JP5330871B2 - ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン成型体の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン成型体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成型が可能な2液硬化型のポリウレタン樹脂組成物に関するものである。また、その組成物により得られる超軟質ポリウレタン成型体に関するものである。
近年、半導体集積回路作製技術等を用いて作成された機械要素部品を電気駆動することで、機械的に動作させる可動部を有するデバイス(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS; Micro-Electro Mechanical Systems)デバイス、以下MEMSデバイスという)の市場が拡大している。
このようなMEMSデバイスにおいては、防振ゴム、あるいはゴムよりも軟らかいゲル等を用いた緩衝材、防振材により、外部振動・衝撃から保護することが通常行なわれている。
たとえば、特許文献1には、公知のゴムやゲル等からなる防振材を筐体底面に取り付けたMEMSデバイスが開示されている。
特開2006−35375号公報
しかしながら、近年の、MEMSデバイスの精密(高集積)化、3次元構造半導体等の複雑形状化、微細(小型)化、薄膜化、等の傾向により、MEMSデバイスに搭載する緩衝材・防振材に要求される特性も、高度なものとなってきている。
具体的には、優れた衝撃吸収性や、微細な部品に対応するための薄膜性が要求される。優れた衝撃吸収性のためには、エネルギー吸収性の高い、軟質プラスチックを材料として使用することが理想的である。
また、これらの緩衝材・防振材は、加工性・量産性に優れていることや、耐久性・機械強度に優れていること、等の特性についても要求される。
従来、緩衝材や防振材に使用されているゴム(エラストマー)の製造方法としては、(1)熱プレス成形、(2)ペレット射出成形、(3)2液混合射出成形、が挙げられる。
(1)熱プレス成形物は、量産性、加工性に優れ、最も多く使用されている。しかしながら、熱硬化反応による成形物であるため、硬度が高く、衝撃吸収性に欠ける。また、熱プレス成形で複雑な形状の部品を製造することは技術的に困難であるため、精密部品の製造には向かない。
(2)ペレット射出成形物は、(1)熱プレス成形物よりも高精密成形が可能であるが、硬度が高いため、衝撃吸収性に欠ける。また、ペレット分解温度(樹脂が石油に戻る温度)と、加工温度(成形温度)が近似していることから、この方法で軟質プラスチックを製造することは、技術的に困難である。
(3)2液混合射出成形方法は、ウレタン系の軟質プラスチックを製造することが出来るため、好ましく用いられる。
しかしながら、従来は、2液を混合した後の反応進行が早く、可使時間が短いという問題があった。具体的には、可使時間が約10〜60分であり、可使時間を過ぎると、2液混合射出機の混合チャンバ以後のラインにおいて材料が固化してしまうため、吐出毎に溶剤での洗浄の必要があり、製造の自動化が困難であった。
本出願人が従来開発した、2液流し込み型ポリウレタン組成物(特開2001−316448号)によれば、衝撃吸収性(エネルギー吸収性)に優れた超軟質ポリウレタンによる原反シート(平面部材)が得られる。
出願人らは、さらに、微細化・精密化した立体部品に使用可能な超軟質ポリウレタンを得るため、鋭意検討した結果、本発明のポリウレタン組成物により、2液混合射出成形による超軟質ポリウレタン成形物が得られることを見出した。
本発明は、下記の特徴を有する。
[1]
(A)平均官能基数2.3〜3.0、数平均分子量1000〜8000のポリオールと、
(B)脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、もしくはそれらから誘導された活性水素基との反応性を有する末端イソシアネートのプレポリマーからなる有機ポリイソシアネートと、
(C)触媒と、
からなるポリウレタン樹脂組成物であって、
20℃での組成物の可使時間をT、120℃での組成物の硬化時間をTとしたとき、
/T>10であるポリウレタン樹脂組成物を、
70℃以上の閉じた開閉式金型に1MPa以下の圧力で射出し、10分以内に硬化させて、硬度HsA60以下のポリウレタン樹脂を製造することを特徴とする、ポリウレタン樹脂の製造方法。
[2]
前記脂肪族イソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であることを特徴とする、前記[1]に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
[3]
前記脂環式イソシアネートが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)であることを特徴とする、前記[1]に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
[4]
前記触媒が、感温性触媒であることを特徴とする、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
[5]
前記感温性触媒が、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン―7の有機酸塩(DBU塩)であることを特徴とする、前記[4]に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
[6]
前記[1]〜[5]のいずれかの製造方法を用いて製造したポリウレタン成型体。
[7]
前記[6]のポリウレタン成型体を用いた防振材料・制振材料および緩衝材料。
本発明は、2液混合射出成形により、微細化・精密化した立体部品に使用可能な、衝撃吸収性に優れた超軟質ポリウレタン成型体を得るための組成物である。本発明の組成物および製造方法によれば、耐久性、機械強度に優れ、常温での組成物の液安定性が高いため自動量産可能な超軟質ポリウレタン成型体を得ることができる。
本発明の製造方法は、樹脂のペレット化工程を必要としない、直接液射出成形により成型体の多品種少量生産も可能となる、等の利点がある。
また、射出は、低圧射出であるから、使用する金型は薄い(軽量)金型でよいという利点もある。
本発明により製造されたポリウレタン成型体は、硬度HsAが60以下の軟質の成型体であるため、防振・制振,緩衝材等の新精密成形物等として、各産業分野に好適に利用できる。
本発明の実施の形態において、組成物混合液の反応温度の変化と、脱型時間と、T値の関係を表す図である。 本発明の実施の形態において、組成物混合液の反応温度の変化と、脱型時間と、T値の関係を表す図である。 本発明のポリウレタン樹脂組成物により製造される精密部品の模式図である。 本発明のポリウレタン樹脂組成物により製造される精密部品の模式図である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、
(A)平均官能基数2.3〜3.0、数平均分子量1000〜8000のポリオールと、
(B)脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、もしくはそれらから誘導された活性水素基との反応性を有する末端イソシアネートのプレポリマーからなる有機ポリイソシアネートと、
(C)触媒と、
からなるポリウレタン樹脂組成物であって、
常温(5〜25℃)での可使時間をTL、120℃での組成物の硬化時間をTHとしたとき、TL/TH>10であることを特徴とする。
ここで、可使時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、著しい粘度上昇までの時間とする。
また、硬化時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、ゲル化までの時間とする。
L/TH>10の式を満たす場合とは、例えば、TLが5時間以上であり、且つTHが5分以下、等の条件を満たす場合を表す。
なお、以下、本明細書において、それぞれ、ポリオール成分、イソシアネート成分について、それぞれ、ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)と記載する。また、ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)、触媒(C)を混合したポリウレタン樹脂組成物を、単に「組成物」とも記載する。
さらに、組成物を硬化反応させた最終製造物を、ポリウレタン樹脂、硬化物、またはポリウレタン成型体とも記載する。
本発明に用いる主成分のポリオール(A)は、ポリウレタン樹脂成型体の硬度を決定づける働きをもつ。
本発明に使用されるポリオール(A)としては、平均官能基数2.3〜3.0、数平均分子量1000〜8000のポリオールであることを特徴とする。
ポリオールの平均官能基数を2.3〜3.0に調整するためには、平均官能基数2のポリオール(以下、A−f2という)と、平均官能基数3のポリオール(以下、A−f3という)を混合して、平均官能基数を2.3〜3.0の範囲内にすることが好ましいが、その他の方法により官能基数を調整することも可能である。
また、平均官能基数3のポリオール(A−f3)として、数平均分子量が1000〜8000のポリオールを用いることによって、最終的なポリウレタン樹脂の硬度を、HsA60以下とすることができるため好ましい。なお、本明細書において、『硬度』はJIS A 7215に規定される『ポリウレタンエラストマー硬度』を指す。
ポリオール(A)の官能基数が2.3未満の場合は、最終的なポリウレタン樹脂が未硬化物になりやすいため好ましくない。また、ポリオール(A)が上記の分子量範囲で官能基数が3.0より大きい場合は、得られる樹脂の硬度が大きくなり、脆くなるために好ましくない。
官能基数が2.3〜3.0の間であれば特に問題はないが、高いほど硬化物の硬度は大きくなる。また、官能基数が低い程、硬化物の硬度は小さくなる。
ポリオール(A−f3)の数平均分子量が1000未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂の硬度が大きくなり好ましくなく、分子量が8000より大きい場合は、反応が十分に進まないためか、得られた硬化物が耐熱性・機械的強度に欠けるため好ましくない。
ポリオール(A−f3)の平均分子量は、1000〜8000の間であれば特に問題はないが、平均分子量が低い程硬化物の硬度は大きくなる。また、平均分子量が高いほど、組成物の反応性は低下し、硬化物の硬度は小さくなる。
ポリオール(A−f2)の数平均分子量は特に制限を受けるものではないが、好ましくは1000〜2000である。数平均分子量が低い程、硬化物の硬度は大きくなる。また、数平均分子量が高いほど、組成物の反応性は低下し、硬化物の硬度は小さくなる。
前述した目的を達成するために、本発明に用いる具体的なポリオールとしては、ポリオキシポリアルキレンポリオールを挙げることができるが、支障のない限りその他のポリオール、例えば公知のポリエステル系ポリオール,ポリテトラメチレンポリオキシグリコール,ひまし油系ポリオール,ε−カプロラクトン系ポリオール,β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリオール、カーボネート系ポリオール等を用いてもよく、これらの2種以上を併用することができる。
また、支障のない限りにおいて架橋剤として公知の低分子量のジオール、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングルコール,ジプロピレングリコール(DPG)、ブタンジオール,ヘキサンジオール等を用いてもよく、これらの2種以上を併用することも可能である。
前述のポリオキシポリアルキレンポリオールとしては、低分子量の活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキサイドを開環附加重合させた公知の化合物を用いることができる。
ここで言う低分子量の活性水素化合物とは、水,エチレングリコール,プロピレングリコール,ジエチレングルコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール,グリセリン,若しくはトリメチロールプロパン等の官能基数2〜3の多価アルコールを挙げることができる。
また、これらの2種類以上の混合物を使用することも可能である。
ここで代表的なポリオキシポリアルキレンポリオールとしては
ポリオキシポリアルキレンポリオール(P)、
若しくはその部分エチレンオキサイド付加物(Q)、
若しくは当該部分エチレンオキサイド付加物と、スチレンポリマー又はアクリロニトリルポリマーとの混合物であるポリマーポリオール(R)、等が耐水性等の観点からは好ましい。
例えば、2官能基数のポリオール(A−f2)としては、
上記ポリオキシポリアルキレンポリオール(P)の具体的な商品名として、エクセノール1020、エクセノール2020(旭硝子社)が挙げられる。
3官能基数のポリオール(A−f3)としては、例えば、
ポリオキシポリアルキレンポリオール(P)としては、エクセノール5030、プレミノールPML−7001、
エチレンオキサイド付加物(Q)としては、エクセノール837、エクセノール840、
ポリマーポリオール(R)としては、エクセノール910,エクセノール940(全て旭硝子社)、等が挙げられる。
ここでポリオキシポリアルキレンポリオールとして、上記種類ポリオキシポリアルキレンポリオール(P)、エチレンオキサイド付加物(Q)、ポリマーポリオール(R)の種類に制限は無い。しかしながら、ポリオキシポリアルキレンポリオール(P)は反応活性が低いため、後述のプレポリマーを合成する際のポリオール成分として用いるのがより好ましい。
前記ポリエステル系ポリオールとしては、低分子量のポリオールとポリカルボン酸を重縮合させた公知の化合物を用いることができる。
例えば、商品名としてクラポール(A−f2);P−510、P−1010、P−2010、(A−f3);F−1010、F−2010(クラレ社)を挙げることができる。
前記ポリテトラメチレンポリオキシグリコールとしては、低分子量の活性水素化合物を開始剤としてテトラヒドロフランを開環附加重合させた公知の化合物を用いることができる。
例えば、商品名として、PTMG(A−f2);PTMG−650、PTMG−1000、PTMG−2000(三菱化学社)を挙げることができる。
前述のひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油とポリオールのエステル交換による公知の化合物を用いることができる。
商品名として、URIC(A−f2);H−56、H−62(伊藤製油社)を挙げることができる。
前述のε−カプロラクトン系ポリオールとしては、低分子量の活性水素化合物を開始剤としてテトラヒドロフランを開環附加重合させた公知の化合物を用いることができる。
商品名として、プラクセルAL(A−f2);L−212AL、L−220AL(ダイセル化学工業社)が挙げられる。
前述のカーボネート系ポリオールとしては、アルキルカーボネートと1,6ヘキサンジオールを代表とする低分子ジオールを重合させた公知の化合物を用いることができる。
商品名としては、例えばPCDL(A−f2);T5651、T5652(旭化成社)、等を挙げることができる。
本発明に使用されるイソシアネートしては、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、もしくはそれらから誘導された活性水素基との反応性を有する末端イソシアネートのプレポリマーからなる有機ポリイソシアネートであることを特徴とする。
本発明に用いる有機ポリイソシアネート(B)は、1分子中に2個のイソシアネート基を有する有機化合物であることが好ましい。イソシアネート基は、前記ポリオールの水酸基に対して反応性を有する。
本発明において、有機ポリイソシアネート(B)は、組成物中において、常温活性が低く、且つ、感温性が高いことが必要である。
本発明に用いる有機ポリイソシアネート(B)として好ましくは、脂肪族イソシアネートから誘導された活性水素基と反応性を有する末端イソシアネートのプレポリマーが挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)が挙げられる。
また、本発明に用いる有機ポリイソシアネート(B)として、脂環式イソシアネート、又はそれらから誘導された末端イソシアネートを有するプレポリマー等も挙げられる。
脂環式イソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
上記のようなイソシアネート(B)を使用することによって、
ポリウレタン樹脂組成物の反応性が、
常温(5〜25℃)での可使時間をTL、120℃での組成物の硬化時間をTHとしたとき、TL/TH>10の関係を満たし、
常温での反応性が遅く、高温下で速やかに硬化が進行してポリウレタン樹脂硬化物を与えることができる。
ここで、可使時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、著しい粘度上昇までの時間とする。
また、硬化時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、ゲル化までの時間とする。
更にまた、有機ポリイソシアネート(B)としては、末端に活性イソシアネート基を有するプレポリマーを用いることもできる。
ここでプレポリマーとは、上記に挙げた有機ポリイソシアネートを、理論量より少ない前記ポリオール類と公知の技術を用いて反応せしめて作成した、末端に活性イソシアネート基を有する化合物を指す。
有機ポリイソシアネート(B)としてプレポリマーを用いる場合は、ポリオール化合物(A)と有機ポリイソシアネート(B)との常温反応が緩慢となり、感温性が大きくなるために好ましい。
これらのプレポリマーは、末端に活性イソシアネート基残量7重量%以上、好ましくは9〜15重量%を有するものがよい。末端活性イソシアネート基残量が7重量%未満の場合には組成物の製造に際して支障を来すほどにプレポリマーの液粘度が高くなり、即ち(B)の粘度が高くなるために好ましくない。
末端活性イソシアネート基残量が7重量%以上ならば特に支障はないが、15重量%を越えるとプレポリマーとして用いる効果が少なくなる。
プレポリマー製造のために使用される有機ポリイソシアネートとポリオールとしては、前述したものと同様のものを使用することが出来る。
得られたプレポリマーには、支障のない限りその他の有機ポリイソシアネートを混合しても良い。
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),液状変性MDI,キシリデンジイソシアネート(XDI)等の有機ポリイソシアネートを、単独で、又は2種以上混合することも可能である。
本発明に使用される触媒(C)は、有機ポリイソシアネートとポリオールとの間のウレタン化反応を行わせるに当たって使用される、ウレタン化触媒である。
このウレタン化触媒としては、第3級アミン化合物や有機金属化合物等の触媒を用いることが可能である。
例えば、第3級アミン化合物や有機金属化合物等の公知の触媒を用いることが可能である。
具体的には、トリエチレンジアミン,N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン,N,N’−ジメチルブタンジアミン,ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン―7(DBU)及びDBU塩、
オクチル酸鉛,ラウリル酸ジブチル錫、
ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、
ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、等が好適である。
なかでもDBU塩は好ましい感温性の触媒であり、ポリウレタン樹脂組成物の反応性が、
常温(5〜25℃)での可使時間をTL、120℃での組成物の硬化時間をTHとしたとき、TL/TH>100の関係を満たすことを可能とする。
ここで、可使時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、著しい粘度上昇までの時間とする。
また、硬化時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、ゲル化までの時間とする。
上記の条件を満たすことにより、常温での反応性が極めて遅く、且つ、高温下で極めて速やかに硬化が進行してポリウレタン樹脂を与えることができる組成物とすることができる。
DBU塩としては、サンアプロ社の、フェノール塩(SA No.1)、2エチルヘキサン酸塩(SA No.102)、オレイン酸塩(SA No.103)を挙げることができる。
本発明においては、ポリオール混合物と有機ポリイソシアネートとを化学反応させるに際して、ポリオールの水酸基(OH)に対するイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比、即ちNCO/OHは特に規定されるものではないが、0.95〜1.05が好ましい。
この当量比が1.05を超える場合は、得られるポリウレタン樹脂の硬度が大きくなり、安定した硬度のポリウレタン樹脂を得がたいため、好ましくない。
また、組成物が反応を経てポリウレタン樹脂硬化物に至る間に、副生成物の炭酸ガスにより気泡を発生し、そのガスが硬化物の外観を損ねるために、好ましくない。
また、当量比が0.95未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂が未硬化物に陥りやすく生産安定性に欠け、また耐熱性に欠けるために好ましくない。
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、さらに可塑剤を加えることも可能である。
この可塑剤は、主成分としての前記ポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計量100重量部当たり15重量部未満に限って混合することが出来る。
この可塑剤を添加すると、その添加量が多くなるに応じて、得られる軟質硬化物の硬度は低下する。従って、この可塑剤の添加によって、得られるポリウレタン樹脂の硬度をある程度制御することが可能になる。
ただし、可塑剤を15重量部以上添加すると、硬化物の機械的特性を損ない、耐熱温度が低下し、また、可塑剤を原因とするブリージングを起こしやすくなる。
適用可能な可塑剤の種類としては、通常のポリウレタン樹脂用の可塑剤、例えばジオクチルフタレート,ジブチルフタレート,トリスクロロエチルフォスフェート,トリスクロロプロピルフォスフェート等が挙げられる。
また、その他の添加物として、得られる硬化物の耐久性,安定性の向上を図るために、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、充填剤等を、支障のない限りにおいて、1種または2種以上混合して用いることも出来る。
さらに、前述したもの以外にも、顔料、染料、難燃剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤、水分吸着剤等を適宜添加することも可能である。
本発明の組成物は、常温(5〜25℃)での可使時間が3時間以上であることが好ましい。
ここで、可使時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、著しい粘度上昇までの時間である。
すなわち、可使時間は、一般的には基剤と硬化剤の練り混ぜ後、充てん作業ができる時間のことである。
ポリオールと有機ポリイソシアネートの2液を混合し、ポリウレタン樹脂組成物を得た後、反応進行が早く、可使時間が短い場合には、2液混合射出機の混合チャンバ以後のラインにおいて材料が固化してしまう。このため、反応液吐出毎に、溶剤で混合射出機を洗浄する必要があるが、これは樹脂の量産化、自動製造化の妨げとなる。
そこで、2液混合後の液安定性を高くし、可使時間を長くすることが可能となれば、製品の量産化、自動化が可能となる。
具体的には、ポリオールと、有機ポリイソシアネートの2液を混合しポリウレタン樹脂組成物を得た後、可使時間が3時間以上あることが好ましい。特に、可使時間が3〜24時間ある場合には、金型洗浄の回数が軽減され、樹脂の量産化・自動製造化が可能となるためより好適である。
また、本発明の組成物は、70℃以上での硬化時間が10分以内であることが好ましい。
すなわち、2液混合物を高温の金型に射出した後、短時間で硬化反応が完了するほうが、射出サイクルの短縮となり、製品を大量生産するためには好適である。硬化時間は10分以内が好ましく、特に30秒以内が好ましい。
なお、硬化時間とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、ゲル化までの時間とする。
次に、本発明のポリウレタン樹脂の製造方法について説明する。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法は、例えば、上記ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)、触媒(C)、からなるポリウレタン組成物を、70℃以上の閉じた開閉式金型に1MPa以下の圧力で射出し、10分以内に硬化させる方法で製造される。
具体的には、まず、原料として用いられる低粘度のポリオール(A)と、低粘度の有機ポリイソシアネート(B)と、触媒(C)とを、常温で混合し、予め真空下で脱泡したポリウレタン樹脂組成物を作成する。
可塑剤やその他の添加剤を混合する場合には、前記ポリオール(A)中に混合させておくか、または(A)、(B)、(C)の混合時に同時に添加してもよい。
この組成物は、常温(5〜25℃)で3〜24時間安定であり、硬化反応は進行しない。
前述の組成物の混合溶液は、低圧力で金型に射出される。この際、硬化物を離型しやすくするため、金型には適宜離型剤を塗布しておいてもよい。
次いで、金型内部を、70℃以上、好ましくは120〜150℃に加熱し、金型内部の組成物を熱硬化する。
本発明においては、樹脂組成物((A)、(B)、(C)の混合溶液)は低粘度であるため、金型に射出する際の圧力は低圧でよく、したがって金型に耐圧力性能は要求されない。
また、同様の理由により、射出・成形機械本体も小型のものが使用できる。
上述のようにして得られた本発明のポリウレタン樹脂は、硬度がHsA60以下であることを特徴とする。このように軟質なポリウレタン樹脂とすることによって、本発明の目的である、衝撃吸収性に優れた超軟質ポリウレタン成形物を提供することが可能となる。
なお、硬度は、JIS K 7215に準じてバネ式ゴム硬度計で測定される。
本発明の防振材料・制振材料および緩衝材料は、上記ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする。
防振材料・制振材料および緩衝材料としては、例えば、携帯電話機用のパッキンや衝撃吸収パーツ、ハードディスクの緩衝材や振動防止材料、電池缶の落下衝撃保護部品、その他の電子部品用防振材、新幹線や電車等の車両に適用される防振部材、洗濯機の防振材、電子顕微鏡の防振部材、IC製造装置用の防振部材、等を挙げることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
表1に、本実施例に使用した化合物を記載する。
(プレポリマーの製造)
なお、上記表1に示されたプレポリマー(B)−4、(B)−5、(B)−6の製造方法は下記の通りである。なお、特に記載が無い限り化合物の量は質量部とする。
<プレポリマー(B)−4>
1Lの三口フラスコに、ポリオール(A)−1を500部、及び有機ポリイソシアネート(B)−1を250部仕込み、窒素ガスパージ下で攪拌しつつ、80℃4時間反応させて無色透明なプレポリマーを得た。これをプレポリマー(B)−4とした。
プレポリマー(B)−4は、動粘度6400cps/25℃、残存イソシアネート基の質量比率%(NCO%)は9.1%である。
<プレポリマー(B)−5>
1Lの三口フラスコに、ポリオール(A)−1を400部、及び有機ポリイソシアネート(B)−3を276部と、(NCO%)調整のためにジプロピレングリコール(A)−4を100部仕込み、窒素ガスパージ下で攪拌しつつ、80℃8時間反応させて無色透明なプレポリマーを得た。これをプレポリマー(B)−5とする。
プレポリマー(B)−5は動粘度6600cps/25℃、残存イソシアネート基の質量比率%(NCO%)は、8.7%である。
<プレポリマー(B)−6>
1Lの三口フラスコにポリオール(A)−1を400部、及び有機ポリイソシアネート(B)−2を188部仕込み、窒素ガスパージ下で攪拌しつつ、80℃で8時間反応させて無色透明なプレポリマーを得た。これをプレポリマー(B)−6とする。
プレポリマー(B)−6は動粘度8,500cps/25℃、残存イソシアネート基の質量比率%(NCO%)は10.7%である。
(ポリウレタン樹脂組成物の製造)
(実施例1)
ポリオール(A)−2を100部、有機ポリイソシアネート(B)−2を5.33部、触媒(C)−1を0.05部、および添加剤として(X)−1を0.1部、を常温(20℃)で混合して、この組成物混合液を真空下で脱泡した。この組成物混合液の可使時間は、常温下で12時間以上であった。
この組成物混合液を120℃に調整されたオープン金型(55mmφ×8mmh)に注型し、その脱型できるまでの時間を測定した。
なお、硬化温度を120℃とした理由を以下に示す。
図1に示すように、組成物混合液を80℃〜170℃の各温度に調整されたオープン金型(55mmφ×8mmh)に注型し、その脱型できるまでの時間(7〜2.5分)を測定した場合、常温時の組成物混合液の可使時間T/高温時の組成物混合液の硬化時間T=(T)で表される(T)値は、240〜288であった。
すなわち、図1からは、型温度に対する脱型時間の分極点は型温度120〜130℃であり、従って、120℃は熱効率から見て好ましい成形温度であることが分かる。
なお、実施例1により、常温(20℃)での可使時間をT20、120℃での組成物の硬化時間をT120としたときのT=T20/T120の値を表2に示す。
(実施例2)
ポリオール(A)−7を100部、有機ポリイソシアネート(B)−6を78.6部、触媒(C)−1を0.1部、および添加剤として(X)−1を0.1部、それぞれ常温で混合して、この組成物混合液を真空下で脱泡した。この組成物混合液の可使時間は、常温下で120分であった。
この組成物混合液を各温度120℃に調整されたオープン金型(55mmφ×8mmh)に注型し、その脱型できるまでの時間を測定した。結果を表2に示す。
常温(20℃)での可使時間をT20、120℃以上での組成物の硬化時間をT120としたときのT=T20/T120の値を表2に示す。
なお、実施例2に記載の組成物混合液を各温度(80℃〜170℃)に調整されたオープン金型(55mmφ×8mmh)に注型し、その脱型できるまでの時間(11〜2.3分)を測定し、常温時の組成物混合液の可使時間T/高温時の組成物混合液の硬化時間T=(T)で表せられる(T)値は11〜52であった。結果を図2に示す。
(実施例3〜8,比較例1〜4)
上記実施例2と同様の方法で、表2に従って組成物混合液を調整し、可使時間及びTの値を得て、結果を表2に示した。
なお、表2において、かっこ内の数値は、プレポリマーの材料比を表す。例えば、比較例2では、ポリオール(A)−1を62重量部と、有機ポリイソシアネート(B)−1を31重量部から構成されたプレポリマー(B)−4を92.4重量部用いたことを示す。
表2中の「ポリオール」、「イソシアネート」、「触媒」、「添加剤」、欄における数値の単位は、重量部数を示す。
また、「NCO/OH ratio」は、上記説明した通り、ポリオール(A)の使用当量に対する有機ポリイソシアネート(B)の使用当量の比の数値である。
「可使時間」とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、著しい粘度上昇までの時間である。
また、「硬化時間」とは、JIS K 6833に定められた方法で測定を行った場合、調整した試料をかき混ぜ開始した時刻から、ゲル化までの時間である。
(T)は、常温(20℃)での可使時間をT20、120℃での組成物の硬化時間をT120としたとき、T=T20/T120で求めた結果の数値である。
「硬度」は、JIS K7215に準じて、バネ式ゴム硬度計を用いて測定した結果の数値である。
(実施例及び比較例についての評価)
表2の結果より、比較例1、及び比較例2のように、芳香族ポリイソシアネート(B−1,B−4)を用いた事例では、T<10となり、可使時間が短く、組成物状態での液安定性が低いことが示される。
このように液安定性が低い組成物を使用して、例えば、装置:高粘度精密自動軽量混合吐出機(スーパーショットEX−201:日本ソセー工業製)等を用いて成形を行った場合、装置内部に付着した組成物の硬化速度が速いため、液射出(吐出)の度毎に装置混合部の溶剤洗浄が必要となる。これは、製造の大量化・自動化を妨げるために好ましくない。
実施例1〜8の結果より分かるように、脂環式ポリイソシアネート若しくはそのプレポリマー、または脂肪族ポリイソシアネートのプレポリマーを用いた場合では、T>10となり、断続的な注型若しくは射出成形においての製造装置の溶剤洗浄を必要とされないために、自動化機械への適用も可能になる。
特に、実施例3,4,8のように、感温性触媒を利用したものについては、T>100となり、且つ常温時の可使時間が4時間以上であるため、組成物溶液の吐出の間隔が長時間になったとしても、装置内部に付着した溶液が硬化せず、溶剤洗浄せずに継続して製造することができ、都合が良い。
比較例3に示されるように、ポリオール(A)の平均官能基数2.3未満の場合には、得られたポリウレタン樹脂が未硬化物となるため、好ましくない。
また比較例4に示されるように、ポリオール(A)の平均官能基数が3であっても、平均分子量1000未満のものを用いた場合には、得られたポリウレタン樹脂の硬度がHsA60より大きくなり、軟質ポリウレタン樹脂が得られないため好ましくない。
本発明のポリウレタン樹脂組成物、及びその硬化物は、硬度が60以下の軟質樹脂である。
本発明は、上記に規定されるように、T>10の条件を満たすことにより、断続的な注型若しくは射出成形において、大量製造、自動製造に好ましく適用される。
また、T>100の条件を満たすことにより、組成物溶液の吐出の間隔が長い場合でも、装置を溶剤洗浄する必要がないため、さらに好ましい。
(ポリウレタン樹脂特性の評価)
次に、上記実施例1〜8において得られた軟質ポリウレタン樹脂のシートについて、機械強度(引張強度)、耐熱性、防振性,衝撃吸収性の測定を行い、その結果を表3に示した。
表3中の「引張強度」は、JIS K7312(ダンベル3号)による。
「耐熱性」は、軟質ポリウレタン樹脂シートを温度80℃に暴露後、目視により7日以内に分解が発生したものを評価「D」、7日〜30日間に分解が発生したものを評価「C」、31日〜90日のものを評価「B」、そして90経過後も異常のなかったものを評価「A」の4段階で評価した。
表3中の「防振性(tanδ)」は、測定機「Dynamic Mechani−cal Thermal Analyzer:Polymer Laboratories社製」で、30×5×2mmの試験片の曲げ試験にて測定した結果の数値である。
また、「衝撃吸収率」は、535gの鋼球を690mmの高さから5mmの鋼板上に自然落下させた時に鋼板下の1トンロードセルが受ける瞬間最大衝撃値(kg)を「x」とした時、同様の試験により厚み10mmの測定物が受けた衝撃値(「y」kgとする)から、その衝撃吸収率は〔=(1−y/x)×100%〕〕とした数値である。
表3の結果より、本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、硬度がHsA60以下の極めて軟質な硬化物である。
また、本発明の軟質ポリウレタン樹脂の機械的強さ(引張強度)は、硬度Cのものを除いて、0.8〜6.2MPaと優れ、耐熱安定性にも優れた組成物である。
表3の「防振性(tanδ)」の結果に示されるように、本発明の軟質ポリウレタン樹脂の「tanδ」は、0.38〜0.44である。一方で、天然ゴムのtanδは、0.05〜0.1であり、本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、極めて優れた防振材料であることが分かる。
表3の「衝撃吸収率」の結果に示されるように、本発明の軟質ポリウレタン樹脂の衝撃吸収率は、84〜97%である。一方で、天然ゴムの衝撃吸収率は、約70%であり、本発明の軟質ポリウレタン樹脂は、極めて優れた衝撃吸収材料といえる。
(精密部品の製造)
装置:高粘度精密自動軽量混合吐出機スーパーショットEX−201(日本ソセー工業社製)、装置先端:スタティックミキサーDSP−MXC−7−1(ノリタケカンパニーリミテド社製)を用いて、装置タンク内に、上記表2の実施例8における配合に従って、ポリオール(A)及び触媒(C)(以下、主剤という)と、硬化剤としての有機ポリイソシアネート(B)、をそれぞれ仕込み、それぞれを真空下で脱泡した。
その後、ギアポンプによって、(A)+(C):(B)=100:63(重量比)の混合比率にて送られた主剤と硬化剤をスタティックミキサーにて混合して、予め120℃に温めた開閉式金型内(成形物の巾10mm×長さ14mm×高さ2.5mm:樹脂膜厚み0.5mm)に、注入口より5グラム吐出した。吐出圧力は1.5〜2.5kg/cm(0.15〜0.25MPa)とした。
60秒経過後に脱型し、図3及び図4に示されるような、製品寸法10×14×0.5mm厚みのポリウレタン樹脂から成る0.5mm厚みの精密ケース(V)を得た。
なお、スタティックミキサー内に残留した混合液組成物は、常温下で240分は安定であり、
連続して射出成形を行うことができた。
本発明のポリウレタン樹脂組成物によれば、2液混合射出成形により、微細化・精密化した立体部品に使用可能な、耐久性、機械強度、衝撃吸収性に優れた軟質ポリウレタン樹脂硬化物を得ることができる。
具体的には、携帯電話機のパッキンや衝撃吸収パーツ、車載DVD機のダンパー、ハードディスクの緩衝材・防振材、アルカリ電池缶の落下衝撃吸収材、保護コーティング剤、電子部品防振材等に使用が可能である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、可使時間が長いため、大量生産、自動生産に適している。

Claims (7)

  1. (A)平均官能基数2.3〜3.0、数平均分子量1000〜8000のポリオールと、
    (B)脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、もしくはそれらから誘導された活性水素基との反応性を有する末端イソシアネートのプレポリマーからなる有機ポリイソシアネートと、
    (C)触媒と、
    からなるポリウレタン樹脂組成物であって、
    20℃での組成物の可使時間をT、120℃での組成物の硬化時間をTとしたとき、
    /T>10であるポリウレタン樹脂組成物を、
    70℃以上の閉じた開閉式金型に1MPa以下の圧力で射出し、10分以内に硬化させて、硬度HsA60以下のポリウレタン樹脂を製造することを特徴とする、ポリウレタン樹脂の製造方法。
  2. 前記脂肪族イソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  3. 前記脂環式イソシアネートが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  4. 前記触媒が、感温性触媒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  5. 前記感温性触媒が、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン―7の有機酸塩(DBU塩)であることを特徴とする、請求項4に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの製造方法を用いて製造したポリウレタン成型体。
  7. 請求項6のポリウレタン成型体を用いた防振材料・制振材料および緩衝材料。
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