JP5335864B2 - マスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)電子デバイス用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、
前記薄膜を形成する側の主表面の表面形状が凸形状である基板に対し、クロムを主成分とする材料からなり、引張応力を有する前記薄膜をスパッタリング法で形成することにより、前記薄膜の成膜前よりも主表面の平坦度が高く、かつ主表面の表面形状が凸形状であるマスクブランクを得ることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(2)電子デバイス用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、
前記薄膜を形成する側の主表面の表面形状が凹形状である基板に対し、主成分としてケイ素を含有し、さらに酸素および窒素のうち少なくとも一以上の成分を含有する材料からなり、圧縮応力を有する前記薄膜をスパッタリング法で形成することにより、前記薄膜の成膜前よりも主表面の平坦度が高く、かつ主表面の表面形状が凸形状であるマスクブランクを得ることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(3)前記電子デバイス用基板は、マスクブランクの平坦度が所望の平坦度となるように前記薄膜の膜応力に起因した前記基板の平坦度変化量を見込んだ主表面の平坦度とすることを特徴とする(1)または(2)に記載のマスクブランクの製造方法。
(4)電子デバイス用基板の平坦度を測定した後、前記基板の平坦度が前記の所望の平坦度となるように、前記基板の主表面の形状が該基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に局所的にエッチングおよび/または圧力を加えて研磨することにより前記基板の平坦度を調整することを特徴とする(3)に記載のマスクブランクの製造方法。
(5)前記基板の平坦度の調整は、回転自在な研磨定盤と、該研磨定盤上に設けられた研磨パッドと、該研磨パッドの表面に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、前記研磨パッド上に基板を保持する基板保持手段と、前記研磨パッドに前記基板保持手段によって保持された基板を加圧することにより基板主表面を研磨する基板加圧手段とを備え、
前記加圧手段には、基板主表面の分割された複数領域に対して、任意に独立して加圧できるように複数の加圧体が設けられ、
該加圧体には個々に圧力制御可能な圧力制御手段が設けられた研磨装置を用いて行われるものであり、
該基板主表面の形状が基板主表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域において、該凸状になっている領域に対向する基板の裏面側より押圧し、他の領域よりも前記圧力制御手段によって前記加圧体の基板に対する圧力を大にして、基板主表面を研磨することによって行われることを特徴とする(4)に記載のマスクブランクの製造方法。
(6)前記基板の平坦度の調整は、該基板主表面の形状が基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に、基板を侵食するエッチング溶液を供給する局所的なエッチングをすることによって行われることを特徴とする(4)に記載のマスクブランクの製造方法。
(7)前記マスクブランクの所望の平坦度は、1μm以下であることを特徴とする(3)から(6)のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(8)前記電子デバイス用基板は、ガラス基板であることを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(9)前記薄膜は、露光光を遮光する遮光膜、露光光に対し位相差変化をもたらす位相シフト膜、露光光を吸収する光吸収膜、および露光光を反射する機能を有する反射膜のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする(1)から(8)のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(10)(1)から(9)のいずれかに記載の製造方法により製造したマスクブランクの薄膜をパターニングして薄膜パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(a)電子デバイス用基板の平坦度決定方法であって、前記基板の主表面上に形成する露光光に対して光学的変化をもたらす薄膜の膜応力に起因した前記基板の平坦度変化量を見込んで、マスクブランクの平坦度が所望の平坦度となるように、前記基板の平坦度を決定することを特徴とする電子デバイス用基板の平坦度決定方法。
(b)電子デバイス用基板の平坦度決定方法であって、前記基板の主表面上に形成する露光光に対して光学的変化をもたらす薄膜の膜応力に起因した前記基板の平坦度変化量、および、前記薄膜をパターニングして得られた薄膜パターン占有率、薄膜パターンの位置、薄膜パターンの形状のうち少なくとも何れか一つによる平坦度変化量を見込んで、転写用マスクの平坦度が所望の平坦度となるように、前記基板の平坦度を決定することを特徴とする電子デバイス用基板の平坦度決定方法。
ここで、「薄膜の膜応力に起因した平坦度変化量」の算出方法について具体的に説明する。
但し、基板自体の平坦度が0μmということは現実的に不可能であり、実際は
図1(3)のようになる。基板自体の平坦度を測定し平坦度が0.5μm(凸形状)の(基板上に、薄膜を形成してマスクブランクを作製し、マスクブランクの平坦度を測定したときに、マスクブランクの平坦度が1.6μm(凸形状)の場合、1.6−0.5=1.1μmが薄膜の膜応力に起因した平坦度変化量となる。
よって、これら、転写用マスクのマスクパターンの占有率、マスクパターンの位置、マスクパターンの形状のうち少なくとも何れか一つによる平坦度変化量を見込んで、転写用マスクの平坦度が所望の平坦度となるように基板の平坦度を決定することができる。さらには、転写用マスクにして露光機のステッパーに装着したときに変化する平坦度変化量を見込んで、マスクブランクの所望の平坦度を決定し、基板の平坦度を決定しても良い。
なお、マスクブランクの平坦度は1μm以下とすることが好ましい。
前記平坦度はマスクブランク主表面全面を測定領域としたときの平坦度とすることが好ましい。
また、基板の平坦度は、1μm以下であることが好ましい。
前記平坦度は基板主表面全面を測定領域としたときの平坦度とすることが好ましい。
本発明でいうマスクブランクには、透過型マスクブランク、反射型マスクブランクの何れも含まれる。
基板の研磨方法は、1枚1枚基板の主表面を研磨する枚葉式研磨方法や、一度に複数枚の基板の主表面を研磨するバッチ式研磨方法などが挙げられる。
枚葉式研磨方法は、基板1枚に対しての面圧力等の研磨条件を制御しながら研磨加工できるので平坦度を調整するのに適している。
好ましい平坦度の調整方法(電子デバイス用基板の製造方法)としては、平坦度を厳密に制御できるという点から以下の構成が良い。
(c)電子デバイス用基板の平坦度を測定した後、前記基板の平坦度が、(a)または(b)に記載の平坦度決定方法により決定した所望の平坦度となるように、前記基板の主表面の形状が該基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に局所的にエッチングおよび/または圧力を加えて研磨することにより前記基板の平坦度を調整することを特徴とする電子デバイス用基板の製造方法。
上述の局所的に平坦度を調整する方法の中でも特に、局所的に圧力を加えて研磨することにより基板の平坦度を調整する方法が、基板の表面粗さを維持または向上しながら、所望の平坦度とすることができるので好ましい。また、局所的に圧力を加えながら研磨し、且つエッチングするメカノケミカルポリッシングで平坦度を調整することもできる。この場合、局所的に圧力を加えて研磨する平坦度の調整方法よりも研磨速度が向上するので、生産性が向上するなどの利点がある。
(e) 前記基板に加えるべき圧力を、予め記憶手段に記憶してある複数種類の圧力分布を有する荷重タイプから所望の平坦度にする最適な荷重タイプを選択し、該荷重タイプに応じた圧力分布で研磨を行い、前記基板の平坦度を調整することを特徴とする(c)または(d)に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
マスクブランクに使用する電子デバイス用基板の平坦度は、基板毎に異なっており、基板主表面の表面形状としては凸状のものや凹状のものがある。
このように、形状が異なる電子デバイス用基板を用いて製造したマスクブランクや転写用マスクは平坦度が悪化し、薄膜をパターニングして転写用マスクを作製した場合のパターン位置精度が悪化する。
なお、この荷重タイプを複数選択して、組み合わせることにより、効果的に所望の平坦度に近づけることができる。
(f)電子デバイス用基板の主表面上に露光光に対して光学的変化をもたらす薄膜を形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、前記基板上に形成される前記薄膜に応じて(a)に記載の平坦度決定方法により決定した所望の平坦度を有する前記基板を用いることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(g)電子デバイス用基板の主表面上に薄膜パターンを形成して転写用マスクを製造する転写用マスクの製造方法であって、前記基板上に形成される前記薄膜、および、前記基板主表面に形成されるパターン占有率、薄膜パターンの位置、薄膜パターンの形状のうち少なくとも何れか一つに応じて(b)に記載の平坦度決定方法により決定した所望の平坦度を有する前記基板を用いることを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(h)電子デバイス用基板の主表面上にクロムを主成分とする薄膜をスパッタリング法により形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、前記基板は前記薄膜を形成する側の基板主表面の表面形状が凸形状の基板とすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(i)電子デバイス用基板の主表面上に主成分として珪素を含有し、さらに酸素および/または窒素を含有する薄膜をスパッタリング法により形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、前記基板は前記薄膜を形成する側の基板主表面の表面形状が凹形状の基板とすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(j)(a)に記載の平坦度決定方法により決定した所望の平坦度を有する前記基板を用いることを特徴とする(h)または(i)に記載のマスクブランクの製造方法。
(k)電子デバイス用基板の主表面上に薄膜パターンを形成して転写用マスクを製造する転写用マスクの製造方法であって、前記基板上に形成される前記薄膜、および、前記基板主表面に形成されるパターン占有率、薄膜パターンの位置、薄膜パターンの形状のうち少なくとも何れか一つに応じて請求項2に記載の平坦度決定方法により決定した所望の平坦度を有する前記基板を用いて、(h)または(i)に記載の製造方法により製造したフォトマスクブランクを用いることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(l)電子デバイス用基板の主表面上に露光光に対して光学的変化をもたらす薄膜を形成したマスクブランクの製造方法であって、
予め既知の平坦度および表面形状を有する電子デバイス用基板の主表面上に、マスクブランクを製造するのと同じ成膜条件にて前記薄膜を成膜し、該薄膜の膜応力に起因した基板の平坦度変化量を求め、マスクブランクが所望の平坦度となるように、前記基板の平坦度および表面形状を決定して、前記基板の主表面が決定した平坦度および表面形状を有する基板を準備する工程と、
前記基板の主表面上に露光光に対して光学的変化をもたらす薄膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(m)前記基板を準備する工程は、前記電子デバイス用基板の平坦度および表面形状を測定する工程と、前記基板の平坦度および表面形状が、前記決定した平坦度および表面形状となるように、前記基板の主表面の形状が該基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に局所的にエッチングおよび/または圧力を加えて研磨することにより前記基板の平坦度および表面形状を調整する工程と、を有することを特徴とする(l)に記載のマスクブランクの製造方法。
(n)前記基板の平坦度の調整は、回転自在な研磨定盤と、該研磨定盤上に設けられた研磨パッドと、該研磨パッドの表面に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、前記研磨パッド上に基板を保持する基板保持手段と、前記研磨パッドに前記基板保持手段によって保持された基板を加圧することにより基板表面を研磨する基板加圧手段と、前記加圧手段は、基板表面の分割された複数領域に対して、任意に独立して加圧できるように複数の加圧体を有しており、
該加圧体には個々に圧力制御可能な圧力制御手段が設けられた研磨装置を用い、該基板主表面の形状が基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域は、他の領域よりも前記圧力制御手段によって前記加圧体の基板に対する圧力を大にし、
凸状になっている領域に対向する基板の裏面側より押圧し基板主表面を研磨することによって行われることを特徴とする(m)に記載のマスクブランクの製造方法。
(0)前記薄膜はクロムを主成分とする材料であって、前記基板の表面形状は凸形状とすることを特徴とする(l)から(n)のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(p)前記薄膜は主成分として硅素を含有し、さらに酸素および窒素のうち少なくとも一以上の成分を含有する材料であって、前記基板の表面形状は凹形状とすることを特徴とする(l)から(n)のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(q)電子デバイス用基板の主表面上に所望のパターンを形成した転写用マスクの製造方法であって、予め既知の平坦度および表面形状を有する電子デバイス用基板の主表面上に、転写用マスクを製造するのと同じ薄膜パターン占有率、薄膜パターン位置、薄膜パターン形状のうち少なくとも何れか一つを満足するように薄膜パターンを形成し、該薄膜パターンによる膜応力に起因した基板の平坦度変化量を求め、転写用マスクが所望の平坦度となるように、前記基板の平坦度および表面形状を決定して、前記基板の主表面が決定した平坦度および表面形状を有する基板を準備する工程と、前記基板の主表面上に所望のパターンを形成する工程と、を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(r)前記基板を準備する工程は、前記電子デバイス用基枚の平坦度および表面形状を測定する工程と、前記基板の平坦度および表面形状が、前記決定した平坦度及び表面形状となるように、前記基板の主表面の形状が該基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に局所的にエッチングおよび/または圧力を加えて研磨することにより前記基板の平坦度および表面形状を調整する工程と、を有することを特徴とする(q)に記載の転写用マスクの製造方法。
(s)前記基板の平坦度の調整は、回転自在な研磨定盤と、該研磨定盤上に設けられた研磨パッドと、該研磨パッドの表面に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、前記研磨パッド上に基板を保持する基板保持手段と、前記研磨パッドに前記基板保持手段によって保持された基板を加圧することにより基板表面を研磨する基板加圧手段と、前記加圧手段は、基板表面の分割された複数領域に対して、任意に独立して加圧できるように複数の加圧体を有しており、
該加圧体には個々に圧力制御可能な圧力制御手段が設けられた研磨装置を用い、該基板主表面の形状が基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域は、他の領域よりも前記圧力制御手段によって前記加圧体の基板に対する圧力を大にし、凸状になっている領域に対向する基板の裏面側より押圧し基板主表面を研磨することによって行われることを特徴とする(r)に記載の転写用マスクの製造方法。
(t)前記薄膜はクロムを主成分とする材料であって、前記基板の表面形状は凸形状とすることを特徴とする(q)から(s)のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
(u)前記薄膜は主成分として硅素を含有し、さらに酸素および/または窒素を含有する材料であって、前記基板の表面形状は凹形状とすることを特徴とする(q)から(s)のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
(v)前記電子デバイス用基板は、ガラス基板であることを特徴とする(l)から(u)のいずれかに記載のマスクブランクまたは転写用マスクの製造方法。
薄膜として遮光機能を有する遮光性薄膜を形成するフォトマスクブランクと、薄膜として位相シフト機能と遮光機能を有するハーフトーン膜を形成する位相シフトマスクブランクを作製するために、以下のように基板の平坦度を決定する。フォトマスクブランクと同じ大きさ(6インチ×6インチ×0.25インチ)(1インチ=25.4mm)、材料であって既知の平坦度(平坦度0.5μm(凸形状):平坦度測定機(トロッペル社製FM200)にて測定)を有する透明基板(石英ガラス基板)を準備し、その透明基板の主表面上に窒化クロム膜/炭化クロム膜/酸化窒化クロム膜をスパッタリング法により積層(合計膜厚900オングストローム)したフォトマスクブランク、透明基板の主表面上に窒化されたモリブデンシリサイド膜をスパッタリング法により積層(膜厚800オングストローム)した位相シフトマスクブランクを作製した。(尚、遮光性薄膜、ハーフトーン膜の成膜条件は、フォトマスクブランク、位相シフトマスクブランクの製造する際の成膜条件と同じとした。)
フォトマスクブランク、位相シフトマスクブランクそれぞれの平坦度を測定したところ、フォトマスクブランクの平坦度は0.2μm(凸形状)、位相シフトマスクブランクの平坦度は1.6μm(凸形状)であった。
上記透明基板の平坦度、フォトマスクブランク、位相シフトマスクブランクの平坦度から遮光性薄膜の平坦度変化量、ハーフトーン膜の平坦度変化量を算出したところ、遮光性薄膜は−0.3μm、ハーフトーン膜は+1.1μmであった。
第2の発明における電子デバイス用透明基板の平坦度決定方法について、以下詳細に説明する。
位相シフトマスクブランクと同じ大きさ(6インチ×6インチ×0.25インチ)、材料であって既知の平坦度(平坦度1.0μm(凸形状):平坦度測定器(トロッペル社製FM200)にて測定)を有する透明基板(石英ガラス基板)を準備し、その透明基板の主表面上に窒化されたモリブデンシリサイド膜をスパッタリング法により積層(膜厚800オングストローム)し、さらにレジスト膜(400オングストローム)をスピンコート法により形成し、所望のパターンを有するマスクを介して露光・現像することによって、所望のパターンを有する位相シフト膜を作製した(パターン占有率(開口率):約20%)。
この位相シフトマスクの平坦度を測定したところ、フォトマスクの平坦度は2.0μm(凸形状)であった。
<実施例1>
以下、フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法について説明する。
<実施例2>
両面精密研磨の研磨条件を制御することによって、透明基板(石英ガラス基板)の平坦度を1.1μm(凹形状)に調整した透明基板の主表面上に、上述の成膜条件の元、窒化されたモリブデンシリサイド膜をスパッタリング法により形成(膜厚800オングストローム)した位相シフトマスクブランクを作製した。
<実施例3>
両面精密研磨の研磨条件を制御することによって、透明基板(石英ガラス基板)の平坦度を2.0μm(凹形状)に調整した透明基板の主表面上に、上述の条件にて、窒化されたモリブデンシリサイド膜をスパッタリング法により形成(膜厚800オングストローム)し、さらにレジスト膜(4000オングストローム)をスピンコート法により形成し、所望のパターンを有するマスクを介して露光・現像することによって、所望のパターンを有する位相シフト膜を作製した。
<比較例>
上記の透明基板の平坦度決定方法によらず、精密研磨の研磨条件を制御することによって、従来と同様に高い平坦度を有する基板に仕上げた透明基板(石英ガラス基板:平坦度0.5μm(凸形状))を用意して、実施例1、2、3と同じ方法によってフォトマスクブランクおよびフォトマスク、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを作製した。
図2は、本発明における電子デバイス用透明基板の平坦度調整方法に用いる研磨機の構造を示す平面図であり、図3は、そのA−A´断面図である。
図3に示すように、研磨機の構造は、研磨パッド2が貼りつけられ、図示しない回転装置により定盤用回転軸を介して回転駆動する研磨定盤1と、基板主表面の複数に分割された領域に対し、任意に独立して加圧できるように複数の加圧体3と、複数の加圧体を保持する加圧体保持手段4と、加圧体3の圧力を制御する圧力制御手段、基板を保持する基板保持手段(リテーナーリング)5とを有し、研磨定盤1の回転と、個々の加圧体3の基板6に対する圧力を制御し、加圧体保持手段4および基板保持手段5が一体となって回転することにより研磨パッド2側の基板主表面を片面研磨するものである。
このリテーナーリングは、研磨パッド2を押さえることにより、基板6の周縁部にかかる圧力を均一化する役割を果たす。
加圧体3は、加圧体保持手段4により保持され、基板6の上面を覆うように多数設けられており、基板6にかける圧力を局所的に任意にコントロールすることができる。
<実施例4>
図4は、本発明における電子デバイス用凸状透明基板の平坦度調整を行った実施例を示す図である。
さらに、基板の中央部の圧力がわずかに高い荷重タイプ(2)(基板外周部に配置されている加圧体3には、極小さな荷重(0.1kg/cm2)とし、それ以外の基板中央部に配置されている加圧体3には、基板外周部の加圧体3より若干大きい荷重(0.2kg/cm2)とする荷重タイプ)を選択して、回転数5〜20rpm、研磨時間90〜180秒研磨を行ったところ(使用した研磨剤は、コロイダルシリカ(平均粒径100nm)+水の研磨液を使用して研磨を行った。)、平坦度:0.1〜0.2μmの凸形状とすることができた。
<実施例5>
図5は、本発明における電子デバイス用凹状透明基板の平坦度調整を行った実施例を示す図である。
電子デバイス用透明基板の平坦度を測定した結果、基板表面の形状は、おわん状で、平坦度:0.6〜0.7μmの範囲に入る凹形状なので、まず、基板のコーナー部の圧力が高い荷重タイプ(3)(基板中央部近傍に配置されている加圧体3には荷重を加えず、基板のコーナー部に配置されている加圧体3に最も高い荷重がかかるようにした荷重タイプ(尚、図5の荷重タイプ(3)、(4)に記載されている数値は、基板上に働く圧力(kg/cm2)を示す。)を選択して、回転数10〜20rpm、研磨時間45〜100秒で研磨を行ったところ(使用した研磨剤は、コロイダルシリカ(平均粒径100nm)+水の研磨液を使用して研磨を行った。)、平坦度:0.4〜0.5μmの凹形状となった。
<比較例>
実施例3および実施例4に用いた電子デバイス用透明基板の表面に均一な荷重をかけながら研磨を行ったところ、平坦度は良好にならなかった。
<実施例6>
上述の実施例3において、使用する研磨液を、研磨剤としてコロイダルシリカ(平均粒径100nm)を使用し、水酸化ナトリウムを添加してpHが11.2の研磨液とし、メカノケミカルポリッシングにした以外は実施例3と同じ平坦度の調整方法を行った。
その結果、最終的に得られる基板の平坦度はほぼ同じであるが、平坦度調整における研磨時間がおよそ15〜20%短縮することができた。
2:研磨パッド、
3:加圧体、
4:加圧体保持手段、
5:リテーナーリング、
6:基板
Claims (10)
- 電子デバイス用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、
前記薄膜を形成する側の主表面の表面形状が凸形状である基板に対し、クロムを主成分とする材料からなり、引張応力を有する前記薄膜をスパッタリング法で形成することにより、前記薄膜の成膜前よりも主表面の平坦度が高く、かつ主表面の表面形状が凸形状であるマスクブランクを得ることを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 電子デバイス用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクを製造するマスクブランクの製造方法であって、
前記薄膜を形成する側の主表面の表面形状が凹形状である基板に対し、主成分としてケイ素を含有し、さらに酸素および窒素のうち少なくとも一以上の成分を含有する材料からなり、圧縮応力を有する前記薄膜をスパッタリング法で形成することにより、前記薄膜の成膜前よりも主表面の平坦度が高く、かつ主表面の表面形状が凸形状であるマスクブランクを得ることを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記電子デバイス用基板は、マスクブランクの平坦度が所望の平坦度となるように前記薄膜の膜応力に起因した前記基板の平坦度変化量を見込んだ主表面の平坦度とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスクブランクの製造方法。
- 電子デバイス用基板の平坦度を測定した後、前記基板の平坦度が前記の所望の平坦度となるように、前記基板の主表面の形状が該基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に局所的にエッチングおよび/または圧力を加えて研磨することにより前記基板の平坦度を調整することを特徴とする請求項3に記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記基板の平坦度の調整は、
回転自在な研磨定盤と、該研磨定盤上に設けられた研磨パッドと、該研磨パッドの表面に研磨剤を供給する研磨剤供給手段と、前記研磨パッド上に基板を保持する基板保持手段と、前記研磨パッドに前記基板保持手段によって保持された基板を加圧することにより基板主表面を研磨する基板加圧手段とを備え、
前記加圧手段には、基板主表面の分割された複数領域に対して、任意に独立して加圧できるように複数の加圧体が設けられ、
該加圧体には個々に圧力制御可能な圧力制御手段が設けられた研磨装置を用いて行われるものであり、
該基板主表面の形状が基板主表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域において、該凸状になっている領域に対向する基板の裏面側より押圧し、他の領域よりも前記圧力制御手段によって前記加圧体の基板に対する圧力を大にして、基板主表面を研磨することによって行われることを特徴とする請求項4に記載のマスクブランクの製造方法。 - 前記基板の平坦度の調整は、該基板主表面の形状が基板表面において任意に設定した基準面に対して相対的に凸状になっている領域に、基板を侵食するエッチング溶液を供給する局所的なエッチングをすることによって行われることを特徴とする請求項4に記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記マスクブランクの所望の平坦度は、1μm以下であることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記電子デバイス用基板は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記薄膜は、露光光を遮光する遮光膜、露光光に対し位相差変化をもたらす位相シフト膜、露光光を吸収する光吸収膜、および露光光を反射する機能を有する反射膜のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
- 請求項1から請求項9のいずれかに記載の製造方法により製造したマスクブランクの薄膜をパターニングして薄膜パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
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