JP5338470B2 - インデューサ装置 - Google Patents

インデューサ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5338470B2
JP5338470B2 JP2009115501A JP2009115501A JP5338470B2 JP 5338470 B2 JP5338470 B2 JP 5338470B2 JP 2009115501 A JP2009115501 A JP 2009115501A JP 2009115501 A JP2009115501 A JP 2009115501A JP 5338470 B2 JP5338470 B2 JP 5338470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
root
tip
blade
edge
approach angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009115501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010265761A (ja
Inventor
勉 水野
聡 川崎
裕司 都丸
政隆 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2009115501A priority Critical patent/JP5338470B2/ja
Publication of JP2010265761A publication Critical patent/JP2010265761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5338470B2 publication Critical patent/JP5338470B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、ロケットエンジンなどで使用されるポンプに設けられるインデューサ装置に関する。
ロケットエンジンなどでは、液体水素または液体酸素などの極低温流体を加圧するために、ターボポンプなどの大吸込容量ポンプが用いられる。
このようなポンプは、例えば図9の構成を持つ。即ち、ポンプ(ターボポンプ)3は、回転軸3aと、回転軸3aに固定されたポンプ羽根車3bと、回転軸3aに固定されたタービン羽根車3cと、を有する。回転軸3aは、軸受5を介してケーシング7に回転自在に支持されている。
インデューサ装置は、ポンプ3の吸い込み性能を維持するために設けられる。即ち、インデューサ装置は、ターボポンプ3のポンプ羽根車3bの手前に設けられ、吸込流体を加圧してポンプ羽根車3bの流体吸込を補助する。ロケットが地表から発射され上昇していくと、高度が高くなるにつれ気圧が下がるため、ポンプ3の入口で十分な圧力が得られない場合がある。そのため、インデューサ装置で極低温流体の圧力を上げターボポンプ3が十分に吸い込めるくらいの圧力とする。
インデューサ装置は、図9に示すように、ポンプ羽根車3bの上流側にて回転軸3aの端部7aに固定された複数の翼9からなる羽根車を有する。回転軸3aがタービンにより回転駆動されることで、インデューサ装置の複数の翼9は、タービン羽根車3cおよびポンプ羽根車3bと同一速度で回転する。その回転速度は数万回転/分である。これにより、インデューサ装置が吸込流体を予圧してポンプ羽根車3bに送り込む。
上述のようなインデューサ装置は、例えば下記の特許文献1に記載されている。また、本発明の技術分野における他の先行技術文献として、下記の特許文献2、3がある。
特開2005−273621号公報 特開平11−294388号公報 特開2005−330865号公報
従来においては、インデューサ装置による流体加圧特性(揚程特性)が翼9の下流端である翼9後縁の形状に依存することを考慮して、翼9後縁の形状を設計していた。また、インデューサ装置のキャビテーション特性が翼9の上流端である翼9前縁の形状に依存することを考慮して、翼9前縁の形状を設計していた。
しかし、従来では、翼9全体の荷重(負荷)バランスを良好にしつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる回転軸振動を抑え、高い吸い込み性能を実現することは困難であった。
なお、キャビテーションとは、高速で流れる液体の中に圧力の低い領域が発生し、この低圧領域において気相または気液混相が発生する現象である。また、キャビテーションは、翼9の前縁の回転方向後方に発生する。また、2次流れとは、主流(回転軸3aの軸方向流)に対して垂直な面で発生する流れである。
そこで、本発明の目的は、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制し、高い吸込み性能を実現できるインデューサ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、流体を吸引するポンプ羽根車と、該ポンプ羽根車が固定され回転駆動される回転軸と、を有するポンプに設けられるインデューサ装置であって、
前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定される翼を備え、
該翼は、前記回転軸に結合される根元と前記根元と反対側の先端とを有するとともに、上流端である前縁と下流端である後縁とを有し、
前記回転軸の軸方向における流体速度成分ベクトル(Ca)を回転する前記翼から見た相対速度ベクトル(ω)と、前記翼の翼面との成す角度を前記流体の進入角度(α)として、
(1)前記進入角度は前記前縁よりも前記後縁のほうが大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさは、前記前縁と前記後縁とで少なくともほぼ同じであり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさは、前記根元と前記先端とで少なくともほぼ同じである、ことを特徴とするインデューサ装置が提供される。
上述の構成では、(1)前記進入角度は前記前縁よりも前記後縁のほうが大きいので、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に分散することができる。(2)また、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさは、前記前縁と前記後縁とで少なくともほぼ同じであるので、翼が前縁において根元でする仕事量と先端でする仕事量との差と、翼が後縁において根元でする仕事量と先端でする仕事量との差とを同程度にでき、これにより、翼の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。(3)さらに、前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさは、前記根元と前記先端とで少なくともほぼ同じであるので、翼が根元において前縁でする仕事量と後縁でする仕事量との差と、翼が先端において前縁でする仕事量と後縁でする仕事量との差とを同程度にでき、これにより、翼の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。
このように、上記(1)のように、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に分散することができ、さらに上記(2)、(3)のように、翼の荷重バランスおよび回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記進入角度は、前記前縁から前記後縁へ移行するにつれ次第に変化するとともに、前記根元から前記先端に移行するにつれ次第に変化する。
上記構成では、前記進入角度は、前記前縁から前記後縁へ移行するにつれ次第に変化するとともに、前記根元から前記先端に移行するにつれ次第に変化するので、翼の荷重バランスおよび回転バランスを一層向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態によると、
(1)前記進入角度は、前記根元および前記先端において前記前縁よりも前記後縁のほうが1度以上大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさが、前記後縁でΔTであり前記前縁でΔLであるとして、ΔT/ΔLが0.9以上1.1以下であり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさを、前記根元でΔhであり前記先端でΔtであるとして、Δh/Δtが0.9以上1.1以下であり、
(4)前記前縁および前記後縁において、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差は、4.0度以下である。
上記構成では、(1)前記進入角度は、前記根元および前記先端において前記前縁よりも前記後縁のほうが1度以上大きいので、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に効果的に分散することができる。(2)また、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさが、前記後縁でΔTであり前記前縁でΔLであるとして、ΔT/ΔLを0.9以上1.1以下にすることで、翼が前縁において根元でする仕事量と先端でする仕事量との差と、翼が後縁において根元でする仕事量と先端でする仕事量との差とを同程度にでき、これにより、翼の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。(3)さらに、前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさを、前記根元でΔhであり前記先端でΔtであるとして、Δh/Δtを0.9以上1.1以下にすることで、翼が根元において前縁でする仕事量と後縁でする仕事量との差と、翼が先端において前縁でする仕事量と後縁でする仕事量との差を同程度にでき、これにより、翼の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。(4)しかも、前記前縁および前記後縁において、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差を4.0度以下にすることで、翼が前縁および後縁において根元でする仕事量と先端でする仕事量との差を小さく抑えることができ、これにより、翼の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。
このように、上記(1)のように、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に分散することができ、さらに上記(2)〜(4)のように、翼の荷重バランスおよび回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
上述した本発明によると、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制し、かつ、高い吸込み性能を実現できる。
図9のA−A線矢視図であるが、本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す。 図9の部分拡大図であるが、本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す。 本実施形態によるインデューサ装置の一例を示す斜視図である。 図9のインデューサ装置の翼を回転方向に展開して平面的に示した図であるが、本実施形態による場合を示す。 図4の部分拡大図であり、進入角度を説明するための図である。 図4の部分拡大図であり、(A)は前縁の先端を示し、(B)は前縁の根元を示している。 図4の部分拡大図であり、(A)は後縁の先端を示し、(B)は後縁の根元を示している。 インデューサ装置の複数の翼形状についてのシミュレーション結果を示す表である。 インデューサ装置が設けられたターボポンプの構成例である。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通または対応する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、図9のA−A線矢視図であるが、本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す。図2は、図9の部分拡大図であるが、本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す。図3は、本実施形態によるインデューサ装置の一例を示す斜視図である。
本実施形態によるインデューサ装置10は、図9に示すターボポンプ3に設けられる。このターボポンプ3の構成は、図9に基づいて説明したものと同じ構成であってよい。即ち、ターボポンプ3は、図9に示すように、回転軸3aと、回転軸3aに固定されたポンプ羽根車3bと、回転軸3aに固定されたタービン羽根車3cと、を有する。回転軸3aは、軸受5を介してケーシング7に回転自在に支持されている。
本実施形態によるインデューサ装置10は、図1に示すように、前記ポンプ羽根車3bの上流側において前記回転軸3aに固定される翼9を備える。
翼9は、本実施形態では、複数(図1の例では、3つ)設けられる。複数の翼9は、前記ポンプ羽根車3bの上流側において前記回転軸3aに固定され、前記回転軸3aの回転方向(以下、単に回転方向という)に配置される。各翼9は同一の寸法および形状を有する。また、複数の翼9は、前記回転方向に互いに等間隔だけずれている。なお、図1において、ケーシング7の内壁面7aは、複数の翼9を囲むように、前記回転軸3aの半径方向(以下、単に半径方向という)外側にて前記回転方向に延びている。
また、該翼9は、前記回転軸3aに結合される根元9aと、前記根元9aと反対側に位置するケーシング7側の先端9bとを有するとともに、上流端である前縁9cと、下流端である後縁9dとを有する。なお、前記半径方向は、根元9aから先端9bへ向かう方向である。
図4は、図9の翼9を回転方向に展開して翼9を平面的に示した図であるが、本実施形態による場合を示す。即ち、図4は、図9において翼9を半径方向外側から見た図であるが、翼9を回転方向に展開して示している。なお、翼9は、各回転方向位置において、回転軸3aの軸方向(以下、単に軸方向という)と垂直に延びている。
図5に示す進入角度αを用いて、本実施形態による翼9の形状を説明する。図5は、図4の部分拡大図である。進入角度αは、相対速度ベクトルωと、前記翼9の(腹側の)翼面との成す角度である。相対速度ベクトルωは、軸方向における(翼9へ進入する)流体速度成分ベクトルCaを回転する前記翼9から見た速度ベクトルである。図5において、Uは、翼9の回転速度ベクトルを示し、βは、翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルUとなす角度である。
本実施形態によると、翼9の形状は次のようになっている。
(1)前記進入角度αは(各半径方向位置において)前記前縁9cよりも前記後縁9dのほうが大きい。
(2)前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差の大きさは、前記前縁9cと前記後縁9dとで少なくともほぼ同じである。
(3)前記前縁9cでの前記進入角度αと前記後縁9dでの前記進入角度αとの差の大きさは、前記根元9aと前記先端9bとで少なくともほぼ同じである。
(4)また、好ましくは、前記前縁9cおよび前記後縁9dにおいて(即ち、各半径方向位置において)、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9aでの前記進入角度αとの差は4.0度以下である。
図6、図7に基づいて、上述の条件(1)〜(4)について詳しく説明する。
図6は、図4の部分拡大図であり、前縁9cを示している。図6(A)は前縁9cの先端9bを示し、図6(B)は前縁9cの根元9aを示している。図7は、図4の部分拡大図であり、後縁9dを示している。図7(A)は後縁9dの先端9bを示し、図7(B)は後縁9dの根元9aを示している。
図6(A)における各記号は以下のものである。
α1t:前縁9cかつ先端9bおける前記進入角度α。
ω1t:前縁9cかつ先端9bにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa1を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca1:前縁9cかつ先端9bにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U1t:前縁9cかつ先端9bおける翼9の回転速度ベクトル。
β1t:前縁9cかつ先端9bおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU1tとなす角度。
図6(B)における各記号は以下のものである。
α1h:前縁9cかつ根元9aおける前記進入角度α。
ω1h:前縁9cかつ根元9aにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa1を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca1:前縁9cかつ根元9aにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U1h:前縁9cかつ根元9aおける翼9の回転速度ベクトル。
β1h:前縁9cかつ根元9aおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU1hとなす角度。
図7(A)における各記号は以下のものである。
α2t:後縁9dかつ先端9bおける前記進入角度α。
ω2t:後縁9dかつ先端9bにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa2を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca2:後縁9dかつ先端9bにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U2t:後縁9dかつ先端9bおける翼9の回転速度ベクトル。
β2t:後縁9dかつ先端9bおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU2tとなす角度。
図7(B)における各記号は以下のものである。
α2h:後縁9dかつ根元9aおける前記進入角度α。
ω2h:後縁9dかつ根元9aにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa2を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca2:後縁9dかつ根元9aにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U2h:後縁9dかつ根元9aおける翼9の回転速度ベクトル。
β2h:後縁9dかつ根元9aおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU2hとなす角度。
・条件(1)について
上記条件(1)は、翼9の各半径位置において、α2−α1>0となっているものである。好ましくは、翼9の各半径位置において、α2−α1≧1.0[度]となっている。
従って、好ましくは、条件(1)は、α2t−α1tが次の式(a),(b)を満たすことである。

α2t−α1t≧1.0[度] ・・・(a)
α2h−α1h≧1.0[度] ・・・(b)
・条件(2)について
条件(2)は、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差の大きさが、前記後縁9dでΔTであり前記前縁9cでΔLであるとして、ΔT/ΔLが1または1に近い値であることである。即ち、ΔT=α2h―α2tであり、ΔL=α1h−α1tであるので、(α2h―α2t)/(α1h−α1t)が、1または1に近い値であることである。好ましくは、条件(2)は、次の式(c)を満たすことである。

0.9≦(α2h―α2t)/(α1h−α1t)≦1.1 ・・・(c)
・条件(3)について
条件(3)は、前記前縁9cでの前記進入角度αと前記後縁9dでの前記進入角度αとの差の大きさが、前記根元9aでΔhであり前記先端9bでΔtであるとして、Δh/Δtが1または1に近い値であることである。即ち、Δh=α2h―α1hであり、Δt=α2t−α1tであるので、(α2h―α1h)/(α2t−α1t)が、1または1に近い値であることである。好ましくは、条件(3)は、次の式(d)を満たすことである。

0.9≦(α2h―α1h)/(α2t−α1t)≦1.1 ・・・(d)
・条件(4)について
この条件(4)は、次の式(e)、(f)を満たすことである。

|α1h−α1t|≦4.0[度] ・・・(e)
|α2h−α2t|≦4.0[度] ・・・(f)
好ましくは、前記進入角度αは、翼9の各半径方向位置において、前記前縁9cから前記後縁9dへ移行するにつれ次第に変化(図4の例では、増加)する。このようになるように、図4の例では、翼9の各回転方向位置において、βは、根元9aから先端9bへ移行するに従って次第に変化(図4の例では、増加)する。
また、前記進入角度αは、翼9の各半径方向位置において、前記根元9aから前記先端9bに移行するにつれ次第に変化(図4の例では、増加)する。
図8は、インデューサ装置の複数の翼形状についてのシミュレーション結果を示す表である。即ち、図8に示すように、A〜Pの各翼9形状について、旋回キャビテーション、非対称キャビテーション、キャビテーションサージが発生するかを、シミュレーションにより検査した。
なお、旋回キャビテーションは、回転によって翼9の回転位置が変化するに伴い、キャビテーションが翼9を順に移っていく現象である。即ち、キャビテーションが回転方向に伝播する現象である。非対称キャビテーションは、各翼9に発生するキャビテーションの大きさが不均一となる現象である。キャビテーションサージは、流体が軸方向に脈動的に振動する現象である。
図8において、数式が記入されている枠と同列にある各枠については、次の通りである。丸印(即ち、「○」)が記入された枠は、同列の左側の枠にある式(即ち、上記の各式(a)〜(f)のいずれか)が満たされていることを示す。一方、バツ印(即ち、「×」)が記入された枠は、同列の左側の枠にある式(即ち、上記の各式(a)、(b)、(e)、(f)のいずれか)が満たされていないことを示す。また、「小」が記入された枠は、同列の左側の枠にある式(即ち、上記の各式(c)、(d)のいずれか)の値が、0.9より小さいことを示す。同様に、「大」が記入された枠は、同列の左側の枠にある式(即ち、上記の各式(c)、(d)のいずれか)の値が、1.1より大きいことを示す。
図8において、「旋回キャビテーション」、「非対称キャビテーション」または「キャビテーションサージ」の現象名が記入されている枠と同列にある各枠については、次の通りである。丸印(即ち、「○」)が記入された枠は、同列の左側の枠に記入された現象が発生しないことを示す。バツ印(即ち、「×」)が記入された枠は、同列の左側の枠に記入された現象が発生することを示す。
例えば、Aの場合には、上記式(a)〜(f)が全て満たされている。即ち、Aの場合には、条件(1)〜(4)の全てが満たされている。一方、B〜Pの場合には、上記式(a)〜(f)の少なくとも1つが満たされていない。即ち、B〜Pの場合には、条件(1)〜(4)の少なくとも1つが満たされていない。
図8から分かるように、上記式(a)〜(f)が全て満たされているAの場合(即ち、条件(1)〜(4)が満たされている場合)には、旋回キャビテーション、非対称キャビテーション、キャビテーションサージのいずれも発生しない。一方、上記式(a)〜(f)の少なくとも1つが満たされていないB〜Pの場合(即ち、条件(1)〜(4)の少なくともいずれかが満たされていない場合)には、旋回キャビテーション、非対称キャビテーション、キャビテーションサージの少なくともいずれかが発生する。
上述した本発明の実施形態によるインデューサ装置10では、(1)前記進入角度αは、前記根元9aおよび前記先端9bにおいて前記前縁9cよりも前記後縁9dのほうが(1度以上)大きいので、翼9に作用する荷重を、前縁9c側に集中させずに後縁9d側に効果的に分散することができる。(2)また、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差の大きさが、前記後縁9dでΔTであり前記前縁9cでΔLであるとして、ΔTとΔLとを少なくともほぼ同じ(ΔT/ΔLが0.9以上1.1以下)にすることで、翼9が前縁9cにおいて根元9aでする仕事量と先端9bでする仕事量との差と、翼9が後縁9dにおいて根元9aでする仕事量と先端9bでする仕事量との差とを同程度にでき、これにより、翼9の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。(3)さらに、前記前縁9cでの前記進入角度αと前記後縁9dでの前記進入角度αとの差の大きさを、前記根元9aでΔhであり前記先端9bでΔtであるとして、ΔhとΔtとを少なくともほぼ同じ(Δh/Δtを0.9以上1.1以下)にすることで、翼9が根元9aにおいて前縁9cでする仕事量と後縁9dでする仕事量との差と、翼9が先端9bにおいて前縁9cでする仕事量と後縁9dでする仕事量との差を同じまたは同程度にでき、これにより、翼9の荷重バランスおよび回転バランスを向上させることができる。(4)しかも、好ましくは、前記前縁9cおよび前記後縁9dにおいて、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差を4.0度以下にすることで、翼9が前縁9cおよび後縁9dにおいて根元9aでする仕事量と先端9bでする仕事量との差を小さく抑えることができ、これにより、翼9の荷重バランスおよび回転バランスをさらに向上させることができる。
このように、上記(1)のように、翼9に作用する荷重を、前縁9c側に集中させずに後縁9d側に分散することができ、さらに上記(2)〜(3)または上記(2)〜(4)のように、翼9の回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼9全体の荷重バランスを向上させつつ、逆流や2次流れやキャビテーションなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
また、前記進入角度αは、前記前縁9cから前記後縁9dへ移行するにつれ次第に変化(図4では、大きく)なるとともに、前記根元9aから前記先端9bに移行するにつれ次第に変化するので、翼9の荷重バランスおよび回転バランスを一層向上させることができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明のインデューサ装置は、ロケット用エンジンのターボポンプだけでなく、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制し、高い吸込み性能を実現することが望まれる他のポンプにも適用可能である。
3・・・ターボポンプ、3a・・・回転軸、3b・・・ポンプ羽根車、3c・・・タービン羽根車、5・・・軸受、7・・・ケーシング、7a・・・内壁面、9・・・翼、9a・・・根元、9b・・・先端、9c・・・前縁、9d・・・後縁、10・・・インデューサ装置

Claims (3)

  1. 流体を吸引するポンプ羽根車と、該ポンプ羽根車が固定され回転駆動される回転軸と、を有するポンプに設けられるインデューサ装置であって、
    前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定される翼を備え、
    該翼は、前記回転軸に結合される根元と前記根元と反対側の先端とを有するとともに、上流端である前縁と下流端である後縁とを有し、
    前記回転軸の軸方向における流体速度成分ベクトル(Ca)を回転する前記翼から見た相対速度ベクトル(ω)と、前記翼の翼面との成す角度を前記流体の進入角度(α)として、
    (1)前記進入角度は前記前縁よりも前記後縁のほうが大きく、
    (2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさは、前記前縁と前記後縁とで少なくともほぼ同じであり、
    (3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさは、前記根元と前記先端とで少なくともほぼ同じである、ことを特徴とするインデューサ装置。
  2. 前記進入角度は、前記前縁から前記後縁へ移行するにつれ次第に変化するとともに、前記根元から前記先端に移行するにつれ次第に変化する、ことを特徴とする請求項1に記載のインデューサ装置。
  3. (1)前記進入角度は、前記根元および前記先端において前記前縁よりも前記後縁のほうが1度以上大きく、
    (2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさが、前記後縁でΔTであり前記前縁でΔLであるとして、ΔT/ΔLが0.9以上1.1以下であり、
    (3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさを、前記根元でΔhであり前記先端でΔtであるとして、Δh/Δtが0.9以上1.1以下であり、
    (4)前記前縁および前記後縁において、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差は、4.0度以下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインデューサ装置。
JP2009115501A 2009-05-12 2009-05-12 インデューサ装置 Active JP5338470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115501A JP5338470B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 インデューサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115501A JP5338470B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 インデューサ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010265761A JP2010265761A (ja) 2010-11-25
JP5338470B2 true JP5338470B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=43362948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009115501A Active JP5338470B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 インデューサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5338470B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6316613B2 (ja) * 2014-02-06 2018-04-25 株式会社シバウラ防災製作所 水ポンプ装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5210902A (en) * 1975-07-15 1977-01-27 Hitachi Ltd Manufacture of inducer
WO2004007970A1 (ja) * 2002-07-12 2004-01-22 Ebara Corporation インデューサ及びインデューサ付ポンプ
JP2005330865A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd インデューサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010265761A (ja) 2010-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4863162B2 (ja) ターボファンエンジンのファン動翼
US10294795B2 (en) High pitch-to-chord turbine airfoils
JP4873200B2 (ja) ファン動翼支持構造とこれを有するターボファンエンジン
EP1536143B1 (en) Inducer, and inducer-equipped pump
US20180283179A1 (en) Gas turbine engine
US20030021674A1 (en) Enhanced performance air moving assembly
WO2014091804A1 (ja) 圧縮機
JP2007224866A (ja) 遠心圧縮機
JP5338470B2 (ja) インデューサ装置
JP2008196381A (ja) 遠心圧縮機のインペラ及び遠心圧縮機
JP5012060B2 (ja) インデューサ装置
JP2010001874A (ja) タービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機
US9206820B2 (en) Inducer with cavitation instability controls to reduce vibrations and radial loads
JP2003106103A (ja) 回転機の静翼
Wang et al. Influence of design parameters on the global performances of low-speed counter-rotating axial-flow fans
JP2019163728A (ja) 軸流圧縮機の可変静翼構造
Adachi et al. Study on the performance of a sirocco fan (optimum design of blade shape)
JP4973623B2 (ja) 遠心圧縮機のインペラ
JPH1122486A (ja) タンデム翼を用いた圧縮機構造
JP4836097B2 (ja) 軸流圧縮装置
JP2014234803A (ja) 可変容量型タービン及び可変容量型過給機
JP2021011840A (ja) インデューサ
JP4183612B2 (ja) 軸流ポンプ
JPH11343998A (ja) 軸流圧縮機
US20200049022A1 (en) Gas turbine engine mounting arrangement

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130722

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5338470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250