JP5335305B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、取得した画像に対して処理を実行する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関するものである。
従来のカラーコピー機またはカラーMFPなどの画像処理装置では、カラーコピーを行う際にスキャナ部にてR、G、Bの3チャンネルの画像を取得して、プリンタ部でRGB画像をCMYK画像に変換してプリントする。
カラーコピー機でモノクロコピーを行う場合はスキャナ部にてRGB画像を取得した後、特定のブレンド比率でRGB画像をブレンドしてモノクロ画像を作成し、プリンタ部でモノクロ画像を出力する。ここで特定のブレンド比率とは、RGB値などで表される各色の成分の輝度値の比率であり、人間の視覚特性に合うような比率で設定される。
しかしブレンド比率を固定にしてしまうと、輝度が明るくなりやすい特定の色をモノクロ変換した際の輝度値が、画像が出力される紙の輝度値と近くなることがあり、モノクロコピーを実行した際に薄くなる、あるいは消えてしまうという問題があった。
その問題を解決するため、特許文献1には、カラー画像からモノクロ画像を作成する際にブレンド比率を自由に設定できるものが提案されている。
特許第3401977号明細書
しかしながら上述した従来の技術では、スキャン対象となる原稿中に不可視を前提としたセキュリティドットが含まれていた場合に、そのドットが顕在化してしまうという課題があった。例として、セキュリティドットとして人間の目で見えにくいイエローを用いた場合について述べる。人間の視覚特性に合わせてブレンド比率を設定してイエローの薄い文字が存在する原稿をモノクロコピーすると、イエローの薄い色であった文字はモノクロ画像には再現されないことが多い。そこで、ユーザによるブレンド比率の設定変更などによって得られる、イエローが濃く読まれるようなブレンド比率でモノクロ画像を生成可能にすると、原稿中の薄いイエローの文字を人間が視認できるようにモノクロ画像に再現可能となる。
しかし、イエローで構成されたセキュリティドットを含む原稿を上記イエローを濃くするようなブレンド比率でモノクロコピーしてしまうと、原稿中では目立たなかったセキュリティドットが視認できるようになることがある。この場合、セキュリティドットの意義が低減されてしまう。
このように従来の技術では、RGB画像からモノクロ画像を作成する際にブレンド比率を自由に設定可能にすると、不可視を前提としたセキュリティドットが顕在化してしまうことがある。そのため、モノクロ画像の形成において、原稿中の色の再現性の向上とセキュリティドットの顕在化の低減の両者を両立することが難しいという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。その目的は、カラー画像からモノクロ画像を形成する処理において、原稿中のユーザに指定された色の再現性を向上させつつ、セキュリティドットの顕在化を低減することが可能な画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することである。
このような課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、カラー画像にセキュリティ情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記カラー画像にセキュリティ情報が含まれていると判定され、前記カラー画像をモノクロ変換した画像を記録媒体上に出力する場合、セキュリティ情報再現閾値を用いて各色成分の混合比率を算出し前記混合比率を用いて前記カラー画像をモノクロ画像に変換する手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理方法は、カラー画像にセキュリティ情報が含まれているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記カラー画像にセキュリティ情報が含まれていると判定され、前記カラー画像をモノクロ変換した画像を記録媒体上に出力する場合、セキュリティ情報再現閾値を用いて各色成分の混合比率を算出し前記混合比率を用いて前記カラー画像をモノクロ画像に変換する工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを本発明に係る画像処理装置として機能させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
本発明によれば、カラー画像からモノクロ画像を形成する処理において、原稿中のユーザに指定された色の再現性を向上させつつ、セキュリティドットの顕在化を低減することが可能な画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態ではモノクロスキャン動作時のブレンド比率を指定可能な画像処理装置において、原稿中にセキュリティドットが含まれているか否かを判定し、セキュリティドットがあると判定された場合はブレンド比率の再計算を行う手法について説明する。
図1に、本実施形態に係る画像処理装置の構成の一例として、MFPの構成図を示す。スキャナ部101は、オートドキュメントフィーダーを含むスキャナであり、カラー画像の取得手段として機能する。スキャナ部101は、束状のあるいは一枚の原稿画像を図示しない光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCDセンサ等の固体撮像素子上に結像し、固体撮像素子からラスター状の画像読み取り信号をイメージ情報として得る。例えば、カラーMFPでは、固体撮像素子に3種類のカラーフィルタを取り付けることでRGBのカラー画像を得る。
プリンタ部103は、画像を出力するプリンタである。MFPのコピー機能を実行した際に、スキャナ部101で得られた画像信号をデータ処理装置105で記録信号へ変換する画像処理をし、変換された信号をプリンタ部103に順次出力して紙上に画像を形成する。プリンタ部103は通常、C、M、Y、Kの色材を用いて紙上に画像データを出力する出力手段として構成され、データ処理装置で処理されたデータから画像を形成して出力する。
ユーザからのMFPに対するコピー等の指示は、MFPに装備されたキー操作部等を含んで構成された入力装置106を介して行われる。MFPの一連の動作は、入力装置106を介して行われたユーザからの指示に応じて、データ処理装置105に備える図示しない制御部で制御される。
一方、操作入力の状態表示及び処理中の画像の表示は、表示装置104で行われる。また、記憶装置102は、スキャナ部101で取り込んだ画像等のデータ保存が可能な領域である。記憶装置102にはさらに、データ処理装置105の処理に用いられるデータ、データ処理装置105による処理結果のデータ、各種制御プログラムなど、各種データが記憶される。
ネットワークI/F107は、ネットワークと接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F107を用いることで、PC(Personal Computer)等の外部装置から画像を受け取り、データ処理装置105で処理を行ってプリンタ部103にてプリントを行うことが可能となる。また、スキャナ部101で読み取り、データ処理装置105で処理を行ったデータをネットワークI/F107を介して送信し、PCや他のMFP等に送ることも可能である。
図14は、従来のカラーMFPなどの画像処理装置でモノクロ画像を作成する際の処理の流れを示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図14に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、S1401にてスキャナ部101を用いて原稿をスキャンし、RGB画像1402を得る。すなわち、制御部は、スキャナ部101に対して、原稿スキャンのコマンドを送信して、スキャナ部101に原稿の読み取りを行わせ、RGB画像1402を取得させる。
次にS1403にて、固定されたブレンド比率1404を取得して設定する。そしてS1405にてRGB画像1402に対してモノクロ変換を行い、モノクロ画像1406を作成する。
ここで、ブレンド比率1404は記憶装置102にて保持されており、ステップS1403〜S1405の処理はデータ処理装置105にて行われる。
以上のようにしてモノクロ画像を作成した後、コピー動作の場合は輝度濃度変換及び画像形成処理を行ってからプリンタ部103に出力し、送信処理の場合はネットワークI/F107を用いてモノクロ画像を送信する。
次に、本発明における実施の形態について説明する。図2は本発明に係る画像処理装置の第1の実施形態おける処理の流れを示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図2に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、ステップS201にてブレンド比率の指定を行う。この処理は、表示装置104及び入力装置106からの命令をデータ処理装置105が受信した際に開始され、指定されたブレンド比率202は記憶装置102に保持される。ブレンド比率の指定方法は、直接比率を指定させる方法や、色などの情報を指定する方法など、どのような方法でもよい。次にスキャナ部101を用いてステップS203にて原稿をスキャンし、RGB画像204を得る。すなわち、制御部は、スキャナ101に原稿を読み取らせて、RGB画像204を取得する。
以下の処理は全てデータ処理装置105で行われ、作成されたデータは記憶装置102に保持される。
S205にてRGB画像204を色成分ごとの平面に分割し、R画像206、G画像207、B画像208を得る。そしてステップS209にてR画像206、ステップS210にてG画像207、ステップS211にてB画像208に対してそれぞれ孤立点判定を行う。孤立点判定処理は、画像データ中に孤立点があるか否かを判定し、孤立点が発見された場合、その孤立点の座標情報と信号情報を取得して、その情報を記憶装置102に保存する処理である。
孤立点判定の詳細について図3、図4を用いて説明する。図3は孤立点判定の処理の流れについて示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図3に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、ステップS301にてパターンテンプレート302からパターンの呼び出しを行う。パターンテンプレート302の例を図4に示す。図4の符号401、402は孤立点のパターンを示している。符号401は6×6の空間中に2×2の孤立点があるか、402は6×7の空間上に2×3の孤立点があるかを調べるためのテンプレートの例である。セキュリティドットは小ドットでありその大きさの上限は制限されるため、テンプレートの数は有限である。
次にステップS303にて輝度閾値304を呼び出す。そしてステップS305にて呼び出した輝度閾値304を用いて画像データを2値化する。ここで2値化する画像データはステップS209の場合はR画像206である。ステップS210の場合はG画像207となり、ステップS211の場合はB画像208となる。
次に、ステップS305にて2値化した画像データを走査して(ステップS306)、上記2値化した画像データ中にステップS301にて呼び出されたパターンテンプレートと合うものがあるか否かを判定する(ステップS307)。
そしてステップS307にて一致したパターンテンプレートが見つからない場合は全ての画像データを走査したか判定し(ステップS310)、走査していない場合はステップS306に戻って処理を繰り返す。ステップS307にて一致したパターンテンプレートが見つかった場合はステップS308にてパターンテンプレートが一致した位置を孤立点の座標情報として記録する。同時に、その座標上にある信号値も記録する。これらの記録した内容は座標情報及び信号値情報309として記憶装置102に保存する。
このようにして記録した後、ステップS310にて判定を行い全ての画像データを走査している場合は処理を終了する。全ての画像データを走査していない場合はステップS306にて再び画像データの走査を繰り返す。このように画像データ全体に対して処理を行うため、座標情報及び信号値情報309は複数種類存在することが多い。
以上のように、図3を参照して説明した処理により、ステップS209、S210、又はS211にて、分割された各画像データに対して孤立点判定処理を行う。
その後、孤立点判定処理にて取得された孤立点の座標情報と信号情報に対して、ステップS212にてシアンセキュリティドット判定、ステップS213にてマゼンタセキュリティドット判定、ステップS214にてイエローセキュリティドット判定を行う。
セキュリティドット判定は、孤立点判定処理にて発見された孤立点からセキュリティドットを検出し、検出されたセキュリティドットがシアン、マゼンタ、又はイエローのうちいずれの色のセキュリティドットであるか否かの判断を行う処理である。セキュリティドット判定の処理は、セキュリティドット判定手段として機能する。セキュリティドット判定の結果は、セキュリティドット判定結果215として保持する。セキュリティドット判定結果215としては、例えば、検出されたセキュリティドットの座標情報、信号情報(例えば、輝度の情報)、色(シアン、マゼンタ、又はイエロー)情報等が考えられる。
セキュリティドット判定方法について図5を用いて説明する。図5はシアンに関するセキュリティドット判定処理の流れについて示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図5に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、R平面(R画像206)の孤立点に関する情報(502)を抽出する(ステップS501)。R平面の孤立点に関する情報(502)は、ステップS209の孤立点判定で記憶装置102に保存された座標情報及び信号値情報309から抽出される。そして、抽出された孤立点が特定の数以上あるかを判定する(ステップS503)。この「特定の数」は、画像データにセキュリティドットが含まれているか否かを判定するための孤立点の数の閾値である。
抽出された孤立点が特定の数以上ある場合は、ステップS504にて座標情報及び信号値情報(G平面)505、座標情報及び信号値情報(B平面)506からG平面・B平面の孤立点に関する情報を抽出する。ステップS503にて特定の数以上孤立点が無い場合は、ステップS510にてセキュリティドットが無いと判定して処理が終了する。「特定の数」は、スキャンしたサイズによって数を変えるなど、どのようにして決めてもよい。例として、スキャンサイズが大きい場合は「特定の数」を増やし、スキャンサイズが小さい場合は「特定の数」を減らすことが挙げられる。
そしてステップS507にて、ステップS504で抽出されたG平面・B平面の孤立点の座標値と、ステップS501で抽出されたR平面の孤立点の座標値とを比較して一致した座標が一定数以上あるかを判定する。この「一定数」は、分割された画像データに含まれる孤立点がシアンのセキュリティドットであるか否かを判定するための閾値であり、一致した孤立点の座標の数で表される。一致した座標が一定数以上ない場合は、孤立点はシアンのセキュリティドットであるといえるため、ステップS509にて画像データにセキュリティドットがあると判定して処理を終了する。
ステップS507にて一致した座標が一定数以上ある場合は、座標が一致した孤立点のG平面、B平面の信号値が、R平面の信号値と同等以下であるか否かを判定する(ステップS508)。
すなわち、まず、ステップS501にて孤立点の座標情報及び信号値情報(R平面)502が取得され、該取得されたR平面の孤立点の座標情報に対応する座標情報を持つG平面及びB平面の孤立点の信号値情報がステップS504にて取得される。そして、取得されたR平面の信号値が、取得されたG平面及びB平面の信号値と同等であるか否かの判定が行われる。
ここで、「同等」とは信号値(例えば、信号値で表された輝度値)が同じ(または同程度)であることを意味する。同等以下である場合は、シアン以外の色の孤立点であると判断してステップS510にてセキュリティドットが無いと判定する。G平面、B平面の信号値がR平面の信号値よりも大きい場合は、シアンの色の画像の一部であると判断して、ステップS510にてセキュリティドットが無いと判定する。ここでは信号値が小さいほど暗く、信号値が大きいほど明るいとしているため「R平面と同等以下」としているが、信号値と明るさの関係が逆である場合は「R平面と同等以上」となる。
ここではシアンのセキュリティドット判定について説明したが、マゼンタのセキュリティドット判定の際はR平面がG平面に置き換わり、G平面がR平面に置き換わる。例えば、ステップS501で抽出する平面の情報はG平面のものとなり、ステップS504で抽出する平面の情報はR平面・B平面のものとなる。イエローのセキュリティドット判定の際はR平面がB平面に置き換わり、B平面がR平面に置き換わる。
以上のようにしてステップS212、ステップS213、ステップS214にて、分割された各画像データに対してセキュリティドット判定を行った後、セキュリティドットが含まれているか否かを判定する(ステップS216)。セキュリティドットが無い場合は、ステップS201にて指定されたブレンド比率202を設定する(ステップS218)。そしてステップS219にて、当該設定されたブレンド比率202でRGB画像204をモノクロ画像220に変換する。セキュリティドットがある場合は、指定されたブレンド比率202及びセキュリティドット判定結果215を用いてブレンド比率の再計算及び設定を行う(ステップS217)。そしてそのブレンド比率を用いてRGB画像204をモノクロ画像220に変換し(ステップS219)、この処理を終了する。
ブレンド比率の再計算について図6を用いて説明する。図6はブレンド比率を再計算する際の処理の流れを示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図6に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、ステップS601にてセキュリティドット再現閾値602を取得する。ここでセキュリティドット再現閾値とは、プリンタ部103が出力したモノクロ画像の印刷物においてセキュリティドットが再現されなくなる閾値のことであり、一定の明るさの輝度値で表される。ここでは信号値が小さいほど暗く、信号値が大きいほど明るいとしている。セキュリティドット再現閾値は、予め設定され、記憶装置102などの記憶手段に記憶されている。また、セキュリティドット再現閾値は、ユーザの所望に応じた値に設定することもできる。例えば、セキュリティドット再現閾値は、セキュリティドットが可視されにくい程度に再現される(セキュリティドットが再現されにくい)輝度値に設定されてもよい。
次にステップS603にてセキュリティドット判定結果215を取得する。そしてステップS604にて、セキュリティドット代表信号値を取得する。セキュリティドット代表信号値とは、カラー画像に含まれるセキュリティドットの代表的な色を示す信号値である。セキュリティドット代表信号値は、後述するようにブレンド比率を計算するために使用される。本実施形態におけるセキュリティドット代表信号値としては、シアンを表す符号605、マゼンタを表す符号606、イエローを表す符号607がある。セキュリティドット代表信号値は、事前にシアン、マゼンタ、イエローの単色の原稿をスキャナで読み取ることによって得られた信号値であり、記憶装置102などの記憶手段に記憶されている。色材などによってシアン、マゼンタ、イエローの色味が異なるので、複数種類の原稿を用意してスキャナで読み取り、複数の代表信号値を保存している。もちろん、得られた信号値を平均化することで1つの代表信号値を保存してもよい。
次に、指定されたブレンド比率202を取得し(ステップS608)、セキュリティドット代表信号値を指定されたブレンド比率202でモノクロ変換する(ステップS609)。その際にセキュリティドット判定結果215を用いてモノクロ変換する代表信号値の種類を選ぶ。すなわち、セキュリティドット判定結果215を参照して、ステップS604にて取得された各色のセキュリティドット代表信号値からセキュリティドットの色に応じたセキュリティドット代表信号値を抽出してモノクロ変換する。例えばセキュリティドット判定結果215がシアンであればセキュリティドット代表信号値(シアン)605をモノクロ変換する。セキュリティドット判定結果215がマゼンタであればセキュリティドット代表信号値(マゼンタ)606をモノクロ変換する。セキュリティドット判定結果215がイエローであればセキュリティドット代表信号値(イエロー)607をモノクロ変換する。もちろん、セキュリティドット判定結果215にて複数種類のセキュリティドットが判定されている場合は複数の代表信号値をモノクロ変換する。例えばセキュリティドット判定結果215にてシアンとマゼンタの両方が判定された場合はセキュリティドット代表信号値(シアン)605及びセキュリティドット代表信号値(マゼンタ)606をモノクロ変換する。全てのセキュリティドットが判定された場合は全ての代表信号値をモノクロ変換する。
そして、ステップ609にて取得されたモノクロ変換値(モノクロ変換された後の信号値)がセキュリティドット再現閾値602以上であるかを判定する(ステップS610)。セキュリティドット再現閾値602以上である場合は、セキュリティドットのモノクロ変換値は再現されない明るさを持つと判断して、この処理を終了する。
セキュリティドット再現閾値602よりも小さい値である場合は、セキュリティドット判定結果215に応じてブレンド比率を変更する(ステップS611)。すなわち、セキュリティドット判定結果215に含まれるセキュリティドットの色の種類に応じて、代表信号値のモノクロ変換値がセキュリティドット再現閾値602以上になるようにブレンド比率を変更する。例えばセキュリティドット判定結果215がシアンの場合はRのブレンド比率を減らす、あるいはG、Bのブレンド比率を増やす方法が挙げられる。セキュリティドット判定結果215がマゼンタの場合はGのブレンド比率を減らす、あるいはR、Bのブレンド比率を増やす方法が挙げられる。セキュリティドット判定結果215がイエローの場合はBのブレンド比率を減らす、あるいはR、Gのブレンド比率を増やす方法が挙げられる。以上のようにしてブレンド比率を変更した後、再びステップS609にて代表値を新しいブレンド比率でモノクロ変換して処理を繰り返す。
なお、本実施形態ではシアンとマゼンタとイエローのセキュリティドットを判定したが、その他の色のセキュリティドットであってもよい。また、孤立点判定やセキュリティドット判定、ブレンド比率の再計算などの手法は本実施形態の手法に限らず、どのような手法であってもよい。
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置は、図2から図6に示したような処理を行う。この処理によれば、まず、カラー画像の取得手段であるスキャナ部101によって取得(S203)されたカラー画像204が色成分ごとの平面に分割され(S205)、当該分割された画像にセキュリティドットが含まれているか否かが判定される(S216)。次いで、セキュリティドットが含まれていると判定された場合、セキュリティドット判定結果215及びセキュリティドット再現閾値602を用いてブレンド比率が計算される(S217、S601乃至S611)。即ち、セキュリティドット判定結果215のセキュリティドットの色の種類の情報及びセキュリティドット再現閾値602の情報を用いて、カラー画像をモノクロ変換した画像にセキュリティドットが再現されなにくいRGB画像204のブレンド比率が計算される。次いで、当該計算されたブレンド比率でRGB画像204がモノクロ画像220に変換される(S219)。
また、セキュリティドットが含まれていないと判定された場合は、指定されたブレンド比率202(第2のブレンド比率)で、RGB画像204をモノクロ画像220にモノクロ変換する。
従って、本実施形態によれば、カラー原稿をスキャンしてモノクロ画像を形成する際に、カラースキャナが搭載された画像処理装置を用いることで、ユーザの指定した原稿中の色の再現性を向上させることが可能となる。その際に原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、カラー原稿に含まれるセキュリティドットの色をモノクロ画像上に再現しにくくするようにブレンド比率を動的に変更することでドットの顕在化を低減することが可能となる。
(実施形態2)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザにブレンド比率を指定させるのではなく、原稿からスキャンされた画像データに基づいてブレンド比率を決定する。第1の実施形態では、セキュリティドット判定によりセキュリティドットがあると判定された場合は、ユーザにより入力装置106等を介して指定させたブレンド比率を用いてブレンド比率を再計算した。以下に第2の実施形態として、原稿からスキャンされた画像データに基づいて決定したブレンド比率に対して同様の処理を適用した場合の方法について説明する。
図7は、本実施形態における処理の流れを示した図である。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図7に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
まず、第1の実施形態と同様に、まず、スキャナ部101により原稿がスキャンされ、RGB画像702を得る(ステップS701)。すなわち、制御部は、スキャナ部101に対して、原稿スキャンのコマンドを送信して、スキャナ部101に原稿の読み取りを行わせ、RGB画像702を取得させる。
以降の処理はデータ処理部105で行われる。得られたRGB画像をR平面、G平面、B平面といった平面ごとに分割する(ステップS703)。そして、平面ごとにヒストグラムを算出する(ステップS704)。ステップS703及びS704の処理によって算出されたヒストグラムにより、画像中にR成分・G成分・B成分のうち、どの成分が多く含まれているかを判別することができる。そして、各成分のうち、画像中に多く含まれている成分を優先して(すなわち、高い比率にして)ブレンド比率を計算する(ステップS705)。すなわち、ステップS703及びS704の処理によって算出されたヒストグラムを用いてブレンド比率を計算することで、スキャナ部101により読み取られたRGB画像702のRGB成分に応じたブレンド比率が計算される。計算されたブレンド比率706は記憶装置102に保持される。
そして、画像データに対してセキュリティドット判定処理を行い、セキュリティドット判定結果708を出力する(ステップS707)。ステップS707のセキュリティドット判定処理は、第1の実施形態における図2のステップS205からステップS214の処理と同様である。
そして、画像中にセキュリティドットが含まれているかを判定する(ステップS709)。画像中にセキュリティドットが無いと判定された場合(ステップS709;No)、ステップS705で計算されたブレンド比率706を後述するモノクロ変換に用いるブレンド比率として設定する(ステップS712)。セキュリティドットがあると判定された場合(ステップS709;Yes)、ブレンド比率の再計算及び設定を行う(ステップS711)。ステップS711の処理は、図2のステップS217と同様である。そしてステップS711の後、ステップ712で設定されたブレンド比率でRGB画像をモノクロ変換し、モノクロ画像714を生成する(ステップS713)。
本実施形態では、ヒストグラムを用いてRGB画像解析し、その解析結果を用いてブレンド比率の計算を行ったが、他のどのような解析手段を用いてもよい。
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置は、図7に示したような処理を行う。この処理によれば、原稿からスキャンされた画像(702)に対して解析を行い(S703、S704)、その解析結果に応じてブレンド比率が計算される(S705)。
従って、本実施形態によれば、カラー原稿をスキャンしてモノクロ画像を形成する際に、カラースキャナが搭載された画像処理装置を用いることで、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。その際に、原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、上記の方法による解析結果に応じてブレンド比率を動的に変更することでドットの顕在化を低減することが可能となる。さらに、画像データに応じて初期のブレンド比率を決定することで、ユーザに入力装置等を介してブレンド比率あるいはそれに関連した情報を入力させることなく、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。
(実施形態3)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、決定したブレンド比率がデバイス(画像処理装置)のブレンド精度で実現可能かを判定し、実現不可能な場合はブレンド比率を再計算する。ブレンド精度とは、画像処理装置が実現可能なブレンド比率の精度に関する情報である。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、セキュリティドット判定を行いセキュリティドットがあると判定した場合は、予め決定したブレンド比率を用いてブレンド比率を再計算した。本実施形態では、決定されたブレンド比率がその画像処理装置のブレンド精度で実現可能か否か判定し、実現不可能な場合は、実現可能なブレンド比率の中で、当該決定されたブレンド比率に最も近いブレンド比率を算出する。
本実施形態について説明する前に、ブレンド精度について説明する。図8の表801はブレンド精度及びその精度で実現できるブレンド比率の例を示したものである。ブレンド精度が3bitの場合は10進数で表すとその精度は8、4bitの場合は16、5bitの場合は32となる。R、G、Bにブレンド比率を振り分ける場合は、合計がbit数に合うように振り分けを行う。つまり、3bitの場合はR、G、Bのブレンド比率の合計が8になるように、4bitの場合はR、G、Bのブレンド比率の合計が16になるように、5bitの場合はR、G、Bのブレンド比率の合計が32になるように振り分ける。
表801に示すように、ブレンド精度のbit数が増えれば増えるほど、設定できるブレンド比率の組み合わせが多くなる。例えば15:10:7のような比率は5bitでは実現可能だが、3bitでは実現不可能である。従って、前述したような方法でブレンド比率を決定しても、画像処理装置のブレンド精度によっては実現不可能な比率である可能性がある。
次に、図9に、本実施形態における処理の流れを示す。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図9に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
ステップS905のセキュリティドット判定は、第1の実施形態における図2のステップS205からステップS214の処理と同様である。そのため、ステップS901のブレンド比率の指定からステップS909の指定されたブレンド比率を設定するまでの処理の流れは図2のステップS201〜ステップS218までの処理の流れと同様となる。ステップS910以降の処理はデータ処理装置105で行われる。
上記のステップ(S908又はS909)でブレンド比率を決定した後、ステップS910にてデバイスのブレンド精度を取得する。デバイスのブレンド精度に関する情報は、記憶装置102などの記憶手段に記憶されている。この際に取得するブレンド精度情報は、図8の表801に示すようなブレンド精度など、どのような形式であってもよい。
次に、ステップS911にて、決定したブレンド比率がデバイスで実現可能であるか否かを取得したブレンド精度に基づいて判定する。デバイスで実現可能なブレンド比率である場合(S911;Yes)、RGB画像をモノクロ変換し、モノクロ画像914を作成する(ステップS913)。デバイスで実現不可能なブレンド比率である場合(S911;No)、デバイスが実現可能なブレンド比率の中で、決定されたブレンド比率に最も値が近いブレンド比率を算出する(ステップS912)。そして、ステップS912で算出されたブレンド比率でRGB画像をモノクロ変換し、モノクロ画像914を作成する(ステップS913)。
本実施形態では、デバイスのブレンド精度の取得、及び設定されたブレンド比率が実現可能か否かの判定をブレンド比率の設定後に行った。だが、ステップS901におけるブレンド比率の指定や、ステップS908のブレンド比率の再計算をする時に同時に行ってもよい。また、第2の実施形態のように原稿からスキャンされた画像データに基づいてブレンド比率を決定する処理に対して、本実施形態によるブレンド比率の算出方法を適用してもよい。
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置は、図9に示したような処理を行う。この処理によれば、設定(S908又はS909)されたブレンド比率がデバイスで実現可能であるか否かを取得したブレンド精度に基づいて判定する(S911)。そして、実現不可能なブレンド比率である場合(S911;No)、デバイスが実現可能なブレンド比率の中で、決定されたブレンド比率に最も値が近いブレンド比率を算出する(ステップS912)。
決定されたブレンド比率に最も値が近いブレンド比率の算出方法の例を示す。デバイスが実現可能なブレンド比率の合計値と、決定されたブレンド比率との合計値の間で最小公倍数を求め、それぞれのブレンド比率を正規化する。そして、デバイスが実現可能な全てのブレンド比率に対して決定されたブレンド比率との差分を求め、差の絶対値の合計が最も小さいブレンド比率を最も値が近いブレンド比率として算出する。
例えばデバイスが実現可能なブレンド比率が3bitで、決定されたブレンド比率が(R:G:B)=(1:10:1)だとする。デバイスが実現可能なブレンド比率の合計値は3bitのため8となり、決定されたブレンド比率の合計値は12となる。その場合は最小公倍数が24となるため、正規化すると決定されたブレンド比率は(2:20:2)となる。一方、3bitの範囲で計算できる全てのブレンド比率を求め、合計値が24になるように正規化する。
以上のようにして正規化を行った後、決定されたブレンド比率とデバイスが実現可能な全てのブレンド比率の間で差の絶対値の合計を求め、最も小さいブレンド比率を算出する。今回の3bitの例では(1:6:1)が最も差の絶対値の合計が少ないブレンド比率となり、最も値が近いブレンド比率として算出される。
従って、本実施形態によれば、カラー原稿をスキャンしてモノクロ画像を形成する際に、カラースキャナが搭載された画像処理装置を用いることで、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。その際に、原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、ブレンド比率を動的に変更することでドットの顕在化を低減することが可能となる。さらに、デバイスのブレンド精度を確認し、実現不可能なブレンド比率が設定された時は、そのデバイスで実現可能なブレンド比率の中で設定したいブレンド比率に最も近いブレンド比率を算出して、当該算出されたブレンド比率でモノクロ画像を形成する。そのため、実現不可能なブレンド比率が設定されても、適切なブレンド比率でモノクロ画像を形成することが可能となる。
(実施形態4)
次に、セキュリティドット判定結果を用いて画素ごとにブレンド比率を切り替える実施形態について説明する。第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態では、セキュリティドット判定によりセキュリティドットがあると判定された場合、予め決定したブレンド比率を用いてブレンド比率を再計算し、画像全体にそのブレンド比率を適用して画像を形成した。本実施形態では、セキュリティドットがあると判定された場合、セキュリティドット判定結果を用いて画素ごとにブレンド比率を切り替える処理を適用した場合の実施形態について説明する。
図10に、本実施形態における処理の流れを示す。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図10に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
ステップS1005のセキュリティドット判定は、第1の実施形態の図2のステップS205からステップS214の処理と同様である。そのため、ステップS1001のブレンド比率の指定からステップS1009の指定されたブレンド比率を設定するまでの処理の流れは、第1の実施形態のステップS201からステップS218までの処理の流れと同様となる。
ただし、セキュリティドット判定結果1006では、各色のセキュリティドットの有無に関する情報(セキュリティドット有無情報)だけでなく、セキュリティドットの座標位置情報も保存する。また、ステップS1008のブレンド比率の再計算では、複数種類のブレンド比率を計算することが可能である。例えば、シアンセキュリティドット用、マゼンタセキュリティドット用、又はイエローセキュリティドット用などを区別してブレンド比率を計算することが可能である。もちろん、先の実施形態のように1種類のブレンド比率を計算してもよい。ステップS1010以降の処理はデータ処理装置105で行われる。
ステップS1007にてセキュリティドットがないと判定された場合は、ステップS1009にて指定されたブレンド比率1002を設定してステップS1010にてRGB画像1004をモノクロ変換し、モノクロ画像1017を作成する。
先の実施形態では、セキュリティドットが判定されてブレンド比率を再計算した後に画像データ全体に対して特定のブレンド比率を適用してモノクロ変換を行った。それに対して本実施形態では、ステップS1008にてブレンド比率の再計算を行った後、ステップS1011にてRGB画像1004から画素の抽出を行う。
そして、セキュリティドット判定結果1006に含まれる各色のセキュリティドットの有無情報及びセキュリティドットの座標位置情報を用いて、S1011にて抽出された画素がセキュリティドットであるか否かを画素毎に判定する(ステップS1012)。セキュリティドットである場合(ステップS1012;Yes)、ステップS1011にて抽出された画素に対してステップS1008にて再計算したブレンド比率を設定する(ステップS1013)。そして、その設定されたブレンド比率でRGB画素をモノクロ変換する(ステップS1015)。ここで、再計算したブレンド比率がセキュリティドットの種類に応じて複数ある場合は、セキュリティドット判定結果1006を用いて設定すべきブレンド比率を選択する。例えば、シアンセキュリティドットである場合は、シアン用に再計算したブレンド比率を選択する。
また、セキュリティドットではないと判定された場合(ステップS1012;No)、ステップS1011にて抽出された画素に対して指定されたブレンド比率1002を設定する(ステップS1014)。そして、当該設定されたブレンド比率でRGB画素をモノクロ変換する(ステップS1015)。
以上のようにして処理を行った後、ステップS1016にて全ての画素に対して処理を行ったかを判定し、処理を行っていない場合はステップS1011にて画素を抽出して、以降のステップの処理を繰り返す。全ての画素に対して処理が行われた後、モノクロ画像1017が作成される。
本実施形態では、ステップS1005のセキュリティドット判定をRGB画像1004全体に対して行ったが、画素ごとにセキュリティドット判定を行い、その結果に応じてブレンド比率を再計算してもよい。また、第2の実施形態のようにRGB画像1004からブレンド比率を計算する手法や、第3の実施形態のようにデバイスのブレンド精度を取得して実現可能かを判定する手法を適用してもよい。
以上のように、本実施形態による処理によれば、セキュリティドット判定結果1006に基づいて、RGB画像を構成する画素毎にその画素がセキュリティドットであるか否かを判定(S1012)する。そして、セキュリティドットであると判定された画素に対して、再計算されたブレンド比率でモノクロ変換し、上記画素がセキュリティドットではないと判定される場合は、指定されたブレンド比率でモノクロ変換する(S1015)。
従って、本実施形態によれば、カラー原稿をスキャンしてモノクロ画像を形成する際に、カラースキャナが搭載された画像処理装置を用いることで、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。その際に原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、ブレンド比率を動的に変更することでドットが顕在化することを低減できる。さらに、セキュリティドット判定結果を用いて画素ごとにブレンド比率の切り替えを行うことで、セキュリティドット以外の箇所に対してはユーザが指定したブレンド比率を設定可能となる。そのため、セキュリティドットの顕在化を低減しつつ、ユーザ指定のブレンド比率を画像データのセキュリティドット以外の箇所で適用することが可能となる。また画素ごとにブレンド比率を設定することで、セキュリティドットの種類に応じて再計算したブレンド比率を複数種類用意してモノクロ変換時にブレンド比率を切り替えることが可能となる。
(実施形態5)
次に、リモートコピーにおいてセキュリティドット判定を適用した実施形態について説明する。
第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態では、セキュリティドット判定、ブレンド比率の再計算、モノクロ変換までを1台のMFPなどの画像処理装置で行った。本実施形態では、画像処理装置を複数有し、リモートコピーが行える画像処理システム環境において、2台の画像処理装置がモノクロ変換部をそれぞれ持つ場合の実施形態について説明する。
図11に、本実施形態におけるシステムの構成を示す。MFP_A1101は、図1に示す構成と同様の構成を持つMFPである。データ処理装置105は、先の実施形態で説明したセキュリティドット判定部1102やモノクロ変換部A1103を備える。モノクロ変換部A1103の性能は、図8の表801で示すようなブレンド精度に依存する。
LAN(Local Area Network)1104は、第1の画像処理装置としてのMFP_A1101と第2の画像処理装置としてのMFP_B1105を結ぶインタフェースである。MFP_A1101とMFP_B1105との間で、カラー画像やコマンドなどの各種データの送受信が、各MFPに備えるネットワークI/F107(図1参照)及びLAN1104を介して行われる。すなわち、MFP_A1101又はMFP_B1105にとって、ネットワークI/F107及びLAN1104は、カラー画像を取得する手段として機能する。
MFP_B1105は、モノクロ変換部B1106を備える。モノクロ変換部A1103とモノクロ変換部B1106とは、ブレンド精度が異なる。リモートコピーが可能な環境では、例えば、MFP_A1101のスキャナ部101にて取り込んだ画像に対してセキュリティドット判定を行い、LAN1104を用いてデータを送信してMFP_B1105のプリンタ部103で出力することが可能となる。
本実施形態では、スキャナ部101にて画像データを取り込んで送信するMFP_Aを送信側、送られた画像データを受け取ってプリントするMFP_Bを受信側と定義する。本実施形態のMFPは、送信部と受信部にモノクロ変換機能を持ち、状況に応じてモノクロ変換するMFPを選ぶことが可能となる。
次に、本実施形態の流れについて説明する。図12は本実施形態における処理の流れを示した図である。処理の制御は、MFP_A1101およびMFP_B1105のデータ処理装置105に備える各制御部が、各記憶装置102に格納された図12に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
ステップS1205のセキュリティドット判定は、第1の実施形態のステップS205からステップS214の処理と同様である。そのため、ステップS1201のブレンド比率の指定からステップS1209の指定されたブレンド比率を設定するまでの処理の流れは第1の実施形態のステップS201〜ステップS218までの処理の流れと同様となる。すなわち、ステップS1201〜S1209までの処理は、MFP_A1101のデータ処理装置105が行う。ステップS1210以降の処理において、ステップS1216以外の処理はMFP_A1101のデータ処理装置105で行われ、ステップS1216の処理はMFP_B1105のデータ処理装置105で行われる。
ステップS1208にてブレンド比率の再計算及び設定を行った後、又はステップS1209にて指定されたブレンド比率を設定した後に、ステップS1210にて送信側と受信側のブレンド精度の取得及び比較を行う。例えば、図8の表801に示すようなブレンド精度を取得し、送信側と受信側でbit数を比較する。
なお、受信側(MFP_B1105)のブレンド精度を取得する際に、MFP_A1101の制御部は、MFP_B1105に対してコマンドを送信してMFP_B1105に該MFP_B1105のブレンド精度をMFP_A1101に送信させる。上記コマンドを受信したMFP_B1105がMFP_B1105の記憶装置102に保持されたブレンド精度をMFP_A1101に対して送信することで、MFP_A1101はMFP_B1105のブレンド精度を取得する。
そしてステップS1211にて送信側のブレンド精度が低いかを判定する。送信側のブレンド精度が低くはない場合は、ステップS1212にて送信側でRGB画像をモノクロ変換し、モノクロ画像1214を作成する。以上のステップS1201の処理からステップS1212までの処理は送信側で行われる処理1215である。
ステップS1211にて送信側のブレンド精度が低いと判定された場合は、ステップS1213にて受信側にRGB画像1204を送った後、受信側でモノクロ変換を行い、モノクロ画像1214を作成する。このステップS1213の処理は受信側で行われる処理1216である。
本実施形態では第1の実施形態と同様にユーザにブレンド比率を指定させたが、第2の実施形態のように原稿からスキャンされた画像データに基づいてブレンド比率を計算してもよい。また、第4の実施形態のように画素ごとにブレンド比率を切り替えてもよい。また、本実施形態では送信側と受信側の両方にモノクロ変換部を持つ例を示したが、送信側と受信側のいずれか1つでモノクロ変換部を持つ場合に適用してもよい。その場合はステップS1211にて、モノクロ変換部を持たない方を精度が低いと判定する。
以上のように、本実施形態によれば、カラースキャナが搭載された画像処理装置においてカラー原稿に対してモノクロコピー等のスキャン動作をする際に、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。その際に原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、ブレンド比率を動的に変更することでドットが顕在化することを低減できる。さらにリモートコピーが可能な環境において送信側と受信側でモノクロ変換部を持つ場合、両者のブレンド精度を比較して精度の高い方で処理を行うことで、指定または再計算したブレンド比率をより正確に再現することが可能となる。
(実施形態6)
次に、第6の実施形態について説明する。本実施形態では、リモートコピーにおいてセキュリティドット判定を適用する際に、送信側で処理を行うことを優先する。
第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態では、セキュリティドット判定、ブレンド比率の再計算、モノクロ変換までを1台のMFPで行った。また、第5の実施形態では、リモートコピー可能な環境において送信側と受信側のブレンド精度を比較して精度の高い方で処理を行った。しかし、実際にリモートコピーを行う時はデータのサイズ量によって処理のパフォーマンスが変化する。RGB画像を送信してリモートコピーをするよりも、サイズの小さいモノクロ画像を送信してリモートコピーをした方がパフォーマンスは向上する。本実施形態ではリモートコピーが可能な環境にてモノクロ変換を行う際にできるだけ送信側で処理を行うことを優先する場合の実施形態について説明する。
図13に、本実施形態における処理の流れを示す。処理の制御は、データ処理装置105に備える制御部が記憶装置102に格納された図13に示す処理を行うプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。
ステップS1305のセキュリティドット判定は、第1の実施形態のステップS205からステップS214の処理と同様である。そのため、ステップS1301のブレンド比率の指定からステップS1309の指定されたブレンド比率を設定するまでの処理の流れは、第1の実施形態のステップS201〜ステップS218までの処理の流れと同様となる。ステップS1310以降の処理のステップは、データ処理装置105で行われる。
ステップS1308にてブレンド比率の再計算及び設定を行った後、又はステップS1309にて指定されたブレンド比率を設定した後、ステップS1310にて送信側と受信側のブレンド精度を取得する。先の実施形態ではブレンド精度の比較を行ったが、本実施形態では行わない。
そしてステップS1311にて送信側のブレンド精度をチェックし、ステップS1312にて設定されたブレンド比率が実現可能であるか否かを判定する。実現可能なブレンド比率である場合はステップS1316にて送信側でRGB画像1304をモノクロ変換し、モノクロ画像1318を作成する。ステップS1312にて実現可能ではないと判定された場合はステップS1313にて受信側のブレンド精度をチェックし、ステップS1314にて実現可能なブレンド比率であるか否かを判定する。実現可能ではないと判定された場合はステップS1315にて、決定されたブレンド比率と最も近いブレンド比率を送信側で実現可能なブレンド比率の中から算出する。そしてステップS1316にて、当該算出されたブレンド比率でRGB画像1304をモノクロ変換し、モノクロ画像1318を作成する。以上のステップS1301からステップS1316までの処理が送信側で行われる処理1319である。
ステップS1314にて実現可能であると判定した場合は、ステップS1317にてRGB画像1304を受信側に送信し、受信側でモノクロ変換を行い、モノクロ画像1318を作成する。以上のステップS1317の処理が受信側で行われる処理1320である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様にユーザにブレンド比率を指定させたが、第2の実施形態のように原稿からスキャンされた画像データに基づいてブレンド比率を計算してもよい。また、第4の実施形態のように画素ごとにブレンド比率を切り替えてもよい。
本実施形態により、カラースキャナが搭載された画像処理装置においてカラー原稿に対してモノクロコピー等のスキャン動作をする際に、原稿中の特定色の再現性を向上させることが可能となる。その際に原稿中に不可視を前提にしたセキュリティドットが含まれている場合でも、ブレンド比率を動的に変更することでドットの顕在化を低減することが可能となる。さらにリモートコピーが可能な環境において送信側と受信側でモノクロ変換部を持つ場合、できるだけ送信側を優先してモノクロ変換を行うことでリモートコピー時のパフォーマンスを向上させることが可能となる。
(実施形態7)
上述の実施形態では、カラー画像(RGB画像)の取得手段であるスキャナ部101によってカラー画像を取得する方法について説明したが、カラー画像を取得する方法はこれに限定されない。
例えば、ネットワーク等によって接続されたPC等の外部装置からネットワークI/F107を介して受信したカラー画像を取得してもよい。また、画像処理装置は、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブやメモリカードリーダ等の種々の記録媒体からカラー画像を取得する装置を備えてもよい。
(実施形態8)
その他の実施形態として、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することも、1つの機器からなる装置(複合機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用することも可能である。
前述した実施形態の機能を実現するように、前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
本発明におけるMFPの構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における処理の流れを示す図である。 本発明の第1の実施形態における孤立点判定処理の流れを示す図である。 本発明の第1の実施形態における孤立点判定処理のパターンの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるセキュリティドット判定処理の流れを示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるブレンド比率の再計算処理の流れを示す図である。 本発明の第2の実施形態における処理の流れを示す図である。 本発明の第3の実施形態におけるブレンド精度及び実現可能なブレンド比率の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態における処理の流れを示す図である。 本発明の第4の実施形態における処理の流れを示す図である。 本発明の第5の実施形態におけるリモートコピーの構成例を示す図である。 本発明の第5の実施形態における処理の流れを示す図である。 本発明の第6の実施形態における処理の流れを示す図である。 従来の画像処理装置で行われるカラー画像をモノクロ画像に変換する処理の流れを示す図である。
符号の説明
101 スキャナ部
102 記憶装置
103 プリンタ部
104 表示装置
105 データ処理装置
106 入力装置
107 ネットワークI/F

Claims (16)

  1. カラー画像にセキュリティ情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記カラー画像にセキュリティ情報が含まれていると判定され、前記カラー画像をモノクロ変換した画像を記録媒体上に出力する場合、セキュリティ情報再現閾値を用いて各色成分の混合比率を算出し前記混合比率を用いて前記カラー画像をモノクロ画像に変換する手段と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記カラー画像を色成分ごとの画像データに分割する手段と、
    前記分割する手段により色成分ごとに分割された画像データに対して孤立点判定を行う手段とを備え、
    前記判定手段は、前記孤立点判定を行う手段による判定結果を用いてセキュリティ情報が含まれているか否かを判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記判定手段は、前記孤立点判定を行う手段による色成分ごとの孤立点判定の複数の結果を用いて、前記分割する手段により分割された画像データごとにセキュリティ情報が含まれているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記混合比率は、前記カラー画像に含まれるセキュリティ情報の代表的な色を示す信号値であるセキュリティドット代表信号値を用いて決定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記変換する手段は、前記判定手段によりセキュリティドットが含まれていないと判定された場合、所定の混合比率により、前記カラー画像をモノクロ画像に変換することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記カラー画像を解析し、該解析結果に基づいて前記混合比率を算出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記解析は、前記カラー画像を構成する色に対して算出されたヒストグラムを用いた解析であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理装置が実現可能な混合比率の精度に関する情報である混合精度を取得する手段と、
    前記取得された混合精度に基づいて、前記混合比率でカラー画像からモノクロ画像への変換が実現可能か否かを判定する手段と
    をさらに備え、
    前記変換が実現可能か否かを判定する手段が実現不可能と判定した場合、前記取得された混合精度で実現可能なブレンド比率の中から前記混合比率に最も近い混合比率を計算し、前記モノクロ画像に変換する手段は、前記計算された混合比率で、前記カラー画像をモノクロ画像に変換することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記混合比率の計算は、前記カラー画像に含まれているセキュリティ情報の色の種類とセキュリティ情報再現閾値に応じた混合比率の計算であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記判定手段はさらに、前記カラー画像に含まれているセキュリティ情報の前記カラー画像における座標を判定し、
    前記カラー画像の画素のうち、前記判定手段により判定されたセキュリティ情報の画素について前記混合比率を計算し、
    前記モノクロ画像に変換する手段は、前記判定手段により判定された座標を用いて、前記セキュリティ情報が含まれていると判断された画素に対して計算された混合比率で、当該画素ごとにモノクロ画像への変換を行うこと
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 前記画像処理装置には、第2の画像処理装置が接続され、前記画像処理装置が取得した画像データを前記第2の画像処理装置にてリモートコピーが可能であり、
    前記画像処理装置の混合精度および前記第2の画像処理装置の混合精度を取得する手段と、
    前記画像処理装置の混合精度と前記第2の画像処理装置の混合精度とを比較する手段とをさらに備え、
    前記比較の結果、前記第2の画像処理装置の方が混合精度が高い場合、前記第2の画像処理装置に、前記カラー画像のモノクロ画像への変換を前記混合比率で行わせることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. 前記画像処理装置には、第2の画像処理装置が接続され、前記画像処理装置が取得した画像データを前記第2の画像処理装置にてリモートコピーが可能であり、
    前記画像処理装置の混合精度および前記第2の画像処理装置の混合精度を取得する手段と、
    前記画像処理装置の混合精度を参照して、前記混合比率でカラー画像からモノクロ画像への変換が実現可能か否かを判定する手段とを備え、
    前記変換が実現可能であると判定される場合、前記画像処理装置にて、前記混合比率による前記カラー画像のモノクロ画像への変換を行い、
    前記変換が実現可能ではないと判定される場合、前記第2の画像処理装置の混合精度を参照して、前記第2の画像処理装置において前記混合比率でカラー画像からモノクロ画像への変換が実現可能か否かを判定し、
    前記第2の画像処理装置において前記混合比率による変換が実現可能である場合は、前記第2の画像処理装置に、前記混合比率による前記カラー画像のモノクロ画像への変換を行わせ、
    前記第2の画像処理装置において前記混合比率による変換が実現可能ではない場合は、前記画像処理装置において前記混合比率を計算し、該計算された混合比率により前記カラー画像のモノクロ画像への変換を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。
  13. 前記混合比率は、前記セキュリティ情報の色に基づき決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  14. カラー画像にセキュリティ情報が含まれているか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程により前記カラー画像にセキュリティ情報が含まれていると判定され、前記カラー画像をモノクロ変換した画像を記録媒体上に出力する場合、セキュリティ情報再現閾値を用いて各色成分の混合比率を算出し前記混合比率を用いて前記カラー画像をモノクロ画像に変換する工程と
    を備えたことを特徴とする画像処理方法。
  15. コンピュータを請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
  16. コンピュータにより読み出し可能なプログラムを記憶した記憶媒体であって、請求項15に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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