JP5333396B2 - 単結晶の製造方法及び単結晶製造装置 - Google Patents

単結晶の製造方法及び単結晶製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法によって単結晶を育成する際にヒーターの出力を制御しながら単結晶の引き上げを行う単結晶の製造方法及び単結晶製造装置に関する。
半導体集積回路等の基板材料であるシリコン単結晶の製造方法の一つとして、ルツボ内の原料融液から円柱状の単結晶を引き上げるチョクラルスキー法(以下CZ法とも記載する)が用いられている。
このCZ法においては、単結晶製造装置のチャンバー内に設置した石英ルツボに原料である多結晶を充填し、石英ルツボを支持するための黒鉛ルツボを囲繞する円筒状のヒーターによって原料を加熱溶解した後、シードチャックに取り付けた種結晶を融液に浸漬させ、シードチャック及びルツボを同一方向又は逆方向に回転させながら、シードチャックを引き上げて単結晶を成長させる(例えば特許文献1参照)。
上記したような単結晶製造装置において、石英ルツボを支持する黒鉛ルツボは、単結晶引き上げ終了後に残った融液が固まった場合でも割れないように、分割可能なものとされている。
特開平3−97688号公報
従来の単結晶製造におけるヒーターの温度制御のフローを図7に示す。図7に示すように、従来の単結晶製造装置において、放射温度計により検出したヒーター温度を制御機構にフィードバックしながら、目標温度となるようにヒーター出力の制御を行っている。
しかし、黒鉛ルツボが分割構造であると、分割部付近とそれ以外の部分で黒鉛ルツボに温度勾配が生じる。特に、CZ法において結晶中の酸素濃度を制御するために、ルツボを低速の回転速度で引上げる場合(例えば回転速度0.3rpm以下)では、黒鉛ルツボ表面の僅かな温度勾配でも、ヒーターの温度を測定するための測温部に温度勾配が現れる。そのため、ヒーター温度を検出している放射温度計も、黒鉛ルツボの回転速度の周期毎に訪れる温度変化を検出してしまう。
このような放射温度計の検出値が安定していない場合、炉内温度が安定していないと判断して、制御機構は目標温度に合うように温度制御を行っていた。しかし、周期的な検出温度の変化は、最終的な制御対象である融液温度には現れておらず、原料融液の温度制御にとって、黒鉛ルツボの温度勾配によりもたらされるヒーターの検出温度の周期的な変動は、不要な外乱要因となっていた。
以上により、ヒーター出力はルツボ回転周期の変動に追従して変化し安定せず、ルツボ回転速度が約0.1rpmの場合には、ヒーター出力は10kW程度の変動が見られた。このため、引き上げる単結晶の直径等にも変動が生じて、歩留まりの低下等の問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、分割された黒鉛ルツボを具備する単結晶製造装置を用いて単結晶を引き上げる際、特に低速の回転速度で引上げる場合にも、原料融液の温度には影響のない外乱要因を排除してヒーター温度を正確に検出し、ヒーター出力を安定して制御することができる単結晶の製造方法及び単結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、チャンバー内に、分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと、該黒鉛ルツボに支持された石英ルツボと、前記黒鉛ルツボを囲繞するヒーターとが装備された単結晶製造装置を用いて、チョクラルスキー法により、前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボを回転させ、前記ヒーターの温度を測定し、該測定したヒーターの温度を基に前記ヒーターの出力を制御しながら、前記石英ルツボ中の原料融液から単結晶を引き上げる単結晶の製造方法であって、前記ヒーターの温度を、前記回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置で測定して検出し、該測定したヒーターの温度の2以上の検出値を基に前記ヒーターの出力を制御しながら、前記単結晶を引き上げることを特徴とする単結晶の製造方法を提供する。
このように、ヒーターの温度を、回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置で測定して検出し、該測定したヒーターの温度の2以上の検出値を基にヒーターの出力を制御しながら、単結晶を引き上げることで、一つの測定位置で分割部に対応する部分の温度を検出した時、他方の測定位置では、分割部と対応する位置以外の温度を検出しているため、黒鉛ルツボ回転中に、分割部に対応する位置と異なる測定位置における温度を常に検出することができる。このため、高温の検出値を示す分割部の影響の少ない、原料融液の温度に直接反映するヒーター温度を、常にいずれかの測定位置で測定することができる。このような検出値を基にして、ヒーター出力を精度良く安定して制御することができ、軸方向で直径等の変動が少ない高品質の単結晶を歩留まり良く製造することができる。
このとき、前記ヒーターの出力を、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基に制御することができる。
このように、ヒーターの出力を、測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基に制御することで、黒鉛ルツボの分割部に対応する位置では他の位置より高い温度を検出するため、2以上の検出値間の最小値は黒鉛ルツボの分割部の影響の少ない部分の温度であり、当該最小値を基にヒーターの出力を簡易な方法で精度良く制御することができる。
このとき、前記ヒーターの出力を、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に制御することができる。
このように、ヒーターの出力を、測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に制御することで、平均値であれば、黒鉛ルツボの分割部の影響が低減されるため、ヒーターの出力を、簡易な方法でこれまでより精度良く制御することができる。
このとき、前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボの回転数を、0.1〜0.3rpmとすることができる。
このように、黒鉛ルツボ及び石英ルツボの回転数を、0.1〜0.3rpmとすることで、当該低速の回転数では、ヒーター温度の測温部に黒鉛ルツボの表面の温度勾配の影響が出やすく、本発明の方法を用いるのに好適である。
このとき、前記黒鉛ルツボを二分割されたものとし、前記ヒーターの温度の各測定位置を、前記黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置とすることが好ましい。
このように、黒鉛ルツボを二分割されたものとし、ヒーターの温度の各測定位置を、黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置とすることで、一つの測定位置が黒鉛ルツボの分割部と対応する位置に一致した場合に、当該分割部付近の温度勾配の影響が少ない位置まで他の測定位置が離れているため、ヒーターの温度を確実に精度良く検出することができる。
また、本発明は、チョクラルスキー法によって、チャンバー内で、分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと該黒鉛ルツボに支持された石英ルツボを回転させながら、前記石英ルツボ中の原料融液から単結晶を引き上げる単結晶製造装置であって、該単結晶製造装置は、少なくとも、前記チャンバーと、前記分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと、前記石英ルツボと、前記黒鉛ルツボを囲繞し、前記原料融液を加熱するヒーターと、該ヒーターの温度を測定するための2以上の放射温度計と、前記ヒーターの出力を制御する制御機構とを備え、前記2以上の放射温度計は、前記回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置に配置され、前記制御機構は、前記測定されたヒーターの温度の2以上の検出値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることを特徴とする単結晶製造装置を提供する。
このように、単結晶製造装置が、ヒーターの温度を測定するための2以上の放射温度計と、ヒーターの出力を制御する制御機構とを備え、2以上の放射温度計は、回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置に配置され、制御機構は、前記測定されたヒーターの温度の2以上の検出値を基にヒーターの出力を制御するものであれば、一つの放射温度計で分割部に対応する部分の温度を検出した時でも、他方の放射温度計では、分割部と対応する位置以外の温度を検出しているため、常に、分割部に対応する位置と異なる測定位置における温度を検出することができる。このため、黒鉛ルツボ表面の温度勾配の影響の少ない、原料融液の温度に直接反映する部分のヒーター温度を常に正確に測定することができる。これにより、ヒーター出力を精度良く安定して制御することができ、直径等の変動が少ない高品質の単結晶を歩留まり良く製造することができる装置となる。
このとき、前記制御機構は、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることができる。
このように、制御機構は、測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基にヒーターの出力を制御するものであれば、放射温度計は、黒鉛部材の分割部に対応する位置を測定する場合、高い温度を検出するため、分割部と離れた測定位置での検出値が2以上の検出値間の最小値となる。このため、ヒーターの出力を、当該最小値を基に制御することで、黒鉛ルツボの分割部の影響を低減して、簡易な方法で精度良く制御することができる装置となる。
このとき、前記制御機構は、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることができる。
このように、制御機構は、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであれば、黒鉛ルツボの分割部の影響が低減され、ヒーターの出力を当該平均値を基に、簡易な方法でこれまでより精度良く制御することができる装置となる。
このとき、前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボは、0.1〜0.3rpmで回転するものとすることができる。
このように、黒鉛ルツボ及び石英ルツボは、0.1〜0.3rpmで回転するものとすることで、当該低速の回転数では、ヒーター温度の測温部に黒鉛ルツボの分割部付近の温度勾配の影響が出やすく、本発明の装置であれば、当該温度勾配のヒーターの温度検出への影響を低減でき、好適である。
このとき、前記黒鉛ルツボは二分割されたもので、前記2以上の放射温度計の各測定位置は、前記黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置であることが好ましい。
このように、黒鉛ルツボは二分割されたもので、2以上の放射温度計の各測定位置は、黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置であれば、一つの放射温度計の測定位置が黒鉛ルツボの分割部と対応する位置に一致した時に、当該分割部における温度勾配の影響が少ない位置まで他の放射温度計の測定位置が離れているため、ヒーターの温度を安定して精度良く検出することができる装置となる。
以上のように、本発明によれば、ヒーター温度検出への不要な外乱要因を排除してヒーター温度を正確に検出し、ヒーター出力を安定して精度良く制御することができるため、引き上げ軸方向で直径等の変動が少ない高品質の単結晶を歩留まり良く製造することができる。
本発明における二分割された黒鉛ルツボの各回転位置における上面状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値間の最小値を真値として補正した検出値(c)と、該補正された検出値を基に制御されたヒーター出力(d)を示す図である。 本発明における三分割された黒鉛ルツボの各回転位置における上面状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値間の最小値を真値として補正した検出値(c)と、該補正された検出値を基に制御されたヒーター出力(d)を示す図である。 従来法と本発明により検出されたヒーター温度の検出値の変動率を示すグラフである。 本発明の単結晶製造装置の実施態様の一例を示す概略図である。 本発明の単結晶製造装置においてヒーター出力を制御するフローを示す図である。 実施例、比較例において引き上げた単結晶の直径変動幅を測定した結果を示すグラフである。 従来の単結晶製造装置においてヒーター出力を制御するフローを示す図である。 従来における回転する黒鉛ルツボの各回転位置における上面状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値を基に制御されたヒーター出力(c)を示す図である。
従来の単結晶製造において、ヒーターの温度を測定しながら、該測定したヒーター温度を基にヒーター出力を制御する際、黒鉛ルツボの回転速度が0.1〜0.3rpmといった低速回転になるとヒーターの出力制御が安定せず、単結晶の直径変動が生じるという問題があった。
このような問題に対して、本発明者らは以下のような検討を行った。
図8は、回転する黒鉛ルツボの各回転位置における状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値を基に制御されたヒーター出力(c)を示す図である。
図8に示すように、ヒーター温度の検出値の変動は、ルツボ位置(回転角度)に依存する。つまり、黒鉛ルツボの分割部が、放射温度計の測定位置の前を通る時、測温部(検出値)は周期的に高温となり、分割部が測定位置からずれているときには測温部が周期的に低温となっている。このような検出される温度変動幅は、ルツボの回転速度に依存し、速度が遅くなるにつれ、変動幅が大きくなる。これは、黒鉛ルツボの分割部の温度勾配が測温部へ伝わるまでの応答時間が存在し、回転速度が遅くなるほど、測温部へ伝わる応答時間が長くなるためと考えられる。
このような検出値の変動に従って、ヒーターの出力も変動するように制御されるが、上記検出値の変動は、黒鉛ルツボの分割部での温度勾配が起因のものであり、原料融液の温度に影響するヒーター温度を反映するものではない。このため、図8のようなヒーターの検出値の変動により、ヒーター出力の不安定化、さらには引き上げる単結晶の直径等の変動が生じていた。
このような問題に対して、本発明者らは、ヒーターの温度を、回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置で測定して検出し、該測定したヒーターの温度の2以上の検出値を基にヒーターの出力を制御しながら、単結晶を引き上げることで解決できることを見出して、本発明を完成させた。
図1に、本発明における二分割された黒鉛ルツボの各回転位置における上面状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値間の最小値を真値として補正した検出値(c)と、該補正された検出値を基に制御されたヒーター出力(d)を示す。図2に、本発明における三分割された黒鉛ルツボの各回転位置における上面状態図(a)と、各状態における、放射温度計によるヒーター温度の検出値(b)と、該検出値間の最小値を真値として補正した検出値(c)と、該補正された検出値を基に制御されたヒーター出力(d)を示す。なお、図1,2のヒーターの温度測定、出力制御は、ルツボを空焼きしながら行った。
図1(a)では、2つの放射温度計a、bを回転角90°の間隔を空けて配置している。図1(b)に示すように、黒鉛ルツボの分割部が放射温度計bの前付近を通る時、放射温度計bの検出値は高温のピークを示している。一方、放射温度計aの検出値は、上記放射温度計bの高温のピークの位置から黒鉛ルツボの分割部が約90°回転した位置(分割部が放射温度計aの前付近を通る時)で高温のピークを示している。
そして、このような2つの放射温度計a、bの検出値のうち、最小値を真値として採用して補正したものが図1(c)である。図1(c)に示すように、黒鉛ルツボの分割部起因の高温のピークは消去されている。この補正した検出値を基に制御した図1(d)に示すヒーター出力は、安定している。
図2では、3つの放射温度計c、d、eを回転角40°ずつ間隔を空けて配置している。それぞれの放射温度計c、d、eにより、図2(b)のヒーター温度が検出された。各検出値の平均値を真値として補正したものが図2(c)である。この場合にも、高温のピークは消去され、当該平均値を基に制御した図2(d)に示すヒーター出力も安定している。
以上の図1、2、8に示す検出値の変動率を比較したグラフを図3に示す。図3に示すように、本発明であれば、黒鉛ルツボ分割部の影響を抑えてヒーター温度の検出値の変動率を低減でき、安定したヒーター出力制御を行うことができることがわかる、これにより、直径変動のない高品質の単結晶を歩留まり良く製造できることがわかる。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明の単結晶製造装置を以下説明する。図4は、本発明の単結晶製造装置の実施態様の一例を示す概略図である。図5は、本発明の単結晶製造装置においてヒーター出力を制御するフローを示す図である。
図4に示すように、本発明の単結晶製造装置10は、少なくとも、チャンバー20内に、分割されて分割部を有する黒鉛ルツボ11と、該黒鉛ルツボ11に支持された石英ルツボ12と、その内に収容された原料融液17から単結晶18を引き上げる引上げ機構19と、原料を溶融するためのヒーター13と、ヒーター13の外側の断熱部材21と、ヒーター13の温度を測定するための放射温度計15、15’と、ヒーター13の出力を制御する制御機構16と、黒鉛ルツボ11や石英ルツボ12を回転させるためのルツボ回転軸14とを備えるものである。
黒鉛ルツボ11は、単結晶18の引き上げ後に残った原料融液17が固まった際に割れないように、縦方向に分割されている。このため、黒鉛ルツボ11は回転軸方向(縦方向)にルツボ下面まで続く分割部を有する。
このヒーター出力の制御は、図5に示すように、制御機構が電源装置でヒーター出力を制御し、この際、ヒーター温度を2以上の放射温度計により測定して、該測定された検出値と設定温度を基にヒーター出力が制御される。この際、図4のようにヒーター温度の測温部を、直接ヒーター13の表面とすることもできるが、高温に対する対策が必要となるので、ヒーター13外側の断熱部材21の表面とすることにより、間接的にヒーター13の温度を測定することもできる。
そして、本発明では、図1(a)に示すように、放射温度計15,15’は、回転する黒鉛ルツボ11の分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置に配置され、制御機構16は、測定されたヒーター13の温度の2以上の検出値を基にヒーター13の出力を制御するものである。
このように、ヒーター温度の測定位置が黒鉛ルツボ11の分割部に同時に一致しないように2以上の放射温度計を配置することで、回転する黒鉛ルツボ11の分割部と対応する位置と異なる測定位置でのヒーター温度を、常にいずれかの放射温度計15,15’で検出することができる。このため、分割部での温度勾配起因の検出値の変動を2以上の検出値により低減するように補正することができ、この補正された検出値でヒーター出力を安定して制御することができる。これにより、原料融液17の温度を安定して所望の温度とすることができ、引き上げる単結晶の直径等の変動を低減できる装置となる。
このような放射温度計15,15’は、黒鉛ルツボ11が二分割されたものであれば、黒鉛ルツボ11の回転軸を中心として回転角が好ましくは20〜160°、より好ましくは45〜135°離れた位置に配置することができ、例えば、図1(a)のように、回転角が90°離れた位置に配置することができる。
上記範囲で離れた位置であれば、少なくとも一つの放射温度計の検出値では黒鉛ルツボ11の分割部における温度勾配の影響が十分に小さいため、より正確にヒーター温度を検出することができる装置となる。
また、図2(a)に示すように3つの放射温度計を配置することもでき、又は、3つ以上配置することも可能である。
また、制御機構16は、測定したヒーター温度の2以上の検出値間の最小値又は平均値を基に、ヒーター13の出力を制御することが好ましい。
このように、検出値のうち最小値、又は、検出値間の平均値を真値として補正された検出値を基に制御すれば、黒鉛ルツボ11の分割部起因の高温のピークを容易に消去でき、安定した検出値を基にヒーター出力を制御できる装置となる。また、平均値を用いる場合には、黒鉛ルツボ11の分割数や放射温度計の数が3つ以上である方が高温のピークをより効果的に低減することができる。
また、黒鉛ルツボ11及び石英ルツボ12は、0.1〜0.3rpmで回転するものとすることができる。
このような低速で回転させる場合には、特に黒鉛ルツボ11の分割部の温度の影響がヒーター温度の測温部までよく伝わり、検出値に高温のピークが生じやすいため、当該高温のピークを低減できる本発明の装置が好適である。
次に、上記のような本発明の単結晶製造装置を用いた本発明の単結晶の製造方法の一例について、以下説明する。
図4に示す単結晶製造装置10を用いて、チョクラルスキー法により、黒鉛ルツボ11及び石英ルツボ12を回転させ、ヒーター13の温度を測定し、該測定したヒーター13の温度を基にヒーター13の出力を制御しながら、石英ルツボ12中の原料融液17から単結晶18を引き上げる。
この際、本発明では、上記単結晶18の引き上げを、ヒーター13の温度を、回転する黒鉛ルツボ11の分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置で測定して検出し、該測定したヒーター13の温度の2以上の検出値を基にヒーター13の出力を制御しながら行う。
これにより、黒鉛ルツボ11の分割部が原因の不要なノイズを除去して、実際のヒーター温度が反映されたヒーター出力の制御を安定して行うことができる。
ここで、黒鉛ルツボ11及び石英ルツボ12を、0.1〜0.3rpmで回転させながら単結晶18を引き上げることができる。
酸素濃度の低い単結晶の製造の際にはルツボの回転速度を0.1〜0.3rpmといった低速にする必要があるが、本発明の製造方法は、このような黒鉛ルツボの回転速度が低速の場合に特に好適である。
ヒーター13の出力を、測定したヒーター13の温度の2以上の検出値間の最小値又は平均値を基に制御することが好ましい。
また、黒鉛ルツボ11を二分割されたものとし、ヒーター13の温度の各測定位置を、黒鉛ルツボ11の回転軸を中心として回転角が好ましくは20〜160°、より好ましくは45〜135°離れた位置とすることができる。
このような位置関係にすることにより、上述したように、より正確なヒーター温度を検出でき、安定した単結晶引き上げを行うことができる。
上述したような、本発明の単結晶製造装置及び単結晶の製造方法であれば、不要なノイズのない正確なヒーター温度検出が可能であるため、ヒーター出力を精度良く安定して制御でき、特に、直径が200mm以上(特に300mmあるいは450mm以上)の大口径の単結晶を引き上げる際にも、直径変動の少ない高品質な単結晶を引き上げることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1(a)に示すような2分割された黒鉛ルツボを配備した図4に示す単結晶製造装置を準備し、直径26インチ(650mm)の石英ルツボに原料多結晶シリコンを180kgチャージし、直径200mmの単結晶を製造した。この際の黒鉛ルツボ及び石英ルツボの回転速度は0.2〜0.3rpmとした。
この際、二つの放射温度計を図1(a)に示すように、回転角90°の間隔で配置し、ヒーター温度の検出値のうち最小値を基にヒーター出力を制御した。
(比較例)
実施例と同様に、ただし、図8のように放射温度計は一つ配置し、当該放射温度計の検出値を基にヒーター出力を制御した。
実施例、比較例において引き上げた単結晶の直径変動幅を測定した結果を図6に示す。この際、引き上げた単結晶の軸方向に1600〜1800mmの200mmの範囲の直径を比較した。
図6に示すように、比較例の場合、検出した温度の周期的な変動の影響を受けて、直径も周期的に変動している様子が顕著である。比較例の直径変動幅が約3mmに対して、一方、実施例では直径変動幅が1mm以下にまで抑えることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…単結晶製造装置、 11…黒鉛ルツボ、 12…石英ルツボ、
13…ヒーター、 14…ルツボ回転軸、 15、15’…放射温度計、
16…制御機構、 17…原料融液、 18…単結晶、 19…引上げ機構、
20…チャンバー、 21…断熱部材。

Claims (10)

  1. 少なくとも、チャンバー内に、分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと、該黒鉛ルツボに支持された石英ルツボと、前記黒鉛ルツボを囲繞するヒーターとが装備された単結晶製造装置を用いて、チョクラルスキー法により、前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボを回転させ、前記ヒーターの温度を測定し、該測定したヒーターの温度を基に前記ヒーターの出力を制御しながら、前記石英ルツボ中の原料融液から単結晶を引き上げる単結晶の製造方法であって、
    前記ヒーターの温度を、前記回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置で測定して検出し、該測定したヒーターの温度の2以上の検出値を基に前記ヒーターの出力を制御しながら、前記単結晶を引き上げることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記ヒーターの出力を、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基に制御することを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記ヒーターの出力を、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に制御することを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  4. 前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボの回転数を、0.1〜0.3rpmとすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。
  5. 前記黒鉛ルツボを二分割されたものとし、前記ヒーターの温度の各測定位置を、前記黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。
  6. チョクラルスキー法によって、チャンバー内で、分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと該黒鉛ルツボに支持された石英ルツボを回転させながら、前記石英ルツボ中の原料融液から単結晶を引き上げる単結晶製造装置であって、
    該単結晶製造装置は、少なくとも、前記チャンバーと、前記分割されて分割部を有する黒鉛ルツボと、前記石英ルツボと、前記黒鉛ルツボを囲繞し、前記原料融液を加熱するヒーターと、該ヒーターの温度を測定するための2以上の放射温度計と、前記ヒーターの出力を制御する制御機構とを備え、
    前記2以上の放射温度計は、前記回転する黒鉛ルツボの分割部と対応する円周方向の角度位置に同時に一致しない2以上の測定位置に配置され、前記制御機構は、前記測定されたヒーターの温度の2以上の検出値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることを特徴とする単結晶製造装置。
  7. 前記制御機構は、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の最小値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることを特徴とする請求項6に記載の単結晶製造装置。
  8. 前記制御機構は、前記測定したヒーターの温度の2以上の検出値間の平均値を基に前記ヒーターの出力を制御するものであることを特徴とする請求項6に記載の単結晶製造装置。
  9. 前記黒鉛ルツボ及び前記石英ルツボは、0.1〜0.3rpmで回転するものであることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  10. 前記黒鉛ルツボは二分割されたもので、前記2以上の放射温度計の各測定位置は、前記黒鉛ルツボの回転軸を中心として回転角が20〜160°離れた位置であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
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