JP2008533163A - αヒドロキシル有機酸の塩、キレートおよび/または遊離酸の医薬組成物、および関連したプロセスおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
Cat's Claw 製品の市販製剤は、アルカロイド含量かまたはカルボキシアルキルエステル(CAE)含量に基づく製剤を標準化することに集中してきた。2005年11月15日発行の米国特許第6,964,784号は、既知の uncaria 抽出物の生物活性成分の単離、精製および識別に及んでいる。uncaria 抽出物の生物活性成分として具体的に識別されているのは、キナ酸を含有するカルボキシアルキルエステル(CAE)として以前に包括的に識別されたキナ酸エステルを含めたキナ酸錯体である。単離された生物活性成分は、キナ酸エステル類似体、好ましくは、キナ酸ラクトンとして識別されている。
2004年10月21日出願の、2005年8月11日公開の米国出願公開第20050176825号は、uncaria の水抽出の生物活性成分の単離、精製および構造的識別に関する。その開示は、生物活性成分は、以前に、キナ酸ラクトンおよび他の関連キナ酸エステルとして識別されたが、その生物活性成分は、アンモニア処理されたキナ酸を含めた、キナ酸およびキナ酸塩それ自体として解明されるということを認めている。しかしながら、アンモニアキレートは、基本的に、アンモニア塩の生成に付随して最少量で存在しうる人工産物として識別されるにすぎない。
本発明は、具体的には、本発明の方法によって製造される組成物であって、(a)ジャーカットT細胞におけるNF−κB活性化を、1.25mg/mlまたはそれ未満の用量で、最大 in vitro 応答の最低50%に阻害する;および/または(b)マイトジェン(ConA)の存在下において in vitro で培養された脾臓細胞の成長停止を、2mg/mlまたはそれ未満の用量で引き起こす;および/または(c)哺乳動物へ有効量で投与された場合、免疫過程、抗炎症過程、抗腫瘍過程、DNA修復過程またはトリプトファン取込み過程を促進する、遊離酸、塩またはキレートを含有する組成物に関する。
特に断らない限り、本明細書中で用いられる専門用語および学術用語は全て、本発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に引用される公報および特許は全て、本明細書中に援用される。
キナ酸(QA)は、ポリヒドロキシル化αヒドロキシモノカルボン酸であるので、キレート、更には、塩およびエステルを形成することができる。したがって、ここでは、実際に、キナ酸が、水酸化ナトリウムのような若干の塩基で中和された場合に塩を、そして水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムのような他の塩基で中和された場合にキレートを形成したということを開示する。例えば、下の表1を参照されたい。
本発明は、更に、水植物抽出物の生物活性成分の単離、精製および構造的識別に関する。Uncaria 抽出物中で以前に識別された生物活性成分のあるクラスは、キナ酸ラクトン、少なくとも271〜>10,000の分子量であるキナ酸の炭水化物エステル、および他の関連キナ酸エステル(例えば、タンニンおよびクロロゲン)を含めたCAE(カルボキシアルキルエステル)として識別された。本発明は、ここで更に、キナ酸アンモニアキレートを含めたキナ酸キレートおよびキナ酸を包含する Uncaria の生物活性成分を識別している。
キナ酸部分およびエステル結合
C−Med−100中に存在するCAE(例えば、水溶性 Uncaria 抽出物)は、キナ酸エステルである。キナ酸へのエステル結合の存在は、HPLCクロマトグラムにおいて、多数のピークが、塩基加水分解後に激減するかまたは消失すると認められうるということによって支持される。これは、それら化合物を、塩基加水分解へのそれらの感受性ゆえに、エステルとして識別する。これらデータは、Cat's Claw 水抽出物中のCAEが、実際にQAエステルであるということを確証している。
例えば、C−Med−100からQAエステルを精製する試みは、以前に、主に、例えば、C−Med−100中で豊富と識別されうるエステルの不均一な性質ゆえに、きわめて困難であると示された。例えば、C−Med−100中には、少なくとも5個の主要な塩基ピークが見出された。塩基加水分解に感受性である、本明細書中に記載のQuin+には約10個存在する。したがって、本明細書中に更に記載のように、いずれか一つの精製QAエステルが、それ自体で、Cat's Claw 水抽出物の効力の大部分を説明しうるとは全く考えられない。QAエステル構造の不均一性は、分子のアルコール部分に由来し、Cat's Claw 製品の効力に大きく寄与してはいない。QAはそれ自体で、例えば、in vivo でのC−Med−100に匹敵しうる効力を有する。
実際には、当業者に知られているいずれかの実験室用酸、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸および硝酸が含まれるがこれに制限されるわけではない酸を用いて、溶液を「中和する」ことができる。約7.5のpHが好適である。
例えば、Uncaria から単離された栄養薬製品を製造する場合に利用される化学理論は、pHの変更である。天然物の効力への有意の利点は、(1)抽出物中の生物活性成分が有効であるpHを最適化すること、(2)生物活性な形を有すると同時に、毒性を減少している、栄養薬中に存在する生物活性な酸または塩基を変換することによって達せられる。本明細書中で論じられるように、例えば、Uncaria 製品を用いて、本発明の態様「Quin+」、例えば、キレートを形成する水酸化アンモニウム処理を行う。アンモニアでのQAの処理時に、処理条件に依存して、アンモニウム塩かまたはアンモニウムキレートが形成される。QAがpH7〜7.5へと中和される場合、アンモニウムキレートの1:1.54モル比(キナ酸:アンモニウムイオン)が確かめられる。
Quin+製剤は、Uncaria 水抽出物中の主な活性成分としてCAEを定量したが、アルカロイドを定量していない、C−Med−100を含めた、以前の Cat's Claw 製品にまさる改善として作られた。活性成分のバイオアベイラビリティー並びに効力がC−Med−100にまさるQuin+の有意の改善は、本明細書中において、次のデータによって証明される。
2.Quin+中のCAEまたはQAEの定量的推定値は、C−Med−100の場合より5〜10倍多い。
4.Quin+は、QAエステルの不均一な群よりもむしろ、有意に増加した量の活性成分を含む。
製造中に、サイズ排除の欠如ゆえに、Quin+製剤の製造に用いられる本明細書中に記載の抽出物は、C−Med−100よりも3倍多いQAエステルを示す。Quin+の製造における、例えば、エステルの一つは、QAエステルの約15%となる>10,000の分子量を示す。用いられた Seliwanoff's 試薬は、それらサイズにかかわらず炭水化物の定性的性質を決定する比色分析手順として設計された。試験されたいろいろな試料中の炭水化物の存在の分析は、存在するQAエステルの量およびサイズ双方にしたがった。要約すると、既知のQAエステル含量に関して、あらゆる Cat's Claw 水抽出物中には、いろいろなサイズの炭水化物が明らかに存在した。
本明細書中に記載されているのは、Uncaria からの栄養薬組成物を製造する方法、例えば、組成物が、生体内利用可能なキナ酸それ自体の有意に増加した量を有する方法である。
本発明の好ましい態様において、水中に溶解したこれら抽出物を、約1〜10%アンモニアで更に処理して、それら抽出物中にエステル、塩またはキレート化形として存在しうるカルボキシ有機酸を変換して、抽出物を凍結乾燥することによる過剰のアンモニアの除去により、好ましい分子平衡した形のアンモニアキレートにする。ここでは、アンモニウムイオンが、植物抽出物中に存在するカルボキシ有機酸生物活性成分の栄養価も有効な作用様式も増強するということが開示される。
ヒドロキシル化またはカルボキシル化有機酸を含有することが分かった、カラマツ、マツ樹皮、赤ワイン、garcinia、緑茶、ビルベリー(bilberry)、ブラックコホッシュ、トウガラシ、カミツレ、イタリア・ニンジンボク、ツルコケモモ、エキナシア(echinacea)、エリューセロ(eleuthero)、マオウ、メマツヨイグサ、ナツシロギク、アマ、ニンニク、ショウガ、イチョウ、ヤクヨウニンジン、ゴレンシール(golenseal)、サンザシ、ウマグリ、カワカワ、カンゾウ、オオアザミ、セイヨウハッカ、ノコギリパルメット、オトギリソウ(saint john's wort)、紅茶、カノコソウ、リンゴ、アンズ、マルメロ、カンキツ類、パイナップル、プルーン、ヒマワリ、ワルトルベリー、クロイチゴ、アカフサスグリ、クロスグリ、キイチゴ、ババコ、フェイジョア、キワノ、パッションフルーツ、コダチトマト、セイヨウカリンまたはカキなどの植物材料を、医学的使用に一般的な歴史的慣例であった熱水抽出をする場合、植物医薬製剤は、効力のある免疫、抗腫瘍、抗炎症およびDNA修復を促進する性質を有する前述の植物抽出物から製造される。本発明の好ましい態様において、水中に溶解したこれら抽出物を、1〜10%アンモニアで更に処理して、抽出物中にエステル、塩またはキレート化形として存在しうるカルボキシ有機酸を変換して、抽出物を凍結乾燥することによる過剰のアンモニアの除去により、好ましい分子平衡した形のアンモニアキレートにする。ここでは、アンモニウムイオン単独が、NF−κBを阻害することまたは成長停止を誘発することなどの、植物抽出物中に存在するカルボキシ有機酸生物活性成分の栄養価も有効な作用様式も増強するということが開示される。
化学文献での従来の報告は、Cat's Claw 抽出物も、キナ酸も、NF−κBを用量依存方式で阻害するということを確かめた。Aquilar, JL et al. J. Ethanopharmacology 81:: 271-276, 2002; Tak, PP et al. J Clin Invest 107: 7-11, 2001; Akesson et al. Int Immunopharmacol 3: 1889-1990, 2003; Akesson et al. Int Immunopharmacology 5: 219-22, 2005。これらデータは、キナ酸のような、ある種の天然に存在する有機酸、更には、他の天然に存在する単純なαヒドロキシ酸は、アンモニアで塩およびキレートへと変換することができ、それが順次、NF−κBを阻害することにおいてきわめて有効であるという概念を包含していない。アンモニウムイオンは、リソソームの酸化的ストレス発生の有効な阻害剤であることが分かったが、それ自体、NF−κBの阻害に相乗的である。Ogawa, Y et al. Int J Mol Med 14(6): 1007-1013, 2004。したがって、アンモニウムキレートおよび塩は、アンモニウムイオンが、キナ酸または他のαヒドロキシル酸とは無関係に、キナ酸などの有機酸の塩またはキレート化製剤によってNF−κB阻害を細胞に送達することが可能なことから、一層有効なNF−κB阻害剤である。本発明のこの理論を開示しているデータを、図4に示す。
QUINMAXTM
キナ酸のアンモニウムキレートは、実際に、キナ酸をpH=7.5へと変換する飽和量の1〜10%アンモニアでの処理によって形成された場合に1:1.54モルのアンモニアキレートとして実験的に決定される、好ましいキナ酸組成物である。
1.1967年− 認められた Cat's Claw の活性成分は、Dr Klaus Keplinger によって最初に提示されたオキシインドールアルカロイドであった。Keplinger, K, et al., 1999. Uncaria tomentosa (Wild) DC.-ethno medicinal use and new pharmacological, toxicological and botanical results. J Ethanopharmacology 64: 23-34。
特に好適であるのは、キナ酸キレートの有効量を含む、単離された医薬組成物の製造方法であって、実質的に純粋なキナ酸と、水酸化アンモニウムとを、約6.9〜約7.6のpHに達する十分な水溶液中で混合して、キナ酸対アンモニウムイオンの比率が約1:1.54であるキナ酸のアンモニウムキレートを生じることを含む方法である。好適であるのは、約1%〜約10%の濃度の水酸化アンモニウム溶液を、100mlにつき約5g〜約30gのキナ酸を含むキナ酸水溶液に、その溶液のpHが約7.4〜約7.6に達する十分な量で、約15分間〜約4時間の一定時間内に加える方法である。
キナ酸の既知の毒性または安全性を、表2に示す。ここでは、最も重要な考察は、最高用量のキナ酸暴露を、いろいろな動物モデルで効力を有することが分かったものと比較することである。いろいろな動物モデルシステムにおいて、キナ酸の既知の有効用量をはるかに超えるキナ酸用量が用いられてきたということは、全く明らかである。したがって、キナ酸での in vivo 処置についての安全性の余地は、ヒトにおいて有効であると考えられる用量について首尾一貫して示された。更に、QuinmaxTMは、水性アンモニアでpH=7.5へと中和されたキナ酸である。結果として、水中では、アンモニウムイオンも生じるが、それら自体、効力のある生物学的機能を有し、例えば、GI管内のタンパク質合成を刺激し、リソソーム小胞を中和して酸化的ストレスDNA損傷を妨げ、そしてそれ自体、NF−κBに媒介される抗炎症反応を阻害する。Fuller, MF, Reeds, PJ. 1998. Nitrogen cycling in the gut. Ann Rev Nutr 18:385-411; Seglen, PO. 1983 (59) Inhibitors of lysosomal function. Methods of Enzymology 96: 737-764。これらは、Quinmax に加えられた追加の生物学的性質であったが、追加の毒性は全くなかった。
この実験の目的は、三つの部分からなった。第一は、QAのピーク血清濃度に達した時点と、どの程度長くそれらが検出可能な状態のままであると考えられるかを決定すること。第二は、有意の量のQAが、馬尿酸へと変換されたかどうかを明らかにすることであった。第三は、QuinmaxTM、QAのアンモニウムキレート、およびより有効なQA変形を、初期の実験において認められたQAの薬物動態を変化させることなく、in vivo で用いうるかどうか。
QuinmaxTMは、例えば、2mg/mlの濃度の飲料水中で500mlx2の経口用量として補給することができる。キナ酸は、ヒトの場合、6000mg/日まで投与されていたので、補給された水は、キナ酸アンモニウムキレートとして与えられる、安全で、無味・無色である。
本明細書中に開示されているのは、毒性を減少させ且つ健康上の作用を増加させるために、食物中の天然に存在するQAEを遊離キナ酸へと加水分解する方法である。
機能性食品は、伝統的医薬慣例によって定義のような、栄養素を超える健康上の利点を与えることができるいずれかの改変食品または成分を含めた、可能性のある健康によい成分を包含するものである。食物の治癒効果は、機能性食品について一般的に知られている概念である。ここでおよび文献中で指摘されるように、キナ酸エステルは、主に、タンニン、またはフェノールを含有するまたは炭水化物に連結したクロロゲン酸類似体とのエステル結合において天然に存在している主なキナ酸源である。キナ酸の多数の異なった形は、多くの食物の天然成分である。「放出された」QAそれ自体が、植物に由来する食用物質中に十分な高濃度で存在していた場合、それは、機能性食品である性質を示唆していると考えられる。多くの食物は、それらの成分中に、例えば、QAEもキナ酸も有する。ここに示されているデータは、植物または食物のキナ酸含量が、0.5%w/wを超える場合、該当する食物は、基本的に、ヒト消費時に、DNA修復および免疫反応性を促進することによって抗加齢栄養薬として機能するということを示している。この最少濃度またはそれを超える濃度を有する植物源は、これら自然の生体防御過程を刺激することによる健康上の利点を増加させるのに有効な処置であると考えられる。1日に1杯につき0.5%を超えるキナ酸食品含量は、1杯200gmについて1日に1gmのキナ酸の1日ヒト用量に等しいと考えられる(すなわち、200mg/kg/日の有効齧歯類用量から計算される)。
食物中には、二つの主な天然キナ酸源が存在する。(i)正に論じられているエステル形で貯蔵されている有意の量のキナ酸を有する食物、および(ii)記載のように既に天然に存在している有効レベルの遊離キナ酸を有する食物。双方の食物源は、大部分の植物中に同時に存在し、互いに相加的である。例えば、1杯のコーヒーは、約13gmの固形分を含有するが、その内の約765mgは、クロロゲン酸類似体であり、そしてその約50%(388mg)、または0.338gm/13gm=コーヒーの2.6%は、キナ酸である。コーヒーは、更に、4.7〜5.9%の遊離(非エステル化)キナ酸を含有する。したがって、食物源を加水分解することにより、または遊離キナ酸を有していないが、高濃度のタンニンまたはクロロゲン酸または双方を有する食物源を加水分解することにより、それら食物は、キナ酸に媒介される応答に帰する有効な健康上の利点を有する機能性食品へと変換されうる。QAエステル加水分解によって食物中の遊離キナ酸を増加させて、胃腸管内で有効用量に達する、機能性食品としてかまたは食品添加物として直接的に適格となると考えられる食物源の例。食物のキナ酸含量が、胃腸管中に吸収される量の0.5%を超えて上昇すると、血中のキナ酸は十分に増加するので、DNA修復および免疫の促進が起こる。この方式で考えると、キナ酸含有機能性食品は、プルーン、キーウィ、シーバックソーン(sea buckthorn)、コーヒー、ツルコケモモ、コケモモ(lingonberry)、ブルーベリー、ワルトルベリー、赤/黄色コダチトマトおよびスルタナのような、>0.5%のキナ酸を有するものである。<0.5%のキナ酸含量を有するものは、キナ酸含量が>0.05%に上昇しうると考えられるので、食品添加物に変換された状態になる良好な候補である。このカテゴリーの食品添加物源の例は、マルメロ、ヒマワリ、ネクタリン、モモ、ナシ、スモモ、ハチミツ、クロスグリ、セイヨウカリン、アスパラガス、マッシュルームおよびグリーンオリーブであった。
本発明者は、以前に、キナ酸およびアンモニア処理されたキナ酸、そしてその天然の cat's claw 源(例えば、C−Med−100)に関して、細胞死を伴うことなく成長停止を誘発することができるし、そして炎症、免疫およびDNA修復阻害、癌成長および加齢の処置におけるそれらの使用に寄与する機構としてのNF−κBを阻害することができるということを開示した(Sheng, Y, Akesson, C, Holmgren, K, Brynegelsson, C., Giampapa, V, Pero, RW. An active ingredient of Car's Claw water extracts. Identification and efficacy of quinic acid. Journal of Ethanopharmacology 92: 577-584, 2005; Akesson, C, Lindgren, H, Pero, RW, Leanderson, T, Ivars, F. Quinic acid is a biologically active component of the Uncaria tomentosa extract C-Med-100(registered trademark). International Immunopharmacology 5:219-229, 2005)。C−Med−100のような、cat's claw の水抽出物の活性成分は、キナ酸の類似体である。C−Med−100中のキナ酸の天然の形は、キナ酸エステルである。しかしながら、1〜10%アンモニアで処理されて加水分解されたキナ酸エステル、または遊離酸(+)としてのキナ酸それ自体は、キナ酸アンモニア塩またはキレートを生じるが(以前には、考えられても記載されてもいない)、それらは双方とも、本明細書中において in vivo で有効と記載され且つ特性決定されている。本発明のキナ酸エステルおよび/またはキナ酸塩の態様は、更に、陽イオンとのキレート化錯体である。しかしながら、これまでのところ、最終のキナ酸生物活性構造は、依然として未決定であった。ここで、本発明者は、キナ酸が、塩およびキレート化構造錯体双方で存在しうるし、そしてアンモニア処理されたキナ酸は、キナ酸をpH=7.5に変換する飽和量の1%アンモニアでの処理によって形成された場合、実際に、1:1.54モルのアンモニアキレートとして実験的に決定されるキナ酸の好適な組成物であるというデータを与えている(表4)。更に、Garcinia 抽出物中に存在するαヒドロキシルクエン酸(すなわち、Citrimix)などの他の天然に存在する塩も、1%アンモニアで中和された場合、キレート化錯体で存在するということが示されている。結論として、これらデータは、(i)簡単なヒドロキシル化およびカルボキシル化有機酸のキレート化錯体は、しばしば、全てではないがいろいろな陽イオンとキレートを形成し、例えば、キナ酸のNaOH処理は、1:1モル塩を生じる、そして(ii)有機酸のアンモニウムキレートは、その増強された栄養価および有効な値ゆえに、好適な組成物であるということを開示している。
キナ酸塩およびキレートに関する研究について(図1)、キナ酸は、Sigma より購入した(>99%)。QA塩/キレートは、適当な塩基、すなわち、NH4OH、NaOH、Ca(OH)2、Zn(OH)2、LiOH、KOH、リシンまたはヒスチジンでのpH=7.5への中和によって合成した。試験化合物の連続希釈を、96ウェル平底微量滴定プレート中のヒトHL−60白血病細胞(0.05x106個/ml)に加えて、3000μg/mlまでの培養物中の最終濃度を与えた。それらプレートを、37Cで72時間インキュベートし、20μlのMTT(5mg/ml)で3時間パルス処理し、そして前記のように、分光測光によって540nmで発色を推定した。(Schweitzer, CM et al. Spectrophotometric determination of clonogenic capacity of leukemic cells in semisolid microtiter culture systems. Experimental Hematology 21: 573-578, 1993)。IC50値は、細胞の生/死比率に基づいて計算し且つ比較した。これらデータは、試験された全ての塩およびキレートが、HL−60腫瘍細胞成長を阻害することにおいて、遊離キナ酸(H+)より有効であったということを示している。QA−NH4+およびQA−Ca++などの既知のキレートは、QA−Na+などの既知の塩より有効であった。最後に、QA−NH4+キレートは、いずれか他の塩またはキレートよりもはるかに生物学的に有効であったし、そして実際に、生物活性成分としてキナ酸エステルを有する cat's claw 水抽出物(C−Med−100)と同程度に有効であった。これらデータは、それらの効力を増加させるために、アンモニアでキレート化される塩形であれ、エステルであれ、天然に存在する有機酸類似体のキレートを標的にしている。
実施例2は、天然に存在するポリヒドロキシル化およびポリカルボキシル化有機酸のアンモニウムキレートが、温血動物の健康障害を処置するための栄養薬または医薬製品の開発に好適な構造類似体である理由を開示している。それら理由は、理論的には二つの部分からなる。(i)アンモニウムイオンは、その栄養的必要条件にしたがって生体による吸収を順次もたらす、腸内の窒素再循環〜アミノ酸およびタンパク質生合成を平衡させ且つ最大限にすることに、主に由来する主要な天然に存在する代謝産物である(Fuller and Reeds, Annu Rev Nutr 18: 385-411, 1998)。それ自体で、アンモニウムイオンは、引き続き、アミノ酸およびタンパク質の栄養代謝の一般的な支持に重要な前駆体であり、そして(ii)アンモニウムイオンは、リソソーム内部の酸性度を中和し、それによって酸化的ストレスラジカル生産を妨げることによってリソソーム機能を阻害することが周知であり、そしてそれによって、アンモニウムイオンは、免疫反応性を含めた細胞調節過程に影響を及ぼす重要な抗酸化剤である(Seglan, Methods in Enzymology 96: 737-764, 1983)。
本明細書中に科学的に論じられているように、C−Med−100は、cat's claw の有効な水抽出物であり、そしてそれは、エステルなどのキナ酸類似体を含有することが知られている。キナ酸も、ヒドロキシクエン酸も、それらのアンモニア処理されたキレート形で一層生物学的に有効であったので(表3、図1〜4を参照されたい)、具体的には、キナ酸類似体、そして一般的には、植物抽出物中の他の天然に存在するヒドロキシル化およびカルボキシル化有機酸を、それらのキレート化形へと、具体的には、cat's claw の水抽出物、そして一般的には他の植物抽出物の、分子飽和レベルのアンモニアでの直接処理によって製剤化することへの製造利点が存在しうるということが推論された。この目的のために、および例として、C−Med−100を、最初に、90%メタノールでの沈殿によって、噴霧乾燥剤マルトデキストリンから水分涸渇させ(depleted)、そして次に、1%アンモニアで1時間処理後、凍結乾燥を施して、C−Med−100アンモニアキレートを直接的に形成した。過剰のアンモニアは、凍結乾燥することによって除去した。C−Med−100とC−Med−100アンモニアキレートとの比較は、図5に、IC値として示されている。そのデータは、Nu−CC100(すなわち、100%の水への溶解度、したがって、バイオアベイラビリティーを有する、アンモニア処理されたまたは栄養素化(nutrated)された cat's claw)についてのIC50値およびIC90値が、マウス脾臓細胞の成長を阻害することにおいて、普通のC−Med−100よりも有効であったという点で、C−Med−100をアンモニア処理することへの有効な利点を明らかに示している。これらデータは、未知の構造を有するキナ酸類似体のような、ヒドロキシル化およびカルボキシル化有機酸類似体を含有することが知られている粗製植物抽出物を、直接的にアンモニアキレート化形にし、それによって、それらの生物学的有効性を増強しうるという概念の証拠とされた。
Quin+ Cat's Claw 水抽出物。
Quin+は、実験室において、75gmの Uncaria tomentosa 樹皮を、400mlの沸騰水抽出に1時間供することによって製造した。その樹皮熱水懸濁液を濾過し、遠心分離して、粒状物質を全て除去した。次に、抽出物を、フード内においてヘアドライヤーによって蒸発乾固させた。固体の収率は、9.9gm/75gmまたは13.2%であった。この抽出物を、Quin+と称し、全ての分析目的に用いた。
cats claw 中のキナ酸エステルは、キナ酸炭水化物エステルであるという確認。
グルクロニダーゼ実験。
Cat's Claw 樹皮の水抽出物のHPLCは、UV検出器785Aを装備した Perkin Elmer 200LCポンプを用いて行った。カラムは、C18 150X4.6mm Perkin Elmer-Brownlee(Pecosphere 製品番号0258−0169)であった。更に、縦一列であるが、150mm C18カラムの前に、Perkin Elmer C18 30X4.6mm Brownlee プレカラム(P/N N930−3395)を置いた。カラムを介して1ml/分において1500〜5000psiでポンプ輸送された移動相は、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA):メタノール(77:23,v/v)かまたは0.2%TFA:メタノール(85:15,v/v)であった。UV検出器は、200nmの波長で設定した。20μlの注入ループを、全ての実験で用いた。データは、PE Nelson Turbochrom 4(S270−0052)を用いて蓄積し且つ再処理した。C18カラムは、1ml/分で30分洗浄後、次の溶媒順序で再生した。アセトニトリル:メタノール(30:70,v/v)、100%メタノール、メタノール:水(50:50)、メタノール:0.2%TFA、および100%の0.2%TFA。
キナ酸は、ビタミンDNAである。
ビタミン類は、1929年に初めて発見され、その年の生理学・医学ノーベル賞を獲得した。ビタミン類は、生命に不可欠であり、そして代謝を調節することおよび消化された食物からエネルギーを放出する生化学的過程を補助することによって良好な健康に寄与しているので、そのようなものとして、現在、十分に定義された13種類のビタミン類が分類されている。したがって、「ビタミン」は、健康を保護するためにおよび生物の適切な成長を維持するために、少量(微量栄養素)で生体に必要とされる何らかの多様な有機化合物である。13種類のビタミンの内の(ビタミンDを除外する)12種類は、生体で製造され得ないので、最適な健康を維持するために、食事から得る必要がある。U.S. Food and Nutrition Board of the National Research Council は、微量栄養素に関して、消費者の健康が適切に維持されることを認識し且つ保証することを助けるために、栄養所要量を推奨している(RDA)。
Claims (19)
- αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形の遊離酸、塩またはキレートの有効量を含む、哺乳動物への投与用の単離された医薬組成物の製造方法であって、
αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形と、一定量の塩基とを、水溶液であって、αヒドロキシル有機酸の全含量が、その溶液の約0.5%w/w〜約35%w/wになる水溶液中において、存在するαヒドロキシル有機酸の実質的に全ての形を加水分解する一定時間混合し、
その溶液を約6.9〜約7.6のpHへと中和して、αヒドロキシル有機酸の実質的に全ての天然に存在する形の遊離酸、遊離酸の塩またはキレートを生じ、そして場合により、
その溶液を凍結乾燥させて、単離された医薬組成物を製造することを含む方法。 - αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形が、エステル、カルボキシアルキルエステル、塩、キレートおよび遊離酸から成る群より選択される、請求項1に記載の単離された医薬組成物の製造方法。
- αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形が、キナ酸、αヒドロキシルクエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルタル酸、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、αヒドロキシクエン酸、キナ酸、シキミ酸、ケイ皮酸(cinnamonic)、サリチル酸、カフェ酸、馬尿酸、安息香酸およびフェノール酸から成る群より選択される酸の天然に存在する形である、請求項2に記載の方法。
- 塩基が、NaOH、KOHおよびNH4OHから成る群より選択され、それを約15分間〜約4時間加えて、水溶液中の濃度を約0.5M〜約5Mの範囲内にする、請求項3に記載の方法。
- αヒドロキシル有機酸の天然に存在する形が、キナ酸およびαヒドロキシルクエン酸から成る群より選択され、そして塩基が、水酸化アンモニウムである、請求項4に記載の方法。
- 溶液を、塩酸、硫酸、酢酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸および硝酸から成る群より選択される酸で中和する、請求項5に記載の方法。
- キナ酸対アンモニウムイオンの比率が約1:1.54であるキナ酸キレートの有効量を含む投与用の単離された医薬組成物の製造のための、請求項6に記載の方法。
- 凍結乾燥された組成物の有効量と、哺乳動物への経口投与に適する薬学的に許容しうる担体とを混合する工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
- αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形の遊離酸の塩またはキレートの有効量を含む、単離された医薬組成物の製造方法であって、
植物材料の水性抽出物であって、抽出物中のαヒドロキシル有機酸の全含量が、抽出物の約0.2%w/v〜約35%w/vになる水性抽出物と、一定量の塩基とを、水溶液中において、存在するαヒドロキシル有機酸の実質的に全ての形を加水分解する一定時間混合し、
その溶液を約6.9〜約7.6のpHへと中和して、αヒドロキシル有機酸の実質的に全ての天然に存在する形の遊離酸、遊離酸の塩またはキレートを生じ、そして場合により、
その溶液を凍結乾燥させて、単離された医薬組成物を製造することを含む方法。 - 植物材料が、ウンカリア(uncaria)、ガルシニア(garcinia)、ツルコケモモ(cranberry)およびコーヒーから成る群より選択され、そして塩基が、NaOH、KOHおよびNH4OHから成る群より選択され、それを約15分間〜約4時間加えて、水溶液中の濃度を約0.5M〜約5Mの範囲内にする、請求項9に記載の方法。
- 植物材料が、uncaria(キャッツクロー(cat's claw))である、請求項10に記載の方法。
- 単離された医薬組成物が、キナ酸対アンモニウムイオンの比率が約1:1.54であるキナ酸キレートの有効量を含む、請求項11に記載の方法。
- 凍結乾燥された組成物の有効量と、哺乳動物への投与に適する製剤を製造するための薬学的に許容しうる担体とを混合する工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
- キナ酸キレートの有効量を含む、単離された医薬組成物の製造方法であって、
実質的に純粋なキナ酸と、水酸化アンモニウムとを、水溶液中において、約6.9〜約7.6のpHに達する十分な時間混合して、キナ酸対アンモニウムイオンの比率が約1:1.54であるキナ酸のアンモニウムキレートを生じることを含む方法。 - 約1%〜約10%の濃度の水酸化アンモニウム溶液を、100mlにつき約5g〜約30gのキナ酸を含むキナ酸水溶液に、その溶液が約7.4〜約7.6のpHに達する十分な量で、約15分間〜約4時間の一定時間以内に加える、請求項14に記載の方法。
- αヒドロキシル有機酸の少なくとも一つの天然に存在する形の遊離酸、塩またはキレートの有効量を含む機能性食品の製造方法であって、
食物であって、その食物中に約0.2%w/w〜約35%w/wの一定量のαヒドロキシル有機酸を含む食物と、塩基とを、水溶液中において、食物中のαヒドロキシル有機酸の実質的に全ての形を加水分解する一定時間混合し、
その溶液を約6.9〜約7.6のpHへと中和して、食物中のαヒドロキシル有機酸の実質的に全ての天然に存在する形の遊離酸、遊離酸の塩またはキレートを生じ、そして場合により、
その溶液を凍結乾燥させて、単離された医薬組成物を製造することを含む方法。 - 食物が、リンゴ、アンズ、ガルシニア、ツルコケモモ、マルメロ、カンキツ類、パイナップル、プルーン、ヒマワリ、ワルトルベリー(whortleberry)、クロイチゴ、アカフサスグリ(red currant)、クロスグリ(black currant)、キイチゴ、ババコ(babco)、フェイジョア(feijoa)、キワノ(kiwano)、パッションフルーツ、コダチトマト(tamarillo)、セイヨウカリン(medlar)、カキ(persimmon)およびコーヒーから成る群より選択され、そして塩基が、NaOH、KOHおよびNH4OHから成る群より選択される、請求項17に記載の方法。
- 凍結乾燥されている、請求項1、請求項9、請求項14または請求項17に記載の方法によって製造された組成物であって、
(a)ジャーカットT細胞におけるNF−κB活性化を、1.25mg/mlまたはそれ未満の用量で、最大 in vitro 応答の最低50%に阻害する;
(b)マイトジェン(ConA)の存在下において in vitro で培養された脾臓細胞の成長停止を、2mg/mlまたはそれ未満の用量で引き起こす;および
(c)哺乳動物への約1mg/kg〜50mg/kgの用量での全身投与は、免疫過程、抗炎症過程、抗腫瘍過程、DNA修復過程またはトリプトファン取込み過程を促進する、から成る群より選択される少なくとも一つの性質を示す組成物。 - DNA修復を促進する、トリプトファン取込みを促進する、免疫応答を促進する、炎症を制御する、または腫瘍の進行を阻害する方法であって、請求項1、請求項9、請求項14または請求項17に記載の方法によって製造された組成物の有効量を投与することを含む方法。
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