JP5340738B2 - 膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池 - Google Patents

膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、膜−膜補強膜接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池、特に、膜−膜補強膜接合体の構造に関する。
燃料電池は、都市ガスなどの原料ガスを改質し水素を含む燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスを電気化学的に反応させることで、電気と熱を同時に発生させるものである。この燃料電池の単電池(セル)は、高分子電解質膜及び1対のガス拡散電極から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly)と、ガスケットと、導電性のセパレータと、を有している。セパレータには、ガス拡散電極と当接する主面に燃料ガス又は酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を流すための溝状のガス流路が設けられている。そして、周縁部にガスケットが配置されたMEAが1対のセパレータで挟まれて、セルが構成されている。
このような燃料電池のセルの製造方法として、組み立て性の改善を図った固体高分子型燃料電池の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図15は、特許文献1に開示されているセルの製造工程(触媒層塗布工程310及び拡散層一体化工程320)の概要を示した模式図である。
図15に示すように、この燃料電池の製造方法では、触媒層塗布工程310において、高分子電解質膜330上に触媒層331、331を形成し、ホットロール380、380を用いて触媒層・電解質接合体332を一体化する。そして、拡散層一体化工程320において、拡散層333、333を触媒層・電解質接合体332の両面に配置し、ホットロール390、390により拡散層333、333を接合する。これにより、セルの組立作業が容易となる。
ところで、燃料電池は、セルを積層して締結し、隣接するMEAを互いに電気的に直列に接続する、いわゆる積層型の燃料電池が一般的であるが、セルスタックを製造する際、積層されたセルの両端を端板で挟み、該端板とセルとを締結具により締結する。このため、高分子電解質膜は、締め付けの圧力に耐えられるように、また、長期間の使用において磨耗等による物理的な破損が生じないように、充分な強度を有する必要がある。
このような要求に対して、高分子電解質膜に額縁状の保護膜を取り付けた固体高分子電解質型燃料電池のシール構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
図16は、特許文献2に開示されている固体高分子電解質型燃料電池のシール構造の概要を示した模式図である。
図16に示すように、フッ素樹脂系シートで形成された額縁状の保護膜220は、固体高分子電解質膜210の主面に、その内周縁部が電極213によって覆われるように配設されている。また、ガスシール材212と電極213の間に隙間214を有するようにして、ガスシール材212が、電極213を囲むように配設されている。これにより、ガスシール材212及び電極213と固体高分子電解質膜210との間で保護膜220が挟持され、保護膜220が隙間214において固体高分子電解質膜210を補強するため、固体高分子電解質膜210の厚みを厚くすることなく、固体高分子電解質膜210の破損を防止することができる。
特開2001−236971号公報 特開平5−21077号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている固体高分子電解質型燃料電池のシール構造では、額縁状の保護膜220を予め形成しておき、固体高分子電解質膜210、保護膜220、電極214を一緒に複合化する、いわゆるバッチ式でMEAを製造することを前提としているため、特許文献1に開示されているような燃料電池の製造方法によって更なる低コスト化、及び更なる生産性の向上を意図(効率的な大量生産を意図)した場合に、未だ改善の余地があった。
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、充分な耐久性を確保でき、かつ、燃料電池の低コスト化、及び大量生産に適した構成を有する、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る膜−膜補強部材接合体は、略4角形の形状を有する高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の主面の側において該一方の主面の4辺のうちの互いに対向する1組の辺に沿って延びるように配置された1対の膜状の第1膜補強部材と、前記高分子電解質膜の他方の主面の側において該他方の主面の4辺のうちの互いに対向する1組の辺に沿って延びるように配置された1対の膜状の第2膜補強部材と、を備え、前記高分子電解質膜は、前記1対の第1膜補強部材及び前記1対の第2膜補強部材が配置されている部分が凹状に形成されており、記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材は、その主面が露出するように、かつ、全体として前記高分子電解質膜の周縁部を囲むように配置されている。
本発明に係る膜−膜補強部材接合体は、上述のように、高分子電解質膜の主面の4辺のうち互いに対抗する1組の辺に沿って延びるようにして、第1及び第2膜補強部材が配置されていることから、高分子電解質膜にテープ状の膜補強部材を積層して、高分子電解質膜及び膜補強部材の積層体からなるロールを製造するといった、特許文献1に開示されているセルの製造方法を容易に適用することができ、また、図16に示したように保護膜220を高分子電解質膜210の主面の周縁部分のすべてに配置する構成を有する特許文献2に開示された高分子電解質型燃料電池よりも材料コストを低減することができる。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材とは、前記高分子電解質膜の4隅の部分を挟むように配置されていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1補強部材と前記1対の第2補強部材とは、前記高分子電解質膜の厚み方向から見て、全体として前記高分子電解質膜の周縁部に互いに重なり合わないように配置され、前記高分子電解質膜は、前記1対の第1膜補強部材の露出した主面と前記高分子電解質膜の前記一方の主面の前記1対の第1膜補強部材の間に位置する部分とが実質的に同一平面上に位置するように段状に屈曲されていてもよい。
これにより、燃料電池を締結したときに、膜−膜補強部材接合体における高分子電解質膜の一方の主面における1対の第1膜補強部材の間に位置する部分と、1対の膜−膜補強部材の露出した主面と、にかかる圧力の均一化を図ることができる。また、圧力の均一化を図ることができるため、膜−膜補強部材の破損を低減することができる。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材は、前記互いに対向する1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置されていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第2膜補強部材は、各々の両端が屈曲された前記高分子電解質膜の段差部に接触するように配置されていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第2膜補強部材は、該1対の第2膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と該高分子電解質膜の前記他方の主面の該1対の第2膜補強部材の両端より外方に位置する部分とが実質的に同一平面上に位置するような厚みを有していてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材は、露出した主面が前記高分子電解質膜の一方の主面と実質的に同一平面上に位置するように前記高分子電解質膜に配置されており、前記1対の第2膜補強部材は、露出した主面が前記高分子電解質膜の他方の主面と実質的に同一平面上に位置するように前記高分子電解質膜に配置されていてもよい。
これにより、燃料電池を締結したときに、膜−膜補強部材接合体における高分子電解質膜の一方の主面における1対の第1膜補強部材の間に位置する部分と、1対の第1膜−膜補強部材の露出した主面と、にかかる圧力及び高分子電解質膜の他方の主面における1対の第2膜補強部材の間に位置する部分と、1対の第2膜−膜補強部材の露出した主面と、にかかる圧力の均一化をより図ることができる。また、膜−膜補強部材接合体の両主面の面圧の均一化をより図ることができるため、膜−膜補強部材の破損をより低減することができる。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材には、それぞれの両端部に相欠接ぎ部が形成されており、前記第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが前記高分子電解質膜の4隅の部分を挟むようにして相欠接ぎに組み合わせられていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と、少なくとも前記高分子電解質膜の前記一方の主面の前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部以外の部分に重なり合う部分とが、実質的に同一平面上に位置するように、前記高分子電解質膜が段状に屈曲されるような態様で、前記1対の第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが相欠接ぎに組み合わせられていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補拒部材接合体では、前記1対の第1膜補強部材は前記一方の1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置され、 前記1対の第2膜補強部材は前記他方の1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置されていてもよい。
また、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記1対の第2膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と、少なくとも前記高分子電解質膜の前記他方の主面の一対の前記第1膜補強部材の相欠接ぎ部以外の部分に重なり合う部分とが、実質的に同一平面上に位置するように、前記高分子電解質膜が段状に屈曲されるような態様で、前記1対の第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが相欠接ぎに組み合わせられていてもよい。
さらに、本発明に係る膜−膜補強部材接合体では、前記高分子電解質膜は、その内部に、イオン伝導パスとなる貫通孔を有する内部補強膜を有していてもよい。
これにより、高分子電解質膜全体としての機械的強度を増加させることができ、また、高分子電解質膜が破損したような場合であっても、内部補強膜により反応ガスのクロスリークをより確実に防止することができる。
また、本発明に係る膜−触媒層接合体は、前記膜−膜補強部材接合体と、前記高分子電解質膜の一方の主面を覆うように配置された第1触媒層と、前記高分子電解質膜の他方の主面を覆うように配置された第2触媒層と、を備え、前記第1触媒層は前記1対の第1膜補強部材の露出した主面の一部と前記高分子電解質膜の一方の主面の該1対の第1膜補強部材の間に位置する部分とを覆うように配置されており、前記第2触媒層は前記1対の第2膜補強部材の露出した主面の一部と前記高分子電解質膜の他方の主面の該1対の第2膜補強部材の間に位置する部分とを覆うように配置されている。
上述したように、本発明に係る膜−触媒層接合体では、燃料電池を締結したときに高分子電解質膜の最も圧力がかかる触媒層の端部が、膜補強部材に当接するように(膜補強部材が、触媒層の端部を覆うように)配置されているので、高分子電解質膜の破損を防止することができる。また、高分子電解質膜の一方の主面において、触媒層の端部と当接している部分が破損したような場合であっても、該部分の他方の主面側には、膜補強部材が配設されているので、反応ガスのクロスリークを防止することができる。
このように、本発明に係る膜−触媒層接合体は、充分な耐久性を確保しつつ、更なる低コスト化、及び更なる生産性の向上を容易に図ることができる。
また、本発明に係る膜−触媒層接合体では、前記第1触媒層及び第2触媒層は、前記高分子電解質膜の厚み方向から見て各々の周縁部が全周に亘って前記第1膜補強部材及び第2膜補強部材と重なるように配置されていることが好ましい。
また、本発明に係る膜−電極接合体は、前記膜−触媒層接合体と、前記膜−触媒層接合体の前記第1触媒層を覆うように配置された第1ガス拡散層と、前記膜−触媒層接合体の前記第2触媒層を覆うように配置された第2ガス拡散層と、を備える。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、前記膜−電極接合体を備える。
これにより、本発明に係る燃料電池は、上述した本発明に係る膜−膜補強部材接合体を具備しているので、更なる低コスト化、及び、更なる生産性の向上を容易に図ることができる。
なお、本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池によれば、充分な耐久性を確保でき、かつ、低コスト化、及び大量生産に適した膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池を提供することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)のセルの概略構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態1に係るPEFCのセル100は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)5と、第1膜補強部材10aと、第2膜補強部材10bと、ガスケット11と、アノードセパレータ6aと、カソードセパレータ6bと、を有している。MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1と、アノード触媒層(第1触媒層)2a及びアノードガス拡散層(第1ガス拡散層)3aからなるアノード4aと、カソード触媒層(第2触媒層)2b及びカソードガス拡散層(第2ガス拡散層)3bからなるカソード4bと、を有している。なお、ここでは、高分子電解質膜1、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bからなる接合体を膜−膜補強部材接合体20といい、また、膜−膜補強部材接合体20、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bからなる接合体を膜−触媒層接合体30という。
まず、高分子電解質膜1及び膜−膜補強部材接合体20について説明する。
図2は、図1に示すPEFCのセル100における高分子電解質膜1の概略構成を模式的に示す斜視図である。図3は、図2に示す高分子電解質膜1に第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bが配置された状態(膜−膜補強部材接合体20)を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、その縁部には、1対の第1凹部1a、1a及び1対の第2凹部1b、1bが形成されている(その周縁部は、凹状に形成されている)。具体的には、高分子電解質膜1の一方の主面F1の互いに対向する1組の辺E1、E1に、その全長に亘って、該辺E1、E1に沿って延びるようにして1対の第1凹部1a、1aが形成されており、また、高分子電解質膜1の他方の主面F2の互いに対向する1組の辺E2、E2に、その全長に亘って、該辺E2、E2に沿って延びるようにして1対の第2凹部1b、1bが形成されている。
そして、図3に示すように、高分子電解質膜1の第1凹部1a、1aには、短冊状で、かつ、膜状の第1膜補強部材10a、10aが、丁度収容されるように設けられている。換言すれば、第1膜補強部材10a、10aが、その主面を露出するようにして、高分子電解質膜1に埋め込まれている。また、高分子電解質膜1の第2凹部1b、1bには、短冊状で、かつ、膜状の第2膜補強部材10b、10bが、丁度収容されるように設けられている。換言すれば、第2膜補強部材10b、10bが、その主面が露出するようにして高分子電解質膜1に埋め込まれている。1対の第1膜補強部材10a、10aと1対の第2膜補強部材10b、10bは、第1の主面F1と第2の主面F2とに交互に存在するように配置されていて、全体として高分子電解質膜1の4辺に沿って延在し、かつ、高分子電解質膜1の4隅の部分を挟むように(以下、井桁組状にという)配置されている。また、1対の第1膜補強部材10a、10aは、その主面が高分子電解質膜1の主面F1と面一になるように(高分子電解質膜1の主面F1と同一平面上に位置するように)配置されている。また、1対の第2膜補強部材10b、10bは、その主面が高分子電解質膜1の主面F2と面一になるように(高分子電解質膜1の主面F2と同一平面上に位置するように)配置されている。
ここで、面一とは、実質的に同一平面上にあることをいい、高分子電解質膜1の第1及び第2凹部1a、1bの深さ寸法と第1及び第2膜補強部材10a、10bの高さ寸法がほぼ同じであることをいう。
これにより、燃料電池(セルスタック)を締結したときに、第1膜補強部材10aの主面と高分子電解質膜1の主面F1とにかかる圧力の均一化を図ることができ、また、第2膜補強部材10bの主面と高分子電解質膜1の主面F2とにかかる圧力の均一化を図ることができる。
なお、第1凹部1a、1a及び第2凹部1b、1bに配置される第1膜補強部材10a、10a及び第2膜補強部材10b、10bの厚み又は幅方向の寸法は、本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されないが、本発明の効果をより確実に得る観点から、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bの厚み及び幅方向の寸法は、互いに等しいことが好ましい。
次に、膜−膜補強部材接合体20の各構成要素について説明する。
高分子電解質膜1は、プロトン伝導性を有している。高分子電解質膜1としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、及びスルホンイミド基を有するものが好ましく、プロトン伝導性の観点から、高分子電解質膜1は、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
高分子電解質膜1を構成するスルホン酸基を有する樹脂としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/gの乾燥樹脂であることが好ましい。高分子電解質膜1を構成する乾燥樹脂のイオン交換容量が0.5meq/g以上であると、発電時における高分子電解質膜1の抵抗値の上昇を充分に低減することができるので好ましく、また、乾燥樹脂のイオン交換容量が1.5meq/g以下であると、高分子電解質膜1の含水率が増大せず、膨潤しにくくなり、後述する触媒層2中の細孔が閉塞するおそれがないため好ましい。また、以上と同様の観点から、乾燥樹脂のイオン交換容量は、0.8〜1.2meq/gであることがより好ましい。
高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(4)〜(6)で表される化
合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜
3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(4)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(5)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3H ・・・(6)
また、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bの構成材料は、製造時にロールに巻回でき、かつ、その巻回を解いたときにもとの形状にもどることのできる柔軟性と可とう性とを有する合成樹脂であることが好ましい。
更に、上記の合成樹脂としては、耐久性の観点から、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフィド、ポリイミド、及び、ポリイミドアミドからなる群より選択される少なくとも1以上の樹脂から構成される合成樹脂であることが好ましい。
次に、膜−触媒層接合体30について説明する。
図4(a)は、図1に示すPEFCのセル100における膜−触媒層接合体30の概略構成を模式的に示す斜視図である。また、図4(b)は、図4(a)に示す矢印IVbの方向から見た模式図である。
図4(a)に示すように、膜−触媒層接合体30は、膜−膜補強部材接合体20と触媒層2(アノード触媒層2a、又はカソード触媒層2b)を有している。アノード触媒層2aは、高分子電解質膜1の主面F1における1対の第1膜補強部材10a、10aの間に位置する部分と、1対の第1膜補強部材10a、10aの露出した主面を覆うように配置されている。また、カソード触媒層2bは、高分子電解質膜1の主面F2における1対の第2膜補強部材10b、10bの間に位置する部分と、1対の第2膜補強部材10b、10bの露出した主面を覆うように配置されている(図4(b)参照)。そして、図4(b)に示すように、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bは、ここでは、高分子電解質膜1と相似の矩形に形成され、高分子電解質膜1の厚み方向(矢印VIbの方向)から見て、各々の周縁部が全周に亘って第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bと重なるように配置されている。
これにより、アノード触媒層2aにおける主面の4辺のうち、互いに対向する1組の辺E3、E3は、第1膜補強部材10a、10aと当接して高分子電解質膜1の主面F1に直接当接しないため、高分子電解質膜1は破損されない。同様に、カソード触媒層2bにおける主面の4辺のうち、互いに対向する1組の辺E4、E4は、第2膜補強部材10b、10bと当接して高分子電解質膜1の主面F2に直接当接しないため、高分子電解質膜1は破損されない。
一方、アノード触媒層2aにおける主面の互いに対向する辺E4、E4は、高分子電解質膜1の主面F1と直接当接するため、高分子電解質膜1が当該部分で破損する場合もある。しかしながら、このような場合であっても、高分子電解質膜1の主面F2側には、当該部分に第2膜補強部材10b、10bが配置されているので、反応ガスがクロスリークすることがない。また、同様に、カソード触媒層2bにおける主面の互いに対向する辺E3、E3は、高分子電解質膜1の主面F2と直接当接するため、高分子電解質膜1が当該部分で破損する場合もある。このような場合であっても、高分子電解質膜1の主面F1側には、当該部分に第1膜補強部材10a、10aが配置されているので、反応ガスがクロスリークすることがない。
触媒層2の構成としては、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されず、公知の燃料電池におけるガス拡散電極の触媒層と同様の構成を有していてもよく、例えば、電極触媒が担持された導電性炭素粒子(粉末)と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質と、を含むような構成であってもよく、また、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水材料を更に含むような構成であってもよい。また、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bの構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
触媒層2は、公知の燃料電池におけるガス拡散電極の触媒層の製造方法を用いて形成してもよく、例えば、触媒層2の構成材料(例えば、上述した電極触媒が担持された導電性炭素粒子と高分子電解質)と、分散媒と、を少なくとも含む液(触媒層形成用インク)を調整し、これを用いて作成してもよい。
なお、高分子電解質としては、上述した高分子電解質膜1を構成する材料と同種のものを使用してもよく、また、異なる種類のものを使用してもよい。また、電極触媒としては、金属粒子を用いることができる。当該金属粒子としては、特に限定されず種々の金属を使用することができるが、電極反応活性の観点から、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛及びスズからなる金属群より選択される少なくとも1以上の金属であることが好ましい。なかでも、白金、又は白金と上記金属群より選択される少なくとも一以上の金属との合金が好ましく、白金とルテニウムの合金が、アノード触媒層2aにおいて触媒の活性が安定することから特に好ましい。
また、電極触媒に用いる上記金属粒子は、平均粒径1〜5nmであることが好ましい。平均粒径1nm以上の電極触媒は工業的に調製が容易であるため好ましく、また、5nm以下であると、電極触媒質量あたりの活性をより充分に確保しやすくなるため、燃料電池のコストダウンにつながり好ましい。
上記導電性炭素粒子は、比表面積が50〜1500m2/gであることが、好ましい。比表面積が50m2/g以上であると、電極触媒の担持率を上げることが容易であり、得られた触媒層2の出力特性をより充分に確保できることから好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、充分な大きさの細孔をより容易に確保できるようになり、かつ、高分子電解質による被覆がより容易となり、触媒層2の出力特性をより充分に確保できることから好ましい。上記と同様の観点から、比表面積は200〜900m2/gであることが、より好ましい。
また、導電性炭素粒子は、その平均粒径が0.1〜1.0μmであることが好ましい。導電性炭素粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、触媒層2中のガス拡散性をより充分に確保し易くなり、フラッディングをより確実に防止できるようになるため好ましい。また、導電性炭素粒子の平均粒径が1.0μm以下であると、高分子電解質による電極触媒の被覆状態をより容易に良好な状態とし易くなり、高分子電解質による電極触媒の被覆面積をより充分に確保し易くなるため、充分な電極性能をより確保し易くなり好ましい。
次に、MEA(膜−電極接合体)5について説明する。
図5(a)は、図1に示すPEFCのセル100におけるMEA5の概略構成を示す模式図である。図5(b)は、図5(a)に示す矢印Vbの方向から見た模式図である。
図5に示すように、MEA5は、膜−触媒層接合体30のアノード触媒層2aの主面を覆うようにして、アノードガス拡散層3aが設けられており、同様に、カソード触媒層2bの主面を覆うようにして、カソードガス拡散層3bが設けられている。アノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aからアノード4aが構成され、また、カソード触媒層2bとカソードガス拡散層3bからカソード4bが構成される。また、アノード4a及びカソード4bを併せて電極4という。なお、ここでは、アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3bの主面は、それぞれ、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bの主面と相似の矩形に形成され、かつ、これらより大きくなるように構成されているが、これに限定されず、それぞれの主面が同じであってもよい。
アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3b(以下、ガス拡散層3という)の構成は、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されず、公知の燃料電池におけるガス拡散電極のガス拡散層と同様の構成を有していてもよく、また、ガス拡散層3の構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
ガス拡散層3としては、例えば、ガス透過性を持たせるために、高表面積のカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性基材を用いてもよい。また、充分な排水性を得る観点から、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層3の中に分散させてもよい。さらに、充分な電子伝導性を得る観点から、カーボン繊維、金属繊維またはカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層3を構成してもよい。
また、アノードガス拡散層3aとアノード触媒層2aとの間、及び、カソードガス拡散層3bとカソード触媒層2bとの間には、撥水性高分子とカーボン粉末とで構成される撥水カーボン層を設けてもよい。これにより、MEA5における水管理(MEA5の良好な特性維持に必要な水の保持、及び、不必要な水の迅速な排水)をより容易に、かつ、より確実に行うことができる。
次に、セル100の残りの構成について説明する。
図17は、図1に示すPEFCのセル100におけるMEA5とガスケット11の概略構成を模式的に示す斜視図である。
このように構成されたMEA5のアノード4a及びカソード4bの周囲には、図1及び図17に示すように、高分子電解質膜1を挟んで1対のフッ素ゴム製のガスケット11が配設されている。ガスケット11は、略矩形でリング状に形成されている。具体的には、ガスケット11は、高分子電解質膜1と同様に、略4角形に形成されていて、その主面には、開口が設けられている。該開口は、アノード4a又はカソード4bの主面(正確には、ガス拡散層3の主面)より若干大きく形成されている。そして、ガスケット11は、複数のセル100を積層して締結したときに、その主面の高さが、アノード4a又はカソード4bの主面の高さと同じになるように構成されている。なお、ガスケット11は、ガスケット11を構成する材料で形成されたシートからガスケット11をレーザー光等で切断して製造してもよく、また、ガスケット11の形状となるような鋳型を作製し、この鋳型にMEA5を入れて、射出成型することでガスケット11とMEA5の接合体を作製してもよい。
これにより、燃料ガス、空気や酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、セル100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、高分子電解質膜1、膜補強部材10、及びガスケット11の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給マニホールド孔等のマニホールド孔が設けられている(図示せず)。
また、図1に示すように、MEA5とガスケット11を挟むように、導電性のアノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bが配設されている。これらのセパレータ6a、6bは、黒鉛板に、フェノール樹脂が含浸され硬化された樹脂含浸黒鉛板が用いられている。また、SUS等の金属材料からなるものを用いてもよい。アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bにより、MEA5が機械的に固定されるとともに、隣接するMEA5同士が互いに電気的に直列に接続される。
アノードセパレータ6aの内面(MEA5に当接する面)には、燃料ガスを流すための溝状の燃料ガス流路7がサーペンタイン状に形成されている。一方、アノードセパレータ6aの外面には、熱媒体を流すための溝状の熱媒体流路9がサーペンタイン状に形成されている。また、アノードセパレータ6aの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給マニホールド孔等のマニホールド孔(図示せず)が設けられている。
一方、カソードセパレータ6bの内面には、酸化剤ガスを流すための溝状の酸化剤ガス流路8がサーペンタイン状に形成されており、その外面には、熱媒体を流すための溝状の熱媒体流路9がサーペンタイン状に形成されている。また、カソードセパレータ6bの周縁部には、アノードセパレータ6aと同様に、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給マニホールド孔等のマニホールド孔が設けられている(図示せず)。
なお、燃料ガス流路7、酸化剤ガス流路8、及び熱媒体流路9は、ここでは、サーペンタイン状に形成されているが、これに限定されず、セパレータ6a、6bの主面のほぼ全域を反応ガス又は熱媒体が通流するようにすれば、どのような形状であってもよい。
このように形成したセル100をその厚み方向に積層することにより、セル積層体が形成される。このとき、アノードセパレータ6a、カソードセパレータ6b及びガスケット10に設けられた燃料ガス供給マニホールド孔等のマニホールド孔は、セル100を積層したときに厚み方向にそれぞれつながって、燃料ガス供給マニホールド等のマニホールドがそれぞれ形成される。そして、セル積層体の両端に集電板及び絶縁板をそれぞれ配設し、そして、絶縁板の両側に端板をそれぞれ配置し、締結具で締結することにより、セルスタック(PEFC)が形成される。
次に、本実施の形態1に係るPEFCにおけるセルの製造方法について説明する。なお、以下に説明するようにして製造したMEA5を用いて、セル及びセルスタック(PEFC)を製造する方法は、特に限定されず、公知のPEFCの製造技術を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
まず、膜−触媒層積層体30の製造方法について説明する。
図6は、図4に示す膜−触媒層積層体30を製造するための一連の工程(処理エリア)及び製造ラインの一部を概略的に示す模式図である。
図6に示すように、膜−触媒層積層体30は、高分子電解質膜シートと膜補強部材テープを接合して膜−膜補強部材積層体を形成する接合工程P1、膜−膜補強部材接合体シートを乾燥する熱処理工程P2、膜−膜補強部材積層体を熱圧着する熱圧着工程P3、膜−膜補強部材接合体シートに触媒層を塗工する塗工工程P4及び膜−触媒層シートを切断する裁断工程P5を経て、製造される。これにより、MEA5は、低コストで、かつ、容易に大量生産することができる。
まず、接合工程P1について説明する。
図7及び図8は、図6に示す膜−触媒層積層体30製造工程における接合工程P1を説明するための模式図である。
まず、公知の薄膜製造技術を用いて、長尺の高分子電解質膜シート41a(切断後、図1に示す高分子電解質膜1となる部材)を巻回した高分子電解質膜ロール40と、膜補強部材テープ61(切断後、図1に示す第1膜補強部材10a(又は第2膜補強部材10b)となる部材)を巻回した膜補強部材ロール60を製造する。
次に、図7に示すように、高分子電解質膜ロール40から高分子電解質膜シート41aを引き出し、また、1対の膜補強部材ロール60、60から1対の膜補強部材テープ61、61を引き出し、これらを1対のローラ80、81を有する熱圧着機(図示せず)内に誘導する。このとき、1対の膜補強部材テープ61、61が、高分子電解質膜シート41aの両側端部に配置されるように高分子電解質膜シート41a及び1対の膜補強部材テープ61、61の位置決めを行う。そして、熱圧着機内で高分子電解質膜シート41a及び1対の膜補強部材テープ61、61は、予熱されたローラ80とローラ81との間を進行方向D1側に進む過程において接合され、テープ状の膜−膜補強部材積層体42が形成される。
なお、高分子電解質膜シート41aに接触させる前の1対の膜補強部材テープ61、61の表面(接触面となる部分)に、接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。この場合、上記のようにローラ80、81を予熱して加圧処理を行ってもよく、予熱を行わずに、加圧処理のみ行ってもよい。また、接着剤としては、電池特性を低下させないものであることが好ましく、例えば、高分子電解質膜シート41aと同種または異種(但し、高分子電解質膜シート41aと十分に一体化可能な親和性を有するもの)の高分子電解質材料(例えば、先に高分子電解質膜1の構成材料として例示したもの)を分散媒又は溶媒に含有させた液を用いてもよい。
次に、図8に示すように、膜−膜補強部材積層体42の高分子電解質膜シート41a及び膜補強部材テープ61、61によって形成される溝状の凹部43に、ブレード45を用いて高分子電解質のキャスト膜41bを形成する。具体的には、高分子電解質を水置換やアルコール分散などにより液状にして、適宜な粘度に調整した高分子電解質溶液44を凹部43に適量載置し、ブレード45の下端面を膜−膜補強部材積層体42の膜補強部材テープ61、61の主面に当接させる。そして、膜−膜補強部材積層体42を進行方向D1側に動かすことで、ブレード45の下端面と凹部43との間に高分子電解質のキャスト膜41bが形成される。
次に、熱処理工程P2について説明する。
熱処理工程P2では、接合工程P1で形成した高分子電解質膜のキャスト膜41bに含まれる液体を適宜な手段で熱処理(例えば、高分子電解質を分散した分散剤が気化する温度に調整された乾燥炉中に、膜−膜補強部材積層体42を通過させることで乾燥する)を行って除去することにより、高分子電解質膜シート41cが、高分子電解質膜シート41aの主面の上(凹部43)に形成される。高分子電解質膜シート41cの表面は、膜−膜補強部材積層体42の1対の膜補強部材テープ61、61の表面と面一になるように形成される。
次に、熱圧着工程P3について説明する。
熱圧着工程P3では、熱処理工程P2で形成した高分子電解質膜シート41cと高分子電解質膜シート41aを完全に一体化するために熱圧着する。具体的には、膜−膜補強部材積層体42と高分子電解質膜シート41cを1対のローラ82、83を有する熱圧着機(図示せず)を通過させる。高分子電解質膜シート41a及び高分子電解質膜シート41cを構成する高分子電解質のガラス転移点以上の温度になるようローラ82及びローラ83が予熱されており、膜−膜補強部材積層体42と高分子電解質膜シート41cが、熱圧着機内のローラ82とローラ83との間を進行方向D1側に進む過程において、高分子電解質膜シート41aと高分子電解質膜シート41cが接合されて完全に一体化し、長尺の膜−膜補強部材接合体シート46が形成される。
なお、膜−膜補強部材接合体シート46は、以下のようにして形成してもよい。
図9は、膜−膜補強部材接合体シート46を形成する他の製造方法を示した模式図である。
まず、公知の薄膜製造技術を用いて、長尺の高分子電解質膜シート41cを巻回した高分子電解質膜ロール40cを製造する。このとき、高分子電解質膜シート41cの幅寸法を、膜−膜補強部材積層体42の凹部の幅寸法と同じになるように形成する。
次に、図9に示すように、高分子電解質膜ロール40cから高分子電解質膜シート41cを引き出し、膜−膜補強部材積層体42の凹部43に、高分子電解質膜シート41cが嵌合するようにして、図示されない熱圧着機内に膜−膜補強部材積層体42と高分子電解質膜シート41cを誘導する。そして、熱圧着機で膜−膜補強部材積層体42の高分子電解質膜シート41aと高分子電解質膜シート41cが接合されて完全に一体化し、長尺の膜−膜補強部材接合体シート46が形成される。
また、膜−膜補強部材接合体シート46は、以下のようにして形成してもよい。
図18は、膜−膜補強部材接合体シート46を形成する他の製造方法(ロールナイフコーター(コンマコーター)を用いた製造方法)を示した模式図である。また、図19は、図18に示すロールナイフコーターの要部を拡大した模式図である。
まず、公知の薄膜製造技術を用いて、長尺の基材シート84の両側端部に1対の膜補強部材テープ61、61が貼付された基材−膜補強部材接合体シート86を作製し、該基材−膜補強部材接合体シート86を巻回した基材−膜補強部材ロール85を用意する。そして、基材−膜補強部材接合体シート86の一方の主面(以下、表面)に、図18及び図19に示す公知のロールナイフコーター95を用いて、断面が凸状の高分子電解質膜のキャスト膜41bを作製する。
ここで、ロールナイフコーター95について、簡単に説明する。
図18に示すように、キャスト膜41bの製造ラインには、所定の回転方向に回転する回転ロール92が配置されている。この回転ロール92に、基材−膜補強部材ロール85から引き出された基材−膜補強部材接合体シート86が巻き付けられている。回転ロール92の下方には、回転ロール92に巻かれた基材−膜補強部材接合体シート86との間に所定の間隙を有し、かつ、回転ロール92に平行にアプリケータロール93が配置されている。アプリケータロール93は、回転ロール92と反対方向に回転される。そして、アプリケータロール93を囲むように液ダム部94が形成されていて、アプリケータロール93の下部がこの液ダム部94に溜められた塗工液(ここでは、高分子電解質溶液)44に浸漬されている。また、基材−膜補強部材接合体シート86の進行方向におけるアプリケータロール93の後方斜め上方には、ロールナイフ96が配置されている。
図18及び図19に示すように、ロールナイフ96は、円柱体の周面にその軸方向の全長に渡って一対のV字状の切欠部97が形成された形状に形成されている。一対の切欠部97は、円柱体の中心軸に対称に形成されている。各切欠部97の、基材−膜補強部材接合体シート86の進行方向前側の側面97aと円柱体の周面とにより形成される稜部が振れ刃部96aを構成している。このロールナイフ96が、一方の振れ刃部96aが、回転ロール92に巻かれた基材−膜補強部材接合体シート86との間に所定の間隙を有するようにして、回転ロール92に平行に固定されている。
このように構成されたロールナイフコーター95では、回転ロール92とアプリケータロール93の間を基材−膜補強部材接合体シート86が通過し、これらのロール92、93の間を通過するときに基材−膜補強部材接合体シート86の表面に高分子電解質溶液44が塗布される。そして、高分子電解質溶液44が塗布された基材−膜補強部材接合体シート86は、回転ロール92の周面に沿って移動する。このとき、基材−膜補強部材接合体シート86には、基材シート84と1対の膜補強部材テープ61、61の間に凹部が形成されているため、高分子電解質膜のキャスト膜41bは、その厚み方向の断面が、凸状に形成される。これにより、基材−高分子電解質膜シート51が形成される。なお、回転ロール92の周面(正確には、基材−膜補強部材接合体シート86の表面)とロールナイフ96の振れ刃部96aとの間の間隔によって、基材−膜補強部材接合体シート86に表面に形成される高分子電解質膜シート41dの膜厚が決定される。
次に、上述のようにして形成された基材−高分子電解質膜シート51のキャスト膜41bに含まれる液体を、熱処理工程P2と同様に、適宜な手段で熱処理を行って除去する。ついで、基材−高分子電解質膜シート51から基材シート84を適宜な手段により剥がして、膜−膜補強部材接合体シート46が形成される。
なお、ここでは、ロールナイフコーターを用いて、基材−高分子電解質膜シート51を形成したが、これに限定されず、スロットダイコーター、リップコーター、及びグラビアコーター等の公知のコーティング装置を用いて、基材−高分子電解質膜シート51を形成してもよい。
次に、塗工工程P4について説明する。
図10は、図6に示す膜−触媒層積層体30の製造工程における塗工工程P4を説明するための模式図である。
まず、塗工工程P4が行われるエリアの構成について説明する。
図10に示すように、塗工工程P4が行われるエリアには、開口部48を有するマスク47と、膜−膜補強部材テープ46の1対の膜補強部材テープ61、61が配置されていない側の主面(以下、裏面という)から膜−膜補強部材接合体シート46を支える図示されない支持手段(例えば、支持台)と、触媒層形成装置49(図6参照)と、が配置されている。開口部48の形状は、図4に示した触媒層2の主面の形状に対応するように設計されている。また、触媒層形成装置は、触媒層形成用インクを塗工又はスプレーするなどして膜−膜補強部材シート46の主面に触媒層2を形成するための機構が備えられている。この機構は、公知の燃料電池のガス拡散層の触媒層を形成するために採用されている機構、例えば、スプレー法、スピンコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、スクリーン印刷法に基づいて設計された機構を採用することができる。
次に、塗工工程P4の処理について説明する。
まず、熱圧着工程P3で形成された膜−膜補強部材接合体シート46が、塗工工程P4エリアにまで進むと、一旦停止する。そして、膜−膜補強部材接合体シート46が、マスク47と図示されない支持台との間に挟持されるようにして固定される。次に、触媒層形成装置49が作動し、マスク47の開口部48の上方から触媒層形成用インクを塗工する等により、膜−膜補強部材接合体シート46の高分子電解質膜シート41cの主面と1対の膜補強部材テープ61、61の主面の少なくとも一部を覆うように触媒層2が形成される。触媒層2が形成されると、膜−膜補強部材接合体シート46からマスク47及び支持台が離間する。このようにして形成された膜−触媒層シート50は、進行方向D1に移動する。これにより、膜−触媒層シート50には、触媒層2が、その長手方向に所定のピッチで形成される。
なお、触媒層2は、適度な柔軟性を有するようにその成分組成、乾燥の度合い等が調節されており、また、触媒層2は、膜−触媒層シート50の裏表が反対になった場合にも、高分子電解質膜シート41c及び1対の膜補強部材61、61から剥がれ落ちないための処置(例えば、支持台を加熱しておき、触媒層形成用のインクの分散剤を乾燥処理する)が施されている。また、触媒層2を形成するごとに、乾燥処理(例えば加熱処理、送風処理及び脱気処理のうちの少なくとも1つの処理)を適宜行ってもよい。
次に、裁断工程P5について説明する。
まず、1組の膜−触媒層シート50をそれぞれの長手方向が略垂直になるように、かつ、互いに裏面が対向するように、配置する。そして、1組の膜−触媒層シート50、50の裏面が互いに重なるように、熱圧着機構と裁断機構を有する裁断機51内に誘導する。裁断機51内に誘導された膜−触媒層シート50の裏面(高分子電解質膜シート41a)と膜−触媒層シート50の裏面(高分子電解質膜シート41a)が、熱圧着機構により熱圧着される。次に、裁断機構により、予め設定された大きさに裁断されて、図4に示すような膜−触媒層積層体30が得られる。なお、膜−触媒層シート50を先に設定された大きさに裁断し、裁断した1組の膜−触媒層シート50を接合することにより、膜−触媒層接合体30を形成してもよい。
なお、図6に示す膜−触媒層接合体の製造ラインでは、素材である高分子電解質膜シート41aが膜−触媒層接合体シート50となるまで連続するシートの形態で移動されるが、この間当該シートを進行方向D1に適切に移動させるために、当該シートを牽引するキャプスタンやローラ対等の牽引機構、当該シートに適度な張力を付与するテンショナー等の張力付与機構、及び当該シートを所定エリア(例えば塗工工程P4)に一時停止させ、かつ、その後早送りするためのダンサーローラ等のシート一時蓄積機構及びシート送り機構がこの製造ラインの適所に設けられている。しかし、これらは周知であるので、その記載を省略する。また、裁断工程(エリア)P5においては、他の膜−触媒層接合体の製造ラインが交差している。そして、裁断工程P5において、この他の膜−触媒層接合体の製造ラインで製造された膜−触媒層接合体シート50が裏返しされて図6に示す膜−触媒層接合体の製造ラインで製造された膜−触媒層接合体シート50と直交し、上述のように加工される。この他の膜−触媒層接合体の製造ラインは、図6〜図10に示す膜−触媒層接合体の製造ラインと全く同じであるので、その説明を省略する。
次に、MEA5の製造方法について説明する。
上述のようにして得られた膜−触媒層接合体30の触媒層2の主面に、予め適宜な大きさに裁断したガス拡散層3(例えば、カーボンクロス等)を接合することにより、MEA5が得られる。なお、撥水カーボン層形成インクを予め触媒層2の主面、又はガス拡散層3の主面に塗工等することにより、撥水カーボン層を形成してから、MEA5を形成してもよい。
また、上記裁断工程P5の前に、膜−触媒層シート50の触媒層2の主面にガス拡散層3を接合して、MEA5を形成してもよい。この場合、予め裁断されたガス拡散層3を触媒層2の主面に接合して膜−電極シートを形成してもよく、また、テープ状のガス拡散層を触媒層2の主面に接合し、裁断して膜−電極シートを形成してもよい。そして、得られた1組の膜−電極シートを上記裁断工程P5と同様の方法で、接合及び裁断し、MEA5が形成される。なお、撥水カーボン層形成インクを予め触媒層2の主面、又はガス拡散層3の主面に塗工等することにより、撥水カーボン層を形成してから、MEA5を形成してもよい。
次に、比較例として、特許文献2に開示された固体高分子電解質型燃料電池を公知の薄膜積層体の製造技術を用いて大量生産しようと意図する場合に、一般的に想定される製造方法について説明する。
[比較例1]
図11は、特許文献2に開示された固体高分子電解質型燃料電池を、公知の薄膜積層体の製造技術を用いて大量生産しようと意図する場合に一般的に想定される製造方法の一例を示す説明図である。
まず、図11に示すように、テープ状の固体高分子電解質膜260を製造してこれを巻回して高分子電解質膜ロール262とし、テープ状の保護膜250(図16に示した保護膜220を連続的に形成したテープ状のもの)を製造してこれを巻回して保護膜ロール252とする。
次に、上述した接合工程P1と同様にテープ状の固体高分子電解質膜260の主面の少なくとも一方に、テープ状の保護膜250を積層した積層体を製造する。高分子電解質膜ロール252及び保護膜ロール262からそれぞれ、テープ状の保護膜250とテープ状の固体高分子電解質膜260とを引っ張り出して、1対のローラ290、290の間に挟んで一体化して積層体として巻回し、膜−保護膜ロール280とする。
この膜−保護膜ロール280を製造するときに、保護膜250には、当該保護膜250が進行する方向(テープ状の保護膜250の長手方向)D10に張力がかかる。このとき、保護膜250は非常に薄い膜(例えば、50μm以下)であり、かつ、主面の内部に開口部222が形成されているため、張力がかかると、保護膜250において張力のかかる方向と略垂直となる部分R200が浮き上がるようになる。これにより、ローラ290と高分子電解質膜ロール252との間では、ローラ290により保護膜250を押えるときに上記R200の部分にしわがよる可能性が高くなる。また、ローラ290と膜−保護膜ロール280との間では張力により固体高分子電解質膜260から保護膜250のR200の部分が剥がれる可能性が高くなる。
このため、特許文献2に開示された固体高分子電解質型燃料電池では、不良品を出さずに確実に製造する観点から、バッチ式の方法で、固体高分子電解質膜に保護膜をひとつひとつ位置決めして貼り付けるという手間のかかる、複雑で高コストな製造方法を採用することしかできない。
一方、本実施の形態1に係るPEFCでは、図11に示した保護膜250におけるR200の部分(張力がかかる方向と略垂直となる部分で、張力がかかると浮き上がりやすい部分)が存在しないため、高分子電解質膜シート41aに膜補強部材テープ61、61を接合する際に、膜補強部材テープ61、61の位置ずれやはがれを充分に防止することができる。
このように、本実施の形態1に係るPEFCは、高分子電解質膜の破損及び反応ガスのクロスリークの発生を充分に防止することが可能であり、かつ、安価で大量生産することが可能である。
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2に係るPEFCのセルの概略構成を示す模式図である。図13は、図12に示すセルの高分子電解質膜−内部補強膜複合体の概略構成を示す模式図である。
本発明の実施の形態2に係るPEFCは、実施の形態1に係るPEFCと基本的構成は同じであるが、以下の点で異なる。
図12に示すように、本実施の形態2に係るPEFCのセルは、高分子電解質膜1に代えて高分子電解質膜−内部補強膜複合体15が設けられている。なお、請求の範囲における「高分子電解質膜」には、この高分子電解質膜−内部補強膜複合体15も含まれる。高分子電解質膜−内部補強膜複合体15は、1対の小片状の高分子電解質膜15a、15bと、小片状の内部補強膜15cを有しており、高分子電解質膜15a、15bは、互いに主面が対抗するように配置されている。高分子電解質膜15a、15bには、互いに対向する1組の辺に、該辺に沿って延びるように凹部が形成されており、これらの凹部は、厚み方向(法線方向)から見て、井桁組状に形成されている。そして、内部補強膜15cは、高分子電解質膜15a、15bの間に挟まれている。
次に、内部補強膜15cについて、図14を用いて更に詳細に説明する。
図14は、図13に示す高分子電解質膜−内部補強膜複合体15の内部補強膜15cの概略構成を示す模式図である。なお、図14において、その一部を省略している。
図14に示すように、内部補強膜15cは、厚み方向に貫通する複数の開口(貫通孔)16を有する。開口16には、高分子電解質膜15a、15bと同成分又は異成分の高分子電解質が充填されている。内部補強膜15cの主面に対する開口16の面積の割合(開口度)は、50%〜90%であることが好ましい。開口度を50%以上とすると、充分なイオン導電性を容易に得ることができるようになる。一方、開口度を90%以下とすると、内部補強膜15cの充分な機械的強度を容易に得ることができる。なお、内部補強膜15cの開口16としては、非常に微細な細孔(例えば細孔径が数十μm)であってもよい。この場合であっても、上述と同様の理由により、開口度(多孔度)は50%〜90%であることが好ましい。
内部補強膜15cとしては、樹脂性のフィルムであってもよく、また、延伸加工された多孔質フィルム(図示せず:例えば、ジャパンゴアテックステップ社製・商品名「ゴアセレクト(II)」)であってもよい。
上述の内部補強膜15cを構成する樹脂としては、化学的安定性および機械的安定性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフィド、ポリイミド、及び、ポリイミドアミドからなる樹脂群より選択される少なくとも1以上の合成樹脂であることが好ましい。
また、内部補強膜15cの構成としては、板状の高分子電解質膜の内部に、繊維状の補強体粒子及び球状の補強体粒子のうちの少なくとも一方を含有させることにより、高分子電解質膜の強度を補強する構成としてもよい。なお、補強体粒子の構成材料としては、内部補強膜15cを構成する樹脂が挙げられる。
高分子電解質膜−内部補強膜複合体15の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の薄膜製造技術を用いて製造することができる。PEFCのセルは、この高分子電解質膜−内部補強膜複合体15を用いること以外は、上述したセルと同様の方法により製造することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るPEFCは、基本的構成は、実施の形態1に係るPEFCと同じであるが、膜−膜補強部材接合体及び膜−膜触媒層接合体の構成が以下のように異なる。
まず、膜−膜補強部材接合体の構成について、図20及び図21を参照しながら説明する。
図20は、本発明の実施の形態3に係るPEFCにおける膜−膜補強部材接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。また、図21は、図20に示す膜−膜補強部材接合体20を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。なお、図20において、膜−膜補強部材接合体20における上下方向を図の上下方向として表している。
図20に示すように、高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)に形成されていて、互いに対向する第1主面F10と第2主面F20を有しており、段差部12を有する段状に屈曲して形成されている。第1主面F10は、略矩形の上位面F11と1対の略矩形の下位面F12を有している。1対の下位面F12は、第1主面F10の4辺のうち互いに対向する一方の1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように構成されており、上位面F11は、段差部12の段差だけ下位面F12より上方に位置するように構成されている。
また、第2主面F20は、図21に示すように、下位面F21と上位面F22を有しており、第1主面F10における上位面F11の裏面が、第2主面F20における上位面F22を構成し、第1主面F10における下位面F12の裏面が、第2主面F20における下位面F21を構成している。
このように、高分子電解質膜1は、第1主面F10における下位面F12が上位面F11に対して凹状に形成され、また、第2主面F20の上位面F22が下位面F21に対して凹状に形成されている。
そして、第1主面F10の1対の下位面F12には、膜状を呈する略矩形の第1膜補強部材10a、10aが配置されており、また、第2主面F20の上位面F22には、膜状を呈する略矩形の第2膜補強部材10b、10bが、第2主面F20の他方の1組の辺に沿って延び、かつ、その両端が高分子電解質膜1の段差部12に接触するように配置されている。このように、第1膜補強部材10a、10aと第2膜補強部材10b、10bは、全体として高分子電解質膜1の4辺に沿って延在して、高分子電解質膜1の周縁部を囲むように配置されている。
高分子電解質膜1は、第1主面F10の上位面F11と、第1膜補強部材10a、10aの高分子電解質膜1と接触していない側の主面と面一になるように、かつ、第2主面F20の下位面F21と第2膜補強部材10b、10bの高分子電解質膜1と接触していない側の主面と面一になるように、屈曲している。また、高分子電解質膜1の段差部12となる第1膜補強部材10aの幅方向の端面と第2膜補強部材10bの長手方向の端面との隙間部分の寸法は、高分子電解質膜1の厚み寸法と略同一寸法になるように構成されている。
ここで、面一とは、実質的に同一平面上にあることをいう。即ち、少なくとも高分子電解質膜1の上位面F11と、一対の第1膜補強部材10aにおける主面とが、ほぼ同じ高さであればよく、高分子電解質膜1の上位面F11と一対の第1膜補強部材10aにおける主面との間に隙間を有していてもよい。また、同様に、少なくとも高分子電解質膜1の下位面F21と、一対の第2膜補強部材10bにおける主面とが、ほぼ同じ高さであればよく、高分子電解質膜1の下位面F21と一対の第2膜補強部材10bにおける主面との間に隙間を有していてもよい。
これにより、燃料電池(セルスタック)を締結したときに、第1膜補強部材10aの主面と、高分子電解質膜1の主面F10(正確には、主面F10の上位面F11)と、にかかる圧力の均一化を図ることができ、また、第2膜補強部材10bの主面と、高分子電解質膜1の主面F20(正確には、主面F20の下位面F21)とにかかる圧力の均一化を図ることができる。
次に、本実施の形態3に係る膜−触媒層接合体について、図22乃至図24を参照しながら説明する。
図22は、本実施の形態3に係る膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。図23は、図22に示す膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め下方から見た模式図である。図24は、図23に示す膜−触媒層接合体のXXIV−XXIV線に沿った断面図である。なお、図22において、膜−触媒層接合体30における上下方向を図の上下方向として表している。
図22及び図23に示すように、膜−触媒層接合体30は、膜-膜補強部材接合体20と触媒層2(アノード触媒層2a及びカソード触媒層2b)を有している。
アノード触媒層2aは、図22及び図24に示すように、高分子電解質膜1に形成された段差部12と第1膜補強部材10aとの間にできた隙間21を埋めるようにして、高分子電解質膜1における第1主面F10の第1膜補強部材10a、10aが配置されていない領域である上位面F11と、第1膜補強部材10a、10aの主面の一部を覆うように形成されている。
一方、カソード触媒層2bは、図23及び図24に示すように、第2主面F20の上位面F22と下位面F21、F21及び第2膜補強部材10b、10bで形成される凹部13(図21参照)を埋めるようにして、高分子電解質膜1における第2主面F20の第2膜補強部材10b、10bが配置されていない領域である下位面F21と、第2膜補強部材10b、10bの主面の一部を覆うように形成されている。
そして、図22乃至図24に示すように、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bは、ここでは、高分子電解質膜1と相似の矩形に形成され、高分子電解質膜1の厚み方向から見て、各々の周縁部が全周に亘って第1膜補強部材10a、10a及び第2膜補強部材10b、10bと重なるように配置されている。また、アノード触媒層2aにおける厚み寸法(第1主面F10における上位面F11とアノード触媒層2aの主面との間の高低差)t1は、高分子電解質膜1における第2主面F20の下位面F21とカソード触媒層2bの主面との高低差t2と、略同一となるように構成されている。
次に、本実施の形態1に係るPEFCにおけるMEA5の高分子電解質膜1を屈曲させて形成させている理由について、比較例2と対比しながら説明する。
[比較例2]
図25は、MEA5の高分子電解質膜1が屈曲していない状態(比較例2)を示す模式図である。
図25に示すように、比較例2のMEA5は、高分子電解質膜1が屈曲していない状態であるので、第1膜補強部材10a、10aの主面と高分子電解質膜1の第1主面F10とは、面一になっておらず、段差を有しないように形成されている。このため、MEA5のアノード4aの周囲に平板状のガスケット11を配置すると、高分子電解質膜1における第1主面F10の第1膜補強部材10a、10aが配置されていない側の端部(辺C1、C1)に、隙間が生じる。また、同様に、高分子電解質膜1における第2主面F20の辺C2、C2部分に隙間が生じる。このため、比較例2のMEA5を用いてPEFCを構成した場合、反応ガスが、これらの隙間からPEFCの外部にリークするので、非常に効率の悪いものとなる。また、この隙間部分を埋めるような形状のガスケット11を作成して、PEFCを構成すれば、反応ガスのリークを防止することは可能になるが、ガスケット11の歩留まりが悪くなり、高コストとなってしまう。
したがって、本実施の形態3に係るPEFCのように、MEA5の高分子電解質膜1を屈曲させると、反応ガスのPEFCの外部へのリークを防止するとともに、PEFCを低コストで製造することが可能となる。
次に、本実施の形態3に係るPEFCにおけるセルの製造方法について説明する。
図26は、図22乃至図24に示す本実施の形態3に係るPEFCにおける膜−触媒層接合体30を製造するための一連の工程(処理エリア)及び製造ラインの一部を概略的に示す模式図である。
図26に示すように、本実施の形態3に係るPEFCのセルにおけるMEAは、基本的には、実施の形態1に係るPEFCのセルにおけるMEA5と同じ製造方法で製造されるが、熱処理工程P2及び熱圧着工程P3に代えて、第2工程P12及び第3工程P13が行われ、高分子電解質膜シート41の両面に膜補強部材が接合される。また、塗工工程P4が終了すると、ローラ82で折り返され、膜−触媒層シート50の裏面が上方を向くように反転され、膜−触媒層シート50の裏面に触媒層2が形成され(第5工程P15)、第6工程P16において、所定の大きさに裁断されて、図22乃至図24に示す膜−触媒層接合体30が得られる。なお、第5工程P15は、塗工工程P4と同様の処理が行われ、また、第6工程P16は、裁断工程P5と同様の処理が行われるので、その詳細な説明は省略する。
図27は、図26に示す膜−触媒層接合体30の製造工程における第2工程P2を説明するための模式図であり、図26において矢印XXVIIの方向から見た図である。
まず、第2工程P2エリアの構成について説明する。
図27に示すように、第2工程P2エリアには、基材テープ75に第2膜補強部材テープ70が積層された基材−膜補強部材積層体76が巻回された基材−膜補強部材ロール77、77が対となるようにして配置されており、また、図示されない2つのカッターが配置されている。基材−膜補強部材ロール77は、基材−膜補強部材ロール77から引き出される基材−膜補強部材積層体76の進行方向D2と膜−膜補強部材積層体42の進行方向D1とが略直行するように配置されており、1対の基材−膜補強部材ロール77、77のD1方向の間隔は、切断後の高分子電解質膜1の大きさと一致するように、所定の間隔で配置されている。
次に、第2工程P2の処理について説明する。
まず、第1工程P1で形成された膜−膜補強部材積層体42が第2工程P2エリアまで進むと、一旦停止する。そして、1対の基材−膜補強部材ロール77、77から、基材−膜補強部材積層体76、76がそれぞれ進行方向D2側に引き出され、一旦停止する。ついで、図示されない2つのカッターにより、基材−膜補強部材積層体76における第2膜補強部材テープ70の端部から所定の長さ(第2膜補強部材10bに相当する長さ)にあわせて、基材−膜補強部材積層体76、76のうちの第2膜補強部材テープ70、70のみが切断される。このとき、2つのカッターの切り込みの深さは、第2膜補強部材テープ70の厚み寸法と同じになるように調整されており、基材−膜補強部材積層体76における基材テープ75が切断されないように構成されている。なお、基材テープ75は、2つのカッターにより切断されない充分な機械的強度(硬さ、柔軟性)を有している。また、ここでは、2つのカッターにより第2膜補強部材テープ70、70をそれぞれ切断したが、1つのカッターで切断する構成としてもよい。
次に、基材−膜補強部材積層体76、76が、さらに引き出されて、第2膜補強部材テープ70、70の主面と膜−膜補強部材積層体42の裏面とが当接するようにして停止する。このとき、膜−膜補強部材積層体42の厚み方向から見て、第2膜補強部材テープ70の端部は、膜−膜補強部材積層体42の表面に配置された第1膜補強部材テープ61bの内面(膜−膜補強部材積層体42の厚み方向から見て第2膜補強部材テープ70の端部と対向する面)から第2膜補強部材テープ70の厚み寸法より若干長い寸法分離れた位置に配置される。そして、基材−膜補強部材積層体76、76は、図示されない押圧手段によって加熱処理され、膜−膜補強部材積層体42に位置ずれを起こさないようにして加圧処理される。これにより、膜−膜補強部材積層体42の高分子電解質膜シート41と、基材−膜補強部材積層体76、76の第2膜補強部材テープ70、70と、が融着し、これらの積層体が固定される。
ついで、適宜な手段により、基材−膜補強部材積層体76から基材テープ75がはがされて、第2膜補強部材テープ70(第2膜補強部材10bとなる部分)のみが膜−膜補強部材積層体42に固定され、テープ状の膜−膜補強部材接合体シート46が形成される。このようにして形成された膜−膜補強部材接合体シート46は、進行方向D1に移動する。これにより、膜−膜補強部材接合体シート46には、第2膜補強部材10b、10bが、その長手方向に所定のピッチで形成される。そして、この膜−膜補強部材接合体シート46は、巻回されて膜−膜補強部材接合体ロール62が形成される。
なお、図示されない押圧手段による加熱処理を行う前の第2膜補強部材テープ70、70の裏面(接触面となる部分)に、接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。この場合、上記のように押圧手段によって第2膜補強部材テープ70を加熱してから加圧処理を行ってもよく、また、加熱を行わずに、加圧処理のみ行ってもよい。また、接着剤としては、電池特性を低下させないものであることが好ましく、例えば、高分子電解質膜シート41と同種または異種(但し、高分子電解質膜シート41と十分に一体化可能な親和性を有するもの)の高分子電解質材料(例えば、先に高分子電解質膜1の構成材料として例示したもの)を分散媒又は溶媒に含有させた液を用いてもよい。
また、膜−膜補強部材接合体シート46は、図28に示すようにして形成してもよい。
図28は、膜−膜補強部材接合体シート46を形成する他の製造方法を示した模式図である。
まず、基材テープ75に第2膜補強部材10bを所定の間隔で積層し、この基材−膜補強部材積層体76aを巻回した基材−膜補強部材ロール77aを用意する。そして、上述したように、1対の基材−膜補強部材ロール77a、77aを配置して、第2膜補強部材10b、10bの端部が所定の位置に配置されるように、基材−膜補強部材積層体76a、76aが引き出されて、一旦停止する。ついで、押圧手段によって第2膜補強部材10b、10bが固定されて膜−膜補強部材接合体シート46が形成される。なお、第2膜補強部材10bの固定には、上述のように接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。
次に、第3工程P3について説明する。
まず、ローラ82の駆動により、第2工程P2で形成された膜−膜補強部材接合体ロール62から膜−膜補強部材接合体シート46が進行方向D1側に引き出される。次いで、図示されない押圧手段によって、膜−膜補強部材接合体シート46に加圧処理が行われ、高分子電解質膜シート41が屈曲されて、高分子電解質膜シート41の表面で第1膜補強部材テープ61a、61bが配置されていない部分と、第1膜補強部材テープ61a、61bの主面と、が面一になり、膜−膜補強部材接合体シート46aが形成される。なお、ここでは、膜−膜補強部材接合体ロール62から膜−膜補強部材接合体シート46を引き出して、加圧処理を行ったが、第2工程P2で膜−膜補強部材接合体ロール62を形成せずに、そのまま加圧処理を行って、膜−膜補強部材接合体シート46aを形成してもよい。
そして、このように形成された膜−膜補強部材接合体シート46aは、塗工工程P4、第5工程P5、及び第6工程を経て、図22乃至図24に示す膜−触媒層接合体30が得られる。
このように構成された本実施の形態3に係るPEFCにおいても、実施の形態1に係るPEFCと同様の作用効果を奏する。
(実施の形態4)
図29は、本発明の実施の形態4に係るPEFCのセルにおけるMEAの概略構成を示す模式図である。
本発明の実施の形態4に係るPEFCは、実施の形態3に係るPEFCと基本的構成は同じであるが、以下の点で異なる。
図29に示すように、本実施の形態2に係るPEFCのセルにおけるMEA5は、高分子電解質膜1の厚み方向から見て、1対の第1膜補強部材10a、10aと、1対の第2膜補強部材10b、10bが互いに重なり合わないように井桁組状に配置されている。高分子電解質膜1の破損を防止する観点から、この重なり合わない部分(高分子電解質膜1の4角(隅)部分)が小さくなるように、第1及び第2膜補強部材10a、10bが配置されていることが好ましい。
なお、高分子電解質膜1の4角の部分には、第1又は第2膜補強部材10a、10bが配置されていないため、高分子電解質膜1が破損されるおそれがある。しかしながら、高分子電解質膜1の他の部分には、第1又は第2膜補強部材10a、10bが配置されており、これらの膜補強部材10a、10bが、高分子電解質膜1に直接に圧力がかからないようにしているため、高分子電解質膜1の破損を充分に防止することができる。
また、高分子電解質膜1の第1主面F10においては、第1主面F10の上位面F11と第1膜補強部材10aの主面が面一になっていない4角の部分から、反応ガス(ここでは、燃料ガス)が外部へリークするおそれがあるが、この部分の面積は小さいものであるため、ガスケット11によりセルスタック(PEFC)を締結したときに、4角部分は閉鎖されるため、反応ガスのリークを充分に防止することができる。
次に、本実施の形態4に係るPEFCのセルにおけるMEA5の製造方法について説明する。
本実施の形態4に係るPEFCのセルにおけるMEA5は、基本的には実施の形態1に係るPEFCのMEA5と同じ製造方法で製造されるが、MEA5を構成する膜−触媒層接合体30の接合工程P1が、以下のように異なる。
図30は、本実施の形態4に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体30の製造工程の接合工程P1を説明するための模式図である。
まず、基材テープ74に第1膜補強部材10aを所定の間隔で積層し、この基材−膜補強部材積層体76bを巻回した基材−膜補強部材ロール77bを用意する。そして、図30に示すように、1対の第1膜補強部材10a、10aが高分子電解質膜シート41の側端部に配置されるように、高分子電解質膜ロール40、1対の基材−膜補強部材ロール77b、77bの位置決めを行う。
次に、高分子電解質膜ロール40から高分子電解質膜シート41が引き出され、また、基材−膜補強部材ロール77b、77bから基材−膜補強部材積層体76b、76bが引き出され、これらの積層体が1対のローラ80及びローラ81を有する熱圧着機(図示せず)内に誘導される。熱圧着機内では、高分子電解質膜シート41及び基材−膜補強部材積層体76b、76bが、ローラ80とローラ81との間を進行方向D1側に進む過程において接合され、基材−膜補強部材積層体76b、76b(正確には、第1膜補強部材10a、10a)が、高分子電解質膜シート41に固定される。そして、適宜な手段によって、基材−膜補強部材積層体76b、76bから基材テープ74、74がはがされて、テープ状膜−膜補強部材積層体42aが形成される。なお、第1膜補強部材10aの固定には、上述のように接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。
これにより、MEA5を製造するときに、第1及び第2膜補強部材10a、10bの位置決めが容易になり、また、これらの膜補強部材10a、10bが若干の位置ずれを起こしても高分子電解質膜1を屈曲させることができるので、更なるPEFCの低コスト化を図ることが可能となる。
(実施の形態5)
図31は、本発明の実施の形態5に係るPEFCのセルにおけるMEAの概略構成を模式的に示す斜視図である。
本発明の実施の形態5に係るPEFCは、実施の形態1に係るPEFCと基本的構成は同じであるが、以下のように構成されている。
まず、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおける高分子電解質膜1の構成について説明する。
図32は、図31に示すMEA5における高分子電解質膜1を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。また、図33は、図31に示すMEA5における高分子電解質膜1を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。なお、図32においては、高分子電解質膜1の上下方向を図の上下方向として表し、図33においては、図32における高分子電解質膜1の上下方向を表している。
図32に示すように、高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)に形成されていて、互いに対向する第1主面F10と第2主面F20を有しており、段差部12、13を有するように段状に屈曲して形成されている。第1主面F10は、略矩形の上位面F11と、4つの略矩形の中位面F12と、一対の略矩形の下位面F13と、を有している。一対の下位面F13は、第1主面F10の4辺のうち互いに対向する一方の1組の辺S1、S1に沿って延びるように構成されている。また、中位面F12は、下位面F13の両端部に形成されており、段差部12の段差だけ下位面F13より上方に位置するように構成されている。上位面F11は、一対の下位面F13の間に形成されており、段差部13の段差だけ中位面F12より上方に位置するように構成されている。
また、第2主面F20は、図33に示すように、上位面F21と、中位面F22と、下位面F23と、を有している。第1主面F10における上位面F11の裏面が、第2主面F20における上位面F21を構成し、また、第1主面F10における中位面F12の裏面が、第2主面F20における中位面F22を構成し、さらに、第1主面F10における下位面F13の裏面が、第2主面F20における下位面F23を構成している。
このように、高分子電解質膜1は、第1主面F10においては、中位面F12及び下位面F13が上位面F11に対して凹状に形成され、第2主面においては、中位面F22及び上位面F21が下位面F23に対して凹状に形成されている。なお、高分子電解質膜1は、上記のように屈曲させることができるように、伸張性を有していることが好ましい。
次に、膜−膜補強部材接合体20について説明する。
図34は、図31に示すMEA5における第1膜補強部材10aを模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。図35は、図31に示すMEA5における膜−膜補強部材接合体20を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。図36は、図31に示すMEA5における膜−膜補強部材接合体20を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。なお、図35においては、膜−膜補強部材接合体20における上下方向を図の上下方向として表し、図36においては、図35における膜−膜補強部材接合体20における上下方向を表している。
まず、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bの形状について説明する。なお、本実施の形態においては、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bは、同じ形状に形成されている。
図34に示すように、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bは、帯状に形成されており、その両端部には、一方の主面F30から所定の深さで各端から所定長に亘って該端部を切り欠くように切り欠き部17、17が形成されている。そして、これらの両端部における切り欠き部17以外の残部が、相欠接ぎ部18を構成している。
そして、図35に示すように、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bは、切り欠き部17、17が形成されている主面F30と、高分子電解質膜1の主面F10、F20と、が当接するように高分子電解質膜1に配置されている。具体的には、高分子電解質膜1の第1主面F10の一対の下位面F13及び該下位面F13の両端に形成された中位面F12に、膜状を呈する第1膜補強部材10a、10aが一方の1組の辺S1、S1の全長に亘って延びるように配置されている。この場合、第1膜補強部材10aは、その一対の相欠接ぎ部18が、それぞれ、高分子電解質膜1の一対の中位面F12及び下位面F13に当接するように配置されている。
また、図36に示すように、第2主面F20の上位面F21及び中位面F22には、膜状を呈する第2膜補強部材10b、10bが、第2主面F20の他方の1組の辺S2、S2の全長に亘って延びるように配置されている。この場合、第2膜補強部材10bは、その一対の相欠接ぎ部18が、それぞれ、高分子電解質膜1の一対の中位面F22及び上位面F21に当接するように配置されている。
このように、第1膜補強部材10a、10aと第2膜補強部材10b、10bは、全体として高分子電解質膜1の4辺に沿って延在して、高分子電解質膜1の周縁部に全周に亘って配置されており、第1膜補強部材10a、10a及び第2膜補強部材10b、10bに形成された相欠接ぎ部18は、高分子電解質膜1の4隅で高分子電解質膜1を挟むように相欠接ぎに(高分子電解質膜1が互いの間に介在するようにして、互いに嵌合するように)組み合わせられて配置されている。ここで、本発明において、「相欠接ぎに組み合わせる」とは、2つの膜補強部材の相欠接ぎ部を、両者で高分子電解質膜を挟むようにして重ね合わせることをいう。その結果、2つの膜補強部材の相欠接ぎ部は、互いに、相手の切欠部に高分子電解質が介在した状態で嵌合した状態となる。
この場合、正確には、少なくとも高分子電解質膜1の第1主面F10における一対の第2膜補強部材10b、10bの主面F30の相欠接ぎ部18以外の部分に重なり合う部分である上位面F11は、一対の第1膜補強部材10aにおける高分子電解質膜1と接触しない方の主面F40と面一になる。また、同様に、少なくとも高分子電解質膜1の第2主面F20における一対の第1膜補強部材10a、10aの主面F30の相欠接ぎ部18以外の部分に重なり合う部分である下位面F23は、一対の第2膜補強部材10bにおける高分子電解質膜1と接触しない方の主面F40と面一になる。
ここで、面一とは、実質的に同一平面上にあることをいう。即ち、少なくとも高分子電解質膜1の上位面F11と、一対の第1膜補強部材10aにおける主面F40とが、ほぼ同じ高さであればよく、高分子電解質膜1の上位面F11と一対の第1膜補強部材10aにおける主面F40との間に隙間を有していてもよい。また、同様に、少なくとも高分子電解質膜1の下位面F23と、一対の第2膜補強部材10bにおける主面F40とが、ほぼ同じ高さであればよく、高分子電解質膜1の下位面F23と一対の第2膜補強部材10bにおける主面F40との間に隙間を有していてもよい。
なお、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bの厚み又は幅は、本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されないが、本発明の効果をより確実に得る観点から、第1及び第2膜補強部材10a、10bの厚み又は幅は等しいことが好ましい。また、同様の観点から、第1膜補強部材10a及び第2膜補強部材10bにおける切り欠き部17の高さ寸法は、高分子電解質膜1の厚み寸法と略同一であることが好ましく、切り欠き部17の長手方向の長さは、第1膜補強部材10a又は第2膜補強部材10bの幅より長いことが好ましく、該幅から更に高分子電解質膜1の厚み分の長さより若干長いことがより好ましい。
次に、膜−触媒層接合体30について説明する。
図37は、図31に示すMEA5における膜−触媒層接合体30を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。図38は、図31に示すMEA5における膜−触媒層接合体30を模式的に示す斜め下方から見た模式図である。図39は、図37に示す膜−触媒層接合体30のXXXIX−XXXIX線に沿った断面図である。なお、図37及び図39においては、膜−触媒層接合体30における上下方向を図の上下方向として表し、図38においては、図37における膜−触媒層接合体30の上下方向を表している。
図37乃至図39に示すように、膜−触媒層接合体30は、膜-膜補強部材接合体20と触媒層2(アノード触媒層2a及びカソード触媒層2b)を有している。
アノード触媒層2aは、図37及び図39に示すように、高分子電解質膜1における第1主面F10の中位面F12と上位面F11、F11及び第1膜補強部材10a、10aで形成される凹部91(図35参照)と、高分子電解質膜1に形成された段差部12と第1膜補強部材10aとの間にできた隙間19と、を埋めるようにして、高分子電解質膜1における第1主面F10の第1膜補強部材10a、10aが配置されていない領域である上位面F11、F11の一部と、第1膜補強部材10a、10aの主面の一部と、を覆うように形成されている。
一方、カソード触媒層2bは、図38及び図39に示すように、高分子電解質膜1における第2主面F20の中位面F22と下位面F23、F23及び第2膜補強部材10b、10bで形成される凹部90(図36参照)を埋めるようにして、高分子電解質膜1における第2主面F20の第2膜補強部材10b、10bが配置されていない領域である下位面F23、F23の一部と、第2膜補強部材10b、10bの主面の一部と、を覆うように形成されている。
そして、図37乃至図39に示すように、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bは、ここでは、高分子電解質膜1と相似の矩形に形成され、高分子電解質膜1の厚み方向から見て、各々の周縁部が全周に亘って第1膜補強部材10a、10a及び第2膜補強部材10b、10bと重なるように配置されている。また、図39に示すように、ここでは、アノード触媒層2aにおける厚み(高分子電解質膜1における第1主面F10における中位面F12とアノード触媒層2aの主面との間の高低差)t1は、カソード触媒層2bにおける厚み(高分子電解質膜1における第2主面F20の中位面F22とカソード触媒層2bの主面との高低差)t2と、略同一となるように構成されている。
なお、ここでは、図39に示すように、アノード触媒層2aの厚みは、アノード触媒層2aの主面と中位面F12との間と、アノード触媒層2aの主面と第1膜補強部材10aの主面との間とでは、異なるように形成しているが、これに限定されず、アノード触媒層2aの厚みを全体として同じになるように(図39において、アノード触媒層2aの主面と中位面F12との間と、アノード触媒層2aの主面と第1膜補強部材10aの主面との間とが同じになるように)形成してもよい。また、同様に、カソード触媒層2bの厚みも、カソード触媒層2bの主面と中位面F22との間と、カソード触媒層2bの主面と下位面F23との間とでは、異なるように形成しているが、これに限定されず、カソード触媒層2bの厚みを全体として同じになるように(図39において、カソード触媒層2bの主面と中位面F22との間と、カソード触媒層2bの主面と下位面F23との間とが同じになるように)形成してもよい。この場合、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bの主面は、周縁部に対して中央部が凹んだ形状になるが、この中央部の凹みは、後述するガス拡散層3によって埋めることができる。
また、図39では、アノード触媒層2aにおける厚みt1とカソード触媒層2bにおける厚みt2とが略同一となるように構成されているが、アノード触媒層2aにおける厚みt1とカソード触媒層2bにおける厚みt2とが異なっていてもよい。
これにより、アノード触媒層2aにおける主面の4辺のうち、互いに対向する一方の1組の辺S3、S3は、第1膜補強部材10a、10aと当接して高分子電解質膜1の主面F10に直接当接しないため、高分子電解質膜1は破損されない(図37参照)。同様に、カソード触媒層2bにおける主面の4辺のうち、互いに対向する他方の1組の辺S4、S4は、第2膜補強部材10b、10bと当接して高分子電解質膜1の主面F20に直接当接しないため、高分子電解質膜1は破損されない(図38参照)。
一方、アノード触媒層2aにおける主面の互いに対向する他方の辺S4、S4は、高分子電解質膜1の主面F10(正確には、上位面F11)と直接当接するため、高分子電解質膜1が当該部分で破損する場合もある。しかしながら、このような場合であっても、高分子電解質膜1の主面F20側には、当該部分に第2膜補強部材10b、10bが配置されているので、反応ガスがクロスリークすることがない。また、同様に、カソード触媒層2bにおける主面の互いに対向する一方の辺S3、S3は、高分子電解質膜1の主面F20(正確には、下位面F23)と直接当接するため、高分子電解質膜1が当該部分で破損する場合もある。このような場合であっても、高分子電解質膜1の主面F10側には、当該部分に第1膜補強部材10a、10aが配置されているので、反応ガスがクロスリークすることがない。
次に、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおけるMEA5の製造方法について説明する。
本実施の形態5に係るPEFCのセルにおけるMEA5は、基本的には実施の形態3に係るPEFCのMEA5と同じ製造方法で製造されるが、接合工程P1及び第2工程P12が、以下のように異なる。
図40は、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体30の製造工程の接合工程P1を説明するための模式図である。
図40に示すように、本実施の形態5の接合工程P1では、膜補強部材ロール60に代えて膜補強部材ロール69を使用している。
ここで、膜補強部材ロール69の製造方法について説明する。
図41は、膜補強部材ロール69を製造するための処理エリア及び製造ラインの概略を示す模式図である。なお、図41においては、一部を省略している
まず、処理エリアの構成について説明する。
図41に示すように、処理エリアには、基材テープ63aに膜補強部材テープ64aが積層された基材−膜補強部材積層体65aを巻回した基材−膜補強部材ロール66aと、基材テープ63bに膜補強部材テープ64bが積層された基材−膜補強部材積層体65bを巻回した基材−膜補強部材ロール66bと、が配置されており、また、図示されないカッター及び押圧手段が配置されている。
具体的には、基材−膜補強部材ロール66a及び基材−膜補強部材ロール66bは、基材−膜補強部材ロール66aから引き出される基材−膜補強部材積層体65aの進行方向D2と、基材−膜補強部材66bから引き出される基材−膜補強部材積層体65bの進行方向D3と、が略直交するように配置されている。なお、基材−膜補強部材ロール66aの幅方向の長さは、第1膜補強部材10aの幅方向の長さと同じになるように構成されており、また、基材−膜補強部材ロール66bの幅方向の長さは、第1膜補強部材10aにおける主面F30の長手方向の長さt3(図39参照)と同じになるように構成されている。
次に、補強部材ロール69の製造方法について説明する。
基材−膜補強部材積層体65aが、基材−膜補強部材ロール66aから進行方向D2側に引き出され、基材−膜補強部材積層体65bが、基材−膜補強部材ロール66bから進行方向D3側に引き出され、それぞれ一旦停止する。そして、図示されないカッターにより、基材−膜補強部材積層体65bにおける膜補強部材テープ64bの端部から所定の長さ(第1膜補強部材10aの幅に相当する長さ)にあわせて、基材−膜補強部材積層体65bのうちの膜補強部材テープ64bのみが切断される。このとき、カッターの切り込みの深さは、膜補強部材テープ64bの厚み寸法と同じになるように調整されており、基材−膜補強部材積層体65bにおける基材テープ63bが切断されないように構成されている。なお、基材テープ63bは、カッターにより切断されない充分な機械的強度(硬さ、柔軟性)を有している。
次に、基材−膜補強部材積層体65bが、進行方向D3側に更に引き出されて、一旦停止する。そして、図示されない押圧手段により、基材−膜補強部材積層体65aの膜補強部材テープ64aと、基材−膜補強部材積層体65bの膜補強部材テープ64bと、が固定される。
ついで、適宜な手段により、基材−膜補強部材積層体65bから基材テープ63bがはがされて、膜補強部材テープ64bのみが基材−膜補強部材積層体65aにおける膜補強部材テープ64aの主面に固定され、膜補強部材接合体67が形成される。このようにして形成された膜補強部材接合体67は、基材テープ63aと(これらを基材−膜補強部材接合体テープ68という)ともに進行方向D2に移動する。これにより、基材−膜補強部材接合体テープ68には、膜補強部材テープ64bが、その長手方向に所定のピッチで固定される。そして、この基材−膜補強部材接合体テープ68が巻回されて、膜補強部材ロール69が形成される。
なお、図示されない押圧手段による加圧処理を行う前の膜補強部材テープ64bの表面(接触面となる部分)に、接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。この場合、上記のように押圧手段によって膜補強部材テープ64bの加圧処理を行ってもよく、また、膜補強部材テープ64bの加熱を行ってから加圧処理を行ってもよい。また、接着剤としては、電池特性を低下させないものであることが好ましく、例えば、高分子電解質膜シート41と同種または異種(但し、高分子電解質膜シート41と十分に一体化可能な親和性を有するもの)の高分子電解質材料(例えば、先に高分子電解質膜1の構成材料として例示したもの)を分散媒又は溶媒に含有させた液を用いてもよい。
次に、接合工程P1の構成について説明する。
図40に示すように、第1工程P1エリアには、高分子電解質膜ロール40と、上記のようにして製造した膜補強部材ロール69、69と、図示されないカッターと、が配置されており、一対の基材−膜補強部材接合体テープ68、68が、高分子電解質膜シート41の側端部に配置されるように高分子電解質膜ロール40及び一対の膜補強部材ロール69、69の位置決めがされている。
次に、接合工程P1の処理について説明する。
図40に示すように、高分子電解質膜ロール40から高分子電解質シート41が引き出され、また、膜補強部材ロール69、69から基材−膜補強部材接合体テープ68、68が引き出される。
ついで、図示されないカッターにより、基材−膜補強部材接合体テープ68における膜補強部材接合体67の端部から所定の長さ(ここでは、第1膜補強部材10aに相当する長さ)にあわせて、膜補強部材接合体67が切断される。このとき、カッターの切り込みの深さは、膜補強部材接合体67の厚み寸法と同じになるように調整されており、基材−膜補強部材接合体テープ68における基材テープ63aが切断されないように構成されている。
次に、これらの基材−膜補強部材接合体テープ68、68が一対のローラ80及びローラ81を有する熱圧着機(図示せず)内に誘導される。熱圧着機内では、高分子電解質膜シート41及び基材−膜補強部材接合体テープ68、68が、予熱されたローラ80とローラ81との間を進行方向D1側に進む過程において接合される。
次に、適宜な手段により、基材−膜補強部材接合体テープ68から基材テープ63aがはがされて、膜補強部材接合体67(第1膜補強部材10a)のみが、高分子電解質膜シート41に固定され、膜−膜補強部材積層体42が形成される。このようにして形成された膜−膜補強部材積層体42は、進行方向D1に移動する。これにより、膜−膜補強部材積層体42には、第1膜補強部材10a、10aが、その長手方向に所定のピッチで形成される。そして、形成された膜−膜補強部材積層体42は、第2工程P12エリアまで進む。
なお、高分子電解質シート41に接触させる前の基材−膜補強部材接合体テープ68、68の表面(接触面となる部分)に、接着剤を塗工する前処理を行ってもよい。この場合、上記のようにローラ80、81を予熱して加圧処理を行ってもよく、予熱を行わずに、加圧処理のみ行ってもよい。
次に、第2工程P12について説明する。
図42は、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体30の製造工程の第2工程P12を説明するための模式図である。
図42に示すように、本実施の形態5の第2工程P2では、実施の形態3の第2工程P2で使用される基材−膜補強部材ロール77に代えて、膜補強部材ロール69が使用されている点が異なり、他の構成及び処理については、実施の形態3と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
このように構成された本実施の形態5に係るPEFCにおいても、実施の形態1に係るPEFCと同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述した本発明の実施の形態については、第1膜補強部材又は第2膜補強部材の外側の周縁部(エッジ)が、高分子電解質膜の周縁部(エッジ)と一致している態様(高分子電解質膜の主面の略法線方向から見た場合に第1膜補強部材又は第2膜補強部材の外側のエッジと高分子電解質膜のエッジが重なり、高分子電解質膜のエッジがはみ出て見えない状態となっている態様)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の効果を得られる範囲において、第1膜補強部材又は第2膜補強部材のエッジが、高分子電解質膜のエッジよりも全体的に又は部分的にはみ出ている構成を有していてもよく、高分子電解質膜のエッジが、第1膜補強部材又は第2膜補強部材のエッジよりも全体的に又は部分的にはみ出ている構成を有していてもよい。
また、高分子電解質膜1は、略4角形であればよく、例えば、4つの内角が90度でなくてもよく、また、4つの辺が多少湾曲していてもよく、あるいは、4つの角が面取りされていてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、及び膜−電極接合体は、大量生産が可能な高分子電解質形燃料電池の部品として有用である。
本発明の高分子電解質形燃料電池は、自動車などの移動体、分散型(オンサイト型)発電システム(家庭用コジェネレーションシステム)などの主電源又は補助電源として好適に利用されることが期待される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池のセルの概略構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す高分子電解質形燃料電池のセルにおける高分子電解質膜の概略構成を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2に示す高分子電解質膜に膜補強部材が配置された状態(膜−膜補強部材接合体)を模式的に示す斜視図である。 図4(a)は、図1に示す高分子電解質形燃料電池のセルにおける膜−触媒層接合体の概略構成を示す模式図である。 図4(b)は、図4(a)に示す矢印IVbの方向から見た模式図である。 図5(a)は、図1に示す高分子電解質形燃料電池のセルにおけるMEAの概略構成を示す模式図である。 図5(b)は、図5(a)に示す矢印Vbの方向から見た模式図である。 図6は、図4に示す膜−触媒層積層体を製造するための一連の工程の一部を概略的に示す模式図である。 図7は、図6に示す膜−触媒層積層体製造工程における接合工程を説明するための模式図である。 図8は、図6に示す膜−触媒層積層体製造工程における接合工程を説明するた めの模式図である。 図9は、図6に示す膜−触媒層積層体製造工程における熱圧着工程を説明する ための模式図である。 図10は、図6に示す膜−触媒層積層体製造工程における塗工工程を説明す るための模式図である。 図11は、特許文献2に開示された固体高分子電解質型燃料電池を、公知の薄膜積層体の製造技術を用いて大量生産しようと意図する場合に一般的に想定される製造方法の一例を示す説明図である。 図12は、本発明の実施の形態2に係るPEFCのセルの概略構成を示す模式図である。 図13は、図12に示すセルの高分子電解質膜−内部補強膜複合体の概略構成を示す模式図である。 図14は、図13に示す高分子電解質膜−内部補強膜複合体の内部補強膜の概略構成を示す模式図である。 図15は、特許文献1に開示されているセルの製造工程(触媒層塗布工程及び拡散層一体化工程)の概要を示す模式図である。 図16は、特許文献2に開示されている固体高分子電解質型燃料電池のシール構造の概要を示す模式図である。 図17は、図1に示すPEFCのセル100におけるMEA5とガスケット11の概略構成を模式的に示す斜視図である。 図18は、膜−膜補強部材接合体シートを形成する他の製造方法を示した模式図である。 図19は、図18に示すロールナイフコーターの要部を拡大した模式図である。 図20は、本発明の実施の形態3に係る高分子電解質形燃料電池における膜−膜補強部材接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図21は、図20に示す膜−膜補強部材接合体を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。 図22は、本実施の形態3に係る膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図23は、図22に示す膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め下方から見た模式図である。 図24は、図23に示す膜−触媒層接合体のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。 図25は、MEAの高分子電解質膜が屈曲していない状態(比較例2)を示す模式図である。 図26は、図22乃至図24に示す膜−触媒層接合体を製造するための一連の工程(処理エリア)及び製造ラインの一部を概略的に示す模式図である。 図27は、図26に示す膜−触媒層接合体の製造工程における第2工程P2を説明するための模式図である。 図28は、膜−膜補強部材接合体シートを形成する他の製造方法を示した模式図である。 図29は、本発明の実施の形態4に係る高分子電解質形燃料電池のセルにおけるMEAの概略構成を示す模式図である。 図30は、本実施の形態4に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体の製造工程の接合工程P1を説明するための模式図である。 図31は、本発明の実施の形態5に係るPEFCのセルにおけるMEAの概略構成を模式的に示す斜視図である。 図32は、図31に示すMEAにおける高分子電解質膜を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図33は、図31に示すMEAにおける高分子電解質膜を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。 図34は、図31に示すMEAにおける第1膜補強部材を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図35は、図31に示すMEAにおける膜−膜補強部材接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図36は、図31に示すMEAにおける膜−膜補強部材接合体を模式的に示す斜め下方から見た斜視図である。 図37は、図31に示すMEAにおける膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め上方から見た斜視図である。 図38は、図31に示すMEAにおける膜−触媒層接合体を模式的に示す斜め下方から見た模式図である。 図39は、図37に示す膜−触媒層接合体のXXXIX−XXXIX線に沿 った断面図である。 図40は、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体の製造工程の接合工程を説明するための模式図である。 図41は、膜補強部材ロールを製造するための処理エリア及び製造ラインの 概略を示す模式図である。 図42は、本実施の形態5に係るPEFCのセルにおける膜−触媒層接合体の製造工程の第2工程を説明するための模式図である。
符号の説明
1 高分子電解質膜
1a 第1凹部
1b 第2凹部
2 触媒層
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3 ガス拡散層
3a アノードガス拡散層
3b カソードガス拡散層
4 電極
4a アノード
4b カソード
5 MEA(膜−電極接合体)
6a アノードセパレータ
6b カソードセパレータ
7 燃料ガス流路
8 酸化剤ガス流路
9 熱媒体流路
10a 第1膜補強部材
10b 第2膜補強部材
11 ガスケット
12 段差部
15 高分子電解質膜−内部補強膜複合体
15a 高分子電解質膜
15b 高分子電解質膜
15c 内部補強膜
16 開口
17 切り欠き部
18 相欠接ぎ部
19 隙間
20 膜−膜補強部材接合体
30 膜−触媒層接合体
40 高分子電解質膜ロール
41a 高分子電解質膜シート
41b キャスト膜
41c 高分子電解質膜シート
42 膜−膜補強部材積層体
43 凹部
44 高分子電解質溶液(塗工液)
45 ブレード
46 膜−膜補強部材シート
47 マスク
48 開口部
49 触媒層形成装置
50 膜−触媒層シート
51 基材−高分子電解質膜シート
60 膜補強部材ロール
60a 膜補強部材ロール
60b 膜補強部材ロール
61 膜補強部材テープ
61a 第1膜補強部材テープ
61b 第1膜補強部材テープ
62 膜−膜補強部材接合体ロール
63a 基材テープ
63b 基材テープ
64a 膜補強部材テープ
64b 膜補強部材テープ
65a 基材−膜補強部材積層体
65b 基材−膜補強部材積層体
66a 基材−膜補強部材ロール
66b 基材−膜補強部材ロール
67 膜補強部材接合体
68 基材−膜補強部材接合体テープ
69 膜補強部材ロール
70 第2膜補強部材テープ
74 基材テープ
75 基材テープ
76 基材−膜補強部材積層体
76a 基材−膜補強部材積層体
76b 基材−膜補強部材積層体
77 基材−膜補強部材ロール
77b 基材−膜補強部材ロール
80 ローラ
81 ローラ
82 ローラ
83 ローラ
84 基材シート
85 基材−膜補強部材ロール
86 基材−膜補強部材接合体シート
90 凹部
91 凹部
92 回転ロール
93 アプリケータロール
94 液ダム部
95 ロールナイフコーター
96 ロールナイフ
96a 振れ刃部
97 切欠部
97a 側面
98 凹部
100 セル
210 固体高分子電解質膜
212 ガスケット
213 電極
214 隙間部分
220 保護膜
222 開口部
250 保護膜
252 保護膜ロール
260 固体高分子電解質膜
262 高分子電解質膜ロール
280 膜−保護膜ロール
290 ロール
310 触媒層塗布工程
320 拡散層一体化工程
330 高分子電解質膜
331 触媒層
332 触媒層・電解質接合体
333 拡散層
380 ホットロール
390 ホットロール
D1 進行方向
D10 進行方向
E1 辺
E2 辺
E3 辺
E4 辺
F1 主面
F2 主面
P1 接合工程
P2 熱処理工程
P3 熱圧着工程
P4 塗工工程
P5 裁断工程
P12 第2工程
P13 第3工程
P14 第4工程
P15 第5工程
P16 第6工程
R200 部分

Claims (15)

  1. 略4角形の形状を有する高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の一方の主面の側において該一方の主面の4辺のうちの互いに対向する1組の辺に沿って延びるように配置された1対の膜状の第1膜補強部材と、
    前記高分子電解質膜の他方の主面の側において該他方の主面の4辺のうちの互いに対向する1組の辺に沿って延びるように配置された1対の膜状の第2膜補強部材と、を備え、
    前記高分子電解質膜は、前記1対の第1膜補強部材及び前記1対の第2膜補強部材が配置されている部分が凹状に形成されており、
    前記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材は、その主面が露出するように、かつ、全体として前記高分子電解質膜の周縁部を囲むように配置され、
    前記1対の第1膜補強部材は、露出した主面が前記高分子電解質膜の一方の主面と実質的に同一平面上に位置するように前記高分子電解質膜に配置されており、
    前記1対の第2膜補強部材は、露出した主面が前記高分子電解質膜の他方の主面と実質的に同一平面上に位置するように前記高分子電解質膜に配置されている、膜−膜補強部材接合体。
  2. 前記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材とは、前記高分子電解質膜の4隅の部分を挟むように配置されている、請求項1に記載の膜−膜補強部材接合体。
  3. 前記1対の第1補強部材と前記1対の第2補強部材とは、前記高分子電解質膜の厚み方向から見て、全体として前記高分子電解質膜の周縁部に互いに重なり合わないように配置され、
    前記高分子電解質膜は、前記1対の第1膜補強部材の露出した主面と前記高分子電解質膜の前記一方の主面の前記1対の第1膜補強部材の間に位置する部分とが実質的に同一平面上に位置するように段状に屈曲されている、請求項1に記載の膜−膜補強部材接合体。
  4. 前記1対の第1膜補強部材は、前記互いに対向する1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置されている、請求項3に記載の膜−膜補強部材接合体。
  5. 前記1対の第2膜補強部材は、各々の両端が屈曲された前記高分子電解質膜の段差部に接触するように配置されている、請求項4に記載の膜−膜補強部材接合体。
  6. 前記1対の第2膜補強部材は、該1対の第2膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と該高分子電解質膜の前記他方の主面の該1対の第2膜補強部材の両端より外方に位置する部分とが実質的に同一平面上に位置するような厚みを有している、請求項5に記載の膜−膜補強部材接合体。
  7. 前記1対の第1膜補強部材と前記1対の第2膜補強部材には、それぞれの両端部に相欠接ぎ部が形成されており、
    前記第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが前記高分子電解質膜の4隅の部分を挟むようにして相欠接ぎに組み合わせられている、請求項1に記載の膜−膜補強部材接合体。
  8. 前記1対の第1膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と、少なくとも前記高分子電解質膜の前記一方の主面の前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部以外の部分に重なり合う部分とが、実質的に同一平面上に位置するように、前記高分子電解質膜が段状に屈曲されるような態様で、前記1対の第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが相欠接ぎに組み合わせられている、請求項7に記載の膜−膜補強部材接合体。
  9. 前記1対の第1膜補強部材は前記一方の1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置され、
    前記1対の第2膜補強部材は前記他方の1組の辺の全長に亘って該1組の辺に沿って延びるように配置されている、請求項7に記載の膜−膜補強部材接合体。
  10. 前記1対の第2膜補強部材の前記高分子電解質膜と接触しない方の主面と、少なくとも前記高分子電解質膜の前記他方の主面の一対の前記第1膜補強部材の相欠接ぎ部以外の部分に重なり合う部分とが、実質的に同一平面上に位置するように、前記高分子電解質膜が段状に屈曲されるような態様で、前記1対の第1膜補強部材の相欠接ぎ部と前記1対の第2膜補強部材の相欠接ぎ部とが相欠接ぎに組み合わせられている、請求項7に記載の膜−膜補強部材接合体。
  11. 前記高分子電解質膜は、その内部に、イオン伝導パスとなる貫通孔を有する内部補強膜を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の膜−膜補強部材接合体。
  12. 請求項1に記載の膜−膜補強部材接合体と、
    前記高分子電解質膜の一方の主面を覆うように配置された第1触媒層と、
    前記高分子電解質膜の他方の主面を覆うように配置された第2触媒層と、を備え、
    前記第1触媒層は前記1対の第1膜補強部材の露出した主面の一部と前記高分子電解質膜の一方の主面の該1対の第1膜補強部材の間に位置する部分とを覆うように配置されており、
    前記第2触媒層は前記1対の第2膜補強部材の露出した主面の一部と前記高分子電解質膜の他方の主面の該1対の第2膜補強部材の間に位置する部分とを覆うように配置されている、膜−触媒層接合体。
  13. 前記第1触媒層及び第2触媒層は、前記高分子電解質膜の厚み方向から見て各々の周縁部が全周に亘って前記第1膜補強部材及び第2膜補強部材と重なるように配置されている、請求項8に記載の膜−触媒層接合体。
  14. 請求項8に記載の膜−触媒層接合体と、
    前記膜−触媒層接合体の前記第1触媒層を覆うように配置された第1ガス拡散層と、
    前記膜−触媒層接合体の前記第2触媒層を覆うように配置された第2ガス拡散層と、を備える、膜−電極接合体。
  15. 請求項14に記載の膜−電極接合体を備える、高分子電解質形燃料電池。
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