JP5338470B2 - インデューサ装置 - Google Patents
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Description
インデューサ装置は、図9に示すように、ポンプ羽根車3bの上流側にて回転軸3aの端部7aに固定された複数の翼9からなる羽根車を有する。回転軸3aがタービンにより回転駆動されることで、インデューサ装置の複数の翼9は、タービン羽根車3cおよびポンプ羽根車3bと同一速度で回転する。その回転速度は数万回転/分である。これにより、インデューサ装置が吸込流体を予圧してポンプ羽根車3bに送り込む。
しかし、従来では、翼9全体の荷重(負荷)バランスを良好にしつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる回転軸振動を抑え、高い吸い込み性能を実現することは困難であった。
前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定される翼を備え、
該翼は、前記回転軸に結合される根元と前記根元と反対側の先端とを有するとともに、上流端である前縁と下流端である後縁とを有し、
前記回転軸の軸方向における流体速度成分ベクトル(Ca)を回転する前記翼から見た相対速度ベクトル(ω)と、前記翼の翼面との成す角度を前記流体の進入角度(α)として、
(1)前記進入角度は前記前縁よりも前記後縁のほうが大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさは、前記前縁と前記後縁とで少なくともほぼ同じであり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさは、前記根元と前記先端とで少なくともほぼ同じである、ことを特徴とするインデューサ装置が提供される。
このように、上記(1)のように、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に分散することができ、さらに上記(2)、(3)のように、翼の荷重バランスおよび回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
(1)前記進入角度は、前記根元および前記先端において前記前縁よりも前記後縁のほうが1度以上大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさが、前記後縁でΔTであり前記前縁でΔLであるとして、ΔT/ΔLが0.9以上1.1以下であり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさを、前記根元でΔhであり前記先端でΔtであるとして、Δh/Δtが0.9以上1.1以下であり、
(4)前記前縁および前記後縁において、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差は、4.0度以下である。
このように、上記(1)のように、翼に作用する荷重を、前縁側に集中させずに後縁側に分散することができ、さらに上記(2)〜(4)のように、翼の荷重バランスおよび回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼全体の荷重バランスを向上させつつ、キャビテーションや逆流や2次流れなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
また、該翼9は、前記回転軸3aに結合される根元9aと、前記根元9aと反対側に位置するケーシング7側の先端9bとを有するとともに、上流端である前縁9cと、下流端である後縁9dとを有する。なお、前記半径方向は、根元9aから先端9bへ向かう方向である。
(1)前記進入角度αは(各半径方向位置において)前記前縁9cよりも前記後縁9dのほうが大きい。
(2)前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差の大きさは、前記前縁9cと前記後縁9dとで少なくともほぼ同じである。
(3)前記前縁9cでの前記進入角度αと前記後縁9dでの前記進入角度αとの差の大きさは、前記根元9aと前記先端9bとで少なくともほぼ同じである。
(4)また、好ましくは、前記前縁9cおよび前記後縁9dにおいて(即ち、各半径方向位置において)、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9aでの前記進入角度αとの差は4.0度以下である。
図6は、図4の部分拡大図であり、前縁9cを示している。図6(A)は前縁9cの先端9bを示し、図6(B)は前縁9cの根元9aを示している。図7は、図4の部分拡大図であり、後縁9dを示している。図7(A)は後縁9dの先端9bを示し、図7(B)は後縁9dの根元9aを示している。
α1t:前縁9cかつ先端9bおける前記進入角度α。
ω1t:前縁9cかつ先端9bにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa1を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca1:前縁9cかつ先端9bにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U1t:前縁9cかつ先端9bおける翼9の回転速度ベクトル。
β1t:前縁9cかつ先端9bおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU1tとなす角度。
図6(B)における各記号は以下のものである。
α1h:前縁9cかつ根元9aおける前記進入角度α。
ω1h:前縁9cかつ根元9aにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa1を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca1:前縁9cかつ根元9aにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U1h:前縁9cかつ根元9aおける翼9の回転速度ベクトル。
β1h:前縁9cかつ根元9aおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU1hとなす角度。
図7(A)における各記号は以下のものである。
α2t:後縁9dかつ先端9bおける前記進入角度α。
ω2t:後縁9dかつ先端9bにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa2を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca2:後縁9dかつ先端9bにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U2t:後縁9dかつ先端9bおける翼9の回転速度ベクトル。
β2t:後縁9dかつ先端9bおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU2tとなす角度。
図7(B)における各記号は以下のものである。
α2h:後縁9dかつ根元9aおける前記進入角度α。
ω2h:後縁9dかつ根元9aにおいて軸方向の流体速度成分ベクトルCa2を回転する前記翼9から見た相対速度ベクトル。
Ca2:後縁9dかつ根元9aにおいて流体が持つ軸方向の流体速度成分ベクトル。
U2h:後縁9dかつ根元9aおける翼9の回転速度ベクトル。
β2h:後縁9dかつ根元9aおいて翼9の(腹側の)翼面が回転速度ベクトルU2hとなす角度。
上記条件(1)は、翼9の各半径位置において、α2−α1>0となっているものである。好ましくは、翼9の各半径位置において、α2−α1≧1.0[度]となっている。
従って、好ましくは、条件(1)は、α2t−α1tが次の式(a),(b)を満たすことである。
α2t−α1t≧1.0[度] ・・・(a)
α2h−α1h≧1.0[度] ・・・(b)
条件(2)は、前記根元9aでの前記進入角度αと前記先端9bでの前記進入角度αとの差の大きさが、前記後縁9dでΔTであり前記前縁9cでΔLであるとして、ΔT/ΔLが1または1に近い値であることである。即ち、ΔT=α2h―α2tであり、ΔL=α1h−α1tであるので、(α2h―α2t)/(α1h−α1t)が、1または1に近い値であることである。好ましくは、条件(2)は、次の式(c)を満たすことである。
0.9≦(α2h―α2t)/(α1h−α1t)≦1.1 ・・・(c)
条件(3)は、前記前縁9cでの前記進入角度αと前記後縁9dでの前記進入角度αとの差の大きさが、前記根元9aでΔhであり前記先端9bでΔtであるとして、Δh/Δtが1または1に近い値であることである。即ち、Δh=α2h―α1hであり、Δt=α2t−α1tであるので、(α2h―α1h)/(α2t−α1t)が、1または1に近い値であることである。好ましくは、条件(3)は、次の式(d)を満たすことである。
0.9≦(α2h―α1h)/(α2t−α1t)≦1.1 ・・・(d)
この条件(4)は、次の式(e)、(f)を満たすことである。
|α1h−α1t|≦4.0[度] ・・・(e)
|α2h−α2t|≦4.0[度] ・・・(f)
また、前記進入角度αは、翼9の各半径方向位置において、前記根元9aから前記先端9bに移行するにつれ次第に変化(図4の例では、増加)する。
図8において、「旋回キャビテーション」、「非対称キャビテーション」または「キャビテーションサージ」の現象名が記入されている枠と同列にある各枠については、次の通りである。丸印(即ち、「○」)が記入された枠は、同列の左側の枠に記入された現象が発生しないことを示す。バツ印(即ち、「×」)が記入された枠は、同列の左側の枠に記入された現象が発生することを示す。
例えば、Aの場合には、上記式(a)〜(f)が全て満たされている。即ち、Aの場合には、条件(1)〜(4)の全てが満たされている。一方、B〜Pの場合には、上記式(a)〜(f)の少なくとも1つが満たされていない。即ち、B〜Pの場合には、条件(1)〜(4)の少なくとも1つが満たされていない。
図8から分かるように、上記式(a)〜(f)が全て満たされているAの場合(即ち、条件(1)〜(4)が満たされている場合)には、旋回キャビテーション、非対称キャビテーション、キャビテーションサージのいずれも発生しない。一方、上記式(a)〜(f)の少なくとも1つが満たされていないB〜Pの場合(即ち、条件(1)〜(4)の少なくともいずれかが満たされていない場合)には、旋回キャビテーション、非対称キャビテーション、キャビテーションサージの少なくともいずれかが発生する。
このように、上記(1)のように、翼9に作用する荷重を、前縁9c側に集中させずに後縁9d側に分散することができ、さらに上記(2)〜(3)または上記(2)〜(4)のように、翼9の回転バランスが向上し、これらが相俟って、翼9全体の荷重バランスを向上させつつ、逆流や2次流れやキャビテーションなどによる振動を抑制でき、高い吸込み性能を実現できる。
Claims (3)
- 流体を吸引するポンプ羽根車と、該ポンプ羽根車が固定され回転駆動される回転軸と、を有するポンプに設けられるインデューサ装置であって、
前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定される翼を備え、
該翼は、前記回転軸に結合される根元と前記根元と反対側の先端とを有するとともに、上流端である前縁と下流端である後縁とを有し、
前記回転軸の軸方向における流体速度成分ベクトル(Ca)を回転する前記翼から見た相対速度ベクトル(ω)と、前記翼の翼面との成す角度を前記流体の進入角度(α)として、
(1)前記進入角度は前記前縁よりも前記後縁のほうが大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさは、前記前縁と前記後縁とで少なくともほぼ同じであり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさは、前記根元と前記先端とで少なくともほぼ同じである、ことを特徴とするインデューサ装置。 - 前記進入角度は、前記前縁から前記後縁へ移行するにつれ次第に変化するとともに、前記根元から前記先端に移行するにつれ次第に変化する、ことを特徴とする請求項1に記載のインデューサ装置。
- (1)前記進入角度は、前記根元および前記先端において前記前縁よりも前記後縁のほうが1度以上大きく、
(2)前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差の大きさが、前記後縁でΔTであり前記前縁でΔLであるとして、ΔT/ΔLが0.9以上1.1以下であり、
(3)前記前縁での前記進入角度と前記後縁での前記進入角度との差の大きさを、前記根元でΔhであり前記先端でΔtであるとして、Δh/Δtが0.9以上1.1以下であり、
(4)前記前縁および前記後縁において、前記根元での前記進入角度と前記先端での前記進入角度との差は、4.0度以下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインデューサ装置。
Priority Applications (1)
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JP2009115501A JP5338470B2 (ja) | 2009-05-12 | 2009-05-12 | インデューサ装置 |
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JP2009115501A JP5338470B2 (ja) | 2009-05-12 | 2009-05-12 | インデューサ装置 |
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JP2010265761A JP2010265761A (ja) | 2010-11-25 |
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Family Applications (1)
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JP2009115501A Active JP5338470B2 (ja) | 2009-05-12 | 2009-05-12 | インデューサ装置 |
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-
2009
- 2009-05-12 JP JP2009115501A patent/JP5338470B2/ja active Active
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