JP5341667B2 - ノブ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばスイッチ装置の操作部として用いられるノブに関する。
例えば車両には、走行モードの選択その他の各種機器の駆動や、切替のためのスイッチ装置が設けられている。
スイッチ装置を操作するノブとして、外観に特徴を持たせる目的で、異なる色彩部位を備えたり、あるいは表面処理を行う表側とその裏側の機能部位とを分けるために、裏側のの成形部材であるムービングブロックに対し異なる樹脂材料でさらに表側のノブキャップをモールドして一体としたいわゆる2色モールド構造のものがある。
例えば、図15に示すような、ムービングブロック112の後部の外周面がノブキャップ111の後側に連なるようなノブ110においてノブキャップ111の表面を電気メッキするとき、ノブキャップ111をABS、ムービングブロック112をポリカーボネイトで形成した場合には、通電性の相違によりムービングブロック112にはメッキが付きにくく、ノブキャップ111にのみメッキされるので、外周面におけるノブキャップ111とムービングブロック112の境界が明確で美観を損なうことがない。
図15のノブ110において、ムービングブロック後端の114はスイッチ側部材を押圧するための押圧部であり、116、117はスイッチ側の相手部材を受け入れる機能空間である。
ところで、重量低減、材料費のコスト低減などのため、ノブ内部を肉抜きしようとする場合、ムービングブロック112を前側から肉抜きしても、ノブキャップ111をモールドする際に溶融状態の材料が肉抜きした空間に流れ込んで埋めてしまうので、後側からしか肉抜きができない。
しかしながら、後側からでは図15に示す空間119、120のように狭く薄い空間しか肉抜きできず、肉抜き型に対する十分な抜きテーパを形成できないため、ノブの成形性が悪いという問題があった。
また、ノブキャップ111の表面処理として、メッキの代わりに塗装を施す場合には、材料の相違によっては塗料の付着性に大きな差はないので、ムービングブロック112にまで塗料が付着して、外周面における塗装されたノブキャップ111と非塗装のムービングブロック112の明確な境界線を得ることが困難である。この対策としては、塗装を施したくないムービングブロック112側にマスキングを施す作業などが必要となり、コストと作業工数を増大させるという問題を招く。
したがって本発明は、上記従来の問題点に鑑み、有効な肉抜きを低コストで簡便に実現できる構造のノブを提供することを目的とする。
このため請求項1の発明は、底壁と側壁を有するノブキャップと、凹部を有して該ノブキャップの内側に嵌めこまれたムービングブロックとからなり、ノブキャップの側壁の開口端側に径方向内方に向かう爪が設けられるとともに、底壁の内面には、その底壁に対向するムービングブロックの端縁の角に対応する円周上において軸心を囲む3位置に突起が設けられ、該突起は底壁の内面からの高さが径方向に変化する傾斜面を有し、ムービングブロックはノブキャップの側壁の開口端側の内面に沿う外周面を有し、該外周面には上記爪に対応する係止穴が設けられて、爪が係止穴に係止されてノブキャップとムービングブロックが軸方向に一体化するとともに、ムービングブロックの端縁の角が突起の傾斜面に当接しており、ノブキャップにはさらに軸心から離間した位置から軸方向に延びる規制ロッドが設けられ、ムービングブロックには規制ロッドと周方向に係合する係合部が設けられているものとした。
請求項2の発明は、固定部材に組みつけられてスイッチ操作するためのノブであって、請求項1の構成に加えて、さらにノブキャップに軸心から離間した位置から軸方向に延びて開口端から突出する規制ロッドが設けられ、ムービングブロックは径方向に膨らんだ膨出部を有して、該膨出部に規制ロッドを貫通させる貫通路が設けられて、規制ロッドの先端が、ノブキャップを軸周りに所定角度回動させたときに固定部材側のストッパに当接する回動側ストッパを構成するものとした。
請求項の発明は、請求項の発明において、さらにムービングブロックには、規制ロッドにおける固定部材側のストッパに当接する端とは反対側の端に当接する支持壁が設けてあるものとした。
また、請求項の発明は、請求項2または3の発明において、とくに規制ロッドが、ノブキャップの軸心を挟んだ対象位置から外れた位置に2本設けてあるものとした。
請求項の発明は、上記各請求項の発明において、ノブキャップの底壁に対向するムービングブロックの端が凹部によりリング状をなしており、端縁の角がリング状の端の内周縁の角であり、突起の傾斜面は軸心に近づくほど底壁からの高さが高くなるように変化しているものとした。
請求項1の発明によれば、ムービングブロックはその端縁の角が傾斜面に案内されてノブキャップの軸心上に自動的に芯合わせされるとともに、軸方向がガタなくノブキャップと一体になる。
また、ノブキャップとムービングブロックは爪と係止穴の係止により一体化されるので、低コストで製作でき、作業工数も少なくて済む。
ノブキャップとムービングブロックは個別に成形されるので、2色モールドによる一体化の場合とは異なり、ムービングブロックに十分な肉抜きを行うことができ、ノブの軽量化と材料費低減が向上するとともに、例えばノブキャップだけ塗装することが可能であるから、マスキングの必要なしに、非塗装のムービングブロックに対し明確な塗装の境界線が得られる。さらに、規制ロッドと係合部の係合により、ノブキャップに大きな回動操作力が加えられた場合でもムービングブロックに対して空回りするおそれがない。
請求項2の発明は、ノブキャップから延びる規制ロッドがムービングブロックを貫通して回動側ストッパとなるので、操作者は回動規制位置をノブキャップから直接感知することができ、ガタのない高い精密感が得られる。
請求項の発明は、規制ロッドが支持壁88により裏打ち支持されるので、ノブに過大な回動力が加わった場合でも規制ロッドが破損するおそれがない。
そして請求項の発明は、ムービングブロックに対するノブキャップの位置決めが容易であるとともに、ノブキャップに加えられた回動力を確実にムービングブロックに伝達することができる。
請求項の発明は、ムービングブロックの凹部によりリング状に残った部分の内周縁の角を傾斜面に当接させるから、芯合わせ用に別途の穴を設ける必要なしに位置決めができる。
スイッチ装置の全体構成を示す断面図である。 ノブキャップの構成を示す図である。 ノブキャップの構成を示す図である。 ムービングブロックの構成を示す図である。 ムービングブロックの構成を示す図である。 貫通路を示す断面図である。 ノブキャップとムービングブロックを結合したノブの断面図である。 ケースの正面図である。 ストッパ壁まわりの拡大図である。 抜け止めストッパを示す図である。 ノブとケースの関係を示す正面透視図である。 ノブを押し込んだ状態を示す説明図である。 クリック機構の作動を示す説明図である。 ノブの回動方向におけるスイッチ装置の作動を示す一部断面展開図である。 従来例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は実施の形態を適用したスイッチ装置の全体構成を示す断面図であり、これにより先ずスイッチ装置の概要を説明する。
スイッチ装置1は、主要部品として、ケース2と、スイッチユニット40と、ノブ50とからなり、ノブ50はケース2に姿勢保持されて操作者側へ突出し、スイッチユニット40はケース2のノブ50が突出する側とは反対側に取り付けられている。
以下、ノブ50が突出している側、すなわち操作者に面する側を前方、または前面とし、スイッチユニット40が設けられている側を後方とする。
スイッチユニット40は、ベース41と、ベース41の前面凹部に嵌めこんだ基板42と、ベース41の前面に重ねた弾性シート44とからなり、基板42の外表面は当該基板の周辺を囲むベース41の前面と面一になっている。スイッチユニット40は、弾性シート44の平坦部をケース2の後部に形成したユニット収納部5の底面6に当接させて収納してある。
基板42の前面には、それぞれ対となった3組のスイッチ接点43(43a、43b、43c)が、ケース2の前面から見てケース2の中心を横切る一直線上に配置され、中央の組がケース2の中心に位置している。
弾性シート44はスイッチ接点43の各組に対応させて、前方へ突出するコーン部45および碗部46を備えており、コーン部45は中央のスイッチ接点43aに対応している。コーン部45および碗部46は各頂部にブロック部47を有している。各ブロック部47はその軸方向前端および後端が弾性シート44の平坦部と平行な平坦面となっており、後端にはそれぞれ対応するスイッチ接点43に対向する導通接点48を可動接点として設けてある。コーン部45および碗部46の自由状態において、各導通接点48は対向するスイッチ接点43から離間している。
ユニット収納部5の底面6にはコーン部45および碗部46を受け入れる空間が形成してあり、ケース2の中心を中心とするリング壁7により、コーン部45を受け入れる第1可動接点収容空間8と碗部46を受け入れる第2可動接点収容空間9とに区画されている。
ケース2は前面側に本体3と一体にモールドされた色違いのガイドリング10を備えている。ガイドリング10は本体3の中心を中心とし、ガイドリング10の内側がノブ収納凹部11となっている。ガイドリング10の前端は本体3の前面より所定量突出している。
ノブ収納凹部11の底壁12からは、ガイドリング10と同軸に保持筒部13が所定長さ前方へ延び、その前端はガイドリング10の前端よりも突出している。保持筒部13の筒穴14は底壁12を貫通して、コーン部45を受け入れる第1可動接点収容空間8に開口している。この開口の穴径はリング壁7の内径よりも小さい。
ノブ50の後述するムービングブロック70の内筒72を保持筒部13に挿入した状態で、ノブ50の後端(後述の押圧筒93)が弾性シート44のコーン部45のブロック部47に着座している。
保持筒部13の筒穴14より大径のフランジ102を備える抜け止めストッパ100が第1可動接点収容空間8側から筒穴14内へ挿入され、ムービングブロック70に係止されることにより、フランジ102が第1可動接点収容空間8の底面8aに係合してノブ50の抜け止めとなっている。
ノブ50は、後述のクリック機構のスプリングにより前方へ付勢されており、ノブ50が後方へ押圧されていない自由状態において、ムービングブロック70に係止された抜け止めストッパ100のフランジ102は第1可動接点収容空間8の底面8aに当接して、これによりノブ50のケース2からの突出位置が保持されている。
ケース2の前面には、ガイドリング10を囲む穴23を有する飾りカバー22が取り付けられ、穴23にはガイドリング10の前端の大部分を露出させるように当該前端にわずかに被さる飾りリング24が取り付けられている。
弾性シート44の碗部46を受け入れる第2可動接点収容空間9とノブ収納凹部11の間には、碗部46に対応させてガイド孔25が設けられている。フランジ38を備えるプランジャ37が第2可動接点収容空間9側からガイド孔25に挿入され、プランジャ37のフランジ38は碗部46のブロック部47に着座し、碗部46により前方へ付勢されている。自由状態において、フランジ38は第2可動接点収容空間9の底面9aに当接して、プランジャ37の先端がガイド孔25より前方へ突出している。
ムービングブロック70の後述する張出し筒部74の後端縁には、プランジャ37の先端と当接可能にカム面86(図4の(b)参照)が形成されている。
以上の構成により、ノブ50を軸方向すなわち後方へ押し込むことにより、ノブ50の後端がコーン部45を撓ませてその導通接点48をスイッチ接点43aに接触させ、対のスイッチ接点43aを通電状態とする。
また、ノブ50を一方向または他方向へ回すことによりカム面86がプランジャ37の先端に当接してプランジャ37を後方へスライドさせ、これにより一方または他方の碗部46を撓ませてその導通接点48をスイッチ接点43bあるいは43cに接触させ、これらそれぞれ対のスイッチ接点を通電状態とする。
ここでは、ノブ50の回動幅は各方向それぞれ30°とする。
以下、各部品の構成について詳細に説明する。
まず、ノブ50は、コーン部45および碗部46を直接あるいはプランジャ37を介して撓ませスイッチユニット40に作用するムービングブロック70と、ムービングブロック70の前側に被さって操作者が指を触れるノブキャップ51とからなっている。
ノブキャップ51は従来例で示した前外壁部に対応し、ムービングブロック70は機能部位に対応するが、ノブキャップ51とムービングブロック70は一体にモールドされず、それぞれ別部品として樹脂成形される。
ノブキャップ51は外観向上のためその外表面をメッキまたは塗装されている。
図2の(a)はノブキャップ51を前方から見た正面図、(b)は側面図である。図3の(c)はノブキャップ51を後方から見た裏面図、(d)は(c)におけるA−A部断面図、(e)は(d)におけるB部拡大断面図である。
ノブキャップ51は底壁52と側壁53からなる薄肉壁の鍋形状を基本形とする。側壁53は、とくに図3の(d)に示すように、底壁52に連なる主側壁54と、後部(開口側)の拡径部56と、主側壁54と拡径部56間をつなぐ傾斜壁55とからなる2段形状である。
図2の(a)に示すように、正面から見たノブキャップ51の外観は、側壁53(主側壁54)から底壁52にかかる部分を内方へ窪ませた凹部57が軸心を中心とする周方向に均等に形成されるとともに、凹部57に突条58を設けて、ノブ50を回すときの指掛かりとしている。
図3の(c)に示すように、側壁の拡径部56における開口端の内面には、周方向3等分位置に爪60(60a、60b、60c)が設けられている。爪60の後部は、図3の(d)に示すように、前方へ行くほど拡径部56の内面からの高さが大きくなる傾斜面61となっている。
また、底壁52の内面には、軸心Gを中心とする所定の円周上、3等分位置に突起63が設けられている。とくに図3の(e)に示すように、突起63の後方へ向いた先端は、軸心Gに近づくほど底壁52からの高さが高くなる傾斜面64となっている。
上記所定の円周は、ムービングブロック70の後述する前壁71の内周縁と同径で、その円が傾斜面64の中央を通るように設定されている。
爪60と底壁52の突起63の配置は、軸心Gを中心とする角度で60°ずらせてある。
図3の(c)および(d)に示すように、ノブキャップ51の側壁53にはさらに規制ロッド65が設けられている。規制ロッド65は1つの爪60aを挟んだ両側において、主側壁54と傾斜壁55にまたがる部位から軸心と平行に後方へ延びて、拡径部56の開口端から突出している。
規制ロッド65の横断面は軸心を中心とする円周に沿ったブロック状で、上記の爪60a側がL字形に曲がって幅広面66を形成している。
ここでは、2本の規制ロッド65の各幅広面66と反対側の端縁と軸心を結ぶ線がなす角度を120°としてある。
次に、図4の(a)はムービングブロック70を前方から見た正面図、(b)は側面図である。図5の(c)はムービングブロック70を後方から見た裏面図、(d)は(c)におけるC−C部断面図である。
ムービングブロック70はリング状の前壁71と、前壁71の内周縁から後方へ延びる内筒72と、前壁71の外周縁から後方へ延びる外筒73を有し、外筒73は内筒72よりも短い。
外筒73の軸方向前半の外周面はノブキャップ51の主側壁54の内面に略沿っており、軸方向のビード79が形成されているとともに、前壁71側はノブキャップ51の凹部57との干渉を避けて傾斜面となっている。外筒73の軸方向後半は軸方向中間から後方へ延びる張出し筒部74により囲まれている。
張出し筒部74はその外周面がノブキャップ51の傾斜壁55の内面に略沿う傾斜部75と、ノブキャップ51の拡径部56の内面に整合する外径をもつ嵌合部76と、拡径部56よりもさらに延びて外周面が拡径部56の外周面と面一になる外径をもつとともに拡径部56の開口端面に対向する段差面78を備える肩部77とからなる。
以上のように、ムービングブロック70はいずれも薄壁状の前壁71、内筒72、外筒73および張出し筒部74からなり、とくに内筒72の内側の大容積空間のほか、内筒72と外筒73間の空間および外筒73と張出し筒部74間の空間の各部分が肉抜きされた形態となっている。
嵌合部76には、軸心を中心とする周方向3等分位置にノブキャップ51の爪60に対応する係止穴80が形成されている。係止穴80の周方向幅は爪60の周方向幅より大きく設定してある。
ムービングブロック70にはまた、図4の(a)におけるD−D部断面図である図6に示すように、外筒73の外周面を切り欠くとともに、張出し筒部74の傾斜部75を含み外筒73との接続部を貫通して軸心と平行に延びる貫通路82が、ノブキャップ51の規制ロッド65に対応させて形成されている。貫通路82の周方向幅は規制ロッド65の周方向幅と整合させてある。
以下の説明では、図4の(a)、図5の(c)において2つの貫通路82間の周方向中間点と軸心を通る直線を基準線Cmとして説明する。
図5の(c)の裏面図の基準線Cmに対して垂直な直径線上において、張出し筒部74の肩部77には周方向所定幅の第1切り欠き84(図4の(b)も参照)が形成されている。この第1切り欠き84は、ケース2に組み付けられたノブ50の回転方向中立位置においてプランジャ37に対向しており、ノブ50を押し込んだときに肩部77が干渉して当該プランジャ37を押さないようにするためのものである。
図4の(b)に示すように、第1切り欠き84に隣接して、周方向貫通路82がある側の肩部77の先端(後端縁)には、プランジャ37の先端と当接するカム面86が形成されている。
肩部77にはまた、第1切り欠き84に連なって、カム面86と反対側に所定角度範囲にわたる第2切り欠き85が形成されている。これは一方のカム面86が一方のプランジャ37を押し込んでいる間、他方のプランジャ37を押し込まないようにするためである。
図5の(c)に示すように、裏面からは、貫通路82が外筒73と張出し筒部74の間に形成された矩形穴に見える。
外筒73と張出し筒部74の間には、矩形穴の貫通路82のそれぞれ隣接する第1切り欠き84に近い側の辺に沿って支持壁88が張り渡されており、貫通路82に挿入された規制ロッド65の幅広面66と反対側の端に当接するようになっている。
外筒73の後端縁には、V字形状(図13参照)に切り欠いたクリックカム面90が軸心を挟んだ対象位置に形成され、その谷底が基準線Cm上に位置している。谷底を挟んだクリックカム面90の周方向幅は片側それぞれ30°より大きく設定されている。
図5の(d)に示すように、内筒72は、成形時の型抜きを容易にするため、前部(前壁71側)を大径、後部を前部よりもわずかに小径とし、中間を傾斜部としている。
内筒72の後端近くには隔壁92が設けられ、隔壁92からは軸心上を後方へ押圧筒93が内筒72の後端より突出して延びている。押圧筒93には隔壁92の前方と後方を連通する貫通孔94が形成されている。
図4の(a)、図5の(c)にも示すように、隔壁92には、内筒72の内面に接して周方向3等分位置に係止穴95が形成され、抜け止めストッパ100が係止されるようになっている。
以上のように構成されたノブキャップ51とムービングブロック70は、ノブキャップ51をその2本の規制ロッド65をムービングブロック70の貫通路82に沿わせてスライドさせながら、前方からムービングブロック70に被せて結合する。
図7はノブキャップ51とムービングブロック70を結合して一体化したノブ50の断面図である。
ムービングブロック70に対してノブキャップ51をスライドさせていくと、相対的にムービングブロック70の前壁71がノブキャップ51の底壁52に接近する。底壁52にはムービングブロック70の前壁71の内周縁に対応する円周上の3等分位置に突起63が設けてあるので、ノブキャップ51をさらにスライドさせると、前壁71の内周縁の角が突起63先端の傾斜面64に当接して、ムービングブロック70の前端がノブキャップ51の軸心上に自動的に芯合わせされる。
これと同時に、ノブキャップ51後端の拡径部56に設けられた爪60が、ムービングブロック70の張出し筒部74における傾斜部75に乗り上げた後、嵌合部76の係止穴80に入って係止される。
これによりノブキャップ51とムービングブロック70は軸心が一致するとともに、軸方向がガタなく一体となる。
また、ノブキャップ51の開口端縁(拡径部56の端面)はムービングブロック70の肩部77の段差面78に当接する。
この際、先の図3の(c)に示したように2本の規制ロッド65は軸心を挟んで対象位置にはないので、規制ロッド65をムービングブロック70の貫通路82に挿入、スライドさせることによりノブキャップ51とムービングブロック70の回転方向の位置決めを誤ることはない。
ムービングブロック70の係止穴80はノブキャップ51の爪60の周方向幅より広いから、ノブキャップ51の規制ロッド65を貫通路82に沿ってスライドすれば、爪60は係止穴80から逸れることなく確実に係止される。
そして、貫通路82の周方向幅は規制ロッド65の周方向幅と整合させてあるので、これによりノブキャップ51とムービングブロック70は回転方向にも一体となる。
後掲の図11に示されるように、規制ロッド65の幅広面66と反対側の端が外筒73と張出し筒部74の間に形成された支持壁88に当接している。
次に、図8はケース2を前方から見た正面図である。
以下、図における保持筒部13の中心(軸線)を通る垂直な線を基準線Ccとして、説明する。
保持筒部13を同軸のガイドリング10が囲んで、ノブ収納凹部11となっている。
なお、保持筒部13の筒穴14は12角の多角形となっており、ムービングブロック70の内筒72との接触面積を少なくしてノブ50を回動させる際の抵抗を低減している。
ノブ収納凹部11の底壁12には、基準線Ccに垂直な直径線上に、ガイドリング10の内面に近接して、プランジャ37を挿入するガイド孔25が設けられている。
ノブ収納凹部11の底壁12からは、基準線Cc上に、保持筒部13の周方向に平行なストッパ壁27が前方へ立ち上がっている。なお、図8の正面図では手前側が前方である。
ストッパ壁27の軸心からの位置は、ムービングブロック70における外筒73と張出し筒部74間の空間に対応している。
図9に示すように、ストッパ壁27と保持筒部13の間に位置して、底壁12から後方へスプリングホルダ29が形成され、クリック機構用のスプリング31(図13参照)を収納するスプリング孔30が前方に開口している。
図8および図9に示すように、保持筒部13の外周には、ストッパ壁27に対向して、クリックボール35(図13参照)を軸方向にガイドする溝33を備えるボールガイド32が設けられている。溝33は部分円筒面をなしている。
ストッパ壁27も、保持筒部13に対向する面に、部分円筒面の溝34を備えて、ボールガイド32と協同してクリックボール35を軸方向移動可能に保持するボール保持部を形成している。
スプリング31およびクリックボール35は、外筒73のクリックカム面90と協同してクリック機構を構成する。
図10は抜け止めストッパ100を拡大して示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるE−E部断面図である。
抜け止めストッパ100は、円筒部101の一端から外方に延びたフランジ102を備え、円筒部101の端縁からフランジ102側へオフセットした位置から他方へ延びる脚片103の先端に爪104を有している。ここでは脚片103は隔壁92の係止穴95に対応して3本である。
また、フランジ102の円筒部101側の面には周方向等分3箇所に突部105を有している。
第1可動接点収容空間8側から円筒部101を筒穴14内へ挿入し、脚片103を隔壁92の係止穴95に挿入して爪104を隔壁92の前面に係止させる。これにより、抜け止めストッパ100はムービングブロック70と連結され、フランジ102は突部105で第1可動接点収容空間8の底面8aに当接して、ノブ50の抜け止めとなる。
ノブ50はケース2の基準線Ccとムービングブロック70の基準線Cmを一致させてケース2に組み付けられ、自由状態において、軸方向では先の図1に示した状態となる。
保持筒部13の前端とムービングブロック70の前壁71との間隙は、ノブ50を押し込む際のストローク長よりも大きく設定してあり、導通接点48がスイッチ接点43に接触する前に保持筒部13と前壁71が当接しないようになっている。
図11は、ノブ50とケース2の関係を示す正面透視図である。
自由状態において、回転方向では、図11の(a)に示すように、ノブ50から延びる規制ロッド65がケース2のストッパ壁27から離間している。
そして、図14の(a)に示すように、ノブ50(ムービングブロック70)の肩部77のカム面86はプランジャ37から外れ、プランジャ37はカム面86に隣接する第1切り欠き84に対向している。なお、図14は肩部77の外周に沿って外方から見ている。
図12はノブ50を押し込んだ状態を示す。
ムービングブロック70の押圧筒93の後端がコーン部45を撓ませてその導通接点48をスイッチ接点43aに接触させ、スイッチ接点43aを通電状態とする。
このとき、プランジャ37は張出し筒部74の第1切り欠き84に対向しているので、ムービングブロック70が後方(図中、下方)へ移動してもプランジャ37は押し込まれず、碗部46が撓んでスイッチ接点43bや43cが通電状態となることはない。
図13はクリック機構の作動を示し、ムービングブロック70の外筒73はその外周に沿って外方から見ている。
図13の(a)は自由状態を示し、スプリング31により前方へ付勢されたクリックボール32が、外筒73に形成されたクリックカム面90の谷底に位置しており、これにより、ノブ50をケース2からの突出位置に保持している。
ノブ50を指で押し込むと、図13の(b)に示すように、クリックボール32をクリックカム面90の谷底に位置させたまま、外筒73がスプリング31を圧縮する。矢示は外筒73の移動方向を示している。
指を離せばスプリング31の付勢力によりノブ50は自由状態へ戻り、スイッチ接点43aは非通電状態となる。
今度はノブ50を一方向(図11において反時計方向)へ回動させると、ムービングブロック70の肩部77の図11における左方のカム面86がプランジャ37上にきて、図14の(b)に示すように、プランジャ37が押し込まれる。碗部46を撓ませてその導通接点48をスイッチ接点43bに接触させ、スイッチ接点43bを通電状態とする。
押し込まれた側と反対側の他方のプランジャ37は、第2切り欠き85の領域に入るので、押し込まれることはない。
ノブ50を自由状態から30°回動させた位置で、図11の(b)に示すように、規制ロッド65がストッパ壁27に当接するので、ノブ50をそれ以上回動させることはできない。この際、規制ロッド65は幅広面66を備えているので確実にストッパ壁27に当接する。
また、規制ロッド65は操作者が触れるノブキャップ51から延びているので、操作者は規制ロッド65が回動規制位置のストッパ壁27に当接したことを直接感知することができ、他部材を介する場合にガタが生じるのとは異なり、高い精密感が得られる。
なお、ムービングブロック70には規制ロッド65を裏打ち支持する支持壁88が設けられているので、誤ってさらに回動しようとする力がノブ50に加わったときでも、規制ロッド65が破損するおそれはない。
ノブ50を回動させる間、クリック機構ではクリックカム面90がクリックボール32を介してスプリング31を圧縮していくが、規制ロッド65がストッパ壁27に当接した位置でも、図13の(c)に示すように、クリックボール32がクリックカム面90の傾斜面上にあるように設定されているので、スイッチ接点43bを通電状態としたあと、回動力を緩めればノブ50は自動的に自由状態へ戻る。
ノブ50を他方向へ回動させた場合も同様であり、スイッチ接点43cが通電状態となる。
本実施の形態では、前壁71の内周縁の角が発明におけるムービングブロックの端縁の角に該当し、張出し筒部74が膨出部に該当する。内筒72の筒穴が凹部に該当する。
貫通路82が係合部に該当する。
また、ケース2が固定部材に該当し、ストッパ壁27がストッパに該当する。
実施の形態は以上のように構成され、ノブ50が、底壁52と側壁53を有するノブキャップ51と、肉抜き形状を有して該ノブキャップ51の内側に嵌めこまれたムービングブロック70とからなり、ノブキャップ51の側壁53の開口端側に径方向内方に向かう爪60が設けられるとともに、底壁52の内面には、底壁52に対向するムービングブロック70の前壁71の内周縁の角に対応する円周上において軸心を囲む3位置に突起63が設けられ、該突起63は底壁52の内面からの高さが径方向に変化する傾斜面64を有し、ムービングブロック70はノブキャップ51の側壁53の開口端側の内面に沿う外周面を有し、該外周面には爪60に対応する係止穴80が設けられて、爪60が係止穴80に係止されてノブキャップ51とムービングブロック70が軸方向に一体化するとともに、ムービングブロック70の前壁71の内周縁の角が突起63の傾斜面64に当接しているものとしたので、ムービングブロック70は前壁71の内周縁の角が傾斜面64に案内されてノブキャップ51の軸心上に自動的に芯合わせされるとともに、軸方向がガタなくノブキャップ51と一体になる。
また、ノブキャップ51とムービングブロック70は爪60と係止穴80の係止だけで一体化されるので、接着剤の使用が不要で、低コストで製作でき、作業工数も少なくて済む。
ノブキャップ51とムービングブロック70は個別に成形されて、ノブキャップ51だけ塗装することが可能であるから、マスキングの必要なしに、非塗装のムービングブロック70に対し明確な塗装の境界線が得られる。
また、ムービングブロック70の前壁71は肉抜きによりリング状に残った部分であり、その内周縁の角を傾斜面64に当接させるから、芯合わせ用に別途の穴を設ける必要もない。
ノブキャップ51にはさらに軸心から離間した位置から軸方向に延びる規制ロッド65が設けられ、ムービングブロック70には規制ロッド65と周方向に係合する貫通路82が設けられているので、ノブキャップ51とムービングブロック70は回転方向にも確実に一体となり、ノブキャップ51に大きな回動操作力が加えられた場合でもムービングブロック70に対して空回りするおそれはない。
とくに、貫通路82が径方向に膨らんだ張出し筒部74に設けられ、規制ロッド65がノブキャップ51の開口端から突出し貫通路82を貫通して、規制ロッド65の先端が、ノブキャップ51を軸周りに所定角度回動させたときにケース2側のストッパ壁27に当接する回動側ストッパを構成するので、操作者は回動規制位置をノブキャップ51から直接感知することができ、ガタのない高い精密感が得られる。
また、規制ロッド65はストッパ壁27に当接する側を幅広面66としてあるので、ストッパ壁27が薄壁形状であっても回動規制位置で確実にストッパ壁27に当接する。
さらにムービングブロック70には、規制ロッド65のストッパ壁27に当接する端とは反対側の端に当接する支持壁88が設けてあるので、ノブ50に過大な回動力が加わった場合でも規制ロッド65が破損するおそれがない。
また、規制ロッド65は、ノブキャップ51の軸心を挟んだ対象位置から外れた位置に2本設けてあるので、ノブキャップ51に加えられた回動力を確実にムービングブロック70に伝達することができる。そして、設定された角度位置でしかムービングブロック70の貫通路82に挿入できないから、ムービングブロック70に対するノブキャップ51の位置決めが容易である。
なお、実施の形態はあくまでも例示であり、ノブキャップ51やムービングブロック70等の具体的形状は図示のものに限定されない。ノブキャップ51における爪60や突起63の個数はそれぞれ4以上でもよいし、規制ロッド65もノブの回動方向に応じて1本にしてもよく、あるいは回動負荷に応じて3本以上としてもよい。
スイッチ装置1はノブ50の押し込みにより通電状態となるスイッチ接点43aと、ノブ50の回動により通電状態となるスイッチ接点43b、43cを備える3回路切替えのものとしたが、これに限定されず、本発明のノブは種々のスイッチ装置に適用されるほか、スイッチ装置用以外でも、肉抜きにより軽量化とコスト低減を図りたい種々のノブに適用可能である。
1 スイッチ装置
2 ケース
3 本体
5 ユニット収納部
6 底面
7 リング壁
8 第1可動接点収容空間
8a、9a 底面
9 第2可動接点収容空間
10 ガイドリング
11 ノブ収納凹部
12 底壁
13 保持筒部
14 筒穴
22 飾りカバー
23 穴
24 飾りリング
25 ガイド孔
27 ストッパ壁
29 スプリングホルダ
30 スプリング孔
31 スプリング
32 ボールガイド
33、34 溝
35 クリックボール
37 プランジャ
38 フランジ
40 スイッチユニット
41 ベース
42 基板
43a、43b、43c スイッチ接点
44 弾性シート
45 コーン部
46 碗部
47 ブロック部
48 導通接点
50 ノブ
51 ノブキャップ
52 底壁
53 側壁
54 主側壁
55 傾斜壁
56 拡径部
57 凹部
58 突条
60、60a、60b、60c 爪
61 傾斜面
63 突起
64 傾斜面
65 規制ロッド
66 幅広面
70 ムービングブロック
71 前壁
72 内筒
73 外筒
74 張出し筒部
75 傾斜部
76 嵌合部
77 肩部
78 段差面
79 ビード
80 係止穴
82 貫通路
84 第1切り欠き
85 第2切り欠き
86 カム面
88 支持壁
90 クリックカム面
92 隔壁
93 押圧筒
94 貫通孔
95 係止穴
100 抜け止めストッパ
101 円筒部
102 フランジ
103 脚片
104 爪
105 突部

Claims (5)

  1. 底壁と側壁を有するノブキャップと、凹部を有して該ノブキャップの内側に嵌めこまれたムービングブロックとからなり、
    前記ノブキャップの側壁の開口端側に径方向内方に向かう爪が設けられるとともに、前記底壁の内面には、前記底壁に対向する前記ムービングブロックの端縁の角に対応する円周上において軸心を囲む少なくとも3位置以上に突起が設けられ、
    該突起は前記底壁の内面からの高さが径方向に変化する傾斜面を有し、
    前記ムービングブロックは前記ノブキャップの側壁の開口端側の内面に沿う外周面を有し、該外周面には前記爪に対応する係止穴が設けられて、
    前記爪が前記係止穴に係止されて前記ノブキャップとムービングブロックが軸方向に一体化するとともに、前記ムービングブロックの端縁の角が前記突起の傾斜面に当接しており、
    前記ノブキャップにはさらに軸心から離間した位置から軸方向に延びる規制ロッドが設けられ、
    前記ムービングブロックには前記規制ロッドと周方向に係合する係合部が設けられていることを特徴とするノブ。
  2. 固定部材に組みつけられてスイッチ操作するためのノブであって、
    底壁と側壁を有するノブキャップと、凹部を有して該ノブキャップの内側に嵌めこまれたムービングブロックとからなり、
    前記ノブキャップの側壁の開口端側に径方向内方に向かう爪が設けられるとともに、前記底壁の内面には、前記底壁に対向する前記ムービングブロックの端縁の角に対応する円周上において軸心を囲む3位置に突起が設けられ、
    該突起は前記底壁の内面からの高さが径方向に変化する傾斜面を有し、
    前記ムービングブロックは前記ノブキャップの側壁の開口端側の内面に沿う外周面を有し、該外周面には前記爪に対応する係止穴が設けられて、
    前記爪が前記係止穴に係止されて前記ノブキャップとムービングブロックが軸方向に一体化するとともに、前記ムービングブロックの端縁の角が前記突起の傾斜面に当接しており、
    前記ノブキャップにはさらに軸心から離間した位置から軸方向に延びて開口端から突出する規制ロッドが設けられ、
    前記ムービングブロックは径方向に膨らんだ膨出部を有して、該膨出部に前記規制ロッドを貫通させる貫通路が設けられて、
    前記規制ロッドの先端が、前記ノブキャップを軸周りに所定角度回動させたときに固定部材側のストッパに当接する回動側ストッパを構成することを特徴とするノブ。
  3. 前記ムービングブロックには、前記規制ロッドにおける前記固定部材側のストッパに当接する端とは反対側の端に当接する支持壁が設けてあることを特徴とする請求項2に記載のノブ。
  4. 前記規制ロッドは、前記ノブキャップの軸心を挟んだ対象位置から外れた位置に2本設けてあることを特徴とする請求項2または3に記載のノブ。
  5. 前記ムービングブロックは前記ノブキャップの底壁に対向する端が凹部によりリング状をなしており、
    前記端縁の角が前記リング状の端の内周縁の角であり、
    前記突起の傾斜面は前記軸心に近づくほど前記底壁からの高さが高くなるように変化していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のノブ。
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