JP5338321B2 - 用紙処理装置、画像形成装置及び画像形成システム - Google Patents

用紙処理装置、画像形成装置及び画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、用紙(転写紙、厚紙、葉書、OHPシート等のシート状記録媒体)を搬送し、前記用紙の仕分け、綴じ、スタック等を行う用紙処理装置と、この用紙処理装置を一体又は別体に備えた画像形成装置及び画像形成システムに関する。
用紙処理装置やそれを備えた画像形成装置に関する技術が従来から提案されており、例えば本願発明者らが先に提案した特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1には、搬送方向に対して長尺の用紙の場合においても紙間時間の短縮化に対応すること、及び画像形成速度の高速化に対応することができるようにすることを目的として、処理トレイへ用紙を案内する第1の搬送路と、前記第1の搬送路から分岐し、一時的に前記用紙を退避させる第2の搬送路と、前記用紙を前記処理トレイ側及び前記処理トレイ側とは逆側の方向へ搬送する搬送手段と、前記搬送手段により前記用紙を逆行させたときに当該用紙を前記第2の搬送路へ案内する切り換え手段と、を備え、前記第2の搬送路に一時的に退避していた先行する用紙を後行する用紙と重ね合わせて搬送する機能を有する用紙搬送装置において、搬送方向の用紙寸法に応じて前記搬送手段の前記第1及び第2の搬送路の分岐点からの距離を変更する手段を備えていることを特徴とする用紙搬送装置が記載されており、さらには、その用紙搬送装置を備えた用紙処理装置、この用紙処理装置を一体又は別体に備えた画像形成装置が記載されている。
そして、この特許文献1に記載された技術によれば、搬送方向の用紙寸法に応じて前記搬送手段の前記第1及び第2の搬送路の分岐点からの距離を変更し、あるいは、先行する用紙を逆行させたときに搬送方向の用紙寸法に応じて前記用紙を停止させる位置を変更するので、小サイズから大サイズまでプレスタックを可能とすることができ、搬送方向に対して長尺の用紙の場合においても紙間時間の短縮化に対応し、また、画像形成速度の高速化に対応することができる。
また、他の従来技術として、特許文献2には、最適なプロダクティビティ(処理速度)で、安定して長く、かつ、消費電力を増加させずに、全体的な用紙処理速度をより速くすることができる用紙処理装置および方法を提供することを目的として、用紙を搬入し搬送し排出する用紙処理装置において、用紙の搬入から排出までに用紙に対して行われる各処理と、該各処理に要する処理時間とを対応させてストアしたストア手段と、該ストア手段から第1の用紙の一連の処理に要する処理時間を取り出す取出手段と、該取出手段により取り出された処理時間に基づき、前記第1の用紙が搬入されてから次の第2の用紙が搬入されるまでの搬入時間間隔を算出する第1算出手段と、前記第1の用紙が搬入されてから、前記第1算出手段により算出された搬入時間間隔が経過した直後に、前記第2の用紙を搬入開始する搬入タイミング制御手段とを備えたことを特徴とする用紙処理装置が記載されている。
そして、この特許文献2に記載された技術によれば、算出された時間に合わせて紙間を制御するように構成したので、最適なプロダクティビティ(処理速度)で、安定して長く、かつ、消費電力を増加させずに、全体的な用紙処理速度をより速くすることができるとしている。
特開2006−347769号公報 特開平10−198101号公報
従来は、用紙処理装置で後処理を施す部内の用紙の整合は1枚毎に行うのが一般的であったが、最近の高速機においては1枚毎に整合する時間が無いため、1枚置きにプレスタックを行い2枚を同時に整合している。更に高速化に対応するためには、2枚以上のプレスタックを行い、複数枚を同時に整合することもできるようにしている。但し、サイズ、紙厚、モード等によってはプレスタックを行わない、またはプレスタック枚数を少なくする必要がある。プレスタックを行わない、または少なくすると整合する時間を稼ぐために受入紙間隔を長くし生産性を落とす必要がある。
紙間隔を長くする場合は、部内の全用紙の紙間隔を一律長くするのが普通であった。しかし、複数枚のプレスタックを行う場合、この方法では紙間隔の制御が複雑化する。これはプレスタック枚数によって、生産性が最適になる紙間隔が変わってくるためで、プレスタック枚数ごとに紙間隔の制御を変更する必要がある。このため制御が複雑化し、開発期間の増大やソフトバグの増大に繋がる。
紙間隔の制御をなるべく複雑にさせないようにするには長めの紙間隔を設定することになるが、これでは最適な生産性にならない。つまり、本来の機器能力に対して生産性が低下してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、プレスタック枚数置きの用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することで、上記従来の不具合を解消し、生産性を低下せずに後処理を行うことができる用紙処理装置を提供することを目的とし、さらには、その用紙処理装置を備えた画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、用紙処理装置であって、「画像形成後の用紙に対して、用紙整合トレイへ用紙を案内する搬送路を有し、前記用紙整合トレイに積載した用紙に対して所定の後処理を施す後処理手段を有し、前記用紙整合トレイの上流側にあり、前記後処理手段にて用紙を後処理している間、次の用紙が前記用紙整合トレイに進入して来ないように1又は複数枚の用紙を滞留させるプレスタック部を有する用紙後処理ユニット」と、「前記用紙後処理ユニットに対し用紙を供給する用紙供給ユニット」を備えた用紙処理装置において、「前記プレスタック部は、後処理の単位である複数用紙を滞留させる前記用紙後処理ユニット部内において、滞留紙規定枚数Nのプレスタックを繰り返す機能を有しており、前記用紙処理装置は、前記滞留紙規定枚数N置きの、前記プレスタックが行われない用紙と前記プレスタックが行われない用紙とが必要紙間以下の場合に、該プレスタックが行われない用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、前記用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御する」ことを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の手段は、第1の手段に記載の用紙処理装置において、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを、後処理モードに基づき決定することを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段に記載の用紙処理装置おいて、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを、用紙サイズ情報に基づき決定することを特徴とする(請求項3)。
さらに本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置おいて、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の最大枚数を設定する手段を有することを特徴とする(請求項4)。
本発明の第5の手段は、第1〜第4のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、異なるサイズの用紙を前記用紙後処理ユニット部内に混在して受け入れる混載モードの場合は、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とすることを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段に記載の用紙処理装置において、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とするのは、用紙サイズが変化する直前の用紙以降とすることを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、第1〜第4のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、折りの施された用紙を前記用紙後処理ユニット部内に1枚以上受け入れる折り用紙受入モードの場合は、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とすることを特徴とする(請求項7)。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段に記載の用紙処理装置において、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とするのは、折りの施された用紙の直前の用紙以降とすることを特徴とする(請求項8)。
本発明の第9の手段は、第1〜第8のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、前記プレスタック部にて滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nが0である場合は、前記用紙後処理ユニット部内の前後した用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、前記用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することを特徴とする(請求項9)。
また、本発明の第10の手段は、第1〜第9のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、前記プレスタック部にて滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nが0である場合は、該滞留紙規定枚数Nが0でない場合に対し、前記規定時間を変更することを特徴とする(請求項10)。
本発明の第11の手段は、第1〜第10のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、前記滞留紙規定枚数Nを、前記用紙後処理ユニットから前記用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することを特徴とする(請求項11)。
また、本発明の第12の手段は、第1〜第11のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、前記規定時間を、前記用紙後処理ユニットから前記用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することを特徴とする。
本発明の第13の手段は、画像形成装置であって、第1〜第12のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置を備えたことを特徴とする(請求項13)。
また、本発明の第14の手段は、第13の手段に記載の画像形成装置において、前記用紙後処理ユニットは、画像形成装置本体の外部に設置されることを特徴とする(請求項14)。
さらに本発明の第15の手段は、第13または第14の手段に記載の画像形成装置において、前記用紙供給ユニットは、画像形成装置本体の一部であることを特徴とする(請求項15)。
本発明の第16の手段は、画像形成システムであって、第1〜第12のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置と、画像形成装置とを連結したことを特徴とする(請求項16)。
本発明に係る第1の手段の用紙処理装置では、プレスタック枚数置きの用紙間の時間が規定時間以上となるように、用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することで、従来の用紙処理装置における不具合を解消し、生産性を低下せずに後処理を行うことができる。
上記の第1の手段の用紙処理装置においては、プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上する。よって、整合動作が間に合う範囲でプレスタック枚数は少ない方が良い。また、後処理のモードによって、整合に必要な時間は変化する。例えば、用紙の端面を綴じる端綴じモードと中綴じ・折りを行う中綴じモードでは処理が異なるため整合に必要な時間も変わる場合がある。仮に、中綴じモードに比べて端綴じモードの整合動作が短い時間で済むのであれば、中綴じモードに比べて端綴じモードのプレスタック枚数は少なく出来る可能性がある。
上記のように、プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上するので、第2の手段の用紙処理装置では、第1の手段の構成に加えて、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の滞留紙規定枚数Nを、後処理モードに基づき決定することにより、プレスタック枚数を最適化して整合性、紙種対応性を向上させることが出来る。
第1または第2の手段の用紙処理装置においては、プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上する。よって、整合動作が間に合う範囲でプレスタック枚数は少ない方が良い。また、用紙のサイズによって、整合に必要な時間は変化する。例えば長手サイズの用紙の場合、1枚分のプレスタックで稼げる紙間隔が大きい。したがって、プレスタック枚数は少なくても生産性が低下しない。逆に短手の用紙の場合は多数枚のプレスタックを行わないと生産性が低下してしまう。つまり、小サイズに比べて大サイズのプレスタック枚数は少なく出来る可能性がある。
上記のように、プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上するので、第3の手段の用紙処理装置では、第1または第2の手段の構成に加えて、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の滞留紙規定枚数Nを、用紙サイズ情報に基づき決定することにより、プレスタック枚数を最適化して整合性、紙種対応性を向上させることが出来る。
第1〜第3のいずれか一つの手段の用紙処理装置において、プレスタック滞留部は用紙を重ね合わせて搬送するため、厚紙や特殊紙の搬送品質が悪くなる場合が多い。この様に搬送品質が悪く、ジャムや用紙ダメージが発生する又は用紙整合性が低下する場合は、プレスタック枚数を少なくしたり、プレスタックを行わない(プレスタック枚数を0にする)設定とすることで、搬送品質を向上させることができる。
そこで第4の手段の用紙処理装置では、第1〜第3のいずれか一つの手段の構成に加えて、前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の最大枚数を設定する手段を有することにより、プレスタック枚数を最適化して整合性、紙種対応性を向上させることが出来る。
第1〜第4のいずれか一つの手段の用紙処理装置では、用紙後処理ユニット部内において、異なる用紙サイズを受け入れる場合、重ね合わせの搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題がある場合がある。プレスタックを行う場合は複数の用紙を同時に整合させるため、搬送方向の揃えも用紙の端部を揃える必要がある。この場合、用紙サイズが同じである必要があるので、サイズ混載時は整合が行えない。このため、プレスタックを行わないで、1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。
そこで第5の手段の用紙処理装置では、第1〜第4のいずれか一つの手段の構成に加えて、異なるサイズの用紙を用紙後処理ユニット部内に混在して受け入れる混載モードの場合は、滞留紙の滞留紙規定枚数Nを0とすることにより、サイズ混載時のプレスタック枚数を0として搬送性、整合性を向上させることが出来る。
第5の手段の用紙処理装置において、搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題があるのは、用紙サイズが変化する直前の用紙以降である。用紙サイズが変化する直前の用紙をプレスタックすると、次のサイズの異なる用紙と重ね合わせて搬送、整合する必要があるためで、逆にそれ以前の用紙に関しては同サイズであるので、プレスタックを行った方が生産性が向上する。
そこで第6の手段の用紙処理装置では、第5の手段の構成に加えて、滞留紙の滞留紙規定枚数Nを0とするのは、用紙サイズが変化する直前の用紙以降とすることにより、プレスタック枚数を0とするタイミングを最適化し、生産性を向上させることが出来る。
第1〜第4のいずれか一つの手段の用紙処理装置では、用紙後処理ユニット部内において、折りの施された用紙を受け入れる場合、重ね合わせの搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題がある場合がある。Z折り等の施された用紙は端部が曲がって折られている場合があり、端部を押すことで逆に整合性が悪くなる可能性がある。このため、プレスタックを行わないで、1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。
そこで第7の手段の用紙処理装置では、第1〜第4のいずれか一つの手段の構成に加えて、折りの施された用紙を用紙後処理ユニット部内に1枚以上受け入れる折り用紙受入モードの場合は、滞留紙の滞留紙規定枚数Nを0とすることにより、折り用紙処理時のプレスタック枚数を0として搬送性、整合性を向上させることが出来る。
第7の手段の用紙処理装置において、搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題があるのは、折りの施された用紙の直前の用紙以降である。折りの施された用紙の直前の用紙をプレスタックすると、折り用紙と重ね合わせて搬送、整合する必要があるためで、逆にそれ以前の用紙に関しては、プレスタックを行った方が生産性が向上する。
そこで第8の手段の用紙処理装置では、第7の手段の構成に加えて、滞留紙の滞留紙規定枚数Nを0とするのは、折りの施された用紙の直前の用紙以降とすることにより、プレスタック枚数を0とするタイミングを最適化し、生産性を向上させることが出来る。
第9の手段の用紙処理装置では、第1〜第8のいずれか一つの手段の構成に加えて、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の滞留紙規定枚数Nが0である場合は、用紙後処理ユニット部内の前後した用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することにより、プレスタック枚数が0となった場合でも、同様の紙間隔制御によって、生産性の低下を最小限にすることが出来る。
第1〜第9のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、プレスタックを行う場合は複数の用紙を同時に整合させるため、搬送方向の揃えも用紙の端部を揃える必要がある。この場合、用紙サイズが同じである必要がある。また、Z折り等の施された用紙は端部が曲がって折られている場合があり、端部を押すことで逆に整合性が悪くなる可能性がある。このため、プレスタックを行わない場合は1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。このように、プレスタックを行う場合と、行わない場合で整合方式が異なり、整合時間も変わってくる場合がある。
そこで第10の手段の用紙処理装置では、第1〜第9のいずれか一つの手段の構成に加えて、前記プレスタック部にて滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nが0である場合は、該滞留紙規定枚数Nが0でない場合に対し、前記規定時間を変更することにより、生産性を最適化することが出来る。
第1〜第10のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の枚数の最適値は、用紙後処理ユニットの機構、制御で決まる。また、モードやサイズによって整合制御も変える必要があり、必要なプレスタック枚数も変わる可能性がある。更に、用紙後処理ユニットの機構、制御に変更を加えた場合も必要なプレスタック枚数が変わる可能性がある。用紙間隔制御を用紙供給ユニットが行う場合、各条件に応じたプレスタック枚数の最適値を用紙供給ユニットが認識する必要があるが、この最適値を用紙供給ユニットが記憶している場合、用紙後処理ユニットの機構、制御に変更を加えた場合に用紙供給ユニットが記憶している最適値も同時に変更する必要がある。
そこで第11の手段の用紙処理装置では、第1〜第10のいずれか一つの手段の構成に加えて、各後処理モード、後処理の詳細動作が変更になり、必要なプレスタック枚数が変更された場合は、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを、用紙後処理ユニットから用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することにより、用紙後処理ユニットの変更だけで最適な紙間制御を行うことが出来る。
第1〜第11のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置において、プレスタック枚数置きの規定時間の最適値は、用紙後処理ユニットの機構、制御で決まる。また、モードやサイズによって整合制御も変える必要があり、必要な規定時間も変わる可能性がある。更に、用紙後処理ユニットの機構、制御に変更を加えた場合も必要な規定時間が変わる可能性がある。用紙間隔制御を用紙供給ユニットが行う場合、各条件に応じた規定時間の最適値を用紙供給ユニットが認識する必要があるが、この最適値を用紙供給ユニットが記憶している場合、用紙後処理ユニットの機構、制御に変更を加えた場合に用紙供給ユニットが記憶している最適値も同時に変更する必要がある。
そこで第12の手段の用紙処理装置では、第1〜第11のいずれか一つの手段の構成に加えて、各後処理モード、後処理の詳細動作が変更になり、必要な規定時間が変更された場合は、プレスタック枚数置きの規定時間を、用紙後処理ユニットから用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することにより、用紙後処理ユニットの変更だけで最適な紙間制御を行うことが出来る。
第13〜第15の手段の画像形成装置では、第1〜第12のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置を一体又は別体で備えたことにより、第1〜第12のいずれか一つの手段と同様の効果を有する画像形成装置を提供することができる。
また、第16の手段の画像形成システムでは、第1〜第12のいずれか一つの手段に記載の用紙処理装置と、画像形成装置とを連結したことにより、第1〜第12のいずれか一つの手段と同様の効果を有する画像形成システムを提供することができる。
本発明の一実施形態を示す図であって、用紙処理装置と画像形成装置とからなる画像形成システムの概略構成を示す図である。 図1に示す画像形成システムの制御構成の一例を示すブロック図である。 用紙の搬送方向の長さがB5横サイズ(182mm)以上B5縦サイズ(257mm)未満の用紙の処理動作を示す動作説明図である。 図3の動作を行う場合の2枚目の用紙(後行する用紙)の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図4のタイミングチャートに対応する入口ローラ、第1の搬送ローラ及び第2の搬送ローラの動作タイミングを示すタイミングチャートである。 後行する用紙先端が第2の搬送ローラのニップで停止した後、先行する用紙とともに再搬送されるときの用紙の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図6のタイミングチャートに対応する入口ローラ、第1の搬送ローラ及び第2の搬送ローラの動作タイミングを示すタイミングチャートである。 B5縦サイズ(257mm)以上の用紙の処理動作を示す動作説明図である。 第2及び第3の搬送ローラの駆動機構並びに圧解除機構を示す正面図である。 第2及び第3の搬送ローラの駆動機構並びに圧解除機構を示す側面図である。 第2及び第3の搬送ローラの駆動機構並びに圧解除機構を示す動作説明図である。 図10に対応する第2及び第3の搬送ローラの駆動機構を示す図である。 第2の搬送ローラの圧解除機構の斜視図である。 図13の圧解除機構の正面図である。 第1の実施形態における動作の制御手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る用紙後処理装置の動作説明図である。 図16(a)のQ方向矢視図である。 図16の動作を行う場合の2枚目の(後行する)用紙の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図18のタイミングチャートに対応する入口ローラ、第1の搬送ローラ及び第2の搬送ローラの動作タイミングを示すタイミングチャートである。 第3の実施形態における用紙後処理装置の動作説明図である。 2枚の用紙をプレスタック経路に滞留させ、次紙と重ねて搬送するときの一例を示す速度線図である。 第4の実施形態における用紙後処理装置の動作説明図である。 図22におけるプレスタック経路2dに案内板を付設した構成を示す図である。 第5の実施形態における用紙後処理装置の要部の構成及び動作を示す説明図である。 第5の実施形態の他の例を示す用紙後処理装置の要部の構成及び動作を示す説明図である。 第6の実施形態における用紙後処理装置の要部の構成を示す図である。 図26のの変形例を示す図である。 第6の実施形態における制御構成を示すブロック図である。 第6の実施形態における制御対象の用紙の移動状態を示す説明図である。 第6の実施形態における他の制御対象の用紙の移動状態を示す説明図である。 図30の場合の動作の手順を示すフローチャートである。 図30の場合の他の動作の手順を示すフローチャートである。 図30の場合のさらに他の動作の手順を示すフローチャートである。 第6の実施形態におけるさらに他の制御対象の用紙の移動状態を示す説明図である。 第6の実施形態におけるさらに他の制御対象の用紙の移動状態を示す説明図である。 図35の動作の手順を示すフローチャートである。 第7の実施形態における制御対象の用紙移動状態を示す説明図である。 図37に示した用紙の搬送開始動作を示すタイミングチャートである。 図37の動作の手順を示すフローチャートである。 第7の実施形態における他の動作を示す図である。 図40の動作の手順を示すフローチャートである 画像形成装置本体が用紙後処理装置に用紙を搬送するタイミングの一例を示す図である。 画像形成装置本体が用紙後処理装置に用紙を搬送するタイミングの別の例を示す図である。 本発明の一実施例を示す図であって、画像形成装置本体の制御部が行う用紙供給ユニットの用紙供給制御の制御手順を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中のプレスタック枚数取得のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中のプレスタック枚数取得のサブルーチンの別の例を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中のプレスタック枚数取得のサブルーチンの別の例を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中のプレスタック枚数取得のサブルーチンの別の例を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中のプレスタック枚数取得のサブルーチンの別の例を示すフローチャートである。 図44に示す制御手順中の規定時間(整合時間)取得のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 画像形成装置本体の制御部が行う用紙供給制御の動作タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明においては、まず用紙処理装置とそれを備えた画像形成システムの構成とプレスタック動作の実施形態を説明し、その後に本発明の実施例を説明する。また、各実施形態について同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
[全体構成]
図1は本発明の一実施形態を示す図であって、用紙処理装置(シート処理装置)と画像形成装置とからなる画像形成システムの概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成システムは、シート状の記録媒体である用紙に画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1から排紙された用紙に対して整合、綴じなどの各種後処理を行う用紙後処理装置2とから基本的に構成されている。
画像形成装置1は、用紙に画像を形成する機能を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機、あるいはこれらの機能が複合された複合機のいずれかからなる。これらの機能を有する画像形成装置については、公知のものであり、この画像形成装置の機能は本願発明の要旨ではないので、ここでの説明は省略する。
また、本発明に係る用紙処理装置には、用紙供給ユニットが含められるが、図1の実施形態では、用紙処理装置を構成する用紙後処理装置2は画像形成装置1本体とは別体のユニットで構成された用紙後処理ユニットであり、用紙供給ユニットは画像形成装置1本体側に設けられている。
用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2には、前記整合や綴じ機能の他に穴明け、折りなどの機能を備えているものもあるが、これらは公知の構成であり、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の仕様に応じて適宜設定される。
なお、図1の実施形態では、画像形成装置1と用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2を別体で構成して連結した画像形成システムとしているが、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2を画像形成装置1と一体的に設ければ、用紙後処理ユニットと用紙供給ユニットを有する用紙処理装置を備えた画像形成装置となる。
用紙処理装置を構成する用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2は、受入口2a、下搬送路2b,2c、上搬送路2f、プレスタック部であるプレスタック経路2d、用紙処理部18、排紙ローラ16、排紙口15及び排紙トレイ3から基本的に構成されている。受入口2aは用紙を画像形成装置1の排紙口1aから受け入れる開口であり、この受入口2aに続く用紙搬送路2gには入口センサS1と入口ローラ対4が設けられている。
入口ローラ対4の下流側の用紙搬送路2gは用紙を用紙処理部18側に導く下搬送路2b,2c(以下、切換爪9が設けられた分岐点2hより上流側を第1の下搬送路2b、下流側を第2の下搬送路2cと称す)と、そのまま排紙口15側に導く上搬送路2f(図では詳細は省略している)とに分岐し、その分岐点に分岐爪2eが配されている。この分岐爪2eは図示しないステッピングモータによって駆動され、用紙の搬送経路を切り換える。
第1の下搬送路2bには用紙搬送方向上流側から当該下搬送路2bで用紙を検知するセンサS2と第1の搬送ローラ5が設けられ、下端部にはプレスタック経路2dが用紙搬送方向と逆行する用紙を受け入れることができるような角度で分岐し、その分岐点に切換爪9が逆行するときのガイドとして機能するように設けられている。第2の下搬送路2cは前記分岐点2hから用紙処理部18に至る搬送路であり、第2及び第3の搬送ローラ対6,7が配されると共に、最下流側にはトレイ排紙ローラ8対が設けられている。なお、以下の説明では、ローラ対の対は省略する。
用紙処理部18は、用紙が排紙され積載される用紙整合トレイであるスティプルトレイ14、スティプルトレイ14に積載される用紙の用紙搬送方向と直交する方向を整合する整合フェンス10、用紙搬送方向を整合する後端フェンス11、スティプルトレイ14上に排出された用紙を後端フェンス11側に寄せる叩コロ14a、スティプルトレイ14上で整合された用紙束を綴じるスティプラ12、及びスティプルトレイ14上で綴じられた用紙束を放出する放出ベルト13と一対の放出爪13a,13bとからなる放出機構から構成されている。放出ベルト13は放出ローラ19と従動ローラ19aとの間に張設され、用紙束を放出爪13a,13bのいずれかによって排紙口15から排紙トレイ3上に放出する。その際、支軸17aに揺動可能に支持された排紙レバー17の自由端側に設けられた排紙ローラ16を押し上げながら放出することにより、排紙ローラ16から所定の押圧力を受け、用紙束の搬送が確実に行われるようにしている。
[制御構成]
図2は、図1に示す画像形成システムの制御構成の一例を示すブロック図である。
同図において、制御装置31は、CPU32、I/Oインターフェース33等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置1本体のコントロールパネルの各スイッチ等、及び入口センサS1、センサS2、その他の各種センサからの信号がI/Oインターフェース33を介してCPU32へ入力される。CPU32は、入力された信号に基づいて、各種モータやソレノイドなどの制御を司る。また、スティプラ12も図示しないスティプラ駆動モータやスティプラ移動モータを制御することによりCPU32の指示によって用紙の所定の位置にスティプル針を打ち込み、用紙束の綴じ動作を実行する。
なお、用紙後処理装置2の制御は前記CPU32が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。また、制御や処理に必要なデータは前記RAMの他に図示しないEPROM等に記憶される。
[動作]
《1部の場合》
画像形成装置1から出力された用紙は排紙口1a、受入口2aから用紙後処理装置2に搬入される。用紙後処理装置2に搬入された用紙は、入口センサS1により検知され、入口ローラ4によって用紙搬送路2gを搬送される。分岐爪2eは画像形成装置1から送信される用紙処理指示に応じて制御装置31のCPU32により切り換え方向が指示される。そこで、用紙処理部18側に用紙を搬送する場合には分岐爪2eを図示反時計方向(図1の状態)に回動させることによりまず第1の下搬送路2bに用紙を導く。第1の下搬送路2bに導かれた用紙は、入口ローラ4及び第1の搬送ローラ5によって与えられる用紙の搬送力により切換爪9を図示反時計方向に回動させ、用紙の搬送スペースを確保する。これにより用紙は前述のようにして確保されたスペースから第2の下搬送路2c側に導かれ、第2及び第3の搬送ローラ6,7を経てトレイ排紙ローラ8によりスティプルトレイ14へ排紙される。
排紙された用紙はトレイ排紙ローラ8のニップから離れ、スティプルトレイ14に着地した後、一旦矢印B方向へ自重落下する。同時に叩コロ14aによって下方に叩き落とされ、後端フェンス11で搬送方向の後端が揃えられる。そして、予め用紙の後端をセンサS2で検知し、用紙搬送方向が揃えられ得る時間の後、整合フェンス10により幅方向が揃えられる。この動作を繰り返すことにより多枚数の用紙が1枚ずつ整合される。
《2部以上の場合》
1部の場合は以上のように動作するが、2部以上の場合には、以下のように動作する。
画像形成装置1から出力される用紙の間隔は一定でありジョブ間の間隔も一定に出力されてくる。画像形成装置1からは1部目が出力されるときに用紙のサイズ、枚数、搬送速度、処理モードなどの信号が送られてくる。その信号を用紙後処理装置2が受け取ることにより用紙をスタックさせる枚数や増速ポイント、増速線速、逆行ポイント、スタック時の停止ポイントが決定される。これらの決定は、後述の制御回路のCPUによって行われる。
(1)用紙の搬送方向の長さがB5横サイズ(182mm)以上B5縦サイズ(257mm)未満の用紙の場合:
まず、最初に用紙の搬送方向の長さがB5横サイズ(182mm)以上B5縦サイズ(257mm)未満の用紙の処理動作を図3の(a)から(d)に示す。
画像形成装置1から出力されたジョブの先頭用紙P1が用紙後処理装置2の入口ローラ4、第1の搬送ローラ5により搬送され、用紙後端が切換爪9を通過して図3(a)の位置(分岐点2h(切換爪9のほぼ先端に対応)から距離α)まで搬送される。このとき画像形成装置1からの信号により用紙を逆行させる必要がある場合は、第2の搬送ローラ6及び第3の搬送ローラ7が一度停止し、さらに図示時計方向に逆転をはじめる。その際、切換爪9が機能し、用紙はプレスタック経路2dに導かれ、プレスタックされる。切換爪9は常時低圧(前述のように用紙に押されて用紙が通過するに足るスペース分回動できる程度の圧力)で用紙逆送時にプレスタック経路が開放されるように弾性付勢されている。このプレスタック経路2dに搬送される距離は、第1の搬送ローラ5の搬送方向に対して直前に配置されたセンサS2からのパルスカウントやタイマ等によって計測され、計測されたカウント数あるいは時間に基づいて制御タイミングをとり、用紙後端(逆送時の用紙搬送先端の)位置が同じ位置になるところで停止する。このとき、図3(b)に示すように用紙は第2の搬送ローラ6のニップに挟持され、ニップから数mmの距離β(例えばβ=5ミリ程度)飛び出した状態で停止している。この飛び出し量βをできるだけ少なくするために、逆転するポイントにできるだけ近い位置にセンサS2を配置し、搬送誤差を少なくし精度良く用紙が停止するようにしている。精度良く停止できれば飛び出し量βも極限まで少なくすることができ、それによって次用紙と重ね合わせて搬送するときのずれを小さくしてスティプルトレイ14での揃えを向上させることが可能となる。
次いで図3(c)に示すように第1の搬送ローラ5によって2枚目の用紙P2が搬送されてくる。そしてセンサS2の検知情報により2枚目の用紙先端が第2の搬送ローラ6から上流側に所定の距離γ(例えばγ=20mm)の位置まで搬送されると、第2及び第3の搬送ローラ6,7が反時計方向に回転し、第2の下搬送路2c及びスタック経路2dにスタックされていた用紙の搬送が開始される。ジョブの先頭用紙は第3の搬送ローラ7のニップに挟持された状態で図3(d)に示すように再搬送されるので、ジョブの先頭用紙の先端のほうが2枚目の用紙先端よりも先行した状態で2枚同時にスティプルトレイ14上に排出される。排出された用紙束は、スティプルトレイ14の中央部の用紙搬送方向に平行に設置された放出ベルト13が回転し、放出ベルト13の対称な位置に設置された1対の放出爪13a,13bが矢印B方向に移動し、一方の放出爪13の背で突出した用紙の先端を叩き、用紙を2枚揃えて後端フェンス11まで落として搬送方向のずれが整合される。これにより画像形成装置1本体の生産性及び綴じ品質を落とさず後処理を行うことができる。
以上が2枚の場合の搬送状況である。スティプルトレイ14における処理内容によって2枚、3枚と用紙をスタックしジョブ間を稼ぐ場合は、上記の動作を繰り返すことにより本体のCPMを落とすことなく後処理を行うことが可能である。
なお、プレスタック経路2dに待機していた用紙の再搬送のタイミングがこの実施形態では、前述のように第2の搬送ローラ6の上流側20mmの位置に設定されているが、このタイミングは必ずしも第2の搬送ローラ6から20mmの位置でなくともよく、第2の搬送ローラ6のスローアップ中にN+1枚目の用紙先端が第2の搬送ローラ6に進入しないという条件を満たすことを前提とし、できるだけ第2の搬送ローラ6に近い位置(例えば5mm)が好ましい。また仮に、N+1枚目の用紙先端が第2の搬送ローラ6に突き当たってから搬送されても先端キズ、撓みキズ等がなければ問題はなく、その場合には0mmということになる。
図4は図3の動作を行う場合の2枚目の用紙(後行する用紙)の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャート、図5は図4のタイミングチャートに対応する入口ローラ4、第1の搬送ローラ5及び第2の搬送ローラ6の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図4においてFは用紙先端、Bは用紙後端をそれぞれ示す。図4において、縦軸は位置であり、用紙後処理装置2に搬入される受入口2a部分からの距離をmmでとったもので、横軸は時間であり、入口センサS1を先端が切ってからの経過時間をmsでとったものである。この実施形態では、第2の搬送ローラ6のニップから用紙搬送方向上流側20mmのT1位置(入口から600−20mmの位置)で一旦停止している。この状態は図3(c)の用紙位置である。このとき、図4に示すように入口ローラ4と第1の搬送ローラ5は停止タイミングを直前に一旦増速して(650mm/s→950mm/s)停止したときの時間ロスを最小限に抑えている。そして、再搬送時には入口ローラ4及び第1の搬送ローラ5が再駆動され、第2の搬送ローラ6が停止状態から駆動が開始され、1枚目の用紙(先行する用紙)と重ねられてスティプルトレイ14側に搬送される。これらの駆動による用紙搬送速度は、それぞれ750mm/sである。なお、入口ローラ4と第1の搬送ローラ5は駆動源が同じなので、同一のタイミング及び同一の搬送速度で駆動される。また、用紙は撓むことなく搬送されるので、用紙先端Fと用紙後端Bの相対的な位置関係は常に一定になっている。
図6は後行する2枚目の用紙P2の先端Fが第2の搬送ローラ6のニップで停止した後、先行する1枚目の用紙P1とともに再搬送されるときの用紙の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャート、図7は図6のタイミングチャートに対応する入口ローラ4、第1の搬送ローラ5及び第2の搬送ローラ6の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図6及び図7のパラメータは図4及び図5と同様であり、2枚目の用紙(後行する用紙)P2の先端Fが図6に示すように第2の搬送ローラ6のニップ位置に達したときにT2で示すように用紙は一旦停止する。第2の搬送ローラ6は用紙が停止した時点で搬送を開始する。これと同時に図4及び図5を参照して説明したように一旦増速して停止した第1の搬送ローラ5及び入口ローラ4も停止状態から用紙の再回転を開始し、1枚目の用紙(先行する用紙)P1とともにスティプルトレイ14側に重ねられた用紙を搬送する。なお、速度関係は2枚目の用紙の停止位置が第2の搬送ローラ6のニップ位置まで延びていることを除いて、図4及び図5を参照して説明したものと同じである。また、この例は、2枚目の用紙(後行する用紙)P2の停止位置が第2の搬送ローラ6のニップから0mmの例である。
(2)B5縦サイズ以上の用紙の場合:
次に、B5縦サイズ(257mm)以上の用紙の処理動作を図8の(a)から(d)に示す。
B5縦サイズ以上の用紙が搬送されてくるときは、予め第2の搬送ローラ6を矢印方向に動作させて圧を解除させておく。第1の搬送ローラ5と第3の搬送ローラ7の距離はB5縦サイズより数mmから10mmの範囲で短く設定されているため、第2の搬送ローラ6の圧が解除されていても問題なく搬送される。このような状態で、B5縦サイズ未満の動作として上述したような第2の搬送ローラ6の動作を第3の搬送ローラ7で実行し、プレスタックしていく。
すなわち、画像形成装置1からの信号により用紙を逆行させる必要がある場合に用紙サイズがB5縦サイズ以上であれば、まず、第2の搬送ローラ6の圧を解除してニップを開放し、第2の搬送ローラ6が用紙搬送と関係のない状態としておく。この状態で、画像形成装置1から出力されたジョブの先頭用紙P1が用紙後処理装置2の入口ローラ4、第1の搬送ローラ5により搬送され、用紙後端が切換爪9を通過して図8(a)の位置(分岐点2hから距離α)まで搬送される。第3の搬送ローラ7が一度停止し、さらに図示時計方向に逆転をはじめる。その際、切換爪9が機能し、用紙はプレスタック経路2dに導かれ、プレスタックされる。このプレスタック経路2dに搬送される距離は、第1の搬送ローラ5の搬送方向に対して直前に配置されたセンサS2からのパルスカウントやタイマ等によって計測され、計測されたカウント数あるいは時間に基づいて制御タイミングをとり、用紙後端(逆送時の用紙搬送先端の)位置が同じ位置になるところで停止する。この例では、相対的に第2の搬送ローラ6に対するB5縦未満の用紙の場合と第3の搬送ローラ7に対する同一位置で用紙後端が停止するように設定されている。すなわち、図8(b)に示すように用紙は第3の搬送ローラ7のニップから距離β搬送方向下流側に飛び出した状態で停止する。
次いで図8(c)に示すように第1の搬送ローラ5により2枚目の用紙P2が搬送されてくる。そしてセンサS2の検知情報により2枚目の用紙先端が第3の搬送ローラ7から上流側に所定の距離γ(例えばγ=20ミリ)の位置まで搬送されると、第3の搬送ローラ7が反時計方向に回転し、第2の下搬送路2c及びスタック経路2dにスタックされていた1枚目の用紙の搬送が開始される。この場合も、ジョブの先頭用紙は第3の搬送ローラ7のニップに挟持された状態で図8(d)に示すように再搬送されるので、ジョブの先頭用紙の先端のほうが2枚目の用紙先端よりも先行した状態で2枚同時にスティプルトレイ14上に排出される。排出された用紙束は、前述のように一方の放出爪13の背で突出した用紙の先端を叩き、用紙を2枚揃えて後端フェンス11まで落として搬送方向のずれを整合する。このことにより、画像形成装置1本体の生産性及び綴じ品質を落とさず後処理を行うことができる。
以上が2枚の場合の搬送状況で、前述の場合と同様に2枚、3枚と用紙をスタックし、ジョブ間を稼ぐ必要がある場合は、前記の動作を繰り返すことにより本体のCPMを落とすことなく後処理を行うことが可能である。
(3)第2及び第3の搬送ローラの駆動機構並びに第2の搬送ローラの圧解除機構:
仮にB5縦サイズ以上の用紙をプレスタックするときに第2の搬送ローラ6の圧解除を行わなければ、B5縦サイズ未満の用紙と同様に第2の搬送ローラ6から上流側に5ミリの位置まで逆転搬送して停止させる必要がある。つまり、用紙が長くなればなるほど逆転搬送距離が長くなり、次用紙が第2の搬送ローラ6に進入できなくなり、高生産性には対応できなくなる。
前記(2)で説明した例では第2の搬送ローラ6の圧解除は例えば従動ローラを図8の矢印方向に移動させることにより行っているが、図9に示すように駆動ローラ6aを移動させることによって圧解除を行っても良い。図9ないし図11は第2及び第3の搬送ローラ6,7の駆動機構並びに圧解除機構を示す図で、図9は正面図、図10は側面図、図11は動作説明図である。
図9及び図10に示すように第2の搬送ローラ6(駆動ローラ6a)はベルト23を介してモータ22の駆動力をプーリ21に伝達し、さらにアイドラ20から駆動力を得て回転し、第3の搬送ローラ7はプーリ7aを介して直接駆動力を得て回転する。アイドラ20とギヤ6a’はリンク24で接続されており、図9の矢印方向に第2の搬送ローラ6が移動するときはアイドラ20を中心にギヤ6a’が回動する。そのとき、リンク24はアイドラ20とギヤ6a’に接続されているため双方の軸間距離が変化することはない。
第2の搬送ローラ6の矢印方向への移動機構はカムによって構成されている。カムは図11に示すようにプーリ26、プーリ26の側面に立設されたピン26a、このピン26aが遊嵌される長孔25aが形成されたレバー25からなり、前記プーリ26はベルト28を介してモータ27によって回転駆動され、前記レバー25が第2の搬送ローラ6の駆動ローラ6aの軸6cに係合している。この構成では、プーリ26がモータ27から駆動力を得て時計回り又は反時計回りに回転すると、それに伴ってピン26aが長孔25aに沿って摺動し、レバー25を軸6cに対して垂直な方向に移動させる。図11(a)が加圧状態であり、図11(b)の状態が圧解除状態である。すなわち、プーリ26の回転に応じてピン26aがプーリ26の回転中心を中心に回転し、その回転軌跡の直径に対応する距離だけレバー26が従動ローラ6bに対して直線運動を行い、駆動ローラ6aの従動ローラ6bに対する近接離間運動が行われる。駆動ローラ6aのストローク(直線運動の距離)は、搬送経路の経路幅(用紙面に垂直な方向の距離)に応じて設定される。これによりB5縦サイズ以上の用紙をプレスタックするときには、第2の搬送ローラ対6が存在しないものとして動作させることができる。
図12ないし図14は、図9ないし図11に示した搬送ローラの駆動機構並びに第2の搬送ローラの圧解除機構の他の実施形態を示す図である。図12は図10に対応する第2及び第3の搬送ローラ6,7の駆動機構を示す図で、搬送モータ22の駆動力を第1及び第2のタイミングベルト23a,23bによってそれぞれ第2の搬送ローラ6、第3の搬送ローラ7の軸に伝達するようになっている。
図13は第2の搬送ローラ6の圧解除機構の斜視図、図14は同機構の正面図である。これらの図において、圧解除機構は、モータ27、ウォームギヤ26a、ウォームホイール26b、ウォームホイール26bによって回転駆動される回転軸26c、回転軸26cの両端に設けられた偏心カム26d、第2の搬送ローラ6の軸6cと一体に同軸に設けられたカムフォロワ26e、前記回転軸26cに同軸に設けられ回転位置を検出するための半円状の検知片26f、及びこの検知片26fの位置を光学的に検出する光センサ26gから構成されている。この構成では、ウォームギヤ26aはタイミングベルト28を介してモータ27によって回転駆動され、ウォームホイール26bを駆動する。ウォームホイール26bは軸6dとカム26dを一体に回転させる。カム26dは偏心しており、長円側でカムフォロワ26eを前記軸6c側から離間させ、回転軸26cと同軸で一体に回転する第2の搬送ローラ6の軸間距離を広げる。これにより第2の搬送ローラ6が従動ローラから離間し、これによりシートへの第2搬送ローラ6の干渉を防止することができる。
カム26bの回転位置は前記検知片26fの検知の有無によって判断する。例えば、光センサ26gの光路を断ったとき第2の搬送ローラ6が対向する従動ローラから離間し、光路が断たれていないとき第2の搬送ローラ6が従動ローラに接触するというように設定しておけば、検知出力によって第2の搬送ローラ6の位置が分かる。あるいは、前記検知片26fが光路を切ったタイミングをトリガとしてホームポジションを設定しておくと、モータの駆動パルスとの関係で第2の搬送ローラ6の接離状態を把握することは容易である。なお、図12に示した駆動機構は、図13及び図14の離間機構の動作とは無関係に動作する。
このように構成しても、B5縦サイズ以上の用紙をプレスタックするときには、第2の搬送ローラ対6が存在しないものとして動作させることができる。
(4)制御手順:
図15は前記動作の制御手順を示すフローチャートである。この手順は前述のCPU32が図示しないROMに格納されたプログラムにしたがってRAMをワークエリアとして使用しながら実行する。
図15(a)に示すようにこの制御手順が開始されると、まず、各制御要素を初期化し(ステップS1)、第2の搬送ローラ6の切り換え動作を実行する(ステップS2)。ステップS2のローラ切り換えのサブルーチンは図15(b)に示す手順で実行される。すなわち、画像形成装置1側から搬入される用紙サイズをチェックし(ステップS201)、用紙の搬送方向のサイズがB5縦未満であれば第2の搬送ローラ6を使用する(前記(1)のケース)ので、モータ27を駆動して第2の搬送ローラ6を加圧し、第2の搬送ローラ6によって用紙が搬送可能な状態にする(ステップS203)。なお、用紙サイズについては前述したが、用紙搬送前に画像形成装置1側から送信される。
第2の搬送ローラ6を搬送位置に切り換えた後、入口センサS1がONになると(ステップS3)、入口ローラ4及び第1の搬送ローラ5が駆動される(ステップS4)。次いで、分岐爪2eと第1の搬送ローラ5の間に配置されたセンサS2がONになると(ステップS5)、プレスタックの1枚目か否かをチェックする(ステップS6)。プレスタックの1枚目であれば、第2及び第3の搬送ローラ6,7を駆動して用紙を第2の下搬送路2cに沿って移動させる(ステップS7)。そして、センサS2を用紙の後端が抜け、センサS2がOFFになり(ステップS8)、用紙後端が切換爪9の自由端の位置(分岐点2h)から所定距離αだけ下流側に達した時点で(ステップS9)第1ないし第3の搬送ローラ5,6,7を停止させる(ステップS10)。次いで、前記第1ないし第3の搬送ローラ5,6,7の停止を確認した(ステップS11)後、第2及び第3の搬送ローラ6,7を逆転させる(ステップS12)。
第2及び第3の搬送ローラ6,7の逆転により、先行用紙の先端位置が第2の搬送ローラ6のニップから距離β下流側に達すると(ステップS13)、第2及び第3の搬送ローラ6,7を停止させる(ステップS14)。この第2及び第3の搬送ローラ6,7の逆転により、先行用紙の後端側はプレスタック経路2d側に待機し、第2及び第3の搬送ローラ6,7の停止を確認した後(ステップS15)、ステップS3に戻って次の用紙の搬送を待つ。
一方、ステップS6でプレスタックの1枚目ではない場合、言い換えれば2枚目以降の場合には、用紙先端が第2の搬送ローラ6のニップよりも距離γ(例えば20mm)だけ上流側に位置すると(ステップS16)、第1の搬送ローラ5を停止させ(ステップS17)、第1の搬送ローラ5が停止した(ステップS18)後、プレスタック要求があったかどうかをチェックする(ステップS19)。そして、プレスタック要求があった場合には、第1ないし第3の搬送ローラ5,6,7を駆動し(ステップS20)、ステップS8以降の処理を実行する。これに対し、ステップS19でプレスタック要求がない場合には、第1ないし第3の搬送ローラ5,6,7を駆動し(ステップS21)、ステップS3以降の処理を実行する。
なお、ステップS2で用紙サイズがB5縦以上の場合、図15(b)のステップS202で第2の搬送ローラ6が離間状態に切り換えられ、第2の搬送ローラ6を使用しない(前記(2)のケース)モードとなる。そこで、モータ27を駆動して第2の搬送ローラ6の駆動ローラ6aを従動ローラ6bから離間させ、第2の搬送ローラ6が搬送に関与しない状態にする。そして、第3の搬送ローラ7に図15(a)のフローチャートにおける第2の搬送ローラ6の機能を代行させる。したがって、ステップS3以降、第2の搬送ローラ6の処理は第3の搬送ローラ7が実行することになる。これにより搬送方向の寸法がB5縦以上の用紙の場合には、第3の搬送ローラ7が前述のB5縦未満の用紙の場合における第2の搬送ローラ6と同一の動作を行うことになる。
本実施形態では、B5縦サイズを基準に前記(1)のようにB5縦サイズ未満の用紙の場合と前記(2)のようにB5縦サイズ以上の用紙の場合とで、搬送ローラ6,7の動作を切り換えて用紙の停止位置を制御しているが、B5縦サイズの基準に換えてLG縦サイズ(リーガル縦サイズ、355.6mm)を基準とし、用紙サイズがリーガル縦サイズ未満か以上かによって前記(1)及び(2)と同様の制御とすることもできる。この場合には、LG縦サイズ未満であれば、第2の搬送ローラ6を加圧状態とし、第2の搬送ローラ6でニップして用紙を停止させ、LD縦サイズ以上の用紙であれば、第2の搬送ローラ6の加圧状態を解除して第3の搬送ローラ7でニップして停止させる。その他の制御はこれまで説明した第1の実施形態の通りである。
本実施形態によれば、用紙サイズに応じて逆転させる搬送ローラを選択し、言い換えれば、搬送方向の用紙サイズに応じて搬送力を与える搬送ローラの前記第1及び第2の搬送路の分岐点からの距離を変更し、あるいは、先行する用紙を逆行させるときに搬送方向の用紙寸法に応じて前記用紙を停止させる位置(長尺の用紙はより下流側の位置)を変更するので、用紙を逆行させ、また、スティプルトレイ側に搬送するときの無駄時間をできるだけ短くすることが可能となり、これにより搬送方向に対して長尺の用紙の場合においても紙間時間の短縮化に対応し、また、画像形成速度の高速化に対応することができる。
[第2の実施形態]
前述の第1の実施形態では、プレスタックを行う場合に、2枚目の(後行する)用紙は第2の搬送ローラ6のニップ位置もしくはニップから処理距離上流側に一旦停止させ、1枚目の(先行する)用紙のプレスタック経路2dへの搬入と2枚目の(後行する)用紙の重ね搬送を行い、スティプルトレイ14で1部の処理を行っている最中に用紙がスティプルトレイ14側に搬送されないように、時間を稼いでいる。一方、モータは一旦停止させると再駆動する際に定速まで達する立ち上がり時間が必要なことから、後行する用紙を一旦完全に停止させると、再度搬送を開始したときに定速に達するまで時間がかかることになる。そのため、前述のように紙間が短くなると次の用紙の搬送までにモータが定速まで立ち上がることができない場合もある。そこで、本実施形態では、後行する用紙を停止させることなく所定のタイミングで減速し、先行する用紙と重ね合わせて搬送するようにしたものである。
なお、本実施形態は、後行する用紙を一旦停止させない点、及び停止させないことによる搬送タイミングの変更を除いて第1の実施形態とほぼ同様に構成されているので、異なる点についてのみ説明する。
図16は本実施形態に係る用紙後処理装置2の動作説明図、図17は用紙の撓みを許容するための機構を示す図である。図16(a)は、先行する用紙P1の後端側がプレスタック経路2dに退避し、先端が第2の搬送ローラ6のニップから5mm程度(距離β)下流側に突出して停止した状態を示す。後行する用紙P2が第2の搬送ローラ6の手前又はニップで停止しない場合には、第2の搬送ローラ6は、図16(b)に示すように後行する用紙P2が第2の搬送ローラ6のニップに到達する直前あるいはニップに到達した時点で再回転を開始する。そのとき、第2の搬送ローラ6が停止状態から回転を開始し、増速して後行する用紙P2と同じ線速に達するまで後行する用紙P2の先端は第2の搬送ローラ6によって拘束されることになるので、第2の搬送ローラ6のニップから上流側の後行する用紙P2には撓みが発生する。用紙搬送路は用紙1枚ないし数枚を搬送する間隙しか設定されていないことから、搬送経路内で撓みが発生し、後行する用紙P2の後端側がさらに搬送されると、搬送路内でジャムが発生する。
そこで、本実施形態では、図16(c)に示すように撓みを吸収するための、言い換えれば搬送路内で撓ませるための空間を形成できるようにした。すなわち、図17に側面図(図16(a)Q方向矢視図)として示すように、この撓みを許容するための機構は、用紙搬送方向上流側で支軸103によって揺動可能に支持されたガイド板100と、前記支軸103を中心に常時第2の下搬送路2c側に前記ガイド板100を弾性付勢する捻りスプリング101と、前記ガイド板100のストッパ102とからなり、第2の搬送ローラ6cの搬送方向直前の第2の下搬送路2cに設けられている。前記ストッパ102は前記ガイド板100の位置を規制することにより搬送路幅として2mm程度の隙間を形成して用紙搬送路としての機能を確保している。
このような機構を備えた第2の実施形態では、図16(c)に示すように例えば後行する用紙P2が再駆動された第2の搬送ローラ6のニップに挟持され、第2の搬送ローラ6が増速し、所定の搬送速度に達する間、前記ガイド板100を撓みによって反矢印Q方向に回動させ、第2の下搬送路2cの搬送経路幅を広くする。これにより後行する用紙P2は用紙ジャムを生じることなく第2の搬送ローラ6によって搬送され、さらに、第3の搬送ローラ7及びトレイ排紙ローラ8を経てスティプルトレイ14に排紙される。
このような動作を行う際のタイミングを図18及び図19のタイミングチャートに示す。このタイミングチャートは、入口ローラ4及び第1の搬送ローラ5を一旦減速させて第2の搬送ローラ6の再駆動に同期して増速させるようにしたもので、図18は図16の動作を行う場合の2枚目(後行する)用紙P2の先端と後端の動作タイミングを示すタイミングチャート、図19は図18のタイミングチャートに対応する入口ローラ4、第1の搬送ローラ5及び第2の搬送ローラ6の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図18においてFは用紙先端、Bは用紙後端をそれぞれ示す。図18において縦軸は位置、すなわち用紙後処理装置2に搬入される受入口2a部分からの距離をmmでとったもので、横軸は時間をmsでとったものである。この実施形態では、第2の搬送ローラ6の用紙搬送方向上流側20mmのT3位置(入口から600−20mmの位置)から第2の搬送ローラ6の再駆動が開始されている。このとき、図19に示すように入口ローラ4と第1の搬送ローラ5は前記T3タイミングの直前に一旦増速して(650mm/s→950mm/s)減速したときの時間ロスを最小限に抑えている。そして、950mm/sから前記T3位置で270mm/sになるように減速し、第2の搬送ローラ6の再駆動に同期させて270mm/sから750mm/sまで短時間で増速させている。この間、第2の搬送ローラ6はまだ750mm/sに達しておらず、この間T4で前記撓みが徐々に解消され、用紙後端が第1の搬送ローラ5のニップを抜けて撓みが完全に解消される期間T5が終了すると、先行する用紙P1と後行する用紙P2は重ね合わされて第1の搬送ローラ5以降の第2の下搬送路2b,2cを搬送される。したがって、後行する用紙P2が第2の搬送ローラ6のニップに当接した時点から(入口から600mmの位置)から前記期間T5を過ぎるまで用紙は撓むが、ジャムを生じることなく重ね合わせ搬送が可能となる。
このタイミングチャートは入口ローラ4及び第1の搬送ローラ5を一旦減速する場合のもので、全く減速しない場合にも前記図17に示した機構を使用すれば対応可能である。ただし、第2の搬送ローラ6の再搬送開始タイミングを図19に示したタイミングより若干早く設定する必要がある。また、制御手順自体も第1の実施形態における図15のフローチャートと同等であるが、図18及び図19のタイミングチャートに合わせると、ステップS17で第1の搬送ローラ5を停止させることなく減速し、ステップS18で第1の搬送ローラが線速270mm/sまで減速した時点で、第1の搬送ローラ5を増速し、第2及び第3の搬送ローラ6,7を再駆動することになる。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
本実施形態によれば、用紙を重ね合わせて搬送するときに後行する用紙を停止させる必要がないので、第1の実施形態に対して紙間時間の短縮化及び画像形成の高速化により対応することができる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態のようにプレスタック処理を行う場合、通常サイズに加え、大サイズ用紙でのプレスタック処理も行われる場合がある。そのため、通常サイズ用に加え、大サイズ専用のプレスタック用搬送ローラを備える必要がある。コスト低減のため、これら2対のプレスタック用搬送ローラを同一モータで駆動させる構成をとると、通常の搬送線速でプレスタック処理を行うとプレスタックシート束を放出搬送する際の用紙束後端が大サイズ用のプレスタック搬送ローラを抜ける前に、次部の1枚目用紙が通常サイズのプレスタック搬送ローラに進入してしまい、線速が合わず不具合を生じてしまう。また、そのまま線速を合わせて搬送を行ってしまうと、先行する用紙束後端が大サイズ用のプレスタック搬送ローラを抜けるのを待って次部1枚目用紙をスイッチバックすると1枚目用紙の退避が間に合わない。本実施形態は、このような動作に対応したものである。なお、用紙後処理装置2自体は第1の実施形態と同等なので、説明は省略する。
図20において、1枚目の用紙P1は用紙後端が切換爪9を通過した後(図20(a))、搬送ローラ6及び7が逆回転し(搬送ローラ6及び7は同駆動源である)、用紙滞留経路Bへ搬送され(図20(b))、用紙P1の先端が搬送ローラ6を通過後又は搬送ローラ6のニップに噛んだ時点で、搬送ローラ6は停止し、用紙P1は滞留経路2d内で滞留される(図20(c))。次に、次用紙P2は用紙P1と同様に搬送されて切換爪9を通過して停止している搬送ローラ6へと突き当たるように搬送される(図20(d))。搬送ローラ6は用紙P2が突き当たるタイミングで正回転駆動し、用紙P1及びP2を合流させて搬送する(図20(e))。搬送ローラ6が正回転を開始するタイミングは滞留経路上流に配置されている用紙検知センサS2が用紙P2先端を検知してから用紙P1先端が搬送ローラ6に到達するまでの時間を予め搬送経路及び搬送線速より算出しているタイミングで設定している。なお、図20(f)〜(h)は、搬送ローラ6が正回転駆動し、用紙P1及びP2を合流させて搬送する動作に続いて、次部の1枚目の用紙P3が搬送される様子を示している。
ここで、滞留用紙枚数が用紙滞留所定枚数以下である場合には、図20(e)で合流した用紙束は用紙P1と同様の滞留経路へ搬送する動作を行い、用紙束を滞留させる動作を行う。滞留用紙枚数が用紙滞留所定枚数に達した場合には、合流した用紙束はそのまま搬送し、図1記載のトレイ排紙ローラ8により、スティプルトレイ14へと放出される。
ここで、上記動作の搬送タイミングについて説明する。滞留処理を行う用紙は図21に示すような搬送線速で用紙収納部まで搬送を行い、この処理を滞留所定枚数まで通常の搬送線速で搬送を行う。
図21は2枚の用紙をプレスタック経路2dに滞留させ、次紙と重ねて搬送するときの一例を示す速度線図である。用紙が滞留所定枚数に到達した時点で、用紙P2と合流するタイミングで用紙束を搬送し、スティプルトレイ14へと放出搬送する。続いて、下搬送路2cには次部1枚目用紙が搬送される。ここで、通常の搬送速度でプレスタック用紙束直後の次部1枚目用紙P1を搬送すると、滞留用紙束を放出搬送する際の用紙束後端が搬送ローラ7を抜ける前に次部1枚目用紙P1が搬送ローラ6に進入してしまい、線速が合わず不具合を生じてしまう。また、そのまま線速を合わせて搬送を行ってしまうと、先行する用紙束後端がプレスタック搬送ローラ6を抜けるのを待って次部1枚目用紙をスイッチバックすると1枚目用紙の退避が間に合わない。
この不具合を解決するために、滞留用紙束直後の次部1枚目用紙P1のみ通常線速とは異なる線速で搬送する。滞留用紙束が合流する時点で、次部1枚目用紙P1は例えばパンチ穿孔(パンチユニットは図20では不図示である。図23に図示)を行うために停止する。滞留用紙束を放出搬送する段階で、次部1枚目用紙P1は搬送ローラ5を通過して搬送ローラ6へと進入する。上記したように搬送ローラ6,7は同一駆動源である。したがって、次部1枚目用紙P1は搬送ローラ6へと進入するまでに滞留用紙束の放出搬送線速と等速度まで速度を上げる。搬送ローラ6,7は等速で搬送ローラ7は滞留用紙束を、搬送ローラ6は次部1枚目用紙P1を搬送する。滞留用紙束後端が搬送ローラ7を通過し、次部1枚目用紙後端がプレスタック切換爪9を通過した段階で、搬送ローラ6は停止し、逆回転してプレスタック経路2dへとスイッチバック搬送され次部滞留用紙として収納される。この関係は図21の速度線図において、搬送ローラ4,5,6,7と切換爪9との関係において速度変化が示されていることから明らかである。なお、生産性を維持するために、用紙サイズ群毎に異なった線速制御を行う必要がある。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
このように本実施形態では、プレスタック用紙搬送ローラ1、2の駆動源を同一としても、用紙同士の搬送不具合を起こさずに処理を行うことが可能となる。また、用紙サイズ群毎に異なった搬送線速制御を行うことにより、サイズ毎の生産性を維持することが可能となる。
[第4の実施形態]
プレスタック経路2dを使用して複数枚の用紙を滞留させる場合、用紙を逆送して本来の用紙搬送路から外れた経路で滞留させるので、プレスタック経路の経路長は滞留させる最大の用紙サイズを想定しての設定されている。しかし、最大サイズの用紙の使用頻度が低ければ、装置の小型化あるいは簡素化の観点から見ると最大サイズに対応した経路が占拠する空間は無駄な空間となる場合が多い。本実施形態はこのような問題点に対応したものである。なお、用紙後処理装置2自体は第1の実施形態と同等なので、説明は省略する。
本実施形態では、図22に示すように、プレスタック経路2dでプレスタックされる用紙は正逆転可能な搬送ローラ6で搬送され、切換爪9によってプレスタック経路2dへと搬送され、滞留することになる。プレスタック経路2dは、図23に示すように、滞留させる用紙サイズにより着脱可能な案内板B1(またはB1とB2)を備えている。装置自体の小型化を図るために機構の空間を詰めている装置の場合、滞留経路を十分に大きく確保できない場合がある。例えば、入口ローラの直後にパンチユニットを設けた用紙処理装置では(図23(b)参照)、プレスタック経路2dを十分に大きく確保すると、パンチユニット3と干渉してしまう。
そこで、プレスタック経路2dでは、小サイズ用紙(〜LTY−レターサイズ横まで)の用紙については図23(a)に示すプレスタック経路2dによって用紙の滞留を行い、大サイズの用紙を滞留させる場合には、大サイズ用紙を滞留させるように案内板B1を設けたプレスタック経路2d(図23(b)参照)とし、プレスタック経路2dの経路長を確保する。更に大きな特殊サイズの用紙を必要とする場合には、外付けのパンチユニット等を付加させることにより、パンチユニット3を必要としない場合には、パンチユニット3を取り外し、確保されたスペースに特殊サイズ紙用滞留経路B2を設ける(図23(c)参照)ことにより、プレスタック経路2dの経路長を確保する。更には、プラスタック経路2dについて滞留させる用紙サイズにより引き出し可能なスライド式の案内板B2を設け、案内板B2を上記同様の条件によりスライドさせることによって同様の機能を達成することもできる(図23(d),(e)参照)。なお、図23において符号4a,4bは2対の入口ローラ対で、本実施形態では、両者間にパンチユニット3が必要に応じて設けられる。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
このように用紙を滞留させる用紙収納部を着脱可能に構成すると、装置の小型化、簡易な変更でユーザの使用意図によって装置を変更できる用紙処理装置を提供することができる。
[第5の実施形態]
1枚目の用紙後端が切換爪9を通過した直後に停止して、その後に逆搬送されてプレスタック経路に搬入される。高CPMになると紙間時間が短くなり、1枚目の用紙P1が逆搬送してプレスタック経路に入り込んだ直後に、次用紙P2が切換爪9に到達して切換爪9を切り換えるようになる。また、紙間時間がばらついてさらに短くなり、あるいは、さらに高CPMになると、逆搬送した用紙P1は次用紙P2によって切り換えられた切換爪9の通常搬送側に潜り込んでしまい、次用紙P2と接触してジャムとなる可能性が大きくなる。用紙後端が分岐爪先端側にカールしていれば、さらにその危険性は高くなる。搬送途中で増速等の制御を行って、ある程度の紙間時間は稼げるものの、それも限度がある。
そこで、本実施形態では、前記切換爪9の下流近傍に用紙押え部材を設け、高CPMに対応させたものである。用紙後処理装置2自体は第1の実施形態と同等なので、説明は省略する。
図24は1枚目の用紙P1が切換爪9を通過した直後に停止したとき、弾性シート110によってプレスタック経路2dを構成するガイド板2d1側に用紙P1の後端を押圧するようにしたものである。押圧した状態で逆搬送すれば、用紙P1は仮に切換爪9が切り替わった状態でもガイド板2d1に沿ってプレスタック経路2dに搬送される。弾性シート110の代わりに爪のような形状のものでも良い。いずれにしても、用紙P1のト後端をガイド板2d1側に押圧できればジャムの危険性が軽減できる。1枚目の用紙P1が停止したときに、その後端が弾性シート110を通過した位置まで搬送されてしまうと、逆搬送するときに弾性シート110の下側に潜り込んでジャムになるので、弾性シート110は用紙P1の後端が停止した位置でも確実にガイド板2d1側に押圧できる位置に配置する必要がある。なお、弾性シート110としては例えば可撓性を有するマイラが使用される。
また、図25のように構成することもできる。この例では、切換爪9の先端と搬送ローラ6との間の搬送経路が逆“く”の字状に湾曲している。逆“く”の字に湾曲する方向をプレスタック経路の反対側すなわち、α°を確保した状態の搬送経路にすることにより切換爪9を通過した用紙P1がコシの強さによって真っ直ぐになり、その後端は逆搬送するときにプレスタック経路2dに進入しやすくなる。したがって、1枚目の用紙(先行紙)P1後端が切換爪9を通過して逆搬送されるときに、次用紙(後行紙)先端が切換爪9を押して開いていても、1枚目の用紙P1の後端が次用紙P2の先端あるいは、切換爪9先端と衝突しにくくなる。
このように高CPMの場合に、切換爪9を通過した用紙後端を押圧して、押圧状態のまま、逆流する用紙後端をプレスタック経路2dに導くように可撓性の部材を配置することによって高CPM(高速)対応を実現している。また、切換爪9と搬送ローラ6との間の搬送経路を、プレスタック経路2dとは逆側に湾曲させることによっても、用紙後端をプレスタック経路2dに導きやすくすることができる。
[第6の実施形態]
前述の各実施形態におけるプレスタック経路2dのように用紙の反転搬送路へのスイッチバックが可能な構成とした場合、各搬送路にそれぞれ用紙の搬入搬出を行うための搬送部材が必要となるが、これらの搬送部材が原因となって駆動機構の増加や制御の煩雑性を招く虞がある。一方、用紙後処理装置で実行されるスティプルやパンチなどの後処理作業には、同一サイズのものだけでなく、サイズの異なる用紙を纏めた記録用紙群を対象とする場合がある。このため、サイズの異なる用紙を1つの束と取り扱う場合、異なるサイズであっても後処理対称位置である記録用紙後端部を揃えることが必要となる。本実施形態は、このような必要性に対応したものである。以下、図面を参照して詳述する。用紙後処理装置2自体は第1の実施形態と同等なので、説明は省略する。
図26は用紙後端を保持する構成を示すものである。切換爪9の近傍に位置する搬送ローラ6は、正逆回転可能であることにより第2の下搬送路2c内への用紙Pの搬入態位を設定する場合と第2の下搬送路2cからプレスタック経路2dに向けて用紙Pをスイッチバックさせる搬出態位とを選択できる正逆移動用搬送部材として機能する。
一方、プレスタック経路2dには、このプレスタック経路2d内にスイッチバックされることで退避している用紙Pの後端を保持する部材として、図26に示すように、プレスタック経路2d内に自由端を当接可能で搬送路内面と摩擦的保持が可能な弾性部材からなる弾性シート111が配置されている。また、用紙Pの後端を保持する部材としては、図27に示すように、後端に接触しながら挟持ができる転動部材112を用いることも可能である。これら後端を保持する弾性シート111あるいは転動部材112は、逆U字状の迂回路で構成されるプレスタック経路2dに退避した用紙がその長手方向中央をU字部頂点に位置させないで長手方向両端間で後端位置が偏倚した場合に重量バランスが崩れて滑落するのを保持によって防止することができるようになっている。特に弾性シート111の場合には、簡易な構成によって撓んだ状態の後端部を保持することができ、また転動部材112の場合には後端位置のずれを低負荷状態で吸収することにより後端部を含めた用紙に屈曲変形などを生じないようにすることができる。なお、後述の図29において符号L/2は、用紙の長手方向長さの半分の長さを示しており、長手方向中央部をU字部頂点に位置させ、プレスタック経路2d内にスイッチバックされた用紙の重量バランスが保持されるように設定されている。
一方、搬送ローラ6の態位設定は、図28に示す制御部200によって行われる。図28において制御部200は、画像形成装置1における画像形成処理シーケンスを実行する制御部が用いられ、本実施形態と関係する構成として、入力側には、操作パネル201、入口センサS1(図28では不図示)、第1の下搬送路2bにおける所定位置を用紙Pの後端が通過したことを検知する後端検知センサS2が接続され、出力側にはスティプラ12の駆動部、搬送ローラ6の駆動部(便宜上、図28では各部材の名称が示してある)がそれぞれ接続されている。
制御部200では、第2の下搬送路2cに搬入される先行の用紙材と後続の用紙材との後端が合致するタイミングで用紙材を重ね合わせて後処理装置であるスティプラ12に向けて給送する制御を行うようになっており、その制御対象は、
(1)第2の下搬送路2cに搬入される用紙Pが小サイズ、大サイズの順に搬入される場合、
(2)第2の下搬送路2cに搬入される用紙Pが小サイズ、大サイズそしてこれら先行及び後続の用紙Pとは別に新たに後続の用紙と同サイズ(大サイズ)の用紙Pが搬入される場合、
(3)第2の下搬送路2cに対して用紙Pが小サイズ、大サイズそして小サイズの順で搬入される場合、
(4)第2の下搬送路2cに対して用紙Pが大サイズ、小サイズ、大サイズの順に搬入される場合、
の各場合についてである。
このような手順を実行するに当たり、制御部200では、第2の下搬送路2cに搬入される用紙のサイズが操作パネル201から入力されるとともに、後端検知センサS2からの検知信号に基づき、搬送ローラ6の回転方向、回転量及び挟持搬送態位と非挟持搬送態位との切り換え設定が行われる。
(1)に挙げた制御対象の場合を説明すると次の通りである。
図29は、(1)に挙げた制御対象での用紙の移動状態を説明するための図であり、同図(a)において、先行の用紙P1の後端が第2の下搬送路2cに搬入されて切換爪9を通過すると、搬送ローラ6が挟持態位を設定されるとともに搬送ローラ7がそれぞれ用紙P1の搬入時の回転方向と逆方向への回転に切り換えられて用紙P1がプレスタック経路2dに向け移動する(図29(b)参照)。
プレスタック経路2dにスイッチバックされる用紙P1は、搬送ローラ6及び搬送ローラ7の回転量により、U字部頂点に長手方向中央が位置するようになっている。つまり、用紙P1の送り方向長さが210mm(Aサイズ短辺)の場合、図29(b)においてL/2で示したように、U字部頂点を境にして送る方向両端部までの長さが等しくなり、これによってプレスタック経路2dに退避した用紙P1の送り方向端部間での重量バランスが均衡し、不用意に滑落するのが防止された状態が維持される。また、仮に、送り方向両端間での重量バランスが崩れるような位置に後端が移動した場合には、図26及び図27に示した保持部材111,112によって後端が保持されるので、これによっても不用意な滑落が防止される。
一方、先行の用紙P1がプレスタック経路2d内に退避している状態で先行の用紙P1よりも大きいサイズの用紙P2が第2の下搬送路2c内に搬入されるときには、正逆移動量搬送部材(後述の正逆搬送ローラ)6が非挟持態位に切り換えられて後続の用紙P2の搬入を可能にする(図29(c)参照)。後続の用紙P2が第2の下搬送路2c内に搬入される過程で、プレスタック経路2dから再繰り出しされる先行の用紙P1の後端位置と第2の下搬送路2c内を移動する後続の用紙P2における後端位置が合致するタイミング、つまり、図29(d)において符号L1で示すように、先行の用紙P1における搬送ローラ6から後端位置までの長さと後続の用紙P2における搬送ローラ6から後端位置までの長さが合致するタイミングにおいて搬送ローラ6が非挟持態位から挟持態位に切り換えられて先行及び後続の用紙P1,P2を共に挟持搬送する。
このような手順によって先行及び後続の用紙P1,P2の送り方向でのサイズが異なる場合においても、後端位置を揃えた状態でスティプルトレイ14に向け用紙を給送することができる。これにより、スティプルトレイ14においては、用紙のサイズが異なっていても後端同士が揃えられた状態であるので、小サイズの用紙が下位に、叩コロと対面する上位に大サイズの用紙が位置している場合でも、後端の不揃いのない状態で後処理を行うことができる。しかも、プレスタック経路2d内に退避していた先行の用紙P1は、プレスタック経路2dへの退避及びこのプレスタック経路2dからの再繰り出しに際して搬送ローラ6により駆動されることになるので、従来用いられていたプレスタック経路2dでの搬送部材を不要にすることができる。
(2)に挙げた制御対象の場合は次の通りである。
図30は、(2)に挙げた制御対象での用紙に移動状態を示す図であり、図30(a)は、図29(d)に示した状態から連続する手順である。図30(a)において、図29に示したように先行及び後続の用紙P1,P2が後端を揃えられて搬送ローラ6によって重ねられた状態で第2の下搬送路2c内に搬入されると、図30(b)に示すように搬送ローラ6及び搬送ローラ7が逆転することにより先行及び後続の用紙P1,P2がプレスタック経路2dに向けスイッチバックされる。プレスタック経路2d内に用紙P1,P2が退避した状態で後続の用紙P2と同じサイズの用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入されると、搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられ、新たな用紙P3の搬入が行われる(図30(c)参照)。一方、新たな用紙P3の後端が後端検知センサS2によって検知されると、その検知時期から退避状態にある後続の用紙P2の先端と合致する時期に合わせて搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられることにより3枚の用紙P1〜3が後端を合致させた状態で処理トレイに向け給送される(図30(d)参照)。
図31は、この場合の手順を説明するためのフローチャート(便宜上、図31において前記(3)の場合に相当するステップ部分を「小−大−小その1」と表示してある。)に該当する場合である。同図において、ステップS21からS24で示す処理は、先行及び後続の用紙に対する処理であり、図30においては(a)に示す状態に相当している。なお、図31以降のフローチャートにおいて、搬送ローラ6を便宜上、正逆搬送ローラと称し、また先行及び後続の用紙を1枚目及び2枚目の用紙と表示する。
先行(1枚目)及び後続(2枚目)の用紙同士の後端が揃えられた状態で新たに第2の下搬送路2cへ用紙P3が搬入される場合には、新たな用紙P3のサイズと後続の用紙P2とのサイズが比較され(ステップS25)、後続の用紙P2よりも大きいサイズである場合には、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられて(ステップS26)、図30(c)に示す状態になる。この状態において、新たに搬入された用紙P3の後端とプレスタック経路2dに退避している先行及び後続の用紙P1,P2の後端とが合致するタイミングが設定され(ステップS27)、そのタイミングに基づいて正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられて三者の用紙P1,P2,P3が共に後端を合致させた状態で給送されることになる(ステップS28)。この状態が図30(d)に示す状態である。
前述した先行及び後続そしてこれらとは別に新たに搬入される用紙のサイズが、小サイズ、大サイズ及び大サイズの場合の別手順としては、図32及び図33に示す手順を用いることも可能である。すなわち、図32において、図30に示したような後続の大サイズの用紙P2を先行の小サイズの用紙P1とともにプレスタック経路2dに退避させる代わりに、図29(d)に示した状態、つまり、第2の下搬送路2cに搬入された後続の用紙P2の後端とプレスタック経路2dに退避している小サイズの先行の用紙P1とが正逆搬送ローラ6から後端までの長さが合致するタイミングで正逆ローラ6を挟持搬送態位に切り換えるのを中断して切り換えないままとし(図32(a)参照)、この状態で後続の用紙P2と同じサイズである大サイズの用紙P3を第2の下搬送路2cに搬入し、後続の用紙P2と先端が合致した時点で正逆搬送ローラ6を挟持搬送態位に切り換えて三者の用紙P1,P2,P3の後端を合致させた状態で給送する(図32(b)参照)。
図33はこの場合の手順を説明するためのフローチャートであり、同図において、「小−大−大その2」と表示してあるように、先行(1枚目)の用紙P1と後続(2枚目)の用紙P2との後端が合致した状態で正逆搬送ローラ6は非挟持搬送態位に維持され(ステップS31)、新たに搬入される用紙P3のサイズと後続(2枚目)の用紙P2のサイズとが比較される(ステップS32,S33)。ステップS33において、新たに搬入される用紙P3が後続(2枚目)の用紙P2と同じく大サイズである場合には、新たに搬入される用紙P3の後端と先行(1枚目)及び後続(2枚目)の用紙P1,P2の後端との合致状態が判別され(ステップS34)、合致タイミングに合わせて正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられて三者の用紙の後端を合致させた状態で給送する(ステップS35)。この状態が図32(b)に示す状態である。
(3)に挙げた制御対象の場合は次の通りである。
図34はこの場合の用紙の移動状態を示しており、同図において、先行の用紙P1と後続の用紙P2との後端を合致させる状態は、図30に示したように先行(1枚目)の用紙P1と後続(2枚目)の用紙P2とがプレスタック経路2dに退避する(図34(a)参照)。この状態において第2の下搬送路2cに対して搬入される用紙P3は、後続の用紙P2よりも小サイズであるので、プレスタック経路2dに退避している先行の用紙P1と先端が合致した状態となるタイミングにおいて性逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられて3者の用紙の後端を合致させた状態で給送する(図34(b)参照)。(3)に挙げた場合の手順は、図31及び図33において「小−大−小」と表示した処理ステップに従う。
(4)に挙げた制御対処の場合は次の通りである。
図35において、大サイズを有する先行の用紙P1が第2の下搬送路2cに搬入されるときには正逆搬送ローラ6が、先行の用紙P1の後端が到達するまで間、挟持搬送態位とされ、先行の用紙P1がその先端を搬送ローラ7により挟持搬送されて後端が切換爪9の位置を外れると、非挟持搬送態位に設定される(図35(a)参照)。先行の用紙P1がその先端を搬送ローラ7により挟持搬送されて後端が切換爪9の位置を外れると、先行の用紙P1はプレスタック経路2dに向けスイッチバックされる(図35(b)、(c)参照)。プレスタック経路2dに先行する用紙P1の後端が退避するときの退避量は、正逆搬送ローラ6から後端までの長さが後続の小サイズ用紙P2が正逆搬送ローラ6から後端までの長さと同じとなる量とされる(図35(d)参照)。本実施形態では、先行の大サイズ用紙P1の長さが420mm(A3長辺)、後続の小サイズ用紙P2の長さが210mm(A4短辺)の場合、先行の大サイズ用紙P1における退避量が正逆搬送ローラ6から後端までの長さをおおよそ210mmに設定した量に相当させてある。そしてこのときの先行の大サイズ用紙P1の先端は搬送ローラ7によって挟持された状態を維持している。
先行の大サイズ用紙P1と後続の小サイズ用紙P2の後端とが合致するタイミングで正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられて両方の用紙P1,P2が後端を揃えられた状態で第2の下搬送路2c内に搬入され(図35(e)参照)、後端位置が正逆搬送ローラ6に達すると、正逆搬送ローラ6の回転方向が切り換えられて両方の用紙の後端がプレスタック経路2dに退避される(図35(f)参照)。このときの退避量は、先行の大サイズ用紙P1の先端が搬送ローラ7によって挟持搬送される量に相当させてある。後続の小サイズ用紙P2に続いて新たに先行の大サイズと同じサイズの用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入されるときには、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられ(図35(g)参照)、新たな大サイズ用紙P3が、その先端を搬送ローラ7に到達させるときに合わせて正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられるとともに、三者の用紙を重ね合わせて給送する態位とされる(図35(h)参照)。
図36は、図35に示した動作の手順を説明するためのフローチャートである。同図において、先行(1枚目)の大サイズ用紙P1の先端が搬送ローラ7の挟持位置に達したかどうか判定され(ステップS41)、その用紙P1の後端が切換爪9を通過したかどうかの判定結果により(ステップS42)、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられる(ステップS43)。先行(1枚目)の大サイズ用紙P1の後端が切換爪9を通過した時点で搬送ローラ7が回転方向を逆転させることにより先行(1枚目)の大サイズ用紙P1がその後端をプレスタック経路2dに対して上述した所定量を以て退避し、その移動量が判定される(ステップS44)。先行(1枚目)の大サイズ用紙P1が後端をプレスタック経路2dに退避させると、後続(2枚目)の小サイズ用紙P2が第2の下搬送路2cへの搬入を開始され(ステップS45)、先行(1枚目)の大サイズ用紙P1の後端と合致するタイミングで正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられて後続(2枚目)の小サイズ用紙P2が後端を合致させた状態で第2の下搬送路2c内に搬入される(ステップS46)。この状態が図35(d)に示す状態である。
新たに第1及び第2の下の搬送路2b,2cに向け搬入される用紙P3のサイズが操作パネル201(図28参照)からの指令により先行の小サイズ用紙P1に対して比較され(ステップS47)、大サイズ、つまり後続の大サイズ用紙P2と同じサイズであると判別した場合には、正逆搬送ローラ6を挟持態位に切り換えて先行及び後続の用紙P1,P2がその後端を正逆搬送ローラ6に挟持された状態が得られると、正逆搬送ローラ6及び搬送ローラ7の回転方向を逆転させることにより先行及び後続の用紙P1,P2がプレスタック経路2dに向けスイッチバックされて各用紙P1,P2の後端がプレスタック経路2dに退避する(ステップS48,S49)。この状態が図35(e)、(f)に示す状態である。
プレスタック経路2dにおいて先行及び後続の用紙P1,P2が退避している状態で新たな大サイズ用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入されるのに対応させて正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられ(ステップS50)、新たな大サイズ用紙P3を第2の下搬送路2cに向け搬入する。新たな大サイズ用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入される過程で後続の(2枚面)の大サイズ用紙P2と後端が合致するタイミングで正逆搬送ローラ6が挟持態位に切り換えられ、後端を合致させている先行及び後続の用紙P1,P2に対して後端を合致させた状態で新たな用紙P3が先行及び後続の用紙P1,P2とともに給送される(ステップS51,S52)。この状態が図35(h)に示す状態である。
なお、先行の用紙P1が第2の下搬送路2cに搬入される際には、図35(a)〜(c)に示したように、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に設定されている状態を前提としているが、この態位とすることなく後端を合致させる手順を得ることができるが、後続の用紙が搬入されて正逆搬送ローラ6に達すると同時にスイッチバック操作に移行する関係上、接離動作の精度による後端位置の位置合わせ精度や制御の簡便性などにおいて不利となることもあるので非挟持搬送態位に維持しておく方が好ましい。
また、本実施形態では、搬送手順として先行、後続の各用紙及びこれら2種類の用紙に加えて新たに導入される用紙のサイズに基づき後処理部への給送状態の設定を可能にしているが、これらの用紙の組み合わせだけでなく、例えば2種類の用紙を対象とした手順を繰り返すことができれば、4種類の用紙を対象とすることも可能である。
本実施形態では、前述した手順を組み合わせることによりプレスタック経路2dに退避させる用紙を3枚以上とすることも可能である。例えば、(3)に挙げた手順により3枚目の小サイズの用紙を先行、後続の用紙と共に給送する代わりに4枚目に大サイズの用紙が搬入されるとした場合、3枚目の小サイズの用紙が第1の搬送路に搬入される際にプレスタック経路2dに退避している先行、後続の用紙を共に第1の搬送路に給送した後、3枚の用紙をプレスタック経路2dにスイッチバックした後、4番目の大サイズの用紙が第1の搬送路に搬入される際に後端が揃えられた状態で退避している3枚の用紙とともに4枚目の用紙の後端が合致するタイミングで第2の下搬送路2cに向け搬入する。これにより、後処理装置において後端そろえが難しい用紙サイズの組み合わせである、小サイズ、大サイズの順で搬送される用紙の後端を揃えることが可能となる。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
以上のように本実施形態によれば、搬入される用紙のサイズに応じて正逆搬送ローラが挟持搬送態位と非挟持搬送態位とに切り換えられるので、搬入される用紙のサイズに関係なく搬入された用紙同士の搬送障害を招くことなく後端合わせのための搬送形態を設定することが可能となる。
[第7の実施形態]
前述の各実施形態におけるプレスタック経路2dのように用紙の反転搬送路へのスイッチバックが可能な構成とした場合、先行する用紙が反転搬送路へ搬入されるまでの間、先行の用紙との間で発生する干渉を避けるために後続の用紙を搬出することができない。このため、プレスタックに要する時間が長くなり、後処理作業の効率化が図れないのが現状である。特に、プレスタックの対象となる用紙は、用紙の送り方向と直角な方向である幅方向のサイズが同じである場合だけでなく送り方向の長さが異なるものも対象となり、この場合において先行する用紙が後続の用紙よりも送り方向のサイズが大きい場合には、サイズが小さい用紙を対象とする場合に比べて待機時間が長くなり、後処理全般に要する作業時間が長くなってしまうことは否めない。
そこで、本実施形態では、特に混載モードにおいて先行する用紙が後続の用紙よりも送り方向でのサイズが大きい場合でも後続の用紙の搬入開始までの時間を短縮させ、後処理作業に要する時間を短縮して効率を向上させるようにしたものである。以下、図面を参照して詳述する。用紙後処理装置2自体は第1の実施形態と同等であり、制御構成は第6の実施形態における図28の構成と同等なので、説明は省略する。
図37は、本実施形態における用紙の移動状態を示す図である。同図において、先行の大サイズ用紙P1を第2の下搬送路2cに搬入するために、正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に設定される。この状態において先行の大サイズ用紙P1が搬入されて先端が搬送ローラ7に達して挟持されると正逆搬送ローラ6が非挟持態位に切り換えられる(図37(a)参照)。第2の下搬送路2cに搬入された先行の大サイズ用紙P1は、搬送ローラ7が逆転することによりプレスタック経路2dに向けてスイッチバックされ、その後端がプレスタック経路2dに退避する(図37(b)参照)。一方、先行の大サイズ用紙P1がプレスタック経路2d内に後端を退避させる過程において後続の小サイズ用紙P2が第2の下搬送路2cに搬入を開始する(図37(c)参照)。このときの後続の小サイズ用紙P2の搬入開始タイミングは、先行の大サイズ用紙P1の後端がプレスタック経路2d内へ導入され始める時期から先端が搬送ローラ7から外れない位置に達するまでの間の期間である。
先行の大サイズ用紙P1がプレスタック経路2d内に向けてスイッチバックしている過程で後続の小サイズ用紙P2が第2の下搬送路2cに搬入される段階において、両方の後端が合致するタイミングによりプレスタック経路2d内に退避している先行の大サイズ用紙P1が第2の下搬送路2cに向けて再繰り出しされる。ここに、先行の大サイズ用紙P1と後続の小サイズ用紙P2とが後端を合致させた状態で同じ方向、つまり第2の下搬送路2c内に給送されることになる(図37(d)参照)。
図38は図37に示した用紙の搬送開始動作を示すタイミングチャートである。なお、図38における、正及び逆の表示は、正逆搬送ローラ6及び搬送ローラ7の回転方向を示している。同図において、先行(1枚目)の用紙P1が第2の下搬送路2cに搬入されるとプレスタック経路2dに向けてスイッチバックされるが、従来の場合には、スイッチバックが完了してから後続の用紙P2が第2の下搬送路2cに搬入されるとタイミングが(T0)設定されている。これに対して、本実施形態では、先行の用紙P1がプレスタック経路2dにスイッチバックされる期間に後続の用紙P2が第2の下搬送路2cに対して搬入を開始するタイミング(T1)が設定されている。この結果、本実施形態と従来の場合とでは、後続の用紙P2が搬入を開始するまでの待機時間において(T0−T1)の時間差が得られ、これによって後続の用紙P2が搬入を開始するまでの待機時間を短縮することができる。
図39は図37の動作の手順を示すフローチャートである。同図において、先行(1枚目)の大サイズ用紙P1の先端が搬送ローラ7の挟持位置に達したかどうか判別され(ステップS61)、その用紙P1の後端が切換爪9を通過したかどうか判別される(ステップS62)。先行(1枚目)の大サイズ用紙P1の後端が切換爪9を通過したことが判別されると、先行(1枚目)の大サイズ用紙P1がプレスタック経路2dに向けてスイッチバックされて退避動作が行われる(ステップS63)。このとき、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられた上で(ステップS64)、後続(2枚目)の小サイズ用紙P2が第2の下搬送路2cに搬入される(ステップS65)。
先行(1枚目)の大サイズ用紙P1及び後続(2枚目)の小サイズ用紙P2がそれぞれ各搬送路を移動する過程において、両方の用紙同士の後端が合致しているか判別される(ステップS66)。この判別に際しては、用紙サイズと用紙の搬送速度に基づき、例えば、両搬送路の合流位置に搬送される後端が一致するかどうかが判定され、後端が一致するタイミングにより正逆搬送ローラ6が挟持態位に切り換えられて両方の用紙P1,2が重ねられた状態で同じ方向、つまり第2の下搬送路2cに給送される(ステップS67,S68)。
このように処理すると、各搬送路への搬送時期の一部をオーバーラップさせた関係により後続の用紙の搬送開始までの時間を短縮することができる。特に、先行の用紙P1がスイッチバックする方向と後続の用紙P2が搬入される方向とが相反する方向であるので、両方の用紙の後端が一致するタイミングを早く得ることができる。これにより、スイッチバックする先行の用紙P1の移動量を少なくすることが可能となる。
一方、混載モードにおいては、2枚だけでなく3枚の用紙を重送する場合も含まれる。以下、この場合について説明する。
図40は、先行及び後続の用紙P1,P2が送り方向において同じ大きさで、かつこれら用紙P1.P2とは別に新たに搬入される用紙P3が送り方向において先行及び後続の用紙P1,P2よりも小さい場合を対象とした動作手順を示す図である。同図において(a)、(b)に示す状態は、図39における(a)、(b)に示す状態と同じである。そして、先行の大サイズ用紙P1が第2の下搬送路2cからプレスタック経路2dに向けスイッチバックされる過程で、後続の大サイズ用紙P2が第2の下搬送路2cに搬入される(図40(c)、(d)参照)。そして、先行及び後続の用紙P1,P2の先端が一致するタイミングにおいてそれまで非挟持搬送態位に設定されていた正逆搬送ローラ6が挟持搬送態位に切り換えられ、両方の用紙P1,P2の先端が一致した状態、換言すれば、後端が一致した状態で第2の下搬送路2c内に給送される。次いで、後端が切換爪9の位置を通過して後端が正逆搬送ローラ6に対向している状態が得られると、正逆搬送ローラ6が非挟持搬送態位に切り換えられ、新たな小サイズ用紙P3の第2の下搬送路2cへの搬入が開始される(図40(f)参照)。これにより、新たな小サイズ用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入される際に正逆搬送ローラ6によって移動を阻まれることなく第2の下搬送路2cに搬入されることになる。後続の小サイズ用紙P3が第2の下搬送路2cに搬入される過程で、先行及び後続の大サイズ用紙P1,P2の後端と一致するタイミングで正逆搬送ローラ5が挟持搬送態位に切り換えられ、三者の用紙が重ねられた状態で第2の下搬送路2c内を同じ方向に給送される(図40(g)参照)。
図41は、図40の動作の手順を示すフローチャートである。同図において、ステップS61からステップS66までの各処理は図39のフローチャートと同様である。そこで、ステップS66で先行及び後続の用紙P1,P2の後端が一致すると、その状態で第2の下搬送路2cに搬入され(ステップS69)、それらの先端が搬送ローラ7により挟持される位置に達したかどうかが判定され(ステップS70)、次いで後端が切換爪9の位置を通過したかどうかが判定される(ステップS71)。なお、図41には図示していないが、先行及び後続の用紙P1,P2同士が共に第2の下搬送路2c内に搬入される際には、正逆搬送ローラ6は挟持搬送態位に設定されている。
先行及び後続の用紙P1,P2の後端が切換爪9の位置を通過したと判断されると、これら両方の用紙P1,P2が纏めてプレスタック経路2dに向けてスイッチバックされるとともに(ステップS72)、新たに小サイズ用紙P3の第2の下搬送路2cへの搬入が開始される(ステップS73)。先行及び後続の用紙P1,P2がスイッチバックされる過程で第2の下搬送路2c内に搬入される新たたな小サイズ用紙P3の後端が上記二者の用紙P1,P2の後端と一致するタイミングを判別し(ステップS74)、三者の用紙P1〜P3が纏めて第2の下搬送路2c内に給送される(ステップS75)。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
以上のように本実施形態によれば、混載モードにおいて先行する用紙材が後続の用紙材よりも送り方向でのサイズが大きい場合でも後続の用紙材の搬入開始までの時間を短縮することが可能となり、後処理の効率を向上させることができる。
[ジョブ内におけるプレスタック動作]
上述の第1〜第7の実施形態で説明したように、プレスタックの目的は主に後処理(整合+ステープル処理等)の時間を稼ぐための部間のバッファリング機能である。しかし、最近の高速機においては部内の整合動作のバッファリング機能としても使用されている。
従来は、後処理を施す部内の用紙の整合は1枚毎に行うのが一般的であったが、最近の高速機においては1枚毎に整合する時間が無いため、1枚置きにプレスタックを行い2枚を同時に整合している。更に高速化に対応するためには、2枚以上のプレスタックを行い、複数枚を同時に整合することもできる。但し、サイズ、紙厚、モード等によってはプレスタックを行えない、またはプレスタック枚数を少なくする必要がある。プレスタック時は用紙を重ね合わせて搬送させるため、プレスタック枚数を多くすると紙種、紙厚対応性が悪くなり搬送品質が低下したり、用紙整合性が悪くなるためである。プレスタックを行わない、または少なくすると整合する時間を稼ぐために受入紙間隔を長くし生産性を落とす必要がある。なお、整合動作にかかる時間又はプレスタックの可能枚数によっては、プレスタックを行ったとしても画像形成装置1本体の生産性を全く低下させないと言うわけにはいかない。しかし、プレスタックを行わない場合より生産性の向上は出来る。
紙間隔を長くする場合は、部内の全用紙の紙間隔を一律長くするのが普通であった。しかし、複数枚のプレスタックを行う場合、この方法では紙間隔の制御が複雑化する。これはプレスタック枚数によって、生産性が最適になる紙間隔が変わってくるためで、プレスタック枚数ごとに紙間隔の制御を変更する必要がある。しかし、プレスタック枚数ごとに紙間隔の制御を変更すると、制御が複雑化し、開発期間の増大やソフトバグの増大に繋がる。
そこで、紙間隔の制御をなるべく複雑にさせないようにするには、長めの紙間隔を設定することになるが、これでは最適な生産性にならない。つまり、本来の機器能力に対して生産性が低下してしまう。
本発明は、上記のように用紙後処理ユニット部内の整合動作のバッファリング機能としてプレスタック動作が行われる場合の紙間隔(用紙給紙タイミング)について新たに創案したものである。
すなわち、本発明では、前述の解決手段及び効果の欄に記載のように、用紙処理装置において、プレスタック枚数置きの用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することで、上記のような不具合を解消するものである。
また、本発明では、プレスタック枚数を最適化して整合性、紙種対応性を向上させるものである。
さらに本発明では、サイズ混載時のプレスタック枚数を0として搬送性、整合性を向上させるものである。
さらに本発明では、プレスタック枚数を0とするタイミングを最適化し、生産性を向上させるものである。
さらに本発明では、折り用紙処理時のプレスタック枚数を0として搬送性、整合性を向上させるものである。
さらに本発明では、プレスタック枚数が0となった場合でも、同様の紙間隔制御によって、生産性の低下を最小限にするものである。
さらに本発明では、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の滞留紙規定枚数Nが0である場合は、滞留紙規定枚数Nが0でない場合に対し、規定時間を変更し、生産性を最適化するものである。
さらに本発明では、各後処理モード、後処理の詳細動作が変更になり、必要なプレスタック枚数が変更された場合は、用紙後処理ユニットから画像形成装置本体側の用紙供給ユニットを制御する制御部へ変更情報を通知することによって、用紙後処理ユニットの変更だけで最適な紙間制御を行うものである。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
[用紙給紙タイミング]
図42、図43は、本発明において、画像形成装置1本体が用紙後処理装置2に用紙を搬送するタイミングについて示している。
前述した実施形態で説明したように、プレスタックされた用紙は、次に搬送されてくるプレスタックされない用紙と重ね合わせてスティプルトレイ14に搬送される。従って、先行用紙のプレスタックされない用紙がスティプルトレイ14に進入してから、次に用紙がスティプルトレイ14に進入してくるのは、次のプレスタックされない用紙が搬送されてくるタイミングとなる。
このことより、先行用紙のプレスタックされない用紙と、次のプレスタックされない用紙の紙間時間を規定時間(整合時間)以上とすれば、先行用紙の整合中に後続の用紙がスティプルトレイ14に進入してくることはない。
図42、図43は例としてプレスタック枚数が1枚の場合について示している。
図42のように、画像形成装置1本体の生産性において、先行ジョブの最終紙から、後続ジョブのプレスタック次用紙までの紙間時間が元々規定時間以上である場合は画像形成装置1本体の生産性を低下させずに後処理を行うことができる。
一方、図43のように、画像形成装置1本体の生産性において、先行用紙のプレスタックされない用紙と、次のプレスタックされない用紙の紙間時間が規定時間未満であった場合は、規定時間以上となるようにプレスタック次用紙の送り出しタイミングを遅らせる(規定時間と等しくすると最も生産性を向上できる)。
上記の画像形成装置1本体の制御部(図28の制御部200)による用紙供給ユニット(図示せず)の用紙供給制御について、制御動作の手順を示すフローチャートを図44に、タイミングチャートを図51に示す。
図44に示す用紙供給制御では、制御が開始されると、まず用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2から通知された情報に基づいてプレスタック枚数の取得を行う(ステップS81)。このプレスタック枚数取得のサブルーチンの例を図45〜49に示す(各サブルーチンの詳細は後述する)。
プレスタック枚数の取得の後は、規定時間(整合時間)の取得を行う(ステップS82)。この規定時間(整合時間)取得のサブルーチンの例を図50に示す(サブルーチンの詳細は後述する)。
規定時間(整合時間)の取得の後、用紙供給ユニットの次用紙供給タイミングかを判断し(ステップS83)、次用紙供給タイミングであれば、用紙後処理ユニット部内紙間隔管理対象用紙かを判断する(ステップS84)。そして、用紙後処理ユニット部内紙間隔管理対象用紙でなければ給紙用紙が用紙後処理ユニット部の最終紙かの判断を行ない(ステップS89)、最終紙でなければプレスタック枚数取得(ステップS81)に戻り、最終紙であれば次に最終かを判断し(ステップS90)、最終でなければプレスタック枚数取得(ステップS81)に戻り、最終であれば制御を終了する。
また、用紙後処理ユニット部内紙間隔管理対象用紙かの判断(ステップS84)で、用紙後処理ユニット部内紙間隔管理対象用紙であれば、次に給紙用紙がプレスタックしない用紙かを判断する(ステップS85)。そしてプレスタックしない用紙でなければ(即ちプレスタックする用紙であれば)次用紙供給をスタートし(ステップS88)、プレスタックしない用紙であれば、タイマカウント値が規定時間以上かを判断し(ステップS86)、規定時間未満であった場合は、規定時間以上となるまで次用紙の送り出しタイミングを遅らせる。そして規定時間以上であれば、タイマカウントをスタートし(ステップS87)、次用紙供給をスタートする(ステップS88)。次用紙供給スタートの後、給紙用紙が用紙後処理ユニット部の最終紙かの判断を行ない(ステップS89)、最終紙でなければプレスタック枚数取得(ステップS81)に戻り、最終紙であれば次に最終かを判断し(ステップS90)、最終でなければプレスタック枚数取得(ステップS81)に戻り、最終であれば制御を終了する。
次にプレスタック枚数の取得について説明する。
本実施例では、プレスタック部にて滞留させるプレスタック枚数を、用紙後処理装置2の後処理モードによって変更するようにしている。
プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上する。よって、整合動作が間に合う範囲でプレスタック枚数は少ない方が良い。後処理のモードによって、整合に必要な時間は変化する。例えば、用紙の端面を綴じる端綴じモードと中綴じ・折りを行う中綴じモードでは処理が異なるため整合に必要な時間も変わる場合がある。仮に、中綴じモードに比べて端綴じモードの整合動作が短い時間で済むのであれば、中綴じモードに比べて端綴じモードのプレスタック枚数は少なく出来る可能性がある。また、前述したように、プレスタック枚数は少ない方が整合性、紙種対応性が向上する。
本実施例では、プレスタック部にて滞留させるプレスタック枚数を、後処理モードによって変更する場合は、図45のサブルーチンに示すように、メモリ上のデータリストから後処理モードに対応したプレスタック枚数を取得する。
また、本実施例では、用紙後処理装置2のプレスタック部にて滞留させる滞留紙の枚数を、用紙サイズ情報によって変更するようにしている。例えば長手サイズの用紙の場合、1枚分のプレスタックで稼げる紙間隔が大きい。したがって、プレスタック枚数は少なくても生産性が低下しない。逆に短手の用紙の場合は多数枚のプレスタックを行わないと生産性が低下してしまう。
本実施例では、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の枚数を、用紙サイズ情報によって変更する場合は、図46のサブルーチンに示すように、メモリ上のデータリストから用紙サイズに対応したプレスタック枚数を取得する。
更に本実施例では、用紙後処理装置2のプレスタック部にて滞留させるプレスタック最大枚数を、操作パネル201から設定する手段を有している。設定されたプレスタック最大枚数をメモリ上に記憶しておき、各モードのプレスタック枚数を決定する。プレスタック滞留部はスペース的、コスト的面から、厚紙や特殊紙の搬送品質が悪くなる場合が多い。この様に搬送品質が悪く、ジャムや用紙ダメージが発生する場合は、プレスタック枚数を少なくしたり、プレスタックを行わない(プレスタック枚数を0にする)設定とすることで、搬送品質を向上させることができる。
そこで本実施例では、図47のサブルーチンに示すように、上記の各取得データを総合し、各取得データからプレスタック枚数を決定するようにしている。
次に、用紙後処理ユニット部内において、異なる用紙サイズを受け入れる場合、重ね合わせの搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題がある場合がある。プレスタックを行う場合は複数の用紙を同時に整合させるため、搬送方向の揃えも用紙の端部を揃える必要がある。この場合、用紙サイズが同じである必要がある(サイズ混載等で用紙サイズが違う場合、用紙端部を揃えても小サイズの揃えは出来ない)。このため、プレスタックを行わないで、1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。この場合プレスタックを行わない(プレスタック枚数を0にする)設定とすることで、搬送性、整合性を向上させる。搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題があるのは、用紙サイズが変化する直前の用紙以降である。用紙サイズが変化する直前の用紙をプレスタックすると、次のサイズの異なる用紙と重ね合わせて搬送、整合する必要があるためで、逆にそれ以前の用紙に関しては同サイズであるので、プレスタックを行った方が生産性が向上する。
次に、用紙後処理ユニット部内において、折りの施された用紙を受け入れる場合、重ね合わせの搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題がある場合がある。Z折り等の施された用紙は端部が曲がって折られている場合があり、端部を押すことで逆に整合性が悪くなる可能性がある。このため、プレスタックを行わないで、1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。この場合プレスタックを行わない(プレスタック枚数を0にする)設定とすることで、搬送性、整合性を向上させる。搬送性、整合性の面でプレスタックを行うと問題があるのは、折りの施された用紙の直前の用紙以降である。折りの施された用紙の直前の用紙をプレスタックすると、折り用紙と重ね合わせて搬送、整合する必要があるためで、逆にそれ以前の用紙に関しては、プレスタックを行った方が生産性が向上する。
図49に、折り用紙が混載した場合にプレスタックを行わない制御動作のサブルーチンを示す。図49の制御では、折り用紙が混載した場合には、プレスタックを行わない(プレスタック枚数を0にする)設定とし、折り用紙が混載していない場合は、図47のサブルーチンに示しように、各条件からプレスタック枚数を取得する。
上記の様に、各条件によりプレスタック枚数が変化した場合(プレスタック枚数0を含む)でも、先行用紙のプレスタックされない用紙と、次のプレスタックされない用紙の紙間時間を規定時間(整合時間)以上となるように、画像形成装置1本体の用紙供給タイミングを制御することによって、生産性の低下を最小限にすることができる。
次に、用紙後処理装置2でプレスタックを行う場合は、複数の用紙を同時に整合させるため、搬送方向の揃えも用紙の端部を揃える必要がある。この場合、用紙サイズが同じである必要がある(サイズ混載等で用紙サイズが違う場合、用紙端部を揃えても小サイズの揃えは出来ない)。
また、Z折り等の施された用紙は端部が曲がって折られている場合があり、端部を押すことで逆に整合性が悪くなる可能性がある。
このため、プレスタックを行わない場合は1枚毎に用紙表面を叩きコロの摩擦力で後端フェンスに突き当てる方式がとられる。このように、プレスタックを行う場合と、行わない場合で整合方式が異なり、整合時間も変わってくる場合がある。この様に、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の規定枚数Nが0である場合は、規定枚数Nが0でない場合に対し、規定時間を変更し、生産性を最適化する。図50は、プレスタックの有無に対応した規定時間(整合時間)を取得する場合の制御動作のサブルーチンを示している。
プレスタック部にて滞留させる滞留紙の枚数の最適値は、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の機構、制御で決まる。また、後処理モードや用紙サイズによって整合制御も変える必要があり、必要なプレスタック枚数も変わる可能性がある。更に、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の機構、制御に変更を加えた場合も必要なプレスタック枚数が変わる可能性がある。
紙間隔制御を画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットが行う場合、各条件に応じたプレスタック枚数の最適値を、画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットを制御する制御部200が認識する必要があるが、この最適値を画像形成装置1本体側の制御部200が記憶している場合、画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットの機構、制御に変更を加えた場合に、画像形成装置1本体の制御部200が記憶している最適値も同時に変更する必要がある。
そこで本実施例では、プレスタック部にて滞留させる滞留紙の枚数を、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2から画像形成装置1本体の制御部200へ通知する。例えば、各後処理モード、後処理の詳細動作が変更になり、必要なプレスタック枚数が変更された場合は、用紙後処理装置2から画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットを制御する制御部200へ通知することによって、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の変更だけで最適な紙間制御を行うことができる。
次に、プレスタック枚数置きの規定時間の最適値は、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の機構、制御で決まる。このためモードやサイズによって整合制御も変える必要があり、必要な規定時間も変わる可能性がある。更に、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の機構、制御に変更を加えた場合も必要な規定時間が変わる可能性がある。
本発明の用紙処理装置における紙間隔制御を画像形成装置1本体の制御部200が行う場合、各条件に応じた規定時間の最適値を画像形成装置1本体の制御部200が認識する必要があるが、この最適値を画像形成装置1本体の制御部200が記憶している場合、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の機構、制御に変更を加えた場合に画像形成装置1本体の制御部200が記憶している最適値も同時に変更する必要がある。
そこで本実施例では、プレスタック枚数置きの規定時間を、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2から画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットを制御する制御部200へ通知する。また、各後処理モード、後処理の詳細動作が変更になり、必要な規定時間が変更された場合は、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2から画像形成装置1本体側の用紙供給ユニットを制御する制御部200へ通知することによって、用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)2の変更だけで最適な紙間制御を行うことができる。
1:画像形成装置
2:用紙後処理装置(用紙後処理ユニット)
2b:第1の下搬送路
2c:第2の下搬送路
2d:プレスタック経路(プレスタック部)
2e:分岐爪
2f:上搬送路
2h:分岐点
4:入口ローラ
5:第1の搬送ローラ
6:第2の搬送ローラ(正逆搬送ローラ)
7:第3の搬送ローラ
8:トレイ排紙ローラ
9:切り換え爪
12:スティプラ
14:スティプルトレイ(用紙整合トレイ)
18:用紙処理部
25:レバー
25a:摺動部分
26:プーリ
26a:ピン
27:モータ
28:ベルト
31:制御装置
32:CPU
200:制御部
201:操作パネル

Claims (16)

  1. 画像形成後の用紙に対して、用紙整合トレイへ用紙を案内する搬送路を有し、前記用紙整合トレイに積載した用紙に対して所定の後処理を施す後処理手段を有し、前記用紙整合トレイの上流側にあり、前記後処理手段にて用紙を後処理している間、次の用紙が前記用紙整合トレイに進入して来ないように1又は複数枚の用紙を滞留させるプレスタック部を有する用紙後処理ユニットと、
    前記用紙後処理ユニットに対し用紙を供給する用紙供給ユニットを備えた用紙処理装置において、
    前記プレスタック部は、後処理の単位である複数用紙を滞留させる前記用紙後処理ユニット部内において、滞留紙規定枚数Nのプレスタックを繰り返す機能を有しており、前記用紙処理装置は、前記滞留紙規定枚数N置きの、前記プレスタックが行われない用紙と前記プレスタックが行われない用紙とが必要紙間以下の場合に、該プレスタックが行われない用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、前記用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することを特徴とする用紙処理装置。
  2. 請求項1記載の用紙処理装置において、
    前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを、後処理モードに基づき決定することを特徴とする用紙処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の用紙処理装置において、
    前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを、用紙サイズ情報に基づき決定することを特徴とする用紙処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    前記プレスタック部に滞留させる滞留紙の最大枚数を設定する手段を有することを特徴とする用紙処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    異なるサイズの用紙を前記用紙後処理ユニット部内に混在して受け入れる混載モードの場合は、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とすることを特徴とする用紙処理装置。
  6. 請求項5に記載の用紙処理装置において、
    滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とするのは、用紙サイズが変化する直前の用紙以降とすることを特徴とする用紙処理装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    折りの施された用紙を前記用紙後処理ユニット部内に1枚以上受け入れる折り用紙受入モードの場合は、滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とすることを特徴とする用紙処理装置。
  8. 請求項7に記載の用紙処理装置において、
    滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nを0とするのは、折りの施された用紙の直前の用紙以降とすることを特徴とする用紙処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    前記プレスタック部にて滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nが0である場合は、前記用紙後処理ユニット部内の前後した用紙間の紙間時間が規定時間以上となるように、前記用紙供給ユニットの用紙供給タイミングを制御することを特徴とする用紙処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    前記プレスタック部にて滞留させる滞留紙の前記滞留紙規定枚数Nが0である場合は、該滞留紙規定枚数Nが0でない場合に対し、前記規定時間を変更することを特徴とする用紙処理装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    前記滞留紙規定枚数Nを、前記用紙後処理ユニットから前記用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することを特徴とする用紙処理装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の用紙処理装置において、
    前記規定時間を、前記用紙後処理ユニットから前記用紙供給ユニットを制御する制御部へ通知することを特徴とする用紙処理装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一つに記載の用紙処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13に記載の画像形成装置において、
    前記用紙後処理ユニットは、画像形成装置本体の外部に設置されることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13または14に記載の画像形成装置において、
    前記用紙供給ユニットは、画像形成装置本体の一部であることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1〜12のいずれか一つに記載の用紙処理装置と、画像形成装置とを連結したことを特徴とする画像形成システム。
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