JP5330777B2 - 酸素吸放出材及びそれを含む排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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この発明は、酸素吸放出材及びそれを含む排ガス浄化用触媒に関し、さらに詳しくはCeOを必須成分として含む酸素吸放出能の高い酸素吸放出材及びそれを含む排ガス浄化用触媒に関するものである。
自動車等の内燃機関から排出される排ガス中には、HC、CO及びNOが含まれており、これらの物質は排ガス浄化用触媒によって浄化されてから大気中に放出されている。ここで用いられる排ガス浄化用触媒の代表的なものとしては、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などの多孔質酸化物担体に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの貴金属を胆持した三元触媒が広く用いられている。
この三元触媒は、排ガス中のHC及びCOを酸化して浄化するとともに、NOを還元して浄化するものであり、理論空燃比近傍で燃焼されたストイキ雰囲気の排ガスにおいて最も高い効果が発現される。
しかし、現実の空燃比は、自動車の走行条件によってストイキを中心としてリッチ側あるいはリーン側に変動するため、排ガス雰囲気もリッチ側あるいはリーン側に変動する。そのため、上記構成の三元触媒のみで必ずしも高い浄化性能が確保されるとは限らない。
そこで、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して三元触媒の排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときには酸素を吸蔵し、排ガス中の酸素濃度が低いときには酸素を放出する、酸素吸放出能(OSC能)を有する材料である酸素吸放出材が排ガス浄化用触媒において用いられている。
このような酸素吸放出材としては、例えば、セリア(Ceo)やセリア−ジルコニア(CeO−ZrO)複合酸化物などが知られ、実用化されている。この酸素吸蔵材は、自動車触媒にとって、排ガスのA/F変動を吸収し、触媒が最も有効に作用する雰囲気に保つために必須の構成材料となっているが、安定して排ガスを浄化するためには、より大容量の酸素吸放出材が望まれている。
そこで、CeOやCeO−ZrO複合酸化物と比較して理論値で1分子当たり8倍の酸素を吸放出可能なランタノイド系オキシサルフェート(LnSO)が注目されるに至った。
特開2005−87892号公報には、ASO(Aは希土類元素、以下同じ)で表される希土類のオキシ硫酸塩からなる酸素吸放出材に貴金属等を担持した触媒が従来の(CeZr)O酸化物(一般的にはCeO−ZrO複合酸化物と呼ばれる。)に貴金属を担持したものに比べ酸素吸放出能が高いことが記載されている。また、特開2006−75716号公報には、ASOおよび/又はASで表される化合物からなる第1の酸素吸放出材とNO吸蔵材とを備え、さらに貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は600〜700℃よりも高い温度範囲において酸素吸放出能が高いこと、さらに前記第1の酸素吸放出材にCeo又はCeO−ZrO複合酸化物などの第2の酸素吸放出材を組み合わせて使用することが記載されている。
しかし、上記特許文献1には600℃以下の温度範囲ではASO系の酸素吸放出材に貴金属等を担持した触媒は酸素吸放出性能が低いこと、そしてCeO−ZrO複合酸化物は100〜300℃の温度範囲で酸素吸放出性能を示すがそのレベルは低いことが図5および図6に示されている。また、上記特許文献2には温度範囲を考慮して前記の2種類の酸素吸放出材を組み合わせて使用することを示唆するのみで組み合わせによって酸素吸放出特性がどのように変化するかについては開示がない。むしろ、上記特許文献2にはCeO−ZrO複合酸化物は100〜300℃でも酸素吸放出性能自体は低いことが図7(本願の図4として示す。)および図10に示されている。
特開2005−87892号公報 特開2006−75716号公報
そして、これら公知の特許文献に記載のランタノイド系オキシサルフェートの酸素吸放出材によっても理論値を大幅に下回る酸素吸放出能が得られているに過ぎず、更なる酸素吸放出能(以下、OSC能と略記することもある。)の向上と低温でのOSC能の発現が必要である。
本発明の目的は、低温も含めて広い温度範囲で酸素吸放出能の高い酸素吸放出材及びそれを含む排ガス浄化用触媒を提供することである。
本発明は、LnSOおよび/又はLnS(Lnはランタニドを示す。)からなる化合物とCeOとからなり、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物の粉末と、酸素放出材の全体量中のCeOの割合が5〜20質量%となるCe塩とを水中で混合後、乾燥、空気中で焼成してなる酸素吸放出材に関する。
また、本発明は、前記の酸素吸放出材を含む排ガス浄化用触媒に関する。
本発明によれば、広範囲の温度で従来公知の酸素吸放出材に比較して高い酸素吸放出能を有する酸素吸放出材を得ることが可能である。
また、本発明によれば、酸素吸放出材が広範囲の温度で従来公知の酸素吸放出材に比較して高い酸素吸放出能を有しているため、安定した触媒性能を有する排ガス浄化触媒を得ることが可能である。
本発明は、LnSOおよび/又はLnS(Lnはランタニドを示す。以下、この特記を省略する場合もある。)からなる化合物とCeOとを混合して得られる酸素吸放出材であり、各々酸素吸放出材として公知の材料であるLnSOおよび/又はLnSとCeOとの両成分を足し合わせることによって予測される性能よりも高い酸素吸放出能を得ることが可能であることを見出したことに基いている。
前記のLnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとを混合してなるという意味は、生成した両成分を混合するという態様だけでなく、生成したどちらかの成分、通常はLnSOおよび/又はLnSの存在下に他方の成分、通常はCeOを生成させる態様をも含む。
本発明における前記の両成分の酸素吸放出材を混合することにより得られる酸素吸放出能の複合効果(相乗効果)を、図1〜図4を用いて説明する。
図1および図2は、本発明の実施例および比較例による酸素吸放出材の酸素吸放出能を示すグラフであり、図3は両材料による複合効果を示す模式図である。図4は、特許文献12に示されているLnSOおよび/又はLnSの酸素吸収能およびCeO−ZrO複合酸化物の酸素吸収能を再掲したものである。
図1および図2に示すように、本発明の2成分を混合してなる酸素吸放出材は、400〜700℃、特に500〜700℃の広い温度範囲において高いOSC能を示す。この結果は、図4から推定される、200〜300℃の温度範囲でのCeO−ZrO複合酸化物による酸素吸収能と、600℃以上の温度範囲でのLnSOおよび/又はLnSによる酸素吸収能とから、両成分を混合することにより推定される、低温での酸素吸収能は改善されるが500〜600℃では低い酸素吸収能のままであり、600℃以上の温度ではLnSOおよび/又はLnSのOSC能が保持されることによって得られる酸素吸収能のレベルとは異なり、本発明により400〜700℃、特に500〜700℃の広い温度範囲において高いOSC能が得られたことを示している。特に、Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を担持した酸素吸放出材はOSC能がさらに向上する。
この両酸素吸放出材の混合による顕著な酸素吸放出能の向上は、理論的には解明されていないが、図3に示すように、両酸素吸放出材と酸素吸放出材以外の他の相との間での酸素分子の移動の他に両酸素吸放出材間の酸素原子の移動が起こっていることによると考えられる。この両酸素吸放出材間の酸素原子の移動を考慮することによって、両酸素吸放出材を単に混合した場合の計算により算出し得る酸素吸収能値よりも広い温度範囲で実際に得られる高い酸素吸放出能を説明することが可能である。両酸素吸放出材内での反応(式1〜3)を以下に示す。
LaSO ⇔ LaS+2O (1)
4CeO ⇔ 4CeO1.5+O (2)
4CeO−ZrO ⇔ 4CeO1.5−ZrO+O(3)
上記の式1は、LaSOが酸素を放出する際にはLaSに変化し、酸素を吸収する際には再びLaSOに変化することを示している。
また、上記の式2は、CeOが酸素を放出する際には4CeO1.5に変化し、酸素を吸収する際には再びCeOに変化することを示している。
また、CeOの代わりにCeO2とZrOとの複合酸化物を用いる場合も同様に、CeO−ZrOが酸素を放出する際にはCeO1.5−ZrOに変化し、酸素を吸収する際には再びCeO−ZrOに変化することを示している。
本発明の酸素吸放出材は、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとが、特に制限はないが好適にはLnSOおよび/又はLnSからなる化合物の混合割合が全体量を100としてCeOの混合割合が5〜20質量%である割合で混合されてなるものである。CeOの混合割合が5質量%未満では酸素吸放出の複合効果が少なくなる傾向にあり、CeOの混合割合が20質量%より多くても酸素吸放出の複合効果の増加が見られない傾向にある。
前記のLnSOおよび/又はLnSからなる化合物としては、LaSOおよび/又はLaS、CeSOおよび/又はCeS、PrSOおよび/又はPrS、NdSOおよび/又はNdS、PmSOおよび/又はPmS、SmSOおよび/又はSmS、EuSOおよび/又はEuSが挙げられ、好適にはLaSOおよび/又はLaS、PrSOおよび/又はPrS、NdSOおよび/又はNdS、SmSOおよび/又はSmSが挙げられる。
本発明の酸素吸放出材は、前記のLnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとを混合することによって得ることができる。前記のCeO成分としては、CeOとの単一化合物であってもよくあるいはCeOとZrOとの複合酸化物であってもよい。
本発明における実施態様として、LnSOの粒子上にCeO粒子が接触して2次粒子を形成している酸素吸放出材が挙げられる。
本発明の実施態様として、さらに、Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を担持してなる酸素吸放出材が挙げられる。前記の実施態様において、Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素の合計の担持量が、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの合計量を100として0.1〜5質量%、特に0.25〜1質量%である酸素吸放出材が挙げられ、特に、Pt、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素の合計の担持量が、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの合計量を100として0.1〜5質量%、その中でも特に0.25〜1質量%であるである酸素吸放出材が挙げられる。前記のPt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素、特にPt、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を担持することによって、酸素吸放出の複合効果が増大する。
本発明の前記酸素吸放出材の実施態様であるLnSOおよび/又はLnSからなる化合物の粒子上にCeO粒子が接触して2次粒子を形成している前記酸素吸放出材は、例えば以下の方法によって得ることができる。すなわち、先ず、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物を与えるLnの硝酸塩、例えばLn(NO・6HOと長鎖アルキル硫酸塩、例えばドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSと略記することもある。)をアルカリ水溶液、例えばアンモニア水溶液中で、攪拌下に加熱して反応させた後、冷却して、沈殿物を分離取得する。
次いで、乾燥して得られる粉末を空気中で焼成、例えば500℃以上の温度で数時間、加熱して焼成して得られるLnSOおよび/又はLnSからなる化合物の粉末を得る。この粉末を水中に懸濁させた後、Ce塩、例えばセリウム硝酸塩(例えば、Ce(NO・6HO)を加え、攪拌混合する。均一に混合した後、固形分を分離取得、例えば攪拌下に蒸発乾固した後、粉末状に粉砕後、空気中で焼成、例えば400〜500℃で数時間、加熱し、焼成して、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとを混合してなる粉末状の酸素吸放出材を得ることができる。
また、本発明の他の実施態様であるLnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの混合物は、前記と同様にして得られたLnSOおよび/又はLnSからなる化合物の粉末と、Ce塩、例えばセリウム硝酸塩を水に溶解、混合、蒸発乾固した後、粉末状に粉砕後、空気中で焼成して得られたCeOの粉末とを混合することによって得ることができる。
本発明の実施態様であるPt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を担持してなる酸素吸放出材は、例えば前記の粉末状の酸素吸放出材に予め決めた量のPt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素の化合物、例えばジニトロジアミン金属塩の溶液を滴下しながら乾燥した後、加熱、好適には500℃以上の温度で数時間、焼成することによって得ることができる。
前記の方法においてCe塩の量およびPt等の元素の化合物の種類と量を変えて、LnSOおよび/又はLnSの粒子上にCeO粒子が接触して2次粒子を形成していて、CeOの混合割合が全体量を100として5〜20質量%の範囲で、Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの合計量を100として0.1〜5質量%、特に0.25〜1質量%担持した本発明の実施態様の1つである酸素吸放出材を得ることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、前記の酸素吸放出材を必須成分として含むものであり、目的とする用途に応じて酸素吸放出材以外の任意の他の成分を含み得る。前記排ガス浄化用触媒は、通常ハニカム等の触媒基材上に塗布等により他の成分を担持することによって得られる。前記の触媒基材として用いるハニカムは、コージェライトなどのセラミックス材料やステンレス鋼などにより形成される。また、本発明の排ガス浄化用触媒は任意の形状に成形して用いることができる。
前記の他の成分としては、NO吸蔵材および触媒活性成分等が挙げられる。NO吸蔵材はNOの吸蔵および放出を行うもので、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素のうちの少なくとも1種以上の元素を含み得る。前記の触媒活性成分としては、貴金属および遷移金属のうちの少なくとも1種の金属が挙げられる。貴金属として、Pt、Pd、Rh、Irからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素が挙げられる。触媒活性成分として遷移金属を用いる場合には、例えばNiや、Cuが挙げられる。本発明の酸素吸放出材に前記のPt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素が担持されている場合には、通常は追加の触媒活性成分を用いなくてもよいが触媒活性の観点から加えて用いてもよい。
これらの触媒活性成分の担持を行う場合は、それ自体公知の方法によって行うことができ、例えば、貴金属塩溶液中に前記の粉末状の酸素吸放出材を浸漬することによって行うことができる。前記の貴金属塩溶液として貴金属の硝酸塩溶液、例えば水溶性の溶液を用いることができる。貴金属塩溶液中に酸素吸放出材を浸漬し、イオン交換法や吸着(含浸法)又は蒸発乾固によって、酸素吸放出材上に貴金属を担持することができる。
得られた触媒活性成分を担持させた酸素吸放出材上に、さらに前記のNO吸蔵材、例えば、Ba、K、Liを担持させる。NO吸蔵材の担持は、例えば、前記元素の塩溶液中、例えば前記元素の酢酸水溶液中に触媒活性成分を担持させた粉末状の酸素吸放出材を浸漬して含浸させた後、乾燥、焼成して行うことができる。前記の触媒活性成分およびNO吸蔵材を酸素吸放出材に担持することによって粉末状の触媒として又はさらに成形することによって、本発明の排ガス浄化用触媒が得られる。
また、前記の粉末状の排ガス浄化用触媒に所定のバインダーを加えて触媒スラリーとし、ハニカム等の基材上に塗布した後、乾燥、焼成して、本発明の排ガス浄化用触媒を得ることができる。前記のハニカム表面には触媒基材と触媒スラリーとの密着性等を改善する目的で予め金属酸化物でコートしてもよい。
本発明の排ガス浄化用触媒は、酸素吸放出材が低い温度から高い温度までの広範囲の温度で従来公知のものに比較して高い酸素吸放出能を有しているため、安定した触媒性能を達成することが可能である。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
以下の各例において、図6に概略図を示すOSC能測定用の実験装置を用いてOSC能を評価した。
また、OSC能測定の条件は以下の通りである。
1.OSC能測定の条件
図5に示す実験装置を用いて、各OSC材試料に1%のCO/He(残部)と0.5%O/He(残部)とをMFC(マスフローコントローラ)を通して交互に供給し、400〜700℃の範囲の温度でのCO(一酸化炭素)の酸化によるCO生成量を質量分析により求めて、下記式
CO+1/2O→CO
に基いて、O吸蔵量を算出した。
供給ガスの供給条件は以下の通りである。
リッチ:1%のCO/He(残部)、W/F=4.0x10−3g分・cm−3
リーン:0.5%O/He(残部)、W/F=4.0x10−3g分・cm−3
比較例1
1.PrSOの調製
Pr(NO・6HO、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、アンモニアおよび水をPr(NO・6HO:SDS:アンモニア:水=1:2:30:60(モル比)の混合比でセパラブルフラスコ中に入れた。アンモニア水は添加順序は最後であるが他の試薬とともに初めから入れた。攪拌器を用いて、40℃の油浴中で1時間、回転速度350rpm、大気開放系で攪拌を続けた。その後、60℃に昇温し、9時間攪拌後、室温まで冷却した(pH=約11)。得られた沈殿物を遠心分離し、蒸留水で数回洗浄後、室温で減圧乾燥した。乾燥試料を粉末状に粉砕し、ドラフト中、500℃以上で5時間焼成した。
2.Pt1質量%担持PrSOの調製
その後、得られたPrSOの粉末0.4gに対してジニトロジアミン白金溶液滴下量が1mLになるように溶液を調製(金属塩の量はPt担持量が1質量%に相当する量)した。一方、るつぼにPrSO約0.4gを入れ、ホッティングスターラー上に置き、適当な温度(Pt溶液が乾燥する程度の温度)にセットした。るつぼが温まってきたら、ジニトロジアミン白金溶液を少しずつ滴下しながら乾燥した。滴下後、1時間ほど室温で放置した後、乾燥機で一晩乾燥し、軽くほぐした後、空気中、400℃で2時間焼成して、Ptを1質量%担持したPrSO粉末を得た。
比較例2
3.CeOの調製
Ce(NO・6HOおよびアンモニアをCe(NO・6HO:アンモニア=1:3(モル比)の混合比でセパラブルフラスコに入れた。攪拌器で、回転速度350rpm、大気開放系で攪拌を続けた。得られた沈殿物を遠心分離し、蒸留水で数回洗浄後、室温で減圧乾燥し、粉末状に粉砕した後、ドラフト中、500℃以上で5時間焼成した。
4.Pt1質量%担持CeOの調製
その後、得られたCeOの粉末0.4gに対してジニトロジアミン白金溶液滴下量が1mLになるように溶液を調製(金属塩の量はPt担持量が1質量%に相当する量)した。一方、るつぼにCeO約0.4gを入れ、ホッティングスターラー上に置き、適当な温度(Pt溶液が乾燥する程度の温度)にセットした。るつぼが温まってきたら、ジニトロジアミン白金溶液を少しずつ滴下しながら乾燥した。滴下後、1時間ほど室温で放置した後、乾燥機で一晩乾燥し、軽くほぐした後、空気中、400℃で2時間焼成して、Ptを1質量%担持したCeO粉末を得た。
比較例3
5.Pt1質量%担持LaSOの調製
前記の1.のPrSOの調製において、Pr(NO・6HOに代えてLa(NO・6HOを用いた他は比較例1と同様にして、粉末状のLaSOを得た。
得られたLaSOの粉末0.4gを用いた他は比較例1の2.Pt1質量%担持PrSOの調製法と同様にして、Ptを1質量%担持したLaSO粉末を得た。
実施例1
6.20質量%CeO/PrSOの調製
前記の1.の調製法と同様にして、Pr(NO・6HOを出発原料として得られたPrSO粉末を蒸留水に懸濁させ、Ce(NO・6HOをCeO換算で20質量%になる量だけ加え、ホッティングスターラーを用いて、回転速度350rpm、大気開放系で攪拌を続けた。その後、温度を90℃に昇温し、攪拌しながら蒸発乾固し、乾燥した試料を粉末状に粉砕し、ドラフト中、500℃以上で5時間焼成して、20質量%のCeOと80質量%のPrSOとの混合物である20質量%CeO/PrSOを得た。
7.Pt1質量%担持−20%CeO/PrSOの調製
得られた20%CeO/PrSO0.4gに対して、ジニトロジアミン白金溶液滴下量が1mLになるように溶液を調製(金属塩の量はPt担持量が1質量%に相当する量)した。一方、るつぼに得られた20%CeO/PrSO粉末約0.4gを入れ、ホッティングスターラー上に置き、適当な温度(Pt溶液が乾燥する程度の温度)にセットした。るつぼが温まってきたら、ジニトロジアミン白金溶液を少しずつ滴下しながら乾燥した。滴下後、1時間ほど室温で放置した後、乾燥機で一晩乾燥し、乾燥後の試料を軽くほぐした後、空気中、400℃で2時間焼成して、Ptを1質量%担持した20質量%CeO/PrSO粉末を得た。
実施例2
8.Pt1質量%担持−20%CeO/LaSOの調製
前記6.の20質量%CeO/PrSOの調製法で用いた出発原料のPr(NO・6HOに代えて、La(NO・6HOを用いた他は実施例1と同様にして、20質量%CeO/LaSO粉末を得た。
次いで、この20質量%CeO/LaSO粉末を用いた他は実施例1と同様にして、Ptを1質量%担持した20質量%CeO/LaSO粉末を得た。
OSC能評価試験
図5に示す実験装置を用いて、実施例1〜2および比較例1〜3で得られたOSC材について、OSC能を評価した。実施例1および比較例1および比較例1の結果をまとめて図1に、実施例2および比較例2および比較例3の結果をまとめて図2に示す。
図1および図2から、いずれかの単一成分のOSC材と比較して、本発明の2成分の混合物を含むOSC材は、400〜700℃の広い温度範囲において明らかにOSC能に優れており、いずれかの単一成分を含むOSC材の結果と混合比を考慮したOSC能値よりも値が大きいことがわかる。
従って、本発明は、明らかに両成分の混合による相乗効果を示している。
実施例3
9.10%CeO/PrSOの調製
前記の6.の20質量%CeO/PrSOの調製法と同様にして得られたPrSO粉末を蒸留水に懸濁させ、Ce(NO・6HOをCeO換算で10質量%になる量だけ加えた他は実施例1と同様にして、10質量%のCeOとPrSOとの混合物である10質量%CeO/PrSO粉末を得た。
得られた10質量%CeO/PrSOからなるOSC材について、OSC能を評価した。
結果を実施例1、比較例1および比較例2の結果とともにまとめて図1に示す。
図2から、本発明の2種類の混合物を含むOSC材は、400〜700℃の広い温度範囲においてOSC能が明らかに優れている。
図1は、実施例1、実施例2および各比較例で得られたOSC材についてOSC能の評価結果を示すグラフである。 図2は、実施例2および各比較例で得られたOSC材についてOSC能の評価結果を示すグラフである。 図3は、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの混合物を含むOSC材によるOSC能の複合効果を説明するための模式図である。 図4は、特許文献2に示されているLnSOおよび/又はLnSの酸素吸収能およびCeO−ZrO複合酸化物の酸素吸収能を再掲したグラフである。 図5は、実施例で用いたOSC能測定用の実験装置の概略図である。
符号の説明
1 電気炉
2 ガラス管
3 質量分析計

Claims (6)

  1. LnSOおよび/又はLnS(Lnはランタニドを示す。)からなる化合物とCeOとからなり、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物の粉末と、酸素放出材の全体量中のCeOの割合が5〜20質量%となるCe塩とを水中で混合後、乾燥、空気中で焼成してなる酸素吸放出材。
  2. LnSOの粒子上にCeO粒子が接触して2次粒子を形成している請求項1に記載の酸素吸放出材。
  3. さらに、Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素を担持してなる請求項1又は2に記載の酸素吸放出材。
  4. Pt、Pd、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素の合計の担持量が、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの合計量を100として0.1〜5質量%である請求項3に記載の酸素吸放出材。
  5. Pt、Rh、Feからなる群から選択される1種以上の元素の合計の担持量が、LnSOおよび/又はLnSからなる化合物とCeOとの合計量を100として0.25〜1質量%である請求項3又は4に記載の酸素吸放出材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素吸放出材を含む排ガス浄化用触媒。
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