結物に締結される複数のスタッドボルトの配列方向に沿って移動する装置本体と、
    前記装置本体に支持されており、前記スタッドボルトに対して圧力を印加させながらナットを回転させることで前記スタッドボルトと前記被締結物との間を締結または弛緩するボルトテンショナと、
    前記ボルトテンショナが前記スタッドボルトに対して印加した圧力を測定する圧力検出器と、
    前記スタッドボルトが前記被締結物に締結されている状態の前記スタッドボルトの伸び量を検出する伸び量検出器と、
    過去から現在までの前記スタッドボルトが締結された位置と、前記スタッドボルトに印加された圧力と、前記スタッドボルトの伸び量とを関連付けた締結関連情報を保持する記憶部及び前記締結関連情報に基づいて、前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する制御部を有する制御装置と、
    を備える、締結弛緩装置。
  2. 前記スタッドボルトが、第1の締結工程と、第2の締結工程との少なくとも2つの締結工程によって締結される場合、
    前記伸び量検出器は、前記第1の締結工程の後、前記スタッドボルトの伸び量を検出し、
    前記制御部は、前記締結関連情報と、前記第1の締結工程の後の前記スタッドボルトの伸び量とに基づいて、前記第2の締結工程で前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する、請求項1に記載の締結弛緩装置。
  3. 前記伸び量検出器が、前記第2の締結工程の後、前記スタッドボルトの伸び量を検出した結果、前記スタッドボルトに対して調整締めが必要であった場合、
    前記制御部は、前記締結関連情報と、前記第2の締結工程の後の前記スタッドボルトの伸び量とに基づいて、前記調整締めの際に前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する、請求項2に記載の締結弛緩装置。
  4. 前記制御部は、前記複数のスタッドボルトを前記被締結物に締結する際に印加する圧力を、前記被締結物に締結する順に応じて調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の締結弛緩装置。
  5. 前記被締結物は円盤形状であり、
    前記スタッドボルトの配列方向は、前記被締結物の円周方向である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の締結弛緩装置。
  6. 隣接する前記ナットの間に前記円周方向の外側から嵌入する位置決め部材を有する位置決め部材が設けられている、請求項5に記載の締結弛緩装置。
  7. 被締結物に締結される複数のスタッドボルトの配列方向に沿って移動する工程と、
    前記スタッドボルトに対して圧力を印加させながらナットを回転させることで前記スタッドボルトと前記被締結物との間を締結または弛緩する工程と、
    前記スタッドボルトに対して印加した圧力を測定する工程と、
    前記スタッドボルトが前記被締結物に締結されている状態の前記スタッドボルトの伸び量を検出する工程と、
    過去から現在までの前記スタッドボルトが締結された位置と、前記スタッドボルトに印加された圧力と、前記スタッドボルトの伸び量とを関連付けた締結関連情報を記憶する工程と、
    前記締結関連情報に基づいて、前記スタッドボルトに印加する圧力を調整する工程と、
    を含む、締結弛緩方法。
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