JP4510114B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4510114B2
JP4510114B2 JP2008120889A JP2008120889A JP4510114B2 JP 4510114 B2 JP4510114 B2 JP 4510114B2 JP 2008120889 A JP2008120889 A JP 2008120889A JP 2008120889 A JP2008120889 A JP 2008120889A JP 4510114 B2 JP4510114 B2 JP 4510114B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
engine
ignition timing
cylinder operation
coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008120889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008223768A (ja
Inventor
展之 河口
泰昭 浅木
順也 飯生
正史 川真田
誠 瀬川
洋介 丹羽
治郎 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008120889A priority Critical patent/JP4510114B2/ja
Publication of JP2008223768A publication Critical patent/JP2008223768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4510114B2 publication Critical patent/JP4510114B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に複数気筒を有する内燃機関の一部気筒の作動を休止させる気筒休止機構を備えた内燃機関の制御装置に関する。
気筒休止機構を備えた内燃機関において、一部気筒運転から全筒運転への移行、またはその逆の移行を行うと、トルクショックが発生するため、特許文献1には、このようなトルクショックが発生しないように、スロットル弁の開度を制御する制御装置が示されている。この装置によれば、アクセルペダルの操作量に対応するスロットル弁開度を算出するために、全筒運転用のスロットル弁開度演算テーブルと、一部気筒運転用のスロットル弁開度演算テーブルとを使用し、一部気筒運転から全筒運転への移行、またはその逆の移行時に使用するテーブルを切り換えることが行われる。
特開昭62−103430号公報
上記従来の制御装置では、トルクショックを防止するためスロットル弁開度制御において、点火時期の変更によるトルク変動を考慮していないため、以下のような課題があった。
機関のノッキングを検出し、その検出結果に応じて点火時期が補正される場合において、例えば低オクタン価の燃料を使用しているときには、点火時期がノッキングの発生状態に応じて、遅角されたり、進角されたりする。また一部気筒運転中においては、全筒運転時に比べて一気筒当たりの負荷が大きくなるため、ノッキングが発生し易く、また点火時期の変化に起因するトルク変化が大きい。そのため、上記従来の制御装置では、点火時期の補正に伴うトルク変動が発生し、トルクショックを十分に低減できない場合があった。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、点火時期の補正と、作動気筒数の制御(一部気筒運転とするか、全筒運転とするかの選択)とを適切に行い、トルクショックを抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、複数気筒を有し、前記複数気筒の全てを作動させる全筒運転と、前記複数気筒のうち一部気筒の作動を休止させる一部気筒運転とを切換える切換手段(30)を備えた内燃機関の制御装置において、前記機関の運転パラメータを含む、前記機関により駆動される車両の運転パラメータ(TW,VP,GP,TH,TA,NE,PBA)を検出する運転パラメータ検出手段と、前記運転パラメータ検出手段により検出される運転パラメータに応じて前記全筒運転または一部気筒運転を前記切換手段(30)に指令する指令手段と、前記機関のノッキングを検出するノッキング検出手段(11,51,52,53)と、前記機関の運転パラメータに応じて前記機関の点火時期(IGCMD)を制御する点火時期制御手段と、前記ノッキング検出手段の検出結果に応じて前記点火時期を遅角方向に補正する補正量(KIGKN)を算出し、該補正量(KIGKN)により前記点火時期を補正する補正する補正手段と、前記全筒運転中に、前記補正量(KIGKN)のなまし演算を行うことにより学習値(KIGKREFE,KIGKREF)を算出する学習値算出手段と、前記一部気筒運転中は、前記点火時期の補正量(KIGKN)を前記学習値(KIGKREFE,KIGKREF)に所定加算値(DKIGKCS)を加算した値に設定する制限手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記切換手段による切換時における前記機関の出力トルクの変動を抑制するように前記機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段(図8及び図9の処理)をさらに備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ノッキング検出手段の検出結果に応じて点火時期を遅角方向に補正する補正量が算出されるとともに、全筒運転中に算出された補正量のなまし演算を行うことにより学習値が算出され、一部気筒運転中の補正量が学習値に所定加算値を加算した値に設定される。補正量の学習値は使用している燃料のオクタン価に応じた値となるので、一部気筒運転中の補正量を学習値に所定加算値を加算した値に設定することにより、一部気筒運転中においてもノッキングの発生を確実に抑制することができるとともに、点火時期補正量の変化に起因するトルク変化を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、作動気筒数の切換時に機関の出力トルクの変動を抑制するように機関の吸入空気量が制御されるので、作動気筒数の変更に伴うトルクショックを抑制することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。V型6気筒の内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、#1,#2及び#3気筒が設けられた右バンクと、#4,#5及び#6気筒が設けられた左バンクとを備え、右バンクには#1〜#3気筒を一時的に休止させるための気筒休止機構30が設けられている。図2は、気筒休止機構30を油圧駆動するための油圧回路とその制御系を示す図であり、この図も図1と合わせて参照する。
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3には、スロットル弁3の開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が設けられており、その検出信号が電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給される。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ24が接続されており、アクチュエータ24は、ECU5によりその作動が制御される。
燃料噴射弁6は図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号はECU5に供給される。また、吸気管内絶対圧センサ7の下流には吸気温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号をECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(6気筒エンジンではクランク角120度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)でCRKパルスを発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
気筒休止機構30は、エンジン1の潤滑油を作動油として使用し、油圧駆動される。オイルポンプ31により加圧された作動油は、油路32及び吸気側油路33i,排気側油路33eを介して、気筒休止機構30に供給される。油路32と、油路33i及び33eとの間に、吸気側電磁弁35i及び排気側電磁弁35eが設けられており、これらの電磁弁35i,35eはECU5に接続されてその作動がECU5により制御される。
油路33i,33eには、作動油圧が所定閾値より低下するとオンする油圧スイッチ34i,34eが設けられており、その検出信号は、ECU5に供給される。また、油路32の途中には、作動油温TOILを検出する作動油温センサ33が設けられており、その検出信号がECU5に供給される。
気筒休止機構30の具体的な構成例は、例えば特開平10−103097号公報に示されており、本実施形態でも同様の機構を用いている。この機構によれば、電磁弁35i,35eが閉弁され、油路33i,33e内の作動油圧が低いときは、各気筒(#1〜#3)の吸気弁及び排気弁が通常の開閉作動を行う一方、電磁弁35i,35eが開弁され、油路33i,33e内の作動油圧が高くなると、各気筒(#1〜#3)の吸気弁及び排気弁が閉弁状態を維持する。すなわち、電磁弁35i,35eの閉弁中は、全ての気筒を作動させる全気筒運転が行われ、電磁弁35i,35eを開弁させると、#1〜#3気筒を休止させ、#4〜#6気筒のみ作動させる一部気筒運転が行われる。
吸気管2のスロットル弁3の下流側と、排気管13との間には、排気還流通路21が設けられており、排気還流通路21の途中には排気還流量を制御する排気還流弁(以下「EGR弁」という)22が設けられている。EGR弁22は、ソレノイドを有する電磁弁であり、その弁開度はECU5により制御される。EGR弁22には、その弁開度(弁リフト量)LACTを検出するリフトセンサ23が設けられており、その検出信号はECU5に供給される。排気還流通路21及びEGR弁22より、排気還流機構が構成される。
エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プラグ12は、ECU5に接続されており、点火プラグ12の駆動信号、すなわち点火信号がECU5から供給される。
エンジン1の適宜の位置に、高周波振動を検出するノックセンサ11が装着されており、その検出信号がECU5に供給される。また、ECU5には、大気圧PAを検出する大気圧センサ14、エンジン1により駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ15、当該車両の変速機のギヤ位置GPを検出するギヤ位置センサ16、及び当該車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ17が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。ECU5は、各種センサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時間、点火時期、及びEGR弁22の開度を制御するとともに、電磁弁35i,35eの開閉を行って、エンジン1の全筒運転と、休筒運転との切り換え制御を行う。さらにECU5は、アクセルペダル操作量APに応じてスロットル弁3の目標開度THCMDを算出し、検出したスロットル弁開度THが目標開度THCMDに一致するようにアクチュエータ24の駆動制御を行う。スロットル弁開度THを補正することにより、全筒運転と一部気筒運転の切換に伴うトルクショックを抑制する制御が行われる。
さらにECU5は、ノックセンサ11の出力信号に基づいてノッキングの判定を行い、その判定結果に応じて点火時期の補正を行う。
図3は、本実施形態における、ノッキング判定のための回路構成を示すブロック図である。また図4は、本実施形態におけるノッキング判定手法を説明するための信号波形図であり、図4も合わせて参照する。
図3のノッキング判定回路は、アナログ回路部51と、サブマイクロコンピュータ(以下「サブマイコン」という)52と、メインマイクロコンピュータ(以下「メインマイコン」という)53とからなる。本実施形態では、ノックセンサ11として、共振型ノックセンサが用いられる。
アナログ回路部51は、バンドパスフィルタ61と、ゲイン切換回路62と、整流検波回路63及び64とを備えている。ノックセンサ11の出力(図4のノックセンサ出力波形参照)は、バンドパスフィルタ61を介してゲイン切換回路62及び整流検波回路64に入力される。ゲイン切換回路62は、エンジン1の高回転領域でゲインが1/2倍となり、低回転領域でゲインが4倍となるように、メインマイコン53からの制御信号によりに切換られる。ゲイン切換回路62の出力信号は、整流検波回路63に入力される。
整流検波回路63は、ノックレベル(ノッキング判定のための信号レベル)を検出するための信号KNSをサブマイコン52に入力し、整流検波回路64は、ノイズレベルを検出するための信号NOSをサブマイコン52に入力する(図4、整流検波波形参照)。サブマイコン52は、A/D変換機能を有し、図4に示すノックゲート期間TGK中における、信号KNSの最大値を、ノックレベルKSMAXとして検出する。さらにサブマイコン52は、ノイズゲート期間TGN1及びTGN2におけるノイズレベルの最大値NZMAX及び最小値NZMINを検出する。ノックゲート期間TGKを示すノックゲート信号SGK及びノイズゲート期間TGN1及びTGN2を示すノイズゲート信号SGNは、メインマイコン53からサブマイコン52に供給される。
メインマイコン53は、TDCパルス及びCRKパルスに応じてノックゲート信号SGK及びノイズゲート信号SGNを生成するとともに、図11に示すノッキング判定処理を実行する。
図5は、一部の気筒を休止させる気筒休止(一部気筒運転)の実行条件を判定する処理のフローチャートである。この処理はECU5のメインマイコン53で所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS211では、始動モードフラグFSTMODが「1」であるか否かを判別し、FSTMOD=1であってエンジン1の始動(クランキング)中であるときは、検出したエンジン水温TWを始動モード水温TWSTMODとして記憶する(ステップS213)。次いで、始動モード水温TWSTMODに応じて図6に示すTMTWCSDLYテーブルを検索し、遅延時間TMTWCSDLYを算出する。TMTWCSDLYテーブルは、始動モード水温TWSTMODが第1所定水温TW1(例えば40℃)以下の範囲では、遅延時間TMTWCSDLYが所定遅延時間TDLY1(例えば250秒)に設定され、始動モード水温TWSTMODが第1所定水温TW1(例えば40℃)より高く第2所定水温TW2(例えば60℃)以下の範囲では、始動モード水温TWSTMODが高くなるほど遅延時間TMTWCSDLYが減少するように設定され、始動モード水温TWSTMODが第2所定水温TW2より高い範囲では、遅延時間TMTWCSDLYは「0」に設定されている。
続くステップS215では、ダウンカウントタイマTCSWAITを遅延時間TMTWCSDLYに設定してスタートさせ、気筒休止フラグFCYLSTPを「0」に設定する(ステップS225)。これは気筒休止の実行条件が不成立であることを示す。
ステップS211でFSTMOD=0であって通常運転モードであるときは、エンジン水温TWが気筒休止判定温度TWCSTP(例えば75℃)より高いか否かを判別する(ステップS212)。TW≦TWCSTPであるときは、実行条件不成立と判定し、前記ステップS214に進む。エンジン水温TWが気筒休止判定温度TWCSTPより高いときは、ステップS212からステップS216に進み、ステップS215でスタートしたタイマTCSWAITの値が「0」であるか否かを判別する。TCSWAIT>0である間は、前記ステップS24に進み、TCSWAIT=0となると、ステップS217に進む。
ステップS217では、後述する図19及び図20の処理により算出される遅角係数KIGKNが所定係数値KIGKNCSX(例えば「1.0」であって、オクタン価90程度の燃料に対応する値)以下か否かを判別する。遅角係数KIGKNは、ノッキング判定結果に応じて設定される。より具体的には、ノッキングが発生するときは、遅角係数KIGKNは、増加する方向(遅角方向)に更新され、ノッキングが発生しないときは、遅角係数KIGKNは、減少する方向(進角方向)に更新される。ステップS217の答が否定(NO)であって、ノッキングの発生頻度が高く、点火時期の遅角補正量が大きいときは、一部気筒運転を禁止すべく前記ステップS225に進む。
これにより、作動気筒数の変更に伴うトルクショックと、点火時期の補正に伴うトルク変化とが重なることがなく、トルクショックを効果的に抑制することができる。
ステップS218では、車速VP及びギヤ位置GPに応じて図7に示すTHCSテーブルを検索し、ステップS219の判別に使用する上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLを算出する。図7において、実線が上側閾値THCSHに対応し、破線が下側閾値THCSLに対応する。THCSテーブルは、ギヤ位置GP毎に設定されており、各ギヤ位置(2速〜5速)において、大まかには車速VPが増加するほど、上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLが増加するように設定されている。ただし、ギヤ位置GPが2速のときは、車速VPが変化しても上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLは一定に維持される領域が設けられている。またギヤ位置GPが1速のときは、常に全筒運転を行うので、上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLは例えば「0」に設定される。また車速VPが同一であれば、低速側ギヤ位置GPに対応する閾値(THCSH,THCSL)の方が、高速側ギヤ位置GPに対応する閾値(THCSH,THCSL)より大きな値に設定されている。
ステップS219では、スロットル弁開度THが閾値THCSより小さいか否かの判別をヒステリシスを伴って行う。具体的には、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるときは、スロットル弁開度THが増加して上側閾値THCSHに達すると、ステップS219の答が否定(NO)となり、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」であるときは、スロットル弁開度THが減少して下側閾値THCSLを下回ると、ステップS219の答が肯定(YES)となる。
ステップS219の答が肯定(YES)であるときは、大気圧PAが所定圧PACS(例えば86.6kPa(650mmHg))以上であるか否かを判別し(ステップS220)、その答が肯定(YES)であるとき、吸気温TAが所定下限温度TACSL(例えば−10℃)以上であるか否かを判別し(ステップS221)、その答が肯定(YES)であるときは、吸気温TAが所定上限温度TACSH(例えば45℃)より低いか否かを判別し(ステップS222)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEが所定回転数NECSより低いか否かを判別する(ステップS223)。ステップS223の判別は、ステップS219と同様にヒステリシスを伴って行われる。すなわち、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるときは、エンジン回転数NEが増加して上側回転数NECSH(例えば3500rpm)に達すると、ステップS223の答が否定(NO)となり、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」であるときは、エンジン回転数NEが減少して下側回転数NECSL(例えば3300rpm)を下回ると、ステップS223の答が肯定(YES)となる。
ステップS219〜S223の何れかの答が否定(NO)であるときは、気筒休止の実行条件が不成立と判定し、前記ステップS225に進む。一方ステップS219〜S223の答がすべて肯定(YES)であるときは、気筒休止の実行条件が成立していると判定し、気筒休止フラグFCYLSTPを「1」に設定する(ステップS224)。
気筒休止フラグFCYLSTPが「1」に設定されているときは、#1〜#3気筒を休止させ、#4〜#6気筒を作動させる一部気筒運転が実行され、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」に設定されているときは、全気筒#1〜#6を作動させる全筒運転が実行される。
図8及び図9は、スロットル弁の目標開度THCMDを算出する処理のフローチャートである。この処理は、ECU5のメインマイコン53で所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS231では、アクセルペダル操作量APに応じて基本目標開度THONLを算出する。基本目標開度THONLは、アクセルペダル操作量APにほぼ比例するように設定される。ステップS232では、エンジン回転数NE及びスロットル弁開度THに応じてTRQBASEマップ(図示せず)を検索し、エンジン1の基本目標トルクTRQASEを算出する。TRQBASEマップは、エンジン回転数NE及びスロットル弁開度THを変化させて、全筒運転時のエンジン1の出力トルクを測定することにより、予め設定されている。
ステップS233では、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」であるか否かを判別する。FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、気筒休止フラグFCYLSTPが前回「1」であったか否かを判別する(ステップS234)。この答が肯定(YES)、すなわち一部気筒運転から全筒運転への移行直後であるときは、第1移行フラグFPTTOALを「1」に設定する(ステップS235)。次いでエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてDCSTRQDマップを検索し、減算補正項DCSTRQDを算出する(ステップS236)。DCSTRQDマップは、エンジン回転数NEが高くなるほど、また吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、減算補正項DCSTRQDが大きくなるように設定されている。
ステップS237では、下記式に基本目標トルクTRQBASE及び減算補正項DCSTRQDを適用して、目標トルクTRQENGを算出する。
TRQENG=TRQBASE−DCSTRQD
続くステップS260では、エンジン回転数NE及び目標トルクTRQENGに応じて全筒運転用のTRQTHマップ(図示せず)を検索し、目標トルクTRQENGを出力するのに必要な要求スロットル弁開度TRQTHを算出する。全筒運転用のTRQTHマップは、ステップS232で検索されるTRQBASEマップと実質的の同一内容のマップである。すなわち、TRQBASEマップは、エンジン回転数NE及びスロットル弁開度THから基本目標トルクTRQBASEを算出するように設定されており、全筒運転用のTRQTHマップは、エンジン回転数NE及び目標トルクTRQENGから、要求スロットル弁開度TRQTHを算出するように設定されている。
ステップS261では、目標開度THCMDを、ステップS260で算出した要求スロットル弁開度TRQTHに設定する。
ステップS234の答が否定(NO)、すなわち前回以前から全筒運転が行われているときは、第1移行フラグFPTTOALが「1」であるか否かを判別する(ステップS238)。最初はFPTTOAL=1であるので、ステップS239に進み、下記式により目標トルクTRQENGを漸増させる。
TRQENG=TRQENG+DTRQENGD
ここで、DTRQENGDは、所定加算値である。
ステップS240では、目標トルクTRQENGが基本目標トルクTRQBASEより小さいか否かを判別し、TRQENG<TRQBASEであるときは、前記ステップS260に進む。ステップS260では、全筒運転用のTRQTHマップを用いて要求スロットル弁開度TRQTHが算出される。目標トルクTRQENGが基本目標トルクTRQBASE以上であるときは、ステップS241に進み、第1移行フラグFPTTOALを「0」に設定する。次いで、目標トルクTRQENGを基本目標トルクTRQBASEに設定する(ステップS242)とともに、目標開度THCMDを基本目標開度THONLに設定する(ステップS243)。
ステップS241で第1移行フラグFPTTOALが「0」に設定されると、その後は、ステップS238から直ちにステップS241に進む。
ステップS233でFCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、気筒休止フラグFCYLSTPが前回「0」であったか否かを判別する(ステップS251)。この答が肯定(YES)、すなわち全気筒運転から一部気筒運転への移行直後であるときは、第2移行フラグFALTOPTを「1」に設定する(ステップS252)。次いでエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてDCSTRQUマップを検索し、加算補正項DCSTRQUを算出する(ステップS253)。DCSTRQUマップは、エンジン回転数NEが高くなるほど、また吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、加算補正項DCSTRQUが大きくなるように設定されている。
ステップS254では、下記式に基本目標トルクTRQBASE及び加算補正項DCSTRQUを適用して、目標トルクTRQENGを算出する。
TRQENG=TRQBASE+DCSTRQU
ステップS254実行後は、前記ステップS260に進む。ステップS260では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQENGに応じて、一部気筒運転用のTRQTHマップ(図示せず)を検索し、要求スロットル弁開度TRQTHが算出される。一部気筒運転用のTRQTHマップは、エンジン回転数NE及び目標トルクTRQENGに対応する、一部気筒運転時の要求スロットル弁開度TRQTHが設定されている。
ステップS251の答が否定(NO)、すなわち前回以前から一部気筒運転が行われているときは、第2移行フラグFALTOPTが「1」であるか否かを判別する(ステップS255)。最初はFALTOPT=1であるので、ステップS256に進み、下記式により目標トルクTRQENGを漸減させる。
TRQENG=TRQENG−DTRQENGD
ステップS257では、目標トルクTRQENGが基本目標トルクTRQBASEより大きいか否かを判別し、TRQENG>TRQBASEであるときは、前記ステップS260に進む。目標トルクTRQENGが基本目標トルクTRQBASE以下であるときは、ステップS258に進み、第2移行フラグFALTOPTを「0」に設定する。次いで、目標トルクTRQENGを基本目標トルクTRQBASEに設定し(ステップS259)、前記ステップS260に進む。ステップS260では、一部気筒運転用のTRQTHマップを検索することにより、要求スロットル弁開度TRQTHが算出される。
図8及び図9の処理によれば、図10に示すように、全筒運転から一部気筒運転への移行(FCYLSTP=0→1)直後は、目標トルクTRQENGはステップ状に増加し、その後基本目標トルクTRQBASEまで漸減する。また一部気筒運転から全筒運転への移行(FCYLSTP=1→0)直後は、目標トルクTRQENGはステップ状に減少し、その後基本目標トルクTRQBASEまで漸増する。そして、スロットル弁の目標開度THCMDが、この目標トルクTRQENGに応じて設定され、実際のエンジン1の出力トルクが目標トルクTRQENGとなるようにスロットル弁開度が制御される。これにより、作動気筒数の変更に伴うトルクショックを抑制することができる。
なお、基本目標開度THONLは、図示しない変速制御処理あるいはトラクション制御処理においても用いられる。トラクション制御においては、当該車両の駆動輪の過剰スリップ状態が検出され、過剰スリップを抑制するように、エンジン1の出力トルクが制限される。
図11は、メインマイコン53で実行されるノッキング判定処理のフローチャートである。この処理は、TDCパルスの発生に同期して実行される。
ステップS11では、下記式(1)によりノイズレベルNZMINAA(n)を算出する。
NZMINAA(n)=(NZMINAA(n-3)+NZMINAA(n-2)
+NZMINAA(n-1)+NZMIN(n))/4 (1)
ここで、右辺のNZMINAA(n-3)〜NZMINAA(n-1)は、ノイズレベルの過去値であり、NZMIN(n)は、サブマイコン52から送信される最新の検出最小値である。
ステップS12では、図12に示すGAMP算出処理を実行し、ゲイン係数GAMPを算出する。
図12のステップS31では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する。ステップS31の答が否定(NO)であって、全筒運転中であるときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてAMPGL1マップ(図示せず)を検索し、第1マップ値AMPGL1を算出する(ステップS34)。AMPGL1マップは、エンジン回転数NEが増加するほど、また吸気管内絶対圧PBAが増加するほど、第1マップ値AMPGL1が増加するように設定されている。続くステップS35では、ゲイン係数GAMPを第1マップ値AMPGL1に設定して、本処理を終了する。
一方、ステップS31の答が肯定(YES)であって、一部気筒運転中であるときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてAMPGCSマップ(図示せず)を検索し、第2マップ値AMPGCSを算出する(ステップS32)。AMPGCSマップは、エンジン回転数NEが増加するほど、また吸気管内絶対圧PBAが増加するほど、第2マップ値AMPGCSが増加するように設定されている。また同一のエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAにおいては、第2マップ値AMPGCSは、第1マップ値AMPGL1より小さな値に設定されている。
続くステップS33では、ゲイン係数GAMPを第2マップ値AMPGCSに設定して、本処理を終了する。
図11に戻り、ステップS13では、図13に示すKAGTW算出処理を実行し、補正係数KAGTWを算出する。
図13のステップS41では、エンジン水温TWが第3所定水温TWKAG2(例えば70℃)以下か否かを判別し、TW>TWKAG2であるときは、補正係数KAGTWを「1.0」(無補正値)に設定する(ステップS50)。
ステップS41でTW≦TWKAG2であるときは、エンジン水温TWが第3所定水温TWKAG2より低い第2所定水温TWKAG1(例えば60℃)以下か否かを判別する(ステップS42)。ステップS42の答が否定(NO)、すなわちTWKAG1<TW≦TWKAG2であるときは、エンジン回転数NEに応じて図14に示すKAGTW2テーブル(実線L13)を検索し、第3係数値KAGTW2を算出する(ステップS48)。KAGTW2テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、第3係数値KAGTW2が増加するように設定されている。次いで、補正係数KAGTWをその第3係数値KAGTW2に設定する(ステップS49)。
ステップS42で、TW≦TWKAG1であるときは、エンジン水温TWが第2所定水温TWKAG1より低い第1所定水温TWKAG0(例えば40℃)以下か否かを判別する(ステップS43)。ステップS43の答が否定(NO)、すなわちTWKAG0<TW≦TWKAG1であるときは、エンジン回転数NEに応じて図14に示すKAGTW1テーブル(破線L12)を検索し、第2係数値KAGTW1を算出する(ステップS46)。KAGTW1テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、第2係数値KAGTW2が増加するように設定されている。次いで、補正係数KAGTWをその第2係数値KAGTW1に設定する(ステップS47)。
ステップS43でTW≦TWKAG0であるときは、エンジン回転数NEに応じて図14に示すKAGTW0テーブル(実線L11)を検索し、第1係数値KAGTW0を算出する(ステップS44)。KAGTW0テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、第1係数値KAGTW0が増加するように設定されている。次いで、補正係数KAGTWをその第1係数値KAGTW0に設定する(ステップS45)。
図13の処理によれば、補正係数KAGTWは、エンジン水温TWが低下するほど増加するように、またエンジン回転数NEが増加するほど増加するように設定される。
図11に戻り、ステップS14では、エンジン回転数NEがゲイン切換回転数NEKIRI(例えば2500rpm)より高いか否かを判別する。NE>NEKIRIであってエンジン1が高回転で運転されているときは、ゲイン切換回路62のゲインを低ゲインとする制御信号を出力する(ステップS15)とともに、ゲイン切換係数KAGKIRIを高回転用所定値KAGKIRIHに設定する(ステップS16)。一方、ステップS14でNE≦NEKIRIであるときは、ゲイン切換回路62のゲインを高ゲインとする制御信号を出力する(ステップS17)とともに、ゲイン切換係数KAGKIRIを低回転用所定値KAGKIRILに設定する(ステップS16)。低回転用所定値KAGKIRILは、高回転用所定値KAGKIRIHより大きな値に設定されている。
ステップS19では、ノイズレベルNZMINAA、ゲイン係数GAMP、補正係数KAGTW及びゲイン切換係数KAGKIRIを下記式(2)に適用し、判定閾値KLVLを算出する。
KLVL=NZMINAA×GAMP×KAGTW×KAGKIRI (2)
ステップS20では、ノックレベルの最大値KSMAXが判定閾値KLVLを超えたか否かを判別し、KSMAX>KLVLであるときは、ノッキング発生と判定して、ノッキングフラグFKNOCKを「1」に設定する(ステップS21)。一方、KSMAX≦KLVLであるときは、ノッキングは発生していないと判定し、ノッキングフラグFKNOCKを「0」に設定する(ステップS22)。
次に本実施形態における点火時期制御の概要を、図15を参照して説明する。図15のラインL21は、エンジン1の出力トルクを最大とするMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque)を示し、ラインL22は、高オクタン価(例えばオクタン価100)燃料のノック限界点火時期IGRONHを示し、ラインL23は、低オクタン価(例えばオクタン価90)燃料のノック限界点火時期IGRONLを示す。なお、点火時期は、上死点からの進角量で示される。
本実施形態では、高オクタン価燃料を基準とした基本点火時期IGMAPが、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じたマップに設定されている。
より具体的には、基本点火時期IGMAPは、図15に破線で示すように、吸気管内絶対圧PBAが図15の点PXに対応する所定吸気圧PBPXより低い低負荷運転状態では、ラインL21に対応するMBTが設定され、吸気管内絶対圧PBAが所定吸気圧PBPXより高い高負荷運転状態では、ラインL22に対応するノック限界点火時期IGRONHが設定されている。
そして点火時期IGCMDは、下記式(3)により算出される。
IGCMD=IGMAP+IGCR (3)
ここで、IGCRは、下記式(4)により算出される補正項である。
IGCR=DIGRSV+IGTW+IGPA−IGTA−IGKNOCK
(4)
DIGRSVは、図15に示すように、点PXより低負荷側で(IGRONH−MBT)に設定され、点PXより高負荷側では「0」に設定される低負荷進角補正項である。IGTWはエンジン水温TWに応じて設定される水温補正項であり、IGPAは大気圧に応じて設定される大気圧補正項であり、IGTAは、吸気温TAに応じて設定される吸気温補正項である。また、IGKNOCKは、下記式(5)により算出されるノック補正項である。
IGKNOCK=DIGKR×KIGKN (5)
ここでDIGKRは、図15に示すように、高オクタン価燃料のノック限界点火時期IGRONHと、低オクタン価燃料のノック限界点火時期IGRONLとの差(以下「オクタン価差分項」という)であり、KIGKNは、ノッキング判定結果に応じて設定される遅角係数である。ノッキングが発生するときは、遅角係数KIGKNは、増加する方向(遅角方向)に更新され、ノッキングが発生しないときは、遅角係数KIGKNは、減少する方向(進角方向)に更新される。
図16は、点火時期IGCMDを算出する処理のフローチャートである。この処理は、メインマイコン53により、TDCパルスの発生に同期して実行される。
ステップS61では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する。ステップS61の答が否定(NO)であって、全筒運転中であるときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてIGML1マップ(図示せず)を検索し、第1マップ値IGML1を算出する(ステップS62)。IGML1マップは、全筒運転用の基本点火時期マップであり、上述したよに、吸気管内絶対圧PBAが図15の点PXに対応する所定吸気圧PBPXより低い低負荷運転状態では、ラインL21に対応するMBTが設定され、吸気管内絶対圧PBAが所定吸気圧PBPXより高い高負荷運転状態では、ラインL22に対応するノック限界点火時期IGRONHが設定されている。続くステップS63では、基本点火時期IGMAPを第1マップ値IGML1に設定して、ステップS66に進む。
一方、ステップS61の答が肯定(YES)であって、一部気筒運転中であるときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてIGMCS1マップ(図示せず)を検索し、第2マップ値IGMCS1を算出する(ステップS64)。IGMCS1マップは、一部気筒運転用の基本点火時期マップであり、上述したように、吸気管内絶対圧PBAが図15の点PXに対応する所定吸気圧PBPXより低い低負荷運転状態では、ラインL21に対応するMBTが設定され、吸気管内絶対圧PBAが所定吸気圧PBPXより高い高負荷運転状態では、ラインL22に対応するノック限界点火時期IGRONHが設定されている。
基本点火時期マップとして、全筒運転用マップと一部気筒運転用マップとを設けるのは、全筒運転におけるエンジンの体積効率(吸入効率)ηVと、一部気筒運転における体積効率ηVとが異なるからである。
続くステップS65では、基本点火時期IGMAPを、第2マップ値IGMCS1に設定して、ステップS66に進む。
ステップS66では、図17に示すIGCR算出処理を実行し、補正項IGCRを算出する。ステップS67では、前記式(3)により、点火時期IGCMDを算出する。
図17は、図16のステップS66で実行されるIGCR算出処理のフローチャートである。
ステップS71では、図18に示すIGKNOCK算出処理を実行し、ノック補正項IGKNOCKを算出する。ステップS72では、エンジン水温TWに応じて水温補正項IGTWを算出し、ステップS73では、吸気温TAに応じて吸気温補正項IGTAを算出する。さらにステップS74では、大気圧PAに応じて大気圧補正項IGPAを算出する。
ステップS75では、前記式(4)により、補正項IGCRを算出する。
図18は、図17のステップS71で実行されるIGKNOCK算出処理のフローチャートである。
ステップS81では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてIGRONHマップ(図示せず)を検索し、高オクタン価燃料のノック限界点火時期IGRONHを算出する。そして、ノック限界点火時期IGRONHが基本点火時期IGMAPより大きいか否かを判別し(ステップS82)、IGRONH≦IGMAPであるときは、低負荷進角補正項DIGRSVを「0」に設定する(ステップS83)。一方、IGRONH>IGMAPであるときは、下記式(6)により、低負荷進角補正項DIGRSVを算出する(ステップS84)。
DIGRSV=IGRONH−IGMAP (6)
ステップS85では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてDIGKRマップ(図示せず)を検索し、オクタン価差分項DIGKRを算出する。DIGKRマップは、図15に示すように、高オクタン価燃料のノック限界点火時期IGRONHと、低オクタン価燃料のノック限界点火時期IGRONLとの差分が、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対応して設定されている。
ステップS86では、図19及び図20に示すKIGKN算出処理を実行し、遅角係数KIGKNを算出する。ステップS87では、前記式(5)により、ノック補正項IGKNOCKを算出する。
図19及び図20は、図18のステップS86で実行されるKIGKN算出処理のフローチャートである。
ステップS91では、図21に示すリミット値算出処理を実行し、遅角係数KIGKNの上限値KIGKNLMH及び下限値KIGKNLMLを算出する。ステップS92では、異常検出フラグFFSPKSが「1」であるか否かを判別する。異常検出フラグFFSPKSは、吸気管内絶対圧センサ7,吸気温センサ8などのエンジン運転状態を検出する各種センサのいずれかの故障が検出されたとき「1」に設定される。FFSPKS=1であって、フェールセーフ動作が必要であるときは、遅角係数KIGKNをフェールセーフ用所定値FSKIGKNに設定し(ステップS93)、第2リミット処理を実行する(ステップS94)。第2リミット処理では、遅角係数KIGKNが上限値KIGKNLMHを超えているときは、その上限値IGKNLMHに再設定される。ステップS94を実行した後、ステップS110に進む。
ステップS92でFFSPKS=0であってフェールセーフ動作が不要であるときは、初期フラグFKIGKNINIが「1」であるか否かを判別する(ステップS95)。最初は、FKIGKNINI=0であるので、ステップS96に進み、初期フラグFKIGKNINIを「1」に設定する。次いで、下記式(7)により、遅角係数KIGKNを算出する(ステップS97)。
KIGKN=KIGKREF+DKNINI (7)
ここで、KIGKREFは、後述する学習値算出処理で算出される、遅角係数KIGKNの第1学習値であり、DKNINIは、所定の初期設定加算値である。
ステップS97の実行後は、ステップS109に進む。
ステップS96で初期フラグFKIGKNINIが「1」に設定されると、ステップS95からステップS98に進み、ノック判定禁止フラグFKNOCKPが「1」であるか否かを判別する。ノック判定禁止フラグFKNOCKPは、エンジン回転数NEが低い(例えば1000rpm未満の)ときやエンジンへの燃料供給を停止するフュエルカット中などにおいて「1」に設定される。ステップS98の答が肯定(YES)であるときは、ダウンカウントタイマTADVを第1所定時間TMADVS(例えば0.2秒)に設定してスタートさせる(ステップS99)。次いで、遅角係数KIGKNを前回値と同一の設定として(ステップS100)、ステップS109に進む。
ステップS98でFKNOCKP=0であるときは、ノッキングフラグFKNOCKが「1」であるか否かを判別する(ステップS101)。FKNOCK=1であってノッキングが発生したときは、ダウンカウントタイマTADVを第2所定時間TMADVL(例えば0.5秒)に設定してスタートさせる(ステップS102)。次いで、加算項DKIGKNUを所定値DKIGKNUSに設定し(ステップS103)、その加算項DKIGKNUを下記式(8)に適用して、遅角係数KIGKNを増加方向に更新する(ステップS104)。これにより、点火時期の遅角補正量が増加する。
KIGKN=KIGKN+DKIGKNU (8)
ステップS104実行後は、ステップS109に進む。
ステップS101でFKNOCK=0であるときは、ステップS99またはステップS102でスタートされるダウンカウントタイマTADVの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS105)。この答が否定(NO)である間は、遅角係数KIGKNを前回値と同一の設定として(ステップS106)、ステップS109に進む。タイマTADVの値が「0」となると、ステップS105からステップS107に進み、該タイマTADVを第1所定時間TMADVSに設定してスタートさせる。次いで、下記式(9)により、遅角係数KIGKNを減少方向に更新し(ステップS108)、ステップS109に進む。式(9)による更新によって、点火時期の遅角補正量が減少する(点火時期は進角方向に変化する)。
KIGKN=KIGKN−DKIGKND (9)
ここで、DKIGKNDは、所定減算値である。
ステップS109では、算出された遅角係数KIGKNの第1リミット処理を実行する。すなわち、遅角係数KIGKNが、ステップS91で算出される上限値KIGKNLMHを超えるときは、その上限値KIGKNLMHに再設定され、遅角係数KIGKNがステップS91で算出される下限値KIGKNLMLより小さいときは、その下限値KIGKNLMLに再設定される。
ステップS110では、学習値算出用遅角係数KIGKMを、算出された遅角係数KIGKNに設定し、次いで図23及び図24に示す学習値算出処理を実行する(ステップS111)。この学習値算出処理により、全筒運転に対応して第1学習値KIGKREF及び第2学習値KIGKREFEが算出され、一部気筒運転に対応して第3学習値KIGKRFCSが算出される。第1学習値KIGKREFは、排気還流を行わない運転状態に対応して算出される学習値であり、第2学習値KIGKREFEは、排気還流を行う運転状態に対応して算出される学習値である。
ステップS112では、学習値算出処理で設定される進角学習フラグFKIGKNADVが「1」であるか否かを判別する。進角学習フラグFKIGKNADVは、学習値が進角方向に更新されたとき「1」に設定される。
ステップS112の答が否定(NO)であるときは、遅角係数KIGKNを、学習値算出用遅角係数KIGKMに設定する(ステップS113)。ステップS112でFKIGKNADV=1であって学習値が進角方向に更新されたときは、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する(ステップS114)。そしてFCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、遅角係数KIGKNを第3学習値KIGKRFCSに設定する(ステップS115)。
ステップS114でFCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、EGRフラグFEGRMが「1」であるか否かを判別する(ステップS116)。EGRフラグFEGRMは、排気還流を実行しているとき「1」に設定される。FEGRM=1であるときは、遅角係数KIGKNを第2学習値KIGKREFEに設定し(ステップS117)、FEGRM=0であるときは、遅角係数KIGKNを第1学習値KIGKREFに設定する(ステップS118)。
図21は、図19のステップS91で実行されるリミット値算出処理のフローチャートである。
ステップS121では、エンジン水温TWに応じて図22に示すKIGKNLMXテーブルを検索し、リミット値KIGLNLMXを算出する。KIGKNLMXテーブルは、エンジン水温TWが増加するほど、リミット値KIGKNLMXが増加するように設定されている。エンジン水温TWが低いときは、ノッキングは発生せず、エンジン水温TWが高くなるほど発生しやすくなることを考慮したものである。
ステップS122では、制御モードフラグFKNFBが「1」であるか否かを判別する。制御モードフラグFKNFBは、初期値は「0」であり、ステップS123の答が肯定(YES)となると、ステップS125で「1」に設定される。最初は、FKNFB=0であるので、ステップS123に進み、ステップS121で算出されたリミット値KIGKNLMXが第1学習値KIGKREF以上であるか否かを判別する。エンジンの始動直後は、ステップS123の答は否定(NO)となるので、ステップS124に進み、下限値KIGKNLMLをリミット値KIGKNLMXに設定する。次いで、上限値KIGKNLMHもリミット値KIGKNLMXに設定する(ステップS133)。
ステップS123の答が肯定(YES)となると、制御モードフラグFKNFBを「1」に設定し(ステップS125)、ステップS126に進む。制御モードフラグFKNFBが「1」に設定された後は、ステップS122から直ちにステップS126に進む。
ステップS126では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別し、FCYLSTP=1であるときは、下限値KIGKNLMLを、第3学習値KIGKRFCS及び所定下限値KIGKNLのうち、いずれか大きい方に設定する(ステップS127)。FCYLSTP=0であるときは、EGRフラグFEGRMが「1」であるか否かを判別し(ステップS128)、FEGRM=1であるときは、下限値KIGKNLMLを、第2学習値KIGKREFE及び所定下限値KIGKNLのうち、いずれか大きい方に設定する(ステップS130)。また、FEGRM=0であるときは、下限値KIGKNLMLを、第1学習値KIGKREF及び所定下限値KIGKNLのうち、いずれか大きい方に設定する(ステップS129)。
ステップS131では、ステップS121で算出されたリミット値KIGKNLMXが下限値KIGKNLML以上であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、前記ステップS133に進んで、上限値KIGKNLMHをリミット値KIGKNLMXに設定する。ステップS131の答が否定(NO)であるときは、上限値KIGKNLMHを下限値KIGKNLMLと等しくする(ステップS132)。
図23及び図24は、図20のステップS111で実行される学習値算出処理のフローチャートである。
ステップS140では、初期化フラグFKNREFMODが「1」であるか否かを判別する。最初はFKNREFMOD=0であるので、ステップS141に進み、異常検出フラグFFSPKSが「1」であるか否かを判別する。この答が否定(NO)であってセンサの異常が検出されていないときは、直ちにステップS143に進む。一方、FFSPKS=1であって何れかのセンサの異常が検出されているときは、学習値算出用の中間パラメータKIGKNREF、第1学習値KIGKREF、第2学習値KIGKREFE及び第3学習値KIGKRFCSをいずれも初期化所定値KIGRINIに設定する(ステップS142)。
ステップS143では、初期化フラグFKNREFMODを「1」に設定する。次いで、進角補正項DRREFを「0」に設定し(ステップS144)、ダウンカウントタイマTDRREFを所定時間TDREF0(例えば1.0秒)に設定してスタートさせる(ステップS145)。さらにステップS173に進んで、進角学習フラグFKIGKNADVを「0」に設定する。
初期化フラグFKNREFMODが「1」に設定されると、ステップS141からステップS146に進み、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する。FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、中間パラメータKIGKNREFを第3学習値KIGKRFCSに設定する(ステップS147)。FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、EGRフラグFEGRMが「1」であるか否かを判別する(ステップS148)。FEGRM=1であって排気還流実行中であるときは、中間パラメータKIGKNREFを第2学習値KIGKREFEに設定する(ステップS149)。FEGRM=0であって排気還流を実行していないときは、中間パラメータKIGKNREFを第1学習値KIGKREFに設定する(ステップS150)。
続くステップS151では、ノッキングフラグFKNOCKが「1」であるか否かを判別し、FKNOCK=1であってノッキングが発生したときは、下記式(10)により、進角補正項DRREFを所定値DDRREFだけデクリメントする(ステップS152)。
DRREF=DRREF−DDRREF (10)
ステップS153では、進角補正項DRREFのリミット処理を行う。すなわち、進角補正項DRREFが所定下限値DRREFLより小さいときは、進角補正項DRREFは、その所定下限値DRREFLに再設定される。その後ステップS154に進む。
ステップS151でFKNOCK=0であってノッキングが発生していない時は、直ちにステップS154に進む。
ステップS154では、学習値算出用遅角係数KIGKMが中間パラメータKIGKNREF以下であるか否かを判別し、KIGKM>KIGKNREFであって、遅角係数KIGKMが中間パラメータKIGKNREFより遅角側の値であるときは、ステップS155〜S159により、学習値算出用遅角係数KIGKMをなまし処理することにより、各学習値が算出されるとともに、算出された学習値の上限リミット処理が行われる。学習値算出用遅角係数KIGKMは図19のステップS109でリミット処理がなされているが、学習値の上限値は別に設定される場合があるため、再度リミット処理が行われる。
ステップS155では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する。FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、下記式(11)に、学習値算出用遅角係数KIGKMを適用して、第3学習値KIGKRFCSを算出する(ステップS156)。この演算の結果、第3学習値KIGKRFCSが所定上限値KIGREFHを超えたときは、第3学習値KIGKRFCSはこの所定上限値KIGREFHに再設定される。
KIGKRFCS=CKIGREF×KIGKM
+(1−CKIGREF)×KIGKRFCS (11)
ここでCKIGREFは0から1の間の値に設定されるなまし係数であり、右辺のKIGKRFCSは、第3学習値の最新の過去値である。
ステップS155でFCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、EGRフラグFEGRMが「1」であるか否かを判別する(ステップS157)。FEGRM=1であって排気還流実行中であるときは、下記式(12)により第2学習値KIGKREFEを算出する(ステップS158)。この演算の結果、第2学習値KIGKREFEが所定上限値KIGREFHを超えたときは、第2学習値KIGKREFEはこの所定上限値KIGREFHに再設定される。
KIGKREFE=CKIGREF×KIGKM
+(1−CKIGREF)×KIGKREFE (12)
ここで右辺のKIGKREFEは、第2学習値の最新の過去値である。
またFEGRM=0であって排気還流を実行していないときは、下記式(13)により、第1学習値KIGKREFを算出する(ステップS159)。この演算の結果、第2学習値KIGKREFEが所定上限値KIGREFHを超えたときは、第2学習値KIGKREFEはこの所定上限値KIGREFHに再設定される。
KIGKREF=CKIGREF×KIGKM
+(1−CKIGREF)×KIGKREF (13)
ここで右辺のKIGKREFは、第1学習値の最新の過去値である。
続くステップS160では、進角学習フラグFKIGKNADVを「0」に設定し、本処理を終了する。
ステップS154でKIGKM≦KIGKNREFであって、学習値算出用遅角係数KIGKMが中間パラメータKIGKNREFより進角側の値であるときは、ステップS145でスタートされたダウンカウントタイマTDRREFの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS161)。そしてTDRREF>0である間は前記ステップS173に進み、TDRREF=0となると、図25に示すFADVREF設定処理を実行する(ステップS162)。
図25のステップS181では、エンジン水温TWが所定水温TWRMH(例えば120℃)より高いか否かを判別し、TW≦TWRMHであるときは、燃料噴射量の高負荷補正係数KWOTが所定計数値KWOTKN(例えば1.438)より大きいか否かを判別する。高負荷補正係数KWOTは、スロットル弁がほぼ全開とされるスロットル全開運転状態において「1.0」より大きな値に設定され、それ以外のエンジン運転状態では「1.0」に設定される。
ステップS182の答が否定(NO)、すなわちスロットル全開運転状態でないときは、ダウンカウントタイマTKAGNGUの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS183)。ダウンカウントタイマTKAGNGUは、エンジンへの燃料供給を遮断するフュエルカット運転を終了した時点(燃料供給を再開した時点)において所定時間TFCD(例えば0.5秒)に設定される。TKAGNGU=0であってフュエルカット運転終了後所定時間TFCDが経過しているときは、ステップS184に進み、進角学習許可フラグFADVREFを「1」に設定する。
次いで気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別し(ステップS186)、FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、ダウンカウントタイマTDRREFを一部気筒運転用所定時間TMDRRFCS(例えば1.0秒)に設定してスタートさせる(ステップS187)。またFCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、ダウンカウントタイマTDRREFを全筒運転用所定時間TMDRREFL(例えば0.4〜1.0秒)に設定してスタートさせる(ステップS188)。
ステップS181若しくはS182の答が肯定(YES)、またはステップS183の答が否定(NO)であるときは、ステップS185に進み、進角学習許可フラグFADVREFを「0」に設定する。これにより、進角方向への学習値の更新が禁止される。平均的なエンジン運転状態から大きく外れたエンジン運転状態においては、学習値を進角方向へ更新することは好ましくないからである。
図24に戻り、ステップS163では、進角学習許可フラグFADVREFが「1」であるか否かを判別し、FADVREF=0であって進角学習が許可されていないときは、学習値を更新することなく前記ステップS173に進む。
一方FADVREF=1であって進角学習が許可されているときは、下記式(14)により、中間パラメータKIGKNREFを進角補正項DRREFだけデクリメントする(ステップS164)。これにより、中間パラメータKIGKNREFは、進角方向に更新される。
KIGKNREF=KIGKNREF−DRREF (14)
ステップS165では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別し、FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、中間パラメータの第1のリミット処理を実行する(ステップS168)。具体的には、中間パラメータKIGKNREFが所定下限値KIGREFLより小さいときは、中間パラメータKIGKNREFは、その所定下限値KIGREFLに再設定される。
次いでEGRフラグFEGRMが「1」であるか否かを判別し(ステップS169)、FEGRM=1であって排気還流を実行しているときは、第2学習値KIGKREFEを中間パラメータKIGKNREFに設定して(ステップS170)、ステップS172に進む。またFEGRM=0であって排気還流を実行していないときは、第1学習値KIGKREFを中間パラメータKIGKNREFに設定して(ステップS171)、ステップS172に進む。
またステップS165でFCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、中間パラメータKIGKNREFの第2のリミット処理を実行する(ステップS166)。具体的には、中間パラメータKIGKNREFが所定下限値KIGRFCLより小さいときは、中間パラメータKIGKNREFは、その所定下限値KIGRFCLに再設定される。
続くステップS167では、第3学習値KIGKRFCSを中間パラメータKIGKNREFに設定し、ステップS172に進む。
ステップS172では、進角学習フラグFKIGKNADVを「1」に設定する。
図23及び図24の処理によれば、全筒運転においては、第1学習値KIGKREFまたは第2学習値KIGKREFEが算出され、一部気筒運転においては、第3学習値KIGKRFCSが算出されるたので、それぞれの運転状態に適した遅角係数の学習値が得られる。例えば一部気筒運転から全筒運転に、またはその逆に運転状態が移行し、かつ学習値KIGKREF,KIGKREFE、またはKIGKRFCSが進角方向に更新されたときには、移行後の運転状態に適した学習値が、遅角係数KIGKNとして適用される(図20,ステップS114〜S118)。その結果、そのような運転状態の変化直後であってもノッキングの抑制しつつ、十分なエンジン出力を得ることができる。
以上のように本実施形態では、図19及び図20の処理により、ノッキングの検出結果に応じて設定される遅角係数KIGKNが、所定係数値KIGKNCSXより大きいとき、すなわちノッキングの発生頻度が高く、点火時期の遅角補正量が大きいときは、一部気筒運転が禁止される(図5,ステップS217参照)。したがって、作動気筒数の変更に伴うトルクショックと、ノッキングの発生による点火時期の補正に伴うトルク変化とが重なることがなく、トルクショックを抑制することができる。
本実施形態においては、気筒休止機構30が切換手段に相当し、スロットル弁開度センサ4、吸気温センサ8、エンジン水温センサ9、クランク角度位置センサ10、車速センサ15,及びギヤ位置センサ16が運転パラメータ検出手段を構成する。また、ECU5のアナログ回路部51,サブマイコン52及びメインマイコン53がノッキング検出手段を構成し、メインマイコン53が指令手段、点火時期制御手段、補正手段、及び禁止手段を構成する。より具体的には、図11の処理がノッキング検出手段の一部に相当し、図5の処理が指令手段に相当する。また図16の処理が点火時期制御手段に相当し、図18の処理が補正手段に相当し、図5のステップS217が禁止手段に相当する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、ノッキングの検出結果に応じて設定される遅角係数KIGKNにに応じて一部気筒運転を禁止することに代えて、一部気筒運転中は、点火時期の補正を制限し、点火時期の補正によるトルク変動を抑制するようにしたものである。以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図26は、本実施形態における気筒休止実行条件判定処理のフローチャートである。この処理は、第1の実施形態における図5の処理に対応するものであり、図5の処理のステップS217が削除されている。それ以外は、図5の処理と同一である。
図27は、本実施形態におけるリミット値算出処理のフローチャートである。この処理は、図21のステップS126及びS127を削除し、ステップS120及びS134を追加したものである。
ステップS120では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別し、FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、ステップS121に進む。一方、FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、上限値KIGKNLMH及び下限値KIGKNLMLを、それぞれ所定上限値KIGLCSH(例えば「1.5」であって、オクタン価85程度の燃料に対応する値)及び所定下限値KIGLCSL(例えば「1.0」であって、オクタン価90程度の燃料に対応する値)に設定する(ステップS134)。
また制御モードフラグFKNFBが「1」に設定されたとき、ステップS122またはステップS125からステップS128に進む。
本実施形態では、一部気筒運転中は、遅角係数KIGKNの設定範囲が、所定上限値KIGLCSHと所定下限値値KIGLCSLで決まる範囲に制限される。すなわち、点火時期の遅角補正が、オクタン価90程度のレギュラーガソリンか、それよりオクタン価の低いガソリンを使用したときの範囲に制限される。したがって、オクタン価の低いガソリンが使用されていたとしても、ノッキングは抑制され、且つ点火時期の補正によるトルク変動が抑制される。その結果、作動気筒数の変更に伴うトルクショックを抑制する制御(図8及び図9の処理)を行うことにより、トルクショックを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、図26の処理が指令手段に相当し、図27の処理が制限手段に相当する。
(第3の実施形態)
本実施形態は、一部気筒運転中に遅角係数KIGKNの設定範囲を制限することに代えて、一部気筒運転中は、遅角係数KIGKNを所定係数値KIGKNCS0(例えば、「1.5」であって、オクタン価85程度の燃料に対応する値)に固定するようにしたものである。以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、図26に示す処理により、気筒休止条件が判定される。
図28及び図29は、本実施形態におけるKIGKN算出処理のフローチャートである。この処理は、図19の処理にステップS90を追加し、図20の処理のステップS114及びS115を削除するとともに、ステップS119を追加したものである。
ステップS90では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別し、FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、ステップS91に進む。一方、FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、ステップS119に進み、遅角係数KIGKNを所定係数値KIGKNCS0に設定する。
またステップS112で、進角学習フラグFKIGKNADVが「1」であるときは、ステップS116に進む。
このように本実施形態では、一部気筒運転中は、遅角係数KIGKNを、オクタン価85程度の燃料に対応する所定係数値KIGKNCS0に固定するようにしたので、オクタン価の低いガソリンが使用されていたとしても、ノッキングは抑制され、且つ点火時期補正量の変化に起因するトルク変化が発生しない。その結果、作動気筒数の変更に伴うトルクショックを抑制する制御(図8及び図9の処理)を行うことにより、トルクショックを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、図26の処理が指令手段に相当し、図28及び図29が補正手段及び制限手段に相当する。
(変形例1)
所定係数値KIGKNCS0は、「1.0」(オクタン価90程度の燃料に対応する値)から「1.5」(オクタン価85程度の燃料に対応する値)の間の値に設定するようにしてもよい。通常使用されるガソリンのオクタン価は、90程度あるいはそれより高いので、このような設定であっても、ノッキングはほとんど発生しない。
(変形例2)
所定係数値KIGKNCS0は、全筒運転時に算出される遅角係数KIGKNの学習値KIGKREFEまたはKIGKREFに所定加算値DKIGKCS(例えば「0.3」)を加算した値に設定するようにしてもよい。ただし、その場合でも「1.5」(オクタン価85程度の燃料に対応する値)を上限とすることが望ましい。学習値KIGKREFEまたはKIGKREFは、使用している燃料のオクタン価に応じた値となるので、このように設定することにより、一部気筒運転中においてもノッキングの発生を確実に抑制することができる。
また上述した実施形態では、DBW(Drive By Wire)型のスロットル弁を使用し、スロットル弁3を制御弁とし、アクチュエータ24及びECU5により、作動気筒数の切換に伴うトルク変動を抑制する吸入空気量制御手段を構成したが、アクセルペダルと機械的にリンクしたスロットル弁を使用し、このスロットル弁をバイパスするバイパス通路、及び該バイパス通路を介して吸入される空気量を制御するバイパス空気量制御弁を設け、バイパス空気量制御弁をECU5により、吸入空気量制御手段を構成するようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの点火時期制御にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 気筒休止機構の油圧制御系の構成を示すブロック図である。 ノッキング判定用回路の構成を示すブロック図である。 ノッキング判定の手法を説明するためのタイムチャートである。 気筒休止条件を判定する処理のフローチャートである。 図5の処理で使用されるTMTWCSDLYテーブルを示す図である。 図5の処理で使用されるTHCSテーブルを示す図である。 スロットル弁の目標開度(THCMD)を算出する処理のフローチャートである。 スロットル弁の目標開度(THCMD)を算出する処理のフローチャートである。 エンジンの目標トルク(TRQENG)の推移を示すタイムチャートである。 ノッキング判定処理のフローチャートである。 ノッキング判定に使用するゲイン係数(GAMP)を算出する処理のフローチャートである。 ノッキング判定に使用する判定閾値の補正係数(KAGTW)を算出する処理のフローチャートである。 図13の処理で使用されるテーブルを示す図である。 点火時期制御の概要を説明するための図である。 点火時期(IGCMD)を算出する処理のフローチャートである。 点火時期の補正項(IGCR)を算出する処理のフローチャートである。 点火時期のノック補正項(IGKNOCK)を算出する処理のフローチャートである。 遅角係数(KIGKN)を算出する処理のフローチャートである。 遅角係数(KIGKN)を算出する処理のフローチャートである。 遅角係数(KIGKN)のリミット値を算出する処理のフローチャートである。 図21の処理で使用されるテーブルを示す図である。 遅角係数(KIGKN)の学習値を算出する処理のフローチャートである。 遅角係数(KIGKN)の学習値を算出する処理のフローチャートである。 学習値の進角方向への更新を許可するフラグ(FADVREF)の設定を行う処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかる気筒休止条件判定処理のフローチャートである。 リミット値算出処理(第2の実施形態)のフローチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかるKIGKN算出処理のフローチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかるKIGKN算出処理のフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
4 スロットル弁開度センサ(運転パラメータ検出手段)
5 電子制御ユニット
8 吸気温センサ(運転パラメータ検出手段)
9 エンジン水温センサ(運転パラメータ検出手段)
10 クランク角度位置センサ(運転パラメータ検出手段)
15 車速センサ(運転パラメータ検出手段)
16 ギヤ位置センサ(運転パラメータ検出手段)
11 ノックセンサ(ノッキング検出手段)
12 点火プラグ
30 気筒休止機構(切換手段)
51 アナログ回路部(ノッキング検出手段)
52 サブマイクロコンピュータ(ノッキング検出手段)
53 メインマイクロコンピュータ(ノッキング検出手段、指令手段、点火時期制御手段、補正手段、制限手段)

Claims (2)

  1. 複数気筒を有し、前記複数気筒の全てを作動させる全筒運転と、前記複数気筒のうち一部気筒の作動を休止させる一部気筒運転とを切換える切換手段を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記機関の運転パラメータを含む、前記機関により駆動される車両の運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
    前記運転パラメータ検出手段により検出される運転パラメータに応じて前記全筒運転または一部気筒運転を前記切換手段に指令する指令手段と、
    前記機関のノッキングを検出するノッキング検出手段と、
    前記機関の運転パラメータに応じて前記機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    前記ノッキング検出手段の検出結果に応じて前記点火時期を遅角方向に補正する補正量を算出し、該補正量により前記点火時期を補正する補正手段と、
    前記全筒運転中に、前記補正量のなまし演算を行うことにより学習値を算出する学習値算出手段と、
    前記一部気筒運転中は、前記点火時期の補正量を前記学習値に所定加算値を加算した値に設定する制限手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記切換手段による切換時における前記機関の出力トルクの変動を抑制するように前記機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
JP2008120889A 2008-05-07 2008-05-07 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4510114B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008120889A JP4510114B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008120889A JP4510114B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 内燃機関の制御装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003149180A Division JP2004353473A (ja) 2003-05-27 2003-05-27 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008223768A JP2008223768A (ja) 2008-09-25
JP4510114B2 true JP4510114B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=39842646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008120889A Expired - Fee Related JP4510114B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4510114B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102163783B1 (ko) * 2019-12-09 2020-10-08 현대오트론 주식회사 노크 센서를 이용한 가변 기통 휴지 엔진 제어 방법
JP7327356B2 (ja) * 2020-11-06 2023-08-16 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の点火時期制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5990045U (ja) * 1982-12-08 1984-06-18 日産自動車株式会社 気筒数制御エンジン
JPS6024881U (ja) * 1983-07-27 1985-02-20 いすゞ自動車株式会社 ノツキング制御装置付可変気筒数エンジン
JPS6036736A (ja) * 1983-08-09 1985-02-25 Mazda Motor Corp 気筒数制御エンジン
JPH05332187A (ja) * 1992-05-28 1993-12-14 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JPH1150893A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5990045U (ja) * 1982-12-08 1984-06-18 日産自動車株式会社 気筒数制御エンジン
JPS6024881U (ja) * 1983-07-27 1985-02-20 いすゞ自動車株式会社 ノツキング制御装置付可変気筒数エンジン
JPS6036736A (ja) * 1983-08-09 1985-02-25 Mazda Motor Corp 気筒数制御エンジン
JPH05332187A (ja) * 1992-05-28 1993-12-14 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JPH1150893A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008223768A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5564543B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US20100236521A1 (en) Control system for internal combustion engine
US20140261319A1 (en) Ignition control device for internal combustion engine
JP5536160B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
US7438665B2 (en) Control system for internal combustion engine
US6854449B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP4326844B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4087265B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4510114B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004353473A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5925641B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2011236846A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4101715B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005307826A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP5333195B2 (ja) 内燃機関ノック判定装置及び内燃機関ノック制御装置
JP3593394B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JP4884337B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4255754B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4105041B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3815575B2 (ja) 内燃機関によって駆動される車両の制御装置
JP2004339940A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4760793B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004324506A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4141903B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005282394A (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100428

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4510114

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees