JP5330074B2 - 床暖房パネル - Google Patents

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本発明は、床暖房パネルに関する。
下記特許文献1に記載している床暖房パネルは、部屋の床に敷設されて床暖房を実現するものである。
床暖房パネルには、内蔵した電熱式のヒータに電源を供給する電源供給配線と、隣接する2つの床暖房パネル同士において一方から他方に送電する送り配線とが配設される。これらの電源供給配線および送り配線、ならびに電源供給配線と送り配線とを接続するカシメ部は、加熱面積を最大限大きく取るために、床暖房パネルでは端部に寄せて収納されている。このために、床暖房パネルの裏面側には、ヒータを収納するヒータ収納部に加え、配線収納用の配線収納部が、彫り込み加工によって凹状に形成されている。
電源供給配線および送り配線を接続するカシメ部の厚さは、一般に、収納する配線の束の厚みよりも大きく、したがって、図5に示したように、床暖房パネル21の裏面を形成する裏面材22は、配線収納部23を覆うように配設することができない。その結果、配線24およびカシメ部25が配線収納部23の外側にはみ出すことがあり、施工時などに配線24やカシメ部25が傷付いたり、床暖房パネル21を固定する接着剤が配線24やカシメ部25に付着したりする虞がある。
特開2007−315071号公報
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、裏面材で配線収納部を完全に閉鎖し、配線および配線を接続するカシメ部の内部収納を可能とした床暖房パネルを提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の特徴を有している。
第1の発明は、平面視が縦長長方形の形状を有する基材の表面に表面材が配設され、内部に電熱式のヒータが組み込まれ、基材の短片側の両端部のそれぞれに凹状の端子収納部が形成されている床暖房パネルにおいて、基材には、裏面側から彫り込み加工によって凹状のヒータ収納部および配線収納部が形成され、配線収納部は、基材の短片側の一端部に配置され、かつ基材の短片方向において端子収納部の隣に配置されており、ヒータ収納部にヒータが収納され、配線収納部にヒータの電源供給配線および送り配線が収納され、配線収納部は、床暖房パネルの表面近くに配置された第1の部分と表面から離れて配置された第2の部分を有する段状に形成され、配線収納部の第1の部分に電源供給配線と送り配線とを接続するカシメ部が収納され、第2の部分に電源供給配線および送り配線が収納され、基材の裏面側に、ヒータ収納部とともに配線収納部を完全に閉鎖する裏面材が配設されていることを特徴としている。
第2の発明は、上記第1の発明の特徴において、配線収納部の第1の部分は、平面形状の面積が最小となるような、カシメ部の外形に沿った形状を有していることを特徴としている。
第3の発明は、上記第1または第2の発明の特徴において、裏面材は厚さ2.0mm以上であることを特徴としている。
上記第1の発明によれば、基材に裏面側の彫り込み加工によって凹状に形成された配線収納部において、床暖房パネルの表面近くに配置された第1の部分に電源供給配線と送り配線とを接続するカシメ部が収納され、表面から離れて配置された第2の部分に電源供給配線および送り配線が収納されるので、裏面材により配線収納部を完全に閉鎖することができ、電源供給配線および送り配線ならびにこれらの配線を接続するカシメ部の内部収納が可能となる。施工時などにおける配線およびカシメ部の傷付きや接着剤の付着などの問題が解消される。また、配線収納部の彫り込み深さは一様ではなく、第1の部分および第2の部分からなる深浅2つの段状に形成されているため、床暖房パネルの強度を十分に確保することができる。
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、彫り込みの深い第1の部分の形成が最小限に抑えられ、床暖房パネルの強度をより一層十分に確保することができる。
上記第3の発明によれば、上記第1または第2の発明の効果に加え、裏面材は厚さ2.0mm以上のものであるので、電気用品安全法に規定されている、配線の芯材部分(充電部)からの空間絶縁距離2mmという要件を満たすことができ、安全性に優れた実用的な床暖房パネルが提供される。
本発明の床暖房パネルの一実施形態を示した要部断面図である。 図1に示した床暖房パネルにおける基材を示した平面図である。 図1に示した床暖房パネルにおけるヒータを示した平面図である。 図1に示した床暖房パネルの施工について示した分解平面図である。 従来の床暖房パネルにおける配線収納部を示した要部平面図である。
図1−3に示した床暖房パネル1は、平面視が縦長長方形の形状を有する、合板などの木質の基材2の表面に突板、化粧シートなどの表面材3が配設された、一般の床材とほぼ同等の木目調の外観を有するものである。床暖房パネル1は、部屋の床に縦方向とともに横方向に敷設され、床を仕上げることができる。施工時には、隣接する床暖房パネル1同士は、基材2の長辺部および短辺部に形成された雄実4および雌実5による実結合によって相互に接合される。このため、基材2において対向する2つの長辺部および2つの短辺部では、一方に雄実4が、他方に雌実5が形成されている。
また、基材2には、PTCヒータ6の外形と略等しい形状および深さを有する凹状のヒータ収納部7が、裏面側からの彫り込み加工によって形成されている。床暖房パネル1では、PTCヒータ6が基材2のヒータ収納部7に収納されて内蔵され、PTCヒータ6の作動によって床暖房を実現する。PTCヒータ6は、PTC(Positive Temperature Coefficient)特性、すなわち、温度が上昇すると抵抗が増大する正の温度特性を有する電熱式のヒータであり、厚みの薄いシート状に形成され、基材2とほぼ同様な縦長略長方形状を有している。PTCヒータ6において電極8は、長手方向に延び、対向する2つの長辺部のそれぞれに配設されている。また、電極8間に送り配線9が配設され、送り配線9は、PTCヒータ6の長手方向に延びている。床に敷設される床暖房パネル1は、施工時に、長手方向に隣接する2つの床暖房パネル1同士において、一方(前段)の床暖房パネル1から他方(後段)の床暖房パネル1へ送り配線9を通じて送電するように電気接続される。このような電気接続を行うために、送り配線9の2つの端部にはプラグ10が配設されている。プラグ10は、ホルダーとも称されるものであり、前段と後段の床暖房パネル1同士においてプラグ10は、図4に示したように、コネクタ11を介して接続される。プラグ10は、床暖房パネル1の内部に収納されるようにしており、基材2には、図2に示したように、短辺側の端部に凹状の端子収納部12a、12bがそれぞれ形成されている。前段と後段の、隣接する2つの床暖房パネル1同士を電気接続する際には、端子収納部12a、12bからプラグ10とともに送り配線9の端部を引き出し、プラグ10同士をコネクタ11を介して接続する。接続終了後には、プラグ11を端子収納部12a、12bに収納する。端子収納部12bは、コネクタ11の収納も可能なように形成されており、コネクタ11は端子収納部12bに収納される。
なお、床暖房パネル1は、施工時に、電源の最も近くに位置する床暖房パネル1aから順に接合し、電気接続するものである。床暖房パネル1aの後段として接続する床暖房パネル1では、プラグ10を、床暖房パネル1aの送電側に位置するコネクタ11bへの接続が可能とされている。コネクタ11bは、床暖房パネル1aの一方の短辺部に配設され、内蔵されている。また、床暖房パネル1aでは、電源側との接続を可能とするコネクタ11aが、コネクタ11bとは反対側の短辺部に配設され、内蔵されている。
また、図1−3に示した床暖房パネル1では、送り配線9の一端部に、PTCヒータ6に電源を供給する、電極8と接続された電源供給配線13が、送り配線9に対し並列に接続されている。送り配線9においてプラグ10が配設された端部は、PTCヒータ6の長辺側の一端部から内側に引き込まれ、電源供給配線13との接続のために、プラグ10の近くに位置するPTCヒータ6の短辺側の一端部から外側に引き出されている。電源供給配線13は、このようにPTCヒータ6の外側に引き出された送り配線9の部分に一端が接続され、他端が電極8に接続されている。電源供給配線13と送り配線9との接続部にはカシメ部14が配設され、カシメ部14において電源供給配線13と送り配線9は接続されている。送り配線9および電源供給配線13ともに2芯の電気コードが使用されているため、床暖房パネル1では、計2つのカシメ部14が配設されている。
床暖房パネル1では、カシメ部14とともに、カシメ部14で接続している電源供給配線13および送り配線9も内部に収納されている。そのために、基材2には、短辺側の一端部に配線収納部15が、ヒータ収納部7と同様に裏面側からの彫り込み加工によって凹状に形成されている。カシメ部14では、その厚みが電源供給配線13および送り配線9の計3本の電気コードの束に比べて厚いことから、配線収納部15は、基材2の裏面からの深さが異なる深浅2つの部位から形成されている。すなわち、彫り込み深さの深い第1の部分15aと浅い第2の部分15bとから、配線収納部15は段状に形成されている。第1の部分15aは、たとえば、総厚みが12mmである床暖房パネル1の場合、表面からの厚みが3.0mmとして形成することができ、第2の部分15bは、表面からの厚みとして3.5mmとして形成することができる。このように、床暖房パネル1の表面近くに配置される、彫り込み深さの深い第1の部分15aにカシメ部14が収納され、表面から離れて配置される、彫り込み深さの浅い第2の部分15bに、電源供給配線13および送り配線9の計3本の電気コードが収納される。また、床暖房パネル1では、カシメ部14が2つ配設されていることから、配線収納部15には第1の部分15aが2つ形成され、2つの第1の部分15aは、互いに重合しないように離して配置されている。第1の部分15aは、また、カシメ部14の外形に沿った長円状に形成されている。第1の部分15aに収納されたカシメ部14および第2の部分15bに収納された電源供給配線13および送り配線9は、基材2の厚み以内に収納される。
そして、床暖房パネル1では、基材2の裏面側に、紙、ベニア板などの、厚さ2.0mm以上の裏面材16が配設されており、裏面材16は、ヒータ収納部7とともに配線収納部15を完全に閉鎖している。
上記のとおり、床暖房パネル1では、配線収納部15において、表面近くに配置された、彫り込み深さの深い第1の部分15aに、電源供給配線13と送り配線9とを接続する、厚みの厚いカシメ部14が収納されている。また、表面から離れて配置された、彫り込み深さの浅い第2の部分15bには、電源供給配線13および送り配線9が収納されている。したがって、床暖房パネル1では、裏面材16によって配線収納部15を完全に閉鎖することができ、電源供給配線13および送り配線9ならびにこれらの配線13、9を接続するカシメ部14の内部収納が可能となっている。このため、施工時などにおける配線13、9およびカシメ部14の傷付きや接着剤の付着などの問題が解消される。しかも、配線収納部15では、彫り込み深さは一様ではなく、第1の部分15aおよび第2の部分15bからなる深浅2つの段状に形成されているため、カシメ部14の収納のために第1の部分15aを第2の部分15bより深くしても、第1の部分15aは配線収納部15の一部に過ぎず、床暖房パネル1の強度を十分に確保することができる。
また、配線収納部15の第1の部分15aは、カシメ部14の外形に沿った形状を有しているので、平面形状の面積が最小となっており、彫り込みの深い第1の部分15aの形成が最小限に抑えられている。このため、床暖房パネル1の強度はより一層十分に確保される。
さらに、床暖房パネル1では、裏面材16は厚さ2.0mm以上のものであるので、電気用品安全法に規定されている、配線の芯材部分(充電部)からの空間絶縁距離2mmという要件を満たすことができる。床暖房パネル1は、電源供給配線13および送り配線9において金属製の芯材部分が樹脂により被覆されるとともに、裏面材16によって絶縁された二重絶縁構造を実現する。このような二重絶縁構造は、印加電圧が150V以上の電気製品に要求されるものであり、このことも含め、床暖房パネル1は、安全性に優れた実用的なものとして提供される。
なお、本発明の床暖房パネルは、基材、表面材および裏面材の材質、ヒータの構成および構造などの細部について様々な態様が可能であり、上記実施形態に限定されるものではない。
1 床暖房パネル
2 基材
3 表面材
6 PTCヒータ
7 ヒータ収納部
9 送り配線
13 電源供給配線
14 カシメ部
15 配線収納部
15a 第1の部分
15b 第2の部分
16 裏面材

Claims (3)

  1. 平面視が縦長長方形の形状を有する基材の表面に表面材が配設され、内部に電熱式のヒータが組み込まれ、基材の短片側の両端部のそれぞれに凹状の端子収納部が形成されている床暖房パネルにおいて、基材には、裏面側から彫り込み加工によって凹状のヒータ収納部および配線収納部が形成され、配線収納部は、基材の短片側の一端部に配置され、かつ基材の短片方向において端子収納部の隣に配置されており、ヒータ収納部にヒータが収納され、配線収納部にヒータの電源供給配線および送り配線が収納され、配線収納部は、床暖房パネルの表面近くに配置された第1の部分と表面から離れて配置された第2の部分を有する段状に形成され、配線収納部の第1の部分に電源供給配線と送り配線とを接続するカシメ部が収納され、第2の部分に電源供給配線および送り配線が収納され、基材の裏面側に、ヒータ収納部とともに配線収納部を完全に閉鎖する裏面材が配設されていることを特徴とする床暖房パネル。
  2. 配線収納部の第1の部分は、平面形状の面積が最小となるような、カシメ部の外形に沿った形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の床暖房パネル。
  3. 裏面材は厚さ2.0mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の床暖房パネル。
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