JP5328521B2 - 火花点火式内燃機関の制御方法 - Google Patents

火花点火式内燃機関の制御方法 Download PDF

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本発明は、燃焼室内に生成される電界と点火プラグによる火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火する火花点火式内燃機関の制御方法に関する。
従来、車両、特に自動車に搭載される火花点火式内燃機関においては、点火プラグの中心電極と接地電極との間の火花放電により、点火時期ごとに燃焼室内の混合気に着火するようにしている。このような点火プラグによる点火であって、例えば燃料を直接気筒内に噴射する形式の内燃機関において、噴射した燃料を点火プラグの火花放電の位置に分布させないと、着火しないことがまれに生じる。
そこで、このような内燃機関において、点火プラグの放電領域にプラズマ雰囲気を生成しておき、プラズマ雰囲気中に火花放電を行い、火花放電とプラズマとを反応させることにより、従来のものと比較して高い電圧を印加することなく燃焼室内の混合気に着実に着火し、安定して燃焼を行わせるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−32349号公報
ところで、燃料カット中に燃焼室内にプラズマ雰囲気を生成させると、プラズマ雰囲気中の電子が空気中の酸素分子と衝突することにより酸素分子が解離して酸素原子が発生し、この酸素原子が空気中の酸素分子と結合することにより、燃焼室内にオゾンが発生する。すると、発生したオゾンや、オゾンとの反応により生成するラジカルにより点火プラグや燃焼室表面が酸化する不具合が発生する。
本発明はこのような課題を解決することを目的とする。
本発明の火花点火式内燃機関の制御方法、以上に述べた課題を解決すべく、車両の走行中において燃料を供給している間は燃焼室内に電界生成手段によって生成される電界と点火プラグによる火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、燃料の供給を中断することを決定した後、所定時間が経過するまでは燃料供給量を減じながら、燃料の供給を中断することを決定する以前より大きな出力の電界と火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、所定時間の経過時に燃料の供給を中断するとともに電界の生成を中止することを特徴とする。
このようなものであれば、車両の走行中に減速等を行った場合燃料の供給を中断する間はプラズマの生成を中止することにより、プラズマ雰囲気中の電子と酸素分子とが衝突することによる酸素分子の解離を抑制でき、従って、燃焼室内にオゾンが発生することを抑制できる。しかも、所定時間が経過するまでは燃料の供給を中断しないため、プラズマを生成させて燃焼を安定させることにより、燃料カットを行っても出力トルクの低下によるショックが発生しない領域まで失火限界を低下させることができ、従ってエンジンの失火防止と前記ショックの発生の防止を同時に図ることができる。
なお、電界を生成させる電界生成手段としては、各種の周波数の電磁波を発生させる電磁波発生装置、燃焼室内に配置される一対の電極に交流電圧を印加する交流電圧発生装置、及び同じく一対の電極に脈流電圧を印加する脈流電圧発生装置などが挙げられる。
電磁波発生装置が発生する電磁波としては、マイクロ波、各種無線通信例えばアマチュア無線において使用される周波数を含む高周波、及びマイクロ波より波長の短いレーザなどが挙げられる。なお、レーザの場合は、他の電磁波発生装置とは構成の異なるレーザ発振装置を使用する。
交流電圧発生装置が出力する交流電圧は、上述の高周波と等しい周波数のものである。
脈流電圧発生装置は、周期的に電圧が変化する直流電圧を発生させるものであればよく、その直流電圧の波形は任意であってよい。すなわち、本願における脈流電圧は、0ボルトを含む基準となる電圧から、一定周期で一定電圧まで変化するパルス電圧や、一定周期で順次増減する電圧まで変化する、例えば交流電圧を半波整流したような波形の直流電圧、さらには交流に直流バイアスをかけた直流電圧などを含むものである。この場合において、一定周期は、上述の高周波における周波数に対応するものであってよい。なお、波形は、上述したものに限定されるものではなく、正弦波、鋸歯状波、三角波などであってもよい。
本発明によれば、燃料の供給を中断する間はプラズマの生成を中止することにより、プラズマ雰囲気中の電子と酸素分子とが衝突することによる酸素分子の解離を抑制できる。すなわち、燃焼室内にオゾンが発生することを抑制できる。従って、発生したオゾンや、オゾンとの反応により生成するラジカルにより点火プラグや燃焼室表面が酸化する不具合の発生を抑制できる効果が得られる。
本発明の実施形態の概略構成を示す構成説明図。 制御手順の参考例を示すフローチャート。 実施形態の制御手順の概略を示すフローチャート。 本発明の実施形態において使用できる電磁波発生装置の構成を示すブロック図。 本発明の実施形態において使用できる交流電圧発生装置の構成を示すブロック図。 図5におけるHブリッジ回路の一例を示す回路図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に1気筒の構成を概略的に示したエンジン100は、自動車用の3気筒のものである。エンジン100の吸気系1には、図示しないアクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、そのスロットルバルブ2の下流にはサージタンク3が設けられている。サージタンク3が連通するシリンダヘッド4側の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、この燃料噴射弁5を電子制御装置6により制御するようにしている。そして、燃焼室7の天井部分には、点火プラグ8及びプラズマを生成するためのアンテナ9が取り付けてある。この実施形態におけるアンテナ9は、ホーン型アンテナで、燃焼室7の天井の点火プラグ8の近傍位置に取り付けられている。点火プラグ8には、イグナイタを一体に備える点火コイル10が交換可能に取り付けられている。アンテナ9は、ホーン形状をしており、燃焼室7に面する先端部分はセラミックスなどの誘電体27により塞がれており、マイクロ波発生装置11に図示しない導波管を介して接続されている。また、排気系12には、図示しないマフラに至るまでの管路に三元触媒(以下、触媒13と称する)が配設され、その上流にはO2センサ14が取り付けられている。
マイクロ波発生装置11は、マイクロ波発生源であるマグネトロン15とマグネトロン15を制御する制御回路16とを備えてなる。マグネトロン15が出力するマイクロ波は、導波管によりアンテナ9に印加される。又、制御回路16には、電子制御装置6から出力されるマイクロ波発生信号nが入力される構成で、制御回路16は、入力されるマイクロ波発生信号nに基づいてマグネトロン15が出力するマイクロ波の出力時期及び出力電力を制御するものである。
電子制御装置6は、中央演算処理装置18と、記憶装置19と、入力インターフェース20と、出力インターフェース21とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成されている。中央演算処理装置18は、記憶装置19に格納された後述のプログラムを実行して、エンジン100の運転制御を行うものである。
そしてエンジン100の運転制御を行うために必要な情報が入力インターフェース20を介して中央演算処理装置18に入力されるとともに、中央演算処理装置18は出力インターフェース21を介して制御のための信号を燃料噴射弁5などに出力する。具体的には、入力インターフェース20には、サージタンク3内の吸入空気の圧力を検出するための吸気圧センサ22から出力される吸気圧信号a、エンジン回転数を検出するための回転数センサ23から出力される回転数信号b、スロットルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ24から出力されるIDL信号c、エンジン100の冷却水温を検出するための水温センサ25から出力される水温信号d、エンジン100が吸入する新気の
温度を検出するための吸気温センサ26から出力される吸気温信号e、燃焼室7から排気弁を介して排出された排気ガス中の酸素濃度を検出するためのO2センサ14から出力さ
れる電圧信号f、車速を検出するための車速センサ28から出力される車速信号gなどが入力される。一方、出力インターフェース21からは、燃料噴射弁5に対して燃料噴射信号p、イグナイタに対して点火信号m及びマイクロ波発生装置11に対してマイクロ波発生信号nなどが出力されるようになっている。
電子制御装置6の記憶装置19には、吸気圧センサ22から出力される吸気圧信号aと回転数センサ23から出力される回転数信号bとを主な情報とし、エンジン100の運転状態に応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間を補正して燃料噴射弁5の開成時間、すなわちインジェクタ最終通電時間を決定し、その決定された通電時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から吸気系1に噴射させるためのプログラムが内蔵してある。
このエンジン100にあっては、暖機後の通常運転状態ではマイクロ波発生装置11が発生するマイクロ波を制御回路16により制御された出力時期に合わせてアンテナ9から燃焼室7内に放射し、それにより生成される電界と点火プラグ8による火花放電とを反応させてプラズマを生成し、混合気に着火するように構成されている。プラズマを生成する場合、マイクロ波がアンテナ9に印加されることにより、燃焼室7内には、点火プラグ8による火花放電に対して直交する方向に電界が形成される。したがって、アンテナ9及びマイクロ波発生装置11は、電界生成手段を構成するものである。
このように、点火に際しては、点火プラグ8に点火コイル10により火花放電を発生させて、火花放電開始とほぼ同時あるいは火花放電開始直後あるいは火花放電開始直前にマイクロ波により電界を発生させ、火花放電と電界とを反応させてプラズマを生成させることにより、燃焼室7内の混合気を急速に燃焼させる機構である。なお、火花放電開始直後とは、遅くとも火花放電を構成する誘導放電の開始時が好ましい。
具体的には、点火プラグ8による火花放電が電界中でプラズマになり、当該プラズマにて混合気に着火を行うことで火炎伝播燃焼の始まりとなる火炎核が火花放電のみの点火に比べて大きくなるとともに燃焼室7内に大量のラジカルが発生することで燃焼が促進される。
これは、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになると共に、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体は電離した状態、言換するとプラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎伝播燃焼の始まりとなる火炎核も大きくなるものである。
この結果、火花放電と電界とが反応し発生したプラズマにより混合気に着火するため、着火領域が拡大し、点火プラグ8のみの二次元的な着火から三次元的な着火になる。したがって、初期燃焼が安定し、上述したラジカルの増加に伴って燃焼が燃焼室7内に急速に伝播し、高い燃焼速度で燃焼が拡大する。
しかして、本実施形態では、電子制御装置6の記憶装置19に、車両の走行中において燃料を供給している間は燃焼室7内に生成される電界と点火プラグ8による火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、車両の走行中に燃料の供給を中断することを決定するための条件が成立している場合には、直ちに燃料の供給を中断し、プラズマの生成を中止する制御を行うためのプログラムをさらに内蔵している。
以下、この内燃機関100の制御の大まかな流れを、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップS1では、燃料カット条件が成立しているか否かを判断する。具体的に
は、スロットルバルブ2が全閉である、すなわちアイドルスイッチ24がONであることを示すIDL信号cがアイドルスイッチ24から出力されているとともに、車速センサ28から出力される車速信号gが示す車速が所定車速以上であり、水温センサ25から出力される水温信号dが暖機状態である旨を示し、かつ回転数センサ23からの回転数信号bが示すエンジン回転数が所定回転数以上である場合に燃料カット条件が成立していると判断する。燃料カット条件が成立している場合は、ステップS2に進む。燃料カット条件が成立していない場合は、このプログラムを終了する。
ステップS2では、燃料カットを行う。その後、ステップS3に進む。
ステップS3では、プラズマを生成させるためのマイクロ波照射を中止する制御を行う。すなわち、マイクロ波発生装置11に対するマイクロ波発生信号nの出力を中止する。そして、このプログラムを終了する。
すなわち、燃料カット条件が成立した際には、直ちにステップS1→S2→S3の制御を順次行うことにより、燃料の供給を中断し、プラズマの生成を中止する。
以上に述べたように、本実施形態に係るエンジン100の制御方法を採用すれば、燃料の供給を中断する間はプラズマの生成を中止するので、プラズマ雰囲気中の電子と酸素分子とが衝突することによる酸素分子の解離を抑制できる。すなわち、燃焼室内にオゾンが発生することを抑制できる。従って、発生したオゾンや、オゾンとの反応により生成するラジカルにより点火プラグ8や燃焼室7の表面が酸化する不具合の発生を抑制できる効果が得られる。
次に、本実施形態の詳細を説明する
本実施形態では、電子制御装置6の記憶装置19に車両の走行中において燃料を供給している間は燃焼室7内に生成される電界と点火プラグ8による火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、燃料の供給を中断することを決定した後、所定時間Tを経過するまでは燃料供給量を減じながら電界と火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、所定時間Tの経過時に燃料の供給を中断するとともにプラズマの生成を中止する制御を行うためのプログラムを内蔵している。前記所定時間Tは、燃料の供給を中断することを決定するための条件が成立した後、プラズマを生成させつつ燃料供給量を漸次減少させる運転を行い、燃料供給量を0としても出力トルクの低下によるショックが発生しない領域に達するまでの時間として予め実験に基づき求めたものであり、前記記憶装置19の所定領域に記憶している。
以下、この内燃機関100の制御の概略手順を、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップS11では、燃料カット条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、スロットルバルブ2が全閉である、すなわちアイドルスイッチ24がONであることを示すIDL信号cがアイドルスイッチ24から出力されているとともに、車速センサ28から出力される車速信号gが示す車速が所定車速以上であり、水温センサ25から出力される水温信号dが暖機状態である旨を示し、かつ回転数センサ23からの回転数信号
bが示すエンジン回転数が所定回転数以上である場合に燃料カット条件が成立していると判断する。燃料カット条件が成立している場合は、ステップS12に進む。燃料カット条件が成立していない場合は、このプログラムを終了する。
ステップS12では、回転数センサ23からの回転数信号bから算出されるエンジン回転数をパラメータとして所定時間Tを決定する。次いで、ステップS13に進む。
ステップS13では、燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間T未満であるか否かを判定する。燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間T未満である場合は、ステップS14に進む。一方、燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間T以上である場合は、ステップS16に進む。
ステップS14では、燃料供給量を所定量減少させる制御を行う。すなわち、所定量減少させた後の燃料供給量に対応する燃料噴射信号pを燃料噴射弁5に出力する。その後、ステップS15に進む。
ステップS15では、プラズマを生成させるべくマイクロ波を照射する制御を行う。すなわち、マイクロ波発生装置11に対してマイクロ波発生信号nを出力する。ここで本実施形態では、エンジン100の運転状態に応じて燃焼をより安定させるべく、このプログラムによる制御を開始する以前より多くのプラズマを生成させる、すなわちマイクロ波発生装置11の出力を増大させるようにしている。そして、ステップS13に戻る。
ステップS16では、燃料カットを行う。その後ステップS17に進む。
ステップS17では、プラズマを生成させるためのマイクロ波照射を中止する制御を行う。すなわち、マイクロ波発生装置11に対するマイクロ波発生信号nの出力を中止する。そして、このプログラムを終了する。
すなわち、燃料カット条件が成立した際には、まずエンジン回転数に基づき所定時間Tを決定すべく、ステップS11→S12の制御を順次行う。
次いで、燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間T未満である場合は、ステップS13→S14→S15の制御を順次行う。すなわち、燃料供給量を漸次減少させつつ、プラズマは生成させ続ける。その後、ステップS13に戻る。
一方、燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間Tに達した場合は、ステップS13→S16→S17の制御を順次行う。すなわち、燃料の供給及びプラズマの生成を中止する。
以上に述べたように、本実施形態に係るエンジン100の制御方法を採用すれば燃料の供給を中断する間はプラズマの生成を中止するので、プラズマ雰囲気中の電子と酸素分子とが衝突することによる酸素分子の解離を抑制できる。すなわち、燃焼室内にオゾンが発生することを抑制できる。従って、発生したオゾンや、オゾンとの反応により生成するラジカルにより点火プラグ8や燃焼室7の表面が酸化する不具合の発生を抑制できる効果が同様に得られる。
加えて、本実施形態に係るエンジン100の制御方法によれば、燃料カット条件が成立した後の経過時間tが所定時間Tに達するまでの間は燃料噴射量を減少させつつプラズマを生成させて点火を行い、燃焼の安定を図ることにより、出力トルクの低下によるショックが発生しない領域まで失火限界を低下させることができ、従ってエンジンの失火防止と
前記ショックの発生の防止を同時に図ることができる効果も得られる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
例えば、前述した本発明実施形態において、燃料カット条件が成立した後、燃料の供給を停止するまでの所定時間は、エンジン回転数以外のパラメータ、例えば、ISC量、ギアの減速比、スロットルバルブが全閉状態となる直前のスロットルバルブの開度等に基づき決定してもよい。
また、マイクロ波発生装置11におけるマイクロ波発生源としては、上述のようなマグネトロン以外にも、進行波管等であってもよく、さらには半導体によるマイクロ波発振回路を備えるものであってもよい。
加えて、上述した実施形態においては、ホーン型のアンテナを説明したが、モノポール型のアンテナであってもよい。
さらには、点火プラグ8の中心電極をアンテナとして機能させて、高周波給電部とするものであってもよい。この場合、高周波を一定の電圧で中心電極に継続して印加すると、中心電極の温度が過剰に上昇するため、中心電極の耐熱温度に基づいて設定する上限温度を下回るように、高周波の電圧を制御するものである。
一方、電磁波発生装置における電磁波の周波数についてはマイクロ波の周波数帯に限られるものではなく、点火プラグ8の火花放電部分に電界を生成しプラズマを生成させることが可能な周波数であればよい。したがって、電磁波発生装置としては、例えば図4に示すような構成のものが好適である。
図4に示す電磁波発生装置30は、例えば300MHzの電磁波を発振する送信機31と、送信機31の出力端に同軸ケーブル32で接続されるマッチングチューナ(又はアンテナチューナ)33と、マッチングチューナ33の出力端に不平衡ケーブル34で接続されるとともにイグナイタ35にも接続されるミキサ36とを備えている。この例にあっては、点火プラグ8の中心電極8aが電磁波を放射するアンテナとして機能するもので、したがって、ミキサ36は、マッチングチューナ33を介して送信機31が出力する電磁波を点火プラグ8の中心電極8aに印加するとともに、イグナイタ35からの点火信号を中心電極8aに印加する。ミキサ36は、送信機31からの電磁波とイグナイタ35からの点火信号を混合するものである。
この例では、送信機31からの電磁波により、中心電極8aと接地電極8bとの間に電界が生成される。生成された電界と、中心電極8aと接地電極8bとの間に発生する火花放電とが反応してプラズマが生成され、混合気に着火するものである。
また、電磁波発生装置としては、レーザ発振装置が挙げられる。レーザ発振装置は、レーザダイオードと、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)とシリンドリカルレンズを含むレンズアセンブリとを組み合わせたものが使用できる。レーザ発振装置から出力されるレーザは、光ファイバを介して燃焼室に送られる。この場合、光ファイバは、点火プラグのハウジングの中を通過してその先端が中心電極と接地電極との間隙に向けて取り付けられる。レーザは、火花放電に先立って、火花放電が生じる位置に照射されるのが好ましい。
光ファイバから射出されるレーザは、前述の間隙に集中して、間隙近傍に電界を集中させる。したがって、レーザの指向性により電界を所期の位置に生成することができ、プラズマを混合気の着火に最も好適な位置に生成することができる。
以上に説明した電磁波発生装置に代えて、交流電圧発生装置を使用するものであってもよい。図5に示す交流電圧発生装置40は、車両用のバッテリ41の電圧例えば約12V(ボルト)を昇圧回路であるDC−DCコンバータ42にて300〜500Vに昇圧し、その後、図6に例示するHブリッジ回路43にて周波数が約1MHz〜500MHz、好ましくは100MHzの交流に変化させ、さらに昇圧トランス44により約4kVp‐p〜8kVp‐pに昇圧する構成である。
このような交流電圧発生装置40において、例えば点火プラグ8の中心電極8aと接地電極8bとを、電界を生成するための一対の電極とする場合、上述の電磁波発生装置30と同様に、交流電圧の出力端部となる昇圧トランス44とイグナイタと点火プラグ8との間にはミキサが配置される。そして、中心電極8aと接地電極8bとの間に高圧の交流電圧を印加することで、放電域である点火プラグ8の間隙に上記周波数帯であって極性が交互に入れ替わる電界が生成される。したがって、生成された電界と火花放電とが反応してプラズマが点火プラグ8周辺に生成され、混合気を着火するものである。なお、この一対の電極を中心電極8aと接地電極8bとで構成するものの場合に、接地電極8bに代えて、シリンダヘッド、シリンダブロックあるいはピストンで代用するものであってもよい。
一対の電極は、上述した点火プラグ8の中心電極8aと接地電極8bとを使用する以外に、点火プラグ8を挟む位置に電極を配置する構成でもよい。すなわち、所定の距離離して、対向して一対の電極を配置する。この場合に、点火プラグ8がその電極間に位置するように、一対の電極は配置する。この場合においても、電極の一方を、接地電極、シリンダヘッド、シリンダブロックあるいはピストンで代用するものであってもよい。
なお、このような交流電圧発生装置に代えて、脈流発生装置を使用するものであってもよい。つまり、一対の電極間に交流を印加する代わりに、パルス電圧などの脈流電圧を印加することにより、一対の電極間に電界を生成するものである。脈流発生装置は、交流電圧発生装置と同様に、バッテリから供給される直流をDC?DCコンバータで昇圧し、高圧の直流を所定周期で断続することにより脈流とし、その脈流を昇圧トランスにより昇圧して一対の電極に印加する構成である。脈流発生装置の場合、Hブリッジ回路に代えて周期的にオン・オフするスイッチング回路を用いる。このような脈流発生回路を使用することによっても、一対の電極間に電界を生成することができ、上述の実施形態同様の効果を得ることができる。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
本発明の活用例として、ガソリンや液化天然ガスを燃料として点火プラグによる火花放電を着火に必要とする火花点火式内燃機関に活用することができる。
100…エンジン
5…燃料噴射弁
6…制御装置
8…点火プラグ
9…アンテナ
15…マグネトロン

Claims (1)

  1. 車両の走行中において燃料を供給している間は燃焼室内に電界生成手段によって生成される電界と点火プラグによる火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、
    燃料の供給を中断することを決定した後、所定時間が経過するまでは燃料供給量を減じながら、燃料の供給を中断することを決定する以前より大きな出力の電界と火花放電とを反応させてプラズマを生成して混合気に着火し、
    所定時間の経過時に燃料の供給を中断するとともに電界の生成を中止する火花点火式内燃機関の制御方法。
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