JP2004284779A - シート処理装置 - Google Patents

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JP2004284779A JP2003081429A JP2003081429A JP2004284779A JP 2004284779 A JP2004284779 A JP 2004284779A JP 2003081429 A JP2003081429 A JP 2003081429A JP 2003081429 A JP2003081429 A JP 2003081429A JP 2004284779 A JP2004284779 A JP 2004284779A
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Yoshiyuki Takaishi
佳幸 高石
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Abstract

【課題】特に複数枚のシートを重ね合わせた状態で後処理することを複数部数について連続して行う場合でも、装置の大幅な大型化や生産性の低下を招くこともなく、その後処理に係る各部数間でのシートどうしの衝突と紙詰まりの発生を容易に防止して後処理を円滑にできるシート処理装置を提供する。
【解決手段】所定枚数のシートを処理トレイに1枚ずつ順に積み重ねて所定の後処理をしてからシート束の状態で排出する後処理手段による後処理が連続して行われる場合、その先行シート束の最終シートとその後続シート束の少なくとも先頭シートとがシート搬送経路から処理トレイに送り出されるときの送出間隔を、その後処理手段の処理時間に応じてシート搬送手段の搬送速度の減速またはその搬送動作の一時停止により変更し得る制御手段を設けた。
【選択図】 図23

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙等のシート1枚ごとに所定の後処理をするシート後処理手段と、所定枚数のシートを処理トレイに積み重ねて所定の束処理をしてからシート束の状態で排出する束処理手段とを少なくとも備えたシート処理装置に係り、特に、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置と組み合わせて使用し、その画像形成装置で画像が形成されるシートについて当該束処理手段による束処理を連続して施す場合に適したシート処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート処理装置としては、一般に、画像形成装置から排出される画像形成後のシートについて揃え処理、綴じ処理、穿孔(孔開け)処理、折り処理等の後処理のうちの少なくとも1つ以上の処理を施す後処理手段を備えたものが知られている。
【0003】
ところが、このようなシート処理装置においては、特に複数のシートを積み重ねて束状にした状態で綴じ処理等の束処理を連続して行うような場合、その束処理に要する時間(処理時間)がシートの供給間隔よりも長くなると、その先行するシートに対する束処理を行っている間に次のシートがその束処理を行っている当該後処理(束処理)手段に到達してしまい、この結果、シートどうしが衝突して紙詰まりを起こしてしまうことがあった。
【0004】
そこで、本出願人は、かかる不具合を解消するために有効なシート処理装置等の提案をしている(特許文献1)。
【0005】
そのシート処理装置とは、1枚ずつ所定の処理を行う処理手段が複数具備されているシート処理装置であって、2以上の処理手段が選択された場合に、その選択された処理手段のうちシート1枚当たりにかかる処理時間がもっとも長い処理手段の処理時間に応じて、シート供給手段からのシート送り出しタイミングを変更する制御手段を装備するものである。また、その提案のなかでは、複数の処理手段を有するシート処理装置と画像形成装置を備えた画像形成システムとして、2以上の処理手段が選択された場合に、その画像形成装置からシート処理装置へのシートの送り出しタイミングをもっとも長い処理手段の処理時間に応じて変更する制御手段を装備するものについても示している。
【0006】
しかし、この提案のシート処理装置等にあっては、シート1枚当たりの処理時間が長い後処理手段が選択されると、常にシートの送り出しタイミングが遅い条件に変更されることになるため生産性が低下しやすい傾向にある。また、複数枚のシートを処理トレイなどに重ねた状態にしてから綴じ処理等の後処理をすることを複数部数について連続して行う場合には、例えばその部数間において画像形成装置側での画像形成動作等をシート1枚分以上停止させることになり、生産性が大幅に低下してしまうこともある。
【0007】
このため、従来においても、画像形成装置から送られてくる用紙に後処理を施しても、画像形成装置の生産性を低下させないこと等を課題とした後処理装置の提案がされている(特許文献2)。
【0008】
その後処理装置とは、後処理部より上流側の用紙搬送経路に一度分岐した後に再び合流する2経路を設け、その1経路に先行する用紙を送り込んで合流地点より下流側に設けたストッパーにより停止させるとともに、その他方の経路に後続の用紙を当該ストッパーに当接させるまで送り込んで先行する用紙と重ねあわせた後、そのストッパーによる停止状態を解除して用紙を重ね合わせた状態で後処理部に搬送するという重ね合わせ手段を設けたものである。
【0009】
このような重ね合わせ手段を設けることにより、1部目の最終用紙の排出から2部目の重ねられた用紙の1回目の排出まで1枚分の用紙処理時間が余分に確保され、その確保した時間内に先行する後処理等を行うことで画像形成装置の生産性を落とすことなく後処理ができるというものである。
【0010】
【特許文献1】特開2001−341366号公報
【特許文献2】特開平10−250914号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の重ね合わせ手段を設けた後処理装置にあっては、次のような課題がある。
【0012】
まず、その重ね合わせ手段を構成するための分岐経路(およびその経路用の用紙搬送手段も含む)を必ず設けなければならず、その分、設置スペースの確保が必要となり装置の小型化には支障となる。特に搬送方向のサイズが長い比較的大きいサイズの用紙(例えばB4版用紙、A3版用紙など)にも対応させるためには、そのサイズが増す分より長い分岐経路を設けるための設置スペースを確保する必要があり、装置の大型化を招いてしまう傾向にある。
【0013】
また、その重ね合わせ手段で用紙を重ねて搬送した場合には、少なくとも重ねる枚数分だけ後処理の時間を余分に確保できるものの、複数箇所の綴じ処理等の処理時間が長くなる後処理を行うときには、その重ねる枚数分だけの時間の確保だけでは足りなくなることもあり、後処理の内容等によってはその適応性に欠ける場合がある。
【0014】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、特に複数枚のシートを重ね合わせた状態で束処理することを複数部数について連続して行う場合でも、装置の大幅な大型化や生産性の低下を招くこともなく、その束処理に係る各部数間でのシートどうしの衝突と紙詰まりの発生を容易に防止して束処理を円滑に行うことできるシート処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート処理装置は、シートを供給するシート供給手段と、このシート供給手段から供給されるシート1枚ごとに所定の後処理をするシート後処理手段と、このシート後処理手段による後処理後の所定枚数のシートまたは前記シート供給手段から供給される所定枚数のシートを処理トレイに1枚ずつ順に積み重ねて所定の束処理をしてからシート束の状態で排出する束処理手段と、前記シート供給手段から前記シート処理手段および処理トレイまでシートをそれぞれ案内して導くシート搬送経路と、このシート搬送経路の所定地点に設置されてシートを搬送する複数のシート搬送手段とを備えたシート処理装置において、前記束処理手段による束処理が連続して行われる場合、その先行して束処理される先行シート束の最終シートとその後に続けて束処理される後続シート束の少なくとも先頭シートとが前記シート搬送経路から処理トレイに送り出されるときの送出間隔を、その束処理手段の処理時間と前記シート後処理手段の処理時間とに応じて前記シート搬送手段の搬送速度の減速またはその搬送動作の一時停止により変更し得る制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
上記制御手段による送出間隔の変更は、例えば、先行シート束の束処理が終了した後に後続シート束の先頭シートを処理トレイに送り出すような送出間隔になることを基準にして行うことができる。制御手段は、送出間隔の変更に際して、束処理手段の処理時間とシート後処理手段の処理時間とに加えて、シートのサイズや、シートの搬送間隔等の前記送出間隔に影響を及ぼす種々の要因を加味して変更するように構成するとよい。
【0017】
本発明のシート処理装置においては、前記シート搬送経路の前記処理トレイに至る前の途上に分岐して接続される、シート搬送手段を有するシート引き込み路を設け、かつ、前記制御手段は、シート搬送経路上の用紙をそのシート引き込み路に引き込んだ後に再びそのシート搬送経路に戻すことにより前記送出間隔を変更し得るように構成してもよい。
【0018】
この場合には、シートをシート引き込み路に一度引き込む動作を行うことでも前記送出間隔を変更することができる。この引き込み動作は、前記搬送経路上でのシート搬送手段の一時停止を伴う動作の1態様にもなる。ただし、シートの搬送間隔が少ない場合には、引き込んだシートを搬送経路に戻す際に、その戻すシートが搬送経路内で後続のシートと衝突するおそれがあるため、後述するように当初から後続のシートと重ね合わせるように戻せばよい。
【0019】
また、前記シート引き込み路を設けるように構成する場合、前記制御手段は、前記シート引き込み路に引き込んだ用紙をシート搬送経路に戻す際に後続のシートと重ね合わせるように戻し、その重ねた状態で前記処理トレイに送り出すことにより前記送出間隔を変更し得るように構成してもよい。
【0020】
この場合、その重ね合わせは、2枚重ねのほか、3枚重ねにしてもよい。3枚重ねは、一度2枚重ねにしたシート(束)を再度シート引き込み路に引き込んだ後に後続のシートと重ねあわせるように戻すことで行うことができる。なお、4枚以上のシートを重ね合わせる場合には、例えばその重ね合わせた4枚以上のシート束を処理トレイ上で揃える作業が困難になるおそれがある。
【0021】
さらに、前記重ね合わせたシートを送り出すように構成する場合、前記制御手段は、前記シート引き込み路を利用して重ね合わせた状態のシートを前記シート搬送手段の搬送速度の減速またはその搬送動作の一時停止により前記送出間隔を変更し得るように構成してもよい。
【0022】
この場合には、前記送出間隔の調整を、シートの重ね合わせによって行うことができることに加え、その重ね合わせたシートの搬送の減速または一時停止の実行によっても行うことができるようになり有利である。
【0023】
以上のような各構成のシート処理装置の場合、その制御手段は、前記シート供給手段の前記後続シート束の少なくとも先頭シートの搬送間隔を変更することを追加して行うことにより前記送出間隔を変更し得るように構成してもよい。
【0024】
この場合には、前記送出間隔の調整が前記したシート搬送手段の減速や一時停止、さらにシート重ね合わせ等の手段のみでは対応しきれないときに、その調整に必要な不足分を補うことができる。このシート供給手段のシート搬送間隔の変更は、最低限必要なシートの搬送間隔のみを変更するだけで済むため、生産性の大幅な低下につながることはない。
【0025】
また、前記シート供給手段は、シートに画像を形成して排出する画像形成装置であってもよい。この場合にも、必要に応じて、その画像形成装置における前記したように後続シート束の少なくとも先頭シートの搬送間隔を画像形成装置側で変更するように構成することができる。シート供給手段が画像形成装置である場合、後処理装置内のみでは前記送出間隔の調整が対応しきれないときに有効となる。
【0026】
さらに、前記束処理手段における所定の後処理は、少なくとも、シートを束状にして綴じる綴じ処理であればよい。また、前記シート後処理は、少なくとも、その束処理手段における処理トレイで積み重ねるシート端部を揃える揃え処理であればよい。また、そのシート後処理は、上記揃え処理等に加えて、前記シート搬送経路上でシートに孔開け処理をする孔開け手段である。なお、このシート後処理手段は、通常、前記シート搬送経路のうちで前記束処理手段の処理トレイに至る前の途上となる地点に配置される。
【0027】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1は、本発明の実施の形態1に係る後処理装置(シート処理装置)とこの後処理装置を接続して使用する画像形成装置を示すものである。
【0028】
[画像形成装置について]
画像形成装置(IOT)100は、その本体101に配置される画像入力部110によって入力される画像データを画像形成部120により用紙(シート)Pに対して記録し、可視画像として出力するようになっている。図中の符号R10〜R13を付して示す点線は用紙Pの各搬送経路である。
【0029】
画像形成部120は、矢印方向に回転する感光ドラム121を帯電する帯電装置122、その帯電された感光ドラム121を露光する潜像書込装置(ROS)123、ROS123により露光された感光ドラム121を現像する現像装置124、現像装置124により感光ドラム121上に担持されたトナー像を用紙Pに転写する転写装置125、転写後の感光ドラム121を清掃するクリーナ126、転写装置125により転写されたトナー像を用紙Pに定着させる定着装置127等を備えている。
【0030】
図中の符号121は複写用原稿の表裏両面の画像情報を読み取るための両面自動原稿読取装置(ADF)である。このADF121で読み取られた画像情報は、画像入力部における画像信号処理部で所定の画像処理が施されて画像信号とされた後に潜像書込装置123に送信される。また、画像形成装置100がパーソナルコンピュータ(PC)等の外部接続機器とネットッワークを介して画像入力部110で接続されてプリンタとして使用される場合にあっては、その外部接続機器から入力される画像情報が潜像書込装置123に送信されて利用されるようになっている。
【0031】
また、符号130〜132は、用紙Pを収容する用紙収容カセットであり、本体101の下部側において引き出し可能に取り付けられている。この用紙収容カセット130〜133には、そのカセットに収容されている用紙Pを1枚ずつ給紙路R10にむけて送り出すロール式の用紙送出機構134〜136が夫々備えられている。
【0032】
画像形成装置100では、操作パネル140等から入力される画像形成条件の指示内容により、その画像形成に使用される所定サイズ等の用紙Pがその収容されている収容カセット130〜133から用紙送出機構134〜136によって1枚ずつ給紙路R10に送り出される。その給紙路R10に送り出された用紙Pは、給紙路R10の途上にあるレジロール137で一旦停止させられて待機した後、画像形成タイミングに合わせてそのレジロール137により画像形成部120の感光ドラム121と転写装置125の間(転写位置)に送り出される。その送り出された用紙Pは、転写装置125にてトナー像が転写された後に定着装置127にて定着される。用紙の片面に画像を形成する片面プリントが選択された場合には、その定着後の用紙は排出路R11を通って本体101の外に排出される。
【0033】
用紙の両面に画像を形成する両面プリントモードが選択された場合には、定着後の用紙Pは用紙反転路R12に送り込まれてその表裏面が反転させられた後に再送路R13を経て給紙路R10へ再送されると、画像形成部120および定着装置127でその用紙裏面に対して前記したような画像の転写とその定着が同様になされ、最後に排出路R11を通って排出される。
【0034】
この画像形成装置100では、両面プリント用の収容トレイを装備していないため、上記の両面プリントに際しては、表面プリントを行う用紙を用紙1枚分だけ間隔をあけて画像形成部120に送り込んでその表面プリントを行ってから反転路R12に送り、その表面プリントが終了して反転された用紙を上記表面プリントを行う用紙と用紙の間(間隔をあけた搬送領域)に位置させるタイミングで給紙路R10に送り込んで画像形成部120に再送することにより、その裏面プリントを行うようになっている。この結果、両面プリントが完了した用紙は、画像形成装置100から1枚おきに排出されるようになる。
【0035】
[後処理装置について]
一方、後処理装置1は、図1や図2に示すように、画像形成装置100の用紙排出口がある側壁面側に接続するように配置され、その画像形成装置100で画像が形成されて排出される用紙Pについて必要により所望の後処理(少なくとも束処理を含む)を施すためのものである。
【0036】
この後処理装置1は、カール補正装置10および用紙供給装置13が装備された第1ユニット2Aと、折り処理装置20が装備された第2ユニット2Bと、孔空け(パンチ)処理装置30、揃え処理装置40および綴じ処理装置60が装備された第3ユニット2Cとを合体させた構成になっている。第3ユニット2Cには、そのユニット筐体の上部に固定して取り付けられた用紙積載収容用のトップトレイ15と、その筐体の側壁面部に上下方向に昇降動可能に取り付けられた用紙積載収容用のスタックトレイ16とが装備されている。
【0037】
図中の符号R20〜R29を付して示す点線は、用紙Pを所定の部位(各処理装置等)に案内して導くための用紙搬送経路であり、ガイド部材等を用いて構成されている。この各用紙搬送経路R20〜R29には、複数の用紙搬送ロール対が所定の間隔をあけて設置されている。また、その分岐する搬送経路の分岐点には、用紙Pを搬送すべき搬送経路に誘導して送り込むための進路切換ゲート27、35、…が設けられている。
【0038】
上記カール補正装置(デカーラ)10は、トナーの融着や定着時の加熱加圧等により上方向にカール(上カール)した用紙を1枚ずつ矯正するためのものである。このカール補正装置10は、画像形成装置100から排出される用紙Pを後処理装置1内に導入して搬送する導入搬送経路R20の途上に、スポンジロール11を太さの違うロール12に食い込む程度に圧着(ニップ)させた状態で設けて構成されている。
【0039】
このカール補正装置10によるカール補正は、導入搬送経路R20を搬送されるカールした用紙Pがスポンジロール11とロール12のニップ間を通過することにより、カールした方向とは反対方向(下向き)に強制的にしごかれることで実施される。また、カール補正装置10は、スポンジロール11をカム機構等によりロール12に対して進退可能になるように支持されており、これにより、そのカール補正を行わない状態にしたり(スポンジロール11のロール12への食い込みを少なくして単に用紙を搬送するロール対にすること)、あるいはその補正の度合いを調整することができるようになっている。
【0040】
用紙供給装置13は、後処理を施す対象の用紙Pに表紙、仕切り紙等の異種の用紙を差し入れる必要がある場合に、その異種の用紙を後処理装置1内に供給するためのものである。また、後処理装置1を単体で使用する場合においては、その後処理装置1による後処理を施す対象の用紙をその置内に供給するためのものである。この用紙供給装置13は、第1ユニット11の筐体の上部に設けられた供給対象の用紙を載せるための給紙トレイ14と、そのトレイ14上の用紙を1枚ずつ送り出すためのフィードロール、リタードロール等からなる用紙送出機構15とで構成されている。
【0041】
この用紙供給装置13による用紙の供給は、その給紙トレイ14に供給すべき所定の用紙をセットすると、そのトレイ14上の用紙が用紙送出機構15により1枚ずつ所定の間隔で送り出され、供給搬送経路R21を通して後処理装置1内に搬送されることで行われる。供給搬送経路R21は、前記導入搬送経路R20のカール補正装置10を通過した下流側の位置で合流している。
【0042】
折り処理装置20は、前記第1ユニット2Aの導入搬送経路R20と接続される主搬送経路R22の下方側に分岐して延びる第1搬送経路R23に設置される第1折り部20Aと、第1搬送経路R23の途中から分岐して下方側に延びる第2搬送経路R24に設置される第2折り部20Bと、第2搬送経路R24の途中から分岐して上方側に延びて前記主搬送経路R22に合流する送出経路R25とで主に構成されている。
【0043】
第1折り部20Aは、第1搬送経路R23の搬送方向に対して進退移動して用紙Pを所定の位置でせき止める第1エンドガイド21と、この第1エンドガイド21の上流側に用紙を折るための第1折りロール対22と、さらに上流側に変位機構によりニップの解除が可能なニップロール対23とを備えたものである。また、第2折り部20Bは、第2搬送経路R24の搬送方向に対して進退移動して用紙Pを所定の位置でせき止める第2エンドガイド24と、この第2エンドガイド24の上流側に用紙を折るための第2折りロール対25と、さらに上流側にニップロール対26とを備えたものである。
【0044】
この折り処理装置20による折り処理は、その処理対象の用紙1枚ごとに対して次のようにして行われる。まず、図3に示すように、第2ユニット10Bの主搬送経路R22に導入された(1枚の)用紙Pは、進路切換ゲート27により第1搬送経路R23側に送り込まれた後(同図a)、第1エンドガイド21によってせき止められるとともに、ニップロール対23のニップ解除によりスキュー(斜行)状態の補正などが行われる(同図b)。続いて、その用紙Pをニップロール対23による再ニップと僅かな再搬送動作を実行することにより第1折りロール対22側に膨らんで撓んだ状態にした後、その第1折りロール対22と対向する用紙部分からロール対22の間に引き込んでそのまま第2搬送経路R24に搬送することにより、第1の折り処理がなされる(同図c,d)。
【0045】
次いで、第1折り処理がされた用紙Pは、第2搬送経路R24に引き込まれた後、その折り部分が第2第1エンドガイド24によってせき止められる(図3e)。続いて、ニップロール対26による僅かな再搬送により用紙を第2折りロール対25側に膨らんだ状態にした後、その第2折りロール対26と対向する用紙部分からロール対26の間に引き込んで送出経路R25にむけて搬送することにより、第2の折り処理がなされる(同図f,g)。この第1折り処理と第2折り処理が施された用紙Pは、その第2折り目部分を先頭にした状態で送出経路R25を通して搬送され、再び主搬送経路R22に戻される。
【0046】
この折り処理装置20では、その第1折り部10Aと第2折り部10Bでの折る位置を各エンドガイド21、24の進退移動により変更することにより、図4に例示するような内側に3つ折りする「C折り」と、図5に例示するような外側に3つ折りする「Z折り(片袖折り)」を行うことができる。C折りにした場合には、第2折りロール25から排出された後、送出経路R25上の進路切換ゲート28により引き出し可能なフォルダートレイ29側に送られて落下収容される。図4、5中のPaは、折り処理時に第1搬送経路R23に送り込まれた際の用紙Pの先端部を示す。なお、この折り処理を行わない場合には、用紙Pは進路切換ゲート27により第1搬送経路R23に搬送されることなく主搬送経路R22をそのまま搬送される。
【0047】
孔開け処理装置30は、前記第2ユニット2Bの主搬送経路R22と接続される導入搬送経路R26の途上に配設されており、2本、4本等の孔開けピンが用紙面に対して出没することで孔開けを行う孔開け器31と、その孔開け時に出る紙屑を回収する回収箱32とを有している。
【0048】
この孔開け処理装置30による孔開け処理は、導入搬送経路R26を搬送される(1枚の)用紙Pが孔開け器31と対向する所定の位置で一旦停止させられ、その停止した状態にある用紙に対して孔開け器31が孔開けピンを用紙に貫通させることで行われる。
【0049】
揃え処理装置40は、導入搬送経路R26と進路切換ゲート35を介して接続される第1搬出経路R27の終端部分となる用紙送出ロール対37の近傍に設けられている。
【0050】
すなわち、図2や図6〜8等に示すように、第1搬出経路R27のうち第3ユニット2Cの筐体上部側壁面にある用紙排出口にむけて延びる終端部分に、その排出口にむけて上昇する斜面からなる用紙積載面に用紙Pを一時的に積載収容するコンパイルトレイ41と、このコンパイルトレイ41の下位端部側に配置される傾倒可能なエンド壁42に用紙Pを送り込んで揃えるように用紙表面に接触して回転するパドル43と、コンパイルトレイ41に収容される用紙Pの搬送方向側辺側等を揃え基準壁44に押し付けるようにスライド移動して揃えるタンパ(揃え可動板)45等を備えている。図7中の符号46はタンパ45のスライドガイド孔、47はタンパ45の一部に固定されてタンパをスライド移動させるための溝付きの変位ベルト、48は変位ベルト47を所定方向に所定量だけ回転させるための正逆回転可能な駆動モータ、49はコンパイルトレイ41上における用紙の有無を検知するセンサである。
【0051】
コンパイルトレイ41の用紙排出口側端部には、ロールニップの解除が可能な排出ロール対70が設けられている。この排出ロール対70は、そのトレイ端部に固定して設けられる第1ロール70aと、この第1ロール70aに当接してニップを形成するとともに上方に退避移動してそのニップを解除する第2ロール70bとで構成されている。この排出ロール対70は、用紙がコンパイルトレイ41に積載される際にそのニップが解除された状態になる。
【0052】
また、コンパイルトレイ41の用紙排出口側の下面には、そのトレイ先端部から一時的に出没する補助トレイ50が設けられている。これは、例えば揃え処理をするときなどに、コンパイルトレイ41上に積載される用紙の搬送方向先端部側が排出ロール対70よりも先に飛び出した状態になる用紙部分を一時的に支えるためのものである(これにより、その用紙部分がスタックトレイ16にすでに積載されている用紙に触れて積載状態を乱すことを防止することもできる)。
【0053】
補助トレイ50は、図8、11等に示すようにそのトレイ基端部側が支持フレーム55のスライド溝55aに装着された支持アーム部51により出没方向にスライド可能に支持されているとともに、そのトレイ先端部側が排出ロールの第1ロール70aの回転軸71にスライド可能に載せられている。そして、この補助トレイ50は、その裏面に形成したラックギヤに正逆回転可能な駆動モータ52からの回転動力が動力伝達機構53と上記ラックギヤに噛む最終ギヤ54を介して伝達されることにより、両矢印方向にスライド移動してコンパイルトレイ41の先端部側において出没するようになっている。図中の符号56は補助トレイ50の位置を検知するための光学センサである。
【0054】
この揃え処理装置40による揃え処理は、図9に示すように、第1搬出経路R27から搬送される用紙Pが用紙送出ロール対37により1枚ずつコンパイルトレイ41上に放出されるように送り出されて積み重ねられ(同図a)、そのトレイ41に積まれる用紙の1枚ごとにパドル43による送り込み動作とタンパ45による揃え動作が実施されることによって行われる(同図b、c)。この揃え処理は、予め設定される処理可能枚数の用紙P(の束)に対して行うことができるようになっている。
【0055】
綴じ処理装置50は、コンパイルトレイ41の下位端部側に設けられ、コンパイルトレイ41上に積載される用紙Pの束を綴じ処理するステープラ51と、このステープラ51を綴じ処理部分に応じて移動させるスライド移動機構52とを備えている。
【0056】
この綴じ処理装置60による束処理としての綴じ処理は、上記揃え処理が終了したコンパイルトレイ41上にある複数枚の用紙Pからなる束(用紙束)に対してステープラ61がスライド移動機構62を介して綴じ位置まで移動して停止し、綴じ動作(ステープル針の打ち込み)を実行することにより行われる。この綴じ処理時には、傾倒式のエンド壁42が支軸42aを中心に下方に回動して綴じ処理動作の邪魔にならないよう倒れた状態となる(図6)。また、この際、コンパイルトレイ41上の用紙束は排出ロール対70のニップに挟まれた状態で保持される。綴じ処理は、例えば用紙束の2つある隅部(装置フロントF側の隅部、装置リアR側の隅部)の一方を綴じる「1ケ所綴じ」と、用紙束の端部の2箇所を同時に綴じる「2ケ所綴じ」とができるようになっている。ステープラ61は、通常は装置フロント側に待機している。
【0057】
この後処理装置1では、用紙Pを上記の揃え処理および綴じ処理を行わないでスタッカートレイ16に直接排出して積載収容することができる。この場合には、図10に示すように前記排出ロール対70の第2ロール70bが下降して第1ロール70aに当接してニップを形成した状態になる。これにより、第1搬出経路R27から送出ロール対37により送り出される用紙Pは、その送り方向先端部が排出ロール対70のニップに達するまでコンパイルトレイ42の積載面に接触した状態で送り出され(同図a)、排出ロール対70に到達した段階でそのニップにより保持されてスタッカートレイ16に搬送排出される(同図b)。
【0058】
また、上記綴じ処理を行わないで揃え処理のみを行った用紙の束をそのままの状態でスタッカートレイ16に排出して積載収容することもできる。この場合にも、図11に示すようにコンパイルトレイ41上での所定枚数の用紙Pの揃え処理が終了した後に排出ロール70の第2ロール70bが下降して用紙Pの束を第1ロール70aとの間で挟みこんだ状態になり、その状態で排出ロール対70の搬送力により用紙Pの束がスタッカートレイ16上に搬出されて積載される。
【0059】
また、この後処理装置1では、導入搬送経路R26から上方側に分岐してトップトレイ15にむけて伸びる第2搬出経路R28を形成している(図2)。これにより、第3ユニット2Cに導入した用紙Pを、導入搬送経路R26から進路切換ゲート35により第2搬出経路R28に送り込んで搬送することにより、そのトップトレイ15に排出して積載収容することができる。
【0060】
さらに、この後処理装置1では、導入搬送経路R26から前記第2搬出経路R28とは反対方向である下方側に分岐して延びる引き込み搬送経路R29が形成されている。
【0061】
これにより、図14に示すように第1搬出経路R27に搬送した用紙Pをその送り方向後端部Pbが分岐点に達した段階で正逆転可能な搬送ロール対36により一旦停止させ、しかる後、図15に示すように進路切換ゲート35をその先端部35aが第1地点G1から第2地点G2に位置するように変位させた状態で搬送ロール対36を逆回転させて用紙Pをその後端部Pbから引き込み搬送経路R29に正逆転可能な搬送ロール対39と協働して引き込む。このようにして用紙Pは引き込み搬送経路R29内に一時的に留められる。
【0062】
また、引き込み搬送経路R29に引き込んだ用紙Pは、進路切換ゲート35をその先端部35aが第2地点G2から第1地点G1に戻してから、再び搬送ロール対39による搬送力等によって第1搬出経路R27側に送り返される。通常は、図16に示すように導入搬送経路R26から連続して送られる後続の用紙Pnが搬送経路の分岐点を通過するタイミングに合わせて用紙Pを引き込み搬送経路R29から送り出すことにより、双方の用紙P、Pnを第1搬出経路R27内で重な合わせた状態で搬送すること(2枚重ね搬送)が行われる。さらに、この引き込み搬送経路R29では、2枚重ねた用紙を再び搬送経路R29に引き込んでから、後続の用紙Pnの搬送タイミングに合わせて送り出すことにより、その2枚重ねの用紙と後続の用紙とを重ね合わせた状態で搬送すること(3枚重ね搬送)も可能になっている。
【0063】
スタッカートレイ16は、図2や図11〜12に示すように、第3ユニット2Cの筐体側壁面の用紙排出口より下方側の部位において、その積載する用紙の量等に応じて上下方向に昇降動するように取り付けられている。このスッタカートレイ16は、用紙の積載に際しては、最初に、その用紙積載面16aが用紙排出口から所定の距離だけ下方側に離れた位置関係になるように位置決めされる。その後、スッタカートレイ16は、用紙が積載され始めると、その積載された用紙束の最上面の高さが用紙排出口から所定の距離だけ離れた位置関係になるように所定量ずつ下降移動しながら位置決めされる。また、スッタカートレイ16が積載最大位置まで下降すると、その下降動作がセンサにより検知されてその下降が停止するとともに、トレイが満杯であることが判明する。
【0064】
このようなスタッカートレイ16の位置決めは、その用紙積載面や積載した用紙束の最上面の高さを所定の光学式センサ17a,17b等によって検知しながら行われる。図11等における符号18はトレイ16の用紙積載面16aにおける用紙の有無を検知するためのアクチュエータ式のセンサである。符号19はトレイ16に積載される用紙の送り方向後端部を係止するためのエンド側壁面であり、その上端部はコンパイルトレイ41の先端部と接近した位置まで設置されている。
【0065】
この後処理装置1では、上記各後処理装置による後処理を任意に選択して実行することが可能である。この後処理の選択は、画像形成装置100の操作パネル140における入力操作などによって行われる。なお、使用する用紙Pのサイズ条件や、複数の後処理を組み合わせ条件等によっては、あらかじめ実行不可とされる後処理が存在する。
【0066】
図17は、上記画像形成装置100と後処理装置1からなる画像形成システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【0067】
この画像形成システムでは、画像形成装置100の各構成部品の動作を総括的に管理制御する画像形成装置用のコントローラ150と、後処理装置1の各構成部品の動作を総括的に管理制御する後処理装置用のコントローラ90とが別々に装備されている。また、そのコントローラ150、90どうしは、通信手段(通信ケーブル等)により必要な信号のやり取りがされるように接続されている。
【0068】
画像形成装置用のコントローラ150は、基本的に操作パネル140や外部接続機器(PCなど)160からの画像形成条件、画像情報等の信号が取り込まれるとともに各種センサ155からの検知信号が入出力インターフェースを介して取り込まれ、これにより、演算処理装置がROM等の記憶手段に格納されている制御プログラムを実行してRAM等の記憶手段との間で必要なデータ処理を行った後に、ADF121の制御部151、画像形成部120の制御部152、用紙搬送系の制御部153等に対して必要な制御信号をそれぞれ送るようになっている。また、このコントローラ150は、操作パネル140への用紙残量の表示や紙詰まり(ジャム)等の装置状態の表示、操作パネル140から入力される画像形成条件の指示内容やシート処理装置1の使用に関する指示内容に基づくジョブ管理等についての制御も行っている。上記各信号のコントローラ150との入出力は図示しない入出力インターフェースを介して行われる。
【0069】
一方、後処理装置用のコントローラ90は、基本的に画像形成装置100の操作パネル140等から入力された後処理内容に関する信号が取り込まれるとともに各種センサ95からの検知信号が取り込まれ、これにより、演算処理装置がROM等の記憶手段に格納されている制御プログラムを実行してRAM等の記憶手段との間で必要なデータ処理を行った後に、各後処理装置の制御部91、用紙搬送系の制御部92、スタックトレイの制御部93等に対して必要な制御信号をそれぞれ送るようになっている。上記各信号のコントローラ90との入出力についても図示しない入出力インターフェースを介して行われる。
【0070】
[特定の後処理に対する制御動作について]
そして、この画像形成システムにおいては、特に後処理装置1による後処理(少なくとも揃え処理を含む後処理)を複数の部数だけ連続して実行する場合に、後処理中の用紙どうしの衝突や紙詰まり等が発生せずに当該後処理が良好に実行されるようにするため、以下に説明するような制御動作が行われるようになっている。
【0071】
ちなみに、揃え処理を含まない後処理(特に折り処理)では、その後処理を用紙1枚ごとに対して行い、その処理が終了する頃に次の用紙をその後処理装置に搬送するようにしているため、その後処理中の用紙どうしが衝突等の現象は基本的に起こらない。
【0072】
まず、図18に示すように、システム使用者により画像形成条件および後処理条件が入力される(ステップS101)。この入力は、例えば画像形成装置本体100を複写機として使用する際にはコントロールパネル140にて、またプリンタとして使用する場合にはPC160にて行われる。また、画像形成条件とは、実行すべき画像形成動作および後処理動作(ジョブ)に関する用紙Pのサイズ、部数、後処理の有無、後処理をさせる場合にはその後処理の種類等である。
【0073】
この画像形成システムにおいては、図33に示すように用紙のサイズ(その送り方向も含む)に応じた各処理の標準能力および標準所要時間(CPM,T1〜T5)が設定されている。この情報のうちCPM、用紙搬送間隔および用紙搬送時間については画像形成装置側のコントローラ150(のROM)に、孔開け処理時間、揃え処理時間、綴じ処理時間および重ね合わせ処理の可否については後処理装置側のコントローラ90(のROM)に格納されている。
【0074】
ここで、図中の「CPM」は単位時間(毎分)当たりの複写可能枚数(枚)であり、片面コピーおよび両面コピーの場合についてそれぞれ示している。また、図19に示すように、用紙搬送間隔:T1とは先行して搬送される用紙Pの送り出し時間とその後続の用紙Pの送り出す時間との差(間隔)に相当する間隔時間(msec)である。なお、この間隔T1は画像形成装置100内における用紙給送間隔ではなく、後処理装置1への用紙の送り出し間隔である(このため給送間隔が同じでも、その間隔T1は両面プリントモードでは片面プリントモードに対して半分になる)。また、用紙搬送時間:T2とはその用紙1枚を搬送するに要する時間であり、用紙サイズを搬送速度(この例では600mm/sec)で割って得られる値である。孔開け処理時間:T3とは用紙P1枚を孔開け装置30で孔開け処理するときの所要時間、揃え時間:T4とは用紙P1枚をコンパイルトレイ41上で揃えるときの所要時間、束排出:T5とは綴じ処理をしないで束状にしてスタッカートレイ16に排出するとき(図11)の所要時間である。重ね合わせ処理とは、引き込み搬送経路R29に用紙を引き込んだ後に後続の用紙と重ねあせて搬送することが可能な枚数等を示すものである。図19において符号P(A)は先行する用紙束、P(A−L)は先行の用紙束P(A)における最終用紙、P(B−1)は後続の用紙束における先頭用紙を示す。
【0075】
次に、上記画像形成装置100側に入力された用紙サイズ、標準の用紙搬送間隔T1、孔開け処理の有無、綴じ処理の有無および種類の情報が、後処理装置1のコントローラ90に送られる(S102)。なお、用紙搬送時間T2は後処理装置1にて用紙サイズと搬送速度とから算出される。
【0076】
この情報からコントローラ90においては、図20に示すように、連続して送られる用紙端部どうしの間隔時間t1について選定した後、その用紙間隔時間t1に基づく実行時の用紙搬送時間Ta(=t1+T2)と標準の用紙搬送時間T1の大小を比較して以下の基準により暫定的な用紙搬送時間Taを求め(S103)、そのTaの情報を画像形成装置(IOT)100のコントローラ150に送る(S104)。これにより、画像形成装置100では、そのTaを指示されたジョブにおける用紙搬送時間として暫定的に決定する。
【0077】
用紙間隔時間t1については、孔開け処理がある場合には、用紙サイズに応じた「孔開け処理時間T3と揃え処理時間4の大きい方をt1」とする(図20a)。これにより、揃え装置40による揃え処理を行う前に孔開け処理のようの他の(上流側)後処理手段がある場合において、その孔開け処理が揃え処理よりも時間を要する関係になることがあっても、孔開け処理時における用紙衝突や詰まりの発生を回避することができる。孔開け処理がない場合には、用紙サイズに応じた「揃え処理時間4をt1」とする(同図b)。
【0078】
暫定的な用紙搬送時間Taについては、標準の用紙搬送時間T1との大小関係を比較する。Ta>T1の関係にある場合には、実際の用紙搬送時間が標準の時間T1よりも大きくなるため、Ta(=t1+T2)を新たな用紙搬送時間として画像形成装置に送る(図20a)。一方、Ta≦T1である場合には、Taとして標準の時間T1を画像形成装置に送る(同図b)。
【0079】
次に、画像形成装置100側において、後処理で扱われる用紙束の枚数(要するに1回の後処理においてコンパイルトレイ41上に束状に積載される用紙Pの総数)に関する確認が行われる(S105)。
【0080】
この用紙束の枚数は、画像形成装置100が複写機として使用される場合にはADF121によって読み取られる原稿の枚数情報によって確認される。また、画像形成装置100がプリンタとして使用される場合にはPC160等から送信されるプリント枚数によって確認される。この用紙束枚数Mの情報は、確認された段階で後処理装置1に送られる(S106)。ちなみに、この後処理装置1では、コンパイルトレイ41上で1回の揃え処理ができる用紙束の最大枚数が例えば100枚に設定されている。これにより、例えば綴じ処理をせず揃え処理のみをして束排出するジョブにおける束枚数Mがその処理最大枚数を超える場合には、その1回の揃え処理を行う束枚数について処理最大枚数を超えない枚数になるよう適宜割り当て直すことがある。
【0081】
そして、この用紙束枚数Mが判明した段階で、後処理装置1側においては、その束枚数Mに応じて各束間における最終的な用紙搬送間隔Tb(先行して後処理される用紙束における最終用紙とその後に続けて後処理される後続の用紙束の先頭用紙との間隔)を以下の基準で確定するとともに、その用紙搬送間隔Tbに応じて適切な後処理装置1内における用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理の実行の有無などについて確定する(S107)。このときの最終的な用紙搬送間隔Tbの情報は画像形成装置100側に送られる。
【0082】
特に上記用紙搬送時間の変更については、先行する用紙束の後処理中に後続の用紙が搬送到達して衝突することを確実に回避するためには、用紙が第1搬出経路R27を通してコンパイルトレイ41上に送り出されるときの用紙の間隔を調整することが必要であることから、その第1搬出経路R27における搬送ロール対37等の搬送速度を減速するか、またはその搬送動作の一時停止によって実現するようにしている。この場合、用紙が第1搬出経路R27からコンパイルトレイ41に送り出される間隔(送出間隔)は、用紙搬送時間の変更内容によって確定することになる。
【0083】
最終的な用紙搬送間隔Tbの確定にあたっては、基本的に、先の決定した暫定的な用紙搬送間隔Taに基づく用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)が後処理時間T5よりも大きい(長い)か否かについて判断し、その結果に応じて最終的な用紙搬送間隔Tbを以下のように確定する。上記用紙どうしとは、前述したような先行の用紙束における最終用紙P(A−L)と後続の用紙束における先頭用紙P(B−1)とをさす。
【0084】
すなわち、上記Tbの確定は、t2≧T5の関係にある場合には、その後処理が先の暫定的な用紙搬送間隔Taの時間内で実行されることになるため、最終的な用紙搬送間隔TbをTaとする(調整パターンA、図21)。この場合は、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がなく、連続した後処理を用紙の衝突等もなく良好に行うことが可能となる。
【0085】
一方、t2<T5の関係にある場合には、先の暫定的な用紙搬送間隔Taのままでは先行する用紙束の後処理を行っている間に後続の先頭用紙P(B−1)が到達してしまうことになるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを「T2+(T5−t2)」に変更する(図22)。この場合は、一般的には、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行うか、あるいは、画像形成装置100側の用紙搬送間隔をTbに変更して対応することになる。またこの場合、用紙が第1搬出経路R27からコンパイルトレイ41に送り出される間隔(送出間隔)は、用紙搬送時間の変更内容、重ね合わせ処理に要する時間、画像形成装置の用紙搬送間隔の変更内容等によって確定することになる。
【0086】
以下、上記用紙束枚数Mに応じた最終的な用紙搬送間隔Tbの確定と、そのTbに応じた用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理の実行の有無についての確定の態様について説明する。
【0087】
[束枚数Mが2枚で、重ね合わせ処理が可能な用紙である場合]
初めに、用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)と後処理時間T5との比較により、t2≧T5の関係にある場合には、用紙搬送間隔Tbについては前述した調整パターンA(図21)と同様であり、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がない。
【0088】
一方、t2<T5の関係にある場合には、用紙どうしの間隔時間に基づく調整可能時間t3と後処理時間T5との大小関係を比較する。束枚数Mが2枚の場合における調整可能時間t3は、先行する用紙束の最終用紙(A−L)と後続の用紙束の先頭用紙(B−1)の間隔t2と、この間隔t2と後続の用紙束の先頭用紙(B−1)に対するシート処理時間t1の差分(t2−t1)とを合算した時間(=t2+t2−t1)となる。
【0089】
この際、t3≧T5の関係にある場合には、その用紙間隔時間に基づく調整可能時間t3を利用して用紙搬送経路R27における搬送速度を遅らせることが可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速等により、後処理時間T5と用紙間隔時間t2との差分に相当する時間t4(=T5−t2)だけ遅らせる(調整パターンB、図23)。
【0090】
反対にt3<T5の関係にある場合には、用紙搬送を搬送経路内で遅らせる調整方法を採用することができないため、用紙どうしの間隔時間t2と後続の用紙束における2番目の用紙(B−2)が搬送されるまでの搬送間隔Taとの合計時間(=Ta+t2)が後処理時間T5よりも大きいか否かを判断する。つまり、重ね合わせ処理を行うことが可能であるか否かについて調べる。
【0091】
この結果、(Ta+t2)≧T5の関係にある場合には、重ね合わせ処理が可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、図16に例示したように引き込み搬送経路R29を使用した2枚の重ね搬送(後続の用紙束の先頭用紙を2番目の用紙に重ね合わせる)を行う(調整パターンC、図24)。
【0092】
また、(Ta+t2)<T5の関係にある場合には、重ね合わせ処理をしても後続の用紙束における先頭用紙の送出時間を遅くすることができないため、最終的な用紙搬送間隔Tbとして少なくとも重ね合わせ処理が可能となるような時間(T5−Ta−t2+Ta=T5−t2)にする(調整パターンD、図25)。この場合には、画像形成装置100から後続の用紙束における先頭用紙(B−1)の搬送間隔を上記Taよりも遅くする。この搬送間隔の遅延調整は、画像形成部120に用紙を送り込むタイミングを調整するレジストロール137の動作タイミングをTbに合わせて遅らせればよい。この対応では、画像形成装置側での用紙搬送間隔は、上記先頭用紙(B−1)について束後処理時間に足りない時間だけ遅らせるだけであるため、画像形成装置側における大幅な生産性の低下が発生することはない。
【0093】
[束枚数Mが2枚で、重ね合わせ処理が不能な用紙である場合]
初めに、用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)と後処理時間T5との比較により、t2≧T5の関係にある場合には、用紙搬送間隔Tbについては前述した調整パターンA(図21)と同様であり、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がない。
【0094】
一方、t2<T5の関係にある場合には、前述したとおり用紙どうしの間隔時間に基づく調整可能時間t3(=t2+t2−t1)と後処理時間T5との大小関係を比較する。
【0095】
この際、t3≧T5の関係にある場合には、その用紙間隔時間に基づく調整可能時間t3を利用して用紙搬送経路R27における搬送速度を遅らせることが可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速等により、後処理時間T5と用紙間隔時間t2との差分に相当する時間t4(=T5−t2)だけ遅らせる(調整パターンB、図23)。
【0096】
反対にt3<T5の関係にある場合には、用紙搬送を搬送経路内で遅らせる調整方法を採用することができないため、後続の用紙束における先頭用紙の用紙搬送間隔Tbについて時間(=Ta+T5−t3)だけ遅らせるとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速等により、後処理時間T5と用紙間隔時間t2との差分に相当する時間t4(t2−t1)だけ遅らせる(調整パターンE、図26)。
【0097】
[束枚数Mが3枚で、重ね合わせ処理が可能な用紙である場合]
初めに、用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)と後処理時間T5との比較により、t2≧T5の関係にある場合には、用紙搬送間隔Tbについては前述した調整パターンA(図21)と同様であり、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がない。
【0098】
一方、t2<T5の関係にある場合には、用紙どうしの間隔時間に基づく調整可能時間t3と後処理時間T5との大小関係を比較する。束枚数Mが3枚の場合における上記調整可能時間t3は、2枚の場合と同様に、時間(=t2+t2−t1)となる。
【0099】
この際、t3≧T5の関係にある場合には、その用紙間隔時間に基づく調整可能時間t3を利用して用紙搬送経路R27における搬送速度を遅らせることが可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速等により、後続の用紙束における先頭用紙の搬送間隔を時間t4(=T5−t2)だけ遅らせるか(調整パターンB、図23)、または、後続の用紙束における最終用紙(B−L)以外の用紙(先頭用紙B−1,2番目の用紙B−2)を時間t4(=T5−t2)だけ遅らせる(調整パターンF、図27)。
【0100】
反対にt3<T5の関係にある場合には、用紙搬送を搬送経路内で遅らせる調整方法を採用することができないため、用紙どうしの間隔時間t2と後続の用紙束における2番目の用紙(B−2)が搬送されるまでの搬送間隔Taとの合計時間(=Ta+t2)が後処理時間T5よりも大きいか否かを判断する。つまり、重ね合わせ処理の可否について調べる。
【0101】
この結果、(Ta+t2)≧T5の関係にある場合には、重ね合わせ処理が可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、図16に例示したように2枚の重ね搬送(後続の用紙束の先頭用紙を2番目の用紙に重ね合わせる)を行う(調整パターンC、図24)。
【0102】
また、(Ta+t2)<T5の関係にある場合には、2枚の重ね合わせ処理をしても後続の用紙束における先頭用紙の送出時間を遅くすることができないため、用紙どうしの間隔時間t2と後続の用紙束における2番目の用紙(B−2)が搬送されるまでの搬送間隔との合計時間t3´(=Ta+t2+t2−t1)が後処理時間T5よりも大きいか否かを判断する。つまり、2枚の重ね合わせした後にその搬送時間を遅らせることができるか否かについて調べる。
【0103】
このときt3´≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、前述したように2枚の重ね搬送(後続の用紙束の先頭用紙を2番目の用紙に重ね合わせる)を行った後、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速等により、その重ねた2枚の用紙(B−1,B2)を後処理時間T5との差分に相当する時間t4(=T5−Ta−t2)だけ遅らせる(調整パターンG、図28)。
【0104】
反対にt3´<T5の関係にある場合には、用紙搬送経路R27での搬送時間を遅らせるだけでは対応できないため、3枚の重ね合わせ処理ができるか否かを調べる。後続の用紙束における3番目の用紙(最終用紙:B−L)までの用紙搬送時間(Ta+Ta+t2)が後処理時間T5よりも長いか否かを判断する。
【0105】
(Ta+Ta+t2)≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、前述したように引き込み搬送経路R29を利用して2枚重ねをした後に3枚重ねを行う(調整パターンH、図29)。3枚重ねは、後続の用紙束における先頭用紙と2番目の用紙を2枚重ねした後に、その2枚重ねの用紙束に3番目の用紙を重ね合わせるようにする。
【0106】
(Ta+Ta+t2)<T5の関係にある場合には、3枚重ね合わせ処理だけでは対応できないため、最終的な用紙搬送間隔Tbを遅らせた時間(=T5−Ta−t2)にする(調整パターンI、図30)。これにより、後続の用紙束における先頭用紙の搬送間隔が遅くなる。
【0107】
[束枚数Mが3枚以上で、重ね合わせ処理が不能な用紙である場合]
初めに、用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)と後処理時間T5との比較により、t2≧T5の関係にある場合には、用紙搬送間隔Tbについては前述した調整パターンA(図21)と同様であり、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がない。
【0108】
一方、t2<T5の関係にある場合には、前述したとおり用紙どうしの間隔時間に基づく調整可能時間t3(=t2+t2−t1)と後処理時間T5との大小関係を比較する。
【0109】
この際、t3≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速により、後処理時間T5と用紙間隔時間t2との差分に相当する時間t4(=T5−t2)だけ遅らせる(調整パターンB、図23)。つまり、先行する用紙束(セット)の1枚目を遅らせるか、または、そのセットの1枚目から連続してそのセットの最終シートを含まないシートを遅らせる。
【0110】
反対にt3<T5の関係にある場合には、用紙搬送を搬送経路内で遅らせる調整方法を採用することができないため、後続の用紙束における先頭用紙の用紙搬送間隔Tbについて時間(=Ta+T5−t3)だけ遅らせるとともに、用紙搬送経路R27における用紙の搬送時間を搬送ロール対37の減速により、後続の用紙束における先頭用紙の搬送間隔を時間t4(=T5−t2)だけ遅らせるか(調整パターンB、図23)、または、後続の用紙束における最終用紙(B−L)以外の用紙(先頭用紙B−1,2番目の用紙B−2)を時間t4(=t2−t1)だけ遅らせる(調整パターンF、図27)。
【0111】
[束枚数Mが4枚以上で、重ね合わせ処理が可能な用紙である場合]
初めに、用紙どうしの間隔t2(=Ta−T2)と後処理時間T5との比較により、t2≧T5の関係にある場合には、用紙搬送間隔Tbについては前述した調整パターンA(図21)と同様であり、用紙の搬送時間の変更や重ね合わせ処理を行う必要がない。
【0112】
一方、t2<T5の関係にある場合には、用紙どうしの間隔時間に基づく調整可能時間t3と後処理時間T5との大小関係を比較する。束枚数Mが3枚の場合における上記調整可能時間t3は、2枚の場合と同様に、時間(=t2+t2−t1)となる。
【0113】
この際、t3≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにしたうえで、後続の用紙束における先頭用紙の搬送間隔を時間t4(=T5−t2)だけ遅らせるか(調整パターンB、図23)、または、後続の用紙束における最終用紙(B−L)以外の用紙(先頭用紙B−1,2番目の用紙B−2)を時間t4(=T5−t2)だけ遅らせる(調整パターンF、図27)。
【0114】
反対にt3<T5の関係にある場合には、用紙搬送を搬送経路内で遅らせる調整方法を採用することができないため、用紙どうしの間隔時間t2と後続の用紙束における2番目の用紙(B−2)が搬送されるまでの搬送間隔Taとの合計時間(=Ta+t2)が後処理時間T5よりも大きいか否かを判断して重ね合わせ処理が可能か否かについて調べる。
【0115】
この結果、(Ta+t2)≧T5の関係にある場合には、重ね合わせ処理が可能であるため、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、2枚の重ね搬送(後続の用紙束の先頭用紙を2番目の用紙に重ね合わせる)を行う(調整パターンC、図24)。
【0116】
また、(Ta+t2)<T5の関係にある場合には、2枚の重ね合わせ処理をしても後続の用紙束における先頭用紙の送出時間を遅くすることができないため、用紙どうしの間隔時間t2と後続の用紙束における2番目の用紙(B−2)が搬送されるまでの搬送間隔との合計時間t3´(=Ta+t2+t2−t1)が後処理時間T5よりも大きいか否かを判断する。つまり、2枚の重ね合わせした後にその搬送時間を遅らせることができるか否かについて調べる。
【0117】
このときt3´≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、前述したように2枚の重ね搬送(後続の用紙束の先頭用紙を2番目の用紙に重ね合わせる)を行った後、その重ねた2枚の用紙(B−1,B2)を後処理時間T5との差分に相当する時間t4(=T5−Ta−t2)だけ遅らせる(調整パターンG、図28)。
【0118】
反対にt3´<T5の関係にある場合には、用紙搬送経路R27での搬送時間を遅らせるだけでは対応できないため、3枚の重ね合わせ処理ができるか否かを調べる。後続の用紙束における3番目の用紙(最終用紙:B−L)までの用紙搬送時間(Ta+Ta+t2)が後処理時間T5よりも長いか否かを判断する。
【0119】
(Ta+Ta+t2)≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、前述したように引き込み搬送経路R29を利用して2枚重ねをした後に3枚重ねを行う(調整パターンH、図29)。3枚重ねは、前述した場合と同様に、後続の用紙束における先頭用紙と2番目の用紙を2枚重ねした後に、その2枚重ねの用紙束に3番目の用紙を重ね合わせる。
【0120】
(Ta+Ta+t2)<T5の関係にある場合には、3枚重ね合わせ処理だけでは対応できないため、その3枚重ねした用紙束の搬送を遅らせることができるか否かを調べる。後続の用紙束における4番目の用紙(最終用紙:B−L)までの用紙搬送時間(Ta+Ta+t2+t2−t1)が後処理時間T5よりも長いか否かを判断する。
【0121】
(Ta+Ta+t2+t2−t1)≧T5の関係にある場合には、最終的な用紙搬送間隔Tbを暫定的な用紙搬送間隔Taのままにするとともに、3枚重ねした後に、その3枚重ねした用紙束またはその用紙束から連続した用紙(最終用紙は除く)の搬送を時間t4(=T5−Ta−Ta−t2)だけ遅らせる(調整パターンJ、図31)。
【0122】
(Ta+Ta+t2+t2−t1)<T5の関係にある場合には、上記3枚の重ね合わせ処理およびその重ね合わせ用紙束等の搬送遅延だけでは対応できないため、最終的な用紙搬送間隔Tbを遅らせた時間(=T5−Ta−Ta−t2−(t2−t1))にする。これにより、後続の用紙束における先頭用紙の搬送間隔を遅くする。これに加えて、3枚重ねした後に、その3枚重ねした用紙束またはその用紙束から連続した用紙(最終用紙は除く)の搬送を時間t4(=t2−t1)だけ遅らせる(調整パターンK、図32)。
【0123】
《他の実施の形態》
前記実施の形態1では、引き込み路R29での重ね合わせ処理について、束後処理時間等に対して搬送手段の減速、停止だけで対応できる場合は実施していないが、かかる処理をしても生産性が落ちることがないため、束後処理時間等に対して搬送時間等の調整が不要であって余裕がある場合でも、必要に応じて重ね合わせ動作を実施しても構わない。
【0124】
また、穿開け装置30が束処理手段である綴じ装置60に対して用紙搬送方向の上流側の離れた地点に配置されており、しかも搬送途中での減速、停止させる位置がその穿開け装置30による孔開け処理に影響を与えない関係にある場合には、t4を算出するときのt1については当該孔開け処理時間T3を無視できるため揃え処理時間T4だけで決定する(なおTaを決定するときは孔開け処理時間T3は必要である)。
【0125】
前記実施の形態1では、後処理装置1を画像形成装置100に接続して使用する場合について例示したが、後処理装置1を単独で使用することも可能である。
【0126】
この場合には、後処理装置1にも後処理条件や操作指示等の入力や装置状態等の表示を行う操作手段(操作パネル)を設け、その操作パネルから後処理条件等の入力作業を行うようにすればよい。そして、後処理すべき用紙を用紙供給装置13のトレイ14にセットして後処理を開始すればよい。また、その後処理の内容によっては、必要に応じて前述したような制御動作が実行されるため、用紙の衝突等が発生しない良好な後処理が行われる。
【0127】
また、後処理装置1は、画像形成装置100と別体の構成のものではなく、最初から画像形成装置100と結合一体化された構成のものであってもよい。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート処理装置によれば、複数枚のシートを重ね合わせた状態で束処理することを連続して行う場合でも、装置の大幅な大型化や生産性の低下を招くこともなく、その束処理に係る各部数間でのシートどうしの衝突と紙詰まりの発生を容易に防止して後処理を円滑に行うこと可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後処理装置とこの後処理装置を接続して使用する画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】後処理装置の要部を示す概略構成図。
【図3】折り処理の工程を示す説明図。
【図4】C折りの折り工程を示す説明図。
【図5】Z折りの折り工程を示す説明図。
【図6】孔開け処理装置、揃え処理装置、綴じ処理装置およびその周辺の構成内容を示す概略構成図。
【図7】揃え処理装置を示す斜視図。
【図8】揃え処理装置の補助トレイを主に示す斜視図。
【図9】揃え処理の状態を示す説明図。
【図10】スッタカートレイへの直接排紙の状態を示す説明図。
【図11】スッタカートレイへの用紙束排出の状態を示す説明図。
【図12】スッタカートレイと補助トレイの初期状態を主に示す説明図。
【図13】スッタカートレイと補助トレイの用紙積載時の状態例を示す説明図。
【図14】各搬送経路(特に引き込み路)の構成を示す説明図。
【図15】用紙を引き込み路に引き込む状態を示す説明図。
【図16】用紙を引き込み路から排出する状態と後続の用紙と重ね合わせる状態を示す説明図。
【図17】画像形成システムの制御系の構成を示すブロック図。
【図18】特定の後処理の実行時における主な制御動作を示すフローチャート。
【図19】特定の処理(束処理およびシート後処理など)とその各処理に関連する各標準所要時間等との関係を示す概念図。
【図20】シート間隔と暫定的なシート搬送間隔の関係を示す説明図。
【図21】調整パターンAに関する構成を示す説明図。
【図22】一般的なシート間隔と後処理時間との関係を示す説明図。
【図23】調整パターンBに関する構成を示す説明図。
【図24】調整パターンCに関する構成を示す説明図。
【図25】調整パターンDに関する構成を示す説明図。
【図26】調整パターンEに関する構成を示す説明図。
【図27】調整パターンFに関する構成を示す説明図。
【図28】調整パターンGに関する構成を示す説明図。
【図29】調整パターンHに関する構成を示す説明図。
【図30】調整パターンIに関する構成を示す説明図。
【図31】調整パターンJに関する構成を示す説明図。
【図32】調整パターンKに関する構成を示す説明図。
【図33】後処理動作等に関する項目の標準設定の内容を示す図表。
【符号の説明】
1…後処理装置(シート処理装置)、13…用紙供給装置(シート供給手段)、20…折り処理装置(シート後処理手段)、30…孔開け処理装置(シート後処理手段)、40…揃え処理装置(シート後処理手段)、41…コンパイルトレイ(処理トレイ)、60…綴じ処理装置(束処理手段)、90…コントローラ(制御手段)、100…画像形成装置、P…用紙(シート)、A−L…先行用紙束の最終用紙、B−1…後続用紙束の先頭用紙、R20〜29…用紙搬送経路、R29…引き込み路。

Claims (8)

  1. シートを供給するシート供給手段と、
    このシート供給手段から供給されるシート1枚ごとに所定の後処理をするシート後処理手段と、
    このシート後処理手段による後処理後の所定枚数のシートまたは前記シート供給手段から供給される所定枚数のシートを処理トレイに1枚ずつ順に積み重ねて所定の束処理をしてからシート束の状態で排出する束処理手段と、
    前記シート供給手段から前記シート処理手段および処理トレイまでシートをそれぞれ案内して導くシート搬送経路と、
    このシート搬送経路の所定地点に設置されてシートを搬送する複数のシート搬送手段とを備えたシート処理装置において、
    前記束処理手段による束処理が連続して行われる場合、その先行して束処理される先行シート束の最終シートとその後に続けて束処理される後続シート束の少なくとも先頭シートとが前記シート搬送経路から処理トレイに送り出されるときの送出間隔を、その束処理手段の処理時間と前記シート後処理手段の処理時間とに応じて前記シート搬送手段の搬送速度の減速またはその搬送動作の一時停止により変更し得る制御手段を設けたことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記シート搬送経路の前記処理トレイに至る前の途上に分岐して接続される、シート搬送手段を有するシート引き込み路を設け、
    かつ、前記制御手段は、シート搬送経路上の用紙をそのシート引き込み路に引き込んだ後に再びそのシート搬送経路に戻すことにより前記送出間隔を変更し得る請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記シート引き込み路に引き込んだ用紙をシート搬送経路に戻す際に後続のシートと重ね合わせるように戻し、その重ねた状態で前記処理トレイに送り出すことにより前記送出間隔を変更し得る請求項2に記載のシート処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記シート引き込み路を利用して重ね合わせた状態のシートを前記シート搬送手段の搬送速度の減速またはその搬送動作の一時停止により前記送出間隔を変更し得る請求項3に記載のシート処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記シート供給手段の前記後続シート束の少なくとも先頭シートの搬送間隔を変更することを追加して行うことにより前記送出間隔を変更し得る請求項1〜4のいずれかに記載のシート処理装置。
  6. 前記シート供給手段は、シートに画像を形成して排出する画像形成装置である請求項1または5に記載のシート処理装置。
  7. 前記シート後処理は、少なくとも、前記束処理手段の処理トレイでシート端部を揃える揃え処理である請求項1〜6のいずれかに記載のシート処理装置。
  8. 前記シート後処理手段は、前記シート搬送経路上でシートに孔開け処理をする孔開け手段である請求項1〜7のいずれかに記載のシート処理装置。
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