燃料噴射ポンプの第一実施形態について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示す如く、燃料噴射ポンプ1Aにおいては、ポンプハウジング2の上方に、ハイドロリックヘッド3が配置されて、これらのポンプハウジング2とハイドロリックヘッド3とが接合される。ポンプハウジング2の前側(図1における左側)には、ガバナ装置4が配設される。ポンプハウジング2の後側には、図示せぬギヤケースが配設される。
ポンプハウジング2の上部およびハイドロリックヘッド3には、プランジャバレル5が上下方向に延長するように挿嵌される。プランジャバレル5には、プランジャ6が同心状に内装され、また、プランジャ6は、このプランジャバレル5に対して上下摺動自在とされる。このプランジャバレル5では、プランジャ6の上方に、加圧室43が形成される。
ポンプハウジング2の上部には、タペット室2aがプランジャバレル5の下方で上下方向に延長するように形成される。ポンプハウジング2の下部には、カム室2bがタペット室2aと連通するように形成される。
カム室2bには、カム軸41が挿通され、カム軸41に設けられたカム40が収納される。カム軸41はポンプハウジング2の下部に前後方向に貫設されて、軸受を介して回転自在に支持され、図示せぬギヤケース内の伝動機構から動力を得て回転するように構成される。こうして、カム40がカム軸41の回転にともなって一体的に図2に示す矢印の方向に回転可能とされる。また、カム室2bには、潤滑油42が貯溜される。
ここで、カム室2bを含むポンプハウジング2では、図2に示す如く、鉛直線Vに対して右側がカム40の回転方向の上流側Uとされ、左側がカム40の回転方向の下流側Dとされる。この鉛直線Vは、カム軸41の軸心線と交差して鉛直方向に延びる仮想の線である。
カム40の回転方向の上流側Uは、カム40のある一点が最下位置から最上位置まで移動する側である。カム40の回転方向の上流側Uでは、カム40が図2における矢印の方向に回転することによって、カム室2b内の潤滑油42が掻き揚げられることとなる。そこで、カム40の回転方向の上流側Uが潤滑油の掻揚げ側とされる。
カム40の回転方向の下流側Dは、カム40のある一点が最上位置から最下位置まで移動する側である。カム40の回転方向の下流側Dでは、カム40が図2における矢印の方向に回転することによって、カム室2b内の潤滑油42が掻き揚げられることはない。そこで、カム40の回転方向の下流側Dが潤滑油の反掻揚げ側とされる。
タペット室2aには、タペット30A、介在部材、プランジャ6の下部、バネ8、および、上部バネ受け9等が収納される。
タペット30Aは、タペット本体31A、タペットローラ32、および、タペットピン33等を具備しており、プランジャ6とカム40との間に設けられている。タペット30Aは、タペット室2aで上下摺動自在とされ、タペット室2aの当該タペット30Aよりもプランジャ6側、即ち当該タペット30Aよりも上方の空間とカム室2bとの連通を遮断するように配置される。
タペット本体31Aは、上下方向を軸心方向とする筒状の部材であり、タペット室2aを形成する側壁に摺接される。タペット本体31Aにおける上下中途部の内周面には、半径方向内側に所定幅だけ突出する環状の載置台が形成される。当該タペット本体31Aの載置台には、介在部材が載置される。タペットローラ32はタペット本体31Aの載置台にタペットピン33により回転自在に軸支される。また、タペットローラ32はカム40の外周面に当接するように配設される。なお、タペット30Aは、タペットローラ32およびタペットピン33を備えない有底筒状の部材として構成とすることもできる。
介在部材は、タペット30Aとプランジャ6との間に設けられる。本実施形態において、介在部材は下部バネ受け10Aで構成される。この下部バネ受け10Aは、バネ8を下方から受けるための部材であり、円板の中央に突部11を上方に突出して形成される。下部バネ受け10Aは、プランジャ6側からタペット30Aに収納されて、タペット本体31Aの載置台上に載置される。突部11には前記プランジャ6の下端部が係止されるとともに、バネ8の下端部が外嵌される。
なお、後述のように、タペット本体31Aと下部バネ受け10Aは一体的に構成することも可能である。また、プランジャ6の位置調節のために、タペット本体31Aと下部バネ受け10Aとの間に所定の部材を介在させてもよいものとする。
上部バネ受け9は、バネ8を上方から受けるための部材であり、筒状に形成される。上部バネ受け9は、タペット30Aの上方に配設されて、その上端部でハイドロリックヘッド3に挿設されるとともに、プランジャバレル5の下部に外嵌される。上部バネ受け9の下端部には、内周部に下側が大径となる環状の段部が形成され、当該段部にバネ8の上端部が嵌入される。上部バネ受け9とプランジャバレル5の下部との間には、コントロールスリーブが回転自在に介在される。
このような上部バネ受け9と下部バネ受け10Aとの間にバネ8が介装され、バネ8の付勢力により下部バネ受け10Aが下方へ付勢される。つまり、バネ8によって、プランジャ6およびタペット30Aが下方へ付勢される。これにより、タペット30Aがタペットローラ32でカム40に圧接される。
そして、タペット室2aのタペット30Aよりもプランジャ6側、即ち当該タペット30Aよりも上方の空間とカム室2bとの間に、これらを連通させる気抜き部が設けられる。気抜き部は、本実施形態においては、連通孔2cをポンプハウジング2の上下中途部にタペット室2aのタペット30Aよりもプランジャ6側とカム室2b側との間にわたって上下方向に延長するように形成して構成される。
連通孔2cは、ポンプハウジング2において、カム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように配置される。連通孔2cは、その下端部のカム室2b側の開口でカム室2bと連通され、その上端部のプランジャ6側の開口でタペット室2aのタペット30Aよりもプランジャ6側と連通される。こうして、タペット室2aのタペット30Aよりもプランジャ6側とカム室2bとが、連通孔2cを介して連通される。
このような構成により、燃料噴射ポンプ1Aにおいては、カム40がカム軸41とともに回転するとき、このカム40の回転によりタペット30Aが上下摺動して往復動し、同時にプランジャ6が上下摺動して往復動することとなる。つまり、プランジャ6がタペット30Aを介してカム40の回転に追従するように上下摺動して往復動することとなる。そして、プランジャ6の往復動により、加圧室43に供給された燃料油が圧縮され、噴射装置に圧送されることとなる。
そして、この際、ポンプハウジング2には連通孔2cが形成されるため、カム室2bとタペット室2aのプランジャ6側とが連通されて、タペット室2aでタペット30Aが往復動することによって生じるカム室2bおよびタペット室2aでの気圧変動が防止されることとなる。
また、カム40が図2における矢印の方向に回転することによって、カム室2bの潤滑油42がカム40の回転方向の上流側U(潤滑油の掻揚げ側)でタペット30Aの下部に向かって掻き揚げられる。しかし、連通孔2cにおけるカム室2b側の開口がカム40の回転方向の下流側D(潤滑油の反掻揚げ側)に位置しているため、潤滑油42がタペット30Aの下部に向かって掻き揚げられても、連通孔2cに浸入しにくくなる。
以上のように、第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Aは、プランジャ6を、タペット30Aを介してカム軸41上のカム40の回転に追従させて往復動させ、加圧室43内の燃料を噴射装置に圧送するものであって、ポンプハウジング2に、カム40を収納するカム室2bを形成するとともに、カム40と接するタペット30Aを収納するタペット室2aを形成し、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとの間に、これらを連通させる気抜き部(連通孔2c)を、この気抜き部(連通孔2c)におけるカム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように設けられる。
これにより、潤滑油42が、気抜き部を通じてカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側へ浸入しにくくなる。したがって、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。その結果、潤滑油42がタペット室2aのプランジャ6側に浸入し、この浸入した潤滑油42がプランジャ6とプランジャバレル5との隙間に浸入し、さらには加圧室43まで浸入することによって、加圧室43の燃料に潤滑油42が混入することを抑制することができる。
第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Aの気抜き部は、ポンプハウジング2に、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとを連通させる連通孔2cを形成して構成するものとされる。この連通孔2cは、カム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように配置される。
これにより、潤滑油42が、カム室2bから気抜き部を構成するポンプハウジング2の連通孔2cを通じてタペット室2aのプランジャ6側へ浸入しにくくなる。したがって、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。その結果、潤滑油42がタペット室2aのプランジャ6側に浸入し、この浸入した潤滑油42がプランジャ6とプランジャバレル5との隙間に浸入し、さらには加圧室43まで浸入することによって、加圧室43の燃料に潤滑油42が混入することを抑制することができる。
燃料噴射ポンプの第二実施形態について、図3および図4を用いて説明する。なお、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bは、第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Aと同様の構成であるため、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bの説明は、燃料噴射ポンプ1Aの構成と異なる部分を中心に説明する。
介在部材は、タペット30Bとプランジャ6との間に設けられる。本実施形態において、介在部材は下部バネ受け10Bで構成される。図3に示す如く、下部バネ受け10Bは、バネ8を下方から受けるための部材であり、円板の中央に突部11を上方に突出して形成される。下部バネ受け10Bは、プランジャ6側からタペット30Bに収納されて、タペット本体31Bの載置台上に載置される。突部11には前記プランジャ6の下端部が係止されるとともに、バネ8の下端部が外嵌される。
そして、タペット室2aのタペット30Bよりもプランジャ6側、即ち当該タペット30Bよりも上方の空間とカム室2bとの間に、これらを連通させる気抜き部が設けられる。気抜き部は、本実施形態においては、タペット室2aのタペット30Bよりもプランジャ6側とカム室2b側との間にわたってこれらを連通するように連通孔12を下部バネ受け10Bに形成して構成される。
連通孔12は、下部バネ受け10Bにおいて、カム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように配置される。連通孔12は、その下端部のカム室2b側の開口でタペット30Bの底部中央に形成された開口部を介してカム室2bと連通され、その上端部のプランジャ6側の開口でタペット室2aのタペット30Bよりもプランジャ6側と連通される。こうして、タペット室2aのタペット30Bよりもプランジャ6側とカム室2bとが、連通孔12を介して連通される。
また、燃料噴射ポンプ1Bにおいては、タペット30Bと下部バネ受け10Bとの間に、下部バネ受け10Bの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられている。以下において、当該回動規制手段を具体的に説明する。
図3に示す如く、下部バネ受け10Bにおける突部11の周囲に、タペット30Bの軸心方向、即ち上下方向に貫通する嵌入孔14が形成される。タペット本体31Bには、嵌入孔34が嵌入孔14と同程度の径をもって形成される。そして、ピン状部材54が嵌入孔14と嵌入孔34とにタペット30Bの軸心方向に嵌入可能とされる。
こうして、本実施形態に係る前記回動規制手段は、下部バネ受け10Bが嵌入孔14をタペット本体31Bの嵌入孔34とを一致させるようにタペット30Bに収納された状態で、ピン状部材54を嵌入孔14と嵌入孔34とに嵌入することによって、下部バネ受け10Bがタペット30Bに対して周方向へ回動することを規制するように構成される。
以上のように、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bにおいては、気抜き部が介在部材である下部バネ受け10Bに設けられる。この気抜き部は、カム室2bとタペット室2aのプランジャ6側とを連通させる連通孔12を下部バネ受け10Bに形成して構成される。そして、連通孔12は、そのカム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように設けられる。
これにより、潤滑油42が、気抜き部を構成する下部バネ受け10Bの連通孔12を通じて、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側へ浸入しにくくなる。したがって、潤滑油42のカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への浸入量を低減させることができる。その結果、潤滑油42がタペット室2aのプランジャ6側に浸入し、この浸入した潤滑油42がプランジャ6とプランジャバレル5との隙間に浸入し、さらには加圧室43まで浸入することによって、加圧室43の燃料に潤滑油42が混入することを抑制することができる。
しかも、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bにおいては、タペット30Bと下部バネ受け10Bとの間に、この下部バネ受け10Bの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられる。
これにより、タペット30Bに対する下部バネ受け10Bの周方向の位置を固定して、連通孔12(気抜き部)におけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。
その上、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bにおいて、回動規制手段は、タペット30Bの軸心方向に延長するピン状部材54を、下部バネ受け10Bの嵌入孔14とタペット本体31Bの嵌入孔34とに嵌入することによって、下部バネ受け10Bの周方向への回動を規制するように構成される。
こうして、ピン状部材54を利用した回動規制手段によりタペット30Bに対する下部バネ受け10Bの周方向の位置を固定して、連通孔12におけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。さらに、前記回動規制手段を単純な構造で構成することが可能となり、燃料噴射ポンプ1B全体の製造コストを軽減させることができる。
燃料噴射ポンプ1Bにおいては、下部バネ受け10Bに形成される嵌入孔14は、貫通孔として構成されるが、当該嵌入孔14の構成を、ピン状部材54を下方から嵌入可能なように開口させ且つ上下に貫通していない、嵌入孔として構成する場合でもよいものとする。燃料噴射ポンプ1Bにおいては、下部バネ受け10Bおよびタペット本体31Bと、ピン状部材54とが、別体に構成されるが、下部バネ受け10Bとピン状部材54とを、もしくは、タペット本体31Bとピン状部材54とを、一体的に構成してもよいものとする。燃料噴射ポンプ1Bにおいては、嵌入孔14および嵌入孔34は、カム40の回転方向の下流側Dに形成されるが、当該嵌入孔14および嵌入孔34が形成される位置を、カム40の回転方向の下流側Dとすることに特に限定するものではない。
燃料噴射ポンプ1Bにおいては、下部バネ受け10Bに嵌入孔14が形成され、当該嵌入孔14にピン状部材54が嵌入されるように構成されるが、下部バネ受け10Bに形成される連通孔12にて、嵌入孔14を代用する構成としてもよいものとする。具体的には、図4に示す如く、タペット本体31Bに形成された嵌入孔34と当該連通孔12とにピン状部材54を嵌入可能、且つ、嵌入孔34と連通孔12とにピン状部材54を嵌入した状態で、連通孔12を介してピンとタペット室2aのタペット30Bよりもプランジャ6側とカム室2bとを十分に連通可能なように、下部バネ受け10Bに形成される連通孔12の位置や、連通孔12の大きさや、連通孔12の形状を構成する。下部バネ受け10Bに形成される連通孔12の構成をこのように構成することで、下部バネ受け10Bに形成される嵌入孔14を形成する工数が省け、前記回動規制手段を具備する燃料噴射ポンプの製造コストを軽減させることができる。なお、連通孔12の径がピン状部材54の外径より大きく形成されるために、下部バネ受け10Bが、一定の範囲で周方向に回動可能となる。このような場合、下部バネ受け10Bは、連通孔12におけるカム室2b側の開口が、カム40に対してその回転方向の下流側Dに位置する範囲内でのみ回動するように、連通孔12およびピン状部材54で規制される構成とする。
燃料噴射ポンプの第三実施形態について、図5および図6を用いて説明する。なお、第三実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Cは、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bと同様の構成であるため、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Cの説明は、燃料噴射ポンプ1Bの構成と異なる部分を中心に説明する。
燃料噴射ポンプ1Cにおいては、タペット30Cと介在部材である下部バネ受け10Cとの間に、下部バネ受け10Cの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられる。以下において、当該回動規制手段を具体的に説明する。
図5、図6に示す如く、本実施形態に係る前記回動規制手段は、下部バネ受け10Cの外周面に凸部15が周方向に突出するように形成される。タペット本体31Cの内周面に凹部35が径方向外側へ凹むように形成される。そして、下部バネ受け10Cの凸部15が、タペット本体31Cの凹部35に嵌入可能とされる。
こうして、本実施形態に係る前記回動規制手段は、下部バネ受け10Cがタペット30Cにプランジャ6側から収納される際、下部バネ受け10Cの凸部15をタペット本体31Cの凹部35に嵌入させることによって、下部バネ受け10Cが、タペット30Cに対して周方向へ回動することを規制するように構成される。
以上のように、第三実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Cにおいて、タペット30Cと下部バネ受け10Cとの間に、この下部バネ受け10Cの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられる。この回動規制手段は、下部バネ受け10Cの外周面に周方向に突出するように凸部15を形成し、タペット30Cの内周面に凹部35を形成し、凸部15を凹部35に嵌入させることによって、下部バネ受け10Cの周方向への回動を規制するように構成される。
このように、凹凸を利用した回動規制手段により、タペット30Cに対する下部バネ受け10Cの周方向の位置を固定して、連通孔12におけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。さらに、回動規制手段を単純な構造で構成することが可能となり、燃料噴射ポンプ1C全体の製造コストを軽減させることができる。
なお、燃料噴射ポンプ1Cにおいては、前記回動規制手段は、下部バネ受け10Cの外周面に凸部15が形成され、タペット本体31Cの内周面に凹部35が形成されるが、下部バネ受け10Cの外周面に凹部を形成し、タペット本体31Cの内周面に凸部を形成して、下部バネ受け10Cの凹部に、タペット本体31Cの凸部を嵌入させる構成であってもよいものとする。燃料噴射ポンプ1Cにおいては、凸部15および凹部35は、カム40の回転方向の下流側Dに形成されるが、当該凸部15および凹部35が形成される位置を、カム40の回転方向の下流側Dとすることに特に限定するものではない。
燃料噴射ポンプの第四実施形態について、図7を用いて説明する。なお、第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dは、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Bと同様の構成であるため、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dの説明は、燃料噴射ポンプ1Bの構成と異なる部分を中心に説明する。
介在部材は、タペット30Bとプランジャ6との間に設けられる。本実施形態において、介在部材は、下部バネ受け10Dと、載置部20Aとで構成される。
図7に示す如く、下部バネ受部10Dの底面中央には、タペット30Bにおけるタペット本体31Aの載置台上面側、即ちカム室2b側を向いて開口し、プランジャ6側に向かって凹む底凹部16が形成される。また、下部バネ受け10Dには、タペット室2aのプランジャ6側と底凹部16との間にわたって上下方向に延長するように連通孔12が形成される。
載置部20Aは、下部バネ受け10Dの底部の径と略同一の径をもった円板状の部材である。また、載置部20Aには、載置部20Aの軸心方向、即ち上下方向に貫通する連通孔22Aが形成される。この連通孔22Aは、載置部20Aの半径方向中途部で、載置部20Aに下部バネ受け10Dが載置された際に平面視においてプランジャ6側の開口が底凹部16と対向する位置に形成されて、底凹部16と連通される。
載置部20Aは、プランジャ6側からタペット本体31B内に収納されて、タペット本体31Bの載置台に載置される。このとき、載置部20Aは、その連通孔22Aにおけるタペット室2aのカム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するようにタペット本体31Bの載置台に載置される。下部バネ受け10Dは、載置部20Aが配置されたタペット本体31B内にプランジャ6側から収納されて、載置部20Aに載置される。こうして、下部バネ受け10Dおよび載置部20Aは、タペット30Bに載置される。この状態において、下部バネ受け10Dの突部11に、前記プランジャ6の下端部が係止されるとともに、バネ8の下端部が外嵌される。
このように下部バネ受け10Dおよび載置部20Aがタペット30Bに載置されることによって、下部バネ受け10Dの底凹部16を介して、下部バネ受け10Dの連通孔12と載置部20Aの連通孔22Aとが連通することとなる。つまり、本実施形態においては、連通孔12、底凹部16、および、連通孔22Aによって、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとの間に、これらを連通させる気抜き部が設けられる構成とされている。
下部バネ受け10Dの連通孔12は、その上端部でタペット室2aのプランジャ6側と連通される。載置部20Aの連通孔22Aは、その上端部で下部バネ受け10Dの底凹部16と連通され、その下端部でタペット30Bが底部に有する間隙を介してカム室2bと連通される。こうして、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとが、連通孔12、底凹部16、および、連通孔22Aを介して連通される。
また、燃料噴射ポンプ1Dにおいては、タペット30Bと載置部20Aとの間に、載置部20Aの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられている。以下において、当該回動規制手段を具体的に説明する。
載置部20Aには、載置部20Aの軸心方向、即ち上下方向に貫通する嵌入孔24が、タペット本体31Bの嵌入孔34と同程度の径をもって形成される。載置部20Aの嵌入孔24は、載置部20Aの連通孔22Aと縁部との中途部であって、載置部20Aをタペット本体31Bに載置した際にタペット本体31Bの嵌入孔34が形成される位置と相当する位置に形成される。そして、嵌入孔24は、ピン状部材54を載置部20Aの軸心方向に嵌入可能とされる。
こうして、本実施形態に係る前記回動規制手段は、載置部20Aが嵌入孔24をタペット本体31Bの嵌入孔34とを一致させるようにタペット30Bに収納された状態で、ピン状部材54を嵌入孔24と嵌入孔34とに嵌入することによって、載置部20Aが、タペット30Bに対して周方向へ回動することを規制するように構成される。
以上のように、第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dにおいては、介在部材である下部バネ受け10Dおよび載置部20Aに気抜き部が設けられる。この気抜き部は、下部バネ受け10Dに形成される連通孔12および底凹部16と、載置部20Aに形成される連通孔22Aとで、カム室2bとタペット室2aのプランジャ6側とを連通させる構成とされる。そして、連通孔22Aは、カム室2b側の開口位置がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように配置される。
これにより、潤滑油42が、気抜き部を構成する載置部20Aの連通孔22Aを通じてカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側へ浸入しにくくなる。したがって、潤滑油42のカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への浸入量を低減させることができる。その結果、潤滑油42がタペット室2aのプランジャ6側に浸入し、この浸入した潤滑油42がプランジャ6とプランジャバレル5との隙間に浸入し、さらには加圧室43まで浸入することによって、加圧室43の燃料に潤滑油42が混入することを抑制することができる。
しかも、第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dにおいては、タペット30Bと介装部材のうちの載置部20Aとの間に、この載置部20Aの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられる。この回動規制手段は、タペット30Bの軸心方向に延長するピン状部材54を載置部20Aの嵌入孔24とタペット本体31Bの嵌入孔34とに嵌入することによって、下部バネ受け10Dの周方向への回動を規制するように構成される。
こうして、ピン状部材54を利用した回動規制手段によりタペット30Bに対する載置部20Aの周方向の位置を固定して、連通孔22Aにおけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、タペット30Bに対して下部バネ受け10Dは周方向に回動可能とした場合であっても、下部バネ受け10Dの連通孔12の位置にかかわらず、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。また、前記回動規制手段をより単純な構造で構成することが可能となり、燃料噴射ポンプ1D全体の製造コストを軽減させることができる。さらに、複雑な形状からなる下部バネ受け10Dに連通孔12を形成する際に、厳密な位置精度を求める必要がないため、容易に気抜き部を構成することができる。また、前記回動規制手段をより単純な構造で構成することが可能となり、燃料噴射ポンプ1D全体の製造コストを軽減させることができる。
なお、本実施形態における下部バネ受け10Dの底部には、底凹部16が形成されるが、下部バネ受け10Dの底部にのみ底凹部16が形成されることに特に限定するものではない。即ち、底凹部16に代えて、載置部20Aの上面中央に、下部バネ受け10Dの下部バネ受け10Dの底部下面側、即ちプランジャ6側を向いて開口し、カム室2b側に向かって凹む凹部を形成する構成であってもよいものとする。さらに、この凹部を載置部20Aに形成するとともに、下部バネ受け10Dにおいても底凹部16を形成し、両凹部を連通する構成であってもよいものとする。
燃料噴射ポンプの第五実施形態について、図8および図9を用いて説明する。なお、第五実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Eは、第三実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Cおよび第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dと同様の構成であるため、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Eの説明は、燃料噴射ポンプ1C・1Dの構成と異なる部分を中心に説明する。
介在部材は、タペット30Cとプランジャ6との間に設けられる。本実施形態において、介在部材は、下部バネ受け10Dと、載置部20Bとで構成される。また、燃料噴射ポンプ1Eにおいては、タペット30Cと載置部20Bとの間に、載置部20Bの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられている。以下において、当該回動規制手段を具体的に説明する。
図8、図9に示す如く、本実施形態に係る前記回動規制手段においては、載置部20Bの外周面に凸部25が周方向に突出するように形成される。そして、載置部20Bの凸部25が、タペット本体31Cの凹部35に嵌入可能とされる。
こうして、本実施形態に係る前記回動規制手段は、載置部20Bがタペット30Cにプランジャ6側から収納される際、載置部20Bの凸部25をタペット本体31Cの凹部35に嵌入させることによって、載置部20Bが、タペット30Cに対して周方向へ回動することを規制するように構成される。
以上のように、第五実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Eにおいては、タペット30Cと載置部20Bとの間に、この載置部20Bの周方向への回動を規制する回動規制手段が設けられる。この回動規制手段は、載置部20Bの外周面に周方向に突出するように凸部25を形成し、タペット30Cの内周面に凹部35を形成し、凸部25を凹部35に嵌入させることによって、載置部20Bの周方向への回動を規制するように構成される。
この凹凸を利用した回動規制手段により、タペット30Cに対する載置部20Bの周方向の位置を固定して、連通孔22Aにおけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、タペット30Cに対して下部バネ受け10Dが周方向に回動可能な構成であっても、つまり、下部バネ受け10Dの連通孔12が形成される位置にかかわらず、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。さらに、複雑な形状からなる下部バネ受け10Dに連通孔12を形成する際に、厳密な位置精度を求める必要がないため、容易に気抜き部を構成することができる。また、回動規制手段を単純な構造で構成することが可能となり、燃料噴射ポンプ1E全体の製造コストを軽減させることができる。
燃料噴射ポンプの第六実施形態について、図10を用いて説明する。なお、第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Fは、第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Dと同様の構成であるため、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Fの説明は、燃料噴射ポンプ1Dの構成と異なる部分を中心に説明する。
介在部材は、タペット30Dとプランジャ6との間に設けられる。本実施形態において、介在部材は、下部バネ受け10Dと、載置部20Cとで構成される。図10に示す如く、載置部20Cは、下部バネ受け10Dの底部の径と略同一の径を備える円板状の部材である。また、載置部20Cには、載置部20Cの軸心方向、即ち上下方向に貫通する連通孔22Cが形成される。載置部20Cの連通孔22Cは、底凹部16と同程度の径をもって開口される。この連通孔22Cは、載置部20Cに下部バネ受け10Dが載置された際に、これと同軸心上に位置して連通される。
本実施形態におけるタペット30Dは、タペット本体31Dを具備している。タペット本体31Dは、上下方向を軸心方向とする有底筒状の部材であり、その載置台に載置部20Cを載置することができるように構成される。タペット本体31Dの載置台には、タペット本体31Dの軸心方向、即ち上下方向に貫通する連通孔36が形成される。タペット本体31Dの連通孔36は、タペット本体31Dに載置部20Cが載置された際に平面視においてプランジャ6側の開口が連通孔22Cと対向する位置に形成されて、連通孔22Cと連通される。同時に、連通孔36は、カム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように形成されて、タペット30Dの底部内の空間を介してカム室2bと連通される。
載置部20Cは、プランジャ6側からタペット本体31D内に収納されて、タペット本体31Dの載置台に載置される。載置部20Cは、下部バネ受け10Dの底部の径と略同一の径を備える円板状の部材である。ここで、タペット本体31Dの載置台の連通孔36は、前述のように連通孔22Cと対向することから、タペット30Dに対して載置部20Cが周方向に回動しても、連通孔22Cと常に連通するようになっている。
また、下部バネ受け10Dは、載置部20Cが配置されたタペット本体31D内にプランジャ6側から収納されて、載置部20Cに載置される。下部バネ受け10Dは、載置部20Cの径と略同一の径を備える円板状の底部を有する部材である。ここで、下部バネ受け10Dの底凹部16は載置部20Cの連通孔22Cと同程度の径をもって同軸心上に配置され、連通孔12は底凹部16と連通されることから、この連通孔12はタペット30Dに対して載置部20Cおよび/または下部バネ受け10Dが周方向に回動しても、連通孔22Cと底凹部16を介して常に連通するようになっている。
こうして、下部バネ受け10Dおよび載置部20Cがタペット30Dに載置されることによって、下部バネ受け10Dの底凹部16および載置部20Cの連通孔22Cを介して、下部バネ受け10Dの連通孔12とタペット本体31Dの連通孔36とが連通することとなる。つまり、本実施形態においては、気抜き部は、連通孔12、底凹部16、連通孔22C、および、連通孔36によって、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとを連通させるように構成される。
以上のように、第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ1Fにおいては、介在部材は下部バネ受け10Dおよび載置部20Cで構成される。また、燃料噴射ポンプ1Fの気抜き部は、下部バネ受け10Dに形成される連通孔12および底凹部16と、載置部20Cに形成される連通孔22Cと、タペット本体31Dに形成される連通孔36とによって、カム室2bとタペット室2aのプランジャ6側とを連通させるように構成とされる。そして、タペット本体31Dにおけるカム室2b側の開口位置が、カム40に対してその回転方向の下流側Dに配置される。
これにより、潤滑油42が、気抜き部を構成するタペット本体31Dの連通孔36を通じてカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側へ浸入しにくくなる。したがって、潤滑油42のカム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への浸入量を低減させることができる。その結果、潤滑油42がタペット室2aのプランジャ6側に浸入し、この浸入した潤滑油42がプランジャ6とプランジャバレル5との隙間に浸入し、さらには加圧室43まで浸入することによって、加圧室43の燃料に潤滑油42が混入することを抑制することができる。
タペット本体31Dは、タペット室2a内に上下摺動自在に配置されるが、周方向へ回動しないようになっている。そのため、燃料噴射ポンプ1Fにおいては、タペット30Dと介在部材(下部バネ受け10Dおよび載置部20C)との間に、回動規制手段を設けずとも、連通孔36におけるカム室2b側の開口位置を常にカム40の回転方向の下流側Dに保持することができる。したがって、下部バネ受け10Dおよび載置部20Cがタペット30Dに対して周方向に回動可能な構成であっても、つまり、下部バネ受け10Dの連通孔12および載置部20Cの連通孔22Cが形成される位置にかかわらず、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。さらに、複雑な形状からなる下部バネ受け10Dに連通孔12を形成する際に、厳密な位置精度を求める必要がないため、気抜き部を容易に構成することができる。また、前記回動規制手段を設ける必要が無いため、燃料噴射ポンプ1F全体の製造コストをより軽減させることができる。
さらに、燃料噴射ポンプ1Fにおける介在部材は、下部バネ受け10Dおよび載置部20Cとで構成されるが、下部バネ受け10Dのみで構成する場合でもよいものとする。具体的には、タペット本体31Dの底部に、下部バネ受け10Dを載置する。こうして、タペット本体31Dの連通孔36と下部バネ受け10Dの連通孔12とを下部バネ受け10Dの底凹部16を介して連通する。つまり、気抜き部を連通孔36と連通孔12とで構成する。
なお、タペット本体31A・31B・31C・31Dと介在部材(下部バネ受け10A、載置部20A等)とを一体的に構成することも可能である。具体的には、図11に示す如く、燃料噴射ポンプ1Gにおけるタペット30Eのタペット本体31Eは、下方に開口する椀状の部材であって、当該椀状の底部、即ちプランジャ6側部(上部)の中央に突部11を上方に突出した形状に形成される。こうして、タペット本体31Eは、前述の実施形態におけるタペット本体31A・31B・31C・31Dと介在部材(下部バネ受け10A、載置部20A等)とを一体としたように構成される。
また、タペット本体31Eには、タペット室2aのプランジャ6側とタペット室2aのカム室2b側との間にわたって上下方向に延長するように連通孔37が形成される。
連通孔37は、タペット室2aのカム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように配置されて、タペット30Eの底部内の空間を介してカム室2bと連通可能とされる。また、連通孔37は、タペット室2aのプランジャ6側との開口がカム40に対してその回転方向の上流側Uに位置するように配置されて、タペット室2aのタペット30Eよりもプランジャ6側と連通される。
こうして、本実施形態においては、気抜き部がタペット本体31Eに形成された連通孔37によってタペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとを連通させるように構成される。ここでは、気抜き部がなす連通路をカム40に対してその回転方向の下流側Dから上流側Uに向かうように斜め上下方向に延びるものとしているが、この連通路におけるカム室2b側の開口位置は、カム40に対してその回転方向の下流側Dに位置すれば、上下方向に直線状に延びるものであってもよい。
このようにタペット本体31Eを形成することで、タペット本体31Eの軸心方向に沿って連通孔37を形成する必要がなくなる。つまり、連通孔37におけるタペット室2aのプランジャ6側との開口位置にかかわらず、連通孔37におけるタペット室2aのカム室2b側の開口位置さえ、カム40に対してその回転方向の下流側Dに位置させていれば、カム室2bからタペット室2aのプランジャ6側への潤滑油42の浸入量を低減させることができる。したがって、複雑な形状からなるタペット本体31Eに連通孔37を形成する際に、厳密な位置精度を求める必要がないため、容易に気抜き部を構成することができる。また、タペット30Eにおいては、介在部材を設ける必要が無いため、燃料噴射ポンプ1G全体の製造コストを軽減させることができる。さらに、第六実施形態の燃料噴射ポンプ1Fと同様に回動規制部材を設ける必要が無いため、燃料噴射ポンプ1G全体の製造コストを軽減させることができる。
燃料噴射ポンプ1B・1C・1D・1E・1F・1Gにおいては、前述の連通孔2cのように、ポンプハウジング2に連通孔が形成されていてもよく、また、ポンプハウジング2に連通孔が形成されていなくてもよいものとする。ここでの連通孔は、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとの間に、カム室2b側の開口がカム40に対してその回転方向の下流側Dに位置するように設けられ、タペット室2aのプランジャ6側とカム室2bとを連通させるものである。