JP5339277B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
携帯型情報機器において、通信速度の高速化や、内蔵するメモリ容量の増大に伴い、より大容量の画像情報やより高精細の動画が取り扱われるようになる傾向にある。これに伴い、インターフェイスである中小型の液晶表示装置にも、今まで以上の高画質化と画素数増大が要求される。このうち画素数については、従来の240×320×3画素であるQVGA(Quarter Video Gate Array)から480×640×3画素であるVGA(Video Gate Array)が主流になりつつある。このように画素数が増大すると、一画素の大きさが小さくなる。具体的には、中小型の液晶表示装置において画素数がVGAとなると、例えば短辺が25μm、長辺が75μm程度となる。
液晶表示装置は非発光型の表示装置なので、表示の明るさは光源の明るさと透過率とで決定される。このとき、液晶表示装置の画素数を増大すると、上述したように一画素が占める面積が小さくなるが、TFT(Thin Film Transistor)やポストスペーサ、コンタクトホール、走査配線や信号配線といった、直接画像表示に寄与しない部分は、製造上、機能上の理由により一定以上微細化することができない。そのため、画素を小さくするためには、液晶が光スイッチング素子として機能する開口部の大きさを小さくしなければならないが、そのようにすると、透過率が低下し、液晶表示装置の表示が暗くなってしまう。
かかる問題を解決するため、マイクロレンズにより光源からの光を開口部に集光させ、透過率を向上する試みがなされている。たとえば、引用文献1には、レンチキュラーレンズを用いて光源からの光を走査線間の開口部に集光させる液晶表示装置が記載されている。また、引用文献2には、IPS(In−Plane Switching)方式の液晶表示装置において、マイクロレンズにより光源からの光を画素電極と対向電極間の開口部に集光させるものが記載されている。
特開2003−330007号公報 特開平10−123496号公報
IPS方式の液晶表示装置は、同一基板上に形成した共通電極と画素電極の間に液晶面内に平行な成分を主とする横電界を形成し、これにより液晶層を駆動する。そのため、IPS方式では電界印加に伴う液晶層の配向変化は液晶層内における回転が主になる。VA(Vertically Aligned)方式やECB(Electrically Controlled Birefringence)方式やOCB(Optically Compensated Birefringence)方式などでは、電界印加に伴う液晶層の配向変化はチルト角の変化が主であるが、IPS方式ではチルト角の変化が少ない。このことにより、IPS方式では電圧印加に伴うリタデーションの実効値の変化が少なく、広い視角範囲において階調再現性に優れた表示が得られる。そのため、IPS方式では高画質化の要求をより満足できる。
ところで、IPS方式では共通電極と画素電極の重畳部を保持容量としているが、一画素あたりの面積が小さくなると、これに比例して保持容量も小さくなる。一方、保持期間中の電圧降下はTFTのOFF特性で決定されるので、画素面積には依存しない。そのため、IPS方式の液晶表示装置において、画素を小さくすると、一画素当たりの保持容量が不足し、輝度傾斜やフリッカが生じる懸念がある。ここで、輝度傾斜とは画面の輝度が、画面上の一端において高く、他端において低く、両者間で連続的に変化する現象である。また、フリッカは画面の輝度が短い周期で変動し、画面がちらついて見える現象である。
本発明はかかる観点に鑑みてなされたものであって、その目的は、IPS方式の液晶表示装置において、画素を小さくしても十分な保持容量を確保することである。
本出願において開示される発明のうち代表的なものを列挙すると、以下のとおりである。
(1)第一の基板と、第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板間に狭持された液晶層と、前記第一の基板の前記液晶層と反対の側に配置された第一の偏光板と、前記第二の基板の前記液晶層と反対の側に配置された第二の偏光板と、前記第二の基板の前記液晶層と反対の側に配置されたレンズ部材と、前記レンズ部材の前記第二の基板と反対の側に配置された光源と、前記第二の基板の前記液晶層に相対する面に形成された第一の電極と、前記第二の基板の前記液晶層に相対する面に形成され、前記レンズ部材の光軸と交わる部分を含む集光領域に対応して配置された集光部電極と、前記レンズ部材の光軸と交わる部分を含まない非集光領域に対応して配置され、面積当たりの電極が占める割合が前記集光部電極より大きい非集光部電極と、を有する第二の電極と、を有し、前記レンズ部材は複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分を有し、少なくとも前記第一の基板及び前記第二の基板のうちいずれか一の基板の前記液晶層に相対する面であって、前記非集光領域に対応する位置に形成され、平面視において前記非集光部電極と重畳する位置に配置されるスペーサ部材と、前記いずれか一の基板の前記液晶層に相対する面に形成された配向膜と、を有する液晶表示装置。
(2)(1)において、前記非集光部電極は平面状の電極であり、前記集光部電極は互いに離間して配置された複数の線状の電極である液晶表示装置。
(3)(2)において、前記複数の線状の電極は、前記平面状の電極に櫛歯状に接続されている液晶表示装置。
(4)(3)において、前記複数の線状の電極は、前記複数の線状の電極同士の隙間の先端が鋭角となるように前記平面状の電極に接続された接続端と、鋭角に形成された部分を有する解放端と、を有する液晶表示装置。
(5)(2)において、前記複数の線状の電極の両端部分は、前記非集光領域に配置されている液晶表示装置。
(6)(2)において、前記第一の電極は、前記集光部電極の前記複数の線状の電極の隙間に対応した位置に配置される、複数の線状の電極を有する液晶表示装置。
(7)(1)において、前記配向膜の配向処理方向は、前記集光領域から前記非集光領域へと向かう方向又は、前記集光領域から前記非集光領域へと向かう方向に直交する方向である液晶表示装置。
(8)(1)において、前記スペーサ部材は、前記非集光領域の中央から偏った位置に対応する位置に形成されており、前記配向膜の配向処理方向は、前記スペーサ部材から前記非集光領域の中央に対応する位置へと向かう方向である液晶表示装置。
(9)(1)において、前記集光部電極は、前記第一の電極と前記第二の電極との間に電圧を印加した際に、液晶の回転方向が異なる少なくとも二つの領域を有し、前記少なくとも二つの領域は、前記レンズ部材のレンズとして機能する部分の湾曲面の一端から他端へと向かう方向である湾曲方向に渡って同一の領域となるように配置されている液晶表示装置。
(10)(9)において、前記少なくとも2つの領域は、前記複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分の長手方向に隣接するように配置されている液晶表示装置。
以上の本出願において開示される発明(1)乃至(8)のいずれかによれば、IPS方式の液晶表示装置において、画素を小さくしても十分な保持容量を確保することができるとともに、画素を小さくしてもコントラスト比の低下を防止することができる。
また、以上の本出願において開示される発明(9)又は(10)によれば、さらに、液晶表示装置において、レンズ部材を用いても視角方向による色相の変化を防止することができる。
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態を、図1〜6を参照して以下説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置100の平面構造を示す部分拡大図であり、図2は、図1のS1−S2線における断面図である。
液晶表示装置100は、ガラスや樹脂等からなる透明の第一の基板101と、同じく透明の第二の基板102とで液晶層103 を狭持している。第一の基板101と第二の基板102の液晶層103と反対の側には、それぞれ第一の偏光板104と第二の偏光板105が、その偏光方向が互いに直交し、かつ第一の偏光板104の偏光方向が液晶配向方向に直交するように配置されている。本実施形態では、液晶表示装置100の液晶駆動方式はIPS方式であるので、液晶層103に電圧を印加していない状態では、暗表示となる。第一の偏光板104と第二の偏光板105には、ヨウ素系色素により染色されたPVA(PolyVinyl Alcohol)フィルムをTAC(TriAcetylCellulose)フィルムで挟み込んだ構造のものを好適に用いることができる。
第一の基板101の液晶層103に相対する面には、ブラックマトリクス106、カラーフィルタ層107、平坦化膜108、スペーサ部材109、第一の配向膜110が形成されている。平坦化膜108は、好適には透明性に優れるアクリル系樹脂であり、下層を保護するとともにその凹凸を平坦にするためのものであるが、必要がなければ省略しても良い。スペーサ部材109は、第一の基板101と第二の基板102の間の隙間を一定に保つためのもので、この隙間に液晶材料が真空封入され液晶層103が形成される。第一の配向膜110は、好適にはポリイミド系の有機高分子膜であり、ラビング法で配向処理される。本実施形態では、第一の配向膜110は近接する液晶分子に約1.5度のプレチルト角を付与する水平配向膜であって、液晶層103はほぼホモジニアス配向を示す。その配向処理方向111は図1中の矢印に示すように、信号配線112に対し5度傾いた方向である。このとき、後述する第一の電極113と第二の電極114との間に形成される電界の方向と、液晶分子の配向方向のなす角度が85度と、直角に近い充分に大きな値であるため、電圧印加時に十分な液晶分子の回転が生じ、電圧印加時と、電圧非印加時との間で、大きな透過率の差が得られる。なお、第一の配向膜110として光配向膜を用いることも可能である。この場合にはラビング法ではなく、光配向による配向処理、すなわち、偏光紫外光を照射し、その偏光方向によって配向方向を制御する方法を用いて第一の配向膜110を形成する。
第二の基板102の液晶層103に相対する面には、走査配線115、信号配線112、TFT116、第一の電極113、第二の電極114、第二の配向膜117が形成されており、必要に応じて、各層を絶縁するための絶縁層118,119,120が適宜形成される。
走査配線115と信号配線112とは互いに交差しており、交差部の近傍には各画素と1対1に対応してTFT116が配されている。第二の電極114にはTFT116からコンタクトホール121を介して、信号配線112に入力される画像信号に対応した電位が付与される。また、TFT116の動作は走査配線115に入力される走査信号により制御される。TFT116のチャネル部は好適にはアモルファスシリコン層により形成することができるが、より移動度の高いポリシリコン層等で形成することもできる。また、チャネル部を無機絶縁膜で被覆することにより動作を安定させることができるほか、有機絶縁膜により凹凸を平坦化することにより、寄生容量を低減することができる。
第一の電極113と第二の電極114はいずれもITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電膜であり、光を透過することができる。第一の電極113は画素間で共通の電位を与えられているのに対し、第二の電極114は、前述したとおり信号配線112に入力される画像信号に対応した電位が与えられる。このとき、第二の電極114は、複数の線状の電極が互いに離間して配置された形状であるので、両者の電位差により第二の電極114と第一の電極113の間に、図2に示すようにフリンジ電界と呼ばれるアーチ状の電気力線122が形成される。これにより、液晶層103中の液晶分子が主に基板に対し平行な面内で回転し、光スイッチング素子としての機能を発現する。IPS方式の名前は、この液晶分子の回転方向に由来している。なお、図面には表れないが、第一の電極113の平面形状は、ほぼ画素全域を覆う平面状である。また、本実施例では第二の電極114に画像信号に対応した電位を入力したが、第一の電極113と第二の電極114に入力する電位を互いに入れ替えてもよい。
第二の配向膜117は前述した第一の配向膜110と同様のものであって、その配向方向も同じである。
液晶層103には、室温を含む広い温度範囲でネマチック相を示し、誘電率異方性が正で、かつ高抵抗の液晶材料を用いることが好ましい。使用可能な温度範囲が広いと、使用環境の温度変化が広範に渡るモバイル用途に利用する際好適である。また、一般に誘電率異方性が正の液晶材料は負の液晶材料に比較してより低粘度であるため、後者を用いた場合に比較してより応答速度が速く、動画など表示に好適である。また、高抵抗な材料を用いると、第二の電極114に電圧を印加したあと、TFT116がオフとなる保持期間中における電圧低下が少なくなることから、保持期間中の液晶の透過率が維持され高輝度の表示ができ、かつフリッカの発生が防止されるなど、画像表示の品質が向上する。
第二の基板102の液晶層103と反対の側には、レンズ部材123が配置されている。本実施形態では、レンズ部材123は、複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分が、走査配線115と平行な方向がその長手方向となり、信号配線112と平行な方向がその湾曲方向となるように配置される。ここで、湾曲方向とは、レンズとして機能する部分の湾曲面の一端から他端に向かう方向であり、シリンドリカルレンズの場合は、その長手方向及び光軸128に直交する方向となる。一般的な回転対称な円形のレンズの場合は、その光軸に直交する方向であれば、いかなる方向であっても湾曲方向となる。なお、光軸という用語について、シリンドリカルレンズの場合は、光軸は平面状となるが、便宜上、本明細書中では、直線状、平面状を問わず光軸と呼ぶことにする。
レンズ部材123は光反応性の透明有機材料から製作することができる。一例として、第一の基板101と第二の基板102を組合わせた後に、第二の基板102の液晶層103とは反対の面上に印刷法で塗布する。この段階において、透明有機材料は低分子量であり、かつ溶剤を含んでいるため固体ではなく、表面張力により円弧状の表面を有するメニスカスを形成する。続いて、溶剤を蒸発させて除去し、光を照射して低分子量の透明有機材料を光重合反応させて高分子化して固化すると、第二の基板102の液晶層103とは反対の面上に密着したシリンドリカルレンズとして機能する部分が得られる。他にも、樹脂材料を、射出成形や真空成形などの成型法を用いて、複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分を有するシートに作成し、かかるシートを第二の基板102の液晶層103とは反対の面上に貼り付けても良い。
本実施形態では、第二の基板102に対し、第二の偏光板105をレンズ部材123のさらに外側に配置しているが、この配置を逆にしても良い。前者の場合は、熱履歴を受けてもレンズ部材123の位置がずれにくく、後者の場合は、第二の基板102、第二の偏光板105及びレンズ部材123が強く密着し、剥がれにくい。
そして、レンズ部材123の第二の基板102と反対の側には、光源124が配置されている。光源124は、一般にバックライトとして知られているもので、冷陰極管やLCD(Light Emitting Diode)からの光を拡散板等を用いて整形し、平面発光体として機能するようにしたものである。光源124から照射される光はその垂直方向に向かう成分が多く、比較的コリメート光としての性質が強い。
図3は本実施形態における各画素とレンズ部材123との関係を示す図である。図示したように、光源124からの光はレンズ部材123により屈折し、第二の基板102の液晶層103側の面上において、図中ハッチングで示した集光領域125に集光される。一方、図中ハッチングをしていない非集光領域126には、光源124からの光はほとんどあたらないことになる。本実施形態では、集光領域125は帯状の領域となり、その中心線127では、第二の基板102の液晶層103側の面と、レンズ部材123の光軸128とが交わることになる。また、レンズ部材123の、シリンドリカルレンズとして機能する部分の湾曲面の端部は、非集光領域126に位置することになる(図2参照)。
このような配置において、画素内のTFT116やスペーサ部材109、コンタクトホール121、走査配線115といった、直接画像表示に寄与しない部分を非集光領域126に、液晶が光スイッチング素子として機能する開口部を集光領域125に配置することにより、液晶表示装置100の実質的な透過率を向上させるのである。なお、同図に示すように、本実施形態においては、集光領域125の中心線127は画素の中央から短辺方向に向かってずれた位置にあるが、これは非集光領域126を画素の一端に接するように分布させ、直接画像表示に寄与しない部分を一箇所に集約するためである。もちろん、集光領域125の中心線127を画素の中央を通るように配置することも可能である。
再び図1及び2に戻ると、第二の電極114は、集光領域125に対応する位置では、互いに離間して配置された複数の線状の電極として形成されている集光部電極129となっており、非集光領域126に対応する位置では、平面状の電極として形成されている非集光部電極130となっている。この理由は、非集光領域126では、第二の電極114の占める面積ができる限り大きいほうが、画素の保持容量を大きくできることによる。
すなわち、本実施形態のようにIPS方式の液晶表示装置100では、第一の電極113と第二の電極114との重畳部が、保持期間中に液晶層103に印加される電圧値を一定に保つ保持容量として機能する。このとき、レンズ部材123を透過した光が集まる集光領域125では、液晶層103を光スイッチング素子として機能させるため、前述したフリンジ電界を形成しなければならない。そのため、集光領域125に対応する位置に配置される集光部電極129は、互いに離間して配置された複数の線状となり、第一の電極113との重畳部の面積が小さく、保持容量も小さい。一方、非集光領域126では、液晶層103には光があたらず、光スイッチング素子として機能しないため、非集光部電極130の形状には特に機能的な制限はない。そのため、非集光部電極130は、第一の電極113との重畳部の面積ができるだけ大きい形状、この場合は、平面状に形成することで、大きな保持容量が得られるのである。なお、本実施形態では、集光部電極129を互いに離間して配置された複数の線状、非集光部電極130を平面状としたが、これに限られるものではなく、集光部電極129はフリンジ電界を形成しうる任意の形状とし、非集光部電極130は第一の電極113との重畳部の面積ができるだけ大きい形状とすればよいのであるから、結局、面積当たりの集光部電極129が占める割合よりも、面積当たりの非集光部電極130が占める割合の方が大きければ良いことになる。
なお、保持容量は、第一の電極113と第二の電極114との重畳部の面積に比例し、両電極間の絶縁層120の厚さに反比例するため、保持容量を増大させるため、絶縁層120の厚さを薄くすることも考えられる。しかし、第一の電極113はITOであり、下層の凹凸を軽減する性質がなく、その表面に凹凸が生じやすいため、絶縁層120の厚さを薄くすると、第一の電極113と第二の電極114との短絡が生じやすくなる。短絡が生じた画素では液晶層103に電圧が印加されないので常に暗表示のままであり、点欠陥となる。そのため、絶縁層120の厚さを薄くすることによる保持容量の増大には、限界がある。出願人の実験によれば、絶縁層120の厚さを0.15μmまで薄くすると点欠陥のために液晶表示装置100の画面の視認性が著しく低下した。
また、本実施形態では、図1に示されているように、集光部電極129は、非集光部電極130に櫛歯状に接続されており、その両端部は、単純な矩形ではなく、三角形状をしている。これは、液晶表示装置100に外部から押し圧力を加えた際に、液晶の異常配向の発生を抑制する機能を有する。
すなわち、集光部電極129の両端部では、電圧印加時に液晶の回転方向が正常部に対して逆方向である逆捩れ配向が発生することがある。この時の集光部電極129の端部における液晶層103の配向状態を図4に模式的に示した。図4(a)、(b)はそれぞれ集光部電極129の根元と先端であり、正常配向部131と逆捩れ配向部132が櫛歯状構造の繰返し周期と同じ周期で分布している。液晶層103はその配向方向に着目すると連続体に類似した挙動を示すため、逆捩れ配向と正常配向の間で液晶層103の配向方向が連続的に変化し、両者の間には、その配向方向が逆捩れ配向と正常配向の中間の配向133が存在する。このとき、中間の配向133では、液晶層103が逆方向にも正常方向にも捩れていない状態、即ち電圧無印加時とほぼ同じ配向方向であるから、この部分は暗線134となって観察され、透過率低下の原因になる。同図中に示したU字型の太線が、前述の暗線134である。各暗線134は櫛歯状構造中の電極中心と電極同士の隙間の中心を結ぶように分布している。
ここで、同図(a)に示したように、集光部電極129の櫛歯状構造の根元である接続端において、線状の電極同士の隙間の先端が鋭角となるように非集光部電極130に接続し、同図(b)に示したように、集光部電極129の櫛歯状構造の先端である解放端において、鋭角に形成された三角形に突出する部分を設けると、暗線134は図中示した位置に現れ、外部からの押し圧力により液晶表示装置100が変形しても、その位置がほとんど動かないため、液晶の異常配向による画面輝度の低下を抑制できる。
図5は集光部電極129の端部に暗線134が出現しているときの画素全体の状況を示す図である。本実施形態では、同図に示すように、暗線134が出現する集光部電極129の両端部を、非集光領域126に配置している。このとき、暗線134は前述したとおり、外部からの押し圧力によってはほとんど動かないため、暗線134が集光領域125にかかることはなく、液晶の異常配向による画面輝度の低下が少ない、透過率の高い液晶表示装置100が得られる。
もちろん、以上説明した集光部電極129の形状は必須のものではなく、その両端部を単なる矩形としても良い。しかしながら、暗線134が出現しうる位置を固定し、その範囲を小さくできれば、集光領域125及び非集光部電極130の面積を大きくできるというメリットがある。
再度図1及び2を参照する。本実施形態では、図2に示されているとおり、第一の基板101上に形成されたスペーサ部材109は、さらにその上に第一の配向膜110が形成され、ラビング法により、図1の矢印に示す配向処理方向111に配向処理が行われている。ラビング法とは、ドラムローラ上に巻き付けたラビング布で配向膜表面を物理的に擦ることにより、その擦過方向を配向膜上の液晶配向方向とする処理方法である。このとき、図1に示すように、ラビング布の擦過方向、すなわち、配向処理方向におけるスペーサ部材109の背後の領域は、スペーサ部材109が凸形状であるため、ラビング布と第一の配向膜110とが十分に擦れ合わず、配向処理が十分になされない非配向領域135となる。また、スペーサ部材109の周囲の面も、同様に配向処理を施すことができない。そのため、スペーサ部材109の周囲の領域及び非配向領域135では、液晶層103の配向方向が不定となり、かかる領域では、液晶を光スイッチング素子として十分に機能させることができない。そのため、スペーサ部材109または非配向領域135を集光領域125に配置してしまうと、光漏れを生じることになり、画面表示のコントラスト比が低下することになる。
そこで、本実施形態では、スペーサ部材109を非集光領域126に対応する位置に形成した。このようにすると、スペーサ部材109の周囲の領域が集光領域125にかからない。また、本実施形態では、配向処理方向を、集光領域125から非集光領域126へと向かう方向とした。このようにすると、非配向領域135は集光領域125から見てスペーサ部材109の背後の位置に形成されるので、非配向領域135が集光領域125にかかることもなく、光漏れによるコントラスト比の低下を抑制することができる。
また、第二の基板102上に形成されたコンタクトホール121は凹形状であるため、コンタクトホール121内部の面も配向処理を施すことができない。そのため、コンタクトホール121の直上及び周囲の領域においても、液晶層103の配向方向が不定となり、光漏れが生じる恐れがある。
そこで、本実施形態では、コンタクトホール121もまた、非集光領域126に対応する位置に形成し、光漏れによるコントラスト比の低下を抑制している。
なお、ラビング法による配向処理方向は、次のようにして検証できる。
第一に、液晶層の配向がホモジニアス配向の場合には、偏光方向が直交する一対の偏光板で液晶パネルを挟み、その方位角を変えながら透過率が最小となる角度を求めることにより、比較的容易に配向処理方向を知ることができる。透過率が最小となる時、液晶層の配向方向は一対の偏光板の吸収軸の何れかと平行である。なお、ここで液晶パネルとは、液晶層を狭持する第一の基板と、第二の基板とからなるパネルを指す。
第二に、プレチルト角から配向処理方向を知ることができる。すなわち、プレチルト角は基板の法線方向から見てラビング布の擦過方向と平行になるように立ち上がるからである。そして、プレチルト角は暗表示時の視角特性を観察することにより知ることができる。液晶パネルを挟む第一の偏光板と第二の偏光板の偏光方向は法線方向から観察して直交するように配置しており、暗表示における透過率を低減している。ところが斜め方向から観察すると、T.Ishinabe、T.Miyashita、T.Uchda、Y.Fujimuraによる非特許文献Asia Display/IDW‘01 Proceedings 485〜488ページに記載されているように、二枚の偏光板の偏光方向のなす角度が視角とともに見かけ上変化するため透過率が増大する。特に、偏光板の偏光方向に対して45度を成す方位角方向において透過率増大が顕著である。即ち、暗表示透過率の視角特性において、高透過率と低透過率の領域が方位角にして90度周期で分布することになる。IPS方式の液晶表示装置の暗表示時視角特性のプレチルト角依存性を図6に示す。同図中に示した透過率は、一点鎖線、実線、破線、点線の順で高いものとした。同図において液晶層はホモジニアス配向でかつその配向方向の方位角は0度としている。また、斜体字は極角を示し、正体字は方位角を示す。プレチルト角が0度であると、同図(c)に示したように暗表示時の視角特性は対称になるが、プレチルト角が0度でないと同図(a)、(b)に示したように非対称になる。この時、透過率がより大きくなる方向がプレチルト角が立上る方向であり、同図(a)、(b)はそれぞれプレチルト角が正の場合と負の場合である。暗表示時における視角方向での透過率を低減するため、前記非特許文献にあるように偏光板と液晶パネルの間に位相板を積層する場合があるが、この時にも同図に示した透過率分布の傾向は保たれる。
なお、本実施形態ではスペーサ部材109を第一の基板101に形成することとしたが、これに換え、第二の基板102に形成するようにしても良いし、第一の基板101と第二の基板102の双方に形成し、互いにつき合わせるようにしても良い。
また、本実施形態では、レンズ部材123を複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分を有する形状としたが、これに限られず、たとえば、画素ごとにレンズとして機能する部分を独立して設けてもよい。この場合、レンズ部材123には、円形あるいは楕円形のレンズとして機能する部分が、格子状に配置されることになる。さらに、各々のレンズとして機能する部分の形状は、単一の曲面を有するものとする必要はなく、たとえば、フレネルレンズのように曲面を分割して配置してもよい。このばあい、レンズ部材123の厚さを薄くすることができるので、液晶表示装置100全体の厚みを薄くすることができる。
本実施形態のような格子状配列の画素を有する液晶表示装置100は、縦方向と横方向の分解能が高いという特長を有するため、ウインドウ表示を多用するパーソナルコンピュータや、携帯情報端末のモニタなどに適している。
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態を、図7〜10を参照して説明する。本実施形態は、第二の電極214の平面形状やスペーサ部材209の配置、レンズ部材223の形状等が異なっている他は第一の実施形態と同様である。
図7は、本実施形態に係る液晶表示装置200の平面構造を示す部分拡大図であり、図8は、本実施形態における各画素とレンズ部材223との関係を示す図である。
本実施形態では、図7に示されるように、隣り合う画素同士では、第二の電極214のパターンの向きが逆となるように配置されているため、集光部電極229及び非集光部電極230は互い違いとなり、隣接しないようになっている。そして、レンズ部材223は、複数のレンズとして機能する部分がハニカム状に配置された構成となっている。図8を見ると、レンズ部材223の複数のレンズとして機能する部分の光軸228が、ほぼ集光部電極229の中央を通過するように配置されていることがわかる。
このような配置にすると、画素境界における混色を抑制することができる。このことを図9及び10を参照して説明する。
図9は、異なる色彩の画素の開口部同士が隣り合う配置となっている液晶表示装置の断面を示す模式図である。このような配置では、同図中矢印で示すように、ある画素(同図中左側に示した画素)の端部を斜めに通過した光が、隣接する(同図中右側に示した画素)画素のカラーフィルタ層7を通過して表面から視認されることがありうる。同図に示した状態は、同図中左側に示した画素が点灯状態にあり、同図中右側に示した画素が非点灯状態にある状態であるが、このとき、本来点灯しない画素から一部の光が通過して見えるため、色相が変化して観察される。このような現象は、高精細化により、画素境界部における信号配線12やブラックマトリクス6などの遮光手段を細線化した場合に発生しやすい。また、同図(b)に示したように、第一の基板1と第二の基板2の上下方向の配置にずれがある場合にも発生しやすくなる。
図10は、本実施形態のように、レンズ部材により、個々の画素に対し光源からの光を集光した場合の液晶表示装置の断面を示す模式図である。この場合、光は図中矢印で示したように液晶表示装置中を通過するため、図9に示したような、混色の原因になる画素端部を斜めに通過する光路は生じなくなり、信号配線12やブラックマトリクス6などの細線化や、第一の基板1と第二の基板2の上下方向の配置のずれに対するマージンを広く取れる。
また、本実施形態では、図7に示すように、画素の開口部である集光領域225が隣り合う画素間で隣接しないため、前述した混色の問題はほとんど発生しない。
なお、本実施形態におけるレンズ部材223の、レンズとして機能する部分の形状は、六角形状に限られず、円形であってもよい。その場合、円形は液状の物体を滴下した際に自然にできる平面形状であるから、レンズ部材223を前述した印刷法や、成型法のほか、インクジェット法によっても制作することができる。
また、図7に戻り、本実施形態においては、配向処理方向211は矢印で示した方向である。このとき、同図に示すように、スペーサ部材209は、画素中の非集光領域226の中央から偏った位置に対応する位置に配置される。この場合、非集光領域226の中央の位置は図中Xで示した位置であり、スペーサ部材209は、位置Xから図中下方向に偏った位置に配置されている。スペーサ部材209をこのような配置とした上で、配向処理方向211をスペーサ部材209が配置されている位置から、位置Xへと向かう方向である矢印の方向とすると、非配向領域235は非集光領域226に位置することになるから、第一の実施形態で説明したと同様、光漏れによるコントラスト比の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態ではスペーサ部材209を、各画素ごとに配置しているが、必要でなければ、たとえば2画素につき一つのスペーサ部材209を配置するなどしてもよい。
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施形態を、図11及び12を参照して説明する。本実施形態も、第二の電極314の平面形状やスペーサ部材309の配置、レンズ部材323の形状等が異なっているほかは第一の実施形態と同様である。
図11は、本実施形態に係る液晶表示装置300の平面構造を示す部分拡大図であり、図12は、本実施形態における各画素とレンズ部材323との関係を示す図である。
本実施形態では、図11に示されるように、第二の電極314の集光部電極329と非集光部電極330とが、配向処理方向311に対してほぼ直交する方向に隣接して配置されている。画素の配置は、列毎の画素の位置が半画素分ずれて並んでいる、いわゆるデルタ配列となっている。レンズ部材323は、第二の実施形態同様、複数のレンズとして機能する部分がハニカム状に配置された構成である。このときの各画素とレンズ部材323との関係は図12に示されるとおりである。
本実施形態の場合、スペーサ部材309は非集光領域326に配置し、配向処理方向311は、集光領域325から非集光領域326に向かう方向に直交する方向とする。このようにしても、図11に示したとおり、非配向領域335を非集光領域326に位置させることができ、第二の実施形態同様の効果が得られる。
本実施形態のようなデルタ配列の画素を有する液晶表示装置300は、分解能の方位角依存性が少ないため、写真などの自然画の表示に適しているため、デジタルカメラのモニタなど画像表示を主とする液晶表示装置に好適に用いられる。
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施形態を、図13〜15を参照して説明する。本実施形態は、集光部電極429の形状が異なるほかは、第一の実施形態と同様である。
IPS方式の液晶表示装置は、視野角が広いという特徴を有しているが、電圧印加時の液晶の回転方向が一方向のみの場合、方位角によっては、画面が黄色または水色に着色して見えるという問題がある。そのため、第二の電極の形状をくの字状に屈折させ、一画素の開口部を液晶の回転方向が異なる複数の領域に分割することにより、画面の着色を防止することが知られている。
図13は、第一の実施形態に係る液晶表示装置100にそのような分割を適用した液晶表示装置100’を示す図である。この場合、集光部電極129’の図中上側半分の第一の領域136’では、線状の電極の延在方向は走査配線115’に対し85度、下側半分の第二の領域137’では、線状の電極の延在方向は走査配線115’に対し95度である。破線138’は、第一の領域136’と第二の領域137’の境界線であり、第二の電極114’の屈折部上に位置する。配向処理方向111’は同図中に示したように走査配線115’に対し90度なので、これら2つの領域では電圧印加時における液晶配向方向の回転方向が互いに異なる。即ち第一の領域136’では反時計回りであり、第二の領域137’では時計回りである。その結果、各領域の電圧印加時における液晶配向状態は同図中に符号139’と符号140’で記載したように互いに異なることになる。
各領域は明表示が黄色い着色を示す方位角方向と、水色の着色を示す方位角方向とをそれぞれ有するが、電圧印加時における液晶配向状態が互いに異なることにより、一方の黄色い着色を示す方位角方向と、他方の水色の着色を示す方位角方向が概略重なることになる。この時、補色関係にある着色が同時に観察されるので、加法混色により着色が相殺される。このようにすると、同図において左右方向から液晶表示装置100’を見た場合には、上述のとおり方位角による画面の着色は防止される。しかし、上下方向から液晶表示装置100’を見た場合には、必ずしも画面の着色を防止することはできない。
なぜなら、液晶表示装置100’はレンズ部材123’を用いているため、その集光作用により、集光領域125’内の各部分における光源光の角度分布は一様ではなく、各部分によって偏るからである。図14は、図13のS3−S4線における断面図である。同図をみれば、液晶表示装置100’を上方向から見た場合には、主として第一の領域136’を通過した光のみが見え、液晶表示装置100’を下方向から見た場合には、主として第二の領域137’を通過した光のみが見えることがわかる。この場合には、補色の加法混色によって着色を相殺することはできず、画面が着色して見えることになる。
そのため、本実施形態に係る液晶表示装置400は、図15に示すように、第一の領域436と第二の領域437を、レンズ部材423のシリンドリカルレンズとして機能する部分の長手方向に隣接するように配置する。すなわち、集光部電極429は、同図において、左半分である第一の領域436と、右半分である第二の領域437とに分割され、線状の電極の延在方向がそれぞれ異なる構造とした。ここでも、第一の領域436では線状の電極の延在方向は走査配線415に対し85度、第二の領域437では、線状の電極の延在方向は走査配線415に対し95度である。
このようにすると、シリンドリカルレンズはその長手方向について屈折作用を持たないため、第一の領域436と第二の領域437を通過する光源光の角度分布に差異はなく、どの方位から液晶表示装置400を見ても、補色の加法混色によって着色を相殺でき、着色は生じない。
このことをさらに詳しく検討すると、集光部電極429の形状は、レンズ部材423のレンズとして機能する部分の湾曲方向に渡り、液晶の回転方向が同一となるように第一の領域436と第二の領域437が配置されるように形成されていればよいということがわかる。すなわち、図14において、湾曲方向は図中左右方向であり、その湾曲方向に沿って光源光の角度分布が不均一となることが見て取れる。このことは、湾曲方向に沿って液晶の回転方向が同一であれば、光源光の角度分布が不均一であることに起因した、画面の着色は起こらないということを意味しているからである。
なお、第一の領域436と第二の領域437の大きさの比率は、必ずしも1対1でなくともよく、着色を相殺できるよう適宜設定してよい。また、両領域の境界線438は、シリンドリカルレンズとして機能する部分の長手方向に必ずしも直交していなくともよく、多少の傾きを有していたり、屈曲していたりしてもよい。
[第五の実施形態]
本発明の第五の実施形態は、ハニカム状に配置された複数のレンズとして機能する部分を有するレンズ部材523を用いた液晶表示装置500において、方位角による着色を防止したものである。本実施形態は、集光部電極529の形状が異なるほかは、第二の実施形態と同様である。
図16をみると、本実施形態においては、集光部電極529は、レンズ部材523の光軸を中心として直交する境界線538により、4つの領域に分割されていることがわかる。ここで、第一の領域536と第三の領域541、第二の領域537と第四の領域542は、電圧印加時の液晶の回転方向が互いに等しい。
この場合、レンズ部材423のレンズとして機能する部分の湾曲方向は、その光軸に直交するすべての方向である。そして、本実施形態では、いかなる湾曲方向に沿っても、電圧印加時の液晶の回転方向は等しくなっている。そのため、どの方位から液晶表示装置500を見ても、補色の加法混色によって着色を相殺でき、着色は生じない。
すなわち、レンズ部材523の複数のレンズとして機能する部分がハニカム状に配置されている場合には、複数の領域がその光軸に対し点対称となるように配置されていれば、画面の着色は起こらないのである。
なお、本実施形態では集光領域を第1〜第4の4つの領域に分割したが、さらに細分化し、たとえば、8分割してもよい。ただし、各領域の境界線上は、液晶分子が回転しないため、暗線となる。そのため、境界線が占める割合が大きくなれば、画面の輝度が低下することに留意すべきである。
また、本実施形態では、境界線538を、信号配線512及び走査配線515に平行な互いに直交する2直線としたが、これに限定されず、境界線538の配置角度は任意に設定することができる。さらに、レンズ部材523の複数のレンズとして機能する部分の配置は、ハニカム状に限られず、格子状であってもよい。
[第六の実施形態]
本発明の第六の実施形態は、第一の実施形態における第一の電極613の形状を変更したものである。
すなわち、図17及び18に示すように、集光領域625における第一の電極613を、液晶表示装置600の法線方向からみて、集光部電極629の複数の線状の電極の隙間に対応した位置に、複数の線状の電極が配置された形状とした。なお、図18は図17のS5−S6線における断面図である。
この場合、電気力線622は図18に破線で示したように、近接する線状の第一の電極613と線状の第二の電極614を結ぶようにアーチ状に形成される。なおかつこれが液晶層603中にはみ出して分布するため、液晶層603の配向状態を制御することができる。本実施形態の液晶表示装置600において形成される電気力線622は、第一の実施形態の液晶表示装置100より基板平面に対して平行な横電界成分がより多いことが特徴である。そのため電圧印加時において生じる液晶層603のチルト角が小さく、より視角特性に優れた表示が得られる。
なお、本実施形態においても、非集光領域626における第一の電極613の形状は平面状であるから、第二の電極614の非集光部電極630との間で保持容量を形成している。一方、集光領域625においては、第一の電極613と第二の電極614の重畳部が無くなった分だけ保持容量が低減することになる。すなわち、本実施形態によれば、非集光領域626において、フリッカや輝度傾斜のない十分な保持容量を確保できる場合には、視覚特性のすぐれた液晶表示装置600を得ることができる。
上述した第一の実施形態に基づき、液晶表示装置100を製作した。
第一の基板101及び第二の基板102には厚さ約0.4mmのホウケイサンガラスを用い、第一の電極113と第二の電極114はいずれも厚さ80nmのITOとした。第一の電極113と第二の電極114を隔てる絶縁層120は、窒化珪素(SiN)とし、その厚さは300nmとした。
スペーサ部材109は図2中に示したとおり、断面が台形の回転体で、第一の基板101側に形成されており、底辺の直径は約10μmとした。
また、非集光領域126において、隣接する画素間の非集光部電極130同士の距離を、集光部電極129における櫛歯状の電極部の隙間の幅と同等まで接近させた。即ち、非集光領域126は表示に寄与しないため、混色等の影響を考慮せずに第二の電極114を拡大してよいのである。
画素数はVGAによる480×640×3画素とし、一画素の大きさは短辺が25μm、長辺が75μmであった。
このようにして作成した液晶表示装置100にドライバ回路等の周辺回路を接続し、画像信号を入力して画像を表示させたところ、フリッカや輝度傾斜のない良好な表示を得ることができた。
第七の実施形態
図19は、本発明の第一の実施形態において、非集光部電極1030を平面状とせず、集光部電極1029同様の形状とした液晶表示装置1000を示す第七の実施形態である。
実施形態においても、第一の実施形態同様、スペーサ部材1009を非集光領域1026に対応する位置に形成するとともに、配向処理方向1011を、集光領域1025から非集光領域1026へと向かう方向とした。このようにすると、スペーサ部材1009の周囲の領域及び非配向領域1035が集光領域1025にかからないので、光漏れによるコントラスト比の低下を抑制することができる。
実施形態は、第二の電極1014の形状を、集光領域1025における面積当たりの電極が占める割合よりも、非集光領域1026における面積当たりの電極が占める割合の方が大きくなるようなものとする必要がない場合に利用可能である。もちろん、本実施形態におけるスペーサ部材1009の配置や配向処理方向1011を、第二の実施形態や第三の実施形態のようにすることもできる。
第八の実施形態
図20は、本発明の第四の実施形態において、非集光部電極1130を平面状とせず、集光部電極1129同様の形状とした液晶表示装置1100を示す第八の実施形態である。
実施形態においても、第四の実施形態同様、第一の領域1136と第二の領域1137を、レンズ部材1123のシリンドリカルレンズとして機能する部分の長手方向に隣接するように配置したので、どの方位から液晶表示装置1100を見ても、補色の加法混色によって着色を相殺でき、着色は生じない。
実施形態は、第二の電極の形状を、集光領域1125における面積当たりの電極が占める割合よりも、非集光領域1126における面積当たりの電極が占める割合の方が大きくなるようなものとする必要がない場合に利用可能である。もちろん、本実施形態におけるレンズ部材1123におけるレンズとして機能する部分の配置をハニカム状又は格子状とし、第五の実施形態のように集光領域1125を分割することもできる。
第一の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 図1のS1−S2線における断面図である。 第一の実施形態における各画素とレンズ部材との関係を示す図である。 集光部電極の端部における液晶層の配向状態に模式的に示す図である。 集光部電極の端部に暗線が出現しているときの画素全体の状況を示す図である。 IPS方式の液晶表示装置の暗表示時視角特性のプレチルト角依存性を示す図である。 第二の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 第二の実施形態における各画素とレンズ部材との関係を示す図である。 異なる色彩の画素の開口部同士が隣り合う配置となっている液晶表示装置の断面を示す模式図である。 レンズ部材により、個々の画素に対し光源からの光を集光した場合の液晶表示装置の断面を示す模式図である。 第三の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 第三の実施形態における各画素とレンズ部材との関係を示す図である。 第一の実施形態に係る液晶表示装置の画素の開口部を液晶の回転方向が異なる複数の領域に分割した液晶表示装置を示す図である。 図13のS3−S4線における断面図である。 第四の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 第五の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 第六の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 図17のS5−S6線における断面図である。 第七の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。 第八の実施形態に係る液晶表示装置の平面構造を示す部分拡大図である。
100,100’,200,300,400,500,600,1000,1100 液晶表示装置、1,101 第一の基板、2,102 第二の基板、103,603 液晶層、104 第一の偏光板、105 第二の偏光板、6,106 ブラックマトリクス、7,107 カラーフィルタ層、108 平坦化膜、109,209,309,1009 スペーサ部材、110 第一の配向膜、111,111’,211,311,1011 配向処理方向、12,112,512 信号配線、113,613 第一の電極、114,114’,214,314,614,1014 第二の電極、115,115’,415,515 走査配線、116 TFT、117 第二の配向膜、118,119,120 絶縁層、121 コンタクトホール、122,622 電気力線、123,123’,223,323,423,523,1123 レンズ部材、124 光源、125,125’,225,325,625,1025,1125 集光領域、126,226,326,626,1026,1126 非集光領域、127 中心線、128,228 光軸、129,129’,229,329,429,529,629,1029,1129 集光部電極、130,330,630,1030,1130 非集光部電極、131 正常配向部、132 逆捩れ配向部、133 中間の配向、134 暗線、135,235,335,1035 非配向領域、136’,436,536,1136 第一の領域、137’,437,537,1137 第二の領域、138’,438,538 境界線、139’,140’ 液晶配向状態、541 第三の領域、542 第四の領域。

Claims (10)

  1. 第一の基板と、
    第二の基板と、
    前記第一の基板と前記第二の基板間に狭持された液晶層と、
    前記第一の基板の前記液晶層と反対の側に配置された第一の偏光板と、
    前記第二の基板の前記液晶層と反対の側に配置された第二の偏光板と、
    前記第二の基板の前記液晶層と反対の側に配置されたレンズ部材と、
    前記レンズ部材の前記第二の基板と反対の側に配置された光源と、
    前記第二の基板の前記液晶層に相対する面に形成された第一の電極と、
    前記第二の基板の前記液晶層に相対する面に形成され、
    前記レンズ部材の光軸と交わる部分を含む集光領域に対応して配置された集光部電極と、
    前記レンズ部材の光軸と交わる部分を含まない非集光領域に対応して配置され、面積当たりの電極が占める割合が前記集光部電極より大きい非集光部電極と、を有する第二の電極と、を有し、
    前記レンズ部材は複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分を有し、
    少なくとも前記第一の基板及び前記第二の基板のうちいずれか一の基板の前記液晶層に相対する面であって、前記非集光領域に対応する位置に形成され、平面視において前記非集光部電極と重畳する位置に配置されるスペーサ部材と、
    前記いずれか一の基板の前記液晶層に相対する面に形成された配向膜と、
    を有する液晶表示装置。
  2. 前記非集光部電極は平面状の電極であり、
    前記集光部電極は互いに離間して配置された複数の線状の電極である請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記複数の線状の電極は、前記平面状の電極に櫛歯状に接続されている請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 前記複数の線状の電極は、
    前記複数の線状の電極同士の隙間の先端が鋭角となるように前記平面状の電極に接続された接続端と、
    鋭角に形成された部分を有する解放端と、を有する請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記複数の線状の電極の両端部分は、前記非集光領域に配置されている請求項2記載の液晶表示装置。
  6. 前記第一の電極は、前記集光部電極の前記複数の線状の電極の隙間に対応した位置に配置される、複数の線状の電極を有する請求項2記載の液晶表示装置。
  7. 前記配向膜の配向処理方向は、
    前記集光領域から前記非集光領域へと向かう方向又は、
    前記集光領域から前記非集光領域へと向かう方向に直交する方向である請求項1記載の液晶表示装置。
  8. 前記スペーサ部材は、前記非集光領域の中央から偏った位置に対応する位置に形成されており、
    前記配向膜の配向処理方向は、前記スペーサ部材から前記非集光領域の中央に対応する位置へと向かう方向である請求項1記載の液晶表示装置。
  9. 前記集光部電極は、前記第一の電極と前記第二の電極との間に電圧を印加した際に、液晶の回転方向が異なる少なくとも二つの領域を有し、
    前記少なくとも二つの領域は、前記レンズ部材のレンズとして機能する部分の湾曲面の一端から他端へと向かう方向である湾曲方向に渡って同一の領域となるように配置されている請求項1記載の液晶表示装置。
  10. 前記少なくとも2つの領域は、前記複数のシリンドリカルレンズとして機能する部分の長手方向に隣接するように配置されている請求項9記載の液晶表示装置。
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