以下、解答情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、例えば、添削やテストなどの受講生の解答情報を受信し、解答情報に対してID(解答識別子)を自動付与し、当該解答情報と解答識別子と、解答識別子の記入欄が存在する答案用紙を印刷する解答情報処理装置について説明する。
なお、本実施の形態において説明する答案用紙(媒体)は、採点者(先生)の数だけ、印刷され、当該印刷された答案用紙は、実施の形態2で説明する採点情報処理装置において、利用される。
図1は、本実施の形態における情報処理システム1の概念図である。情報処理システム1は、電子ペン11、端末装置12、解答情報処理装置13、媒体14を具備する。
電子ペン11は、当該電子ペン11で記載された文字等の情報を外部の装置(端末装置12など)に送信できるペンである。電子ペン11は、例えば、非特許文献1の電子ペンである。つまり、電子ペン11は、例えば、いわゆるアノトペンである。端末装置12は、電子ペン11が記載された文字等の情報を受信し、解答情報処理装置13に送信できる装置である。媒体14は、特殊ドットパターンが印刷されている紙である。但し、紙の材質は問わない。媒体14は、例えば、いわゆるアノトペーパーである。
図2は、本実施の形態における情報処理システム1のブロック図である。
電子ペン11は、ペン識別子格納部111、座標情報取得部112、ペン記載情報構成部113、ペン記載情報送信部114を具備する。
端末装置12は、ペン記載情報受信部121、ペン記載情報転送部122を具備する。
解答情報処理装置13は、解答情報受付部131、解答識別子生成部132、解答関連情報格納部133、解答関連情報蓄積部134、指示受付部135、印刷部136を具備する。
ペン識別子格納部111は、電子ペン11を識別する情報であるペン識別子を格納している。ペン識別子のデータ構造や内容は問わない。ペン識別子格納部111は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
座標情報取得部112は、媒体14の中の座標の情報である座標情報を取得する。座標情報取得部112が座標情報を取得する方法として、例えば、以下の方法がある。媒体14に図3に示す特殊ドットパターンが印刷されている場合に、座標情報取得部112は、特殊ドットパターンによる座標検出技術で実現され得る。具体的には、例えば、図3のような構成になる。図3の構成は、CCDカメラ301、パターン認識と解析を行うプロセッサ302で構成される。特殊ドットパターンは、0.3mmピッチのグリッドに沿ってドットを示し、そのドットの配置をRight/Left/Up/Downの4パターンで振り分けることでコード化を図る。そして、CCDカメラより、特殊ドットパターンを60フレーム/秒で撮影し、入力する。そして、撮影した画像情報を解析することにより、入力装置であるCCDカメラの移動(すなわち撮影されるドットパターンの変化)を検出することができる。CCDカメラの移動を検出することにより、静的物体中の相対的な座標情報を取得できる。なお、座標情報取得部112の別の手段として、以下のものが考えられる。媒体14の表面に、座標情報を示すバーコードが印刷されており、座標情報取得部112は、当該バーコードを読み込み、座標情報を得るバーコードリーダーで実現される。
ペン記載情報構成部113は、ペン識別子格納部111のペン識別子と、座標情報取得部112が取得した1以上の座標情報を有するペン記載情報を構成する。ペン記載情報のデータ構造は問わない。ペン記載情報構成部113は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。ペン記載情報構成部113が記載情報を構成するための処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
ペン記載情報送信部114は、ペン記載情報構成部113が構成したペン記載情報を端末装置12に送信する。ペン記載情報送信部114は、無線または有線の通信手段で実現され得る。特に、無線通信手段で実現するのが好適である。但し、放送手段により実現しても良い。
ペン記載情報受信部121は、電子ペン11から送信されたペン記載情報を受信する。ペン記載情報受信部121は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。なお、ペン記載情報受信部121は、例えば、Bluetoothの規約による情報の受信手段である。
ペン記載情報転送部122は、ペン記載情報受信部121が受信したペン記載情報を、解答情報処理装置13に送信する。ペン記載情報転送部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
解答情報受付部131は、解答者の解答を示す情報である解答情報を1以上受け付ける。解答情報とは、1以上の問題に対する解答を示す情報である。解答情報とは、一人の解答の情報である。解答情報は、ペン記載情報が有する座標情報でも良いし、座標情報を文字コード列等に変換した情報でも良い。なお、解答情報が文字コード列等に変換した情報である場合、座標情報を文字コード列等に変換する文字認識処理は、例えば、図示しない装置により、実行される。解答情報受付部131は、解答情報に加えて、通常、ペン識別子を受信する。解答情報受付部131は、一人以上から解答情報を受信する。解答情報受付部131は、二人以上から解答情報を受信しても良い。解答情報受付部131は、端末装置12から解答情報を受信するが、電子ペン11から解答情報を、直接受信しても良い。また、「受け付け」とは、通常、受信であるが、手入力による受け付け、記憶媒体からの読み出し、なども含む。解答情報受付部131は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
解答識別子生成部132は、一の解答者の解答情報に対応して、当該解答情報を識別する解答識別子を生成する。この解答情報は、解答情報受付部131で受信した解答情報である。また、解答識別子生成部132が解答識別子を生成するタイミングは問わない。解答識別子生成部132は、解答情報受付部131における解答情報の受信に対応して、当該解答情報を識別する解答識別子を生成しても良い。ここで、「解答情報の受信に対応して」とは、解答情報の受信の終了信号を受け付けたことに対応していることでも良い。つまり、解答識別子生成部132は、解答情報受付部131が一人の受講生の解答情報に対して、解答識別子を生成する。また、解答識別子生成部132は、ユーザの指示により、一の解答者の解答情報に対応して、当該解答情報を識別する解答識別子を生成しても良い。解答識別子とは、数値、英文字列、英数字列などであり、一意に解答情報を識別できれば良い。「解答識別子を生成する」とは、例えば、解答識別子となり得る数値をバッファに格納しており、その数値に1を加えた数値を次の解答識別子として得て、出力することである。この際、新たな数値をバッファに格納する。また、「解答識別子を生成する」とは、例えば、解答識別子となり得る記号をバッファに格納しており、その記号に対して、予め決められたルールを適用し、新たな記号を構成し、当該記号を次の解答識別子として得て、出力することである。この際、新たな記号をバッファに格納する。「解答識別子を生成する」とは、例えば、乱数発生器により、今まで発生していない乱数が発生されるまで、乱数を発生させ、今まで発生していない乱数が発生した場合に、当該乱数を解答識別子とすることである。なお、解答識別子を生成するアルゴリズムは問わない。解答識別子生成部132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。解答識別子生成部132の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
解答関連情報格納部133は、1以上の解答関連情報を格納し得る。解答関連情報は、解答識別子と解答情報を対応付けて有する情報である。解答関連情報は、解答情報受付部131が受信したペン識別子を有することは好適である。解答関連情報は、別途、ペン識別子と氏名の組の情報である受講生情報を有しても良い。解答関連情報格納部133は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。解答関連情報格納部133に解答関連情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して解答関連情報が解答関連情報格納部133で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された解答関連情報が解答関連情報格納部133で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された解答関連情報が解答関連情報格納部133で記憶されるようになってもよい。
解答関連情報蓄積部134は、解答識別子生成部132が生成した解答識別子と解答情報受付部131が受信した解答情報とを対応づけて、解答関連情報格納部133に蓄積する。解答関連情報蓄積部134は、解答識別子生成部132が生成した解答識別子と、解答情報受付部131が受信した解答情報とペン識別子とを対応づけて、解答関連情報格納部133に蓄積することは好適である。解答関連情報蓄積部134は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。解答関連情報蓄積部134の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
指示受付部135は、各種の指示を受け付ける。指示とは、例えば、答案用紙を印刷する印刷指示(印刷部136を動作させる指示)である。指示とは、例えば、解答関連情報格納部133に格納されている解答関連情報の一部または全部等の情報を表示する指示である。指示受付部135は、ユーザから指示を受け付けても良いし、端末装置12などの外部装置から指示を受信しても良い。なお、印刷指示は、通常、解答情報を特定する情報(例えば、ユーザ識別子や、解答識別子など)を有する。ただし、印刷指示は、すべての解答情報(答案用紙)を印刷する指示でも良い。指示の入力手段は、キーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。指示受付部135は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
印刷部136は、解答関連情報格納部133に格納されている解答情報と解答識別子、および解答識別子記入欄を、一の解答者ごとに、媒体14に印刷する。または、印刷部136は、解答関連情報格納部133に格納されている解答情報と解答識別子を、一の解答者ごとに、解答識別子記入欄が印刷された媒体14に、印刷しても良い。印刷部136は、結果として、解答情報と解答識別子と解答識別子記入欄とが表出した媒体14を得れば良い。媒体14は、例えば、いわゆる答案用紙である。媒体14には、問題が印刷されていることは好適である。なお、解答識別子記入欄とは、採点者等が電子ペン11で解答識別子を記入する欄である。
印刷部136は、一の解答者の解答情報に対して、2以上の同一の答案用紙を印刷しても良い。各答案用紙には、上述したように、一の解答者の、解答関連情報格納部133に格納されている解答関連情報と解答識別子と、および解答識別子記入欄が印刷されている。また、印刷部136は、一の解答者の解答情報に対して、2以上の媒体14のそれぞれに、一の解答者の、解答関連情報格納部133に格納されている解答関連情報と解答識別子を、解答識別子記入欄が印刷された媒体14に、印刷しても良い。かかる場合、印刷部136は、2以上の媒体14のそれぞれに、同一の情報を印刷する。また、2以上の媒体14は、通常、それぞれ、異なる採点者に渡される媒体14である。媒体14とは、通常、材質は紙であるが、文字等が記入可能であれば、材質は問わない。印刷部136は、例えば、指示受付部135が印刷指示を受け付けた場合に、上記の動作を行う。ただし、印刷部136は、解答情報受付部131が解答情報を受信した後、指示の受付なしに、印刷処理を行っても良い。ただし、印刷部136が印刷処理を行うタイミングは、問わない。また、印刷部136が印刷処理を完了した媒体14は、解答情報と解答識別子と解答識別子記入欄が表出された媒体である。つまり、印刷部136は、解答情報と解答識別子と解答識別子記入欄を同一のタイミングで印刷しても良いし、解答識別子記入欄が印刷された媒体14に対して、解答情報と解答識別子を印刷しても良い。印刷部136は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。印刷部136の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、印刷部136は、プリンタやプリンタドライバ等により実現されても良い。
次に、情報処理システム1の動作について説明する。まず、電子ペン11の動作について説明する。まず、ペン記載情報構成部113は、ペン識別子格納部111のペン識別子を取得する。次に、座標情報取得部112は、映像を取得したか否かを判断する。映像とは、例えば、図1の電子ペン11のカメラで取得した映像である。そして、映像を取得すれば座標情報取得部112は、取得した映像および/または先に取得した映像から座標情報を構成する。また、映像を取得しなければ、ペン記載情報構成部113は、既に構成した座標情報を一時的に記録する。次に、ペン記載情報送信部114は、ペン記載情報を送信すべきか否かを判断する。かかる判断は、どのような条件により行っても良い。例えば、ペン記載情報送信部114は、メモリ上の座標情報が一杯になったことを検知して、ペン記載情報を送信すべきと判断しても良い。また、ペン記載情報送信部114は、一定時間間隔で、ペン記載情報を送信すべきであると判断しても良い。また、ペン記載情報送信部114は、ユーザの指示(特定のボタンの押下など)を受け付けた場合に、ペン記載情報を送信すべきであると判断しても良い。ペン記載情報送信部114がペン記載情報を送信すべきと判断した場合は、ペン記載情報構成部113は、取得したペン識別子と、記録されている1以上の座標情報からペン記載情報を構成する。ペン記載情報送信部114は、ステップS406で構成したペン情報を端末装置12に送信する。なお、ペン記載情報送信部114は、例えば、端末装置12のIPアドレス等を保持している。また、送信すべきでないと判断した場合は、座標情報取得部112による座標情報の取得処理を行う。なお、電子ペン11は公知技術であるので、これ以上の詳細な説明を省略する。
次に、端末装置12の動作について説明する。端末装置12のペン記載情報受信部121は、電子ペン11からペン記載情報を受信する。そして、ペン記載情報転送部122は、ペン記載情報受信部121が受信したペン記載情報を、解答情報処理装置13に送信する。なお、ペン記載情報転送部122は、例えば、解答情報処理装置13のIPアドレス等を保持している。
次に、解答情報処理装置13の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)解答情報処理装置13の解答情報受付部131は、解答情報等を受信したか否かを判断する。解答情報等を受信すればステップS402に行き、解答情報等を受信しなければステップS406に行く。なお、解答情報等とは、例えば、解答情報とユーザ識別子である。ユーザ識別子は、例えば、受講生が使っている電子ペンのペン識別子や、受講生が入力したユーザIDなど、受講生を一意に特定する情報である。
(ステップS402)解答識別子生成部132は、新たな解答識別子を生成する。解答識別子生成部132は、例えば、直近に生成された解答識別子を読み出し、当該解答識別子に対して所定の演算(例えば、1を加算する)を行い、新たな解答識別子を生成し、当該新たな解答識別子をメモリ上に配置する。
(ステップS403)解答関連情報蓄積部134は、ステップS401で受信した解答情報、およびステップS402で生成した解答識別子を用いて、解答関連情報を構成する。
(ステップS404)解答関連情報蓄積部134は、ステップS401で受信したユーザ識別子を取得する。
(ステップS405)解答関連情報蓄積部134は、ステップS404で取得したユーザ識別子に対応付けて、ステップS403で構成した解答関連情報を、解答関連情報格納部133に蓄積する。ステップS401に戻る。
(ステップS406)指示受付部135は、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。印刷指示を受け付ければステップS407に行き、印刷指示を受け付けなければステップS401に戻る。
(ステップS407)印刷部136は、ステップS406で受け付けた印刷指示に対応する解答情報を、解答関連情報格納部133から読み出す。
(ステップS408)印刷部136は、ステップS406で受け付けた印刷指示に対応する解答識別子を、解答関連情報格納部133から読み出す。
(ステップS409)印刷部136は、ステップS407で読み出した解答情報と、ステップS408で読み出した解答識別子を、それぞれ、所定の領域に印刷する。なお、解答情報が座標情報である場合、印刷部136は、当該座標情報が示す位置に、解答情報を印刷する。また、印刷部136は、通常、解答識別子を、予め決められた位置に印刷する。予め決められた位置についての情報は、印刷部136が予め保持している。なお、解答識別子は、通常、文字コード列である。ステップS401に戻る。印刷部136が印刷する媒体は、通常、特殊ドットパターンが印刷されている紙である。印刷部136が印刷する媒体は、例えば、いわゆるアノトペーパーである。
なお、図4のフローチャートにおいて、印刷指示により、解答関連情報格納部133のすべての解答情報と解答識別子を印刷しても良い。かかる場合、ステップS407からステップS409の動作が、解答識別子の数だけ印刷される。
また、図4のフローチャートにおいて、印刷指示により、一の解答識別子に対して、複数の答案用紙を印刷しても良い。かかる場合、印刷される答案用紙は、採点者に対して1枚(1部)ずつ配布されるものである。1部とは、2枚以上の媒体14(用紙)の場合である。
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
以下、本実施の形態における情報処理システムの具体的な動作について説明する。解答情報処理システムの概念図は図1である。
今、添削やテスト等を受ける者(以下、受講生という)が、電子ペン11を保持しており、日本史のテストに対して、解答している、とする。そして、日本史の解答用紙(媒体14)は、図5である。また、電子ペン11のペン識別子格納部111には、「11223」というペン識別子が格納されている。なお、ここでの受講生は「山田太郎」である、とする。
また、解答情報処理装置13の解答関連情報格納部133には、図6に示すユーザ管理表が格納されている。ユーザ管理表は、「ID」「ユーザ識別子」「氏名」「得点」などの属性を有するレコードを1以上保持している。「ID」は、レコードを識別する情報であり、表におけるレコード管理のために存在する。「ユーザ識別子」は、ここでは、ペン識別子である。「得点」は、例えば、日本史のテストの点数が蓄積され得る。
また、解答関連情報格納部133には、図7に示す解答関連情報管理表が格納されている。解答関連情報管理表は、「ID」「解答識別子」「解答情報」「ユーザ識別子(ペン識別子)」などの属性を有するレコードを1以上保持している。「解答識別子」は、解答情報処理装置13が生成した解答識別子である。「解答情報」は、電子ペン11で媒体14に記述された文字等の軌跡(電子ペン11の軌跡)を示す座標(x,y)の集合である座標情報である。「ユーザ識別子(ペン識別子)」は、ユーザを識別する情報であり、ここでは電子ペン11のペン識別子である。また、解答識別子生成部132が保持している最新の解答識別子は、「12345677」である。さらに、解答識別子生成部132は、「直近の解答識別子+1」により、最新の解答識別子を生成する。
かかる状況において、受講生「山田太郎」が、電子ペン11を保持しており、日本史のテストに対して、解答している、とする。そして、電子ペン11には、電子ペン11の軌跡を示す座標情報(解答情報)が一時格納され、解答を完了した、とする。そして、受講生が、電子ペン11内に記憶されている解答情報を送信するために、電子ペン11に存在する図示しない送信ボタンを押下した、とする。なお、送信ボタンの押下は必須ではなく、定期的に、または何らかのタイミングで、電子ペン11は、解答情報を送信しても良い。また、電子ペン11による、媒体14上の「送信」領域のチェックにより、電子ペン11は、解答情報を送信しても良い。
すると、電子ペン11のペン記載情報構成部113は、記憶媒体に格納されている解答情報と、ペン識別子格納部111のペン識別子「11223」を用いて、ペン記載情報「11223,(120,484)(121,485)・・・・」を構成したとする。なお、「(120,484)(121,485)・・・・」は、解答情報である。
次に、ペン記載情報送信部114は、ペン記載情報「11223,(120,484)(121,485)・・・・」を、端末装置12に送信する。
次に、端末装置12のペン記載情報受信部121はペン記載情報「11223,(120,484)(121,485)・・・・」を受信し、ペン記載情報転送部122はペン記載情報「11223,(120,484)(121,485)・・・・」を解答情報処理装置13に送信する。
次に、解答情報処理装置13の解答情報受付部131は、ペン記載情報「11223,(120,484)(121,485)・・・・」を受信する。ペン記載情報は、ここでは、解答情報とペン識別子(ユーザ識別子)を有する。
そして、解答識別子生成部132は、直近の解答識別子「12345677」を読み出し、「直近の解答識別子+1」の式の情報を読み出し、当該式の直近の解答識別子に「12345677」を代入し、「12345678」を得て、メモリ上に配置する。
次に、解答関連情報蓄積部134は、解答情報受付部131が受信した解答情報「(120,484)(121,485)・・・・」と解答識別子生成部132が生成した解答識別子「12345678」から、解答関連情報を構成する。
次に、解答関連情報蓄積部134は、解答情報受付部131が受信したユーザ識別子「11223」を取得する。
次に、解答関連情報蓄積部134は、取得したユーザ識別子「11223」に対応付けて、構成した解答関連情報を、解答関連情報格納部133に蓄積する。つまり、ここでは、解答関連情報蓄積部134は、解答識別子「12345678」、解答情報「(120,484)(121,485)・・・・」、ユーザ識別子「11223」を用いて、解答関連情報(表のレコード)を構成し、図7の解答関連情報管理表に蓄積する。そして、解答関連情報蓄積部134は、図8に示す解答関連情報管理表を得る。
次に、例えば、解答情報処理装置13のユーザは、受講生「山田太郎」の答案用紙を印刷する印刷指示を、解答情報処理装置13に入力した、とする。そして、指示受付部135は、受講生「山田太郎」の答案用紙の印刷指示を受け付ける。なお、答案用紙を印刷する対象の媒体14を図9に示す。図9において、予め、印刷対象の媒体14には、解答識別子記入欄が印刷されている。解答識別子記入欄は、印刷される解答識別子とは重ならない位置に印刷されている。また、ここでは、印刷対象の媒体14には、問題情報(問1から問3)も印刷されている。
次に、印刷部136は、受け付けた印刷指示に対応する解答情報を、図8の解答関連情報管理表から読み出す。読み出す解答情報は、図8の解答関連情報管理表の「ID=22」の解答情報である。また、印刷部136は、受け付けた印刷指示に対応する解答識別子を、図8の解答関連情報管理表から読み出す。読み出す解答情報は、図8の解答関連情報管理表の「ID=22」の解答識別子「12345678」である。
次に、印刷部136は、読み出した解答情報「(120,484)(121,485)・・・・」と解答識別子「12345678」を、それぞれ、所定の領域に印刷する。解答情報は、「(120,484)(121,485)・・・・」が示す位置に印刷される。また、解答識別子「12345678」は、例えば、予め決められた点(420,35)を左上の点として、印刷される。そして、解答情報処理装置13は、図10に示す媒体14を得る。かかる場合、例えば、印刷部136は、解答情報を、他の文字等を異なる色で印刷することは好適である。また、印刷部136は、予めの印刷枚数(ユーザが指定した数でも良い。)を保持しており、当該印刷枚数分だけ、同一の答案用紙(媒体)を印刷することは好適である。さらに、印刷部136は、印刷指示中に受講生を特定する情報(例えば、ユーザ識別子、解答識別子、氏名など)が存在しない場合、すべての解答識別子に対応する答案用紙(媒体)を、一挙に、印刷することは好適である。
以上、本実施の形態によれば、解答が記載された答案用紙の解答者の解答識別子を解答情報処理装置で自動的に付与し、答案用紙に印刷するので、当該答案用紙を採点する採点者にとって、答案用紙の解答者が特定できないために、心情に左右されない公平で適切な採点が可能であり、かつ、解答情報処理装置は、解答情報が示す解答が、誰の解答であるかを認識できる。また、解答者(受講生など)に受講番号や受験番号などの番号を記載させないので、大規模なテスト等において頻発する、受講番号や受験番号などの番号間違いに対応できる。さらに、多数の受講生に対して同一のドットパターンの媒体を利用できるので、ドットパターンを節約できる。
なお、本実施の形態によれば、受講生は電子ペンを用いて、媒体に解答を記入した。しかし、受講生は、例えば、いわゆるパソコンを用いて、解答を入力しても良い。かかる場合のパソコンの入力画面の例を図11に示す。受講生は、「ユーザ識別子」欄に、自分のユーザ識別子を入力し、問1から問3に対する解答を入力し、「送信」ボタンを押下する。すると、例えば、ユーザ識別子と解答情報(この場合は、問のIDと、解答のキャラクターコード列)が、解答情報処理装置13に送信される。解答情報処理装置13に解答情報等が送信された後の解答情報処理装置13の動作は、上述した動作と同様である。キャラクターコード列は、受講生が入力した解答の文字列である。ユーザ識別子は、例えば、受講生の受講番号などである。
また、本実施の形態において、解答関連情報蓄積する装置と、答案用紙を印刷する装置が別の装置でも良い。
また、本実施の形態において、解答情報処理装置13は、電子ペン11から直接的にペン記載情報を受信したり、記憶媒体を経由してペン記載情報を受け付けたりしても良い。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、解答者の解答を示す情報である解答情報を1以上受け付ける解答情報受付部と、前記解答情報受付部が受け付けた解答情報であり、一の解答者の解答情報に対応して、当該解答情報を識別する解答識別子を生成する解答識別子生成部と、前記解答識別子生成部が生成した解答識別子と前記解答情報受付部が受け付けた解答情報とを対応づけて、記憶媒体に蓄積する解答関連情報蓄積部と、記憶媒体に格納されている解答情報と解答識別子、および解答識別子を電子ペンで記入する欄である解答識別子記入欄を、一の解答者ごとに、媒体に印刷する、または、解答識別子記入欄が印刷された媒体に、前記記憶媒体に格納されている解答情報と解答識別子を、一の解答者ごとに、印刷する印刷部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記印刷部は、一の解答者の解答情報に対して、2以上の媒体のそれぞれに、一の解答者の、前記解答関連情報格納部に格納されている解答関連情報と解答識別子と、および解答識別子を電子ペンで記入する欄である解答識別子記入欄を媒体に印刷する、または一の解答者の解答情報に対して、2以上の媒体のそれぞれに、解答識別子記入欄が印刷された媒体に、一の解答者の、前記解答関連情報格納部に格納されている解答情報と解答識別子を、一の解答者ごとに、印刷するように、コンピュータを機能させることは好適である。
(実施の形態2)
本実施の形態において、1以上の採点者の採点情報を受信し、解答情報と関連付けて管理する採点情報処理装置について説明する。また、本実施の形態において、一の解答情報に対する2以上の採点者の採点情報を合成し、出力する採点情報処理装置について説明する。また、本実施の形態において、2以上の採点者の採点情報を合成する際に、2以上の採点情報が重ならないように、位置を調整して出力する採点情報処理装置について説明する。また、本実施の形態において、2以上の採点者の採点情報のうち、一の優れていると判断される採点情報を選択して採用し、当該採用した採点情報を合成して出力する採点情報処理装置について説明する。さらに、本実施の形態において、複数の採点者の採点結果の一致/不一致をチェックし、不一致の場合に、不一致である旨を出力する採点情報処理装置について説明する。
図12は、本実施の形態における情報処理システム2のブロック図である。情報処理システム2は、電子ペン11、端末装置12、媒体14、採点情報処理装置23を具備する。
採点情報処理装置23は、解答情報受付部131、解答識別子生成部132、解答関連情報格納部133、解答関連情報蓄積部134、指示受付部135、印刷部136、採点者情報受信部231、採点情報蓄積部232、採点結果印刷部233、採点結果判断部234、不適切採点情報出力部235を具備する。
採点者情報受信部231は、1以上の電子ペン11から、直接的、または、間接的に(端末装置12を経由して)解答識別子と採点情報を有する採点者情報を、1以上受信する。解答識別子とは、媒体14(答案用紙)における解答識別子記入欄に記入された解答識別子である。また、採点情報とは、採点に関する情報である。採点情報は、媒体14に印刷された解答情報に対する採点情報である。採点情報は、通常、媒体上の位置を示す位置情報を有している。採点情報は、通常、座標情報(x,y)の集合である。採点情報は、例えば、正解を示す「○」、不正解を示す「×」、部分点を付与することを示す「△」、採点者のコメント、点数、図柄、絵などの情報である。採点者情報受信部231は、一の解答識別子に対して、2以上の電子ペン11から、同一の解答識別子と、異なる採点情報を受信しても良い。かかる場合、2以上の採点者が、同一の答案用紙の採点を行っていることを示す。「1以上」とは、採点者の数だけ、採点者情報を受信することを示す。また、2以上の採点者が、同一の答案用紙の採点を行う場合、2以上の採点者が、採点を行う対象の問題を分担して、採点者が全員で、一の答案用紙に対する採点を行っても良いし、すべての採点者がすべての問題に対する採点を行っても良い。また、採点者の各々が行う採点対象の問題について、一部が重なっていても良い。つまり、採点の分担方法は問わない。採点者情報受信部231は、端末装置12経由で、採点情報を受信しても良いし、電子ペン11から直接に、採点情報を受信しても良い。採点者情報受信部231は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
採点情報蓄積部232は、採点者情報受信部231が受信した採点者情報が有する採点情報を、当該採点者情報が有する解答識別子と対にして、解答関連情報格納部133に蓄積する。なお、採点情報蓄積部232は、例えば、解答関連情報格納部133に格納されている解答識別子と一致する解答識別子と対になるレコードに、採点者情報受信部231が受信した採点者情報が有する採点情報を追記する。採点情報蓄積部232は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。採点情報蓄積部232の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
採点結果印刷部233は、一の解答識別子に対して、当該一の解答識別子に対応する解答情報と、1以上の電子ペン11から受信した1以上の採点情報を、媒体14に印刷する。印刷された媒体14は、採点が終了している媒体14である。
また、採点結果印刷部233は、2以上の電子ペン11から受信した2以上の採点情報が、互いに重ならないように、当該2以上の採点情報を媒体に印刷する、ことは好適である。また、2以上の採点情報が、媒体14上で重ならないように出力するアルゴリズムは種々、考えられるが、いずれのアルゴリズムでも良いことはいうまでもない。
また、採点結果印刷部233は、2以上の電子ペン11から受信した2以上の採点情報のうち、データ量が最も多い採点者情報を一つ選択し、当該選択した採点情報を媒体に印刷することは好適である。かかる処理により、優れていると考えられる採点情報を採用し、優れた採点結果を受講生に提示できる。また、添削やテストの講評、コメントにおいて、文が長いほど、指導の熱心さが受講生に伝わり、受講生の学習意欲を向上させる。
さらに、採点結果印刷部233は、2以上の電子ペン11から受信した2以上の採点情報のうち、問題ごとに、データ量が最も多い採点情報を一つ選択し、当該選択した採点情報を、問題ごとに媒体に印刷することは好適である。問題ごとに、すぐれた採点情報を採用して、採点結果を受講生に提示できるので、複数人の採点者における、良い採点結果のみを採用した、答案用紙全体の採点結果を得ることができる。したがって、教育の効果が絶大となる。
採点結果印刷部233は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。採点結果印刷部233の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、採点結果印刷部233は、プリンタやプリンタドライバ等により実現されても良い。
採点結果判断部234は、同一の解答識別子と対になる2以上の採点情報を比較し、すべての採点情報が示す採点結果が同一か否かを判断する。ここでの採点結果とは、正解「○」、不正解「×」のうちのいずれかの判断、または、正解「○」、不正解「×」、部分点「△」の3種類のうちのいずれかの判断、または、得点である。採点結果判断部234は、例えば、問題ごとに、座標情報である採点情報を文字認識し、正解「○」か不正解「×」かを判断する。そして、採点結果判断部234は、問題ごとに、同一の解答識別子と対になる2以上の採点情報に対応する2以上の採点結果がすべて同一か否かを判断する。
採点結果判断部234は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。採点結果判断部234の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
不適切採点情報出力部235は、採点結果判断部234が、すべての採点情報が示す採点結果が同一ではない、と判断した場合、すべての採点結果が同一ではない旨を示す情報である不適切採点情報を出力する。不適切採点情報は、例えば、「複数の採点者の採点結果が合いません。見直してください。」などのメッセージであったり、出力するブザー音などであったり、3人以上の採点者が存在する場合、一人だけ、他の人と異なる採点をした採点者の識別情報などである。
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。不適切採点情報出力部235は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。不適切採点情報出力部235は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、採点情報処理装置23の動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。図13のフローチャートにおいて、実施の形態1で説明していない処理のみを説明する。つまり、以下、採点者情報の蓄積処理と、採点結果の印刷処理と、採点結果判断処理について説明する。
(ステップS1301)採点者情報受信部231は、採点者情報を受信したか否かを判断する。採点者情報を受信すればステップS1302に行き、採点者情報を受信しなければステップS1303に行く。
(ステップS1302)採点情報蓄積部232は、ステップS1301で受信した採点者情報が有する採点情報を、当該採点者情報が有する解答識別子と対にして、解答関連情報格納部133に蓄積する。ステップS1301に戻る。なお、採点情報蓄積部232は、通常、採点者情報を文字認識処理し、解答識別子を得る。
(ステップS1303)指示受付部135は、採点結果の印刷指示を受け付けたか否かを判断する。印刷指示を受け付ければステップS1304に行き、印刷指示を受け付けなければステップS1305に行く。
(ステップS1304)採点結果印刷部233は、採点結果の印刷指示に対応する採点結果を印刷する。採点結果の印刷処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。ステップS1301に戻る。
(ステップS1305)指示受付部135は、採点結果の判断指示を受け付けたか否かを判断する。判断指示を受け付ければステップS1306に行き、判断指示を受け付けなければステップS1301に戻る。
(ステップS1306)採点結果判断部234は、採点結果判断処理を行う。採点結果判断処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。ステップS1301に戻る。
なお、図13のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS1304の採点結果印刷処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1401)採点結果印刷部233は、指示受付部135が受け付けた印刷指示に対応する解答識別子等を、解答関連情報格納部133から読み出す。解答識別子等とは、解答識別子を含み、それ以外に、ユーザ識別子や氏名などを含んでも良い趣旨である。なお、印刷指示は、通常、解答識別子、ユーザ識別子、または氏名等の印刷対象の答案用紙(採点結果)を特定する情報を含む。また、印刷指示が、印刷対象の答案用紙(採点結果)を特定する情報を含まない場合、通常、採点結果印刷部233は、すべての受講生の答案用紙を印刷する。つまり、採点結果印刷部233は、後述する処理を、受講生の数だけ繰り返す。
(ステップS1402)採点結果印刷部233は、ステップS1401で取得した解答識別子に対応する解答情報を、解答関連情報格納部133から読み出す。
(ステップS1403)採点結果印刷部233は、ステップS1401で取得した解答識別子に対応する採点情報等をすべて読み出す。なお、採点情報等とは、例えば、採点情報と、採点を行った採点者を識別するペン識別子(採点者ペン識別子)である。
(ステップS1404)採点結果印刷部233は、ステップS1403で読み出した採点情報等を用いて、採点者が一人か否かを判断する。なお、採点結果印刷部233は、ステップS1403で読み出した採点情報等に含まれる採点者ペン識別子が複数、存在する場合、採点者が複数であると、判断する。また、採点結果印刷部233は、ステップS1403で読み出した採点情報から、同一の問題について、複数の採点情報が存在する場合に、採点者が複数であると、判断する、とする。同一の問題について、複数の採点情報が存在するか否かは、同一の座標領域(同一の採点者の記載領域)に複数の採点情報が存在するか否かにより、判断する。採点者が一人であればステップS1405に行き、採点者が一人でなければステップS1406に行く。なお、異なる電子ペン11から送信された採点情報は、区別されて蓄積される。かかる蓄積方法は公知技術であり、受信時刻や、受信したデータ構造等から区別され得る。
(ステップS1405)採点結果印刷部233は、ステップS1401で取得した解答識別子等、およびステップS1402で取得した解答情報、およびステップS1403で取得した採点情報を、媒体14に印刷する。媒体14には、予め解答識別子記入欄が印刷されている、とする。なお、媒体14に、予め解答識別子記入欄が印刷されていない場合、採点結果印刷部233は、解答識別子記入欄も、予め決められた位置に印刷する。なお、予め決められた位置は、ステップS1401で取得した解答識別子を印刷する領域に隣接する位置が好適である。また、採点結果印刷部233は、ステップS1401で取得した解答識別子等を印刷する媒体14における位置(座標)は、予め知っている(位置の情報を保持している)、とする。また、採点結果印刷部233は、解答情報と採点情報について、それぞれの情報が有する座標情報が示す位置に印刷する。媒体14には、問題情報が、予め印刷されていても良いし、採点結果印刷部233が、図示しない記憶媒体に格納されている問題情報を、予め決められた媒体14上の位置に印刷しても良い。
(ステップS1406)採点結果印刷部233は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS1407)採点結果印刷部233は、実施されたテスト等に、i番目の問題が存在するか否かを判断する。i番目の問題が存在すればステップS1408に行き、i番目の問題が存在しなければステップS1414に行く。
(ステップS1408)採点結果印刷部233は、ステップS1403で取得した採点情報等から、i番目の問題に対するすべての採点情報を取得する。
(ステップS1409)採点結果印刷部233は、ステップS1408で取得した採点情報は、複数存在するか否かを判断する。複数存在すればステップS1410に行き、複数存在しなければステップS1412に行く。なお、採点情報が複数存在するか否かは、例えば、採点情報と対になる採点者ペン識別子が複数存在するか否かにより判断する。また、異なる採点者が記入した採点情報は、解答関連情報格納部133の異なる記憶領域(レコード)で管理されており、採点結果印刷部233は、複数存在するか否かが判断できる、とする。
(ステップS1410)採点結果印刷部233は、ステップS1408で取得したすべての採点情報の各々について、そのデータ量を算出する。データ量の算出処理は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
(ステップS1411)採点結果印刷部233は、ステップS1410で算出した複数のデータ量のうち、最大のデータ量の採点情報をバッファに追記する。ステップS1413に行く。
(ステップS1412)採点結果印刷部233は、ステップS1408で取得した一つの採点情報をバッファに追記する。
(ステップS1413)採点結果印刷部233は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1407に戻る。
(ステップS1414)採点結果印刷部233は、複数の問題に対応する採点情報について、重なりを防止する処理を行う。ステップS1405に戻る。重なり防止処理の具体例について、図15のフローチャートを用いて説明する。
次に、重なり防止処理の具体例について、図15のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1501)採点結果印刷部233は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS1502)採点結果印刷部233は、i番目の問題が存在するか否かを判断する。なお、テスト等の問題数について、採点結果印刷部233は、予め保持している、とする。
(ステップS1503)採点結果印刷部233は、i番目の問題に対応する採点情報の記載領域を取得する。採点情報の記載領域とは、採点者が電子ペン11で採点情報を記載する領域であり、例えば、矩形を示す情報「(x1,y1)(x2,y2)」である。矩形を示す情報のうち、(x1,y1)は左上の点の座標、(x2,y2)は右下の点の座標である。矩形を示す情報は「(x1,y1)(h,w)」などの他の表記でも良いことは言うまでもない。
(ステップS1504)採点結果印刷部233は、i番目の問題に対応する採点情報を取得する。
(ステップS1505)採点結果印刷部233は、ステップS1504で取得したi番目の問題に対応する採点情報が示す位置(座標情報)と、ステップS1503で取得した採点情報の記載領域の情報とから、i番目の問題に対応する採点情報が、i番目の問題に対応する採点情報の記載領域内に存在するか否かを判断する。採点情報が示す位置(座標情報)が矩形内に存在するか否かを判断する処理は公知技術である。i番目の問題に対応する採点情報が、i番目の記載領域内に存在すればステップS1506に行き、存在しなければステップS1507に行く。
(ステップS1506)採点結果印刷部233は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1502に戻る。
(ステップS1507)採点結果印刷部233は、(i−1)番目の採点情報と、(i+1)番目の採点情報を取得する。なお、iによっては、(i−1)番目の採点情報のみ、または(i+1)番目の採点情報のみを取得する。
(ステップS1508)採点結果印刷部233は、ステップS1507で取得した採点情報と、i番目の採点情報に重なりがあるが否かを判断する。重なりがある場合はステップS1509に行き、重なりがない場合はステップS1506に戻る。
(ステップS1509)採点結果印刷部233は、3つ、または2つの採点情報が重ならないように、3つまたは2つの記載領域内で、3つ、または2つの採点情報を平行移動する。ステップS1506に戻る。なお、平行移動の方向は、上下左右、ななめなども含め、いかなる方向でも良い。
なお、図15のフローチャートにおいて、ステップS1509の処理を行った後にでも重なりが生じる場合は、上記処理を再帰的に行い、極力、重なりが生じないようにすることは好適である。
次に、ステップS1306の採点結果判断処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。図16のフローチャートにおいて、図14のフローチャートと同様の処理については説明を省略する。なお、図16のフローチャートにおいて、図14のフローチャートと同様の処理における主体は、採点結果判断部234である。
(ステップS1601)採点結果判断部234は、全採点情報を文字コード(文字コード列)に変換する。
(ステップS1602)採点結果判断部234は、ステップS1601で変換した文字コード(文字コード列)のすべてが同一か否かを判断する。ここで比較する文字コードは、「○」「×」「△」などの採点の結果のみであり、添削等のコメントなどは除く。
(ステップS1603)採点結果判断部234は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1407に戻る。
(ステップS1604)採点結果判断部234は、他と異なる採点者の採点者ペン識別子を取得する。
(ステップS1605)採点結果判断部234は、問題番号のiと、ステップS1604で取得した採点者ペン識別子を対にして、バッファに追記する。ステップS1603に行く。
(ステップS1606)採点結果判断部234は、バッファ(問題番号のiと採点者ペン識別子の対の情報)に情報が存在するか否かを判断する。情報が存在すればステップS1607に行き、情報が存在しなければ上位処理にリターンする。
(ステップS1607)不適切採点情報出力部235は、不適切採点情報を出力する。不適切採点情報は、例えば、すべての採点結果が同一ではない旨を示す文字列(例えば、「不適切な採点結果はあります」)や、問題番号のiと採点者ペン識別子や採点者IDや採点者名などの情報である。採点者IDや採点者名は、例えば、不適切採点情報出力部が採点者ペン識別子と対にして保持している。
以下、本実施の形態における情報処理システム2の、4つの具体的な動作について説明する。また、4つの具体例において、採点の対象の答案用紙は、図10の答案用紙である。採点者は、自分で(自宅で)、この答案用紙を印刷しても良い。つまり、採点者は、採点情報処理装置23から、図示しない採点者の情報処理装置(パソコン等)を用いて、解答関連情報をダウンロードして、媒体14に印刷しても良い。また、答案用紙が、採点者に郵送されて、届けられても良い。
今、解答関連情報格納部133は、図8に示す解答関連情報管理表を格納している、とする。また、採点結果印刷部233は、図17に示す採点者記載領域管理表を保持している。採点者記載領域管理表は、採点者記載領域情報を有する。採点者記載領域情報とは、採点者が電子ペン11で文字や採点などを記載する領域を示す情報である。採点者記載領域情報は、ここでは、解答識別子(採点者用)が記載される領域、問1に対する採点情報が記載される領域、問2に対する採点情報が記載される領域、問3に対する採点情報が記載される領域を示す。各領域は、その領域の左上点、右下点の座標により、明示される。
(具体例1)
具体例1は、一人の採点者が、1枚の答案用紙(媒体14)に対して、電子ペン11を用いて、採点を行う場合である。まず、採点者Aは、ペン識別子「66778」の電子ペン11を保持しており、採点を開始する、とする。このペン識別子「66778」を採点者ペン識別子という。
まず、採点者Aは、答案用紙(図10)の「解答識別子(採点者用)」の領域に、その隣接する上部の領域に印刷されている解答識別子「12345678」を、電子ペン11を用いて、記載する(図18の181を参照)。
また、採点者Aは、問1から問3における受講生の解答を見て、正解(○)または、不正解(×)、部分点(△)等を記載し、必要に応じて、コメントを記載する。コメントは、図19の191である。
次に、採点者Aの電子ペン11に対する指示、または、自動的に、図20に示す採点者情報が、電子ペン11から端末装置12に送信される。採点者情報は、ここでは、ペン識別子と座標情報を有する。座標情報は、電子ペン11の、媒体14上での軌跡を示す座標の集合である。座標情報は、解答識別子と採点情報を有する。この段階では、解答識別子も採点情報も座標の集合で示される。
そして、端末装置12は、図20に示す採点者情報を受信し、採点情報処理装置23に転送する。
次に、採点情報処理装置23の採点者情報受信部231は、図20に示す採点者情報を受信する。そして、採点情報蓄積部232は、図20に示す採点者情報を、解答関連情報格納部133に蓄積する。
次に、ユーザは、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力した、とする。すると、指示受付部135は、当該採点結果の印刷指示を受け付ける。
次に、採点結果印刷部233は、指示受付部135が受け付けた印刷指示(ユーザ識別子「11223」)に対応する解答識別子「12345678」、解答情報などを、図8の解答関連情報管理表から読み出す。次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子に対応する解答情報を、解答関連情報格納部133から読み出す。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子「12345678」に対応する採点情報等を読み出す。つまり、採点結果印刷部233は、図17の解答識別子(採点者用)領域「(285,105)(690,185)」を取得し、かかる領域の座標情報を、図20の座標情報から取得する。そして、採点結果印刷部233は、座標情報「(318,108)(317,109)・・・(685,131)」を得る。そして、かかる座標情報を文字認識し、「12345678」を得る。次に、採点結果印刷部233は、指示受付部135が受け付けた印刷指示(ユーザ識別子「11223」)に対応する解答識別子「12345678」と文字認識して得た「12345678」が一致することを検出する。そして、採点結果印刷部233は、図20の他の座標情報「(465,540)・・・(499,1351)」を採点情報として、取得する。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子、解答情報、および採点情報を、媒体14に印刷する。媒体には、予め、問題情報は印刷されている、とする。そして、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力したユーザは、採点結果を示す媒体14(図19参照)を得る。なお、図19において、解答識別子(採点者用も含む)の代わりに、受講生の氏名や受講生IDなどを印刷しても良いことは言うまでもない。
(具体例2)
具体例2は、複数(ここでは、3人)の採点者が、同一の受講生の答案用紙(媒体14)に対して、各自の電子ペン11を用いて、それぞれの採点者が異なる問題に対する採点を行い、最終的に、採点情報を合成する場合である。
まず、採点者A、B、Cは、それぞれ採点者ペン識別子「66778」「77889」「88990」の電子ペン11を保持している。そして、採点者A、B、Cは、それぞれ、「解答識別子(採点者用)」の領域に、その隣接する上部の領域に印刷されている解答識別子「12345678」を、各自の電子ペン11を用いて、記載する。次に、採点者Aは問1の採点、採点者Bは問2の採点、採点者Cは問3の採点を行う、とする。そして、採点者A、B、Cは、それぞれ、図21に示す採点を行った、とする。
そして、上述した処理と同様の処理により、採点者情報受信部231は、ぞれぞれ、採点者ペン識別子「66778」「77889」「88990」により識別される電子ペン11から、端末装置12を経由して、図22に示す採点情報を受信する。3名の採点者の電子ペン11により送信された図22に示す採点情報の構造は、図20の採点情報の構造と同様である。そして、採点情報蓄積部232は、図22の採点者情報が有する採点情報を、当該採点者情報が有する解答識別子と対にして、解答関連情報格納部133に蓄積する。つまり、採点情報蓄積部232は、例えば、以下のような処理を行う。採点情報蓄積部232は、図17の解答識別子(採点者用)領域「(285,105)(690,185)」を取得し、かかる領域の座標情報を、ぞれぞれの採点者ペン識別子ごとに、図22の座標情報から取得する。そして、採点情報蓄積部232は、ぞれぞれの採点者ペン識別子ごとに、取得した座標情報を文字認識処理し、解答識別子「12345678」を取得する。そして、採点情報蓄積部232は、解答識別子「12345678」と対応付けて、図22の採点情報を、解答関連情報格納部133に蓄積する。
次に、ユーザは、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力した、とする。すると、指示受付部135は、当該採点結果の印刷指示を受け付ける。
次に、採点結果印刷部233は、指示受付部135が受け付けた印刷指示(ユーザ識別子「11223」)に対応する解答識別子「12345678」、解答情報などを、図8の解答関連情報管理表から読み出す。次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子に対応する解答情報を、解答関連情報格納部133から読み出す。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子「12345678」に対応する採点情報等を読み出す。つまり、採点結果印刷部233は、解答識別子「12345678」に対応付けられている図22の3つの座標情報を取得する。採点結果印刷部233は、3つの各々の座標情報から、解答識別子(採点者用)領域「(285,105)(690,185)」の座標を除いた座標情報を取得し、メモリ上に配置する。
次に、採点結果印刷部233は、1番目の問題に対する領域(問い領域)の情報「(0,300)(700,600)」を、図17の採点者記載領域管理表から読み出す。そして、採点結果印刷部233は、メモリ上に配置した座標情報から、領域情報「(0,300)(700,600)」に対応する座標情報であり、まとまった座標情報を取得する。ここでは、採点者ペン識別子「66778」に対応する座標情報であり、解答識別子(採点者用)領域の座標を除いた座標情報を取得する。
次に、採点結果印刷部233は、2番目の問題に対する領域(問い領域)の情報「(0,700)(700,1000)」を、図17の採点者記載領域管理表から読み出す。そして、採点結果印刷部233は、メモリ上に配置した座標情報から、領域情報「(0,700)(700,1000)」に対応する座標情報であり、まとまった座標情報を取得する。ここでは、採点者ペン識別子「77889」に対応する座標情報であり、解答識別子(採点者用)領域の座標を除いた座標情報を取得する。
次に、採点結果印刷部233は、3番目の問題に対する領域(問い領域)の情報「(0,1150)(700,1400)」を、図17の採点者記載領域管理表から読み出す。そして、採点結果印刷部233は、メモリ上に配置した座標情報から、領域情報「(0,1150)(700,1400)」に対応する座標情報であり、まとまった座標情報を取得する。ここでは、採点者ペン識別子「88990」に対応する座標情報であり、解答識別子(採点者用)領域の座標を除いた座標情報を取得する。なお、「まとまった座標情報」は、非特許文献1の電子ペンを用いた場合に取得できる、ストロークや時刻の情報から、取得され得る。かかる技術は公知技術であるので詳細な説明を省略する。
次に、採点結果印刷部233は、以下のように重なり防止処理を行う。つまり、採点結果印刷部233は、問2の採点情報が、2番目の問題に対する領域(問い領域)の情報「(0,700)(700,1000)」の領域をはみ出していることを検知する。また、採点結果印刷部233は、問2の採点情報と問3の採点情報が重なることを検知する。例えば、問2の採点情報と問3の採点情報は、同一の座標(695,1160)を含むことにより、採点結果印刷部233は、問2の採点情報と問3の採点情報が重なることを検知する。なお、2つの採点情報が同一の座標(点)を含まない場合でも、2つの採点情報が記載されている2つの閉図形を構成し、2つの閉図形に重なることを検知するなど、他のアルゴリズムによる重なりの検知でも良い。
次に、採点結果印刷部233は、問2、問3の2つの採点情報が重ならないように、問2、問3の記載領域内で、問3の採点情報を、下に平行移動する。平行移動する場合、問2、問3の2つの採点情報を、予め決められた間隔分空けるように、平行移動することは好適である。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子、解答情報、および採点情報を、媒体14に印刷する。媒体には、予め、問題情報は印刷されている、とする。そして、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力したユーザは、図23に示す採点結果を示す媒体14を得る。なお、図23において、解答識別子(採点者用も含む)の代わりに、受講生の氏名や受講生IDなどを印刷しても良いことは言うまでもない。
(具体例3)
具体例3は、複数(ここでは、3人)の採点者が、同一の受講生の答案用紙(媒体14)に対して、各自の電子ペン11を用いて、同じ問題に対する採点を行い、最終的に、優れたコメントを記載した採点者の採点情報を選択し、選択された複数の採点情報を合成する場合である。ここでは、複数の採点者が、同一の受講生の答案用紙について、すべての問題に対する採点を行うとする。
今、採点者A、B、Cは、それぞれ採点者ペン識別子「66778」「77889」「88990」の電子ペン11を保持している。そして、採点者A、B、Cは、それぞれ、図24に示す採点を行った、とする。
そして、具体例2で説明した処理と同様の処理により、採点者A、B、Cの各電子ペン11から送信された採点情報が、解答関連情報格納部133に蓄積される。
次に、ユーザは、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力した、とする。すると、指示受付部135は、当該採点結果の印刷指示を受け付ける。
次に、採点結果印刷部233は、指示受付部135が受け付けた印刷指示(ユーザ識別子「11223」)に対応する解答識別子「12345678」、解答情報などを、図8の解答関連情報管理表から読み出す。次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子に対応する解答情報を、解答関連情報格納部133から読み出す。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子「12345678」に対応する採点情報等を読み出す。つまり、採点結果印刷部233は、解答識別子「12345678」に対応付けられている3つの座標情報を取得する。
次に、採点結果印刷部233は、1番目の問題に対する領域(問い領域)の情報「(0,300)(700,600)」を、図17の採点者記載領域管理表から読み出す。そして、採点結果印刷部233は、メモリ上に配置した座標情報から、領域情報「(0,300)(700,600)」に対応する座標情報であり、まとまった座標情報を取得する。ここでは、3つの採点者ペン識別子「66778」の、ぞれぞれに対応する座標情報であり、問1領域の座標に対応するまとまった座標情報を取得する。つまり、採点結果印刷部233は、採点者Aが記載した採点情報「○」に対応する座標情報、採点者Bが記載した採点情報「○ OK!」に対応する座標情報、採点者Aが記載した採点情報「○ 漢字もしっかり書かれています。」に対応する座標情報を得る。
そして、採点結果印刷部233は、問1に対する採点情報が3つ存在することを検知し、各採点情報のデータ量を算出する。採点結果印刷部233は、例えば、座標情報を文字認識処理し、文字コード列に変換する。そして、採点結果印刷部233は、文字コード列の文字列長を得る。また、採点結果印刷部233は、採点情報のまま、それらのデータ量を算出しても良い。そして、採点結果印刷部233は、例えば、問1に対する3つの採点情報(採点者A、B、Cの採点情報)のデータ量を、それぞれ「2byte」「10byte」「32byte」と算出した、とする。
次に、採点結果印刷部233は、3つの採点情報のうち、最大のデータ量「32byte」の採点情報(採点者Cの採点情報)をバッファに追記する。
次に、採点結果印刷部233は、同様に、問2に対する採点情報が3つ存在することを検知し、各採点情報のデータ量を算出し、最もデータ量の多い、採点者Bの採点情報をバッファに追記する。
さらに、採点結果印刷部233は、同様に、問3に対する採点情報が3つ存在することを検知し、各採点情報のデータ量を算出し、最もデータ量の多い、採点者Aの採点情報をバッファに追記する。
次に、採点結果印刷部233は、取得した解答識別子、解答情報、およびバッファ中の各問の採点情報を、媒体14に印刷する。媒体には、予め、問題情報は印刷されている、とする。そして、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の印刷指示を入力したユーザは、図25に示す採点結果を示す媒体14を得る。
なお、具体例3において、データ量を用いて、問題ごとに、優れた採点情報が選択され、出力された。しかし、採点結果印刷部233は、一人の採点情報のすべてのデータ量を用いて、採点者を選択し、当該採点者の採点情報を出力しても良い。また、採点結果印刷部233は、データ量ではなく、他の評価指標により採点情報を選択しても良い。他の評価指標とは、例えば、採点者の属性(年数、専門分野、年齢など)などである。また、図25において、解答識別子(採点者用も含む)の代わりに、受講生の氏名や受講生IDなどを印刷しても良いことは言うまでもない。
(具体例4)
具体例4は、複数(ここでは、3人)の採点者が、同一の受講生の答案用紙(媒体14)に対して、各自の電子ペン11を用いて、同じ問題に対する採点を行い、採点情報処理装置23が採点結果の正誤のチェックを行うである。ここでは、複数の採点者が、同一の受講生の答案用紙について、すべての問題に対する採点を行うとする。
今、採点者A、B、Cは、それぞれ採点者ペン識別子「66778」「77889」「88990」の電子ペン11を保持している。そして、採点者A、B、Cは、それぞれ、図24に示す採点を行った、とする。そして、具体例2で説明した処理と同様の処理により、採点者A、B、Cの各電子ペン11から送信された採点情報が、解答関連情報格納部133に蓄積される。
次に、ユーザは、ユーザ識別子「11223」で識別される受講生の採点結果の判断指示を入力した、とする。すると、指示受付部135は、当該採点結果の判断指示を受け付ける。そして、採点結果判断部234は、以下のような採点結果判断処理を行う。
つまり、まず、採点結果判断部234は、ユーザ識別子「11223」に対応する全採点情報を読み出す。
そして、採点結果判断部234は、問1に対応する採点情報を、すべて取得する。問1に対応する採点情報が、ここでは、3つ存在する(複数存在する)ので、各採点情報を文字コード(文字コード列)に変換する。そして、採点結果判断部234は、各採点情報について、文字コード列から「○」「×」「△」のみを取得する。問1に対応する採点情報から取得される文字コード列において、すべて「○」であるので、採点に問題がない、と判断する。
次に、採点結果判断部234は、同様に、問2に対応する採点情報を、すべて取得し、文字コード(文字コード列)に変換する。そして、採点結果判断部234は、各採点情報について、文字コード列から「○」「×」「△」のみを取得する。問2に対応する採点情報から取得される文字コード列において、「○」「△」「△」であるので、採点に問題があり、一人だけ異なる採点をしている問の番号「2」と採点者のペン識別子「66778」を対にしてバッファに格納する。なお、バッファに格納されている情報は、不適切採点情報を構成しても良い。
次に、採点結果判断部234は、問3に対応する採点情報を、すべて取得する。そして、採点結果判断部234は、問1に対応する採点情報と同様の処理を行い、採点に問題がない、と判断する。
次に、不適切採点情報出力部235は、不適切採点情報(たとえば、「ペン識別子「66778」の採点者が問2の採点を誤っています」)を出力する。
なお、採点結果判断部234は、予め格納されている解答と受講生の解答情報と、採点者の採点情報を用いて、採点者の採点が正しいか否かを判断しても良い。
以上、本実施の形態によれば、解答が記載された答案用紙の解答者の解答識別子を解答情報処理装置で自動的に付与し、答案用紙に印刷するので、採点者にとって、答案用紙の解答者が特定できないために、心情に左右されない公正で適切な採点が可能であり、かつ、システムにおいて、解答情報が示す解答が、誰の解答であるかを認識できる。また、解答者(受講生など)が受講番号や受験番号などの番号を記載させないので、大規模なテスト等において、必ず発生する受講番号や受験番号などの番号間違いに対応できる。
また、本実施の形態によれば、一つの答案に対して、答案用紙を回覧するようなことをせずに、2以上の採点者により、採点できる。つまり、極めて短期間で採点が行える。
また、本実施の形態によれば、2以上の採点者の採点情報を受信し、格納されている解答関連情報と採点情報とを紐付けできる。分担した採点が容易に実現できる。
また、本実施の形態によれば、2以上の採点者の採点情報をマージし、採点結果を出力できる。かかることにより、2以上の各採点者が、異なる問題に対する解答について、それぞれ採点できる。つまり、採点の分業を可能にする。
また、本実施の形態によれば、2以上の採点者の採点情報をマージし、採点結果を出力する場合に、重ならないように出力できる。受講生に答案を返す場合に、見やすい答案を返せる。また、採点者にとって、他の人のコメント等の記載量を考えずに、コメント等を記載できるため、内容のみに集中した優れた指導が行える。つまり、受講生、採点者の双方にとって、満足度の高い採点システムを提供できる。
また、本実施の形態によれば、2以上の採点者の採点情報のうち、一の採点情報を選択して採用できる。したがって、優れていると推定できる採点情報を利用できる。また、問題ごとに、2以上の採点者の採点情報のうち、一の採点情報を選択して採用できる。
また、本実施の形態によれば、複数の採点者の採点結果の正誤をチェックし、すべての採点者の採点結果が一致しない場合に、その旨を出力できる。
なお、本実施の形態によれば、採点情報処理装置23は、実施の形態1における解答情報処理装置13の構成を具備した。しかし、採点情報処理装置は、解答情報処理装置13が得た解答関連情報を利用すれば良く、解答関連情報を蓄積する機能を有する必要はない。つまり、採点情報処理装置は、解答関連情報格納部133、指示受付部135、印刷部136、採点者情報受信部231、採点情報蓄積部232、採点結果印刷部233、採点結果判断部234、不適切採点情報出力部235を具備すれば良い。
さらに、本実施の形態における採点情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1以上の電子ペンから、前記解答識別子記入欄に記入された解答識別子と、前記媒体に印刷された解答情報に対する採点に関する情報である採点情報を有する採点者情報を、1以上受信する採点者情報受信部と、前記採点者情報受信部が受信した採点者情報が有する採点情報を、当該採点者情報が有する解答識別子と対にして、記憶媒体に蓄積する採点情報蓄積部と、一の解答識別子に対して、当該一の解答識別子に対応する解答情報を記憶媒体から読み出し、当該解答情報と、前記1以上の電子ペンから受信した2以上の採点情報を、媒体に印刷する採点結果印刷部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記採点者情報受信部は、一の解答識別子に対して、2以上の電子ペンから、同一の解答識別子と、異なる採点情報を受信し、一の解答識別子に対して、当該一の解答識別子に対応する解答情報と、前記2以上の電子ペンから受信した2以上の採点情報を、媒体に印刷する採点結果印刷部として、コンピュータを、さらに機能させるためのプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記採点情報は、媒体上の位置を示す位置情報を有し、前記採点結果印刷部を、前記2以上の電子ペンから受信した2以上の採点情報が、互いに重ならないように、当該2以上の採点情報を媒体に印刷するように、コンピュータを、機能させるためのプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムは、前記採点結果印刷部を、前記2以上の電子ペンから受信した2以上の採点情報のうち、データ量が最も多い採点者情報を一つ選択し、当該選択した採点情報を媒体に印刷するように、コンピュータを、機能させるためのプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムは、前記採点結果印刷部を、前記2以上の電子ペンから受信した2以上の採点情報のうち、問題ごとに、データ量が最も多い採点情報を一つ選択し、当該選択した採点情報を、問題ごとに媒体に印刷するように、コンピュータを、機能させるためのプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムは、前記採点者情報受信部は、2以上の電子ペンのそれぞれから、同一の解答識別子と異なる採点情報を有する採点者情報を受信し、前記同一の解答識別子と対になる2以上の採点情報を比較し、すべての採点情報が示す採点結果が同一か否かを判断する採点結果判断部と、前記採点結果判断部が、すべての採点情報が示す採点結果が同一ではない、と判断した場合、すべての採点結果が同一ではない旨を示す情報である不適切採点情報を出力する不適切採点情報出力部として、コンピュータを、さらに機能させるためのプログラムであることは好適である。
また、図26は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の解答情報処理装置、採点情報処理装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図26は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図27は、コンピュータシステム340のブロック図である。
図26において、コンピュータシステム340は、FD(Flexible Disk)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブを含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図27において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、CPU(Central Processing Unit)3413と、CPU3413、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read−Only Memory)3415と、CPU3413に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM(Random Access Memory)3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の解答情報処理装置、採点情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の解答情報処理装置、採点情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(端末情報送信部、端末情報受信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。