JP5339909B2 - 留め具 - Google Patents
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- A44C5/18—Fasteners for straps, chains or the like
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Description
この問題を解決するために、提案されたものとしては、雄側と雌側のホックにより服の生地をはさみ、名札を固定するように設けられたもの(例えば、特開2004−41636号公報(特許文献1)参照。)がある。
また、近年、会社内における身分証明のために名札を首から下げたり、ポケットに取り付けたりする企業が増え、そのニーズに対応するべく、ポケットや前襟等に装着するためのさまざまなクリップを備えたもの(例えば、特開2004−117501号公報(特許文献2)および特開2004−173846号公報(特許文献3)参照。)が提案されている。
ところが、特許文献1に示された提案では、雌側のフックの可撓力が固定力のすべてを担っており、固定力を上げると着脱の際に力が必要になり、着脱がし難い上、雄側と雌側で強く生地を挟んだ状態のままとなるため、強すぎると生地を痛める結果となる。そのため、安全ピンと同様に繰り返して使っているうちに、生地に穴が開くことが懸念される。その反面、着脱しやすいように可撓力を弱くすると固定力が落ちて、外れやすくなる。
また、特許文献2および特許文献3に示されたような、クリップを備えたものにおいては、所詮はポケット等がないと取り付けることができない。たとえ、ポケット等があって取り付けたとしても、ポケット等の布地を単純に挟んでいるだけなので、強い力で引っ張られると、簡単に取れてしまい、戯れ遊ぶ学童の服には向いていない。
そこで本発明は、この課題を解決するために、ポケットのない衣服などのように一枚の布地であっても留めることができ、しかも布地を傷めずに穴が開くことを防止できる上、簡単に外れることがない留め具を提供することを目的とする。
そして、例えば第1係止部材としては、外筒と、その中をスライドする内筒とに、それぞれ開口部を穿設し、この開口部の周縁部を係止部にするとともに、この開口部を付勢力で開閉するようにする。第2係止部材に係止突起を形成し、そして、布地など介在させて、この開口部に第2係止部材の係止突起を挿入し、第2係止部材の係止突起と第1係止部材の開口部周縁(係止部)とを係合させて抜け出ないようにする。
これにより、布地などは係止部と係止突起によって挟持されるようになり、留め具は布地などに係止された状態となる。このため、ポケットが無い衣服のような一枚の布地などへも留めることができる。また、布地などに穴をあけなくても係止された状態となるため、布地などを傷めることが無いため、繰り返して着脱しても、布地などに穴が開く心配が無い。
また、留め具の係止部と係止突起によって、布などのシート状物を強い力で挟み込まなくても、留め具は係止されるようになり、繰り返し着脱しても布地などを痛めることがないので、布地などに穴が開く心配が無い。
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで第1図は本発明に係る留め具の一実施形態を説明する分解斜視図、第2図はこの留め具の動作を説明する斜視図、第3図はこの留め具を布地に係止した状態を示す断面図、第4図および第5図は他の実施形態の留め具を示す斜視図である。
本発明に係る留め具は、布地を挟んで挟持するために、布地の表側と、裏側にそれぞれ位置して、お互いに組み合わさることによって係止されるように設けられている。たとえば表側が、開口部を有する角筒形状で、裏側がその開口部に嵌め込まれる突出部を有するものである。
したがって、例えば、第1図〜第3図に示した第1係止部材1と第2係止部材2とが布地10を介して係合するように設ける。第1係止部材1は、一端が閉鎖端32として閉鎖され、他端が解放端33として解放される断面矩形状の外筒3と、その中に入るように設けられ且つ一端が閉鎖端52として閉鎖され、他端が解放端53として開放される内筒5と、外筒3と内筒5との間に介装されるバネ4とから構成される。
外筒3と内筒5とには、それぞれの側面にほぼ同じ大きさで横長の長方形の開口部31、51が穿設されている。それぞれの開口部31、51は、第2係止部材2の突出部21を布地10が覆った状態で、出入りできる大きさである。開口部51の閉鎖端52側には、開口部31に僅かの厚さで嵌るように外側に突出した脱落防止爪54が設けられている。
第1係止部材1を組み立てるに当っては、まず、外筒3の開放端33からバネ4を挿入した後、同開放端33から内筒5の閉鎖端52を先頭にして挿入する。この際、脱落防止爪54が開口部31に嵌った時点で、内筒5は外筒3から脱落しなくなる。すなわち、脱落防止爪54が開口部31内を移動する範囲で、内筒5がスライドすることになる。
内筒5を押し込むと、閉鎖端52がバネ4を押す。最大押し込んだ状態で、開口部31と開口部51とによってできる開口幅が最大となるように設けられている。バネ4は、その外径が開口部31の高さより大きいものを使用することにより、開口部31から脱落することがない。
第2係止部材2は、基板22と、基板22から水平方向に突出した突出部21とが一体的に形成されており、突出部21はアーム23と係止突起24とからなり、係止突起24は水平方向の外側に突出してアーム23より幅広く形成されている。
次に、それぞれの動作について第2図を参照して説明する。上記したように、第1係止部材1を組み立てた後に(第2図(a))、外筒3の閉鎖端32と内筒5の開放端53とを摘むようにして持ち、内筒5を押し込むことによって、開口部31と開口部51とが、最大に開いた状態(第2図(b))となる。ここに第2係止部材2の突出部21を挿入し、係止突起24が内筒5内に納まった時点で、外筒3の閉鎖端32と内筒5の開放端53とを離すと、バネ4の付勢力により内筒5の閉鎖端52が押し出され、開口部31と開口部51とでアーム23が挟まれた状態となり、開口部31、51の内側周縁と、係止突起24とが前後に重なり合って、アーム23は開口部31、51から抜け出なくなる。
なお、この際、内筒5が押し込まれた位置からバネ4が復元して一番伸びきった状態(付勢力がなくなった状態)で、重なり合って開口する開口部31、51の開口幅が、アーム23の係止突起24部分の横幅より小さく、またアーム23自体の基端側の幅よりやや大きめになるようにしている。
この状態を、衣服などの布地10を介在させた状態で説明すると、第3図に示したように、布地10は突出部21を包み込んだ状態で、突出部21と一緒に内筒5内に納まるので、第1係止部材1と第2係止部材2とが布地10を挟持したような状態で布地10に係止され、動かなくなる。
また、この状態で、無理やり第1係止部材1から第2係止部材2を引き離そうとする力(矢印Y)がかかったとしても、バネ4の付勢力Xとは方向が異なる。引き離そうとする力に抗する力は第1係止部材1と第2係止部材2との構造的強度そのものであって、かなりの力に耐えうる。一方、バネの付勢力Xは過度に強くなくても良く、適当な付勢力Xを有するバネ4で十分である。またバネ4が伸びきった状態で、布地10と、開口部31、51や係止突起24との間に僅かに間隙が形成されるため、バネ4による無用なストレスを布地10に与えるものではない。
この構造で特徴的なことは、第1係止部材1が伸縮することによって第2係止部材2と係合し、布地10と、開口部31、51や係止突起24との間に僅かな間隙をもった状態で係止されるのにも関わらず、簡単には外れないところにある。前記した特許文献1で示した先行技術のように、雌側のクリップで挟みこむのとは違い、無用なストレスが、布地10にかからないため、布地10をいためることが無く、繰り返し着脱しても、布地10が破けることは無い。
また、布地10に接する開口部31の側面31bや開口部51の側面を縦方向または厚さ方向で、湾曲して形成する(角の無い形状で形成する)ことによって、布地10への損傷をさらに防止することができる。
例えば、第1係止部材1の下部に名札N用のフック35を一体的に形成し、これに名札Nを取り付けることによって、衣服を傷めることのない名札として学校や企業など多くの場での活用が期待される。また、名札だけでなく、衣類商品の正札を取り付けたり、二枚の布地を留め合わせたり、洗濯バサミとしてなど、留め具として多くの活用範囲が考えられる。
また、安全ピンのように針になった部分が無いことから、誤って人体に刺したりする危険が無いので、着用した状態での衣服への着脱でも安全である。
他の実施形態としては、前記の実施形態とは雄雌反対のものも考えられる。すなわち、第4図に示すように、布地の外側に略ひ(ひらがな)の字状の第2係止部材6と、内側にロの字状の第1係止部材7を設けることによって、同様の効果を得られる。
すなわち、第2係止部材6は可撓性を有する樹脂などで形成し、コの字状のアーム部63の両端に係止突起64を外側に張出して設け、アーム部63を摘むことによって係止突起64の横幅が伸縮するように設ける。第1係止部材7には係止突起64の幅が狭くなった際に出入りできる大きさの開口部71を穿設し、この開口部71の裏側周縁を係止部とする。
布地に接する係止突起64の先端や係止部としての開口部71の縁は湾曲して(角が無い形状に)形成すると、布地へのストレスを減らすことができる。さらに、アーム63の幅を開口部71の幅より十分に小さく形成すれば、係止突起64や開口部71周縁と布地の間に間隙が形成され、布地を圧着する部分は無くなり、布地を傷める危険は殆どなくなる。
そして、第1係止部材7と第2係止部材6との間に布地(図示せず)を介在させた状態で、アーム63を摘んで係止突起64の幅を狭めた状態で、布地ともども開口部71へ挿入し、アーム63を離す。すると、係止突起64が開口部71の内側で広がって、係止突起64が開口部71周縁に係合する状態となり、第1係止部材7を引っ張っても簡単に抜き取ることはできない。
さらに、他の実施形態として、上記のような開口部に突起を入れるのではなく、洗濯バサミのように留めるように設ける方法も考えられる。すなわち、第5図に示すような左右に伸縮する第2係止部材としての洗濯バサミ状のクリップ9と、これと係合する第1係止部材としての略エの字状の係止板8との組合せでも良い。
この場合、係止板8には凹部81が形成されており、この凹部81の裏側周縁部が係止部にされるとともに、クリップ9には、バネ90で開閉するアーム96が設けられ、このアーム96の先端に、内側に張出す係止突起97が形成されている。そして、クリップ9を開いた後、前記凹部81にクリップ9のアーム96をバネ90の付勢力で係合させると、係止突起97が凹部81の裏側縁部の係止部に係合してクリップ9を引っ張っても抜き取ることができないようにされるが、この際、アーム96の最小幅より両凹部81間の距離を小さくすれば、布地(図示せず)に圧着する部分は無くなり、布地を傷めることは無い。
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上記実施形態においては、外筒3および内筒5が断面矩形状であったが、その形状は、円柱状や半円柱状などにすることにより、その強度や布の収納能力を向上させることができる。
Claims (1)
- 布などのシート状物に係止される留め具であって、前記シート状物の一方のシート面側に配置され且つ開口幅を変化させることのできる開口部を備えた第1係止部材と、他方のシート面側に配置され且つ所定幅以上に広げた前記第1係止部材の開口部内に挿入可能な係止部を備えた第2係止部材からなり、前記シート状物を挟み込んだ状態で第1係止部材の開口部内に第2係止部材の係止部を挿入した後、開口部の開口幅が狭まるようにすることで前記係止部が開口部から抜出し不能となって前記第1係止部材と第2係止部材とが前記シート状物に係止されるようにし、前記第1係止部材と第2係止部材とがシート状物に係止された状態において、前記第1係止部材の開口部および/または第2係止部材と、前記シート状物との間の全領域に間隙が形成されても、前記シート状物に対する前記第1、第2係止部材の係止状態が保持されるようにしたことを特徴とする留め具。
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