JP2010001874A - タービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機 - Google Patents

タービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機 Download PDF

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Abstract

【課題】高い回転数で回転可能な強度を備えるとともに、ハブ部側での旋回損失及びチップ部側での摩擦損失を低減させることが可能な高効率のタービン翼を備えたタービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機を提供する。
【解決手段】主軸Oに直角な半径方向から流入する流体を主軸O方向に吐出するラジアルタービンに搭載され、主軸O周りに複数設置されるタービン翼13を備えるタービンインペラ11において、タービン翼13を、主軸に直交する断面形状が一方向に延びる二次元翼形状に成形するとともに、トレーディングエッジ17をチップ部15からハブ部14に向かうに従って翼弦方向Gに向かって傾斜させ、タービン翼13の羽根角を、トレーディングエッジ17が翼弦方向Gに向かうに従って漸次大きくなるように形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、主軸に直角な半径方向から流入する流体を主軸に沿った出口方向に吐出するラジアルタービンに搭載されるタービンインペラ、これを用いたラジアルタービン及び過給機に関する。
周知のように、過給機は、ラジアルタービンとコンプレッサとが同一回転軸上に配置され、ラジアルタービン内のタービンインペラとコンプレッサ内のコンプレッサインペラが駆動シャフトで連結されて、タービンインペラが排気ガス等により回動すると駆動シャフトを介してコンプレッサインペラが回動し、空気等が圧縮されるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
このような過給機におけるラジアルタービンにおいては、タービン性能の向上を目的として、タービンインペラが備える複数のタービン翼のキャンバー面の形状の最適化を図る必要がある。
例えばタービン翼として二次元翼形状を採用する場合、タービン翼の羽根角を小さくすると、タービン翼のハブ部(翼基端)での流れが十分に転向しないため旋回損失が発生する。一方、当該羽根角を大きくすると、タービン翼のチップ部(翼先端)の流速が早くなり摩擦損失が大きくなってしまう。
なお、羽根角とは、図9に示すように、ハブ部先端におけるタービン翼と主軸に直行する平面との交差線lに対して、タービン翼の主軸方向の任意の箇所における該タービン翼と主軸に直交する平面との交差線mが、該主軸に直交する平面上にてなす角度θのことをいう。
また、例えば非特許文献1には、タービン翼として三次元翼形状を採用することでタービンの性能向上を図る技術が記載されている。このタービン翼によれば、チャンバー面をねじるように成形することによって、ハブ部側での羽根角を大きくしつつチップ側での羽根角を小さくして旋回損失及び摩擦損失の低減を図っている。
特開2006−125588号公報 「三菱重工業製 車両用過給機の動向」日本ガスタービン学会誌、Vol33、No4、2005年7月
ところで、上記のような従来のタービンインペラにおけるタービン翼については以下の問題があった。
即ち、タービン翼として三次元翼形状を採用した場合、設計の自由度が増すことによりハブでの旋回損失及びチップ部での摩擦損失を低減させた翼形状を実現することができるものの、タービン翼がねじり形状となることによって回転時の遠心応力が大きくなり、強度上の問題から高い回転数で回転させることができないという問題があった。
また、二次元翼形状を採用した場合には、三次元翼に比べて遠心応力が小さいことから高い回転数で回転させることはできるものの、上記のようにハブ部における旋回損失及びチップ部における摩擦損失の低減を同時に図ることができないという問題があった。
この発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、高い回転数で回転可能な強度を備えるとともに、ハブ部側での旋回損失及びチップ部側での摩擦損失を低減させることが可能な高効率のタービン翼を備えたタービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係るタービンインペラは、主軸に直角な半径方向から流入する流体を前記主軸方向に吐出するラジアルタービンに搭載され、前記主軸周りに複数設置されるタービン翼を備えるタービンインペラであって、前記タービン翼は、二次元翼形状をなすとともに、トレーディングエッジがチップ部からハブ部に向かうに従って翼弦方向に向かって傾斜しており、前記タービン翼の羽根角が、前記トレーディングエッジが前記翼弦方向に向かうに連れて漸次大きくなることを特徴としている。
このような特徴のタービンインペラによれば、二次元翼形状であることから遠心応力を低減させることができるとともに、トレーディングエッジが翼弦方向(流体が翼面に沿って流れる方向)に向かうに従って羽根角が漸次大きくなることで、当該トレーディングエッジの基端側にあたるチップ部後端における羽根角を比較的小さく抑えたまま、トレーディングエッジの先端側にあたるハブ部後端においては羽根角を大きくすることできる。これにより、チップ部側における摩擦損失及びハブ部側における旋回損失を低減させることが可能になる。
さらに 本発明に係るタービンインペラにおいては、前記タービン翼は、前記ハブ部後端における羽根角が前記チップ部後端における羽根角よりも23°以上大きくなるように形成されていることを特徴としている。
これにより、チップ部後端では羽根角が比較的小さいまま、ハブ部の後端での羽根角が大きくなるため、旋回損失及び摩擦損失を効果的に低減させることが可能となる。
さらに 本発明に係るタービンインペラにおいて、前記タービン翼は、前記ハブ部後端における羽根角が50°以上、チップ部の後端における羽根角が27°以下となるように形成されていることを特徴している。
これにより、ハブ部後端における旋回損失の低減とチップ部の先端における摩擦損失の低減をより効果的に図ることが可能となる。
また、本発明に係るタービンインペラにおいては、前記タービン翼は、前記ハブ部後端が前記チップ部後端よりも前記主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.15以上延びていることを特徴としている。
これによってトレーディングエッジの傾斜を大きくとることができるため、チップ部後端とハブ部後端との羽根角の差を大きく設けることが可能となる。
本発明に係るラジアルタービンは、上記のいずれかのタービンインペラを備えることを特徴としている。
このような特徴のラジアルタービンによれば、上記のようにタービンインペラにおける旋回損失と摩擦損失とを低減させてタービン性能を向上させることができる。
本発明に係る過給機は、内燃機関からの排気ガスにより駆動されるラジアルタービンと、前記ラジアルタービンにより回転駆動されるコンプレッサインペラにより前記内燃機関に向けて圧縮空気を供給するコンプレッサとを有する過給機において、前記ラジアルタービンとして上記のラジアルタービンを用いたことを特徴としている。
このような特徴の過給機によれば、上記のタービンインペラ及びラジアルタービンと同様の作用効果を奏する。
本発明に係るタービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機によれば、遠心応力を低減させて高い回転数での回転が可能となるとともに、タービン翼のチップ部後端における羽根角を比較的小さくしつつハブ部後端における羽根角を大きくすることで旋回損失及び摩擦損失を低減させて、タービン効率を向上させることが可能となる
以下、図面を参照し、本発明に係るタービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態である過給機の全体構成を示す側断面図であり、図2は図1における過給機のタービンインペラ付近の部分拡大図、図3はタービンインペラの斜視図でである。
図1に示すように、過給機1は、ラジアルタービン10とコンプレッサ30とベアリング部40とを備えており、ラジアルタービン10に設けられたタービンインペラ11とコンプレッサ30に設けられたコンプレッサインペラ31とが、ベアリング部40に設けられた駆動シャフト41にそれぞれ固定されて主軸O回りに回転される構成とされている。
タービンインペラ11及びコンプレッサインペラ31は、主軸O周りに複数のタービン翼13又はコンプレッサ翼33が立設されたラジアルインペラである。タービンインペラ11は、その外周側から吹き付けられる排気ガスが隣り合うタービン翼13の間を流れて主軸O方向へ抜けることによってトルクを受けて回転する。コンプレッサインペラ31は、回転駆動されることによりコンプレッサ翼33が立設された外周側に主軸O方向から流入する外気を圧縮するようになっている。
また、ラジアルタービン10はタービンインペラ11等が収容されるタービンハウジング12を、コンプレッサ30はコンプレッサインペラ31等が収容されるコンプレッサハウジング32を、ベアリング部40は駆動シャフト41等が収容されるベアリングハウジング42をそれぞれ備えており、これらタービンハウジング12、ベアリングハウジング32及びコンプレッサハウジング42が順次連結されることによって、ラジアルタービン10、コンプレッサ30及びベアリング部40が固定一体化された構成とされている。
ベアリング部40において、駆動シャフト41は、その軸心がタービンインペラ11及びコンプレッサインペラ31の回転軸と同心に、即ち主軸O上に配設され、該駆動シャフト41の一端部にはタービンインペラ11が溶接等により一体化され、他端部にはコンプレッサインペラ31がナット41aを介して一体的に結合されている。
また、ベアリングハウジング42は、タービンハウジング12とコンプレッサハウジング32とを気密に連結するとともに、空気軸受34によって駆動シャフト41を当該ベアリングハウジング42に対して回転自在に支持している。
コンプレッサハウジング32には駆動シャフト41と同軸上に配置される吸気口32aが形成されており、この吸気口32aから外気が吸引される。
また、コンプレッサハウジング32は、外周側から突出した吐出流路(図示省略)を有している。この吐出流路は、内燃機関の給気口に接続されて、加圧空気を内燃機関へと導く。
そして、ラジアルタービン10において、タービンハウジング12には、スクロール流路Fが形成されている。このスクロール流路Fの内周側には、環状の排気ガス流路f(流体入口流路)が形成されている。
また、タービンハウジング12は、外側に突出した排気ガス導入路(図示省略)を有している。この排気ガス導入路は、内燃機関(図示省略)の排気口に接続されて、内燃機関が排出する排気ガスをスクロール流路Fに導き入れるものである。
更に、タービンハウジング12には、駆動シャフト41の同軸上に配置された排気ガス排出口12aが形成されている。この排気ガス排出口12aは、排気筒(図示省略)等に接続されており、これによって排気ガスが外部に排出される。
そして、上記排気ガス流路fには、その周方向に複数のノズルベーン50が配設されている。このノズルベーン50は、それぞれがタービンインペラ11の回転軸、即ち主軸Oと平行に配置された中心軸を中心にして回動可能に設けられている。そして、これら複数のノズルベーン50が互いに同期して回動することで、排気ガス流路fの流体が通過可能な範囲を変化させ、タービンインペラ11に供給される排気ガスの流速を調整可能としている。
このような構成により、内燃機関から、高温・高圧の排気ガスが排気ガス導入路によりタービンハウジング12内に流入し、タービンインペラ11を回転させた後に、排気ガス排出口12aより外部に排気される。そして、タービンインペラ11の回転は、駆動シャフト41を介して、コンプレッサインペラ31に伝達される。
これにより、吸気口32aから外気がコンプレッサハウジング32内に吸入され、更に圧縮された後に、吐出流路を経て内燃機関に供給される。この際、駆動シャフト41の回転数は、例えば数万〜数10万rpm程度となる。
次に、本実施形態のタービンインペラ11におけるタービン翼13の構成について図2及び図3を用いて説明する。
タービン翼13は、主軸O対して直交する面で切断した場合に、その翼断面形状の中心線が半径方向に沿って設けられているとともに、この略直線形状がその長さ及び主軸に対する角度を変化させながら主軸Oと平行な方向に順次積み上げられて成形された二次元翼形状をなしている。
このタービン翼13において、その立ち上がり部分に相当する翼基端がハブ部14であり、該ハブ部14は、図2に示す側面視において、翼弦方向G(排気ガスが翼面に沿って流れる方向)に向かうに従って主軸O径方向内側に向かうように湾曲している。
また。このハブ部14に対向してタービン翼13の主軸O径方向外側に位置する翼先端がチップ部15であり、当該チップ部15もハブ部14同様、図2における側面視において、翼弦方向に向かうに従って主軸O径方向内側に向かうように湾曲している
なお、以下では、上記ハブ部14における排気ガスが流入する入り口側をハブ部先端14aと、該ハブ部14における排気ガスが流出する出口側をハブ部後端14bとする。同様に、上記チップ部15における排気ガスが流入する入り口側をチップ部先端15aと、該チップ部15における排気ガスが流出する出口側をチップ部後端15bとする。
また、タービン翼13における排気ガスが流入する側の端部は、上記ハブ部先端14aとチップ部先端15aとを掛け渡すように延びるリーディングエッジ16とされている。ここで、タービン翼13の側面視にて、このリーディングエッジ16とチップ部先端15aから主軸O径方向内側に向かって下ろした線分とを二辺とする略三角形部分をリーディングエッジ側翼18とする。
さらに、タービン翼13における排気ガスが流出する側の端部は、上記ハブ部後端14bとチップ部後端15bとを掛け渡すように延びるトレーディングエッジ17とされている。ここで、タービン翼13の側面視にて、このトレーディングエッジ17を斜辺とする略直角三角形部分をトレーディングエッジ側翼19とする。
そして、タービン翼13における上記リーディングエッジ側翼18とトレーディング翼翼19との間の部分を中間翼20とする。
次に上記のようなタービン翼13の詳細な形状及び寸法について図4を参照しながら説明する。図4(a)はタービン翼の側面視形状を示すグラフ、図4(b)はタービン翼の羽根角の分布を示すグラフである。これらのグラフにおいて、軸方向長さZとはハブ部先端14aを基準とした主軸O方向の長さを示している。なお、羽根角θの定義は上述の通りである(図9参照)。
本実施形態のタービン翼13は、ハブ部後端14bの軸方向長さZがチップ部後端15bよりも主軸O方向に延びた形状をしており、具体的には、ハブ部後端14bはチップ部後端15bよりも主軸O方向にインペラ最外半径に対する比で0.17延びている。これにより、トレーディングエッジ17はチップ部後端15bからハブ部後端14bに向かうに従って翼弦方向G、即ち流体の出口方向に向かって傾斜した形状になっている。
なお、ハブ部後端14bがチップ部後端15bよりも主軸O方向にインペラ最外半径に対する比で0.15延びているものであってもよい。
このタービン翼13の羽根角を見ると、図4(b)に示すように、排気ガスの入り口に当たるハブ部先端14aからチップ部先端15aまでの範囲、即ちリーディングエッジ側翼18の部分は負の値を示しており、これは当該リーディングエッジ側翼18の翼面が排気ガスの出口方向を向くように主軸Oに対して傾斜していることを示している。
また、チップ部先端15aからチップ部後端15bまでの範囲、即ち中間翼20は、リーディングエッジ側翼18に滑らかに連なるようにして緩やかに羽根角が大きくなり、チップ部後端15bにおける羽根角は27°とされている。
さらに、排気ガスの出口に当たるチップ部後端15bからハブ部後端14bまでの範囲、即ちトレーディングエッジ側翼19は、中間翼20に滑らかに連なるとともに、その羽根角は主軸O方向に向かうに従って比較的急勾配で大きくなり、タービン翼13の最後端に位置するハブ部後端14bにおける羽根角は54°とされている。
なお、チップ部後端15bとハブ部後端14bとの羽根角は、上記に限定されず、例えば、チップ部後端15bの羽根角を27°の場合に、ハブ部後端14bの羽根角を50°としてものであってもよい。
このようにして、本実施形態のタービン翼13は、トレーディングエッジ17がチップ部からハブ部に向かうに従って翼弦方向G、即ち排気ガスの出口方向に向かって傾斜し、さらに、排気ガスの出口に当たるトレーディングエッジ側翼19の羽根角が出口側に向かうに従って急勾配で大きくされた形状とされている。
したがって、二次元翼形状であることから主軸Oに直交する断面においてチップ部15とハブ部14の羽根角は同一となるが、チップ部15側の排気ガスの出口であるチップ部後端15bにおける羽根角を比較的小さく抑えつつも、ハブ部14側の排気ガスの出口であるハブ部後端14bにおける羽根角を大きくすることが可能となる。
ここで、一般に、羽根角が小さい場合、ハブ部14での排気ガスの流れが十分に転向しないため旋回損失が発生する。一方、羽根角が大きいと、チップ部15の排気ガスの流速が早くなり摩擦損失が大きくなってしまう。従って、タービン翼の形状としてはチップ部15側での羽根角が小さく、ハブ部14側での羽根角が大きい方が望ましい。また、強度の観点からは、作用する遠心応力が低い二次元翼形状であることが好ましい。
この点、本実施形態のタービン翼13は、上記の通り、二次元翼形状でありつつも、チップ部後端15bにおける羽根角を比較的小さく、ハブ部後端14bにおける羽根角を大きくすることができる。従って、より高い回転数で回転させることができ、かつ旋回損失及び摩擦損失を低減させてタービン効率を向上させることが可能となる。
以上、図面を参照しながら本発明に係るタービンインペラ、ラジアルタービン及び過給機の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下、上記タービン翼の実施例についてのシミュレーション結果を説明する。
図5(a)は本シミュレーションで用いたタービン翼の側面視形状を示し、図5(b)は同じく本シミュレーションで用いたタービン翼の羽根角の分布を示している。
本実施例においては、形状の異なる3つのタービン翼を用いてラジアルタービンを回転させた場合における排気ガスの流れについてのシミュレーションを行った。
図5に示す実施例1及び実施例2のタービン翼は上記実施形態において説明したタービン翼に対応する。
実施例1のタービン翼は、チップ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.75、ハブ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.92であり、ハブ部後端の方がチップ部後端よりも主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.17長い形状とした。また、チップ部後端における羽根角は27°、ハブ部後端における羽根角は54°として、これらチップ部後端とハブ部後端における羽根角の差は27°に設定した。
実施例2のタービン翼は、チップ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.75、ハブ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.90であり、ハブ部後端の方がチップ部後端よりも主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.15長い形状とした。また、チップ部後端における羽根角は27°、ハブ部後端における羽根角は50°として、これらチップ部後端とハブ部後端における羽根角の差は23°に設定した。
一方、実施例3のタービン翼は、上記実施例1とはチップ部後端からハブ部後端までの範囲、即ちトレーディングエッジ側翼における形状を異にしたものであり、チップ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.75、ハブ部後端の軸方向長さZ位置のインペラ最外半径に対する比が0.88であり、ハブ部後端の方がチップ部後端よりも主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.13長い形状とした。また、チップ部後端における羽根角は27°、ハブ部後端における羽根角は43°として、これらチップ部後端とハブ部後端における羽根角の差は16°に設定した。
即ち、実施例1及び実施例2は実施例3に比べて、リーディングエッジ側翼が大きく形成されているとともに当該リーディングエッジ側翼の羽根角の勾配が大きくされている。
図6にタービン翼出口における絶対流れ角のシミュレーション結果を、図7にタービン翼出口における相対マッハ数のシミュレーション結果を示した。なお、横軸のspanはタービン翼の主軸径方向の位置を示しており、0がハブ部後端を1がチップ部後端を示している。
なお、図6において、絶対流れ角は小さいほど旋回損失が小さいことを示している。また、図7においては、相対マッハ数と流速とは比例関係があり当該マッハ数が小さいほど摩擦損失が低いこと示している。
実施例1、2及び3とを比較すると、図7に示すように相対マッハ数はほぼ同等であるのに対し、図6に示すように、特にハブ部側において実施例1及び実施例2の絶対流れ角の値が小さくなっていることがわかる。従って、リーディングエッジ側翼を大きくするとともに当該リーディングエッジ側翼の羽根角の勾配を大きくすることで、摩擦損失を大きくすることなく旋回損失を低減可能なことがわかった。
また、図8にタービン膨張比とタービン効率の関係のシミュレーション結果を示した。なお、ラジアルタービンの回転数が高いほどタービン膨張比は大きくなる。
実施例1、2及び3を比較すると、実施例1及び実施例2の方がタービン膨張比の差異にかかわらずタービン効率が高いことがわかった。また、タービン効率は、タービン膨張比が低い、即ち回転数が小さい場合に、実施例1と実施例2とのタービン効率の差が顕著であることがわかった。
以上のような実施例1、2及び3の比較シミュレーションから、旋回損失及びタービン効率はともに実施例1及び2が優れていることがわかった。特に、当該実施例1及び2のタービン翼をディーゼルエンジンに適用した場合、排気ガス(NOX)を低減することができ、排ガス規制をクリアすることが可能となる。
よって、ハブ部後端の方をチップ部後端よりも主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.15よりも長い形状とし、これらチップ部後端とハブ部後端における羽根角の差を23°より大きく設定することが、旋回損失及びタービン効率の観点から有効であることがわかった。
本発明の実施形態である過給機の全体構成を示す側断面図である。 過給機のタービンインペラ付近の部分拡大図である。 タービンインペラの斜視図である。 (a)はタービン翼の側面視形状を示すグラフ、図4(b)はタービン翼の羽根角の分布を示すグラフである。 (a)はシミュレーションで用いたタービン翼の側面視形状、図5(b)はシミュレーションで用いたタービン翼の羽根角の分布である。 タービン翼出口における絶対流れ角のシミュレーション結果である。 タービン翼出口における相対マッハ数のシミュレーション結果である。 タービン膨張比とタービン効率の関係のシミュレーション結果である。 羽根角を説明する図である。
符号の説明
10 ラジアルタービン
11 タービンインペラ
13 タービン翼
14 ハブ部
14a ハブ部先端
14b ハブ部後端
15 チップ部
15a チップ部先端
15b チップ部後端
17 トレーディングエッジ
30 コンプレッサ
31 コンプレッサインペラ
G 翼弦方向
O 主軸

Claims (6)

  1. 主軸に直角な半径方向から流入する流体を前記主軸方向に吐出するラジアルタービンに搭載され、前記主軸周りに複数設置されるタービン翼を備えるタービンインペラであって、
    前記タービン翼は、二次元翼形状をなすとともに、トレーディングエッジがチップ部からハブ部に向かうに従って翼弦方向に向かって傾斜しており、
    前記タービン翼の羽根角が、前記トレーディングエッジが前記翼弦方向に向かうに連れて漸次大きくなることを特徴とするタービンインペラ。
  2. 前記タービン翼は、前記ハブ部後端における羽根角が前記チップ部後端における羽根角よりも23°以上大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタービンインペラ。
  3. 前記タービン翼は、前記ハブ部後端における羽根角が50°以上、チップ部の後端における羽根角が27°以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の記載のタービンインペラ。
  4. 前記タービン翼は、前記ハブ部後端が前記チップ部後端よりも前記主軸方向にインペラ最外半径に対する比で0.15以上延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタービンインペラ。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のタービンインペラを備えることを特徴とするラジアルタービン。
  6. 内燃機関からの排気ガスにより駆動されるラジアルタービンと、
    前記ラジアルタービンにより回転駆動されるコンプレッサインペラにより前記内燃機関に向けて圧縮空気を供給するコンプレッサとを有する過給機において、
    前記ラジアルタービンとして請求項5に記載のラジアルタービンを用いたことを特徴とする過給機。
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