JP5324850B2 - 貯蔵安定性に優れたインジェットカラーフィルター用インキ組成物、並びにこのインキ組成物を用いて得たインクジェットカラーフィルター硬化膜及びカラーフィルター - Google Patents

貯蔵安定性に優れたインジェットカラーフィルター用インキ組成物、並びにこのインキ組成物を用いて得たインクジェットカラーフィルター硬化膜及びカラーフィルター Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット法によってカラーフィルターを作製するのに適した貯蔵安定性に優れたカラーフィルター用インキ組成物、並びにこのインキ組成物を用いて得たカラーフィルター硬化膜、及びカラーフィルターに関する。
カラー液晶表示装置に使われるカラーフィルターのこれまでの製造方法としては、感光性樹脂に光重合開始剤、各種添加剤、及び赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各着色剤を加えた後、溶剤によって調製したカラーレジストを塗布し乾燥後、一連の工程により画素パターンをフォトリソ法により形成したものが主流である。しかしながら、近時のマザーガラスの大型化に伴い、従来のフォトリソ法によるカラーフィルターの製造方法では、塗布工程などの各工程に於いて技術的な問題点が生じ始めている。
例えば、これまでスピンコートを用いた塗工方法が主に用いられているが、ベースとなるマザーガラスが大きくなるにつれ、スピンコートで塗布することは技術的に困難になり、替わりにスリットコータを用いた塗工方法が採用されている。ところが、スリットコータを用いた塗工方法でも更なるマザーガラスの大型化により全面に均一な塗膜を形成することが難しく、特に8G、10Gクラスといった超大型マザーガラスではこの問題はより一層顕著になる。また、フォトリソ法では3色ごとに塗工、乾燥、露光、現像、硬化の各処理が必要となることから、工程数が嵩みコスト高となってしまうと言う問題もあり、フォトリソ法とは別の画素形成手段が望まれている。
そこで、フォトリソ法に替わるカラーフィルターの製造方法として、例えば特許文献1に開示されているようなオフセット印刷法を用いた画像形成が提案され、実施されている。しかしながらオフセット印刷法に関しても十分に超大型マザーガラスに対して安定した画素形成は困難な状態となっており、実用化が遅れている。これに対してインクジェット法による画素形成方法は、近年注目を集め、実施され、ある程度の実績を残していることは周知の事実である。そして、インクジェット法において使用されるインキについて幾つかの特許が提示されている(例えば特許文献2〜4参照)。
ところで、テレビ用途に耐えうるような良好な画像を液晶表示装置で実現するためには、液晶表示装置そのものや回路に格段の技術向上が求められるが、その中でカラーフィルターがより大きなNTSC比、コントラストなど、良好な表示仕様を達成できることも要求の一つである。その為には、カラーフィルター用のインキ組成物により多くの顔料を含有させる必要がある。しかしながら、インキ組成物における顔料の含有量が増加すると、相対的にインクの貯蔵安定性に関して問題が生じやすくなる。特にフォトリソ法に適したインキの場合には、現像性を確保するために限界まで分散材料を低下させ、安定性をある程度犠牲とした組成を選択せざるを得ない。
特開平11−58921号公報 特開2004−213033号公報 特開2004−220036号公報 特開2008−50456号公報
本発明は、カラーフィルターの製造において、大型化が進むガラス基板に対して画素パターンを形成するのに適していると共に、低コスト化及び量産化が可能なインクジェット法に用いるインキ組成物について、硬化性に優れて、大きなNTSC比を達成すべく顔料を高濃度で含有しても粘度安定性に優れ、常温保存でも安定した粘度を保持できるカラーフィルター用インキ組成物、並びにこのインキ組成物を用いて得たカラーフィルター硬化膜及びカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは、大きなNTSC比を達成すべく顔料を高濃度で含有しても、粘度安定性に優れ、常温保存でも安定した粘度を保持できるインキ組成物について鋭意検討した結果、使用する原料の一つである顔料分散液の顔料と分散剤との比率を一定の範囲におさめてインキ組成物とすることで、常温でも粘度が安定し、インクジェットの吐出性に優れたインクジェット法に適したカラーフィルター向けインキ組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、インクジェット法によりカラーフィルターを作成するために用いられるカラーフィルター用インク組成物において、インク組成物中の、溶剤を除く固体成分中の顔料量と樹脂量との割合(顔料/樹脂量)が20〜60wt%の範囲であり、かつ、顔料量と顔料を分散させる分散剤の量との割合(分散剤/顔料)が45〜120wt%の範囲であることを特徴とするインクジェットカラーフィルター用インキ組成物である。
上記インクジェットカラーフィルター用インキ組成物は、下記一般式(1)で表される不飽和化合物(A)、4官能以上の多官能アクリレート化合物(B)、顔料(D)、及び溶剤(H)を含有し、かつ、上記(A)成分と(B)成分の重量の比率(A)/(B)が10/90〜90/10の範囲で配合される
[式中、R1、R2、R3、及びR4は、独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示し、R5は水素原子又はメチル基を示す。また、Aは-CO-、-SO2-、-C(CF3)2-、-Si(CH3)2-、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、9,9-フルオレニル基又は直結合を示し、Xは4価のカルボン酸残基を示し、Y1及びY2は独立に水素原子又は-OC-Z-(COOH)m〔Zはm価のカルボン酸残基を示し、mは1〜3の数を示す〕であり、nは1〜200の数を示す。]
また、上記インクジェットカラーフィルター用インキ組成物には、2官能以上の多官能エポキシ化合物(C)を、上記(A)成分と(B)成分の合計〔(A)+(B)〕に対して0〜20重量%添加するのが更に好ましい態様である。
ここで、分散剤とは、顔料表面に吸着もしくは固着して顔料同士の凝集を阻害する添加剤であり、一般的に分散剤の基本的な構造は、顔料表面に吸着する吸着部と顔料同士の凝集を阻害する立体反発部を有する。通常、吸着部は、顔料表面とは逆の電荷を持った構造を有しており、例えば、顔料表面が酸性処理を施されていた場合、吸着部は、Na+やアミンやイミノ構造を有している場合が多い。一方、立体反発部は、長鎖の炭化水素鎖、アクリル、エステル、エーテルなどで連結されている。このように一方に電荷を持ち他方に炭化水素構造を有している事から、分散剤は一種の界面活性剤である。このような分散剤として、市販されているものを例示すると、例えばBYK Chemie社のDisperbyk−160、161、162、163、164、165、166、169、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2150」、Efka CHEMICALS社「EFKA−4046、4047、4048、4050,4055、4400、4401、4402」、日本ルブリゾール社「SOLSPERSE24000SC、24000GR、31845」、楠本化成株式会社「デイスパロンDA703−50、DA−705、DA−725」、味の素ファインテクノ株式会社「アジスパーPB711、821、822、824、827」などがあげられる。
また、顔料(D)については、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよい。このうち有機顔料としては、例えばアゾレーキ系、不溶性アゾ(PY-150)系、フタロシアニン系(PG-7、PG-36&PB-15.6)を含むシアニン系、キノフタロン系(PY138)、キナクドリン系、ジオキサジン(PV-23)系、イソインドリノン(PY-139)系、ベリノン系、アントラキノン(PR-177)系、ピロロピロール系(PR-254)、ペリレン系等を挙げることができ、これの1種又は2種以上を併用することもできる。無機顔料としては、例えばミロリブルー、酸化鉄、コバルト系、マンガン系、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、コバルトグリーン等を挙げることができ、これの1種又は2種以上を併用することもできる。これらの顔料については、得られるカラーフィルターの塗膜(画素)の透明性を維持しつつ着色するために、可視光の波長の下限である0.4μm以下の平均粒子径に分散されることが好ましく、実用的に平均粒子径範囲が0.01〜0.25μmであるのが更に好ましい。
そして、分散剤と溶剤、及び顔料(D)を用いて所定の方法で分散して、顔料分散液(分散体)を得るようにする。このうち、分散剤量と顔料量との比率(分散剤/顔料)を35〜120wt%の範囲として、本発明のインクジェットカラーフィルター用インキ組成物を調製する。顔料分散液における分散剤と顔料(D)の量が、この範囲の比率を逸脱した場合は、良好なインク特性を発揮できない。すなわち、まず、35wt%を下回ると常温での保管中に粘度上昇が進行し、冷蔵保存が必要となる。更に低下して25wt%を下回ると冷蔵保存でも粘度の安定が保てなくなる。特にインキに調製する時、粘度調整、色特性調整、乾燥特性調整等、必要に応じて変更する組成の変動に対して広範囲で安定するのは顔料に対する分散剤比率が35wt%以上の場合である。一方、分散剤比率が120wt%を超えるとインキに調製する時に硬化などの膜形成、機能付与に必要な樹脂やモノマーなどの比率が相対的に減少し、膜物性に於いて十分な信頼性を発揮できない事があり、広範囲で十分な信頼性を発揮できる組成を実現できるのは120%wt以下である。従って、使用する顔料分散液に於ける顔料(D)と分散剤との比率は35〜120wt%、より好ましくは40〜100wt%が望ましい。
また、本発明におけるインキ組成物は、溶剤を除く固体成分中の顔料量と樹脂量(インキ組成物から溶剤を除いた固体成分量であり顔料分を含む)との割合(顔料/樹脂量)が20〜60wt%、好ましくは40〜60wt%の範囲であるようにする。樹脂量に対する顔料の割合が20wt%より少ないと所望の色特性が得られず、反対に60wt%を超えると顔料が凝集しやすくなり、インク吐出時にヘッドが閉塞の原因となる。
また、本発明におけるインキ組成物は、先に述べた一般式(1)で表される不飽和化合物(A)を樹脂の構成成分として含有する。この(A)成分は、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を反応させ、得られたヒドロキシ基を有する化合物に、多塩基酸であるジカルボン酸又はその酸無水物(以下、「ジカルボン酸類」と称することもある)とテトラカルボン酸又はその酸二無水物(以下、「テトラカルボン酸類」と称する場合もある)とのそれぞれ1種以上と反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物である。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又は両方を意味する。
また、上記(A)成分については、好ましくは下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物から誘導されるのがよい。このエポキシ化合物はビスフェノール類から誘導されるが、ビスフェノール類をグリシジルエーテル化する際に、オリゴマー単位が混入することになるが、一般式(2)におけるlの平均値が0〜10の範囲であればインキ組成物としての性能には問題はない。
上記一般式(2)において、R1、R2、R3、R4及びAは、一般式(1)と同様の意味を表すが、R1、R2、R3、及びR4について好ましくは水素原子であり、Aについて好ましくは9,9-フルオレニル基であるのがよい。lについては0〜10の整数、好ましくは0又は0〜2の整数であるのがよい。ここで、9,9-フルオレニル基は、下記式一般式(3)で表される基をいう。
本発明において、(A)成分を得る際の上記エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応については、エポキシ化合物1モルに対し、約2モルの(メタ)アクリル酸を使用して行うのがよい。この反応で得られる反応物は、後述する一般式(5)で表されるようなエポキシ(メタ)アクリレート化合物である。そして、このエポキシ(メタ)アクリレート化合物分子中のヒドロキシ基にa)ジカルボン酸類及びb)テトラカルボン酸類を反応させ、エポキシ(メタ)アクリレートの酸付加体を得る。
上記a)ジカルボン酸類としては、鎖式炭化水素ジカルボン酸又はその酸無水物や脂環式ジカルボン酸又はその酸無水物、芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物等を使用することができる。このうち、鎖式炭化水素ジカルボン酸又はその酸無水物として、例えばコハク酸、アセチルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、シトラリンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、オキソグルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、ジグリコール酸等の化合物を挙げることができ、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。また、脂環式ジカルボン酸又はその酸無水物として、例えばヘキサヒドロフタル酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の化合物を挙げることができ、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。更に、芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物として、例えばフタル酸、イソフタル酸等の化合物を挙げることができ、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。
また、b)テトラカルボン酸類としては、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物、芳香族多価カルボン酸又はその酸二無水物等を使用することができる。このうち、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等を挙げることができ、更には置換基が導入されたテトラカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。また、脂環式テトラカルボン酸又はその酸無水物として、例えばシクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロへプタンテトラカルボン酸ノルボルナンテトラカルボン酸等を挙げることができ、更には置換基が導入されたテトラカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。更に、芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物として、例えばピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸又はその酸無水物等を挙げることができ、更には置換基が導入されたテトラカルボン酸類又はその酸無水物であってもよい。
上記a)ジカルボン酸類とb)テトラカルボン酸類については、それぞれ1種以上を使用することができ、a)ジカルボン酸類とb)テトラカルボン酸類の使用割合としてはa/bのモル比で0.1〜10、好ましくは0.2〜1.0の範囲となるようにするのがよい。この使用割合については、(B)成分の最適分子量、硬化性、光透過性、耐熱性、対溶剤性などを考慮し適した割合を選択することができる。
また、(A)成分を得る際の上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物とa)ジカルボン酸類及びb)テトラカルボン酸類を反応させるには、公知の方法を採用することができるが、好ましくはエポキシ(メタ)アクリレート化合物分子中のヒドロキシ基1モル当たり酸成分が3/4モルとなるように定量的に反応させるのがよい。また、反応温度としては90〜130℃、好ましくは95〜125℃である。
(A)成分を製造する方法の一例を9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを出発原料とする場合について示せば、次のようである。
先ず、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロロヒドリンとを反応させて下記一般式(4)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物を合成し、このビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物とCH2=CR5-COOHで表される(メタ)アクリル酸とを反応させて下記一般式(5)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂を合成し、次いでプロピレングリコールモノメチル溶剤中でビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート樹脂と上記酸成分とを加熱下に反応させ、(A)成分である前記式(1)で表されるフルオレン型のアルカリ可溶性樹脂を得ることができる。
ここで、一般式(4)及び(5)におけるR1、R2、R3、R4、及びR5は、一般式(1)と同様であり、Aは9,9-フルオレニル基を示す。
一方、(B)成分の多官能アクリレート化合物としては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、などのメチロールプロパンで4官能以上のアクリレートやペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールやジペンタエリスリトールのような骨格で4官能以上のアクリレートや、ペンタアクレレートエステル等のアクリル酸エステル類等を挙げることができる。これらはその1種のみを単独で用いてもよく、また、2種以上を併用することもできる。更には、これらのアクリレートはモノマーであってもよくオリゴマーであってもよい。なお、上記アクリレート構造に関しては、同様の構造に於いても3官能以下を除外すると同時に上記構造以外でも4官能以上であればよく、アクリレートの主骨格に影響されない。
本発明において上記(A)成分と(B)成分の重量の比(A)/(B)については10/90〜90/10、好ましくは70/30〜40/60である。(A)/(B)が10/90〜90/10の範囲から外れると、インキ組成物が十分に硬化しなかったり、得られた硬化膜の光透過性が低下してしまい、液晶の発色性に影響を及ぼしたり液晶の電圧保持率が低下するおそれがある。ここで、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は2000〜20000の範囲であるのがよい。
本発明においては、2官能以上の多官能エポキシ化合物(C)を(A)成分及び(B)成分の和に対して20重量%以下含有するようにしてもよい。ここで、多官能エポキシ化合物(C)は、一分子中に2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物からなる。例えばフェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシなどのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシなどのビス型エポキシ樹脂やビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等を代表的なものとして例示することができる。つまり、本発明における多官能エポキシ化合物(C)は、最大20重量%を限度とし、最小は0重量%でもよい。
本発明のカラーフィルター用インキ組成物は、前記(A)、(B)及び(D)成分のほか、必要に応じて添加される(C)成分を溶剤(H)に溶解又は分散してなる。溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、酢酸n-ブチル等の酢酸エステル類の他、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤を例示することができる。
本発明においては、好ましくはこれら有機溶剤を2種以上使用した混合溶剤とするのがよい。この場合、使用される溶剤の沸点がいずれも120〜350℃の範囲であるのが更に好ましい。
また、(B)成分を使用する場合には、光重合開始剤(F)として、アセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2-メチル-1 [4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1等のα-アミノアルキルフェノン類、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-ホスファイン-オキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、N-フェニルグリシン等のグリシン類、2,4-トリクロロメチル-(ピぺロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン類等を添加するのがよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、この光重合開始剤(F)は、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等の公知の光重合促進剤(増感剤)と併用することもできる。(F)成分の使用量については、(B)成分と(A)成分の総量100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましい。
更に、本発明では、カラーフィルター用インキ組成物の他の性能を阻害しない範囲であれば、インクジェット適正を調節する目的から粘度調整剤(G)を添加することもできる。粘度調整剤(G)には、粘度を低下させるものと、粘度を高くするものとがある。粘度を低下させるものには、一般的には、溶剤もこれに含まれるが、本発明では通常の溶剤は粘度調整剤ではなく溶剤と看做し、低分子の官能基を有する反応性希釈剤を粘度調整剤(G)とする。一方、粘度を高くするものには、シリカ粒子を分散させたシリカ系エアロジェルや、アマイド系ワックス、ベントナイト系の増粘剤がある。これらを必要に応じて添加する事で粘度調整を実施する。
更にまた、本発明のカラーフィルター用インキ組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の成分を含有してもよい。例えば、濡れ性を向上させるためには界面活性剤が使用されてもよく、密着性向上のためにはカップリング剤が好ましく使用される。この場合、界面活性剤は0.01〜0.2wt%の範囲で含有させることが好ましい。
本発明におけるインキ組成物については、インクジェット法によりガラス基板等の所定の領域に塗布した後、例えば50〜130℃で1〜10分の乾燥処理を施し、次いで200〜260℃で0.5〜2時間の熱硬化を行うことで所定の画像を形成することができる。この際のインクジェット法としては、一般に用いられる手段を採用することができ、例えば所定のブラックマトリックスパターン形状の凹部にインキ組成物を吐出、塗布し、乾燥、硬化してもよい。
本発明のインクジェット用インキ組成物は、大型化が進むガラス基板に対して画素パターンを形成するのに適していると共に、低コスト化及び量産化が可能なインクジェット法に用いるインキ組成物である。本発明のインキ組成物は、このようにインクジェット特性を維持しつ、常温で安定な粘度を維持しながら電圧保持率などの信頼性を確保できるインクジェットカラーフィルター用インキ材料である。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中、別段の断りがない限り、部は重量部を表し、%は重量%を表す。
[Blue分散体A(顔料分散液)処方例]
顔料PB;15.6(100g)を2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめブチルカルビトールアセテート50%溶液としていたPB824(味の素社製 分散剤)を61g加えた。これをセラミックコーティングを施した3本ロールにて流動性が出るまで混練する。この混練品に更にブチルカルビトールアセテート130g添加、混合した後、横型サンドミルにて分散し、顔料の平均粒径が100nm以下になるまで分散した。分散完了後、ブチルカルビトールアセテート(400g)で希釈して固形分が19%とし試験用分散液とした。
[Blue分散体B(顔料分散液)処方例]
顔料PB;15.6(100g)を2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめブチルカルビトールアセテート50%溶液としていたPB824(味の素社製 分散剤)を107g加え、後に添加するブチルカルビトールアセテートを168gとした以外はBlue分散体A処方と同様に処理した。分散完了後、ブチルカルビトールアセテート(400g)で希釈して固形分が20%とし試験用分散液とした。
[Red分散体A(顔料分散液)処方例]
顔料PR254とPY150を80/20に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、Disperbyk−2000(BYK Chemie社製 分散剤)を75.5g加えた。これをセラミックコーティングを施した3本ロールにて流動性が出るまで混練した。更にブチルカルビトールアセテート200g添加、混合した後、混練品を横型サンドミルにて分散し、顔料の平均粒径が100nm以下になるまで分散した。分散完了後、ブチルカルビトールアセテート(400g)で希釈して固形分が17%とし試験用分散液とした。
[Red分散体B(顔料分散液)処方例]
顔料PR254とPY150を80/20に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、Disperbyk−2000(BYK Chemie社製 分散剤)を148g加え、後に添加するブチルカルビトールアセテートを105gとした以外はRed 分散体A処方と同様に処理した。分散完了後、ブチルカルビトールアセテート(400g)で希釈して固形分が23%とし試験用分散液とした。
[Green分散体A(顔料分散液)処方例]
顔料PG36とPY150を60/40に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめジエチレングリコールブチルエーテルアセテート(別称:ブチルカルビトールアセテート(以後BCA))50%溶液としていたPB827(味の素社製 分散剤)を60g加えた。これをセラミックコーティングを施した3本ロールにて流動性が出るまで混練した。更にBCA(107g)を添加、混合した後、混練品を横型サンドミルにて分散し、顔料の平均粒径が100nm以下になるまで分散した。分散完了後、BCA(400g)で希釈して固形分が20%とし試験用分散液とした。
[Green分散体B(顔料分散液)処方例]
顔料PG36とPY150を60/40に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめBCA50%溶液としていたPB827(味の素社製 分散剤)を91g加え、後に添加するBCAを141gとした以外はGreen分散体A処方と同様に処理した。分散完了後、BCA(300g)で希釈して固形分が23%とし試験用分散液とした。
[Green分散体C(顔料分散液)処方例]
顔料PG36とPY150を60/40に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめBCA50%溶液としていたPB827(味の素社製 分散剤)を200g加え、後に添加するBCAを350gとした以外はGreen分散体A処方と同様に処理した。分散完了後、BCA(350g)で希釈して固形分が30%とし試験用分散液とした。
[Green分散体D(顔料分散液)処方例]
顔料PG36とPY150を60/40に混合したもの100gを2Lのステンレス容器に採取し、あらかじめBCA50%溶液としていたPB827(味の素社製 分散剤)を266g加え、後に添加するBCAを204gとした以外はGreen分散体A処方と同様に処理した。分散完了後、BCA(400g)で希釈して固形分が24%とし試験用分散液とした。
すべての分散体に関しては、調製後に約1gを採取した後、160℃で2時間乾燥後、初期重量との差から計算した固形分を基にして計算した組成比を表1に示す。
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCA 210.5gを秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を4.0g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を42.5gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)16.0gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるGreen分散体Bを227.0g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び後述する評価結果を表2に示す。
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCA 133.7gを秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を2.4g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を24.7gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)9.3gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるGreen分散体Bを330.0g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCA 139.65gを秤量し、攪拌しながら、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を38.0gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)14.5gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるBlue分散体Bを307.9g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCA 368.0gを秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を2.5g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を26.0gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)10.0gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるRed分散体Bを284.0g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCAを222.7g秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を1.3g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を12.7gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)4.8gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるGreen分散体Cを351.5g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各3.0gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
[比較例1]
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCAを118.5g秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を1.2g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を12.2gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)4.6gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるGreen分散体Dを363.5g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
[比較例2]
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCAを96.5g秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を3.5g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を35.0gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)13.5gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるGreen分散液Aを351.5g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
[比較例3]
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCAを206.2g秤量し、攪拌しながら(C)成分としてYX4000HK (ジャパンエポキシレジン社製)を3.1g加えた。これらの溶解を確認した後、(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を32.2gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)12.4gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるRed分散体Aを246.1g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
[比較例4]
ビーカー(1000ml)に回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。溶剤としてBCAを146.0g秤量し、攪拌しながら(A)成分のフルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体のPGMEA溶液(新日鐵化学(株)製 V259ME 樹脂成分等56.5%)を48.5gと(B)成分のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(日本化薬社製)18.5gとを添加して、攪拌した。次に、あらかじめ分散、調製した(D)成分、分散剤及び溶剤からなるBlue分散体Aを287.0g加えて更に攪拌した。最後に添加剤のシランカップリング剤と界面活性剤を各2.5gと0.3g添加した後、さらに30分攪拌して試験用インキ組成物を得た。組成及び評価結果を表2に示す。
上記で得られた試験用インキ組成物を下記手順により評価し、結果を表2に示した。
<粘度安定性試験>
作製したインキ組成物は、先にE型粘度計にて50rpm、23℃の粘度を測定した。その後、100gを密封できる容器に移し、40℃で一週間加速エージング後、同様の条件にて粘度を測定し、初期粘度より粘度上昇が1mPa・sec以下を合格とした。
〈吐出試験〉
東芝テック社製ヘッド(CA-3)に接続し、パージ、洗浄を実施後、インキ組成物の吐出状態をストロボカメラにて確認し、液滴が吐出しない、飛翔軌道が明らかに垂直でないなど著しい不具合がなければ○とした。この試験での合格レベルの様子を図1に示す。
<NMP 浸漬試験>
インキ組成物を塗布、硬化したガラス基板を5cm角に切断し、室温にて24時間、NMP (N-メチルピロリドン)に浸漬後、塗膜の変色(ΔE<3で合格)と膜の剥離やクラックの発生の有無を確認した。
<耐熱試験>
インキ組成物を塗布、硬化したガラス基板を5cm角に切断し250℃に設定したオーブン内に1時間置いた後、塗膜の変色(ΔE<3で合格)と膜の剥離やクラックの発生の有無を確認した。
<液晶汚染性試験(VHR)>
インキ組成物を塗布、硬化したガラス基板から硬化膜を20mg採取し、ドラフト内で液晶ZLI4792 1.0gを秤量したスクリュー管に混合し、密閉する。これを100℃/72hの条件でエージングさせた後、測定用ガラスセルに液晶を注入した。このセルを東陽テクニカ製 電圧保持率測定システム(VHR-1A)にセットし測定した。その結果、保持率が95%以上を合格とした。
<総合評価>
上記評価試験の結果を一覧し、すべてが合格となった場合に合格判定とした。
図1は、吐出試験において良好と判断される場合のストロボ写真の一例である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される不飽和化合物(A)、4官能以上の多官能アクリレート化合物(B)、顔料(D)、及び溶剤(H)を含有して、インクジェット法によりカラーフィルターを作成するために用いられるカラーフィルター用インク組成物であって上記(A)成分と(B)成分の重量の比率(A)/(B)が10/90〜90/10の範囲で配合されていると共に、インク組成物中の、溶剤を除く固体成分中の顔料量と樹脂量との割合(顔料/樹脂量)が20〜60wt%の範囲であり、かつ、顔料量と顔料を分散させる分散剤の量との割合(分散剤/顔料)が45〜120wt%の範囲であることを特徴とするインクジェットカラーフィルター用インキ組成物。



    [式中、R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 は、独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示し、R 5 は水素原子又はメチル基を示す。また、Aは-CO-、-SO 2 -、-C(CF 3 ) 2 -、-Si(CH 3 ) 2 -、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-O-、9,9-フルオレニル基又は直結合を示し、Xは4価のカルボン酸残基を示し、Y 1 及びY 2 は独立に水素原子又は-OC-Z-(COOH) m 〔Zはm価のカルボン酸残基を示し、mは1〜3の数を示す〕であり、nは1〜200の数を示す。]
  2. 請求項に記載のカラーフィルター用インキ組成物に、2官能以上の多官能エポキシ化合物(C)を、(A)成分と(B)成分の合計〔(A)+(B)〕に対して0〜20重量%添加したインクジェットカラーフィルター用インキ組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インキ組成物に、更に、粘度調整剤(E)と界面活性剤及び/又はカップリング剤(F)とを添加したインクジェットカラーフィルター用インキ組成物。
  4. 溶剤(H)が2種以上の混合溶剤からなり、かつ、いずれの溶剤の沸点も120〜350℃の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットカラーフィルター用インキ組成物。
  5. (A)〜(F)成分の合計100重量部に対する溶剤の使用量が、50〜1000重量部である請求項3又は4に記載のインクジェットカラーフィルター用インキ組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットカラーフィルター用インキ組成物を用いて、インクジェット法により形成した画素を乾燥及び硬化させて得たことを特徴とするカラーフィルター硬化膜。
  7. 請求項に記載のカラーフィルター硬化膜を有したことを特徴とするカラーフィルター。
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