JP5335827B2 - 荷電粒子線装置及びその検出信号の補正方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及びその検出信号の補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線を高速走査する荷電粒子線装置に関し、電気信号経路の周波数帯域制限により発生する検出信号の劣化の経年変化を適応的に補正する機能に関する。
荷電粒子線を使用する顕微鏡等においては、試料上に照射される荷電粒子線を水平方向及び垂直方向の2次元について走査し、その照射領域から発生される二次信号を検出する。顕微鏡は、検出信号を電気回路で増幅して積算し、荷電粒子線の走査座標に対応付けることにより2次元画像化する。この際、顕微鏡等は、検出信号の振幅を画像データの濃度値に置き換えることにより試料表面の構造を二次元画像化し、観察可能にモニタに表示する。なお、検出器において取得された検出信号は、画像データ化されるまでの過程で電気回路の伝達関数の影響を受ける。
この伝達関数の主な要因は、検出器と増幅回路の2つである。検出器には、二次信号が検出されてから電気信号に変換されるまでの間に過渡的な応答速度が存在し、これが伝達関数として、取得された画像データの濃度値に影響する。伝達関数は検出器の種類によって異なるが、同じ型番の検出器の間にも個体差がある。一方、増幅器単体は勿論のこと、増幅回路も検出器と同様に周波数特性を有し、当該特性が取得した画像データの濃度値に影響を与える。当該特性は、増幅回路の種類やゲインの値により異なる。このように、検出器からデジタル変換器までの経路上には、等価的に周波数帯域制限フィルタが存在し、その特性が画像解析に大きな影響を与えている。
当該経路上において、検出器及び増幅回路の応答の速さ(すなわち、応答が収束する時間)より短い時間で検出信号が変化すると、その変化に応答が追従することができなくなり、次の検出信号に前時間の検出信号が畳み込まれた応答が出力されるようになる。この現象が起きると、出力された画像データは、荷電粒子線の走査方向にズレてしまい、結果的にぼやけたような像が取得されることになる。
ここで、検出器には、半導体検出器、シンチレータ、マイクロチャンネルプレートなど、様々な方式が存在する。このうち、シンチレータ方式は半導体検出器に比べて応答が速く、前述した問題解決のために素子構造の検討や回路の改善等が行われてきている。しかし、いずれの方法も決定的な解決策とはならず、ぼやけ現象の発生を解決するには至っていない。
特開2008-177064号公報
ところで、検出器及び増幅回路の応答速度より長い時間を用い、検出信号を変化させた場合(すなわち、荷電粒子線をゆっくり走査することにより、検出信号の周波数帯域を検出器及び増幅回路の周波数帯域内に抑えた場合)、各々の画素に当たる走査時間内に検出器及び増幅回路の応答が収束する。このため、前述したようなぼやけ現象は生じない。
本願出願人は、この違いに着目し、2種類の速度で画像データを取得することにより検出器からデジタル変換器に至るまでの経路が有する周波数帯域制限を補正する逆フィルタを生成する手法を提案している(特願2010-026057号)。具体的には、応答が収束するように遅く走査した時の劣化のない画像データと、応答が収束できないほど速く走査した時の劣化のある画像データから逆フィルタを生成する手法を提案している。そして、応答が収束できない速い走査速度のスキャンにおいては、予め生成した逆フィルタを適用して劣化した画像をリアルタイムに復元し、ぼやけのない画像を生成する手法を提案している。この手法は、高速走査が要求される顕微鏡等において非常に効果が大きい技術である。
しかるに、この逆フィルタは、顕微鏡等の使用開始前に予め用意されるものである。一般に、検出器や増幅回路は経年劣化し、その伝達関数も時間の経過と共に変化する。そのため、逆フィルタを用意した時点では最適であったとしても、時間の経過に伴い、実際の特性との間に差異が生じ、やがては最良な画像復元機能を提供できなくなる可能性がある。
そこで、本発明者は、荷電粒子線の走査速度が異なる複数の二次信号を取得し、当該複数の二次信号間の劣化関数を算出し、その逆関数を補正フィルタとする信号処理機能を有する荷電粒子線装置において、長期間に亘り、最適な画像復元機能を提供できるように、随時又は任意のタイミングで補正フィルタのパラメータを最適な値に更新する機能を提案する。
本発明によれば、電気信号経路を構成する電子部品の経年劣化により伝達関数に変化が生じても、常に、最適な画像復元効果を維持できる荷電粒子線装置を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
形態例に係る荷電粒子線装置の構成を示す図。 補正フィルタの一括更新処理手順を説明するフローチャート。 補正フィルタを生成する機能を備えるフィルタ生成部の機能ブロック図。 補正フィルタを更新する機能を備えるフィルタ更新部の機能ブロック図。 デフォルト補正フィルタに対応する管理用テーブルの一例を示す図。 ユーザー補正フィルタに対応する管理用テーブルの一例を示す図。 補正フィルタのリアルタイム更新手順を説明するフローチャート。 補正フィルタの更新設定に使用する操作画面と補正フィルタを適用した観察画像とを同時に表示するメイン操作画面の一例を示す図。 補正フィルタを適用した観察画像を表示する操作画面の一例を示す図。 補正フィルタ及びテーブル管理に使用する操作画面の一例を示す図。 デフォルト補正フィルタの一括更新処理及び部分更新処理の設定操作を可能とする操作画面の一例を示す図。 過去に更新したデフォルト補正フィルタの管理を可能とする操作画面の一例を示す図。 ユーザーテーブルの管理を可能とする操作画面の一例を示す図。 過去に更新したユーザー補正フィルタの管理を可能とする操作画面の一例を示す図。 補正フィルタのテーブル設定を可能とする操作画面の一例を示す図。 ユーザー補正フィルタの生成を可能とする操作画面の一例を示す図。 コメント表示ウインドウの表示例を示す図。 補正フィルタの生成処理手順を説明するフローチャート。 補正フィルタの適用効果を説明する図。 フィルタ生成部による劣化関数及び補正1次フィルタの作成手順を説明するフローチャート。 図20に示す処理手順の途中経過の画像を示す図。 劣化関数の逆関数を補正1次元フィルタに置換する手法を説明する図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
<形態例1:一括更新>
この形態例においては、電気信号経路の伝達関数を補正する補正フィルタのパラメータを一括更新する機能について説明する。
(装置構成)
図1に、形態例に係る荷電粒子線装置の一例を示す。当該装置は、特願2010-026057号で提案済みの画像復元機能に加え、本出願人が新たに提案する更新処理機能の両方を有している。なお、図1は、シュノーケルレンズ型の走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscope)を例に説明する。
真空カラム101内の試料台108上には試料107が配置されている。電子銃102で発生された電子ビーム103は、試料107の所定位置に照射される。電子ビーム103は集束レンズ104で集束され、対物レンズ106でさらに細く絞られる。また、電子ビーム103は、偏向コイル105によって偏向制御される。電子ビーム103が照射された試料107の表面からは二次電子、反射電子その他の二次信号が発生し、検出器110、検出器111、検出器112のそれぞれにより検出される。
試料台108は、ステージ制御部132により制御される。電子ビーム103の偏向は、偏向制御部133により制御される。偏向制御部133は、偏向コイル105に供給する偏向電流を制御して磁界強度を変化させ、電子ビーム103を水平方向及び垂直方向に走査させる。偏向制御部133は、偏向度合を制御する信号(偏向信号)を画像処理部124にも供給する。なお、集束レンズ104及び対物レンズ106のレンズ強度は、不図示のレンズ制御部により調整される。
画像処理部124は、偏向信号による走査に同期して発生される二次信号を、検出器110、検出器111及び検出器112を通じて検出する。情報処理部129は、情報入力装置134と接続されている。すなわち、情報処理部129は、外部装置とのインターフェースを有している。情報処理部129は、不図示のレンズ制御部、ステージ制御部132、偏向制御部133、画像処理部124を管理する。また、情報処理部129は、管理対象である各部の状態や検出した画像を情報伝達装置135の表示装置(例えばモニタ等)に表示する。また、情報処理部129は、検出器で検出された信号(検出信号)の伝送路特性の切り替え制御も実行する。すなわち、情報処理部129は、増幅器切替え回路122の切り替えを実行する。増幅器切替え回路122は、後述するように、各検出器に対して用意された各3系統の増幅器出力のうち各一つを選択的にアナログディジタル変換器123に出力するのに使用される。3系統の増幅器はいずれも異なる周波数特性を有している。
(一括更新の手順)
図2に、スキャン画像の復元に使用される1次元補正フィルタのパラメータを一括更新する際に実行される処理手順例を示す。当該処理は、画像処理部124と情報処理部129を通じて実現される。このうち、画像処理部124を構成するフィルタ生成部127の機能ブロック構成を図3に示し、更新処理部128の機能ブロック構成を図4に示す。また、デフォルトフィルタ管理用のデフォルトテーブルを図5に示す。また、フィルタの更新処理機能に関連するメイン操作画面GUIの一例を図8〜図10に示す。因みに、補正フィルタのデフォルトテーブル操作画面GUIを図11に示し、過去に更新されたデフォルト補正フィルタの一覧に適した操作画面GUIを図12に示す。
図2に示す一連の処理手順は、操作者による指示を通じて開始される。ここでは、操作者が、図8に示すようなメイン操作画面GUI801を開き、試料を観察しているものとする。
観察画像は、メイン操作画面GUI801の観察表示用窓804に表示されている。メイン操作画面GUI801には、検出器及び増幅器の応答が収束できない速度で電子ビームがスキャンされる場合に適用される補正フィルタの名称(例えば「Filter001」)が、適用中フィルタ名称欄802及び805に表示される。この例の場合、フィルタが属するテーブル名も表示される。図8の場合、補正フィルタは「デフォルトテーブル」に属することが分かる。
このメイン操作画面GUI801において、操作者がフィルタ係数最適化窓811内の一括更新(部分更新)にチェックを入れると、補正フィルタのデフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)が呼び出される。なお、図8の表記は、現在の設定がリアルタイム更新であることを表している。次に、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)において、一括更新実行ボタン1104がクリックされると、情報処理部129のCPU130から画像処理部124の更新処理部128と偏向制御部133に一括更新の命令が発行される。この命令の受信時にスキャン実行中であった場合、偏向制御部133はスキャンを停止する。
全体制御部402(図4)は、一括更新の命令を受けると(ステップ201)、偏向制御状態監視機能403を通じて偏向制御部133を監視し、スキャンが停止されるのを待つ(ステップ202)。
停止が確認されると、全体制御部402は、走査領域が参照試料109となるように、ステージ制御機能404を通じてステージ制御部132にコマンドを発行する(ステップ203)。
まず、全体制御部402は、デフォルトテーブル501(図5)を参照し、その先頭行(項番No.1)に登録された検出器と増幅回路が選択されるように増幅器切換え回路122を制御する(ステップ204)。すなわち、先頭行に登録された検出器と増幅回路を経た検出信号が後段のADC123に出力されるように制御する。
本形態例の場合、検出器110にはゲインの異なる3系統の増幅器113、114、115が接続され、検出器111にはゲインの異なる3系統の増幅器116、117、118が接続され、検出器112にはゲインの異なる3系統の増幅器119、120、121が接続されている。すなわち、図1の場合、増幅器切換え回路122は計9系統を切り換えることができる。もっとも、搭載される検出器の種類及び各ゲインの種類に応じ、切換え制御する経路の数は異なる。
ここで、デフォルトテーブル501(図5)について説明する。デフォルトテーブル501は、メーカー、製造会社等が事前に準備した補正フィルタを管理するためのテーブルである。当該テーブルで管理される補正フィルタは、操作者が任意に削除することができず、追加することもできない。デフォルトテーブル501には、1つの補正フィルタが1行ずつ記述されている。補正フィルタには識別用の項番が付されている。図5のテーブルでは、項番No.、検出器、増幅回路、走査速度、適用フィルタ名称、更新日、補正フィルタの参照用画像を取得するために使用される帯域制限を受けない走査速度、更新方法、フィルタのパラメータ係数等が管理されている。なお、デフォルトテーブル501は、画像処理部124や情報処理部129の内部メモリに保管されている。補正フィルタは、検出器、増幅回路、走査速度の組合せの数だけ存在する。図5の場合、N個の補正フィルタが管理されている。
図2の説明に戻る。全体制御部402は、走査速度が帯域制限を受けない速度(応答が収束できる速度)になるように、スキャン制御機能405を通じて偏向制御部133を制御する(ステップ205)。この後、指定された走査速度に基づいて、1フレーム分のスキャンが開始される。図5の場合、帯域制限を受けない走査速度として、SLOW1が設定されている。もっとも、当該走査速度は、事後的に変更しても良い。
スキャンが開始されると、検出器110、検出器111又は検出器112よって検出されたスキャン画像が、画像処理部124に入力される。画像処理部124は、フレームメモリ125を備えており、入力されたスキャン画像はこのフレームメモリ125に格納される。スキャンの停止後、画像処理部124は、フレームメモリ125に格納されているスキャン画像を取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127内のメモリに保存する(ステップ206)。
次に、全体制御部402は、走査速度が速い走査速度(帯域制限を受ける、応答が収束できない走査速度)となるように、スキャン制御機能405を通じて偏向制御部133を制御する(ステップ207)。図5の場合、帯域制限を受ける走査速度として、TV1が設定されている。この後、指定された走査速度に基づいて、1フレーム分のスキャンが開始される。ここでの変更は、走査速度のみであり、検出器や増幅回路の変更はもちろん、座標や倍率等の視野に関する変更もしてはならない。
1フレーム分のスキャンの停止が確認されると、全体制御部402は、フレームメモリ125に格納されているスキャン画像を取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127内のメモリに保存する(ステップ208)。
次に、全体制御部402はフィルタ生成部127に指示を与え、ステップ206及びステップ208で取得された両スキャン画像から補正1次元フィルタを生成させる(ステップ209)。
ここで、フィルタ生成部127は、図20に示す処理手順に従って補正1次元フィルタを生成する。なお、フィルタ生成部127の全体動作は、全体制御部302(図3)により統括される。以下、図3に基づいて説明する。まず、画像取得機能305が、低速スキャン画像f(x,y)を取得する(ステップ2001)。この画像は、ステップ206で格納された画像である。図21(a)に画像f(x,y)の画像例を示す。スキャン速度が低速であるため、縦及び横方向の格子形状が明瞭に観察できている。
次に、画像取得機能305は、画像f(x,y)と同じ視野領域に対応する高速スキャン画像g(x,y)を取得する(ステップ2002)。この画像は、ステップ208で格納された画像である。図21(b)に画像g(x,y)の画像例を示す。この例では、水平方向(X方向)に画像が流れている。このため、縦の格子構造が観察できない。ステップ2001とステップ2002は順不同であり、どちらを先に行っても良い。
次に、窓関数適用機能307が、画像f(x,y)と画像g(x,y)に窓関数を適用する(ステップ2003)。ここでは、適用後の画像をそれぞれ、画像f′(x,y)及び画像g′(x,y)とする。窓関数は、フーリエ変換を施す過程で信号の起点と終点の急峻な変化に影響されたアーティファクトを抑えるために用いられる一般的な処理である。本形態例では、ハニング窓を適用し、起点と終点の信号を0に抑える。これにより、最終的なフィルタ実施後の補正画像において、縦方向のアーティファクトを少なくする。勿論、ハニング窓以外の他の窓関数を用いても良い。
なお、二次元的な荷電粒子線の走査においては、一般に、まず水平方向(X方向)に電子ビーム103を走査し、次に垂直方向(Y方向)に1ライン移動し、当該次のラインについて水平方向(X方向)に電子ビーム103を走査する。このため、高速走査を行う場合の劣化は、移動速度が速い水平方向(X方向)に発生する。従って、窓関数適用機能307は二次元的に行う必要はなく、水平方向(X方向)のライン単位に実行すれば良い。すなわち、水平方向(X方向)の起点と終点に対して窓関数を適用すれば良い。図21(c)及び図21(d)の各画像は、図21(a)及び図21(b)の各画像に窓関数を適用した画像を示している。
次に、フーリエ変換適用機能308は、画像f′(x,y)の水平方向(X方向)の1ラインf′(t)毎にフーリエ変換を実行し、F(s)を得る(ステップ2004)。同様に、フーリエ変換適用機能308は、画像g′(x,y)の水平方向(X方向)の1ラインg′(t)毎にフーリエ変換を実行し、G(s)を得る(ステップ2005)。ステップ2004とステップ2005は順不同であり、どちらを先に行っても良い。
次に、劣化関数算出機能309が、劣化関数H-1(s)を下記式1により算出する(ステップ2006)。
-1(s)=F(s)/G(s) …(式1)
算出された劣化関数H-1(s)はフーリエ逆変換適用機能310に与えられる。フーリエ逆変換適用機能310は、劣化関数H-1(s)のフーリエ逆変換を行い、h-1(t)を得る(ステップ2007)。h-1(t)は実画像空間上での劣化画像に対する修復関数となっており、h-1(t)を劣化画像データg(t)に乗じることで劣化を修復することができる。
算出されたh-1(t)は、補正1次元フィルタ係数算出機能311に与えられる。補正1次元フィルタ係数算出機能311は、h-1(t)の振幅が0に収束するまでの値を、補正1次元フィルタの重み係数として設定し、補正1次元フィルタを作成する(ステップ2008)。
図22に、h-1(t)から補正1次元フィルタを作成する手法を具体的に示す。図22は、例えば画像の7画素に相当する時間tの期間においてh-1(t)の振幅が0に収束した場合の例を示している。振幅0を基準とし、各画素に相当する時間tにおけるh-1(t)の振幅を各画素の総和が0となる比率で標本化し、補正1次元フィルタ各画素の重み係数を決定する。例えば1画素目に相当するh-1(t1)の標本化後の振幅が1、2画素目に相当するh-1(t2)の振幅が−2、3画素目に相当するh-1(t3)の振幅が5、4画素目に相当するh-1(t4)の振幅が−7、5画素目に相当するh-1(t5)の振幅が3、6画素目に相当するh-1(t6)の振幅が−1、7画素目に相当するh-1(t7)の振幅が1であった場合、補正1次元フィルタは、各画素の重み係数がそれぞれ1,−2,5,−7,3,−1,1で与えられる7画素の1次元フィルタとなる。
図22の例では7画素に相当する時間tでh-1(t)の振幅が0に収束する例を示しているが、実際の補正1次元フィルタの画素数は劣化の度合いに応じて任意の大きさとなる。h-1(t)の振幅が0に収束するまでの時間が長い場合は、該h-1(t)の振幅の最大値,最小値に対して充分振幅が小さいといえる範囲を操作者が0と設定して補正1次元フィルタが適当な画素数となるようにしても良い。
前述したように、補正1次元フィルタは、水平方向(X方向)の1ライン分のデータから作成することができる。例えばフレームメモリ125(図1)には、電子ビーム103を水平方向及び垂直方向に走査した2次元画像が格納されており、水平方向(X方向)のデータは垂直方向(Y方向)の走査線の本数だけ存在している。従って、1枚の2次元画像からは垂直方向(Y方向)の走査線の本数だけ補正1次元フィルタを作成することができる。ここで、垂直方向(Y方向)の各走査線に対応する補正1次元フィルタの平均をフィルタリング部126に設定する補正1次元フィルタとしても良い。この場合、補正1次元フィルタを作成するために取得した遅い走査速度の画像f(x,y)又は速い走査速度の画像g(x,y)のいずれかに、検出器及び増幅器の帯域制限による劣化以外の要因のノイズが含まれていた場合においても、ノイズの影響を低減したフィルタを作成することができる。あるいは垂直方向(Y方向)の走査線の本数毎の各補正1次元フィルタの形状を比較し、明らかに形状の異なる補正1次元フィルタについては排除し、形状が類似する補正1次元フィルタについてのみ平均化し、補正1次元フィルタを求めても良い。このようにしても、補正1次元フィルタの精度を向上することができる。
図2の説明に戻る。新たな補正フィルタの生成が確認されると、フィルタ更新判断機能407は、生成された補正フィルタのパラメータ係数と、既存フィルタのパラメータ係数を比較する(ステップ210)。比較した係数の差分値がある規定値内であれば(ステップ210で肯定結果の場合)、フィルタ更新判断機能407は、生成した補正フィルタを画像処理部124内のメモリ又は情報処理部129内のメモリ131に保存すると共に、デフォルトテーブル501の項番No.1に対応付けられている全ての項目を、新規に生成された補正フィルタの情報で置換する(ステップ211)。すなわち、フィルタ更新判断機能407は、帯域制限を受ける走査速度で試料を観察する際に今後呼出される補正フィルタの内容を、新規に生成した補正フィルタの内容に置換する。
これに対し、比較した係数の差分値がある規定値を超えるとき(ステップ210で否定結果の場合)、フィルタ更新判断機能407は、ステップ211を実行せず、ステップ212に進む。ここでの規定値は、生成した補正フィルタが正常なものか否かを判断するために用意されている。なお、生成された補正フィルタのパラメータが既存フィルタのパラメータ値と大きく異なることは、検出器や増幅回路の経年劣化以外の要因による可能性が高いと考えられる。経年劣化によるパラメータの変動は、検出器及び増幅回路の種類、更新実施期間等に依存する。従って、規定値は、これらを考慮して定めておくことが望ましい。
テーブル管理機能408は、デフォルトテーブル501を参照し、補正フィルタの更新処理状況を確認し、全ての項番No.について更新処理を完了したか否かを確認する。完了が確認されなかった場合(否定結果の場合)、全体制御部402に対してステップ204に戻るように指示し、次の項番No.に該当する補正フィルタの更新処理を開始させる(ステップ212)。これに対し、完了が確認された場合(肯定結果の場合)、テーブル管理機能408は、全体制御部402を通じて一括更新処理を終了する(ステップ213)。一括更新が完了した場合、全体制御部402は、情報伝達装置135を通じ、処理の完了を操作者に伝達しても良い。例えばモニタの画面上に、一括更新処理が完了したことを伝えるウインドウ1701(図17)を含む操作画面1700を表示させても良い。また例えばスピーカーから出力される音声や音を通じて、一括更新処理が完了したことを操作者に伝えても良い。
(各種テーブルを用いた管理機能)
この形態例において、デフォルトテーブル501(図5)とデフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)のデフォルトテーブル表示窓1109は互いに連動しており、一方の変更内容はリアルタイムに他方に通知されるよう構成されている。連動機能が搭載されている場合、操作者は、一括更新処理の実行中でも、どの項番No.の補正フィルタの更新処理が完了しているかをリアルタイムで確認することができる。
また、本形態例の場合、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)には、停止ボタン1111、キャンセルボタン1110、その他のボタンが用意されている。従って、これらのボタンを操作することにより、操作者は、実行中の一括更新処理を中断又はキャンセルすることができる。
この他、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)には、操作画面を閉じるためのボタン(閉じるボタン1108)が用意されている。操作者は、閉じるボタン1108を操作することにより、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101を閉じることができる。デフォルトテーブル用操作画面GUI1101が閉じられると、画面表示はメイン操作画面GUI801に戻る。このとき、メイン操作画面GUI801のフィルタ係数最適化窓811のチェックボタンは、「更新なし」にチェックされる。
なお、前述の説明では、フィルタ係数最適化窓811のボタン操作を通じて一括更新処理を実行したが、コマンド入力欄814、1103に対するコマンド入力を通じて一括更新処理を実行させることもできる。
また、上述の説明では、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)の一括更新実行ボタン1104のクリック操作を通じて一括更新処理を実行する場合について説明したが、任意の補正フィルタの更新処理のみを実行したい場合には、予め更新したい補正フィルタに該当するチェックボタン1102を選択した状態で部分更新処理ボタン1105をクリック操作することにより、選択された補正フィルタに対してのみ更新処理を実行することもできる。
また、過去に生成したデフォルトテーブル用のデフォルト補正フィルタは、内部メモリ406や情報処理部129のメモリ131等に保存されており、デフォルトテーブル用フィルタリストGUI1201(図12)を通じて管理することができる。
デフォルトテーブル用フィルタリストGUI1201(図12)は、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)の過去フィルタ一覧ボタン1106をクリックすることにより呼び出すことができる。デフォルトテーブル用フィルタリストGUI1201の表示窓1202には、更新処理の度に生成された過去の補正フィルタが表示される。
過去に生成した補正フィルタを削除したい場合、操作者は、該当する補正フィルタのチェックボタン1203を選択し、削除ボタン1205をクリックすれば良い。削除ボタン1205がクリックされると、該当する補正フィルタが内部メモリから削除される。
また、過去に生成した補正フィルタを既存のデフォルトテーブル501に再設定したい場合、操作者は、該当する補正フィルタのチェックボタン1203を選択し、再設定ボタン1204をクリックすれば良い。再設定ボタン1204がクリックされると、情報処理部129のCPU130からテーブル管理機能408にフィルタ再設定の命令が出力される。フィルタ再設定の命令を受信したテーブル管理機能408は、デフォルトテーブル501の該当する補正フィルタを、再設定の対象に選択された補正フィルタの情報で置換する。これにより、過去に生成した補正フィルタの管理やデフォルトテーブル501への補正フィルタの再設定も可能となる。ただし、工場出荷時に登録されている初期補正フィルタは、絶対に削除することはできないものとする。
デフォルトテーブル501を工場出荷時の状態(初期状態)に戻したい場合、作業者は、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)のデフォルトテーブル初期化ボタン1107をクリックすれば良い。初期化ボタンがクリックされると、情報処理部129のCPU130からテーブル管理機能408に初期化命令が出力される。初期化命令を受信したテーブル管理機能408は、デフォルトテーブル501の全ての項番No.に対応する内容を、該当する初期補正フィルタに置換する。
前述したいずれの場合にも、帯域制限を受ける走査速度による試料観察時(応答が収束できない走査速度スキャン時)には、更新後のデフォルトテーブル501から検出器、増幅回路、走査速度の組合せに該当する補正フィルタが呼出され、画像処理部124のフィルタリング部126の補正フィルタに設定される。その後、検出画像が画像処理部124に入力されると、フィルタリング部126によって補正フィルタがリアルタイムに適用され、メイン操作画面GUI801の観察表示用窓804に復元画像が表示される。
なお、前述の説明では、メイン操作画面GUIの構成例として図8を例示したが、図9に示す画面構成901であっても良い。メイン操作画面GUIが図9に示す構成の場合、操作者がフィルタ設定ボタン902をクリックすると、フィルタ設定用の操作窓807がフィルタ設定用操作画面GUI1001(図10)のように呼出されるようにしても良い。
また、メイン操作画面GUI801(図8)内のデフォルトテーブル確認ボタン812を操作者がクリックすると、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101(図11)を呼出すこともできる。この場合、操作者は、デフォルトテーブル用操作画面GUI1101を通じ、検出器、増幅回路、走査速度の組合せに対応する補正フィルタの内容を容易に確認することができる。
(まとめ)
図19に、画像復元機能による補正効果のイメージを示す。右図は、帯域制限を受けない走査速度でのスキャンによって取得された像1902を示し、左図は、帯域制限を受ける走査速度でのスキャンによって取得された像1901を示す。前述したように、帯域制限を受ける走査速度でのスキャン(検出器及び増幅回路の応答が収束する時間より短い時間で検出信号が変化するスキャン)では、その変化に応答が追従することができず、現在の検出信号が次の検出信号に畳込まれた形の応答出力となる。この現象が起こると、出力された画像データは荷電粒子線の走査方向にズレ、結果的にぼやけた像1901になってしまう。
これに対し、帯域制限を受けない走査速度でのスキャン(検出器及び増幅回路の応答が収束する時間より長い時間で検出信号が変化するスキャン)では、各々の画素にあたる走査時間内に応答が収束するためぼやけ現象は発生しない。
仮に、全ての周波数帯域を網羅した補正フィルタを像1901に適用して画像復元を行うことができれば、帯域制限を受けない走査速度でのスキャンした場合と同じ像1902を復元することができる。
また、前述したように、同じ種類の検出器や増幅回路であったとしても、部品個々の伝達関数は全く同じではなくズレがある。このため、初期設定時、部品交換時、オプション追加時、メンテナンス時等において、個々の装置構成にマッチした補正フィルタを準備する必要がある。また、経時劣化の影響で伝達関数が変動し、予め用意された補正フィルタの内容が現在の伝達関数の補正に適さなくなることがある。
しかし、本形態例に係る走査型電子顕微鏡の場合には、補正フィルタの一括更新機能が搭載されているため、当該機能の実行により、常に最適な補正フィルタに提供することができる。かくして、常に最適な状態でスキャン画像を観察することができる。
また、本形態例に係る走査型電子顕微鏡の場合には、各種の走査画面GUIを用意したことにより、補正フィルタの管理(例えば、内容の確認、作成、一括変更、部分変更、再設定、削除、初期化、更新の進捗状況の確認等)に対する操作性を向上することができる。
<形態例2:リアルタイム更新>
この形態例においては、電気信号経路の伝達関数を補正する補正フィルタのパラメータを、試料観察のバックグラウンドでリアルタイム更新する機能について説明する。
(装置構成)
続いて、リアルタイム更新機能を有する荷電粒子線装置について説明する。なお、本形態例に係る荷電粒子線装置の構成は、処理機能の詳細を除き、図1に示す構成と同じであるものとする。
(リアルタイム更新の手順)
図7に、スキャン画像の復元に使用される1次元補正フィルタのパラメータをリアルタイムで更新する場合に実行される処理手順例を示す。当該処理も、画像処理部124と情報処理部129を通じて実現される。ただし、この形態例の場合には、ユーザーテーブルに格納された補正フィルタが更新対象となる。図6に、ユーザーフィルタ管理用のユーザーテーブルを示す。また、フィルタの更新処理機能に関連するユーザーテーブル操作画面GUIを図13に示し、ユーザーテーブル用のフィルタリストGUIを図14示す。
形態例1で説明した補正フィルタの一括更新においては、操作者による試料の観察を中断又は停止する必要がある。これに対し、リアルタイム更新は、操作者による通常の試料観察のバックグラウンドで実行される。
図7に示す一連の処理手順は、操作者による指示を通じて開始される。ここでは、操作者が、図8に示すようなメイン操作画面GUI801を開いているものとする。
このメイン操作画面GUI801において、操作者がフィルタ係数最適化窓811内のリアルタイム更新にチェックを入れると、情報処理部129のCPU130から画像処理部124の更新処理部128と偏向制御部133にリアルタイム更新の選択が通知される。
更新処理部128の全体制御部402(図4)は、当該通知を受けることでリアルタイム更新モードとなる。また、全体制御部402は、偏向制御状態監視機能403を通じて偏向制御部133の監視を開始する。
なお、操作者はリアルタイム更新のチェックボタンを選択した後、通常通り試料の観察を開始する(ステップ701)。まず、操作者は、試料の視野探しを開始する。視野探しに使用するスキャン速度は任意である。ここでは、帯域制限を受ける速度のスキャン(応答が収束できない速度のスキャン)により、試料の視野探しが開始されたものとする。
偏向制御部133を常に監視している偏向制御状態監視機能403は、走査速度が帯域制限を受ける速度か否かを判定している(ステップ702)。前述の通り、この形態例では高速スキャン(帯域制限を受ける速度のスキャン)が選択されているので、偏向制御状態監視機能403は肯定結果を得る。なお、否定結果が得られた場合、全体制御部402は当該処理を終了する。すなわち、図7に示す処理は、操作者による視野探しが帯域制限を受ける速度のスキャン(すなわち、高速スキャン)の場合にのみ実行される。
ステップ702で肯定結果が得られると、偏向制御状態監視機能403は、現在使用されている検出器、増幅回路、走査速度の組合せに関する情報を全体制御部402に記憶させる(ステップ703)。なお、偏向制御状態監視機能403は、偏向制御部133の監視を継続する。
この後、操作者は、情報入力装置134(トラックボール、ジョイスティック、操作パネル等)や不図示のGUI上のボタンに対する操作を通じて高速スキャンによる視野探しを行う。視野探しが完了した後、操作者は、詳細構造を観察するために、帯域制限を受けない速度によるスキャン(応答が収束できる速度のスキャン)に切り替え、試料の詳細な観察を開始する。すなわち、走査型電子顕微鏡は、帯域制限を受けない速度のスキャン(すなわち、低速スキャン)による観察モードに切り替わる。
偏向制御状態監視機能403は、このスキャン速度の切り替わりを監視する(ステップ704)。偏向制御状態監視機能403は、スキャン速度の切り替わりを検出すると(ステップ704で肯定結果の場合)、直前の高速スキャンによって取得された1フレーム分のスキャン画像をフレームメモリ125から取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127に保存する。
次に、偏向制御状態監視機能403は、切り替え後の低速スキャンによる1フレーム分のスキャンが完了したか否かを判定する(ステップ705)。肯定結果が得られた場合、偏向制御状態監視機能403は、直前の低速スキャンによって取得された1フレーム分のスキャン画像をフレームメモリ125から取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127に保存する。
続いて、偏向制御状態監視機能403は、当該メモリに格納されている高速スキャン画像と低速スキャン画像に基づいて補正1次元フィルタを算出するように、フィルタ生成部127に指示を出す(ステップ706)。
補正1次元フィルタの生成後、フィルタ更新判断機能407は、生成した補正フィルタのパラメータ係数と、ステップ703で記憶した検出器、増幅回路、走査速度の組合せに対応する既存フィルタのパラメータ係数とを比較する(ステップ707)。
パラメータ係数の差分値がある規定値以内の場合(ステップ707で肯定結果の場合)、フィルタ更新判断機能407は、生成した補正フィルタを画像処理部124内のメモリ又は情報処理部129内のメモリ131に保存する。さらに、フィルタ更新判断機能407は、ユーザーテーブル601の該当する項番No.の全項目を新規に生成した補正フィルタの情報に置換する(ステップ708)。すなわち、フィルタ更新判断機能407は、帯域制限を受ける走査速度で試料を観察する際に今後呼出される補正フィルタの内容を、既存フィルタから新規に生成した補正フィルタの内容に置換する。この後、全体制御部402は、一連の処理を終了する(ステップ709)。
これに対し、比較した係数の差分値がある規定値を超えるとき(ステップ707で否定結果の場合)、全体制御部402は、生成した補正フィルタを保存することなく、一連の処理を終了する(ステップ709)。
ここでの規定値は、形態例1と同様、生成した補正フィルタが正常なものか否かを判断するために用意されている。なお、生成された補正フィルタのパラメータが既存フィルタのパラメータ値と大きく異なることは、検出器や増幅回路の経年劣化以外の要因による可能性が高いと考えられる。経年劣化によるパラメータの変動は、検出器及び増幅回路の種類、更新実施期間等に依存する。従って、規定値は、これらを考慮して定めておく。
前述したリアルタイム更新は、フィルタ係数最適化窓811でリアルタイム更新のチェックボタンが選択されている間、常に繰り返し実行される。つまり、操作者が通常通り試料の観察を実施している間、バックグラウンドで前述の処理動作が繰り返され、高速スキャン(帯域制限を受けるスキャン)から低速スキャン(帯域制限を受けないスキャン)に切り替わる度に、その際に使用されている検出器、増幅回路、走査速度の組合せに該当する補正フィルタのパラメータを自動的に更新する。
ただし、操作者が観察する試料には、参照試料109と同等以上の周波数帯域を含む構造を有することが必要である。
(各種テーブルを用いた管理機能)
この形態例において、ユーザーテーブル601(図6)とユーザーテーブル用操作画面GUI1301(図13)のユーザーテーブル表示窓1302は互いに連動しており、一方の変更内容はリアルタイムに他方に通知されるものとする。従って、テーブル表示窓1302には、常に最新のユーザーテーブル601の内容が表示される。ユーザーテーブル用操作画面GUI1301は、メイン操作画面GUI801(図8)において、ユーザーテーブル確認ボタン813をクリックすることにより呼び出すことができる。
また、ユーザーフィルタも、デフォルトフィルタ(形態例1)の場合と同様、過去に生成又は更新した補正フィルタの内容を内部メモリ406や情報処理部129のメモリ131等に保存しておくことができる。勿論、過去又は更新した補正フィルタは、ユーザーテーブル用フィルタリストGUI1401(図14)によって管理することができる。
ユーザーテーブル用フィルタリストGUI1401は、ユーザーテーブル用操作画面GUI1301の過去フィルタ一覧ボタン1305のクリック操作を通じて呼び出すことができる。過去に生成又は更新された補正フィルタは、ユーザーテーブル用フィルタリストGUI1401の表示窓1402に表示される。
過去に生成した補正フィルタを削除したい場合、操作者は、該当する補正フィルタのチェックボタン1403を選択し、削除ボタン1405をクリックすれば良い。削除ボタン1405がクリックされると、該当する補正フィルタが内部メモリから削除される。
また、過去に生成した補正フィルタを既存のユーザーテーブル601に再設定したい場合、操作者は、該当する補正フィルタのチェックボタン1403を選択し、再設定ボタン1404をクリックすれば良い。再設定ボタン1404がクリックされると、情報処理部129のCPU130からテーブル管理部408にフィルタ再設定の命令が出力される。フィルタ再設定の命令を受信したテーブル管理部408は、ユーザーテーブル601の該当する補正フィルタの内容を、再設定の対象に選択された補正フィルタの情報で置換する。これにより、過去に生成又は更新した補正フィルタの管理やユーザーテーブル601への再設定が可能となる。
また、ユーザーテーブル用フィルタリストGUI1401(図14)を用いることで、操作者は、選択された複数の補正フィルタの平均的なパラメータを有する補正フィルタを生成することができる。当該補正フィルタの生成は、操作者が、複数のチェックボタン1403を選択し、かつ、新しいフィルタ名称を入力欄1408に記入した状態で、平均フィルタ生成ボタン1407をクリックすることにより実行される。平均フィルタ生成ボタン1407がクリックされると、更新処理部128は、該当する補正フィルタからパラメータを読み出して平均値を演算し、入力欄1408に記入された新しいフィルタ名称の補正フィルタを内部メモリに格納し、ユーザーテーブルに設定する。
(まとめ)
以上説明したように、本形態例に係る走査型電子顕微鏡には、補正フィルタのリアルタイム更新機能が搭載されるため、操作者に意識させることなく、補正フィルタの状態を常に最適化することができる。すなわち、操作者は、補正フィルタの更新を何ら意識することなく、最適なスキャン画像を常に観察することができる。
また、本形態例に係る走査型電子顕微鏡の場合にも、各種の走査画面GUIを用意したことにより、補正フィルタの管理(例えば、内容の確認、作成、再設定、削除、更新の進捗状況の確認等)に対する操作性を向上することができる。
<形態例3:補正フィルタの新規生成>
次に、補正フィルタの新規作成機能に関する形態例を説明する。通常、操作者は、試料の観察時、まず帯域制限を受けるスキャン速度(応答が収束できない速度のスキャン)により視野探しを行い、その後、帯域制限を受けないスキャン速度(応答が収束できる速度のスキャン)に切り替えて詳細な構造観察を行う。
前述した画像復元機能は、視野探しにおいて非常に効果的である。ところが、操作者が高速スキャンにより視野探しを行う場合、予め用意してあるデフォルト補正フィルタやユーザー補正フィルタによっては、十分な復元画像を得られない場合がある。
これは予め用意されている補正フィルタでは対応できない周波数帯域が試料構造に含まれているためである。このような場合にも、発明者の提案する走査型電子顕微鏡の場合には、新規にユーザー独自のユーザー補正フィルタを作成し、管理することができる。
本形態例の場合にも、荷電粒子線装置は、図1に示す構成を有しているものとする。図18に、補正フィルタの新規作成時に実行される処理手順例を示す。当該処理は、観察画像がぼやけるなどして十分な品質の復元画像が得られない場合に実行される。まず、操作者は、メイン操作画面GUI801において、フィルタ生成欄808内の新規作成ボタン810をクリックする。すると、フィルタ生成GUI1601(図16)が呼び出される(ステップ1801)。このとき、情報処理部129のCPU130から更新処理部128には、フィルタの新規作成命令が出力される。
スキャン制御機能405(図4)は、全体制御部402を介して命令を受け取ると、フィルタ生成GUI1601上のスキャン切換え欄1602、加速電圧欄1603、倍率欄1604、参照用領域走査欄1606、焦点合わせ欄1607の設定を読み出して偏向制御部133に与える。偏向制御部133は、与えられた設定に従ってスキャンを開始する。このとき、読み出される設定は、帯域制限を受けないスキャン速度に対応するものである。
低速スキャンが開始されると、走査に伴う二次信号が検出器110〜検出器112において検出される(ステップ1802)。検出された二次信号は、画像処理部124、情報処理部129を経て、帯域制限を受けないスキャン画像表示窓1609(図16)に表示される。操作者は、スキャン画像表示窓1609に表示された帯域制限を受けないスキャン画像(低速スキャンにより取得された画像)を参考に、詳細観察のための微調整を行う。例えばスキャン切換え欄1602、参照用領域走査欄1606、焦点合わせ欄1607等に対するGUI画面上でのボタン操作、情報入力装置134に対する操作を通じ、視野領域の移動、スキャン切換え、加速電圧、倍率、コントラスト調整等の微調整が行われる。なお、フィルタ生成GUI1601の加速電圧欄1603には加速電圧の現在値が表示され、倍率欄1604には倍率の現在値が表示されている。
操作者がスキャン切換え欄1602のボタンをクリックしてスキャン速度を変更すると、スキャン制御機能405は、偏向制御部133にスキャン速度の再設定を指示する。スキャン切換え欄1602によるスキャン速度の選択は、帯域制限を受けないスキャン速度においてのみ可能とする。
操作者が情報入力装置134や不図示のGUIボタンを通じて加速電圧を変更すると、全体制御部402は、高電圧安定化電源(電子銃電源)用の不図示の制御部に対し、加速電圧の再設定を指示する。
操作者が倍率欄1604等を通じて倍率を変更すると、全体制御部402は、不図示のレンズ制御部及び偏向制御部133に倍率の再設定を指示する。
フィルタ生成GUI1601において参照用領域走査欄1606のチェックボタンがオンに設定されている場合、全体制御部402は、情報入力装置134から与えられる座標移動に関する信号の入力を一時的にマスクする。その後、全体制御部402はステージ制御部132を制御し、視野領域が参照試料109になるように試料台108を移動させる。移動の後、全体制御部402は、前述したマスク処理を解除する。
フィルタ生成GUI1601において焦点合わせ欄1607のチェックボタンが自動に設定されている場合、全体制御部402は、不図示のレンズ制御部及び画像処理部124にオートフォーカスを指示する。
全体制御部402は、前述したいずれかの設定に変更があると、変更後の設定に従い、スキャンを再開始させ、帯域制限を受けないスキャン速度にて取得されたスキャン画像をリアルタイムにスキャン画像表示窓1609に表示させる。このように、更新処理部128は、フィルタ生成GUI1601を常に監視し、通常の試料観察と同等の制御を行う。
スキャン条件の微調整を完了し、操作者がフィルタ生成ボタン1608をクリックすると(ステップ1803の判定処理で肯定結果が得られると)、更新処理部128は、当該時点の設定に基づく再度のスキャンを開始させる(ステップ1804)。このとき、更新処理部128は、低速スキャンにて1フレーム分の画像を取得する。
また、更新処理部128は、当該スキャン時における検出器、増幅回路、走査速度の組合せ情報を記憶する(ステップ1805)。ここで、画像復元適用スキャン選択欄1605は、新たに生成するフィルタを適用するスキャン(帯域制限を受けるスキャン)の設定欄である。
1フレーム分のスキャンが完了すると、更新処理部128は、フレームメモリ125からスキャン画像を取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127に保存する。また、更新処理部128は、1フレーム分のスキャン画像を情報処理部129に転送し、情報伝達装置135のモニタに静止画として表示させる(ステップ1806)。すなわち、更新処理部128は、フィルタ生成GUI1601(図16)の帯域制限を受けないスキャン画像表示窓1609に、1フレーム分のスキャン画像を表示させる。
その後、更新処理部128内のスキャン制御機能405は、偏向制御部133における走査速度を、ステップ1805において画像復元適用スキャン選択欄1605にて選択した帯域制限を受ける高速スキャンに切替え、スキャン動作を開始させる(ステップ1807)。このとき、検出器や増幅回路の変更はもちろん、座標や倍率といった視野に関しての設定変更は行わない。
1フレーム分のスキャンが完了すると、全体制御部402は、フレームメモリ125からスキャン画像を取得し、内部メモリ406又はフィルタ生成部127に保存する(ステップ1808)。
その後、全体制御部402は、取得した両スキャン画像より補正1次元フィルタを生成するように、フィルタ生成部127に指示する(ステップ1809)。
補正フィルタの生成が完了すると、更新処理部128は、生成したフィルタをフィルタリング部126に設定し、ステップ1807と同様の設定によりスキャンを開始させる(ステップ1810)。すなわち、高速スキャンによる画像の取り込みを実行する。検出画像は、画像処理部124に入力される。
画像処理部124は、補正後のスキャン画像と補正前のスキャン画像を、時分割により又は転送データ幅の拡張によりリアルタイムで情報処理部129に転送する(ステップ1811)。情報処理部129は、情報伝達装置135を通じ、フィルタ生成GUI1601の補正前画像用窓1610と補正後画像用窓1611に、補正前のスキャン画像と補正後のスキャン画像をリアルタイムで表示する。
この結果、操作者は、低速スキャン(帯域制限を受けない速度のスキャン)で取得された画像1609と、高速スキャン(帯域制限を受ける速度のスキャン)で取得された画像であってフィルタ補正前の画像1610とフィルタ補正後の画像1611とを同一画面上で参照することができる。かくして、補正フィルタによる補正の効果の確認が可能になる。生成された補正フィルタの保存と該当するユーザーテーブル601の置換を操作者が希望する場合、操作者は、フィルタ名称1613にフィルタ名を記入し、フィルタ保存ボタン1614をクリックすれば良い。
操作者がもう一度始めから補正フィルタの生成のやり直しが必要と判断した場合、操作者は再生成ボタン1615をクリックする。このクリック入力を検出した全体制御部402は、処理ステップをステップ1802に戻す(ステップ1812)。これに対し、操作者が生成された補正フィルタを保存することなくフィルタ生成処理を終了したい場合、操作者はキャンセルボタン1616をクリックする(ステップ1812)。このクリック入力を検出した全体制御部402は、ステップ1813をスキップしてステップ1814に進む。これに対し、操作者がフィルタ保存が必要と判断した場合、操作者はフィルタ保存ボタン1614をクリックする。このクリック入力を検出した全体制御部402は、生成した補正フィルタを画像処理部124内のメモリ又は情報処理部129内のメモリ131に保存する。また、全体制御部402は、ユーザーテーブル601の該当する項番No.のフィルタの全項目を生成した補正フィルタの情報に置換する(ステップ1813)。
その後、更新処理部128はスキャン動作を停止させ(ステップ1814)、フィルタの生成処理を終了する(ステップ1815)。この際、フィルタ生成GUI1601の表示欄1612には、現在使用されている検出器、増幅回路、走査速度の情報が表示される。
前述の説明では、ステップ1811において動画像を画面表示する場合について説明したが、取得画像のリアルタイム転送が困難な場合には静止画像を表示しても良い。
閉じるボタン1617がクリックされると、他のGUIの場合と同様、現在のGUI、すなわちフィルタ生成GUI1601が閉じられる。
(まとめ)
以上説明したように、本形態例に係る走査型電子顕微鏡には、補正フィルタの新規作成機能が搭載されるため、常に最適な補正フィルタを用いて画像を復元することができる。
また、本形態例に係る走査型電子顕微鏡の場合にも、各種のGUIを用意したことにより、操作者による補正フィルタの管理を容易にすることができる。特に、補正フィルタの適用前後の画像を、帯域制限を受けない低速スキャンの画像と共に同一画面上で参照できることにより、作成した補正フィルタの効果を確認することができる。
<形態例4:他の形態例>
(1)前述した形態例1、2及び3においては、1フレーム分の多数のラインについて補正フィルタを作成し、当該ラインの数だけ存在するフィルタを内部で自動平均し、1つの補正フィルタを作成することを想定している。しかしながら、補正フィルタの作成方法は、これに限らない。例えば1フレーム中の1ラインの情報だけで1つの補正フィルタを作成しても良い。また、奇数ラインの情報だけでフィルタを作成し、それらライン数分のフィルタを平均化して1つの補正フィルタを生成しても良い。実際、選択されたライン中に、該観察試料に含まれる全ての周波数帯域が含まれる場合には、1ラインの情報のみで1つの補正フィルタを生成しても良い。補正方法の生成方法は、補正フィルタの信頼性(観察試料の周波数帯域の構造分布)、補正フィルタ算出時のスループット等を検討し、最適な手法を選択すれば良い。
(2)フィルタ生成GUI1601(図16)は、ユーザーテーブル用操作画面GUI1301(図13)上の新規作成ボタン1306のクリック操作を通じて呼出し可能としても良い。
(3)ユーザーテーブル用操作画面GUI1301(図13)上のフィルタ読込みボタン1307がクリック操作された場合に、更新処理部128が、情報処理部129を通じて外部接続されている不図示の外部記憶媒体から補正フィルタを読み込み、内部メモリに格納するように構成しても良い。
(4)ユーザーテーブル用操作画面GUI1301(図13)上のフィルタ書出しボタン1309がクリック操作された場合に、更新処理部128が、情報処理部129に外部接続された不図示の外部記憶媒体に対し、内部メモリに格納されている補正フィルタを転送するように構成しても良い。
(5)本願明細書に係る画像復元機能は、検出器からデジタル画像処理までの経路上(主に検出器及び増幅器)における伝達関数に基づく画像劣化を復元するものである点と、伝達関数の応答が収束できない走査速度(帯域制限を受ける走査速度)のスキャン画像から応答が収束できる走査速度(帯域制限を受けない走査速度)のスキャン画像を復元する点で特許文献1と異なっている。
なお、特許文献1には、撮影条件及び試料情報から劣化関数を生成し、該関数を撮影画像に適用後、復元された画像の程度により劣化関数を再度修正し、再度の画像復元を実行するような劣化関数の更新処理方法を開示する。これに対し、本願明細書に係る画像復元機能は、伝達関数の経年劣化に伴い変化する補正フィルタのパラメータを最適な値に更新する処理手法に関するものである点で特許文献1の手法とは異なっている。また、本明細書に係る画像復元機能は、前述したように取得時のスキャン速度が異なる2枚の画像より劣化関数を求めて画像復元を行う点で特許文献1の手法とは異なっている。また、本明細書に係る画像復元機能は、補正フィルタの一括更新やリアルタイム更新といった更新処理に関する点で特許文献1の手法とは異なっている。
(6)形態例に係る荷電粒子線装置には、補正フィルタの管理用テーブルとして、デフォルトテーブルとユーザーテーブルの2種類が用意されている。前述の通り、デフォルト補正フィルタは、デフォルトテーブルで管理されており、ユーザーが作成したユーザー補正フィルタは、ユーザーテーブルで管理されている。
デフォルト補正フィルタは、工場出荷時のデフォルトの補正フィルタと当該フィルタを更新して作成した補正フィルタを指している。工場出荷時のデフォルト補正フィルタは、ユーザーが削除することができない。一方、ユーザー補正フィルタとは、ユーザーが作成したフィルタと当該フィルタを更新した補正フィルタを示している。
高速スキャンが適用される通常の試料観察では、これら2つのフィルタテーブルのどちらを適用するかをユーザーが選択することができる。例えばメイン操作画面GUI801(図8)に表示された適用フィルタテーブル欄806のチェックボタンの選択を通じて切り換えることができる。
この機能の実現のため、更新処理部128は、適用フィルタテーブル欄806のチェックボタンを監視している。更新処理部128は、チェックボタンの切換えを検知すると、選択されたテーブル、検出器、増幅回路、走査速度の組合せに該当する補正フィルタを、フィルタリング部126に即時適用する。
現在適用されているテーブルの種類と補正フィルタの内容は、メイン操作画面GUI801の適用中フィルタ名称表示欄802及び805の表示を通じて容易に確認することができる。
なお、操作者がユーザーテーブルを選択している場合において、ユーザーテーブルに現在のシステム構成に該当するスキャンの組合せ(検出器、増幅回路、走査速度)の補正フィルタが存在しない場合には、デフォルトテーブルからデフォルト補正フィルタが情報処理部129等を通じて自動的に呼出され適用されるようにしても良い。
(7)各テーブルは、下記の手順で一括して設定しても良い。まず、メイン操作画面GUI801のフィルタ設定窓807のうちテーブル設定欄809を操作者がクリックする。すると、テーブル設定GUI1501(図15)が画面上に呼出される。まず、操作者は、テーブル選択欄1502に対するチェック操作により、設定したいテーブルを選択する。この選択は情報処理部129を通じて画像処理部124に与えられる。以下の操作入力についても同様である。
次に、操作者は、組合せパターン欄1503内の検出器、増幅回路、走査速度の各プルダウンを操作し、設定したい組合せを選択する。更新処理部128は、テーブル選択欄1502と組合せパターン欄1503を常に監視している。更新処理部128は、選択された検出器と増幅回路が検出信号の経路になるように増幅器切換え回路122を制御する。また、更新処理部128は、選択された走査速度となるように偏向制御部133を制御する。
この後、更新処理部128は、操作者によって選択されたテーブルから該当する補正フィルタを内部メモリ406又は情報処理部メモリ131から呼出し、フィルタリング部126に設定する。
次に、更新処理部128は、組合せパターン欄1503で設定された走査速度によるスキャン動作を開始させる。この際、更新処理部128は、既存の補正フィルタによるスキャン画像を既存補正画像窓1505に表示すると共に、設定フィルタ名称欄1504に対応する補正フィルタの名称を表示する。
同時に、更新処理部128は、テーブル選択欄1502で選択されたテーブルにおいて過去に作成された又は更新された補正フィルタであって、組合せパターン欄1503で設定された組合せパターンと検出器、増幅回路、走査速度が一致する補正パターンを、内部メモリ406又は情報処理部129のメモリ131から全て読み出し、リスト表示窓1509に一覧表示する。
図15においては、現在設定されているフィルタを濃いハッチングで示している。なお、現在設定されているフィルタの表示色や輝度を、他のフィルタと違う色や輝度で表現しても良い。
また、操作者は、常に、トラックボール、ジョイスティック、パネルその他の情報入力装置134を用いた操作入力、不図示のGUI上のボタン操作等を通じ、通常観察時と同様のスキャン画像の調整が可能である。
次に、操作者は、リスト表示窓1509に一覧表示されている補正フィルタのうちの1つを選択し(例えばチェックボタン1508により選択し)、表示ボタン1510をクリックする。すると、更新処理部128は、情報処理部129に該スキャン画像をキャプチャさせ、既存補正画像窓1505に静止画として表示させる。
次に、更新処理部128は、チェックボタン1508で選択されている補正フィルタをフィルタリング部126に設定し、1フレームスキャンを開始させる。スキャンが停止すると、更新処理部128は、情報処理部129を通じ、新規補正画像窓1507に該スキャンのキャプチャ画像を表示させると共に、設定フィルタ名称欄1506に対応する補正フィルタの名称を表示する。
この結果、テーブル設定GUI1501の画像表示窓1505には、1502、1503の設定内容に該当するテーブルに登録されているフィルタにより補正されたスキャン画像が、画像表示窓1507には、1509にて選択したフィルタにより補正されたスキャン画像が、左右に並んで表示される。操作者は、これら2つの画像を画面上で比較し、補正の効果を判断する。また、この判断結果に基づいて、操作者は、現在のテーブルに設定されている補正フィルタを、リスト表示窓1509にて選択された補正フィルタで置換するか否かを判断する。ここで、置換が必要であると操作者が判断した場合、操作者は置換えボタン1511をクリックする。これにより、新規に選択された補正フィルタでテーブルが置換される。これに対し、別の補正フィルタの機能を確認したいと操作者が判断した場合、操作者はチェックボタン1508で他の補正フィルタを選択し、表示ボタン1510をクリックする。
なお、操作者がキャンセルボタン1512をクリックすると、テーブル選択欄1502の選択段階に戻る。操作者が閉じるボタン1513をクリックすると、本処理を終了し、メイン操作画面GUI801に戻る。
このように、テーブル設定GUI1501を用いることにより、多数存在する補正フィルタの中からフィルタの機能を画面上で確認しながら容易にテーブルを構築することができる。
なお、以上の説明では、スキャン画像の比較に静止画を用いているが、フィルタリング部126を2チャンネル用意しても良い。この場合、一方のフィルタリング部126にテーブル登録されている既存補正フィルタを設定し、他方のフィルタリング部126に新規選択補正フィルタを設定し、その上で、画像処理部124の出力部から、これら2チャンネルの情報を時分割又は転送データ幅の拡張により同時に出力するようにすれば、情報処理部129にスキャン画像をリアルタイム表示させることができる。この場合、動画によるスキャン画像の比較が可能になる。
(8)前述の形態例において、画像処理部124は、基本的にソフトウェア処理を通じて各機能を実現するが、各機能をハードウェアにより実現しても良い。また、画像処理部124の処理機能を、情報処理部129のCPU130のソフトウェア処理を通じて実現しても良い。
(9)前述の形態例においては、基本的にGUI画面上に配置された各種のボタンをクリックすることにより命令を発行する場合について説明したが、コマンドの直接入力を通じて命令を発行しても良い。
(10)前述の形態例においては、本発明を、シュノーケルレンズ型のSEMに適用する場合について説明した。しかしながら、本発明は、アウトレンズ型のSEM、インレンズ型のSEMといった、その他形態型のSEMにも勿論適用することができる。また、本発明は、SEMに限らず、走査透過型電子顕微鏡(STEM: Scanning Transmission Electron Microscopy)にも応用できる。また、本発明は、荷電粒子がイオンであるフォーカスイオンビーム(FIB: Focused Ion Beam)加工装置にも応用できる。
(11)補正フィルタを適用する前のスキャン画像と補正フィルタを適用した後のスキャン画像を並列して表示する画面は、補正フィルタの効果を確認したい場合に何時でも表示できるようにしても良い。
(12)本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成を追加、削除又は置換することも可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、フィルタ等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
101:真空カラム
102:電子銃
103:電子ビーム
104:集束レンズ
105:偏向コイル
106:対物レンズ
107:試料
108:試料台
109:参照試料
110〜112:検出器
113〜121:増幅器
122:増幅器切換え回路
123:ADC
124:画像処理部
125:フレームメモリ
126:フィルタリング部
127:フィルタ生成部
128:更新処理部
129:情報処理部
130:CPU
131:メモリ
132:ステージ制御部
133:偏向制御部
134:情報入力装置
135:情報伝達装置

Claims (10)

  1. 荷電粒子線装置において、
    荷電粒子線を発生する荷電粒子線源と、
    荷電粒子線の照射により試料から発生する二次信号を検出する手段と、
    前記二次信号を電気信号に変換する手段と、
    前記電気信号の信号振幅を増幅する手段と、
    前記荷電粒子線の走査速度を制御する手段と、
    電気信号経路の帯域制限を受ける速度で前記荷電粒子線を走査する場合に取得される第1の電気信号と、電気信号経路の帯域制限を受けない速度で前記荷電粒子線を走査する場合に取得される第2の電気信号との間で劣化関数を算出する手段と、
    前記劣化関数の逆関数を補正フィルタとして算出する手段と、
    前記補正フィルタを前記第1の電気信号に適用して前記第2の電気信号を生成する手段と、
    前記補正フィルタを更新する手段と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電気信号の振幅をグレースケール画像データの濃度値に変換する手段と、
    前記グレースケール画像データに対応する画像を表示画面に表示する手段とを有し、
    前記第2の電気信号を生成する手段は、前記第1の電気信号を変換したグレースケール画像データを画像処理し、前記第2の電気信号に対応するグレースケール画像データを生成する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記補正フィルタを更新する手段は、全ての補正フィルタを一括して更新する機能を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記補正フィルタを更新する手段は、任意に選択された1つ又は複数の補正フィルタを選択的に更新する機能を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記補正フィルタを更新する手段は、試料観察のバックグラウンドにおいて、使用中の補正フィルタを更新する機能を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置において、
    試料観察時に、使用中の補正フィルタを識別する情報を操作者に通知する手段を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記補正フィルタをテーブル管理する手段を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置は、
    情報処理装置を介して外部接続された記憶媒体に補正フィルタを転送及び又は入力する手段を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    操作入力に従い、補正フィルタを適用する前の画像と補正フィルタを適用した後の画像を表示画面上に表示する手段を有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 荷電粒子線装置における検出信号の補正方法において、
    荷電粒子線源から荷電粒子線を発生する処理と、
    荷電粒子線の照射により試料から発生する二次信号を検出する処理と、
    前記二次信号を電気信号に変換する処理と、
    前記電気信号の信号振幅を増幅する処理と、
    前記荷電粒子線の走査速度を制御する処理と、
    電気信号経路の帯域制限を受ける速度で前記荷電粒子線を走査する場合に取得される第1の電気信号と、電気信号経路の帯域制限を受けない速度で前記荷電粒子線を走査する場合に取得される第2の電気信号との間で劣化関数を算出する処理と、
    前記劣化関数の逆関数を補正フィルタとして算出する処理と、
    前記補正フィルタを前記第1の電気信号に適用して前記第2の電気信号を生成する処理と、
    前記補正フィルタを更新する処理と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置における検出信号の補正方法。
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