JP5326907B2 - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
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Description
但し、ピーク電流を供給する時の動作モードをピークモード、ホールド電流を供給する時の動作モードをホールドモード、スイッチング素子をオフ状態にする制御信号の信号レベルを非アクティブレベル、そのスイッチング素子をオン状態にする制御信号の信号レベルをアクティブレベル、ピークハイ閾値より小さくピークロー閾値より大きな値に設定された二つの閾値のうち、値の大きい方をホールドハイ閾値、値の小さい方をホールドロー閾値とする。
一方、信号レベル設定手段は、動作モードがピークモードの場合、アクティブレベルを初期状態として、電流検出値がピークハイ閾値より大きくなると非アクティブレベルに切り替わり、動作モードがホールドモードの場合、非アクティブレベルの時に電流検出値がホールドロー閾値より小さくなるとアクティブレベルに切り替わり、アクティブレベルの時に電流検出値がホールドハイ閾値より大きくなると非アクティブレベルに切り替わるように、制御信号の信号レベルを設定する。
しかも、モード信号は、直流電源の電源電圧の大きさや、噴射期間の長さの影響を直接的には受けないため、従来装置とは異なり、電源電圧や噴射期間の長さに応じて判定閾値を変化させる等の複雑な制御を行う必要がなく、簡易な制御で精度よく負荷ショートを検出することができる。
また、負荷ショートの検出に関わる規定時間、ピークロー閾値、ホールドロー閾値は、電流検出値が前記ホールドロー閾値まで減少して規定時間が経過するまでに変化する量を遅延変化量、ピークロー閾値とホールドロー閾値との差分を許容変化量として、負荷ショート時には遅延変化量が許容変化量以上となり、正常時には遅延変化量が許容変化量未満となるように設定してもよい。
[全体構成]
図1は、本願発明の一例としての回路構成図であり、車両用ディーゼルエンジンの各気筒に燃料を噴射供給する電磁弁である電磁ソレノイド式ユニットインジェクタ(以下、単にインジェクタという。)の電磁ソレノイドLへの通電時間及び通電タイミングを制御することにより、ディーゼルエンジン各気筒への燃料噴射量、及び燃料噴射時期を制御する燃料噴射制御装置1(電磁弁駆動装置の一実施形態)の構成を示す構成図である。
図1に示すように、燃料噴射制御装置1は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、予め設定された制御プログラムに従って燃料噴射制御のための各種制御処理を実行する制御部2と、制御部2からの噴射指令CMを受けて動作し、電磁ソレノイドLへの通電を行う駆動回路3とを備えている。
駆動回路3は、バッテリ電圧+Bを供給する電源線から電磁ソレノイドLの一端に至る給電経路を導通,遮断するスイッチング素子としてのトランジスタ(ここではNチャンネル電界効果トランジスタ)31と、電磁ソレノイドLの他端を接地する給電経路を制御部2からの噴射指令CMに従って導通,遮断するトランジスタ32と、トランジスタ32と直列に接続され且つ一端が接地され、電磁ソレノイドLを流れる通電電流に比例した電圧信号である電流検出値DIを生成する電流検出用抵抗器33と、電磁ソレノイドLに発生したフライバック電流を吸収するためのダイオード34を備えている。
信号生成回路4は、制御信号Voの信号レベルを設定するレベル設定回路50と、レベル設定回路50の動作モードを設定するモード設定回路40とからなる。
A//B=A×B/(A+B) (1)
従って、ピークハイ閾値IpHとピークロー閾値IpLとは、(2)式に示す大小関係を有する。
ここで、図2は、このように構成されたモード設定回路40の動作を示すフローチャートである。
つまり、モード設定回路40は、電流検出値DIの信号レベルに基づき、ヒステリシスのある閾値を用いて動作モードを切り替えるように構成されている。
図1に戻り、レベル設定回路50は、モード設定回路40を構成する閾値発生回路41,コンパレータ42,抵抗器43と同様に構成された閾値発生回路51,コンパレータ52,抵抗器53を備えている。
つまり、閾値発生回路51は、ピークモードでは、制御信号Voがローレベル(アクティブレベル)の時には、トランジスタT2がオフ状態となり、バッテリ電圧+Bを抵抗R21と抵抗R22+R23とで分圧した大きさの閾値(ピークハイ閾値)IpHを発生させ、制御信号Voがハイレベル(非アクティブレベル)の時には、トランジスタT2がオン状態となり、抵抗R21と抵抗((R22+R23)//R24)とでバッテリ電圧+Bを分圧した大きさの閾値(ピークロー閾値)IpLを発生させる。
なお、ピークロー閾値IpLを用いたホールドモードからピークモードへの切り替わりはモード設定回路40で行われるため、実際には、レベル設定回路50にてピークロー閾値IpLが設定されることはない。
図3に示すように、レベル設定回路50では、まず、電流検出値DIがピークロー閾値IpLより小さくなるまで待機し(S210:NO)、電流検出値DIがピークロー閾値IpLより小さくなると(S210:YES)、制御信号Voがアクティブレベルに設定され、これに伴って、トランジスタT2がオフ状態となることにより電流検出値DIとの比較に用いる閾値がピークハイ閾値IpHに切り替わる(S220)。
<遅延回路>
遅延回路7は、可変抵抗器71、コンデンサ72からなる周知のローパスフィルタ(積分回路)と、ローパスフィルタの出力を波形成形して出力する反転回路73とを備えている。
[パラメータの設定]
ピークハイ閾値IpHは、供給するピーク電流の大きさによって設定され、ホールドハイ閾値ItH及びホールドロー閾値ItLは、供給するホールド電流の大きさによって設定される。
次に、制御部2が実行する噴射処理を、図5に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、本処理は、電磁ソレノイドLが対応づけられたエンジンの気筒にて燃料噴射を実行するタイミング毎に起動される。
一方、噴射停止タイミングであれば、噴射指令CMをオフ(ローレベルに設定)し(S360)、カウンタCの値が予め設定された閾値Cth以上(例えばCth=2)であるか否かを判断する(S370)。
図6は、駆動回路3各部の信号波形を示したタイミング図であり、(a)が正常時、(b)が負荷ショート時である。
その電流検出値DIがピークハイ閾値IpHに達する(DI>IpH)と、動作モードがホールドモード(Vm:ハイレベル)に切り替わると共に、制御信号Voが非アクティブレベルに設定される。
その電流検出値DIがホールドロー閾値ItLに達する(DI<ItL)と、制御信号Voがアクティブレベルに設定されると共に、レベル設定回路50の閾値がホールドハイ閾値ItHに切り替わる。
以上説明したように、燃料噴射制御装置1では、1回の噴射期間内でのピークモードからホールドモードへの動作モードの切り替わりが、正常時には1回だけ発生し、異常時(負荷ショート時)には、繰り返し発生するようにされている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態では、車両用ディーゼルエンジンに使用される電磁ソレノイド式ユニットインジェクタの電磁ソレノイドLを制御するように構成されているが、これに限らず、ピーク電流に続けてホールド電流を流す方式で駆動される電磁弁を制御する装置であれば、どのような装置に適用してもよい。
Claims (5)
- 直流電源から電磁弁に至る給電経路を導通,遮断することにより、設定された噴射期間の開始時に前記電磁弁を速やかに開弁させるためのピーク電流、及び前記噴射期間が終了するまで前記電磁弁の開弁状態を保持するためのホールド電流を前記電磁弁に供給する電磁弁駆動装置であって、
前記給電経路に設けられたスイッチング素子と、
前記電磁弁を流れる電流の大きさを検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段での検出結果である電流検出値に基づき、前記スイッチング素子のオンオフ状態を制御するための制御信号を生成する信号生成手段と、
前記噴射期間の間、前記信号生成回路にて生成された制御信号を、予め設定された規定時間だけ遅延させて、前記スイッチング素子に供給する遅延手段と、
異常が生じているか否かを判定する異常判定手段と、
を備え、
前記信号生成手段は、
前記ピーク電流を供給する時の動作モードをピークモード、前記ホールド電流を供給する時の動作モードをホールドモードとして、前記ピークモードでは、前記電流検出値が前記ピーク電流の供給終了タイミングを検出するための閾値であるピークハイ閾値より大きくなると、前記ホールドモードに切り替わり、前記ホールドモードでは、前記電流検出値が前記ピークハイ閾値より小さな値に設定されたピークロー閾値より小さくなると、前記ピークモードに切り替わるように前記動作モードを設定し、該動作モードを表すモード信号を出力する動作モード設定手段と、
前記スイッチング素子をオフ状態にする前記制御信号の信号レベルを非アクティブレベル、該スイッチング素子をオン状態にする前記制御信号の信号レベルをアクティブレベル、前記ピークハイ閾値より小さく前記ピークロー閾値より大きな値に設定された二つの閾値のうち、値の大きい方をホールドハイ閾値、値の小さい方をホールドロー閾値として、前記動作モードがピークモードの場合、前記アクティブレベルを初期状態として、前記電流検出値がピークハイ閾値より大きくなると前記非アクティブレベルに切り替わり、前記動作モードがホールドモードの場合、前記非アクティブレベルの時に前記電流検出値が前記ホールドロー閾値より小さくなると前記アクティブレベルに切り替わり、前記アクティブレベルの時に前記電流検出値が前記ホールドハイ閾値より大きくなると前記非アクティブレベルに切り替わるように、前記制御信号の信号レベルを設定する信号レベル設定手段と、
からなり、
前記異常判定手段は、
前記動作モード設定手段から出力される前記モード信号に基づいて、前記噴射期間毎に前記動作モードの切り替わり回数をカウントし、そのカウント値が予め設定された閾値回数以上である場合に、異常が生じていると判定することを特徴とする電磁弁駆動装置。 - 前記異常判定手段は、前記ピークモードから前記ホールドモードへの切り替わり、又は前記ホールドモードから前記ピークモードへの切り替わりのうち、いずれか一方をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁駆動装置。
- 前記電流検出値が前記ホールドロー閾値まで減少して前記規定時間が経過するまでに変化する量を遅延変化量、前記ピークロー閾値と前記ホールドロー閾値との差分を許容変化量、前記電磁弁を含んだ前記給電経路のインダクタンスが低下する異常を負荷ショートとして、前記規定時間、前記ピークロー閾値、前記ホールドロー閾値は、前記負荷ショート時には前記遅延変化量が前記許容変化量以上となり、正常時には前記遅延変化量が前記許容変化量未満となるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁駆動装置。
- 前記遅延手段は、前記規定時間を調整可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電磁弁駆動装置。
- 前記直流電源はバッテリであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電磁弁駆動装置。
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