JP5325449B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも酸化触媒又はパティキュレートフィルターからなる黒煙浄化装置と、パティキュレートマター堆積量を推定する推定手段と、該推定手段を用いてパティキュレートフィルターを再生するフィルター再生手段と、を有するディーゼルエンジンに関する。
従来、ディーゼルエンジンに備えられる黒煙浄化装置は公知である。黒煙浄化装置は、ディーゼルエンジンの有毒な排出ガスのうち粒子状物質(パティキュレートマター、以下、PMと称する)を取り除く装置である。黒煙浄化装置には、酸化触媒及びパティキュレートフィルター(以下、フィルターと称する)が備えられている。フィルターは、フィルター機能のみしか有さないため、長く使用すると詰まりが生じて排気負荷が大きくなり効率が悪化する。そこで、フィルターを温めてPMを燃やすフィルター再生手段も公知である。
フィルター再生手段においては、フィルターのPM堆積量を推定する必要がある。しかし、フィルターにおけるPM堆積状態は、フィルターの内部に溜まる状態と表面に溜まる状態との2つがある。さらに、この2つの状態はエンジン運転状態やPM堆積量によって異なる。つまり、フィルター差圧とPM堆積量の相関関係は一定でないことから、フィルター差圧とPM堆積量とは、ヒステリシスループを持つ複雑な相関を示すことが分かっている。
従来、PM堆積量推定手段として、フィルターの差圧に基づいてPM堆積量を推定する第一推定手段と、エンジンの運転履歴、PM排出量、又は黒煙浄化装置のPM再生量に基づいてPM堆積量を推定する第二推定手段と、が公知である。フィルター再生手段において、第一推定手段はエンジン回転数又はエンジン負荷が高いエンジン運転状態(再生域)に用いられ、第二推定手段はエンジン回転数又はエンジン負荷が低いエンジン運転状態(非再生域)に用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2006−90224号公報
エンジン運転状態が非再生域から再生域に移行したときは、推定手段の選択も第二推定手段から第一推定手段に切り替えられる。しかし、発明者らは、エンジン運転状態が非再生域から再生域に移行したときに、フィルター差圧とPM堆積量の相関関係において、しばらくは急激なフィルター差圧の変動があることを試験によって確認した。そのため、エンジン運転状態によっては、比較的推定精度の良い第一推定手段であっても、PM堆積量の推定値がばらついてしまうことになる。そこで、解決しようとする課題は、ディーゼルエンジンの黒煙浄化装置において、上記不具合を改善することで、フィルターのPM堆積量の推定精度を向上することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、少なくとも酸化触媒又はパティキュレートフィルターからなる黒煙浄化装置と、前記黒煙浄化装置前後の差圧に基づいて該黒煙浄化装置におけるPM堆積量を推定する第一推定手段(51)と、少なくともエンジン運転履歴、PM排出量、又は黒煙浄化装置におけるPM再生量に基づいて黒煙浄化装置のPM堆積量を推定する第二推定手段(52)と、フィルター再生域運転又は非再生域運転であるかに基づいて、前記第一推定手段又は前記第二推定手段を選択して使用することによってPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段(53)とを有するディーゼルエンジンであって、該エンジン(5)を始動すると、PM堆積量推定手段(53)よりPM堆積量の推定制御を開始し、排気ガス温度(Tex)を読み込み、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上か否かを判定し、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)より低ければ、前記第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上であれば、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上となってからの経過時間(T)を算出し、該経過時間(T)が所定時間(T1)以上か否かを判定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)より小さければ、第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)以上経過していれば、該第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第二推定手段(52)から前記第一推定手段(51)に切り替えるときは、前記第二推定手段(52)を所定時間(T1)継続して使用した後に、前記第一推定手段(51)に移行するものである。
請求項2においては、請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、前記所定時間(T1)は、PM堆積量又はエンジン運転状態に基づいて算出されるものである。
請求項3においては、請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、該第二推定手段(52)においては、該第二推定手段(52)に移行してからのエンジン(5)の運転時間によってPM堆積量を推定するものである。
請求項4においては、請求項1に記載のディーゼルエンジンにおいて、前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第一推定手段(51)から前記第二推定手段(52)に移行されたときは、前記第一推定手段(51)によるPM堆積量の最終量を、前記第二推定手段により推定されるPM堆積量の初期量とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、少なくとも酸化触媒又はパティキュレートフィルターからなる黒煙浄化装置と、前記黒煙浄化装置前後の差圧に基づいて該黒煙浄化装置におけるPM堆積量を推定する第一推定手段(51)と、少なくともエンジン運転履歴、PM排出量、又は黒煙浄化装置におけるPM再生量に基づいて黒煙浄化装置のPM堆積量を推定する第二推定手段(52)と、フィルター再生域運転又は非再生域運転であるかに基づいて、前記第一推定手段又は前記第二推定手段を選択して使用することによってPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段(53)とを有するディーゼルエンジンであって、該エンジン(5)を始動すると、PM堆積量推定手段(53)よりPM堆積量の推定制御を開始し、排気ガス温度(Tex)を読み込み、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上か否かを判定し、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)より低ければ、前記第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上であれば、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上となってからの経過時間(T)を算出し、該経過時間(T)が所定時間(T1)以上か否かを判定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)より小さければ、第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)以上経過していれば、該第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第二推定手段(52)から前記第一推定手段(51)に切り替えるときは、前記第二推定手段(52)を所定時間(T1)継続して使用した後に、前記第一推定手段(51)に移行するので、PM堆積量推定手段の選択を第二推定手段から第一推定手段に切り替えるときに、第二推定手段を所定時間継続して使用するため、エンジン運転状態が非再生域から再生域に移行したときの急激な黒煙浄化装置の差圧変動に対し、第二推定手段を使用してPM堆積量の推定ができる。つまり、ディーゼルエンジンの黒煙浄化装置において、フィルターのPM堆積量推定精度を向上できる。
請求項2においては、請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、前記所定時間(T1)は、PM堆積量又はエンジン運転状態に基づいて算出されるので、第二推定手段を継続して使用する所定時間の算出精度を向上することで、第二推定手段よりも比較的に推定精度が良い第一推定手段に短時間で移行できる。
請求項3においては、請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、該第二推定手段(52)においては、該第二推定手段(52)に移行してからのエンジン(5)の運転時間によってPM堆積量を推定するので、第二推定手段のPM堆積量を簡単に得ることができ、かつ、PM体積量推定精度を向上することができるのである。
請求項4においては、請求項1に記載のディーゼルエンジンにおいて、前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第一推定手段(51)から前記第二推定手段(52)に移行されたときは、前記第一推定手段(51)によるPM堆積量の最終量を、前記第二推定手段により推定されるPM堆積量の初期量とするので、PM堆積量推定手段の選択を第一推定手段から第二推定手段に切り替える毎に、第二推定手段の初期化を、随時第一推定手段による比較的推定精度の良いPM推定量の最終値によって行うことができる。つまり、第二推定手段のPM堆積量推定精度を向上できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例に係るディーゼルエンジンの全体的な構成を示した構成図、図2はエンジン運転状態とPM再生領域の相関を示すグラフ図、図3はフィルター差圧とPM堆積量との相関を示すグラフ図、図4はフィルターにおけるPM堆積時とPM再生時を示す模式図、図5はPM堆積量推定手段を示すフロー図である。
まず、本発明の実施例に係るディーゼルエンジンについて、その概略構成を説明する。図1に示すように、ディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)5は、エンジン本体20と、給気経路と、パティキュレートマター(以下、PMと称する)を取り除く黒煙浄化装置10を備える排気経路と、Exhaust Gas Recirculation装置(以下、EGR装置と称する)と、Engine Control Unit(以下、ECUと称する)100と、を備えて構成されている。なお、エンジン5は、本実施例では車両に搭載されているものとする。
エンジン本体20は、4気筒ディーゼルエンジンであって、図示しない燃料噴射装置と、気筒25・25・25・25と、給気マニホールド21と、排気マニホールド22と、を備えて構成されている。
給気経路は、空気中に含まれる塵挨等を除去するエアクリーナ23と、開閉制御されることで給気流量を調整する給気絞り弁24と、を備えて構成されている。給気絞り弁24は、給気流量を絞ることで排気ガス温度を上昇させて、後述する酸化触媒12においてPMの燃焼を促進し詰まりを防止する装置である。
排気経路は、詳しくは後述する黒煙浄化装置10と、排気ガス中に還元剤又は助燃剤を投入する添加剤投入装置14と、開閉制御されることで排気流量を調整する排気絞り弁15と、を備えて構成されている。添加剤投入装置14は、排気ガス中に還元剤を投入することで、酸化触媒12で酸化させることにより排気ガス温度を上昇させる、或いは、触媒のような助燃剤を投入することで、PMの燃焼温度を通常より下げる装置である。排気絞り弁15は、排気流量を絞ることで排気ガス温度を上昇させて、後述する酸化触媒12においてPMの燃焼を促進し詰まりを防止する装置である。
また、排気経路には、黒煙浄化装置10の下流に排気ガス温度センサー34、排気流量センサー35が設けられている。
EGR装置は、吸入空気中の酸素濃度を低くして、燃料をゆるやかに燃やすことで窒素酸化物(NOx)の生成を抑える装置であって、排気ガスの一部を給気側に戻すためのEGR経路71と、開閉制御されることでEGR量を調整するEGR弁72と、を備えて構成されている。
黒煙浄化装置10は、導入された排気ガスを多孔質の隔壁を通過させ、排気ガスに含まれるPMをろ過するパティキュレートフィルター(以下、フィルターと称する)13と、フィルター13の上流側に別体で配置され、未燃物(燃料)やCOを接触させて燃やすことで( 酸化反応) 酸化触媒の温度を上げ、フィルター13を温める酸化触媒12と、を備えて構成されている。
また、黒煙浄化装置10には、フィルター13の入口に設けられるフィルター入口圧力センサー31と、フィルター13の出口に設けられるフィルター出口圧力センサー32と、フィルター13に設けられるフィルター温度センサー33と、が設けられている。
エンジン回転数センサー41は、エンジン本体20のクランク軸近傍に設けられている。ラック位置センサー42は、燃料噴射装置のラック位置近傍に設けられている。アクセルの設定位置を検出するアクセル開度センサー43は、車両のアクセル近傍に設けられている。車速センサー44は、車両のトランスミッション近傍に設けられている。
ECU100は、コントローラ50と、記憶部60と、を備えて構成されている。
コントローラ50は、詳しくは後述する第一推定手段51と、第二推定手段52と、PM堆積量推定手段53と、フィルター再生手段54としての機能を有する。記憶部60は、後述する定数及びマップを予め記憶しておくことができる。
ECU100は、フィルター13の入口圧力を検出できるフィルター入口圧力センサー31と、フィルター13の出口圧力を検出できるフィルター出口圧力センサー32と、フィルター13の温度を検出できるフィルター温度センサー33と、排気ガス温度を検出できる排気ガス温度センサー34と、排気ガスの流量を検出できる排気流量センサー35と、エンジン回転数を検出できるエンジン回転数センサー41と、燃料噴射装置のラック位置を検出できるラック位置センサー42と、アクセル開度を検出できるアクセル開度センサー43と、車両の走行速度を検出できる車速センサー44と、に接続されている。
ここで、PM堆積量とフィルター差圧との相関について詳細に説明する。なお、PM堆積量とはフィルター13における堆積したPM量、黒煙浄化装置の差圧としてのフィルター差圧とはフィルター13の入口圧力と出口圧力の差をいう。
図2に示すように、黒煙浄化装置10は、エンジン運転状態に応じて、再生域と非再生域に区分けされる。図2において、エンジン運転状態とは、エンジン回転数とエンジン負荷とにより決まる。再生とは、黒煙浄化装置10において、フィルター13に堆積したPMを燃焼させて無害な二酸化炭素にすることである。再生域とは、エンジン回転数及びエンジン負荷が高く、排気ガス温度が高い領域であってPMが燃焼できる領域である。再生域では、PMは堆積されることなく再生され続けることになる。非再生域とは、エンジン回転数及びエンジン負荷が低く、排気ガス温度が低い領域であってPMが燃焼できない領域である。非再生域においては、PMは堆積され続けることになる。
図3(a)及び(b)に示すように、フィルター13にPMが堆積する場合と、フィルター13に堆積したPMが再生される場合とでは、フィルター13の内部と表面が段階的に再生又は堆積されることになる。図3(a)は、上述した非再生域において、フィルター13にPMが堆積する場合を段階的に示している。すなわち、非再生域では、まず、フィルター13内部及び表面にPMが堆積し、やがてフィルター内部に溜まらなくなれば、フィルター13表面にのみ堆積していく。図3(b)は、上述した再生域において、フィルター13に堆積したPMが再生される場合を示している。すなわち、再生域では、まず、排気ガスが流れるフィルター13内部のPMが先に再生され、やがてフィルター13表面のPMの再生が支配的になる。
このようにフィルター13の内部と表面が段階的に再生又は堆積されるため、PM堆積状態は常に一定ではない。そのため、PM堆積量とフィルター差圧とは、以下に示す特性を有する。
図4に示すように、PM堆積量及びフィルター差圧の遷移は、上段特性ラインと連続再生時堆積ラインとで表されるヒステリシスループを持つ複雑な相関を示す(図4における太い実線)。ここで、堆積限界(図4における一点鎖線)とは、黒煙浄化装置10においてフィルター13に堆積できるPM堆積量の限界に安全率(本実施例では80%)を考慮した閾値である。
図4における矢印aに示すように、フィルター13にPMが堆積しない状態から、エンジン5が非再生域で運転されると、上述したように、フィルター13内部及び表面にPMが徐々に堆積されるため、内部に堆積されるPMの量が増加し、その抵抗によって急激にフィルター差圧が増加する。そして、堆積量がさらに増加して、フィルター内部に溜まらなくなれば、PMはフィルター13表面にのみ堆積し、上段特性ラインが示すようにPM堆積量の増加に対して緩やかにフィルター差圧が上昇する。
図4における矢印bに示すように、フィルター13にPMが堆積した状態からエンジン5が再生域で運転されると、上述したように、排気ガスが流れているフィルター13内のPMが先に再生されるために、まず上段特性線より急激にフィルター差圧が下がる。そして、フィルター13内のPMがほぼ再生すると、フィルター13表面のPMの再生が支配的になるため、連続再生時堆積ラインに示すようにPM堆積量の減少に対して緩やかなフィルター差圧となる。図4における矢印b´に示すように、フィルター13内のPMがほぼ再生した場合は、エンジン運転状態によって、連続再生時堆積ライン上の左右どちらかに進みフィルター13表面PMの堆積と再生がバランスした点で安定する。その後、再生域にある限り、この連続再生時堆積ライン上を状態によって遷移する。
図4における矢印cに示すように、再生域又は非再生域を遷移する場合は、上段特性ライン又は連続再生時堆積ラインのどちらかの線上から急激に他方のライン上に遷移する。フィルター13内部のPMが詰まり切る、或いは再生しきった場合には、緩やかな上段特性ライン又は連続再生時堆積ライン上を動く。つまり、上段特性ライン又は連続再生時堆積ライン上にあるとき以外は、常に急激なフィルター差圧の変動が生じる。
ここで、上述した堆積量とフィルター差圧の遷移の相関を踏まえた上で、本実施例の各手段について説明する。第一推定手段51は、フィルター差圧に基づいてPM堆積量を推定する手段であって、エンジン運転状態が再生域にある場合に用いられる推定手段である。本実施例では、フィルター入口圧力センサー31とフィルター出口圧力センサー32とによって検出されるフィルター差圧に温度、ガス量等の補正を行い、予め実験や計算で求めておいた堆積限界差圧とを比較することで、PM堆積量を推定する。なお、第一推定手段51は、フィルター13前の圧力に基づいてPM堆積量を推定しても良い。
第二推定手段52は、エンジン運転履歴、PM排出量、又は黒煙浄化装置10のPM再生量等のエンジン運転状態に基づいてPM堆積量を推定する手段であって、エンジンが非再生域で運転されている場合に用いられる推定手段である。本実施例では、第二推定手段52は、エンジン5の運転時間(車両に搭載された場合には走行距離であっても良い)に係数を加味してPM堆積量を推定している。
PM堆積量推定手段53は、フィルター再生域運転又は非再生域運転であるかに基づいて、第一推定手段51又は第二推定手段52を選択して使用することによってPM堆積量を推定する手段である。ここで、特記すべき事項として、本実施例のPM堆積量推定手段53は、第二推定手段52から第一推定手段51に切り替えるときは、第二推定手段52を所定時間継続して使用した後に、第一推定手段51を使用することとしている。
上述のように、エンジンの運転が非再生域から再生域に切り替わるときは、急激なフィルター差圧の変動が生じている。そこで、この切り替わるときに第二推定手段52を所定時間継続して使用し、PM堆積量の推定値が大きく変動しないようにしている。つまり、黒煙浄化装置10において、フィルター13のPM堆積量の推定精度を向上している。
本実施例では、PM堆積量推定手段53は、排気ガス温度及び排気ガス流量に基づいてフィルター再生域運転又は非再生域運転であるか判断している。具体的には、PM堆積量推定手段53は、排気ガス温度と排気ガス流量との双方にそれぞれ閾値を設け、その閾値を超えたか否かに基づいてフィルター再生域運転又は非再生域運転と判断する。このとき、閾値を超えて、フィルター再生域運転と判断すれば、第一推定手段51を選択してPM堆積量を推定する。
このようにして、フィルター再生域運転または非再生域運転であるかの判断精度を向上して、PMの再生領域を確実に判断し、PMの再生領域に適した推定手段を選択して、PM堆積量の推定精度を向上させている。
ここで、フィルター再生域運転又は非再生域運転であるかを判断するにあたって、前記排気ガス温度及び排気ガス流量に限定されることなく、エンジン負荷としての燃料噴射装置のラック位置、エンジン回転数、エンジン回転数の変化の割合であるエンジン回転変化率、排気ガス流量、フィルター温度、フィルター差圧、フィルター差圧の変化の割合であるフィルター差圧変化率、PM堆積量、アクセル開度、アクセル開度の変化の割合であるアクセル開度変化率、車速、車速の変化の割合である車速変化のいずれか一つ又はこれらのうちの複数に基づいて判断しても良い。
ここで、前記第二推定手段52が継続して使用される所定時間は、PM堆積量又はエンジン運転状態に基づいて算出される。本実施例では、エンジン運転状態として排気ガス温度を用いて算出している(図5参照)。
また、エンジン運転状態としての排気ガス温度を用いることに限定されることはなく、エンジン負荷としての燃料噴射装置のラック位置、エンジン回転数、排気ガス流量、フィルター温度、アクセル開度、車速のいずれか一つ又はこれらのうちの複数を用いても良い。
ここで、エンジン運転状態としてのフィルター差圧の変化率を用いる場合、フィルター差圧とPM堆積量の相関関係における急激なフィルター差圧の変動の見極めができる。つまり、第二推定手段52よりも比較的に推定精度が良い第一推定手段51に短時間で移行できる。
フィルター再生手段54は、PM堆積量推定手段53を用いて推定されたPM堆積量に応じて燃焼させることによって、フィルター13を再生する手段である。本実施例では、フィルター再生手段54として、少なくとも給気絞り弁24又は排気絞り弁15によって給気流量を減少させる、排気圧力を上昇させて排気ガス温度を上昇させる、排気ガス中に還元剤を投入することで酸化触媒12で還元剤を酸化させる、或いは排気ガス中に助燃剤を投入する、ことによってPMを燃焼させている。なお、これらのフィルター再生手段54は、公知技術である。
ここで、PM堆積量推定手段53の制御フローについて詳細に説明する。図5に示すように、S101において、コントローラ50は、エンジンを始動するとPM堆積量推定手段53によりPM堆積量の推定制御を開始する。S102において、コントローラ50は、排気ガス温度Texを読み込む。S103において、コントローラ50は、排気ガス温度Texが所定温度Tex1以上か否かを判定する。このとき、S103にて排気ガス温度Texが所定温度Tex1より低ければ、S107に移行し第二推定手段52を選択してPM堆積量を推定する。S104において、コントローラ50は、S103にて排気ガス温度Texが所定温度Tex1以上であれば、排気ガス温度Texが所定温度Tex1以上となってからの経過時間Tを算出する。S105において、コントローラ50は、経過時間Tが所定時間T1以上か否かを判定する。このとき、経過時間Tが所定時間T1より小さければ、S107に移行し第二推定手段52を選択してPM堆積量を推定する。S107において、コントローラ50は、経過時間Tが所定時間T1以上経過していれば、S106に移行し第一推定手段51を選択してPM堆積量を推定する。
S107において、コントローラ50は、第二推定手段52において、S107に移行してからのエンジン5の運転時間によってPM堆積量を推定するものとしている。このようにして、フィルター差圧に変動が生じている時には第二推定手段52を用いてPM堆積量推定精度の向上を図っている。
また、図5には図示していないが、PM堆積量推定手段53の選択を第一推定手段51から第二推定手段52に切り替えたとき、前記第一推定手段51によるPM堆積量の最終量を前記第二推定手段52により推定されるPM堆積量の初期量としている。このようにして、PM堆積量推定手段53の選択を第一推定手段51から第二推定手段52に切り替える毎に第二推定手段52の初期化を、随時第一推定手段51による比較的推定精度の良いPM推定量の最終値によって行うことができる。つまり、第二推定手段52のPM堆積量推定精度を向上できる。
本発明の実施例に係るディーゼルエンジンの全体的な構成を示した構成図。 エンジン運転状態とPM再生領域の相関を示すグラフ図。 フィルター差圧とPM堆積量との相関を示すグラフ図。 フィルターにおけるPM堆積時とPM再生時を示す模式図。 PM堆積量推定手段を示すフロー図。
5 ディーゼルエンジン
10 黒煙浄化装置
12 酸化触媒
13 パティキュレートフィルター
14 添加剤投入装置
15 排気絞り弁
20 エンジン本体
24 給気絞り弁
34 排気ガス温度センサー
51 第一推定手段
52 第二推定手段
53 PM堆積量推定手段
54 フィルター再生手段
60 記憶部
100 ECU

Claims (4)

  1. 少なくとも酸化触媒又はパティキュレートフィルターからなる黒煙浄化装置と、前記黒煙浄化装置前後の差圧に基づいて該黒煙浄化装置におけるPM堆積量を推定する第一推定手段(51)と、少なくともエンジン運転履歴、PM排出量、又は黒煙浄化装置におけるPM再生量に基づいて黒煙浄化装置のPM堆積量を推定する第二推定手段(52)と、フィルター再生域運転又は非再生域運転であるかに基づいて、前記第一推定手段又は前記第二推定手段を選択して使用することによってPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段(53)とを有するディーゼルエンジンであって、
    該エンジン(5)を始動すると、PM堆積量推定手段(53)よりPM堆積量の推定制御を開始し、排気ガス温度(Tex)を読み込み、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上か否かを判定し、
    該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)より低ければ、前記第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上であれば、該排気ガス温度(Tex)が所定温度(Tex1)以上となってからの経過時間(T)を算出し、
    該経過時間(T)が所定時間(T1)以上か否かを判定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)より小さければ、第二推定手段(52)を選択してPM堆積量を推定し、該経過時間(T)が所定時間(T1)以上経過していれば、該第一推定手段(51)を選択してPM堆積量を推定し、
    前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第二推定手段(52)から前記第一推定手段(51)に切り替えるときは、前記第二推定手段(52)を所定時間(T1)継続して使用した後に、前記第一推定手段(51)に移行する
    ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、前記所定時間(T1)は、排気ガス温度(Tex)に基づいて算出されることを特徴とするディーゼルエンジン。
  3. 請求項1記載のディーゼルエンジンにおいて、該第二推定手段(52)においては、該第二推定手段(52)に移行してからのエンジン(5)の運転時間によってPM堆積量を推定することを特徴とするディーゼルエンジン。
  4. 請求項1に記載のディーゼルエンジンにおいて、前記PM堆積量推定手段(53)は、前記第一推定手段(51)から前記第二推定手段(52)に移行されたときは、前記第一推定手段(51)によるPM堆積量の最終量を、前記第二推定手段により推定されるPM堆積量の初期量とすることを特徴とするディーゼルエンジン。
JP2008110411A 2008-04-21 2008-04-21 ディーゼルエンジン Expired - Fee Related JP5325449B2 (ja)

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