JP3038883U - スーツケースの緊締帯 - Google Patents

スーツケースの緊締帯

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JP3038883U JP1996013480U JP1348096U JP3038883U JP 3038883 U JP3038883 U JP 3038883U JP 1996013480 U JP1996013480 U JP 1996013480U JP 1348096 U JP1348096 U JP 1348096U JP 3038883 U JP3038883 U JP 3038883U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スーツケースに緊締したベルトの自由端側
を、該ベルトに係止して、体裁よく、安全で、締着が緩
まないようになす。 【解決手段】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
(21,21)を取り付け、該ベルト(10)の他端に
は補強用生地(11)を縫着してなるスーツケースの緊
締帯において、上記ベルト(10)の他端に、該ベルト
(10)の長手方向とは略直交する方向に一辺側より切
溝状の欠部(13)を設けてフック部(12)を形成し
てなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、スーツケースの蓋が不意に開いてしまうことを防ぐため、スーツケ ースの本体と蓋とを全周に渡って緊締しておくためのスーツケースの緊締帯に関 するものである。
【0002】 従来のこの種スーツケースの緊締帯を、本考案の実施態様を示す「図1」乃至 「図3」を参照に説明すると、10がベルトで、このベルト10の一端に一対の 方形環20a,20bを取り付けてある。この方形環20a,20bはベルト1 0の一端に直接取り付けてもよいが、一般的には連結帯片11を介して取り付け て、ベルト10はその長さを調整可能となしてある。
【0003】 すなわち、このベルト10は一端を二つ折状に折り曲げ、この折り曲げ部に方 形連結環21をその一辺を巻き込んで取り付け、折り曲げたベルト10の先端は 該ベルト10を通した長さ調整バックル22の中央横桟部22aに連結固定して ある。
【0004】 したがって、上記長さ調整バックル22をベルト10の適宜位置にずらすこと で、「図1」に示すベルト10の一端の二つ折部位の長さL1が変更されて、結 果としてベルト10の全長が変更・調整できるようになしてある。
【0005】 そして、上記した連結帯片11は、方形連結環21の他辺を巻き込んでこの方 形連結環21に取り付けてある。そして、この連結帯片11の他端に一対の方形 環20a,20bを、その各一辺を共に巻き込んで取り付けてある。
【0006】 上記一対の方形環20a,20bは、「図3」に於て、下方に図示しないスー ツケースがあって、ベルト10がこのスーツケースを一周しているものとして、 このベルト10の自由端である他端を図示のように、先ず、二つの方形環20a ,20bの下方より両方形環20a,20b内を通して上方に引き出し、次いで 、該ベルト10の自由端である他端を二つの方形環20a,20bの内上方の方 形環20aの他辺の外側と、下方の方形環20bの他辺の内側とを通すことで、 このベルト10の締着を可能となすように使用されるものである。
【0007】 そして、該ベルト10の他端には通常「図6」乃至「図10」に示すような補 強用生地31a(通常、この補強用生地31aは先端を半円形にまたは略三角形 に形成し、本考案のフック部30は形成していないのは無論である。)を縫着し てなる。この補強用生地31aは、無論、第一に補強の目的で使用される。しか し、通常この種ベルト10は織り帯が使用されるので、該ベルト10の端部のほ つれ防止の目的でも、または、該ベルト10の端部を上記方形環20a,20b に通し易くする(可曲性を小さくして操作性を向上する。)目的でも使用されて いるものである。
【0008】 しかし、上記のような従来公知なスーツケースの緊締帯では、ベルト10の長 さの調整具合によって、他端側の上記両方形環20a,20bより突出する部位 (「図1」の方形環20a,20bより上方に、「図2」以降では方形環20a ,20bより左側に突出する部位)が、全くの自由端となり、スーツケースより この自由端部が長く垂れ下がり体裁が悪いという問題点を有している。
【0009】 また、このベルト10の自由端ぶが長く垂れ下がると、他のものに引っ掛かっ て危険であったり、ベルト10自体の締着を不意に緩めたりすることもあるとい う問題点をも有していた。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
そこで本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、スーツケースに緊締したベ ルト10の他端の自由端側を、該ベルト10に係止可能となして、体裁よく、安 全で、締着が緩まないスーツケースの緊締帯を提供することを課題としたもので ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a ,20bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他 端に、該ベルト10の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成したことを特 徴とする技術的手段を講じたものである。
【0012】 それ故本考案スーツケースの緊締帯は、従来法でベルト10をスーツケースに 巻き付けて緊締した後、該ベルト10の自由端となる他端をフック部30で、ス ーツケースに既に緊締した該ベルト10の適宜箇所に係止できる作用を呈するも のである。
【0013】 次に、「請求項2」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20 bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に補 強生地31aを縫着し、この補強生地31aに該ベルト10の途中に引っ掛ける ためのフック部30を形成したことを特徴とする技術的手段を講じたものである 。
【0014】 それ故、本考案スーツケースの緊締帯は、「請求項1」の作用と同じく、ベル ト10の自由端となる他端を、フック部30でスーツケースに既に締着したベル ト10の適宜箇所に係止できる作用を呈するものである。なお、補強生地31a にフック部30を形成したので、該フック部30の形成が従来の裁断・縫製作業 で容易に製造でき、また、この補強生地31aの硬さ、強度等の面で材質を選定 することで係止が着実化する作用を呈するものである。
【0015】 次に、「請求項3」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20 bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可 撓性を有した合成樹脂板31bを固定し、この合成樹脂板31bに該ベルト10 に引っ掛けるフック部30を形成したことを特徴とする技術的手段を講じたもの である。
【0016】 それ故、本考案スーツケースの緊締帯は、「請求項1」の作用に加え、可撓性 を有した合成樹脂板31bを使用し、この合成樹脂板31bにフック部30を形 成したので、ベルト10にフック部30を係止する際に、合成樹脂板31bの弾 性でフック部30がベルト10を弾止・挟持する作用を呈する。すなわち、本考 案ではフック部30と称しているが、可撓性を有した合成樹脂板31bに該フッ ク部30を設けることでベルト10に引っ掛ける作用の他に、クリップ作用、す なわちベルト10に挟み止める作用を付加するものである。
【0017】 また「請求項4」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20b を取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可撓 性を有した合成樹脂板31bを固定し、この合成樹脂板31bに該ベルト10の 長手方向とは略直交する方向に一辺より切溝状の欠部32aを設けて該ベルト1 0の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成し、上記切溝状の欠部32aは 一辺側は溝幅を小さく奥側が溝幅を拡張したことを特徴とする技術的手段を講じ たものである。
【0018】 それ故、本考案スーツケースの緊締帯は、「請求項3」の作用に加え、切溝状 の欠部32aは一辺側は溝幅小さく奥側が溝幅を拡張したので、フック部30は スーツケースに緊締したベルト10に係止した際、係止方向(脱落方向とは逆方 向)に移動する力を受ける傾向を有し脱落しずらくなる作用を呈する。
【0019】 また「請求項5」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20b を取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可撓 性を有した合成樹脂板31bを固定し、この合成樹脂板31bに略U状の切溝3 2bを形成し該ベルト10の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成し、上 記切溝32bはU字状の両上端側が溝幅を大きくU字状の底側が溝幅を小さくし たことを特徴とする技術的手段を講じたものである。
【0020】 それ故、本考案スーツケースの緊締帯は、「請求項4」の作用に加えて、フッ ク部30を略U状の切溝32bで形成したので、この切溝32bが引っ掛かった ベルト10との接触部が多くなり、その分、係止を確実化する作用を呈するもの である。
【0021】 また「請求項6」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20b を取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可撓 性を有した合成樹脂板31cを固定し、該合成樹脂板31cはベルト10に固定 される基端部31c1と、この基端部31c1より斜め上方に延長する斜め連結 面部31c2と、この斜め連結面部31c2で基端部31c1と段違いとなした 本体面部31c3とで構成し、上記合成樹脂板31cに略U状の切溝32bを、 その上端がベルト10の一辺の略延長線上に位置するようになして形成して該ベ ルト10の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成し、上記切溝32bはU 字状の両上端側が溝幅を大きくU字状の底側が溝幅を小さくしたことを特徴とす る技術的手段を講じたものである。
【0022】 それ故、本考案スーツケースの緊締帯は、「請求項5」の作用に加えて、合成 樹脂板31bはベルト10に固定される基端部31c1と、この基端部31c1 より斜め上方に延長する斜め連結面部31c2と、この斜め連結面部31c2で 基端部31c1と段違いとなした本体面部31c3とで構成し、上記合成樹脂板 31bの本体面部31c3に略U状の切溝32bを、その上端がベルト10の一 辺の略延長線上に位置するようになして形成して該ベルト10の途中に引っ掛け るためのフック部30を形成したので、ベルト10の自由端を該ベルト10の途 中に引っ掛けると、「図5」に示すように、ベルト10の自由端側はスーツケー スに締着したベルト10の上に丁度重なるようになる作用を呈するものである。
【0023】
【考案の実施の態様】
次に、本考案の実施の態様を添付図面に従って詳細に説明する。図中、10が 本考案スーツケースの緊締帯の主要部を構成するベルトで、このベルト10の一 端に締着用の一対の方形環20a,20bを取り付けてあるのは従来と同じであ る。
【0024】 上記ベルト10は、材質、大きさ、長さ、抗生等従来公知なものを使用すれば よいが、耐久性に優れ、かつ可曲性に富んだものとして、一般的には化学繊維で 織った比較的幅の広い織り帯が使用されている。
【0025】 そして、上記方形環20a,20bはベルト10がスーツケースを一周してル ープ状となした自由端側を通して締着するためのもので、ベルト10の一端に連 結帯片11を介して取り付けてあるのも従来と同じである。なお、この連結帯片 11は省略してベルト10の一端に直接一対の方形環20a,20bを取り付け ても差し支えないのは無論で、この場合は、後記する方形連結環21に代えて該 一対の方形環20a,20bを取り付ければよいことになる。
【0026】 そして、上記ベルト10は一端(「図2」以降の各図において左側端)を二つ 折状に折り曲げ、この折り曲げ部に方形連結環21の一辺を巻き込んで該方形連 結環21をベルト10の一端に取り付け、該ベルト10の折り曲げ先端側は、該 ベルト10を通した長さ調整バックル22の中央横桟部22aに連結固定してあ る。
【0027】 また、上記連結帯片11は、通常ベルト10と同じ材質で構成され、この連結 帯片11の他端側(「図2」以降の各図において右側端)は、「図3」または「 図7」に最も明らかに示すように、方形連結環21の他辺を巻き込んで、該連結 帯片11をこの方形連結環21に取り付けてある。さらに、この連結帯片11の 一端(「図2」以降の各図において左側端)には一対の方形環20a,20bを 、その各一辺を共に巻き込んで折り返して取り付けてある。
【0028】 なお、上記連結帯片11の両端折り返し部は、折り返して重ねた部位を、相互 に固定するために縫合して連結するのは無論であるが、図示実施例では、後記す る名札入れ40をこの連結帯片11に縫着する際に、この折り返し重ね部を該名 札入れ40と共に縫合するようになしてある。
【0029】 そして、上記連結帯片11には名札入れ40が縫着してある。この名札入れ4 0は従来公知なもので、図示実施態様では、三方を囲みその内側をめくり起こす ことができるようになした窓孔用切溝41と、この窓孔用切溝41の一端側方部 位に図示しない名札を差し込むための名札差し込み切溝42とを有した名札カバ ー体40aを、その周縁で連結帯片11に縫着してなる。なお、上記窓孔用切溝 41によって形成される窓孔の裏側には透明のカバー43を収納固着しておく( この透明のカバー43は通常薄くて縫合可能であるので、名札カバー体40aと 同じ大きさとして共に縫合するようになしてもよい。但し、名札差し込み切溝4 2を塞がないように収納することが必要である。)ことが望ましいのは無論であ る。
【0030】 そして、本考案は上記ベルト10の他端に、該ベルト10の途中に引っ掛ける ためのフック部30を形成してある。
【0031】 上記フック部30は、ベルト10の他端側の自由端を該ベルト10の途中に引 っ掛けられるものであればよく、図示はしていないが、ベルト10の他端側を直 接加工して設けてもよい。しかし、通常は該ベルト10の他端には補強用生地3 1aを縫着してなるので、この補強生地31aに該ベルト10の途中に引っ掛け るためのフック部30を形成するのが一つの具体的実施態様とすることができる 。なお、この種、ベルトの先端は剣先と称され、天然皮革等の補強用生地31a で補強する(この補強用生地31aは二枚重ねとしたり、ベルト10の他端部と で三枚重ねとすることもある。)のが常套手段として知られているものである。
【0032】 そして、補強用生地31aにフック部30を形成する実施態様は「図6」乃至 「図10」に示すもので、補強用生地31aに該ベルト10の長手方向とは略直 交する方向に一辺側より切溝状の欠部32を設けてフック部30を形成してある 。この欠部32は補強用生地31a、または二枚重ねの補強用生地31a,31 a、さらには、補強用生地31aとベルト10の他端部とを重ねた部位の先端部 位に設けられる。そして、前記のように種々の組み合わせで生地が重ねてある場 合は、その重ねた生地を該欠部32の周縁に沿っても縫合するのは無論である。
【0033】 上記欠部32はその幅・長さは特に制約はなく、通常はベルト10の厚み以上 の幅の欠部32を設けるが、この欠部32の幅が単なる切溝状であってもベルト 10をその内側に差し込むことは可能であるので差し支えない。なお、補強用生 地31aは通常、柔軟性合成樹脂シート、天然または人工皮革で製造される。な お、これら補強用生地31aが可曲性が大きいときは、適宜な剛性と弾性とを有 した、厚紙、合成紙、合成樹脂フィルム、金属板等を後記するように二枚重ねの 補強用生地31a,31aの間等に介装しておく等して介装することが望ましい 。
【0034】 上記フック部30は「図8」または「図9」のようにスーツケースに緊締した ベルト10の途中適所に引っ掛けて係止するためのもので、「図8」例では、該 フック部30を図示しないスーツケースに締着したベルト10の外面にあてがっ て、該フック部30の先端部位を、スーツケースとベルト10との間に差し込ん で係止してある。
【0035】 しかし、上記の「図8」の係止例は、ベルト10をスーツケースに緊締する際 の強さ、フック部30の剛性の大きさなどの理由で係止が外れ易くなってしまう ことがあり、フック部30乃至補強用生地31aが他のものに接触すると容易に フック部30が脱落するおそれがある。そこで、「図9」例が、より確実に係止 する例で、緊締したベルト10の他端自由端側は捻ってスーツケースとベルト1 0との間を通し、フック部30はベルト10の裏面側よりフック部30の先端が 該ベルト10の表面側に引っ掛かるようになして係止してある。したがって、こ の「図9」の係止方法だとフック部30の大部分(補強用生地31aの大部分) がベルト10の裏面側に挟まれるので、フック部30が他の物に触れず、外れず らくなるものである。
【0036】 そして、「図10」実施態様では、上記フック部30は補強用生地31a,3 1aを二枚重ねに構成し、その間に弾性板材12を収納してある。
【0037】 上記弾性板材12は、前述もした通り、厚紙、合成紙、合成樹脂フィルム、金 属板等が使用でき、「図10」に二点鎖線で示すように平面逆U字状に形成して 、U字状の一辺側をフック部30銭端部内に他辺側を該フック部30銭端部とは 欠部32の反対側に位置させて共に補強用生地31a,31a内に収納している 。
【0038】 なお、「図7」実施態様では、上記弾性板材12はベルト10と同じ厚みに形 成し、ベルト10の先端にこの弾性板材12を近接して並べ、補強用生地31a ,31aはこのベルト10と弾性板材12との双方に渡るようにして被せてある 。なお、弾性板材12は補強用生地31aと略同形に形成してもよく、この場合 、ベルト10の他端側で補強用生地31a,31aと、ベルト10の端部(この 場合ベルト10の端部には欠部32と同じ欠部を設ける。)と、弾性板材12と を四枚重ねとなし、これら全てを同時に縫合すればよい。
【0039】 上記弾性板材12のうち厚紙は繰り返し折り曲げを行なうと疲労し易いので、 板バネ状の適当な剛性と弾性とを有した、合成紙または合成樹脂フィルム等を使 用することが望ましい。また、金属板としてはバネ材を使用するのが最も望まし い。なお、厚紙、合成紙、合成樹脂フィルム等縫着可能な弾性板材12は補強用 生地31a,31aと形状を共通にして重ねて縁部を共に縫合すればよい。そし て、金属板の弾性板材12は通常縫合できないので補強用生地31a,31aよ り一回り小さく形成して、補強用生地31a,31aはこの弾性板材12の外側 で縫合するようになす。なお、この弾性板材12の介装によって、フック部30 は後記するようにクリップ作用で確実な係止が可能となるものである。
【0040】 また、上記フック部30は「請求項3」以降に対応する実施態様として、可撓 性を有した合成樹脂板31b,31cに設けてもよい。すなわち、「図1」乃至 「図5」例は、ベルト10の一端に可撓性を有した合成樹脂板31b,31cを 固定し、この合成樹脂板31b,31cに該ベルト10に引っ掛けるフック部3 0を形成してある。
【0041】 この合成樹脂板31b,31cにフック部30を形成するには、合成樹脂板3 1b,31cを成形する際に所定の形状のフック部30を成形する方法と、所定 の合成樹脂板を打ち抜いてフック部30を有した合成樹脂板31b,31cとな すいずれの方法でも無論差し支えない。
【0042】 そして、この合成樹脂板31b,31cをベルト10の一端に固定するには従 来公知な固定方法を使用すればよく、図示例では、合成樹脂板31b,31cと 座板31dとでベルト10の一端を挟み、鋲13,13で鋲着固定しているが、 その他の固着金具止め、糊着等の手段を使用してもよく、最近は合成樹脂板31 b,31cを成形する際にその中にベルト10の一端を埋入する連結固定法も汎 用されており、この方法を利用してもよいものである。
【0043】 なお、上記可撓性を有した合成樹脂板31b,31cとは、力を加えると変形 可能で、無論加えた力を解放するともとに戻る性状を有し、また、適宜な弾性ま たは剛性を有したものであればよい。
【0044】 次ぎに「請求項4」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20 bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可 撓性を有した合成樹脂板31bを固定し、この合成樹脂板31bに該ベルト10 の長手方向とは略直交する方向に一辺より切溝状の欠部32aを設けて該ベルト 10の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成してあるのは前記と同じであ るが、本考案は、上記切溝状の欠部32aは一辺側は溝幅を小さく奥側が溝幅を 拡張してある。
【0045】 上記欠部32aを合成樹脂板31bの一辺側は溝幅が小さく奥側が溝幅を拡張 したのは、フック部30を引っ掛けたら容易には脱落しないようになすためのも ので、合成樹脂板31bに大きな弾性または剛性があると、欠部32aが係止し たベルト10を挟圧して脱落しずらくはなるが、この挟圧力をあまりに大きくす るとフック部30の着脱が困難となる。そこで、本考案では欠部32aの形状で 脱落を防止しようとしたもので、欠部32aの奥側が幅が広いと、フック部30 は外れる方向ではなく引っ掛かる方向に移動し易くなり、その分脱落が防がれる ことになる。
【0046】 なお、上記フック部30の欠部32aが、係止したベルト10を挟圧すること はフック作用にクリップ作用を付加するもので、フック部30がベルト10を係 止する際に、その可撓性を利用して変形することで、この挟圧力が生ずるもので ある。
【0047】 そして、「図3」においてベルト10の端部を二つ折して、この二つ折部に合 成樹脂板31bを鋲着してあるが、この二つ折した理由は、この部位の強度を高 めるためである。
【0048】 次ぎに「請求項5」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20 bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可 撓性を有した合成樹脂板31bを固定するのは上記「請求項4」の考案と同じで あるが、本考案は、この合成樹脂板31bに略U状の切溝32bを形成して該ベ ルト10の途中に引っ掛けるためのフック部30を形成してある。
【0049】 すなわち、合成樹脂板31bに略U状の切溝32bを形成すると「図4」に示 すように該合成樹脂板31bをスーツケースに締着したベルト10の表側に当て がい、該切溝32bに囲まれた舌片部14をベルト10の裏面側に差し込むこと で、一種の平面的な言い換えるとクリップ状のフック部30を形成できるもので ある。
【0050】 そして、上記切溝32bはU字状の両上端側が溝幅を大きくU字状の底側が溝 幅を小さく構成してなる。すなわち、この切溝32bはU字状の底側が差し込む 際の始端側であるので、溝幅を小さく構成し、U字状の両上端側が溝幅を大きく することで前記と同様に脱落を防ぐようになしてある。
【0051】 次ぎに「請求項6」の考案は、ベルト10の一端に一対の方形環20a,20 bを取り付けてなるスーツケースの緊締帯において、上記ベルト10の他端に可 撓性を有した合成樹脂板31cを固定するのは前記と同じであるが、本考案は、 該合成樹脂板31cはベルト10に固定される基端部31c1と、この基端部3 1c1より斜め上方に延長する斜め連結面部31c2と、この斜め連結面部31 c2で基端部31c1と段違いとなした本体面部31c3とで構成してある。す なわち、本考案の、合成樹脂板31cはその先端本体面部31c3がベルト10 の延長面より該ベルト10の幅方向一方側に所定寸法ずれるようになしてある。
【0052】 そして、上記合成樹脂板31cに略U状の切溝32bを、その上端がベルト1 0の一辺の略延長線上に位置するようになして形成して該ベルト10の途中に引 っ掛けるためのフック部30を形成してある。
【0053】 上記略U状の切溝32bを、その上端がベルト10の一辺の略延長線上に位置 するようになして設けることで、該切溝32bの奥までベルト10を差し込むと 「図5」に示すように、該ベルト10の自由端側は他の実施態様では全てスーツ ケースに締着した部位に対して傾斜しているのに比べ、締着した部位の上に丁度 重ねることができるものである。
【0054】 そして、上記切溝32bはU字状の両上端側が溝幅を大きくU字状の底側が溝 幅を小さくしてあるのは「請求項5」と同じである。
【0055】
【考案の効果】
本考案は上記のごときであるので、自由端が垂れ下がらないように、スーツケ ースに緊締したベルト10の途中に係止できる、体裁がよく、安全で、途中で不 意に緩むおそれも少ないスーツケースの緊締帯を提供できるものである。
【0056】 そして、「請求項2」の考案は、ベルト10の他端に縫着した補強生地31a フック部30を設けるようになしたので、従来の裁断・縫製技術で容易に製造で きるスーツケースの緊締帯を提供できるものである。
【0057】 そして、「請求項3」の考案は、可撓性を有した合成樹脂板31bにフック部 30を設けたので、該フック部30をベルト10の途中に引っ掛けた際に、その ベルト10の途中部位をフック部30で挟圧する力を、最も作業性がよく、かつ 脱落しにくい大きさに容易に設定できスーツケースの緊締帯を提供できるもので ある。
【0058】 そして、「請求項4」の考案は、合成樹脂板31bを設けた切溝状の欠部32 aを一辺側は溝幅を小さく奥側が溝幅を拡張したので、前記もしたようにベルト 10の途中に引っ掛けた際により脱落しずらいスーツケースの緊締帯を提供でき るものである。
【0059】 そして、「請求項5」の考案は、合成樹脂板31bに略U状の切溝32bを形 成したので、平面的なベルト10に引っ掛け易いクリップ状の平面的なフック部 30が構成でき体裁がよく、フック部30ベルト10に接触する部分が多いので 脱落しづらいスーツケースの緊締帯を提供できるものである。
【0060】 そして、「請求項6」の考案は、合成樹脂板31bをベルト10に固定される 基端部31c1と、この基端部31c1より斜め上方に延長する斜め連結面部3 1c2と、この斜め連結面部31c2で基端部31c1と段違いとなした本体面 部31c3とで構成して、該合成樹脂板31bの本体面部31c3に略U状の切 溝32bを、その上端がベルト10の一辺の略延長線上に位置するようになして 形成してあるので、ベルト10の自由端を締着した部位の途中に引っ掛けると、 この自由端側が前に締着したバンド10の上に重なり、体裁のよいスーツケース の緊締帯を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案スーツケースの緊締帯の一実施態様を示
す一部切欠平面図である。
【図2】要部平面図である。
【図3】要部断面図である。
【図4】別の実施態様での要部平面図である。
【図5】さらに別の実施態様での要部平面図である。
【図6】さらに別の実施態様での要部平面図である。
【図7】「図6」実施態様の要部断面図である。
【図8】「図6」実施態様の作用を説明する使用状態で
の要部平面図である。
【図9】「図6」実施態様の作用を説明する別の使用状
態での要部平面図である。
【図10】「図6」実施態様でのフック部の拡大平面図
である。
【符号の説明】
10 ベルト 31a 補強用生地 31b 合成樹脂板 32a 欠部 32b 切溝 14 弾性板材 20 フック部 21 方形環 31c1 基端部 31c2 斜め連結面部 31c3 本体面部

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に、該ベルト(10)の途中
    に引っ掛けるためのフック部(30)を形成したことを
    特徴とするスーツケースの緊締帯。
  2. 【請求項2】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に補強生地(31a)を縫着
    し、この補強生地(31a)に該ベルト(10)の途中
    に引っ掛けるためのフック部(30)を形成したことを
    特徴とするスーツケースの緊締帯。
  3. 【請求項3】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に可撓性を有した合成樹脂板
    (31b)を固定し、この合成樹脂板(31b)に該ベ
    ルト(10)に引っ掛けるフック部(30)を形成した
    ことを特徴とするスーツケースの緊締帯。
  4. 【請求項4】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に可撓性を有した合成樹脂板
    (31b)を固定し、この合成樹脂板(31b)に該ベ
    ルト(10)の長手方向とは略直交する方向に一辺より
    切溝状の欠部(32a)を設けて該ベルト(10)の途
    中に引っ掛けるためのフック部(30)を形成し、 上記切溝状の欠部(32a)は一辺側は溝幅を小さく奥
    側が溝幅を拡張したことを特徴とするスーツケースの緊
    締帯。
  5. 【請求項5】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に可撓性を有した合成樹脂板
    (31b)を固定し、この合成樹脂板(31b)に略U
    状の切溝(32b)を形成し該ベルト(10)の途中に
    引っ掛けるためのフック部(30)を形成し、 上記切溝(32b)はU字状の両上端側が溝幅を大きく
    U字状の底側が溝幅を小さくしたことを特徴とするスー
    ツケースの緊締帯。
  6. 【請求項6】 ベルト(10)の一端に一対の方形環
    (20a,20b)を取り付けてなるスーツケースの緊
    締帯において、 上記ベルト(10)の他端に可撓性を有した合成樹脂板
    (31c)を固定し、該合成樹脂板(31c)はベルト
    (10)に固定される基端部(31c1)と、この基端
    部(31c1)より斜め上方に延長する斜め連結面部
    (31c2)と、この斜め連結面部(31c2)で基端
    部(31c1)と段違いとなした本体面部(31c3)
    とで構成し、 上記合成樹脂板(31c)の本体面部(31c3)に略
    U状の切溝(32b)を、その上端がベルト(10)の
    一辺の略延長線上に位置するようになして形成して該ベ
    ルト(10)の途中に引っ掛けるためのフック部(3
    0)を形成し、 上記切溝(32b)はU字状の両上端側が溝幅を大きく
    U字状の底側が溝幅を小さくしたことを特徴とするスー
    ツケースの緊締帯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005334588A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Concise:Kk スーツケース用緊締ベルト

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