JP5333195B2 - 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置 - Google Patents

内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5333195B2
JP5333195B2 JP2009292733A JP2009292733A JP5333195B2 JP 5333195 B2 JP5333195 B2 JP 5333195B2 JP 2009292733 A JP2009292733 A JP 2009292733A JP 2009292733 A JP2009292733 A JP 2009292733A JP 5333195 B2 JP5333195 B2 JP 5333195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
high noise
knock
knock determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009292733A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011132883A (ja
Inventor
博人 田中
靖通 井上
直 村瀬
聡 渡邉
健次 千田
紀仁 花井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009292733A priority Critical patent/JP5333195B2/ja
Publication of JP2011132883A publication Critical patent/JP2011132883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5333195B2 publication Critical patent/JP5333195B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動強度とこの振動強度の推移を示す振動強度波形とに基づいてノック判定する内燃機関ノック判定装置、及びこの内燃機関ノック判定装置を用いた内燃機関ノック制御装置に関する。
内燃機関のノッキング検出においてノイズが重畳した場合でのノック判定の精度を維持する処理が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1では可変動弁機構とされている吸気弁の閉弁タイミングに対応させてノイズを推定することにより、ノック信号のS/Nが悪化すると推定される場合にはノック判定を不可能と判定するものである。
特許文献2では気筒毎にピストンが共振することによるノイズがノック信号に重畳した場合に、該当気筒のノック判定ではピストンノイズに対応する低い周波数帯をノック判定対象から除外している。
特許文献3では可変動弁機構のバルブタイミングにより閉弁時のノイズがノック信号に重畳する場合に、ノイズの周波数成分を用いずにノック判定している。
特許文献4では可変動弁機構のバルブタイミングを、閉弁時のノイズがノック信号に重畳しないように調節する。
特許文献5ではノッキング発生時の遅角補正量が所定値以上となったときに可変動弁機構によりバルブタイミングやリフト量の特性を変更している。
特開2004−11626号公報(第5,6頁、図3) 特開2005−98192号公報(第6,7頁、図3,6) 特開2004−52614号公報(第8,9頁、図8〜12) 特開平11−229951号公報(第5,6頁、図2) 実開平3−41150号公報(第1頁、図10)
特許文献1のごとく周波数帯域とは無関係に推定するS/Nが悪化する場合にノック判定を不可能としていることから、ノック判定の頻度が高まり、実際にはノック判定には問題ないノック信号が得られている場合にも、高精度なノック判定が継続されないことがある。
特許文献2,3のごとくピストンノイズや可変動弁機構によるバルブ着座ノイズに対応した周波数帯を完全に除いてノック判定した場合には、ノック判定するための信号データが不足するおそれがあり高精度なノック判定の継続ができなくなるおそれがある。
特許文献4,5のごとくバルブ着座ノイズがノック信号に重畳する状態となると可変動弁機構によるバルブタイミング調節状態を変更する場合には、最適なバルブタイミングからの変更となるおそれがあり、内燃機関の効率的な運転を阻害するおそれがある。
本発明は、可変動弁機構のごとく内燃機関にて駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系によるノイズの発生状態において、高精度なノック判定の機会を増加できるノック判定装置、及びこの内燃機関ノック判定装置を用いた内燃機関ノック制御装置を実現することを目的とするものである。更にノイズの程度により内燃機関運転状態を変更する構成とした場合も、できるだけ内燃機関の効率的な運転状態を変更することなく、高精度なノック判定を継続できるノック判定装置、及びこの内燃機関ノック判定装置を用いた内燃機関ノック制御装置を実現することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関ノック判定装置は、駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動強度とこの振動強度の推移を示す振動強度波形とに基づいてノック判定するノック判定装置であって、複数の周波数帯域の各々に対して前記ノックセンサにより検出される振動強度を求める複数帯域振動強度検出手段と、前記複数帯域振動強度検出手段にて求められた振動強度を、全周波数帯域について合算して、ノック判定の対象とするための前記振動強度と前記振動強度波形とを求める判定対象値算出手段と、前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定する高ノイズ状態判定手段と、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記判定対象値算出手段による振動強度の合算に際して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを、7kHzを含む7kHz近傍の領域に設定された7kHz帯域に対して相対的に低下させる高ノイズ時処理手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の内燃機関ノック判定装置は、駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動強度とこの振動強度の推移を示す振動強度波形とに基づいてノック判定するノック判定装置であって、複数の周波数帯域の各々に対して前記ノックセンサにより検出される振動強度を求める複数帯域振動強度検出手段と、前記複数帯域振動強度検出手段にて求められた振動強度を、全周波数帯域について合算して、ノック判定の対象とするための前記振動強度と前記振動強度波形とを求める判定対象値算出手段と、前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定する高ノイズ状態判定手段と、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記判定対象値算出手段による振動強度の合算に際して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを他の周波数帯域に対して相対的に低下させる高ノイズ時処理手段と、を備え、前記判定対象値算出手段は、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されている場合には、求めるノック判定対象は振動強度のみに制限することを特徴とする。
このように高ノイズ時処理手段は、高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを他の周波数帯域に対して相対的に低下させている。これは、前記他の周波数帯域に対する重み付けを前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対して相対的に増加させていることと同じである。
このことにより高ノイズ状態が前記駆動系によるものであれば、前記駆動系の影響のないあるいは影響の少ない他の周波数帯域の重み付けが高まることにより、ノイズの影響を抑制して高精度なノック判定を継続させることができる。
高ノイズ状態が前記駆動系によるものでない場合には、前述したごとく重み付けを変更しても、高ノイズ状態が解消されないので、このときに初めて何らかの対策処理、例えばノックセンサの検出によるノック判定を停止するなどの高ノイズ状態時の処理を実行すれば良いことになる。
したがって本発明の内燃機関ノック判定装置は、内燃機関にて駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系によるノイズの発生状態において高精度なノック判定の機会を増加できる。
また、特に駆動系によるノイズの周波数帯域以外の他の周波数帯域としては、通常、ピストン系のノイズが乗り易い低周波数側の7kHz帯域が挙げられる。これに対して、請求項1に記載の内燃機関ノック判定装置では、高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記判定対象値算出手段による振動強度の合算に際して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを、7kHzを含む7kHz近傍の領域に設定された7kHz帯域に対して相対的に低下させるようにしている。
したがって判定対象値算出手段による振動強度の合算時における周波数帯域毎の重み付けについては、7kHz帯域での重み付けよりも、駆動系によるノイズの周波数帯域での重み付けを、相対的に低くすることになる。すなわちピストン系のノイズの感度を相対的に上げ、駆動系のノイズに対する感度を相対的に低下させている。
このことにより駆動系の駆動タイミングの変化により高ノイズ状態になっても高精度なノック判定を継続できる。
そしてこのような重み付けの調節によっても高ノイズ状態が解消されなければ、ピストン系のノイズが高い状態にあるものとして、このとき初めて何らかの対策処理を実行すれば良いことになる。
また、請求項2に記載の内燃機関ノック判定装置では、前記判定対象値算出手段は、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されている場合には、求めるノック判定対象は振動強度のみに制限する。
高ノイズ状態で前述した重み付け変更を実行している場合には、振動強度波形に影響することから、振動強度波形を用いずにノック判定対象は振動強度のみに制限することとしても良い。このことにより高精度なノック判定が継続できる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、内燃機関のシリンダーヘッドに設けられた駆動系であることを特徴とする。
特に前記駆動系は、内燃機関のシリンダーヘッドに設けられた駆動系である場合に、ノック検出時のノイズへの影響が大きくなる傾向にあるので、このような駆動系において特に有効である。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、閉弁タイミングが変更可能な可変動弁機構であることを特徴とする。
前記駆動系としては、可変動弁機構が挙げられ、閉弁タイミング、すなわちバルブ着座タイミングが可変とされることにより、バルブ着座に伴うノイズがノックセンサが検出するノック信号に重畳することがある。このようにバルブ着座に伴って高ノイズ状態となった場合には、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続することができる。
可変動弁機構による閉弁タイミングがノイズの原因でない場合には重み付けを変更しても、高ノイズ状態が解消されないので、このときに初めて何らかの対策処理を実行すれば良いことになる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記可変動弁機構は吸気弁の可変動弁機構であることを特徴とする。
前記可変動弁機構としては、吸気弁の可変動弁機構が挙げられ、高ノイズ状態となった場合にも、それが吸気弁のバルブ着座に伴った高ノイズ状態である場合には、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続できる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記可変動弁機構は排気弁の可変動弁機構であることを特徴とする。
前記可変動弁機構としては、排気弁の可変動弁機構が挙げられ、高ノイズ状態となった場合にも、それが排気弁のバルブ着座に伴った高ノイズ状態である場合には、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続できる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、高圧燃料系であることを特徴とする。
前記駆動系としては、高圧燃料系が挙げられ、高圧燃料系における機構、例えばリリーフ弁、高圧燃料ポンプ、燃料噴射弁等の駆動タイミングは内燃機関の運転状態により変化する。このことによりバルブ着座など、機構の駆動に伴うノイズが、ノックセンサが検出するノイズ信号に重畳することがある。
このように高圧燃料系の駆動に伴って高ノイズ状態となった場合には、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続できる。
高圧燃料系の駆動が原因でない場合には重み付けを変更しても、高ノイズ状態が解消されないので、このときに初めて何らかの対策処理を実行すれば良いことになる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、燃料噴射弁であることを特徴とする。
前記駆動系としては燃料噴射弁が挙げられる。この燃料噴射弁の駆動タイミングは内燃機関の運転状態により変化し、駆動に伴うノイズがノックセンサが検出するノック信号に重畳することがある。このように燃料噴射弁の駆動に伴って高ノイズ状態となった場合には、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続できる。
燃料噴射弁が原因でない場合には重み付けを変更しても、高ノイズ状態が解消されないので、このときに初めて何らかの対策処理を実行すれば良いことになる。
請求項に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記燃料噴射弁は筒内噴射型であることを特徴とする。
特に筒内噴射型の燃料噴射弁の駆動によるノイズはその配置上、ノックセンサのノイズとして検出され易い。このノイズに起因して高ノイズ状態となったとしても、前述したごとく重み付けを変更することにより、高精度なノック判定を継続できる。
請求項10に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記燃料噴射弁は筒内噴射型であると共に、内燃機関は、別途、吸気ポートにポート噴射型の燃料噴射弁を備えて、これら2つの燃料噴射弁の駆動を内燃機関運転状態に応じて選択しているものであることを特徴とする。
このように2種類の燃料噴射弁の駆動を内燃機関運転状態に応じて選択している内燃機関においても、筒内噴射型の燃料噴射弁については上述したごとくノイズを生じ易い。したがって上述したごとく重み付けを変更することにより高精度なノック判定を継続できる。
請求項11に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1〜10の何れか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されなくなると、前記高ノイズ時処理手段は重み付け処理を停止し、前記判定対象値算出手段はノック判定対象の制限を停止することを特徴とする。
高ノイズ時処理手段の処理中に高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されなくなれば、重み付けを変更する処理や、ノック判定対象を制限する処理を停止する。このことにより元のノック判定処理に戻して、高精度なノック判定を継続することができる。
請求項12に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ時処理手段の処理実行中に高ノイズ状態の有無を判定する重み付け処理時高ノイズ状態判定手段と、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されると、前記高ノイズ時処理手段による重み付け処理を停止させると共に、前記駆動系における駆動状態を変更することにより前記ノックセンサの検出に影響するノイズを低減させる駆動系ノイズ低減手段とを備えたことを特徴とする。
このように高ノイズ時処理手段により前述したごとく重み付けを変更しても、ピストン系が高ノイズ発生状態であるために高ノイズ状態が解消されない場合には、駆動系ノイズ低減手段が、高ノイズ時処理手段による重み付け処理を停止すると共に、駆動系における駆動状態を変更している。このことによりノックセンサの検出に影響するノイズを低減させると共に、通常の重み付けに戻して高精度にノック判定できるようにしている。
したがってノイズ低減のための駆動系の駆動状態変更は、高ノイズ状態となって直ちに行われるのではなく、一旦、高ノイズ時処理手段による処理を実行して、このことによっても高ノイズ状態が解消できない場合に初めて行われることになる。
このため、ノイズの程度により内燃機関運転状態を変更する構成とした場合も、できるだけ内燃機関の効率的な運転状態を変更することなく、高精度なノック判定を継続させることができる。
請求項13に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項12に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、ノック制御処理により実行される点火時期フィードバック制御における点火時期調節の誤差の程度に応じて、前記高ノイズ時処理手段の処理実行中における高ノイズ状態の有無を判定することを特徴とする。
高ノイズ状態は前記点火時期調節の誤差を招くことから、この誤差(点火時期の誤遅角や誤進角)が大きくなることで、高ノイズ状態が判明する。したがって点火時期調節の誤差の程度に応じて、高ノイズ時処理手段の処理実行中において解消できない高ノイズ状態の有無を判定できる。
請求項14に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項13に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、ノック制御処理により実行される点火時期フィードバック制御における学習値の変化に基づいて前記点火時期調節の誤差の程度を検出することを特徴とする。
前記点火時期調節の誤差は、学習値に反映されていることから、学習値の変化に基づいて点火時期調節の誤差の程度、すなわちノイズの程度を容易に検出することができる。
請求項15に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項14に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、前記高ノイズ時処理手段の処理実行開始時からの前記学習値の変化量が基準量以上となった場合に高ノイズ状態にあると判定することを特徴とする。
このように高ノイズ時処理手段の処理実行開始時からの学習値の変化量が、前記誤差の程度を表すと共に、高ノイズ時処理手段の処理実行によっても解消できないノイズの程度を表すことになる。したがって、この学習値の変化量が基準量以上となった場合に、高ノイズ状態にあると容易に判定することができる。
請求項16に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1215のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系ノイズ低減手段の処理が実行された場合には、前記判定対象値算出手段はノック判定対象に対する制限を停止すると共に、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は停止して、前記高ノイズ状態判定手段のみにて高ノイズ状態か否かを判定することを特徴とする。
このように駆動系ノイズ低減手段の処理実行後には、ノック判定対象が振動強度のみに制限された状態から振動強度と振動強度波形とに基づいてノック判定する状態に戻し、高ノイズ状態判定手段のみによるノイズ判定に戻すことにより、高精度なノック判定を継続することができる。
請求項17に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1216のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系ノイズ低減手段の処理が実行された場合には、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態ではないと判定されると、通常時のノック判定処理に戻すノック判定復帰手段を備えたことを特徴とする。
このようなノック判定復帰手段の処理により、元の通常時のノック判定処理に戻すことができ、高精度なノック判定を継続することができる。
請求項18に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項17に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記ノック判定復帰手段にて通常時のノック判定処理に戻されてから、基準時間内に前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合には、前記高ノイズ時処理手段を実行せずに、前記駆動系ノイズ低減手段を実行することを特徴とする。
ノック判定復帰手段にて通常時のノック判定処理に戻されてから短時間内に高ノイズ状態となった場合には、直ちに高ノイズ時処理手段を実行するとノック制御自体が荒れる可能性がある。
したがって通常時のノック判定処理に復帰してから基準時間内に高ノイズ状態と判定された場合には、高ノイズ時処理手段を実行せずに直ちに前述した駆動系ノイズ低減手段の処理に移る。このことにより安定した高精度なノック判定を継続できる。
請求項19に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1〜18のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ状態判定手段は、前記ノックセンサの検出値に基づいて前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定することを特徴とする。
このようにノックセンサの検出値に基づいて高ノイズ状態を判定することができる。
請求項20に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項1〜18のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ状態判定手段は、前記ノックセンサの検出値を用いずに、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となるか否かを判定して、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となる場合に高ノイズ状態にあると判定し、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態にならない場合に高ノイズ状態にはないと判定することを特徴とする。
高ノイズ状態判定手段は、ノックセンサの検出値を用いずにノイズ状態を判定するものとしても良い。すなわち駆動系の駆動タイミングによって、ノイズ発生タイミングがノック信号と重畳するようになったり、重畳状態のノイズが大きくなるような状況となったりすれば、高ノイズ状態になるはずである。このことから駆動系の駆動タイミングにて高ノイズ状態にあるか否かを判定することができる。
請求項21に記載の内燃機関ノック判定装置では、請求項20に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ状態判定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となるか否かを判定することを特徴とする。
駆動系の駆動タイミングは、内燃機関の運転状態に連動しているので、内燃機関の運転状態に基づいて前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となるか否かを判定することができる。
請求項22に記載の内燃機関ノック制御装置は、駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動に対する振動強度判定と振動強度波形判定とに基づいてノック判定し、このノック判定の結果に基づいて点火時期を調節するノック制御装置であって、前記ノック判定は、請求項1〜21のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置により行うことを特徴とする。
上述した内燃機関ノック判定装置を用いることにより、内燃機関にて駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系によるノイズ発生状態においても高精度なノック判定の機会を増加できる。このことにより適切な点火時期を設定して良好なノック制御が可能となる。
実施の形態1のガソリンエンジンに対する制御系を示すブロック図。 実施の形態1のECUが実行するノック制御処理のフローチャート。 同じくノック制御処理のフローチャート。 同じく通常時モード実行処理のフローチャート。 同じく7kHzモード実行処理のフローチャート。 同じく重畳回避モード実行処理のフローチャート。 実施の形態1における各モードと設定値との対応を示す説明図。 同じく各モードと重み付け係数との関係を示す説明図。 クランク角°CAと振動強度との関係の一例を示すグラフ。 クランク角°CAと振動強度積算値との関係の一例を示すグラフ。 実施の形態1において各モードでの点火時期学習値akgの推移を示すタイミングチャート。 実施の形態1においてエンジンの運転状態と大着座ノイズ領域LNAとの関係を示すグラフ。 実施の形態2のECUが実行するノック制御処理のフローチャート。 同じく7kHzモード実行処理のフローチャート。 実施の形態3のガソリンエンジンに対する制御系を示すブロック図。
[実施の形態1]
図1の制御系ブロック図に、前述した内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置が適用された電子制御ユニット(以下「ECU」と称する)2、及びポート噴射火花点火式の直列4気筒ガソリンエンジン(以下「エンジン」と略す)4の構成を示す。
このエンジン4は車両駆動用に車両に搭載されたものである。図1では#1〜#4気筒の内の1気筒のみ示している。本実施の形態では直列4気筒として説明するが、6気筒や8気筒などのその他の気筒数の内燃機関、あるいはV型内燃機関であっても良い。
エンジン4の各燃焼室6には、サージタンク8a及び分岐管8bを含む吸気通路8を介して吸気が供給され、この吸気流中に気筒毎に吸気ポート8cに設けられた燃料噴射弁10から燃料が噴射されることで混合気を形成している。
そして点火タイミングにて点火プラグ12のスパークによる点火が行われることにより燃焼室6内の混合気が燃焼し、ピストン14が押し下げられて出力軸であるクランクシャフト16を回転させる。そして燃焼後の混合気は排気として燃焼室6から排気ポート18aに排出され、排気浄化触媒やマフラーを有する排気通路18を介して外部へ排出される。
ここで吸気ポート8cにて開閉弁動作する吸気バルブ20に開閉駆動力を伝達する吸気カムシャフト22には、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を調節して吸気バルブ20のバルブタイミング(開閉弁のクランク角)を連続的に進角又は遅角させるバルブタイミング可変機構24が設けられている。更に吸気カムシャフト22と吸気バルブ20との間には、吸気バルブ20の作用角を連続的に可変できる作用角可変機構26が全気筒共通の機構として設けられている。尚、作用角可変機構26は、吸気バルブ20の最大バルブリフト量は作用角に連動して連続変化する。
このようにエンジン4のシリンダーヘッド4bに設けられたバルブタイミング可変機構24と作用角可変機構26とにより、吸気バルブ20の可変動弁機構が形成されている。
作用角可変機構26による作用角調節制御により、アクセルペダル28の踏み込み量であるアクセル操作量ACCPに応じて、サージタンク8a側から燃焼室6内への吸入空気量を調節することによりエンジン4の出力が調節される。尚、吸気通路8の全気筒共通部分に設けられたスロットルバルブ30については、モータ30aによりエンジン4の停止時には全閉とされるが、エンジン4の運転時には、通常、全開に制御される。
排気バルブ32に開閉駆動力を伝達する排気カムシャフト34はクランクシャフト16により回転される。排気カムシャフト34はクランクシャフト16に直接連動している。したがって排気バルブ32についてはクランク角に対して一定の開閉タイミングであり、かつ一定の作用角にて駆動される。したがって排気バルブ32側の動弁機構については、可変動弁機構でなく、クランク角に対してバルブタイミングが固定されている。
ECU2は、エンジン4の燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量の制御以外に、点火時期制御、その他の処理を実行している。これらの処理のためにECU2は、機関回転数センサ36、冷却水温センサ38、スロットル開度センサ40、吸入空気量センサ42、アクセル操作量センサ44、カムポジションセンサ46、ノックセンサ48などによる検出信号を入力している。この他、排気系に設けられた空燃比センサなどからの検出信号を入力している。
機関回転数センサ36はクランクシャフト16の回転に対応した機関回転数NEを、冷却水温センサ38はエンジン温度としての冷却水温度THWを、スロットル開度センサ40はスロットルバルブ開度TAを、吸入空気量センサ42は吸入空気量GAを、アクセル操作量センサ44はアクセル操作量ACCPを検出している。更にカムポジションセンサ46は吸気バルブ20を駆動する吸気カム22aのカム角を、ノックセンサ48はエンジン4の燃焼行程時に生じる振動に対応したノック信号(ここでは電圧信号:V)を検出している。
ノックセンサ48はエンジン4のシリンダーブロック4aに取り付けられているが、ここでは直列4気筒の中央位置、すなわち#2気筒と#3気筒との間の位置にてシリンダーブロックに取り付けられて、#1〜#4気筒における燃焼時の振動を検出している。
ECU2は、これらの信号、記憶しているデータ、演算結果などに基づいて各種制御を実行する。すなわち点火プラグ12による点火時期、燃料噴射弁10の開弁制御による燃料噴射量や燃料噴射時期、吸気バルブ20のバルブタイミング、作用角調節、スロットルバルブ30の開度調節などの制御を実行する。
尚、ノックセンサ48からのノック信号については、ECU2内のフィルタ処理により、7kHz、10kHz、15kHz及び20kHzの各周波数帯域にてその振動強度を検出している。尚、各周波数帯域の帯域幅は、後述するモードにより異なるが、それぞれの周波数帯域の代表値を含む近傍の領域に設定されている。例えば、通常時モードでは、上記周波数(7kHz,10kHz,15kHz,20kHz)に対して±2.5kHzの帯域幅のゲートを介して検出している。
次にECU2が実行するノック制御処理について説明する。ノック制御処理は図2〜6のフローチャートに示すごとくであり、一定のクランク角周期毎に繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
ノック制御処理(図2〜6)が開始されると、まず冷却水温度THWが60℃以上となっているか否かが判定される(S100)。ここで始動後において冷却水温度THWが60℃未満の状態であれば(S100でNO)、本処理を一旦出る。
このTHW<60℃の場合には、別途の点火時期設定制御により点火時期が設定される。例えば、ここでは前回の内燃機関運転時においてECU2に記憶されている点火時期学習値が用いられて、現在の冷却水温度THWに対応した点火時期が設定される。そしてこの点火時期に基づいて点火制御が実行されることになる。以後、冷却水温度THW<60℃である限り、上述した処理が継続する。
エンジン4の運転継続により冷却水温度THWが上昇して、THW≧60℃となれば(S100でYES)、機関回転数センサ36及びカムポジションセンサ46の検出結果に基づいて4気筒の内のいずれかの気筒が、燃焼行程における一定のクランク角範囲にあるか否かが判定される(S102)。ここでは燃焼行程の0°〜90°CA(°CAはクランク角を表す)の範囲内か否かが判定される。いずれの気筒に対しても0°〜90°CAの範囲外であれば(S102でNO)、このまま本処理を一旦出る。以後、いずれの気筒に対しても0°〜90°CAの範囲外である限り(S102でNO)、ノック制御処理(図2〜6)では実質的な処理はなされない。
いずれかの気筒、例えば#1気筒が燃焼行程の0°CAとなった場合には(S102でYES)、次にシリンダーブロック4aにて振動を検出しているノックセンサ48の出力を読み込むことで、モードに対応したゲートによる各周波数帯域での振動強度を検出する(S104)。
尚、モードとしては、ノックセンサ48の検出値中のノイズの状態に応じて、通常時モード、7kHzモード、重畳回避モードの3つのモードがあり、このモード毎に図7の対応図に示すごとく制御用の設定値が設けられている。
現在、低ノイズ状態に実行される通常時モードであるとすると、前述したごとく通常の帯域幅(±2.5kHz)のゲートである。
次に0°〜90°CAの範囲において5°CA毎に分けたクランク角幅領域毎に、図7に示したごとく、モードに対応した周波数帯域毎の重み付けをして振動強度を積算する(S106)。図8は図7の周波数帯域の重み付けを、重み付け係数としてその具体的数値の一例を示したものである。
現在、通常時モードであるので図8に示すごとく、7kHz帯域において重み付け係数=0.25、他の3つの周波数帯域(10kHz,15kHz,20kHz)では重み付け係数=1に設定されている。この重み付け係数が、検出された周波数帯域毎の振動強度に乗算されて、その値が全周波数帯域にて積算されることになる。
今回の振動強度検出が0°CA以上で5°CA未満であれば、図9のグラフに示すごとく、0°CA〜5°CAのクランク角幅領域にてクランク角度周期で検出した振動強度(0°CA〜5°CAのハッチング部分:ここでは電圧値)が各周波数帯域に対応する重み付け係数と乗算された後に振動強度積算値として積算される。この5°CA幅間のハッチングの面積が、求められた振動強度積算値に相当する。尚、この5°CA幅間の振動強度積算値をグラフ化したものを図10に示す。
次に0°〜90°CAの範囲において15°CA毎に分けたクランク角幅領域毎に、振動強度を積算する(S108)。尚、上述したごとくステップS106にて5°CA毎に振動強度積算値が算出されているので、この5°CA毎の振動強度積算値を、15°CA毎に積算して求めることができる。図9では15°CA毎振動強度積算値は、A(1)〜A(6)の各ハッチング部分の面積に相当する。
次に今回、90°CAであるか否かが判定される(S110)。未だ90°CAに達していなければ(S110でNO)、本処理を一旦出る。
以後、0°から90°CA未満の範囲である限り、上述したステップS104〜S108の処理が繰り返される。
そして90°CAに達すると(S110でYES)、このときには、今回燃焼行程にある#1気筒について、図9の全体で示した振動強度データが得られていることになる。
次に通常時モード実行中か否かが判定される(S112)。現在、通常時モードであるとすると(S112でYES)、次に、このときに求められている15°CA振動強度積算値A(1)〜A(6)に基づいて、今回燃焼行程にある気筒、ここでは#1気筒におけるノイズ割合NSrが式1に示すごとく算出される(S114)。
[式1]NSr←Max([A(2)+A(3)]/ΣA(i)
,[A(3)+A(4)]/ΣA(i))
ここで式1の「←」の右辺において、[A(2)+A(3)]は、15°CA振動強度積算値A(2)とA(3)との合計値であり、ΣA(i)は15°CA振動強度積算値A(1)〜A(6)の総計である。したがって[A(2)+A(3)]/ΣA(i)は、総計における15°CA振動強度積算値A(2)とA(3)との合計値の割合を表している。
同様に[A(3)+A(4)]は、15°CA振動強度積算値A(3)とA(4)との合計値である。したがって[A(3)+A(4)]/ΣA(i)は、総計における15°CA振動強度積算値A(3)とA(4)との合計値の割合を表している。
そしてMax()は()内の数値の内で最大の値を抽出する演算子である。
ここでノックセンサ48の出力値にピストン系のノイズが重畳した場合に、そのノイズの振動強度ピークは0°〜90°CAの範囲における特定の範囲に生じることが判明している。本実施の形態のエンジン4では、15°CA〜60°CAまでの15°CAに分けた3領域の、1つ又は2つにまたがって生じることが判明している。すなわち15°CA振動強度積算値A(2)〜A(4)の領域がノイズが生じ易い領域であり、この内でも特に15°CA振動強度積算値A(2),A(3)の領域か、15°CA振動強度積算値A(3),A(4)の領域かのいずれかがノイズが生じ易い領域である。
したがってピストン系のノイズが過大となっていれば、15°CA振動強度積算値A(2),A(3)、又は15°CA振動強度積算値A(3),A(4)のいずれかにノイズによる大きな振動強度ピークが生じているはずである。
このためステップS114における前記式1では、第1のノイズ割合[A(2)+A(3)]/ΣA(i)と、第2のノイズ割合[A(3)+A(4)]/ΣA(i)とを計算して、この内で、大きい方を抽出して、判定に用いるノイズ割合NSrとしている。
こうしてノイズ割合NSrが求められると、次にこのノイズ割合NSrが、ノイズが高いことを示す高ノイズ領域に含まれる値ではないか否かが判定される(S116)。ここでは高ノイズ領域の下限値として設定されている基準値NSXより低いか否かが判定される。基準値NSXとしては例えば0.55などの定数値が設定されている。
ここで#1気筒の燃焼行程でのノイズ状態が高ノイズ状態でなければ(NSr<NSX:S116でYES)、図4に示す通常時モード実行処理が行われる(S118)。尚、現在、通常時モードを実行しているので今回は同じモードが継続することになる。
通常時モード実行処理(図4)について説明する。まず通常時モード開始直後であるか否かが判定される(S140)。ここで既に通常時モードにて前述したステップS104〜S116までの処理がなされている場合には、このステップS140の実行タイミングでは通常時モード開始直後ではないので(S140でNO)、通常時モード用ノック強度Nnを算出する(S146)。
このタイミングでの通常時モード用ノック強度Nnとしては、通常時モード用重み付けを用いて算出されている図9に示した5°CA振動強度積算値を、0°CA〜90°CAまで総計して算出する。尚、本実施の形態では、ステップS114にて求めている15°CA振動強度積算値A(1)〜A(6)の総計ΣA(i)と同じであるので、この総計ΣA(i)の値を通常時モード用ノック強度Nnとして設定する。このような総計ΣA(i)を用いずに、5°CA振動強度積算値の内で最大の値を通常時モード用ノック強度Nnとして設定しても良い。
次に図10に示したごとく、5°CA振動強度積算値の90°CA分の波形(実線)と典型的なノッキング波形を表すノッキング波形モデル(二点鎖線)との比較に基づいて、この波形同士の通常時モード用相関係数Knを算出する(S148)。この通常時モード用相関係数Knは、ノッキングの振動パターンに対する一致度に相当するものである。
このような波形同士の通常時モード用相関係数Knの算出方法は種々存在するが、ここでは例えば、二点鎖線で表しているノッキング波形モデルより下の面積S(ノッキング波形モデルの振動強度積算値)と、この二点鎖線と実線で表している実測波形との差分の面積dSとを求めて、式2により通常時モード用相関係数Knを算出する。
[式2] Kn ← (S−dS)/S
そして上述のごとく算出した通常時モード用ノック強度Nnと相関係数Knとに基づいて通常時モードノック判定を実行する(S150)。
この通常時モードノック判定は次の2つの条件が共に満足された場合にノッキング有と判定され、いずれかあるいは両方が不満足ならばノッキング無と判定される。
条件1:Nn≧Jn(i)
条件2:Kn≧K1
ここで条件1における通常時モード用ノック判定閾値Jn(i)は、通常時モード時において通常時モード用ノック強度Nnとその発生頻度に応じて、各気筒においてエンジン運転状態の領域毎に補正によって学習されている値であり、ノッキング発生の有無を判定するための判定値である。ここで(i)は領域を表し、エンジン4の負荷率KLと機関回転数NEとにより区分されている領域である。負荷率KLとはエンジン負荷に対応する物理量であり、エンジン4の1回転当たりの基準最大吸入空気量に対する実際の吸入空気量の割合(%)であり、吸入空気量GAと機関回転数NEとから算出されるものである。
条件2における相関判定値K1は、エンジン4の機種に対応して予め設定されている判定用基準値である。
ここで前記条件1,2の両方が共に満足されていなければ、通常時モードノック判定(S150)ではノッキング無しと判定される。
前記条件1,2の両方が満足されていれば、通常時モードノック判定(S150)ではノッキング有りと判定される。
次に通常時モード実行処理(図4)を出て、ノッキング無し判定か否かが判定される(S120)。ステップS150にてノッキング無し判定がなされているならば(S120でYES)、このまま本処理を出る。尚、このようにノッキング無し判定の場合にはエンジン4の点火時期に対しては、常に時間周期にて一定量の進角が繰り返しなされていることから、点火時期進角がなされる。
ステップS150にてノッキング有り判定がなされているならば(S120でNO)、エンジン4の点火時期に対して遅角処理が実行される(S122)。すなわち予め定めた遅角量、あるいは通常時モード用ノック強度Nnや通常時モード用相関係数Knに応じた遅角量が点火時期に付加される。このことによりエンジン4の全気筒を対象とした点火時期が遅角されてノッキングが抑制される。
このようにNsr<NSXの場合には(S116でYES)、通常時モードでのノッキング発生状態に応じた点火時期の遅角処理と時間周期の進角処理とにより、エンジン4では、適切なノッキング発生状態、すなわち最適点火時期となるようにノック制御がなされることになる。
一方、ノック信号におけるノイズ状態が高ノイズ状態であれば(NSr≧NSX:S116でNO)、次に重畳回避モード終了後に基準時間が経過しているか否かが判定される(S124)。この重畳回避モードは、吸気バルブ20の閉弁タイミングがノック信号検出タイミングと重複しないように、通常のバルブタイミング可変機構24及び作用角可変機構26によるバルブタイミング及び作用角状態からずらした処理をしているモードである。
ここで以前に重畳回避モードが実行されていなかったり、あるいは以前に行われていた重畳回避モードの終了後に基準時間(例えば、数秒から十数秒)が経過していれば(S124でYES)、図5に示す7kHzモードが実行されることになる(S126)。
7kHzモード実行処理(図5)について説明する。まず今回の処理が7kHzモード開始直後であるか否かが判定される(S160)。今回、開始直後であるので(S160でYES)、学習値保持値Makgに、ノック制御処理において点火時期フィードバック制御により算出されている現在の点火時期学習値akgが格納される(S162)。
この点火時期学習値akgは、前述したごとくノック判定による点火時期の進角処理と遅角処理とを実行するに伴い進角補正値と遅角補正値とに基づいて得られる学習補正値を積算することで算出される値である。したがって点火時期学習値akgはノック判定によるノッキング有無の頻度が反映されている値であり、ノッキングが生じ易いエンジン状態では遅角側に学習され、ノッキングが生じにくいエンジン状態では進角側に学習される。
更に点火時期学習値akgは、燃焼状態とは別にノイズに起因してノック判定がノッキング有あるいはノッキング無しとの誤判定が増加すると、それまでよりも急激な遅角や進角の変化を示す。すなわち誤遅角や誤進角を示すことになる。
このためステップS162では7kHzモード時にてノックセンサ48の検出値に重畳するノイズの程度を、点火時期学習値akgの変化程度から判定するために、7kHzモードの開始当初の点火時期学習値akgを、学習値保持値Makgに記憶している。
次に、これ以後の制御周期時に行われるステップS104にて各周波数帯域での振動強度を検出するために用いられるゲートとして、図7にて示したごとく、7kHzモード用ゲートが設定される(S164)。尚、この7kHzモードでの各周波数帯域での検出ゲートは、通常時モード用ゲートより短縮されている。すなわち7kHzモードでのゲートの帯域幅は通常時モード用ゲートの帯域幅(±2.5kHz)よりも狭くされている。
次に図7,8にて示したごとく、ステップS106にて振動強度の積算に用いられる重み付けとして7kHzモード用重み付けが設定される(S166)。
この重み付けは、通常時モードに比較して、駆動系(吸気バルブ20の可変動弁機構24,26)によるノイズの周波数帯域(10kHz帯域,15kHz帯域,20kHz帯域)に対する重み付けを、他の周波数帯域(7kHz帯域)に対して相対的に低下させたものを用いている。すなわち、図8に示した例では、通常時モード用重み付け係数は、7kHz帯域は0.25で、10kHz帯域,15kHz帯域,20kHz帯域はそれぞれ1であるが、7kHzモード用重み付け係数は、7kHz帯域,10kHz帯域,15kHz帯域,20kHz帯域の全帯域が1とされている。
こうして7kHzモード実行処理(図5)を出て、次にステップS120となるが、ここでは7kHzモード用ゲート及び重み付けにては未だ前記ステップS104〜S108の処理は実行されていないので、ステップS120ではノッキング無しとして(S120でYES)、ノック制御処理(図2〜6)を出る。
これ以後のノック制御処理(図2〜6)の制御周期にて、ステップS100,S102にてYESと判定されて実行されるステップS104〜S108では、7kHzモード用ゲート及び重み付けにて処理が行われることになる。
そしてステップS110にてYESと判定されると、次にステップS112にて通常時モード実行中か否かが判定されるが、ここでは7kHzモード実行中であるので(S112でNO)、次7kHzモード実行か否かが判定される(S128)。ここではYESと判定されて、次に7kHzモード実行中における点火時期学習値akgの変化量|Makg−akg|が基準範囲Sakg未満か否かが判定される(S130)。
この基準範囲Sakgは点火時期学習値akgの急変を示す境界値である。例えば図11に示すごとく、通常時モードから7kHzモードとなったタイミング(t0)で、学習値保持値Makgからの点火時期学習値akgの変化の上限(Makg+Sakg)と下限(Makg−Sakg)とを設定するものである。
ここで|Makg−akg|<Sakgであれば(S130でYES)、ノイズ割合NSrが算出される(S132)。このノイズ割合NSrはステップS114と同じく前記式1にて算出される。そしてノイズ割合NSrが7kHzモード時でのノイズの大きさを判定するための基準値NS7より大きいか否かが判定される(S134)。
この基準値NS7は、前述した通常時モードにて行われるノイズ割合判定(S116)で用いられている基準値NSXによる判定に対応するものであり、重み付けの差を考慮して、7kHzモード用重み付けの状態にて、基準値NSXと同様なノイズ割合NSrの境界値として設定されているものである。尚、このように7kHzモード用の基準値NS7を用いるのではなく、前記ステップS114,S116と同様にノイズ割合NSrを別途、通常時モード用の重み付けにて求めることで基準値NSXを用いて判定しても良い。
ここでノイズの程度が未だ小さくなっていない(NSr>NS7)場合には(S134でYES)、ステップS126(図5:7kHzモード実行処理)が実行される。
このタイミングでは、7kHzモード開始直後ではないので(S160でNO)、次に7kHzモード用ノック強度N7を算出する(S168)。尚、ここでは7kHzモード用ノック強度N7としては、前述したごとく7kHzモード用重み付け係数を用いて算出されている図9に示した5°CA振動強度積算値を、0°CA〜90°CAまで総計して算出する。7kHzモード用重み付け係数を用いて算出された5°CA振動強度積算値の内で最大の値を7kHzモード用ノック強度N7として設定しても良い。
次に上述のごとく算出した7kHzモード用ノック強度N7に基づいて7kHzモードノック判定を実行する(S170)。この7kHzモードノック判定は次の1つの条件が満足された場合にノッキング有と判定され、不満足ならばノッキング無と判定される。
条件:N7≧J7(i)
この条件における7kHzモード用ノック判定閾値J7(i)は、7kHzモード時において7kHzモード用ノック強度N7とその発生頻度に応じて、各気筒においてエンジン運転状態の領域毎に補正によって学習されている値であり、ノッキング発生の有無を判定するための判定値である。ここで(i)についてはステップS150にて述べたごとくである。
尚、この7kHzモード実行処理(図5)のノック判定(S170)では、通常時モード実行処理(図4)のステップS150にて実行したような相関係数に基づく形状判定は行わず、ノック強度判定のみである。
次に7kHzモード実行処理(図5)を出て、ノッキング無し判定か否かが判定される(S120)。ステップS170にてノッキング無し判定がなされているならば(S120でYES)、このまま本処理を出る。そして、このようにノッキング無し判定の場合にはエンジン4の点火時期に対しては、常に時間周期にて一定量の進角が繰り返しなされていることから、点火時期進角については実行される。
ステップS170にてノッキング有り判定がなされているならば(S120でNO)、エンジン4の点火時期に対して遅角処理が実行される(S122)。すなわち予め定めた遅角量、あるいは7kHzモード用ノック強度N7に応じた遅角量が点火時期に付加される。このことによりエンジン4の全気筒を対象とした点火時期が遅角されてノッキングが抑制される。
上述したごとく、Nsr≧NSX(S116でNO)となって7kHzモードとなると、7kHzモードでのノッキング発生状態に応じた点火時期の遅角処理と時間周期の進角処理とにより、エンジン4では、適切なノッキング発生状態、すなわち最適点火時期となるようにノック制御がなされることになる。
このような7kHzモード実行処理(図5)がなされている状態で、ノイズ割合NSrが低下してNSr≦NS7となると(S134でNO)、通常時モード実行処理(S118:図4)に処理が戻される。
そして通常時モード実行処理(図4)の最初は通常時モード開始直後であるので(S140でYES)、通常時モード用ゲート設定(S142)と通常時モード用重み付け設定(S144)とが実行される。このことにより、図7に示したごとくゲートが通常幅状態に拡大され(S142)、図8に示したごとく、7kHz帯域での重み付けを、他の帯域よりも相対的に大きくしていた状態から、元の重み付け状態に戻される(S144)。
したがって以後の制御周期で、前述したごとくの通常時モードでのノック制御処理が実行される状態に戻ることになる。
次に7kHzモードにて実行している状態で、点火時期学習値akgの変化量|Makg−akg|が基準範囲Sakg以上となった場合(S130でNO)について説明する。この状態の一例は図11のタイミングt1に相当する。
この場合には、重畳回避モードが実行され(S138)、図6に示す重畳回避モード実行処理が行われる。
重畳回避モード実行処理(図6)では、まず重畳回避モード開始直後であるか否かが判定される(S180)。今回、開始直後であるので(S180でYES)、図7に示したごとく重畳回避モード用ゲートが設定され(S182)、図8に示したごとく重畳回避モード用重み付け係数が設定される(S184)。尚、ここでは重畳回避モード用ゲート及び重畳回避モード用重み付け係数は、通常時モードと同じに設定されているが、通常時モードと異ならせても良い。
そして可変動弁制御系(ECU2によるバルブタイミング可変機構24、作用角可変機構26の制御プログラム)に対して回避命令を出力する(S185)。この回避命令は、負荷率KLと機関回転数NEとに基づいて、可変動弁機構24,26に対して別途実行されている吸気バルブ20のバルブタイミング制御が受けることになる。
この回避命令により、バルブタイミング制御では、本来のバルブタイミングから、遅角又は進角したり、作用角を変更することにより、エンジン運転状態に対して最適な状態からバルブタイミングをずらす処理が行われる。このバルブタイミングのずれは、特に吸気バルブ20の閉弁タイミングを、その着座ノイズがノック信号に重畳しないようにずらすものである。このことによりノックセンサ48の検出において着座ノイズによるノイズ強度を低減できる。尚、このような着座ノイズ重畳が問題となる領域は、エンジン運転状態で表せば、図12に示す負荷率KLと機関回転数NEとにより表される大着座ノイズ領域LNA(破線領域内)に相当する。
こうして重畳回避モード実行処理(図6)を出て、次にステップS120となるが、ここでは重畳回避モード用ゲート及び重み付けにて前記ステップS104〜S108の処理は実行されていないので、ステップS120ではノッキング無しとして(S120でYES)、ノック制御処理(図2〜6)を出る。
これ以後のノック制御処理(図2〜6)の制御周期にて、ステップS100,S102にてYESと判定されて実行されるステップS104〜S108では、重畳回避モード用ゲート及び重み付けにて処理が行われることになる。
そしてステップS110にてYESと判定されると、ここでは重畳回避モード実行中であるので、通常時モード実行中か否かの判定(S112)、7kHzモード実行か否かの判定(S128)にて共にNOと判定される。
そして重畳回避モード実行中における判定として、エンジン運転状態が吸気バルブ20の着座ノイズが大きい運転範囲にあるか否かが判定される(S136)。ここではエンジン運転状態が前記図12に示した大着座ノイズ領域LNAにあるか否かを判定する。
現在のエンジン運転状態(負荷率KL及び機関回転数NE)がこの大着座ノイズ領域LNAに含まれている場合には(S136でYES)、重畳回避モード実行処理(図6)を継続して実行する。
ここで重畳回避モードとして前述したステップS104〜S108の処理がなされているので、図6のステップS180実行のタイミングでは重畳回避モード開始直後ではないので(S180でNO)、重畳回避モード用ノック強度Naを算出する(S186)。尚、ここでは重畳回避モード用ノック強度Naとしては、重畳回避モード用重み付け係数を用いて算出されている図9に示した5°CA振動強度積算値を、0°CA〜90°CAまで総計して算出する。このような総計を用いずに、5°CA振動強度積算値の内で最大の値を重畳回避モード用ノック強度Naとして設定しても良い。
次に図10に示したごとく、5°CA振動強度積算値の90°CA分の波形(実線)と典型的なノッキング波形を表すノッキング波形モデル(二点鎖線)との比較に基づいて、この波形同士の重畳回避モード用相関係数Kaを算出する(S188)。この重畳回避モード用相関係数Kaは、ノッキングの振動パターンに対する一致度に相当するものである。
このような波形同士の重畳回避モード用相関係数Kaの算出方法は、前述した通常時モード用相関係数Knと同様にして算出する。
そして上述のごとく算出した重畳回避モード用ノック強度Naと相関係数Kaとに基づいて重畳回避モードノック判定を実行する(S190)。
この重畳回避モードノック判定は次の2つの条件が共に満足された場合にノッキング有と判定され、いずれかあるいは両方が不満足ならばノッキング無と判定される。
条件1:Na≧Ja(i)
条件2:Ka≧Ka1
ここで条件1における重畳回避モード用ノック判定閾値Ja(i)は、重畳回避モード時において重畳回避モード用ノック強度Naとその発生頻度に応じて、各気筒においてエンジン運転状態の領域毎に補正によって学習されている値であり、ノッキング発生の有無を判定するための判定値である。ここで(i)は領域を表し、前記ステップS150にて説明したごとくである。
条件2における相関判定値Ka1は、エンジン4の機種に対応して予め設定されている重畳回避モードにおける判定用基準値である。
ここで前記条件1,2の両方が共に満足されていなければ、重畳回避モードノック判定(S190)ではノッキング無しと判定される。
前記条件1,2の両方が満足されていれば、重畳回避モードノック判定(S190)ではノッキング有りと判定される。
次に重畳回避モード実行処理(図6)を出て、ノッキング無し判定か否かが判定される(S120)。ステップS190にてノッキング無し判定がなされているならば(S120でYES)、このまま本処理を出る。尚、このようにノッキング無し判定の場合にはエンジン4の点火時期に対しては、常に時間周期にて一定量の進角が繰り返しなされていることから、点火時期進角については実行される。
ステップS190にてノッキング有り判定がなされているならば(S120でNO)、エンジン4の点火時期に対して遅角処理が実行される(S122)。すなわち予め定めた遅角量、あるいは重畳回避モード用ノック強度Naや重畳回避モード用相関係数Kaに応じた遅角量が点火時期に付加される。このことによりエンジン4の全気筒を対象とした点火時期が遅角されてノッキングが抑制される。
このように重畳回避モードでは、着座ノイズの重畳を回避してノック制御を可能にするために、通常時モードに対して可変動弁機構24,26では最適なバルブタイミングからずらした制御が行われる。
このような重畳回避モードの実行中に、エンジン運転状態が図12に示した大着座ノイズ領域LNAから外れた場合には、図3のステップS136でNOと判定される。このことにより通常時モード実行処理(S118:図4)に処理が戻される。この状態の一例は図11のタイミングt2に相当する。
したがって前述したごとく、通常時モード実行処理(図4)の最初は通常時モード開始直後であるので(S140でYES)、通常時モード用ゲート設定(S142)と通常時モード用重み付け設定(S144)とが実行される。このことにより、図7に示したごとくゲートが通常状態とされ(S142)、図8に示したごとく通常時モード用の重み付け状態とされる(S144)。尚、通常時モード用ノック判定閾値Jnと重畳回避モード用ノック判定閾値Jaとは異なるが、図7に示すごとくゲートと重み付けは通常時モードと重畳回避モードとでは同じである。
こうして、以後の制御周期で、前述したごとくの通常時モードでのノック制御処理が実行される状態に戻ることになる。
このように重畳回避モードから通常時モードに戻って、通常時モードを実行し始めた際に、短時間でNSr≧NSXとなった場合(図3:S116でNO)、次に重畳回避モード終了後に基準時間が経過しているか否かが判定される(S124)。
ここで重畳回避モードの終了後に基準時間が経過していなければ(S124でNO)、重畳回避モード実行処理(図6)が実行されることになる(S138)。
すなわち通常時モードの実行状態から、7kHzモードへの実行が禁止されて、直ちに重畳回避モードにてノック制御処理がなされることになる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU2が複数帯域振動強度検出手段、判定対象値算出手段、高ノイズ状態判定手段、高ノイズ時処理手段、重み付け処理時高ノイズ状態判定手段、駆動系ノイズ低減手段、ノック判定復帰手段に相当する。
ECU2が実行するステップS104,S106が複数帯域振動強度検出手段としての処理に、ステップS146,S148,S168,S186,S188が判定対象値算出手段としての処理に相当する。ステップS108,S114,S116,S132,S134,S136が高ノイズ状態判定手段としての処理に、ステップS166が高ノイズ時処理手段としての処理に相当する。可変動弁機構(バルブタイミング可変機構24,作用角可変機構26)及びこれにより駆動される吸気バルブ20が駆動系に相当する。ステップS130,S162が重み付け処理時高ノイズ状態判定手段としての処理に、重畳回避モード実行処理(図6)が駆動系ノイズ低減手段としての処理に相当する。ステップS136がノック判定復帰手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)ノック制御処理(図2〜6)にて、通常時モード(図4)実行中においてステップS116にてNOとなり、高ノイズ状態(ノイズ割合NSrが高い)と判定されると、図5に示した7kHzモードとなる。
この7kHzモードでは、高ノイズ状態ではない通常時モードに比較して、特定の周波数帯域(10kHz帯域、15kHz帯域、20kHz帯域)に対するノック判定時の重み付けを、他の周波数帯域(7kHz帯域)に対して相対的に低下させている。この特定の周波数帯域(10kHz帯域、15kHz帯域、20kHz帯域)は、可変動弁機構24,26のバルブタイミング調節に起因して生じる吸気バルブ20の着座ノイズの周波数帯域である。
したがって、高ノイズ状態が、吸気バルブ20の着座ノイズに起因するものであれば、着座ノイズの影響のないあるいは影響の少ない7kHz帯域の重み付けが高まることにより、高精度なノック判定を継続させることができる。このようにして駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系によるノイズの発生状態において、高精度なノック判定の機会を増加できる。
そして7kHzモード(図5)実行中において高ノイズ状態にあると判定されなくなれば(S134でNO)、通常時モード(S118)に戻る。このことにより元の重み付けにて、かつノック判定対象の制限をしないノック判定処理(図4)に戻すことができ、高精度なノック判定を継続させることができる。
高ノイズ状態が、可変動弁機構24,26の調節駆動に起因した吸気バルブ20の着座ノイズによるものでない場合、すなわちピストン系などのノイズによる場合には、7kHz帯域の重み付けを高めても、高ノイズ状態が解消されない。このような場合は、7kHzモード実行中において点火時期の誤進角あるいは誤遅角が生じ、|Makg−akg|≧Sakgとなる(S130でNO)。
したがって、この状態(S130でNO)で初めて、吸気バルブ20の閉弁タイミングをずらす処理(S185)を伴う重畳回避モード(図6)に移行すれば良いことになる。
このようにして、本実施の形態の内燃機関ノック判定装置は、駆動タイミングがクランク角に対して可変とされている吸気バルブ20の着座ノイズ発生状態において、重畳回避モードに移行しなくても、その前に7kHzモードを実行することで高精度なノック判定の機会を増加できる。
このことによりノイズの程度によりエンジン運転状態(ここでは吸気バルブ20の着座タイミング)を変更する場合にも、できるだけエンジン4の効率的な運転状態を変更することなく、高精度なノック判定を継続できる。したがってエンジン4の燃費向上に貢献できる。
(2)前述した重み付け変更(S166)を実行している場合には、振動強度波形に影響することから、振動強度波形を用いずにノック判定対象は振動強度のみに制限している(S168,S170)。このことにより高精度なノック判定ができる。
(3)ノイズは点火時期調節の誤差に影響することから、この誤差(誤進角・誤遅角)が大きくなると、高ノイズとなっていることが判明する。したがって点火時期調節の誤差の程度に応じて7kHzモード実行中において解消できない高ノイズ状態の有無を判定できる。
ここで前記誤差は点火時期フィードバック制御における学習値の変化に現れる。したがって7kHzモード(図5)の開始時に点火時期学習値akgを学習値保持値Makgに記憶し(S162)、この学習値保持値Makgからの点火時期学習値akgの変化量|Makg−akg|が基準範囲Sakg以上となった場合(S130でNO)に高ノイズ状態にあると容易に判定できる。
(4)7kHzモード(図5)でノック判定対象が振動強度のみに制限された状態から、重畳回避モード(図6)では、振動強度と振動強度波形とに基づいてノック判定する状態(S186〜S190)に戻している。更にゲートや重み付けも元に戻し(S182,S184)、ノイズ判定はエンジン運転状態による着座ノイズのみの判定としている(S136)。このことにより高精度なノック判定を継続することができる。
(5)重畳回避モード(図6)では、高ノイズ状態でなくなる状態、ここでは着座ノイズが大きくならない範囲となると(S136でNO)、直ちに通常時モード実行処理(図4)の処理に戻している。このことにより、元の通常時のノック判定処理に戻すことができ、高精度なノック判定を継続することができる。
しかも、その後、短時間内にNSr≧NSX(S116でNO)となった場合には(S124でNO)、7kHzモード実行処理(図5)を実行せずに、直ちに重畳回避モード(図6)に移行している(S138)。このことによりノック判定閾値Jn,J7,Jaを求めるベースとなる演算上の各種変数の荒れを防止して、安定した高精度なノック判定を継続することができる。
(6)前述したごとくの内燃機関ノック判定装置を採用している本実施の形態の内燃機関ノック制御装置は、吸気バルブ20の閉弁タイミングをクランク角に対して可変とする可変動弁機構24,26がエンジン4に備えられていても、高精度なノック判定の機会を増加できる。このことにより適切な点火時期を設定して良好なノック制御が可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、重畳回避モードが実行されない点が前記実施の形態1と異なる。すなわち前述したノック制御処理における前記図3の処理の代わりに図13に示す処理が実行され、7kHzモード実行処理(図5)の代わりに図14が実行され、重畳回避モード実行処理(図6)は実行されない。
したがって前記図1,2,4,7〜10を参照して図13,14について説明する。
図2のステップS110にてYESと判定されると、図13に示す処理となり、通常時モード実行中か否かが判定される(S212)。現在、通常時モードであるとすると(S212でYES)、次に前記式1のごとくノイズ割合NSrが算出される(S214)。
次にこのノイズ割合NSrが高ノイズ領域に含まれる値ではないか否か、すなわち基準値NSXより低いか否かが判定される(S216)。
NSr<NSXであれば(S216でYES)、図4にて説明した通常時モード実行処理が継続して行われる(S218)。
この通常時モード実行処理(図4)を出ると、ノッキング無し判定か否かが判定される(S220)。ステップS150(図4)にてノッキング無し判定がなされているならば(S220でYES)、このまま本処理を出る。この場合には時間周期にて一定量の進角が繰り返しなされているので点火時期進角については実行される。
ステップS150にてノッキング有り判定がなされているならば(S220でNO)、点火時期に対して遅角処理が実行される(S222)。このことによりノッキングが抑制される。
一方、ノック信号におけるノイズ状態が高ノイズ領域に存在すれば(NSr≧NSX:S216でNO)、図14に示す7kHzモードが実行されることになる(S226)。
7kHzモード実行処理(図14)について説明する。まず今回の処理が7kHzモード開始直後であるか否かが判定される(S260)。今回、開始直後であるとすると(S260でYES)、振動強度を検出するために用いられるゲートとして、図7にて示したごとく通常時モード用ゲートより短縮された7kHzモード用ゲートが設定される(S264)。次に図7,8に示したごとく振動強度の積算に用いられる重み付けとして7kHzモード用重み付けが設定される(S266)。このステップS264,S266は、前記図5のステップS164,S166の処理と同じである。
こうして7kHzモード実行処理(図14)を出て、次にステップS220となるが、ここでは未だ7kHzモード用ゲート及び重み付けにて前記ステップS104〜S108(図2)の処理は実行されていないので、ステップS220ではノッキング無しとして(S220でYES)、ノック制御処理(図2,13,4,14)を出る。
これ以後のノック制御処理(図2,13,4,14)の制御周期にて、ステップS100,S102にてYESと判定されて実行されるステップS104〜S108では、7kHzモード用ゲート及び重み付けにて処理が行われることになる。
そしてステップS110にてYESと判定されると、次にステップS212にて通常時モード実行中か否かが判定されるが、ここでは7kHzモード実行中であるので(S212でNO)、前記式1にてノイズ割合NSrが算出される(S232)。そしてノイズ割合NSrが前記実施の形態1にて説明した基準値NS7より大きいか否かが判定される(S234)。
ここでNSr>NS7であれば(S234でYES)、ステップS226(図14:7kHzモード実行処理)が実行される。このタイミングでは、7kHzモード開始直後ではないので(S260でNO)、次に7kHzモード用ノック強度N7を前記実施の形態1にて説明したごとく算出する(S268)。
次に上述のごとく算出した7kHzモード用ノック強度N7に基づいて7kHzモードノック判定を実行する(S270)。この7kHzモードノック判定は前記実施の形態1にて説明したごとくである。すなわち相関係数に基づく形状判定は行わず、ノック強度判定のみを実行する。
次に7kHzモード実行処理(図14)を出て、ノッキング無し判定か否かが判定される(S220)。ステップS270にてノッキング無し判定がなされているならば(S220でYES)、このまま本処理を出る。このようにノッキング無し判定の場合には時間周期にて一定量の進角が繰り返しなされているので、点火時期進角については実行される。
ステップS270にてノッキング有り判定がなされているならば(S220でNO)、エンジン4の点火時期に対して遅角処理が実行される(S222)。すなわち予め定めた遅角量、あるいは7kHzモード用ノック強度N7に応じた遅角量が点火時期に付加される。このことにより点火時期が遅角されてノッキングが抑制される。
上述したごとく、Nsr≧NSX(S216でNO)となって7kHzモードとなると、7kHzモードでのノッキング発生状態に応じた点火時期の遅角処理と時間周期の進角処理とにより、エンジン4では、適切なノッキング発生状態、すなわち最適点火時期となるようにノック制御がなされることになる。
このような7kHzモード実行処理(図14)がなされている状態で、ノイズ割合NSrが低下してNSr≦NS7となると(S234でNO)、通常時モード実行処理(S218:図4)に処理が戻される。したがって前述したごとく、通常時モード実行処理(図4)の最初は通常時モード開始直後であるので(S140でYES)、通常時モード用ゲート設定(S142)と通常時モード用重み付け設定(S144)とが実行される。このことにより、図7に示したごとくゲートが通常状態に拡大され(S142)、図8に示したごとく7kHz帯域を他の帯域よりも相対的に大きくした状態から元の重み付け状態に戻される(S144)。
したがって以後の制御周期で、前述したごとくの通常時モードでのノック制御処理が実行される状態に戻ることになる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU2が複数帯域振動強度検出手段、判定対象値算出手段、高ノイズ状態判定手段、高ノイズ時処理手段に相当する。
ECU2が実行するステップS104,S106が複数帯域振動強度検出手段としての処理に、ステップS146,S148,S268が判定対象値算出手段としての処理に、ステップS108,S214,S216,S232,S234が高ノイズ状態判定手段としての処理に、ステップS266が高ノイズ時処理手段としての処理に相当する。可変動弁機構(バルブタイミング可変機構24,作用角可変機構26)及びこれにより駆動される吸気バルブ20が駆動系に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(1)ノック制御処理(図2,13,4,14)にて、図4に示した通常時モード中においてステップS216にて高ノイズ状態と判定されると、図14に示した7kHzモードとなる(S226)。この7kHzモードでは通常時モードに比較して吸気バルブ20の着座ノイズの周波数帯域(10kHz帯域、15kHz帯域、20kHz帯域)に対する重み付けを、他の周波数帯域(7kHz帯域)に対して相対的に低下させている。
このことにより、高ノイズ状態が吸気バルブ20の着座ノイズに起因するものであれば、着座ノイズの影響のないあるいは影響の少ない7kHz帯域の重み付けが高まることにより、高精度なノック判定を継続させることができる。
そして高ノイズ状態にあると判定されなくなれば(S234でNO)、重み付けを戻し、ノック判定対象の制限を停止して、通常時モード(S218)としている。このことにより元のノック判定処理(図4)に戻すことができる。
したがって本実施の形態の内燃機関ノック判定装置は、可変動弁機構24,26の駆動により吸気バルブ20の着座ノイズの発生状態が大きくなった場合も、7kHzモードの実行により、高精度なノック判定の機会を増加できる。
(2)高ノイズ状態で前述した重み付け変更を実行している場合(S266)には、振動強度波形に影響することから、振動強度波形を用いずにノック判定対象は振動強度のみに制限している(S268,S270)。このことにより高精度なノック判定ができる。
(3)7kHzモードの実行中に、高ノイズ状態でなくなれば(S234でNO)、直ちに通常時モード実行処理(図4)の処理に戻している。このことにより、元の通常時のノック判定処理に戻すことができ、高精度なノック判定を継続することができる。
[実施の形態3]
図15に示すごとく、本実施の形態のエンジン104は、吸気ポート108に設けられた燃料噴射弁110以外に、シリンダーヘッド104aに筒内噴射型の燃料噴射弁111を設けたデュアル・インジェクション・システムが採用されている。
本実施の形態では、図1に示したごとくの可変動弁機構は存在せず、吸気カムシャフト122による吸気バルブ120の駆動は排気カムシャフト134による排気バルブ132と同様にバルブタイミングはクランク角に対して可変ではなく固定されており、クランクシャフト116とは一体的に回転している。燃焼室106内への吸入空気量はスロットルバルブ130の開度により調節されている。このように本実施の形態では可変動弁機構は存在しないが、図1のごとく設けられたエンジンでも良い。
そしてECU102は、カムポジションセンサ146からカム角、アクセルペダル128に設けられたアクセル操作量センサ144からアクセル操作量ACCP、吸入空気量センサ142から吸入空気量GA、機関回転数センサ136から機関回転数NEを検出する。更に冷却水温センサ138から冷却水温度THW、スロットル開度センサ140からスロットルバルブ開度TAを検出する。この他、排気系に設けられた空燃比センサなどからのデータを検出している。
このことによりモータ130aを介してスロットルバルブ開度TAを調節したり、燃料噴射駆動対象として、2つの燃料噴射弁110,111から一方を選択したり、その燃料噴射量や噴射タイミングを調節したりしている。更に、ノックセンサ148からノック信号を検出することによりノック制御処理を実行している。
ECU102が実行するノック制御処理については、基本的には図2〜6の処理が実行される。ただし、図3のステップS136はエンジン運転状態が筒内噴射型の燃料噴射弁111の駆動による燃料噴射状態か否かを判定する処理であり、図6のステップS185は、燃料噴射制御系(ECU102による燃料噴射制御プログラム)に回避命令出力する処理である点が前記実施の形態1とは異なる。
筒内噴射型の燃料噴射弁111はシリンダーヘッド104aに取り付けられていることにより、この駆動時の振動をノイズとしてノックセンサ148が検出し易い。このため重畳回避モード(図6)時に燃料噴射制御系に回避命令の出力がなされる(S185)。
この回避命令出力により、燃料噴射制御系では、すなわちECU102内にて実行されている燃料噴射制御においては、既に燃料噴射のための駆動対象に筒内噴射型の燃料噴射弁111が選択されている場合には、駆動対象がポート噴射型の燃料噴射弁110に強制的に切り換えられる。このようにして筒内噴射型の燃料噴射弁111に起因するノイズの低減が行われることになる。
上述した構成において、請求項との関係は、前記実施の形態1に示したごとくであるが、駆動系については、ポート噴射型の燃料噴射弁110と筒内噴射型の燃料噴射弁111との組み合わせと、これらから選択して燃料噴射駆動対象とするECU102による燃料噴射制御処理が相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、前記実施の形態1とは駆動系が異なるが、同様な効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1,2のステップS116,S134,S216,S234では、ノイズ割合NSrの大きさにより、高ノイズ状態か、そうでない状態かを判定していた。これ以外に、ステップS136と同様にエンジン運転状態が着座ノイズ大の範囲か、そうでない範囲かを判定して、高ノイズ状態判定手段としても良い。これ以外に、直接、着座タイミングがノック出現位置に重複した状態か否かを判定することで、高ノイズ状態判定手段としても良い。
尚、ノイズ割合NSrの大きさ、エンジン運転状態が着座ノイズ大の範囲、着座タイミングがノック出現位置に重複した状態の全てを判定して、いずれかが該当する場合に、高ノイズ状態と判定しても良い。
・前記実施の形態1,2において、排気バルブのバルブタイミングはクランク角に対して固定されているが、排気カムシャフトについてもバルブタイミング可変機構を設けて排気バルブのバルブタイミングを調節するようにしたものでも良い。この場合には、吸気バルブと共に排気バルブについても着座ノイズが問題となるので、排気バルブのバルブタイミングについても吸気バルブと同様にノイズを考慮したノック制御処理(図2〜6、図2,13,4,14)を行う。
・前記実施の形態1,2において、可変動弁機構は連続的な可変でなくステップ的な可変でも良い。例えば二段階や、その他の数段階の可変でも良い。このような段階的な可変において特定の段階のバルブタイミングで着座ノイズが生じる場合に、前述したノック制御処理(図2〜6、図2,13,4,14)を行うことで、同様な効果を生じさせることができる。
・前記実施の形態1,2において、燃料噴射弁は筒内噴射型としても良い。
・燃料系が高圧燃料系であり、高圧燃料を供給あるいは環流させるための弁体の駆動タイミングが、クランク角に対して可変であるリリーフ弁などの駆動系を、内燃機関が設けている場合にも、前記実施の形態1,2を同様に適用することができる。
2…ECU、4…エンジン、4a…シリンダーブロック、4b…シリンダーヘッド、6…燃焼室、8…吸気通路、8a…サージタンク、8b…分岐管、8c…吸気ポート、10…燃料噴射弁、12…点火プラグ、14…ピストン、16…クランクシャフト、18…排気通路、18a…排気ポート、20…吸気バルブ、22…吸気カムシャフト、22a…吸気カム、24…バルブタイミング可変機構(可変動弁機構)、26…作用角可変機構(可変動弁機構)、28…アクセルペダル、30…スロットルバルブ、30a…モータ、32…排気バルブ、34…排気カムシャフト、36…機関回転数センサ、38…冷却水温センサ、40…スロットル開度センサ、42…吸入空気量センサ、44…アクセル操作量センサ、46…カムポジションセンサ、48…ノックセンサ、102…ECU、104…エンジン、104a…シリンダーヘッド、106…燃焼室、108…吸気ポート、110…ポート噴射型燃料噴射弁、111…筒内噴射型燃料噴射弁、116…クランクシャフト、120…吸気バルブ、122…吸気カムシャフト、128…アクセルペダル、130…スロットルバルブ、130a…モータ、132…排気バルブ、134…排気カムシャフト、136…機関回転数センサ、138…冷却水温センサ、140…スロットル開度センサ、142…吸入空気量センサ、144…アクセル操作量センサ、146…カムポジションセンサ、148…ノックセンサ。

Claims (22)

  1. 駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動強度とこの振動強度の推移を示す振動強度波形とに基づいてノック判定するノック判定装置であって、
    複数の周波数帯域の各々に対して前記ノックセンサにより検出される振動強度を求める複数帯域振動強度検出手段と、
    前記複数帯域振動強度検出手段にて求められた振動強度を、全周波数帯域について合算して、ノック判定の対象とするための前記振動強度と前記振動強度波形とを求める判定対象値算出手段と、
    前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定する高ノイズ状態判定手段と、
    前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記判定対象値算出手段による振動強度の合算に際して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを、7kHzを含む7kHz近傍の領域に設定された7kHz帯域に対して相対的に低下させる高ノイズ時処理手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  2. 駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動強度とこの振動強度の推移を示す振動強度波形とに基づいてノック判定するノック判定装置であって、
    複数の周波数帯域の各々に対して前記ノックセンサにより検出される振動強度を求める複数帯域振動強度検出手段と、
    前記複数帯域振動強度検出手段にて求められた振動強度を、全周波数帯域について合算して、ノック判定の対象とするための前記振動強度と前記振動強度波形とを求める判定対象値算出手段と、
    前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定する高ノイズ状態判定手段と、
    前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合に、高ノイズ状態にあるとは判定されていない場合に比較して、前記判定対象値算出手段による振動強度の合算に際して、前記駆動系によるノイズの周波数帯域に対する重み付けを他の周波数帯域に対して相対的に低下させる高ノイズ時処理手段と、
    を備え
    前記判定対象値算出手段は、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されている場合には、求めるノック判定対象は振動強度のみに制限することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、内燃機関のシリンダーヘッドに設けられた駆動系であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  4. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、閉弁タイミングが変更可能な可変動弁機構であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  5. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記可変動弁機構は吸気弁の可変動弁機構であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  6. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記可変動弁機構は排気弁の可変動弁機構であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  7. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、高圧燃料系であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  8. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系は、燃料噴射弁であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  9. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記燃料噴射弁は筒内噴射型であることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  10. 請求項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記燃料噴射弁は筒内噴射型であると共に、内燃機関は、別途、吸気ポートにポート噴射型の燃料噴射弁を備えて、これら2つの燃料噴射弁の駆動を内燃機関運転状態に応じて選択しているものであることを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されなくなると、前記高ノイズ時処理手段は重み付け処理を停止し、前記判定対象値算出手段はノック判定対象の制限を停止することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記高ノイズ時処理手段の処理実行中に高ノイズ状態の有無を判定する重み付け処理時高ノイズ状態判定手段と、
    前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定されると、前記高ノイズ時処理手段による重み付け処理を停止させると共に、前記駆動系における駆動状態を変更することにより前記ノックセンサの検出に影響するノイズを低減させる駆動系ノイズ低減手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  13. 請求項12に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、ノック制御処理により実行される点火時期フィードバック制御における点火時期調節の誤差の程度に応じて、前記高ノイズ時処理手段の処理実行中における高ノイズ状態の有無を判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  14. 請求項13に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、ノック制御処理により実行される点火時期フィードバック制御における学習値の変化に基づいて前記点火時期調節の誤差の程度を検出することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  15. 請求項14に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は、前記高ノイズ時処理手段の処理実行開始時からの前記学習値の変化量が基準量以上となった場合に高ノイズ状態にあると判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  16. 請求項1215のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、前記駆動系ノイズ低減手段の処理が実行された場合には、前記判定対象値算出手段はノック判定対象に対する制限を停止すると共に、前記重み付け処理時高ノイズ状態判定手段は停止して、前記高ノイズ状態判定手段のみにて高ノイズ状態か否かを判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  17. 請求項1216のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記駆動系ノイズ低減手段の処理が実行された場合には、前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態ではないと判定されると、通常時のノック判定処理に戻すノック判定復帰手段を備えたことを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  18. 請求項17に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記ノック判定復帰手段にて通常時のノック判定処理に戻されてから、基準時間内に前記高ノイズ状態判定手段にて高ノイズ状態にあると判定された場合には、前記高ノイズ時処理手段を実行せずに、前記駆動系ノイズ低減手段を実行することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記高ノイズ状態判定手段は、前記ノックセンサの検出値に基づいて前記ノックセンサの検出に影響するノイズが高ノイズ状態にあるか否かを判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  20. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記高ノイズ状態判定手段は、前記ノックセンサの検出値を用いずに、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となるか否かを判定して、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となる場合に高ノイズ状態にあると判定し、前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態にならない場合に高ノイズ状態にはないと判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  21. 請求項20に記載の内燃機関ノック判定装置において、
    前記高ノイズ状態判定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて前記駆動系の駆動タイミングが高ノイズ状態となるか否かを判定することを特徴とする内燃機関ノック判定装置。
  22. 駆動タイミングがクランク角に対して可変である駆動系を備えた内燃機関に設けたノックセンサにより検出される振動に対する振動強度判定と振動強度波形判定とに基づいてノック判定し、このノック判定の結果に基づいて点火時期を調節するノック制御装置であって、
    前記ノック判定は、請求項1〜21のいずれか一項に記載の内燃機関ノック判定装置により行うことを特徴とする内燃機関ノック制御装置。
JP2009292733A 2009-12-24 2009-12-24 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置 Expired - Fee Related JP5333195B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009292733A JP5333195B2 (ja) 2009-12-24 2009-12-24 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009292733A JP5333195B2 (ja) 2009-12-24 2009-12-24 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011132883A JP2011132883A (ja) 2011-07-07
JP5333195B2 true JP5333195B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=44345884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009292733A Expired - Fee Related JP5333195B2 (ja) 2009-12-24 2009-12-24 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5333195B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6362713B2 (ja) * 2015-02-05 2018-07-25 日立オートモティブシステムズ株式会社 ノック検出装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62195439A (ja) * 1986-02-21 1987-08-28 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP4363171B2 (ja) * 2003-12-11 2009-11-11 トヨタ自動車株式会社 エンジンのノック制御装置
JP2009024641A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP4949167B2 (ja) * 2007-08-08 2012-06-06 株式会社デンソー 内燃機関のノック判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011132883A (ja) 2011-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5802229B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP4848396B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP5536160B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2009150288A (ja) 内燃機関の内部egr制御装置
JP2009019521A (ja) 内燃機関の制御装置
US20240110848A1 (en) Misfire determination apparatus for internal combustion engine
US6827062B2 (en) Ignition timing control apparatus for internal combustion engine
JP5333195B2 (ja) 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置
JP5925641B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP4051880B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007032364A (ja) 吸気系異常検知装置
JP5593132B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4284972B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4510114B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007113496A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
JP2011247108A (ja) 内燃機関ノッキング制御装置
JP2011144721A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US8620562B2 (en) Variable valve system control apparatus
JP2009216001A (ja) 内燃機関の騒音低減装置
US20160040606A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP2007170198A (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP2005023806A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP6094173B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法
JP5574018B2 (ja) 内燃機関ノッキング制御装置
JP2004270592A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置及びノッキング制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130715

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5333195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees