JP5340814B2 - レーザ溶接部評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ溶接部評価方法に関する。
従来のレーザ溶接部評価方法としては、レーザビームの照射で母材に形成された溶接部を評価するためのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなレーザ溶接部評価方法では、溶接部の画像情報(画像データ)をCCDカメラによって取り込み、この画像情報に基づいて熱影響変色部の幅を判定することで、溶接品質を判定する。
特開平10−58170号公報
ところで、一般的に、レーザ溶接では、溶接部が母材の外観に現れる場合、その溶接部に生じる焼け焦げ等の変色を溶接後処理(例えば、電解研磨等)で除去することがある。この場合、溶接部の色相が同色系で構成されていれば、溶接後処理によって変色を好適に除去できる。そのため、溶接部においては、色相むら(すなわち、同色系内で濃度がばらつくことではなく、様々な色相が存在すること)の少ないものが望まれる。よって、レーザ溶接部評価方法としては、溶接部の色相むらを精度よく判定することができるものが求められている。
ここで、上記のレーザ溶接部評価方法では、溶接部に存在する凹凸の影響が考慮されていないため、溶接部の色相むらを判定する場合、かかる判定に、例えば光源の位置等に起因する色の濃淡(凹凸による影)の影響が及んでしまう。つまり、溶接部における同色系の濃度ばらつき(明暗)をも、色相むらと判定してしまう。よって、上記レーザ溶接部評価方法においては、溶接部の色相むらを精度よく判定するのが困難になるおそれがある。
そこで、本発明は、溶接部の色相むらを精度よく判定することができるレーザ溶接部評価方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明に係るレーザ溶接部評価方法は、レーザビームの照射で母材に形成された溶接部を評価するためのレーザ溶接部評価方法であって、溶接部の色相むらを判定する色相判定工程を有し、色相判定工程では、溶接部の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を算出し、RGB値をグレースケール変換して得られる値をグレースケール値として算出し、RGB値をグレースケール値で除算して得られる除算値に基づいて、色相むらを判定することを特徴とする。
本発明のレーザ溶接部評価方法では、RGB値をグレースケール値で除算することで除算値が得られている。すなわち、色の明るさを表すグレースケール値でRGB値が正規化されるよう演算され、除算値が求められている。よって、除算値においては、画像情報における同色系の濃度のばらつきが除去されることとなる。従って、除算値に基づいて溶接部の色相むらを判定することで、かかる色相むらを精度よく判定することが可能となる。
また、色相判定工程では、除算値に基づいてマハラノビスの距離を算出し、該マハラノビスの距離が第1閾値よりも小さいとき、色相むらが正常であると判定することが好ましい。この場合、MT(Mahalanobis-Taguchi)システムを利用して溶接部の色相むらを定性的に判定することができ、溶接部の色相むらを一層精度よく判定することが可能となる。
ここで、色相判定工程の前に、該色相判定工程にてマハラノビスの距離を算出する際に用いる判定用単位空間を予め生成する判定用単位空間生成工程を有する場合がある。
このとき、判定用単位空間生成工程は、母材の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を母材RGB値として算出し、母材RGB値をグレースケール変換して得られる値を母材グレースケール値として算出し、母材RGB値を母材グレースケール値で除算して得られる母材除算値に基づいて基準用単位空間を生成する第1工程と、基準用溶接部の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を基準用RGB値として算出し、基準用RGB値をグレースケール変換して得られる値を基準用グレースケール値として算出し、基準用RGB値を基準用グレースケール値で除算して得られる基準用除算値に基づいて、マハラノビスの距離を第1工程にて生成した基準用単位空間を用いて算出し、該マハラノビスの距離が第2閾値よりも小さいとき、基準用除算値に基づいて判定用単位空間を生成する第2工程と、を含むことが好ましい。この場合、MTシステムを利用し溶接部の色相むらを定性的に判定するという上記作用効果を好適に発揮することができる。
本発明によれば、溶接部の色相むらを精度よく判定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るレーザ溶接部評価方法を実施するレーザ溶接システムの構成を示す概略図である。 図1のレーザ溶接システムによる処理工程を示すフローチャートである。 図2の溶接前工程における判定用単位空間生成工程を示すフローチャートである。 図2の溶接後工程における色相判定工程を示すフローチャートである。 (a)は赤のサンプル色相を示す図であり、(b)は図5(a)のサンプル色相のR値を示すグラフであり、(c)は図5(a)のR値をグレースケール値で除算した値を示すグラフである。 (a)は緑のサンプル色相を示す図であり、(b)は図6(a)のサンプル色相のG値を示すグラフであり、(c)は図6(a)のG値をグレースケール値で除算した値を示すグラフである。 (a)は青のサンプル色相を示す図であり、(b)は図7(a)のサンプル色相のB値を示すグラフであり、(c)は図7(a)のB値をグレースケール値で除算した値を示すグラフである。 基準用溶接部のマハラノビスの距離を示すグラフである。 (a)は正常な色相むらの溶接部の判定用RGB値を示すグラフであり、(b)は正常な色相むらの溶接部の判定用除算値を示すグラフである。 (a)は異常な色相むらの溶接部の判定用RGB値を示すグラフであり、(b)は異常な色相むらの溶接部の判定用除算値を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明の一実施形態に係るレーザ溶接部評価方法を実施するレーザ溶接システムの構成を示す概略図である。本実施形態のレーザ溶接部評価方法は、レーザビームを照射して形成された溶接部の色をデジタル化し、数値解析及びMTシステムを利用して評価するものである。つまり、溶接部の画像を取得してRGB値に分離した後、その画像の明暗の影響を除去した後、マハラノビスの距離(Mahalanobis' Distance:MD)によって評価する。
「RGB値」とは、色の表色法であるRGBによる値を意味し、光の三原色である「赤」に関するR(RED)値と、「緑」に関するG(GREEN)値と、「青」に関するB(BLUE)値との成分を含んでいる。これら各成分は、0から255までの256階調で表現されている。ここでのRGB値は、画像における位置に関連付けられている、すなわち、画像データのピクセルごとに設定されている。ちなみに、RGBは、RGBカラーモデルとも称される。
また、「MTシステム」とは、マハラノビスの距離という基本概念を用いて状態の変化を判別する多変量解析手法であり、複数の測定量(多変数)をマハラノビスの距離(1つの変数)で表現して取り扱っている。なお、マハラノビスの距離の詳細については、特開2006−160153号公報等を参照されたい。
図1に示すように、レーザ溶接システム1は、ワーク(母材)10A,10Bの略中央部分に直線状の溶接部Wを形成し、ワーク10A,10Bを重ね溶接する。ワーク10A,10Bとしては、ステンレス等の金属で形成され鉄道車両構体に用いられる板状の外板パネル及び骨部材が用いられている。このレーザ溶接システム1は、レーザビームを照射して溶接部Wを形成するレーザ溶接装置2を備えている。
レーザ溶接装置2は、送り装置21と、ワーク固定装置22と、レーザ照射装置23と、ガス供給装置24とを備えている。これらの各装置21〜24は、上位の制御装置(不図示)に接続され、この制御装置から出力される動作指示情報に従って、各動作を自動で実行するようになっている。
送り装置21は、ワーク10A,10Bへのレーザビームの照射位置を走査する。具体的には、送り装置21は、可動ステージ25に載置されたワーク10A,10Bを、レーザ照射装置23によるレーザビームに対し溶接予定領域Rに沿って相対的に移動させる。
ワーク固定装置22は、ワーク10A,10Bを可動ステージ25に固定する。このワーク固定装置22では、長尺の押さえ板26aによって、溶接予定領域Rを挟んだワーク10A,10Bの両端部分が可動ステージ25に押し付けられる。
レーザ照射装置23は、ワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに向けてレーザビームを照射する。具体的には、レーザ照射装置23は、ワーク10A,10Bの上方のレーザヘッド27における先端から、例えばYAGレーザやCOレーザ等のレーザビームを所定時間出射する。なお、レーザ照射装置23は、内部に出力切替機構(不図示)を備えており、レーザビームを連続的に照射する場合と、レーザビームをパルス状に照射する場合とで切り替え可能とされている。
ガス供給装置24は、ワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに対してアシストガス(アルゴンガス等)を供給する。ここでのガス供給装置24では、供給ノズル28がワーク10A,10Bの厚さ方向に対し約30度傾斜するように配置されている。このガス供給装置24は、所定の供給量でワーク10A,10Bのレーザビーム照射位置にアシストガスを供給する。
また、レーザ溶接システム1は、溶接部Wの色相むらが正常か否かを判定する判定装置3を備えている。判定装置3は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスクといった格納部、ディスプレイといった表示部等を備えたコンピュータシステムである。この判定装置3には、画像取得センサ4が接続されている。
画像取得センサ4は、溶接部Wを観察するためのものであり、溶接部Wの画像データ(画像情報)を取得する。画像取得センサ4としては、デジタルカメラやイメージスキャナ等が用いられている。この画像取得センサ4は、取得した画像データを判定装置3へ出力する。
判定装置3は、機能的な構成要素として、演算部31、比較判定部32及びデータベース33を有している。演算部31は、画像データをRBG値に分離する演算、及び画像データの明暗を除去するための演算を実行する。比較判定部32は、溶接部Wの色相むらをMTシステムのマハラノビスの距離によって判定する。データベース33は、正常な溶接部Wのデータで生成されたMTシステムの単位空間であって比較判定部32で溶接部Wを判定する際に用いる判定用単位空間を格納する。なお、演算部31、比較判定部32及びデータベース33に関する処理の詳細については、後述する。
次に、上述したレーザ溶接システム1の処理工程について、図2〜4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
レーザ溶接システム1では、まず、溶接前工程として、ワーク10A,10Bを可動ステージ25に載置し、上方から加圧治具26を下降させて基準用ワーク10A,10Bを可動ステージ25に固定する。そして、レーザ溶接システム1の動作確認を行う(S1)。
続いて、溶接中工程として、レーザヘッド27からレーザビームを照射すると共に、可動ステージ25を移動させてワーク10A,10Bを矢印A方向(図1参照)に走査する。これに併せて、ガス供給装置24によってアシストガスを供給する。これにより、ワーク10A,10Bの溶接予定領域Rに沿って、溶接部Wを形成する(S2)。最後に、溶接後工程として、溶接部Wの良否を判定し、ワーク固定装置22を解除し、互いに溶接されたワーク10A,10Bを搬出する(S3)。
ところで、本実施形態では、上記溶接前工程において判定用単位空間を予め生成する(判定用単位空間生成工程)と共に、上記溶接後工程において溶接部Wの色相むらを判定する(色相判定工程)。そこで、まず、判定用単位空間生成工程について詳細に説明する。
[判定用単位空間生成工程]
判定用単位空間は、正常な溶接部Wのデータに基づいて色相判定工程の前に予め生成されるものである。そこで、まず、正常な溶接部Wをマハラノビスの距離によって識別すべく、かかる識別の際に用いられるMTシステムの基準用単位空間を、母材であるワーク10A(或いは、ワーク10B)の画像データから生成する。
具体的には、レーザ溶接前のワーク10A(或いは、ワーク10B)の表面を画像取得センサ4で撮像し(デジタル化し)、ワーク10Aの画像データを取得する(S11)。続いて、演算部31において、画像データをRGB分離し、母材RGB値を算出する(S12)。
続いて、母材RBG値をグレースケール変換する(S13)。ここでは、下式(1)に従ってグレースケール変換を行っている。これにより、色の明るさ(輝度)を表すグレースケール値Yを算出する。なお、このグレースケール値Yは、グレースケール変換後にて互いに等しい値となったR値、B値又はG値である。
Y=0.2126×R+0.7152×G+0.0722×B …(1)
但し、R:R値、G:G値、B:B値。
続いて、上記S13で算出したグレースケール値Yで母材RGB値を除算し、母材除算値を導出する(S14)。これにより、母材RGB値から、画像の明暗が除去されることとなる。そして、母材除算値に基づいて、MTシステムの単位空間を基準用単位空間として生成する(S15)。ここで、かかる画像の明暗の除去について、原理を以下に説明する。
図5(a)は赤のサンプル色相を示し、図6(a)緑のサンプル色相を示し、図7(a)は青のサンプル色相を示している。これら各図のサンプル色相40R,40G,40Bにおいては、その一端(図示左端)が0ピクセルとされ、一端から他端(図示右端)に向かってピクセルの座標軸が設定されている。
各図に示すように、サンプル色相40R,40G,40Bの色相では、両端が最も暗くて中央が最も明るくされ、その間が徐々に変化するようになっている。よって、これらのサンプル色相40R,40G,40Bの画像データをRGB値に分離したときのR値、G値及びB値のそれぞれは、図5(b),図6(b),図7(b)に示すように、横軸をピクセルとするグラフ上では、山型のデータグラフとなっている。
図5(c),図6(c),図7(c)に示すように、このR値、G値及びB値のそれぞれをグレースケール値Yで除算すると、これらが色の明るさで正規化されるよう演算が施されることなり、色の明暗にかかわらず一定値となる。よって、RGB値から画像の明暗に関する影響が排除されるのである。
次に、既にレーザ溶接が施された基準用溶接部Wについて画像データを取得し(S16)、この画像データをRGB分離して基準用RGB値を算出する(S17)。そして、基準用RBG値をグレースケール変換してグレースケール値Yを算出した後(S18)、このグレースケール値Yで基準用RGB値を除算し、基準用除算値を導出する(S19)。
続いて、基準用除算値に基づいて、上記S15にて形成した母材単位空間を用いてマハラノビスの距離を算出する(S20)。このマハラノビスの距離が所定値(第2閾値)よりも小さい場合、基準用溶接部Wを正常(健全)であると判断し、上記S19にて導出した基準用除算値に基づいて判定用単位空間を生成する(S21→S22)。その後、生成された判定用単位空間を、データベース33に格納する。一方、このマハラノビスの距離が所定値以上の場合、基準用溶接部Wを異常であると判断し、別の他の基準用溶接部Wについて上記S16の処理を再び実行する。
図8は、基準用溶接部のマハラノビスの距離を示すグラフである。図8に示す例では、複数の基準用溶接部WA〜WGについて、基準用除算値に基づき母材単位空間を用いて算出したマハラノビスの距離が示されている。また、ここでは、経験上及び統計学の観点から、所定値が400に設定されている。図8に示すように、基準用溶接部WAは、そのマハラノビスの距離が所定値よりも大きく、異常であると判断される一方、基準用溶接部WB〜WGは、そのマハラノビスの距離が所定値以下であり、正常であると判断されることとなる。
[色相判定工程]
次に、色相判定工程について説明する。まず、上記S2にて形成した溶接部Wを画像取得センサ4で撮像し、溶接部Wの画像データを取得する(S31)。続いて、演算部31において、この画像データをRGB分離し、判定用RGB値を算出する(S32)。
続いて、判定用RBG値をグレースケール変換し、色の明るさを表すグレースケール値Yを算出する(S33)。続いて、当該S33にて算出したグレースケール値Yで判定用RGB値を除算し、判定用除算値を導出する(S34)。その後、判定用除算値に基づいて、上記S22にて生成した判定用単位空間を用いてマハラノビスの距離を算出する(S35)。
そして、比較判定部32において、上記S35にて算出したマハラノビスの距離に基づいて、溶接部Wの色相むらを判定する。具体的には、マハラノビスの距離が所定値(第1閾値)よりも小さい場合、溶接部Wの色相むらを正常(健全)であると判定する(S36→S37)。すなわち、溶接部Wの色相むらの度合いが、許容値内であると比較判定される。なお、ここでの所定値は、経験上及び統計学の観点から、4〜10程度に設定されている。また、マハラノビスの距離が1であれば、判定用単位空間の生成に用いられた基準用溶接部Wと同等の色相品質を有することになる。
一方、上記S35にて算出したマハラノビスの距離が所定値以上の場合、溶接部Wの色相むらを異常であると判定する(S36→S38)。ちなみに、ここでの「色相むら」とは、赤、緑、青の色相内のそれぞれにおいて明暗(濃度)がばらつくことではなく、様々な色相が存在することを意味する。
以上、本実施形態によれば、判定用RGB値をグレースケール値Yで除算することで判定用除算値が得られている(上記S34)。つまり、RGB値のR値とG値とB値との各成分に対し、輝度としてのグレースケール値Yで正規化されるよう演算が施され、判定用除算値が求められている。よって、判定用除算値において、溶接部Wの画像における同色系の濃度のばらつき(明暗)を除去することができる。従って、判定用除算値に基づいて溶接部Wの色相むらを判定する(上記S36)ことで、かかる色相むらを精度よく判定することが可能となる。
その結果、溶接後工程(上記S3)において、例えば溶接部Wに形成された輪状の焼け焦げ等を電解研磨で精度よく脱色することができ、製品外観を一層高めることが可能となる。また、複雑なアルゴリズムのフィルタリング処理を不要にでき、色相むらの判定を簡易化することも可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、色相むらを判定するに際し(上記S36)、判定用除算値に基づいてマハラノビスの距離を算出し、該マハラノビスの距離が所定値よりも小さいとき、色相むらが正常であると判定している。よって、MTシステムを利用して溶接部Wの色相むらを定性的に判定することができ、溶接部Wの色相むらを一層精度よく判定することが可能となる。
図9(a)は正常な色相むらの溶接部の判定用RGB値を示すグラフ、図9(b)はその判定用除算値を示すグラフ、図10(a)は異常な色相むらの溶接部の判定用RGB値を示すグラフ、図10(b)はその判定用除算値を示すグラフである。図9,10においては、レーザ溶接の対象となるワーク10A,10Bとして、SUS301L材を用い、表面状態はいわゆる2B仕上げ(JIS規格に準拠)としている。また、ワーク10A,10Bのそれぞれは、その厚さが2mm、幅が100mm、長さが100mmとしている。図9の例では、レーザビームの出力を3.4kWとし、可動ステージ25の移動速度を約3.5m/minとしている。他方、図10の例では、レーザビームの出力を3.4kWとし、可動ステージ25の移動速度を約5m/minとしている。
図9,10に示すように、正常な色相むらの溶接部Wと異常な色相むらの溶接部Wとを対比すると、判定用RGB値では、共に大きく振幅し、互いの相違を判定するのが困難である。一方で、判定用除算値においては、正常な色相むらの溶接部は、異常な色相むらの溶接部に対し一見して識別できる程度に、その波形の振幅が抑制されている。これにより、除算値においては、溶接部Wの画像における明暗の悪影響が除去され、色相むらに関する成分が顕著化されるということを確認することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、除算値から算出したマハラノビスの距離によって溶接部Wの色相むらの判定を行ったが、除算値に対し標本線(例えば、μ±nσ:但し、μは除算値の平均値、nは整数、σは除算値の標準偏差)を設定し、この標本線内に除算値が存在するときに溶接部Wの色相むらを正常と判定する場合もある。また、場合によっては、除算値のグラフを目視で判定してもよい。
また、レーザ溶接の態様は、上記実施形態のような重ね溶接に限定されず、突合せ溶接等の種々の態様であってもよい。なお、上記「RGB値(RGB)」には、sRGBやRGBA等の同様の表色法による値を含んでいる。
10A,10B…ワーク(母材)、W…溶接部。

Claims (4)

  1. レーザビームの照射で母材に形成された溶接部を評価するためのレーザ溶接部評価方法であって、
    前記溶接部の色相むらを判定する色相判定工程を有し、
    前記色相判定工程では、
    前記溶接部の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を算出し、
    前記RGB値をグレースケール変換して得られる値をグレースケール値として算出し、
    前記RGB値を前記グレースケール値で除算して得られる除算値に基づいて、前記色相むらを判定することを特徴とするレーザ溶接部評価方法。
  2. 前記色相判定工程では、
    前記除算値に基づいてマハラノビスの距離を算出し、該マハラノビスの距離が第1閾値よりも小さいとき、前記色相むらが正常であると判定することを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接部評価方法。
  3. 前記色相判定工程の前に、該色相判定工程にてマハラノビスの距離を算出する際に用いる判定用単位空間を予め生成する判定用単位空間生成工程を有することを特徴とする請求項2記載のレーザ溶接部評価方法。
  4. 前記判定用単位空間生成工程は、
    前記母材の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を母材RGB値として算出し、前記母材RGB値をグレースケール変換して得られる値を母材グレースケール値として算出し、前記母材RGB値を前記母材グレースケール値で除算して得られる母材除算値に基づいて基準用単位空間を生成する第1工程と、
    基準用溶接部の画像情報を取得し、該画像情報のRGB値を基準用RGB値として算出し、前記基準用RGB値をグレースケール変換して得られる値を基準用グレースケール値として算出し、前記基準用RGB値を前記基準用グレースケール値で除算して得られる基準用除算値に基づいて、マハラノビスの距離を前記第1工程にて生成した前記基準用単位空間を用いて算出し、該マハラノビスの距離が第2閾値よりも小さいとき、前記基準用除算値に基づいて前記判定用単位空間を生成する第2工程と、を含むことを特徴とする請求項3記載のレーザ溶接部評価方法。
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