JP5324395B2 - ポリエステルの製造方法及びポリエステル - Google Patents
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Description
しかしながら、ガラス転移点以上の高温雰囲気下で使用される産業資材用の繊維の場合、明確な融点を示さない樹脂からなるバインダー繊維で接着すると、高温雰囲気下においては接着強度が低下し、製品の強度低下等が生じるという問題があった。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜90モル%とアジピン酸10〜30モル%、グリコール成分がエチレングリコール30〜60モル%と1,4-ブタンジオール40〜70モル%からなるポリエステルを製造するに際し、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対して、1,4-ブタンジオールとポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モルのリン酸を添加し、解重合反応を行った後、重縮合触媒としてチタン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モル添加し、重縮合反応を行うことを特徴とするポリエステルの製造方法。
(2)上記(1)記載の方法で製造されたポリエステルであり、極限粘度が0.5以上、ハンターのLabにおいてa値が-3〜0、b値が0〜5であり、融点が130〜200℃であることを特徴とするポリエステル。
本発明のポリエステルの製造方法の概要は、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対し、1,4-ブタンジオール及びリン酸を投入し、解重合反応を行った後、重縮合触媒を投入し、重縮合反応を行うものである。
また、他のカルボン酸としては、ヒドロキシカルボン酸であってもよく、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
なお、エステル形成誘導体としては、アルキルエステル、酸クロライド、三無水物が挙げられる。
また、環状エステルとしては、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、ラクチド等が挙げられる。
(a)極限粘度[η]
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(b)ポリエステル組成
ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて1H-NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(c)融点(Tm)
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計Diamond DSCを用いて、窒素気流中、温度範囲20℃〜250℃、昇温(降温)速度20℃/分で測定した。
(d) 色調(ハンターのLabにおけるa値とb値)
日本電色工業社製の色差計ND-Σ80型を用い、ハンターのLab表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系(+は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調としてはL値が大きいほど、a値が0に近いほど、また極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好である。a値が0未満を赤みがなしで、合格とした。
(e)不織布の強力
得られたポリエステルを用い、実施例1に示す方法にてバインダー繊維、さらには不織布を作成し、この不織布を幅25mm、長さ 100mmの試料となし、オリエンティック社製定速伸長型引張試験機 UTM-4-100型を用い、引張速度 100mm/分で測定した。加熱下の強力は、試料設置部を所定の雰囲気温度の炉中に90秒間放置した後測定した。2000g以上を合格とした。
(e)不織布の風合い
不織布を10人のパネラーによる手触りにより、風合いのソフト性を官能評価した。10人中9人以上のパネラーで風合いがソフトであると評価した場合を○、5〜8人で風合いがソフトであると評価した場合を△、1〜4人であれば×とした。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)オリゴマーの存在するエステル化反応缶に、TPAとEG(モル比 1/1.6) のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間として、エステル化反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。
このPETオリゴマー38.5kgを重縮合反応缶に移送し、ADAを4.2kg、EGを12.5kg、二酸化チタンを0.5kg投入し、温度250℃にて1時間の反応を行った後、リン酸を全酸成分1モルに対して3×10-4モル(76g)、BD23.8kgを投入し、温度180〜200℃、常圧下で1時間の解重合を行った。次いで、重縮合触媒としてテトラブチルチタネート(以下、TBTと記す。)を全酸成分1モルに対して8×10-4モル(60g)を重縮合反応缶に投入した後、反応器内の圧力を徐々に減じ、70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、得られたポリエステルを常法によりストランド状に払出し、チップ化した。
このバインダー繊維30質量%と、長さ51mm、繊度2dのPET繊維70質量%とを混綿し、カードに通して50g/m2の目付のウエブとした後、180℃の回転乾燥機で2分間熱処理して不織布を得た。
ADA、BDの添加量、リン酸の添加量と添加時期及びTBTの添加量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルと不織布を製造した。
実施例1〜4、比較例1〜7の製造条件を表1に、得られたポリエステルの特性値と不織布の評価結果を表2に示す。
まず、比較例1は、リン酸を重縮合反応の直前に添加したため、触媒であるTBTとリン酸との反応が進みすぎてTBTの触媒活性が低下し、このため得られたポリエステルは極限粘度が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例2は、リン酸の添加量が少なかったため、リン酸によるTBTの着色抑制の効果が小さく、得られたポリエステルの赤みが強かった。
比較例3では、TBTの添加量が少なかったため、得られたポリエステルは極限粘度が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例4は、TBTの添加量が多かったため、得られたポリエステルはa値が高くて赤色となり、色相が悪いものであった。
比較例5は、ADAの共重合量が多かったため、得られたポリエステルの融点が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例6は、BDの共重合量が多く、得られたポリエステルの融点が高かったため、不織布を作成する際、十分接着せず、不織布が得られなかった。
比較例7は、BDの共重合量が少なく、得られたポリエステルが明確な融点を示さず、結晶化が進まないため、乾燥が行うことができず、試験を行うことが出来なかった。
Claims (2)
- ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜90モル%とアジピン酸10〜30モル%、グリコール成分がエチレングリコール30〜60モル%と1,4-ブタンジオール40〜70モル%からなるポリエステルを製造するに際し、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対して、1,4-ブタンジオールとポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モルのリン酸を添加し、解重合反応を行った後、重縮合触媒としてチタン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モル添加し、重縮合反応を行うことを特徴とするポリエステルの製造方法。
- 請求項1記載の方法で製造されたポリエステルであり、極限粘度が0.5以上、ハンターのLabにおいてa値が-3〜0、b値が0〜5であり、融点が130〜200℃であることを特徴とするポリエステル。
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