JP5334508B2 - 高活性poaの製法 - Google Patents
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Description
キャッツクローは主にペルー熱帯雨林に自生し、八年以上、特に一二年以上の原木が最もPOA含有量が高く、採取時期は雨期を避け、乾期に採取するのが好ましい。
又ウカヤリ県コロネル・ポルティヨ郡 プカルパ市に自生するキャッツクローが最もPOA含有量が高い。
キャッツクローの葉は不活性成分であるミトラフィリンの含有率が高く、キャッツクローからこの葉を除去した幹、特に幹の外樹皮を除去し、外樹皮内側の内樹皮(第二層)を剥離し採取する。内樹皮は外樹皮や木部や髄に比べ2〜4倍のPOA含有率を有する。
上記採取した内樹皮の水分が重量比で5〜10%程度になるまで乾燥する。自然乾燥、強制乾燥の何れかの方法を採る。
上記乾燥した内樹皮を粉砕機にかけ、粉末状又は粒状、例えば20〜70メッシュ、好ましくは30〜50メッシュの粒度の粉末状に粉砕する。粉砕機として例えばハンマーミルを適用する。
エタノール、含水エタノールの抽出溶媒中に上記キャッツクロー粉末を浸漬し、キャッツクローエキスを抽出する。
浸漬時間:24〜120時間、好ましくは50〜90時間
浸漬温度:15〜80℃、好ましくは15〜40℃
(溶媒温度をこの温度範囲に保つ)
抽出方法:浸漬液を濾過装置等にかけキャッツクローエキス液を得る。
上記キャッツクローエキス液を濃縮機にかけ、エタノールを除去して濃縮キャッツクローエキス液を得る。
上記濃縮キャッツクローエキス液をスプレードライ機(噴霧乾燥機)にかけ、水分を蒸発させてキャッツクローエキスパウダーを得る。
本発明はキャッツクローから抽出したPOA溶液にトルエン又はベンゼン又はキシレンの一又は二以上を加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去する高活性POAの製法を提供する。
又本発明はキャッツクローから抽出したPOA溶液に溶媒として植物油又は流動パラフィンを加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去する高活性POAの製法を提供する。
上記第一の方法又は第二の方法により得られた高活性POA中には少量のミトラフィリンを残留し、この不活性成分である残留ミトラフィリンを除去するため、本発明は上記析出ミトラフィリンを除去したPOA溶液中よりカラムクロマトグラフィーにより上記残留ミトラフィリンを除去する高活性POAの製法を提供する。
本発明は上記ミトラフィリンの第一の除去法によって得た高活性POAからイソテロポディンを単離する高活性POAの製法を提供する。
又本発明は上記ミトラフィリンの第二の除去法によって得た高活性POAからイソテロポディンを単離する高活性POAの製法を提供する。
次に上記ミトラフィリン除去法、つまりミトラフィリンを除去した高活性POAの製法の具体例について説明する。
原料として使用する5%(重量比)のPOAを含む上記キャッツクローエキスパウダー又はキャッツクローエキス液を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析したところ、全POA中のミトラフィリン含有率は絶対検量線法で31.5%であった。次に述べるベンゼン又はキシレンを用いた原料も同様である。
このPOA溶液にトルエン200mL及び水400mLを加え、分液漏斗で10分間振とうしたのち10分間静置して有機層と水層に液相分離した。
上記キャッツクローエキスパウダー100g又は該パウダー100gに相当するキャッツクローエキス液にメタノール300mLを加えた。
上記キャッツクローエキスパウダー100g又は該パウダー100gに相当するキャッツクローエキス液にメタノール300mLを加えた。
原料として使用する5%(重量比)のPOAを含む上記キャッツクローエキスパウダー又はキャッツクローエキス液を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析したところ、全POA中のミトラフィリンは絶対検量線法で31.5%であった。次に述べる流動パラフィンを用いた原料も同様である。
上記キャッツクローエキスパウダー100g又は該パウダー100gに相当するキャッツクローエキス液にメタノール300mLを加えた。
上記ミトラフィリンの第一の除去法で得られた有機層(上層)を採り、上記溶媒を留去して約20mLまで濃縮し、これを溶離液として塩化メチレンを使用した充填材としてシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーに付し、トルエン溶媒では白色固体2.58g、ベンゼン溶媒では白色固体2.35g、キシレン溶媒では白色固体2.00gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、全POA中のミトラフィリンは検出されなかった。
上記ミトラフィリンの第二の除去法で得られた有機層(上層)を採り、これを溶離液として塩化メチレンを使用した充填材としてシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーに付し、植物油溶媒では白色固体2.80g、流動パラフィン溶媒では白色固体2.75g、動物油溶媒では白色固体2.82gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、全POA中のミトラフィリンは検出されなかった。
上記ミトラフィリンの第一の除去法で得られた有機層(上層)を採り、上記溶媒を留去して約20mLまで濃縮し、この濃縮液を充填材としてシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/n−ヘキサン=1/13(v/v)を溶離液として使用して白色固体1.08gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、絶対検量線法で99.2%の高純度のイソテロポディンが単離できた。
上記ミトラフィリンの第二の除去法で得られた有機層(上層)を採り、これを充填材としてシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/n−ヘキサン=1/13(v/v)を溶離液として使用して白色固体1.30gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、絶対検量線法で99.5%の高純度のイソテロポディンが単離できた。
前記各例において出発原料として使用されるキャッツクローエキスにおけるPOAの含有量を増加させれば、結果物として得られる高活性POAの収量を高めることができる。以下、POA収量を高める方法について説明する。
6.キャッツクローエキスのPOA高含量化
上記キャッツクローエキス液を濃縮機にかけ、エタノールを除去してPOA含有率16〜20%の濃縮キャッツクローエキス液を得る。
上記濃縮キャッツクローエキス液をスプレードライ機(噴霧乾燥機)にかけ、水分を蒸発させてPOA含有率25〜30%のキャッツクローエキスパウダーを得る。
上記キャッツクローエキスパウダーの大部分は粉末状であるが、部分的に塊状を呈する。この塊状物を解消するためハンマーミル等の粉砕機にかけて粉砕する。
Claims (7)
- キャッツクローから抽出したペンタサイクリック・オキシインドール・アルカロイド(以下「POA」という。)溶液に溶媒としてトルエン又はベンゼン又はキシレンの一又は二以上を加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去し、該析出ミトラフィリンを除去したPOA溶液中よりカラムクロマトグラフィーにより残留ミトラフィリンを除去することを特徴とする高活性POAの製法。
- キャッツクローから抽出したPOA溶液に溶媒として植物油又は流動パラフィン又は動物油を加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去することを特徴とする高活性POAの製法。
- 上記析出ミトラフィリンを除去したPOA溶液中よりカラムクロマトグラフィーにより残留ミトラフィリンを除去することを特徴とする請求項2記載の高活性POAの製法。
- キャッツクローから抽出したPOA溶液に溶媒としてトルエン又はベンゼン又はキシレンの一又は二以上を加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去し、更にカラムクロマトグラフィーによりPOA成分中のイソテロポディンを単離することを特徴とする高活性POAの製法。
- キャッツクローから抽出したPOA溶液に溶媒として植物油又は流動パラフィン又は動物油を加えてPOA成分中のミトラフィリンの溶解度を低下させることにより同ミトラフィリンを析出し、該析出したミトラフィリンを除去し、更にカラムクロマトグラフィーによりPOA成分中のイソテロポディンを単離することを特徴とする高活性POAの製法。
- 上記溶媒を上記POA溶液1に対し重量比で0.2〜10倍量加えることを特徴とする請求項1又は2又は4又は5記載の高活性POAの製法。
- 上記溶媒を上記POA溶液1に対し重量比で0.2〜10倍量加えると共に、重量比で0.2〜20倍量の水を加えることを特徴とする請求項1又は2又は4又は5記載の高活性POAの製法。
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