JP5341329B2 - 換気口スクリーンとこれを用いた軒裏換気口構造 - Google Patents
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Description
換気口を通じての火災の拡大や延焼を防止するため、換気口に種々の構造が提案されている。その一つはダンパーによるものであり(特許文献1)、いまひとつは、耐火性熱膨張断熱材シートの利用である(特許文献2〜5)。
耐火性熱膨張断熱材シートは、常温では柔軟なシート状であるがほぼ300℃以上の環境で厚み方向にして約30倍程度に膨張する不燃性の断熱材であり、市販されている。なお、シートはリボン状に切断されたものも包含する。
スクリーン本体の換気口対応部分を縦断して支持板が取り付けられているので、その両面に取付けた耐火性熱膨張断熱材シートは、スクリーン本体の通気孔を抜けてくる熱気、熱風の通路に直接的に位置し、最も効率よく熱せられる環境にある。このため、屋外側に熱気が迫ると耐火性熱膨張断熱材シートは速やかに膨張し、換気口が早い時期に、かつ、確実に閉塞される。
屋内側部材が換気口スクリーンからの熱放射にさらされる箇所はなく、屋内側部材の一部がこげるなどの恐れがない。
スクリーン本体が金属板のプレス成形品であるとき、ビス孔をスクリーン本体の膨張量と膨張方向に見合った長孔としているので、加熱による熱延びが許容され、これによりスクリーン本体や支持板のひねりと湾曲が抑制される。
スクリーン本体11は長さや幅に対して高さが小さいので全体として板状である。
すなわち、板状のスクリーン本体11の屋内側面に、不燃材の薄板からなる支持板12を、その板の面がスクリーン本体11の板状の面に対して垂直となるように、かつ、換気口9と対応する部分を縦断する方向に固定してある。
また、長手方向中央部のフラット部18にもこの部分とほぼ同じ面積の耐火性熱膨張断熱材シート13aを取付けておく。
耐火性熱膨張断熱材シート13は、スクリーン本体11の換気口9と対応した部分を縦断する方向に取付けているので、外の熱気が直接に流通する位置にあり、早期に効率よく熱膨張して換気口を閉塞する。
膨張した耐火性熱膨張断熱材シート13,13aは多数の細かな繊維状、粒状の膨張物が集合して生成気体や空気を多量に抱き込んだ集合体となっており、高い断熱性を発揮する。また、換気口スクリーン10は、スクリーン本体11が屋外に露出しているだけで、これとつながって軒裏側に露出する部分はなく、さらに、支持板12は耐火性熱膨張断熱材シート13により覆われてしまうので、軒裏の温度上昇が抑制される。
軒2の換気口9に取付けたとき、スクリーン本体11に幅があり、支持板12と換気口9の縁辺との距離が大きくなるので、支持板12に取付ける耐火性熱膨張断熱材シート13の厚さや重ね量を調整する必要がある。
他は、実施例1の場合と同様である。
スクリーン本体11はこの例において、幅235mm、長さ450mmである。ビス孔17については前記実施例2の場合と同様に、スクリーン本体11の長手方向の熱膨張量の1/2とこれに直交する幅方向の延びとの合成ベクトルの大きさである。この合成ベクトルの方向は、前記対角線の方向とほぼ一致する。
スクリーン本体11の長さや幅は設計事項である。但し、あまり長くすると、取り扱いに不便であると共に、熱延び量がおおきくなり、スクリーン本体の湾曲やひねりの抑制が困難になる。湾曲が大きくなると、スクリーン本体11の当て付け部15が軒裏板7の下面からはなれ、屋内側(軒裏空間)へ通じる隙間が生じ、火炎が回り込む恐れがある。ただし、スクリーン本体11を軒裏板7へ固定するビス16の本数を増やし、湾曲を分散させるとこの危険はある程度回避できる。
スクリーン本体11に取付ける支持板12の枚数は、市販品である耐火性熱膨張断熱材シート13の膨張倍率によって調整する。
支持板12の高さを換気口を形成している石膏ボードなどの厚さよりわずかに低くすると、例えば、野縁8がスクリーン本体11を横断する箇所においても支持板12を分断する必要のない場合がある。
スクリーン本体11や支持板12は不燃性であればよく、金属以外に耐火性の合成樹脂やセラミックなどの素材を利用することができる。
熱膨張後の生成物が飛散しやすい耐火性熱膨張断熱材を利用するときは、換気口の屋内側に飛散を抑制するためのカバーを設けることがある。カバーは通気性であって、格子や網状のものである。
2 軒
3 屋根
4 垂木
5 鼻隠し材
6 鼻隠し下地材
7 軒裏板
8 野縁
9 換気口
10 換気口スクリーン(実施例1)
11 スクリーン本体
12 支持板
13 耐火性熱膨張断熱材シート
13a 野縁下の耐火性熱膨張断熱材シート
14 通気孔
15 当て付け部
16 ビス
17 ビス孔
18 フラット部
19 点溶接
20 換気口スクリーン(実施例2)
21 換気口スクリーン(実施例3)
Claims (1)
- 板状のスクリーン本体と不燃材の薄板からなる支持板を備え、板状のスクリーン本体は、換気口に対応してその横断方向に並列した多数の通気孔を有し、支持板は、板状のスクリーン本体の屋内側面に、その板の面がスクリーン本体の板状の面に対して垂直となるように、前記通気孔の中央部で換気口と対応する部分を縦断する方向に固定し、支持板の両面に耐火性熱膨張断熱材シートを取付けてあり、支持板と換気口の縁辺との距離および支持板が複数あるときは支持板間の距離も含めて、それぞれの距離を耐火性熱膨張断熱材シートの厚さ×熱膨張倍率以下となる配置で支持板を取付けてあり、スクリーン本体が金属板のプレス成形品であり、換気口へ取付けるためのビス孔をスクリーン本体の熱膨張量に対応した長さと熱膨張の方向にほぼ対応した方向に形成して換気口スクリーンを構成し、この換気口スクリーンを軒裏の換気口に前記スクリーン本体とこれの裏面側でこれを横断する野縁との間隙に、膨張によってこの間隙を閉塞する耐火性熱膨張断熱材シートを取り付けてあることを特徴とした軒裏換気口構造。
Priority Applications (1)
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JP2007211488A JP5341329B2 (ja) | 2007-08-14 | 2007-08-14 | 換気口スクリーンとこれを用いた軒裏換気口構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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