JP5337953B2 - ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置 - Google Patents
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Description
したがって、包装容器と被包装物の廃棄による製品ロスと、別工程で行われるサンプル検査による時間的なズレが問題であった。
そこで、近年、レーザ光を利用した非破壊検査が行われている。当該非破壊検査によれば、包装工程中に検査工程を組み込み、包装容器の密封と同時に若しくはその前後に検査することができる。
そして、参照波長λ2の受光量データD2からアルコール吸収波長λ1の受光量データD1を差し引いたアルコール濃度データDaが所定の閾値Dref以上のときに、車内にアルコール成分が有りとしてアルコール検出信号Saを出力し、走行車両の車内のアルコール成分を、車両の走行状態のまま遠隔から検出している。
しかしながら、当該車両用アルコール検出装置によれば、アルコールガスが車内にあるか否かの判断しか成されていない。そのため、車内が一定量の濃度以上を有するアルコールガスで充満されていることは検出することができるものの、当該アルコールガスの濃度の正確な測定値を得ることができない。
また、波長λ1のレーザー光LB1を出射する光源と波長λ2のレーザ光LB2を出射する光源を別体に構成している。そのため、両レーザ光の波長特性の相異から測定結果にバラツキが生じるおそれがあり、さらに、出射しているレーザの波長が異なる光源のLEDが異なることから、当該LEDが発熱することによって生じる温度ドリフトの発生時が異なる。そのため、正確な測定値を得ることができない。
前記レーザ光を変調して、帯域内に前記酸素ガスの吸収スペクトルを有する特定波長が印加された主波長レーザと、該特定波長を除く所定の波長が印加された副波長レーザとを形成し、前記主波長レーザ及び前記副波長レーザを単一光源から同一光路上へ、連続して出射する出射手段と、
該出射手段から出射され、前記ガス体を透過して、該ガス体に含まれる酸素ガスで散乱吸収された主波長レーザ、及び前記ガス体を透過して、前記酸素ガス以外で散乱吸収された副波長レーザが、連続して入射される入射手段と、
該入射手段に入射された主波長レーザの光量を電気量に変換すると共に該主波長レーザの入射位置を特定して主検出信号を形成し、副波長レーザの光量を電気量に変換すると共に該副波長レーザの入射位置を特定して副検出信号を形成する光電変換手段と、
該光電変換手段で変換された主波長レーザに相当する主検出信号と、副波長レーザに相当する副検出信号とを所定の倍率で増幅する増幅手段と、
該増幅手段で増幅され、連続して伝送されている主検出信号と副検出信号を所定の閾値でクリッピングするクリッパ回路によって、当該閾値以上の値を有する前記主検出信号と前記閾値以下の値を有する前記副検出信号とに分割する分割手段と、
該分割手段で分割された主検出信号と副検出信号をパルス状に変調して、主測定値と副測定値に変換するパルス変調手段と、
該パルス変調手段で変換された主測定値から副測定値を差し引いて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスで吸収された光量に相当する酸素ガス吸収値を形成し、該酸素ガス吸収値に基づいて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を示す出力値を形成する処理手段と、
前記出射手段の前記主波長レーザの出射タイミングと前記入射手段の前記主波長レーザの入射タイミングとを同期する同期手段とを有し、
前記包装容器内の前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を測定することを特徴とする。
レーザ励起源とレーザ媒質を有する光共振器とからなり、レーザ光を連続して出射可能な光源回路、及び前記レーザ光を変調して、帯域内に前記酸素ガスの吸収スペクトルを有する特定波長が印加された主波長レーザと、該特定波長を除く所定の波長が印加された副波長レーザとを形成する入力側変調回路、及び前記主波長レーザと前記副波長レーザを同一光軸上に出射する投光レンズユニットを有する出射手段と、
前記ガス体を透過して、該ガス体に含まれる酸素ガスで散乱吸収された主波長レーザ、及び前記ガス体を透過して、前記酸素ガス以外で散乱吸収された副波長レーザが、連続して入射される受光レンズユニットを備えた入射手段と、
前記主波長レーザの光量を電気量に変換し、該主波長レーザの入射位置を特定して形成した主検出信号を出力すると共に、前記副波長レーザの光量を電気量に変換し、該副波長レーザの入射位置を特定して形成した副検出信号を出力する平面状の受光素子を備えた光電変換手段と、
該光電変換手段で変換された主波長レーザに相当する主検出信号と、副波長レーザに相当する副検出信号とを増幅する第1増幅回路を備えた増幅手段と、
該増幅回路で増幅され、連続して伝送されている主検出信号と副検出信号とを、所定の閾値でクリッピングして、当該閾値以上の値を有する前記主検出信号と前記閾値以下の値を有する副検出信号とに分割するクリッパ回路からなる分割回路を備えた分割手段と、
該分割回路から出力された主検出信号と副検出信号をパルス状に変調して、主測定値と副測定値に変換する出力側変調回路と、変調された前記主測定値を増幅する第2増幅回路と前記副測定値を増幅する第3増幅回路を備えたパルス変調手段と、
前記主測定値から前記副測定値を差し引いて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスで吸収された光量に相当する酸素ガス吸収値を形成し、該酸素ガス吸収値に基づいて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を示す出力値を形成する演算処理回路を備えた処理手段と、
前記入力側変調回路で形成された主波長レーザを変調するパルス状の基準信号と、前記受光素子に入射された当該主波長レーザを電気的に変換した前記主検出信号とを同期する同期回路を備えた同期手段とを有し、
前記包装容器内の前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を測定することを特徴とする。
そして、波長吸収された主波長レーザを光電変換して主検知信号を形成し、さらに、該主検知信号を変調して主測定値を形成している。また、波長吸収された副波長レーザを光電変換して副検知信号を形成し、さらに副検知信号を変調して副測定値を形成している。
最終的には、測定誤差でかさ上げされた主測定値から測定誤差からなる副測定値を差し引いて酸素ガス濃度測定値を算出し、当該酸素ガス濃度測定値に基づいて、包装容器内のガス体に含まれる酸素ガスの濃度を測定している。
これにより、出射手段と入射手段との間に配された包装容器内のガス体に含まれる酸素ガスの濃度を高精度で測定することができる。
また、酸素ガスの濃度測定に単一の光源から発せられる主波長レーザ及び副波長レーザからなるレーザ光を利用した。そのため、包装容器内のガス体に含まれる酸素ガスの濃度を測定する検査工程を非破壊検査音することができるので、従来のようにサンプル検査をする必要が無い。そのため、抽出したサンプルを廃棄処分しなくても良く、製品の歩留まりを良くすることができる。
加えて、従来のサンプル検査において、サンプルを抽出することによって生じていた検査工程と包装工程との間のタイムラグは、本願発明のガス濃度測定装置を包装工程中に組み込むことによって無くすことができる。
さらに、主波長レーザと副波長レーザから、測定誤差を含んだ主測定値と、測定誤差と等価の副測定値を形成して、主測定値に含まれる測定誤差を副測定値で相殺するようにした。そのため、包装容器の表面のツヤ、該包装容器の色、該包装容器の傾きや測定部の通過位置等に関わらず、包装容器内のガス体に含まれる酸素ガスの濃度を高精度で測定することができる。
さらに、単一の光源回路から出射されるレーザ光を入力側変調回路で変調することによって、特定波長を有する主波長レーザと特定波長以外の所定の波長を有する副波長レーザとを、一台のレーザ装置で形成するようにした。そのため、主波長レーザと副波長レーザの波長以外の特性が同調するので、当該レーザ装置は安定したレーザ光を供給することができる。
さらにまた、安定したレーザ光を供給することができるので、包装容器を投光レンズユニットと受光レンズユニットに密着させなくても正確な測定をすることができる。そのため、ガス濃度測定装置の耐久性を高くすることができる。
そして、上記のように単一のレーザ装置から主波長レーザと副波長レーザを出射することができるので、回路構成を簡略化することができ、メンテナンスや調整が容易なガス濃度測定装置を提供することができる。
ガス濃度測定装置10は、出射手段11と、入射手段12と、光電変換手段13と、増幅手段14と、分割手段15と、パルス変調手段16と、処理手段17と、同期手段18とから構成されている。
光源回路20は、レーザの励起源(図示略)と、レーザ媒質を備えた光共振器(図示略)とからなり、レーザ光L0が形成されている。本実施例においては、レーザ媒質が半導体であって、励起源から少数キャリアの電子が注入される半導体レーザを用いたが、これに限定されるものではなく、レーザ媒質として、気体、固体、液体等を用いたHe−Neレーザ、YAGレーザ、色素レーザ等を用いても良い。
入力側変調回路21では、光源回路20からのレーザ光L0を変調し、前記酸素ガスの吸収波長と同一の特定波長λ0を有する主波長レーザLmと、該特定波長を除く所定の波長λを有する副波長レーザLsとが形成されている。そして、主波長レーザLmの特定波長λ0が設定されたときに、副波長レーザLsの波長λが自動的に定まるように構成されている。
ここで、酸素ガスは、763.5nmの吸収スペクトルを有する。該吸収スペクトルは赤色を呈する。したがって、該吸収スペクトルが主波長レーザLmの帯域内に納まるように、主波長レーザLmは、特定波長λ0を763.5nmを中心とした帯域幅が0.0003nmの波長とする。一方、副波長レーザLsの波長λは、主波長レーザLmの特定波長λ0を除く波長を有している。ただし、特定波長λ0と大きく相違する波長の場合、光源回路20や後述する受光素子に大きく負荷が掛かることから、763.5nmを中心に±0.05nmの範囲内の波長であることが好ましい。
また、図2(a)に示すように、入力側変調回路21では、形成した主波長レーザLmと副波長レーザLsとを同一の周期を有するパルス波に整流し、主波長レーザLmの周期に対して、副波長レーザLsの周期をπずらして発振している。
これにより、主波長レーザLmと副波長レーザLsの波長干渉を防ぎ、後述する分割回路45で主波長レーザLmと副波長レーザLsの分割を容易にすることができる。
投光レンズユニット22は、凸レンズ22aと凹レンズ22bを適宜組み合わせて形成されている。本実施例においては、単一の凸レンズ22a及び凹レンズ22bで図示したが、複数の凸レンズ及び凹レンズを用いることもできる。
該投光レンズユニット22は、入力側変調回路21で変調された主波長レーザLmと副波長レーザLsを同一光軸上に投光している。
出射手段11と入射手段12との間には、測定部30が設けられている。当該測定部30は、被包装物が充填された包装容器31が配設されている。
出射手段11から出射された主波長レーザLmと副波長レーザLsは、包装容器31内のガス体を透過して受光レンズユニット25に入射される。
ここで、主波長レーザLmは、その一部が、包装容器31内のガス体に含まれる酸素ガスと包装容器31周辺の塵埃等で散乱吸収されると共に包装容器31表面で反射されている。また、副波長レーザLsは、その一部が包装容器31周辺の塵埃等で散乱吸収されると共に包装容器31表面で反射されている。
PSD35では、図2(b)に示すように、主波長レーザLmの光量を電気量に変換し、該主波長レーザLmの入射位置を特定して形成した主検出信号Pmを出力すると共に、副波長レーザLsの光量を電気量に変換し、該副波長レーザLsの入射位置を特定して形成した副検出信号Psが出力される。
当該第1増幅回路40では、PSD35で変換された主波長レーザLmに相当する主検出信号Pmと、副波長レーザLsに相当する副検出信号Psとが増幅されている。
分割回路45の入力端子では、第1増幅回路40から主検出信号Pmと副検出信号Psが連続して入力されている。そのため、図2(b)に示すように、主検出信号Pmのパルス周期と、位相がπずれている副検出信号Psのパルス周期に基づいて、分割回路45で各検出信号を取り出し、主検出信号Pmを主検出信号線46に出力し、副検出信号Psを副検出信号線47に出力している。
分割回路45から細切れに伝送されてくる主検出信号Pmは、図2(c)に示すように、出力側主変調回路50でパルス変調され、続いて第2増幅回路51で増幅されて、直流化された主測定値A1に形成される。
また、分割回路45から細切れに伝送されてくる副検出信号Psは、図2(c)に示すように、出力側副変調回路52でパルス変調され、続いて第3増幅回路53で増幅されて、直流化された副測定値A2に形成される。
演算処理回路55では、減算処理と乗算処理とが行われる。
減算処理は、主測定値A1から副測定値A2相当分を差し引く処理のことをいう。これにより、主波長レーザLmが受けた包装容器31外の空気中に含まれる塵埃等による散乱吸収及び包装容器31表面の反射等の測定誤差が、副波長レーザLsが受けた包装容器31外の空気中に含まれる塵埃等による散乱吸収及び包装容器31表面の反射で相殺される。したがって、主測定値A1から副測定値A2を差し引いた値は、包装容器31内のガス体に含まれた酸素ガスによって吸収された酸素ガス吸収値A0となる。
乗算処理は、酸素ガス吸収値A0に対し、酸素ガスの分子吸光係数を乗じる処理のことをいう。これにより、主測定値A1から副測定値A2相当分を差し引いて形成した酸素ガス吸収値A0から、包装容器31内のガス体に含まれた酸素ガスの濃度を示す出力値を形成することができる。
これにより、出射手段11の主波長レーザLmの出射タイミングに対して、入射手段12での入射タイミングを同期させることができるので、主波長レーザLmに基づく主検出信号Pm及び主測定値A1を特定しやすくすることができる。
主波長レーザLmとは、光源回路20から出射されたレーザ光L0が入力側変調回路21へ入力され、酸素ガスの吸収スペクトルと同じ、763.5nmを中心とし、その帯域幅が0.0003nmの特定波長λ0が印加されたレーザ光をいう。
副波長レーザLsとは、光源回路20から出射されたレーザ光L0が入力側変調回路21へ入力され、主波長レーザLmの特定波長λ0以外の所定の波長λが印加されたレーザ光をいう。本実施例においては、副波長レーザLsの波長λは、763.5nmを中心に±0.05nmの範囲内の波長としたが、当該波長に限定されるものではない。
形成された主波長レーザLmと副波長レーザLsは、投光レンズユニット22の同一光軸上に位相をπずらして出射される。これにより、主波長レーザLmと副波長レーザLsの位相干渉を防ぐことができる。また好ましくは、主波長レーザLmと副波長レーザLsは、パルス状の波形で出射される。パルス波形に形成することにより、後述するステップ135の同期を容易にすることができる。
ここで、入射手段12の受光レンズユニット25に至る前に、主波長レーザLmと副波長レーザLsは測定部30に配された包装容器31を透過する。そして、主波長レーザLmは包装容器31内のガス体に含まれる酸素ガスで波長吸収される。一方、副波長レーザLsは当該酸素ガスで波長吸収されない。
また、主波長レーザLm及び副波長レーザLsは、包装容器31周辺の塵埃等の浮遊微粒子による吸収・散乱、包装容器31表面の汚れや傷による反射・散乱、包装容器31の材質による吸収、包装容器31内の浮遊被包装物による吸収・散乱等の測定誤差によって、波長吸収される。
このように波長吸収された主波長レーザLm及び副波長レーザLsが受光レンズユニット25に連続して入射される。
ここでは、受光レンズユニット25に隣接して配されたPSD35で、受光した光の光量が電気量を有する検出信号に変換される。すなわち、主波長レーザLmの光量が電気量に変換されると共に該主波長レーザLmの入射位置が特定されて、主波長レーザLmから主検出信号Pmが形成される。
また、同様に、副波長レーザLsの光量が電気量に変換されると共に該副波長レーザLsの入射位置が特定されて、副検出信号Psが形成される。
上記ステップ110で形成された主検出信号Pmと副検出信号Psは比較的弱い出力の信号であるため、第1増幅回路40で所定の倍率に増幅される。
上記ステップ110で増幅された主検出信号Pmと副検出信号Psは、連続して伝送されているので、本ステップでこれを分割する。これにより、一定の間隔を有する主検出信号Pmが主検出信号線46に出力され、同様に、副検出信号Psが副検出信号線47に出力される。
上記ステップ120を経た主検出信号Pmと副検出信号Psは、一定の間隔を有する細切れの状態で出力されるので、本ステップで一旦パルス変調して、整流し、直流的な信号に変換する。
すなわち、主検出信号Pmは主測定値A1に変換され、副検出信号Psは副測定値A2に変換される。
処理手段17は、減算処理ステップ131と乗算処理ステップ132とからなる。
減算処理ステップ131は、主測定値A1から副測定値A2を差し引いて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスで吸収された光量に相当する酸素ガス吸収値A0を形成するステップである。
乗算処理ステップ132は、酸素ガス吸収値A0と、予め外部記憶媒体に記憶されている酸素ガスの吸収スペクトルが光を吸収する吸光係数とから、包装容器31内のガス体に含まれる酸素ガスの濃度C0を示す出力値が形成するステップである。
ここでは、入力側変調回路21の主波長レーザLmの出射タイミングとPSD35における主波長レーザLmの入射タイミングとが同期されている。
これにより、同一の光源回路20から出射され、同一光軸上を経て、同一のPSD35に入射され、波長のみが相違する主波長レーザLmと副波長レーザLsを容易に区別することができる。
包装容器31が測定部30にあるとき、繰り返し測定して、出力値が平均化される。そのため、より高い精度で濃度C0を測定することができる。
酸素ガスの吸収スペクトルのうち、763.5nm近傍の吸収スペクトル分布曲線S0を実線で示す。このときの酸素ガスの濃度をC0とする。
また、酸素ガス以外のガス体が有するスペクトル分布線S1を一点鎖線で示す。このときのガス体の濃度をC1とする。
そして、763.5nmの特定波長λ0を有する主波長レーザLmと、763.45nmの波長λを有する副波長レーザLsを実線で示す。
1)包装容器31内のガス体で吸収された吸収量
2)包装容器31の材質により吸収された擬似吸収量
3)包装容器31の表面の汚れ、傷で反射又は散乱された擬似吸収量
4)包装容器31内の浮遊微粒子、例えば小麦粉等で散乱された擬似吸収量
5)包装容器31外の浮遊塵埃で散乱又は吸収された擬似吸収量
のガス体による吸収量とガス体以外の擬似吸収量とを総和した吸収総量とみなすことができる。したがって、略直線状に表されるスペクトル分布線S1は、包装容器31内のガス体と包装容器31周辺のガス体及び微粒子による測定誤差とみなすことができる。
そのため、主波長レーザLmと実測吸収スペクトル分布曲線が交差した点が、PSD35で主波長レーザLmの光量を電気量に変換したときに、主検出信号Pmとして出力される。
また、副波長レーザLsと実測吸収スペクトル分布曲線が交差した点が、PSD35で副波長レーザLsの光量を電気量に変換したときに、副検出信号Psとして出力される。
そして、図4に示すように、主波長レーザLmの特定波長λ0では、酸素ガス以外のガス体は光をほとんど吸収しないので、ε0=εaと置く。逆に、副波長レーザLsの波長λでは酸素ガスは光をほとんど吸収しないので、ε2=0とみなすことができる。また、スペクトル分布線S2から、ε2とε3とは略等価とみなすことができるので、これをεbと置く。
これにより、主測定値A1、副測定値A2は、下記のように表される。
これにより、包装容器31内の酸素ガスの濃度は、主検出信号Pmから副検出信号Psを差し引いた酸素ガス吸収値A0と酸素ガスの吸光係数とから求めることができる。
一方、濃度C1とみなすことができる包装容器31内のガス体及び包装容器31周辺のガス体の測定誤差は、副検出信号Psと、副波長レーザLsの吸光係数とから求めることができる。
また、投光レンズユニット22の光軸と受光レンズユニット25の光軸を同一直線上に配したことにより、光源回路20が高温になることにより発生するレーザ光L0の温度ドリフトや、受光素子のPSD35が高温になることにより発生する温度ドリフトを補償することができる。
20…光源回路、21…入力側変調回路、22…投光レンズユニット、22a…投光レンズを構成する凸レンズ、22b…投光レンズを構成する凹レンズ、
25…受光レンズユニット、25a…受光レンズを構成する凸レンズ、25b…受光レンズを構成する凹レンズ、
30…測定部、31…包装容器、
35…位置受光素子、
40…第1増幅回路
45…分割回路、46…主検出信号線、47…副検出信号線
50…出力側主変調回路、51…第2増幅回路、52…出力側副検出回路、53…第3増幅回路、
55…演算処理回路、
60…同期回路、
L0…レーザ光、Lm…主波長レーザ、Ls…副波長レーザ、
λ0…主波長レーザの特定波長、λ…副波長レーザの波長
Pm…主検出信号、Ps…副検出信号、
A1…主測定値、A2…副測定値、
A0…酸素ガス吸収値、
S0…酸素ガスの763.5nm近傍の吸収スペクトル分布曲線、C0…酸素ガスの濃度、
S1…酸素ガス以外のガス体が有するスペクトル分布線、C1…ガス体の濃度、
S2…実測吸収スペクトル曲線、
ε0…主波長レーザが濃度C0の酸素ガスで吸収された場合の吸光係数、
ε1…主波長レーザが濃度C1のガス体で吸収された場合の吸光係数、
ε2…副波長レーザが濃度C0の酸素ガスで吸収された場合の吸光係数、
ε3…副波長レーザが濃度C1のガス体で吸収された場合の吸光係数、
Claims (5)
- 包装容器内に被包装物を充填した後、当該包装容器内を不活性ガスでガス置換する包装工程を有し、前記包装容器内のガス体に対してレーザ光を投射して、該レーザ光が前記ガス体で吸収された被吸収量に基づいて、前記ガス体に含まれる酸素ガスの濃度を測定するガス濃度測定方法であって、
前記レーザ光を変調して、帯域内に前記酸素ガスの吸収スペクトルを有する特定波長が印加された主波長レーザと、該特定波長を除く所定の波長が印加された副波長レーザとを形成し、前記主波長レーザ及び前記副波長レーザを単一光源から同一光路上へ、連続して出射する出射手段と、
該出射手段から出射され、前記ガス体を透過して、該ガス体に含まれる酸素ガスで散乱吸収された主波長レーザ、及び前記ガス体を透過して、前記酸素ガス以外で散乱吸収された副波長レーザが、連続して入射される入射手段と、
該入射手段に入射された主波長レーザの光量を電気量に変換すると共に該主波長レーザの入射位置を特定して主検出信号を形成し、副波長レーザの光量を電気量に変換すると共に該副波長レーザの入射位置を特定して副検出信号を形成する光電変換手段と、
該光電変換手段で変換された主波長レーザに相当する主検出信号と、副波長レーザに相当する副検出信号とを所定の倍率で増幅する増幅手段と、
該増幅手段で増幅され、連続して伝送されている主検出信号と副検出信号を所定の閾値でクリッピングするクリッパ回路によって、当該閾値以上の値を有する前記主検出信号と前記閾値以下の値を有する前記副検出信号とに分割する分割手段と、
該分割手段で分割された主検出信号と副検出信号をパルス状に変調して、主測定値と副測定値に変換するパルス変調手段と、
該パルス変調手段で変換された主測定値から副測定値を差し引いて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスで吸収された光量に相当する酸素ガス吸収値を形成し、該酸素ガス吸収値に基づいて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を示す出力値を形成する処理手段と、
前記出射手段の前記主波長レーザの出射タイミングと前記入射手段の前記主波長レーザの入射タイミングとを同期する同期手段とを有し、
前記包装容器内の前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を測定することを特徴とするガス濃度測定方法。 - 包装容器内に被包装物を充填した後、当該包装容器内を不活性ガスでガス置換する包装工程を有する包装機に搭載され、前記包装容器内のガス体に対してレーザ光を投射して、該レーザ光が前記ガス体で吸収された被吸収量に基づいて、前記ガス体に含まれる酸素ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
レーザ励起源とレーザ媒質を有する光共振器とからなり、レーザ光を連続して出射可能な光源回路、及び前記レーザ光を変調して、帯域内に前記酸素ガスの吸収スペクトルを有する特定波長が印加された主波長レーザと、該特定波長を除く所定の波長が印加された副波長レーザとを形成する入力側変調回路、及び前記主波長レーザと前記副波長レーザを同一光軸上に出射する投光レンズユニットを有する出射手段と、
前記ガス体を透過して、該ガス体に含まれる酸素ガスで散乱吸収された主波長レーザ、及び前記ガス体を透過して、前記酸素ガス以外で散乱吸収された副波長レーザが、連続して入射される受光レンズユニットを備えた入射手段と、
前記主波長レーザの光量を電気量に変換し、該主波長レーザの入射位置を特定して形成した主検出信号を出力すると共に、前記副波長レーザの光量を電気量に変換し、該副波長レーザの入射位置を特定して形成した副検出信号を出力する平面状の受光素子を備えた光電変換手段と、
該光電変換手段で変換された主波長レーザに相当する主検出信号と、副波長レーザに相当する副検出信号とを増幅する第1増幅回路を備えた増幅手段と、
該増幅回路で増幅され、連続して伝送されている主検出信号と副検出信号とを、所定の閾値でクリッピングして、当該閾値以上の値を有する前記主検出信号と前記閾値以下の値を有する副検出信号とに分割するクリッパ回路からなる分割回路を備えた分割手段と、
該分割回路から出力された主検出信号と副検出信号をパルス状に変調して、主測定値と副測定値に変換する出力側変調回路と、変調された前記主測定値を増幅する第2増幅回路と前記副測定値を増幅する第3増幅回路を備えたパルス変調手段と、
前記主測定値から前記副測定値を差し引いて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスで吸収された光量に相当する酸素ガス吸収値を形成し、該酸素ガス吸収値に基づいて、前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を示す出力値を形成する演算処理回路を備えた処理手段と、
前記入力側変調回路で形成された主波長レーザを変調するパルス状の基準信号と、前記受光素子に入射された当該主波長レーザを電気的に変換した前記主検出信号とを同期する同期回路を備えた同期手段とを有し、
前記包装容器内の前記ガス体に含まれる前記酸素ガスの濃度を測定することを特徴とするガス濃度測定装置。 - 前記入力側変調回路で、前記主波長レーザの前記特定波長を設定したとき、該特定波長から波長シフトして僅かに変位した波長を有するレーザ光が、前記副波長レーザの前記所定波長として自動的に設定されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガス濃度測定装置。
- 前記入力側変調回路で、前記主波長レーザ及び前記副波長レーザを同一な所定の周期を有するパルス状に形成し、前記主波長レーザの周期に対して、前記副波長レーザの周期が重ならないように位相をずらして、主波長レーザと副波長レーザが同一の前記光源と同一の前記投光レンズユニットから出射されるようにしたことを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のガス濃度測定装置。
- 前記投光レンズユニットの光軸と、前記受光レンズユニットの光軸とが同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のガス濃度測定装置。
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