JP5324395B2 - ポリエステルの製造方法及びポリエステル - Google Patents

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Description

本発明は、優れた接着性を有し、色調、耐熱性及び風合いの良好な繊維製品を形成できるホットメルト型バインダー繊維用として好適なポリエステルの製造方法及びその製造方法で得られるポリエステルに関するものである。
近年、ポリエステル系樹脂において低融点化したものの要求が高いが、低融点樹脂は繊維化してバインダー繊維としたり、接着剤等に用いられている。このような用途には、一般に共重合ポリエステルが用いられており、例えば特許文献1には、バインダー繊維に好適な共重合ポリエステルが提案されている。
上記のように、ポリエステル系バインダー繊維は、一般に共重合ポリエステルを用いるため、明確な結晶融点を示さないものが多く、通常、90〜200℃で軟化するため、その軟化点以上で熱処理することによって、ポリエステル樹脂を溶融させ、構成繊維間を熱接着させる。
しかしながら、ガラス転移点以上の高温雰囲気下で使用される産業資材用の繊維の場合、明確な融点を示さない樹脂からなるバインダー繊維で接着すると、高温雰囲気下においては接着強度が低下し、製品の強度低下等が生じるという問題があった。
そこで、結晶融点を示す共重合ポリエステルからなる耐熱性バインダー繊維も提案されている。例えば、特許文献1には、ポリブチレンテレフタレート/ポリブチレンイソフタレート系共重合ポリエステルからなるものが開示されている。しかし、これを用いて、不織ウェブを接着すると、接着時のポリエステルの溶融粘度が低いため、接着した不織布がペーパーライクな手触りの硬いものになるという問題があった。
また、特許文献2には、テレフタル酸、アジピン酸及び1,4-ブタンジオールからなる共重合ポリエステルが開示されているが、この共重合ポリエステルは赤みが強いという問題があった。
さらに、特許文献3や特許文献4には、特定のリン化合物と、触媒としてのチタン化合物を併用することにより、色調の赤み抑制を狙ったポリエステルの製造方法が提案されているが、添加条件については、特に限定しておらず、リン化合物とチタン化合物との反応が進みやすく、その結果、チタン化合物の触媒活性が低くなり、反応スケールが大きくなると、重合性に問題があった。
特開平9−12693号公報 特開昭53−82840号公報 特開平11−236442号公報 特開平7−242742号公報
本発明は、上記の問題を解決し、色調や耐熱性が良好で、バインダー繊維として繊維製品を形成すると風合いがよく、かつ、高温での接着強度の低下が少ないポリエステルの製造方法及びポリエステルを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜90モル%とアジピン酸10〜30モル%、グリコール成分がエチレングリコール30〜60モル%と1,4-ブタンジオール40〜70モル%からなるポリエステルを製造するに際し、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対して、1,4-ブタンジオールとポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モルのリン酸を添加し、解重合反応を行った後、重縮合触媒としてチタン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モル添加し、重縮合反応を行うことを特徴とするポリエステルの製造方法。
(2)上記(1)記載の方法で製造されたポリエステルであり、極限粘度が0.5以上、ハンターのLabにおいてa値が-3〜0、b値が0〜5であり、融点が130〜200℃であることを特徴とするポリエステル。
本発明の製造方法によれば、優れた接着性を有し、色調、耐熱性及び風合いの良好な不織布などの繊維製品を形成することができるホットメルト型バインダー繊維用として好適なポリエステルを得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステルの製造方法の概要は、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対し、1,4-ブタンジオール及びリン酸を投入し、解重合反応を行った後、重縮合触媒を投入し、重縮合反応を行うものである。
ここで、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物を得るには、例えば、テレフタル酸、アジピン酸とエチレングリコールとをエステル化反応させる、あるいは、テレフタル酸とエチレングリコールをはじめにエステル化反応させた後、アジピン酸を投入し、反応させてもよい。
エステル化反応の条件としては、常圧〜微加圧下、温度 200〜270 ℃、好ましくは、230〜250℃で副生する水を系外に除去しつつ、 0.5〜10時間、好ましくは4〜6時間、撹拌下で反応を行う。アジピン酸を後から投入する場合は、テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化物に対し、アジピン酸と等質量以上のエチレングリコールを投入し、常圧〜微加圧下、温度 200〜270 ℃で、 0.5〜10時間、撹拌下で反応を行う。
次に、1,4-ブタンジオールとリン酸を投入し、解重合反応を行うが、反応条件は、常圧下、反応温度は、150〜250℃、好ましくは170〜220℃で、0.5〜2時間、好ましくは0.5〜1時間反応を行う。
本発明では、解重合反応を行った後、重縮合触媒としてチタン化合物を添加し、重縮合反応を行う。すなわち、本発明においては、重縮合触媒としてチタン化合物、また、組成のうち、酸成分としてアジピン酸を使用しているが、重縮合反応中に、副反応としてアジピン酸の三無水物への反応を経て、シクロペンタノンが生成する。このシクロペンタノンがチタン化合物に配位すると、チタン化合物が赤色に呈色し、ポリエステル全体が赤色に着色するという問題がある
上記ポリエステルの着色を防止するために、本発明においてはリン酸を使用しており、リン酸はチタン化合物への配位が起こりやすく、あらかじめ、リン酸をチタン化合物に配位させておくことで、シクロペンタノンの配位を抑制し、その結果、ポリエステルの着色を抑制することができる。ただし、リン酸そのものでは、チタン化合物の重縮合触媒としての活性も抑えてしまうため、本発明では、リン酸を、1,4-ブタンジオールと同時に添加し、解重合反応を行い、解重合反応中に、リン酸とグリコール成分とを反応させることで、チタン化合物の触媒活性が損なわれない程度に、チタン化合物へのリン化合物の配位が行われ、着色のみを抑えることが可能となる。したがって、リン酸の添加は、解重合反応前に行う必要がある。リン酸を添加した後、解重合反応を行わないと、上記のように、リン酸とチタン化合物が反応して、触媒活性が低下し、目標の極限粘度のポリエステルを得ることができなくなる。リン酸以外のリン化合物でも、グリコール成分とエステル化反応を行うもの、例えばリン酸エステルでも着色防止の効果はあるが、リン酸エステルは反応系外に留出しやすくて十分な着色防止の効果は得られないので、リン酸が好ましい。
本発明のポリエステルの製造方法においては、リン酸をポリエステルの酸成分1モルに対し1×10-4〜10×10-4モル、好ましくは3×10-4〜7×10-4モル添加することが必要である。リン酸の添加量が、ポリエステルの酸成分1モルに対し1×10-4モル未満では、チタン化合物への配位が不十分となり、アジピン酸から副生したシクロペンタノンの配位が起こり、赤色に着色するため好ましくない。一方、リン酸の添加量が、10×10-4モルを超えると、チタン化合物の重縮合触媒としての活性が抑えられ、ポリエステルの極限粘度が目標まで到達しないため好ましくない。
また、重縮合触媒として、チタン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対し1×10-4〜10×10-4モル、好ましくは3×10-4〜7×10-4モル添加することが必要である。チタン化合物の添加量が、ポリエステルの酸成分1モルに対し1×10-4モル未満では、重縮合触媒としての効果が小さく、目標の極限粘度のポリエステルが得られないため好ましくない。一方、チタン化合物の添加量が、10×10-4モルを超えると、副生したシクロペンタノンのチタン化合物への配位が起こりやすくなり、得られるポリエステルが赤色となるため好ましくない。
重縮合触媒として用いるチタン化合物としては、テトラ-n-ブチルチタネート、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、シュウ酸チタンカリウム等が好ましく用いられ、コストや重縮合触媒活性の点からテトラ-n-ブチルチタネートが最も好適である。
前述したように、解重合反応の後、重縮合触媒としてチタン化合物を添加し、重縮合反応を行う。重縮合反応は、通常減圧開始から60〜90分かけて徐々に減圧を行い、最終的に0.01〜10hPa程度の減圧下とし、220〜280℃の温度領域、撹拌下において、所定の極限粘度に到達するまで反応を行う。
本発明では、ヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤等の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、粉体又はジオールスラリー等の形態で、ポリエステルを製造する際の任意の段階で添加すればよい。
本発明における重縮合反応において、ポリエステルが所定の極限粘度に到達したら、減圧及び撹拌を終了し、常圧の窒素雰囲気下としてストランド状に払い出し、冷却、カットすることによりチップ化する。
本発明で得られるポリエステルは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸(以下、TPAと記す。)とアジピン酸(以下、ADAと記す。)、グリコール成分として1,4-ブタンジオール(以下、BDと記す。)とエチレングリコール(以下、EGと記す。)を主成分とする。
本発明で得られるポリエステルにおいて、TPAの含有量は、70〜90モル%であり、中でも、80〜90モル%であることが好ましい。TPAが70モル%未満であると、得られるポリエステルの融点が本発明の範囲外のものとなったり、結晶性が低下しやすくなるので好ましくない。また、90モル%を超えても、ポリエステルの融点が本発明の範囲外のものとなるため好ましくない。
次に、ADAの含有量は、10〜30モル%であり、中でも10〜20モル%であることが好ましい。ADAの含有量が10モル%未満であると、ポリエステルの融点が本発明の範囲外となるため好ましくない。一方、ADAが30モル%を超えると、ポリエステルの融点が本発明の範囲外となったり、結晶性が低下しやすくなるため好ましくない。
なお、ポリエステルには、その特性を損なわない範囲で、他のカルボン酸を含有させることができる。芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等が例示される芳香族ジカルボン酸又はこられらのエステル形成性誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、本発明で使用できるジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。
また、他のカルボン酸としては、ヒドロキシカルボン酸であってもよく、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
なお、エステル形成誘導体としては、アルキルエステル、酸クロライド、三無水物が挙げられる。
また、本発明で得られるポリエステルは、グリコール成分として、BDを40〜70モル%含有し、中でも50〜60モル%含有することが好ましい。BDの含有量が40モル%未満であると、得られるポリエステルの融点が本発明の範囲外となったり、結晶性が低下しやすくなるため好ましくない。一方、70モル%を超えても、ポリエステルの融点が本発明の範囲外となるため好ましくない。
さらに、グリコール成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールA又はビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等を用いることができる。
本発明で使用できるグリコール以外の多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセロール等が挙げられる。
また、環状エステルとしては、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、ラクチド等が挙げられる。
本発明で得られるポリエステルは、極限粘度が0.5以上であることが好ましい。極限粘度が0.5未満のものでは、各種の物理的、機械的、化学的特性が劣るとともに、繊維とする際の紡糸性が困難となるため好ましくない。一方、極限粘度が高すぎても溶融粘度が高くなるため、押出が困難になったり、また、繊維とする際に、溶融粘度を下げるため成形温度を上げねばならず、ポリエステルの熱分解が顕著になり紡糸が困難となることから、実用上1.5以下であることが好ましい。
また、本発明のポリエステルは、ハンターのLabにおいて、a値が−3〜0、b値が0〜5であることが必要である。a値及びb値がこれらの範囲外の場合、ポリエステルを用いて得られる繊維の色相が悪く、実用上使用できないものとなるため好ましくない。
さらに、本発明で得られるポリエステルの融点は130〜200℃であり、なかでも、150〜180℃であることが好ましい。ポリエステルの融点が、130℃未満の場合、熱安定性が悪いため好ましくない。一方、200℃を超えると、不織布を製造する際の加工温度を高くする必要があり、汎用機台では使用できないため、好ましくない。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、特性値等の測定、評価方法は、次の通りである。
(a)極限粘度[η]
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(b)ポリエステル組成
ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて1H-NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(c)融点(Tm)
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計Diamond DSCを用いて、窒素気流中、温度範囲20℃〜250℃、昇温(降温)速度20℃/分で測定した。
(d) 色調(ハンターのLabにおけるa値とb値)
日本電色工業社製の色差計ND-Σ80型を用い、ハンターのLab表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系(+は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調としてはL値が大きいほど、a値が0に近いほど、また極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好である。a値が0未満を赤みがなしで、合格とした。
(e)不織布の強力
得られたポリエステルを用い、実施例1に示す方法にてバインダー繊維、さらには不織布を作成し、この不織布を幅25mm、長さ 100mmの試料となし、オリエンティック社製定速伸長型引張試験機 UTM-4-100型を用い、引張速度 100mm/分で測定した。加熱下の強力は、試料設置部を所定の雰囲気温度の炉中に90秒間放置した後測定した。2000g以上を合格とした。
(e)不織布の風合い
不織布を10人のパネラーによる手触りにより、風合いのソフト性を官能評価した。10人中9人以上のパネラーで風合いがソフトであると評価した場合を○、5〜8人で風合いがソフトであると評価した場合を△、1〜4人であれば×とした。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)オリゴマーの存在するエステル化反応缶に、TPAとEG(モル比 1/1.6) のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間として、エステル化反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。
このPETオリゴマー38.5kgを重縮合反応缶に移送し、ADAを4.2kg、EGを12.5kg、二酸化チタンを0.5kg投入し、温度250℃にて1時間の反応を行った後、リン酸を全酸成分1モルに対して3×10-4モル(76g)、BD23.8kgを投入し、温度180〜200℃、常圧下で1時間の解重合を行った。次いで、重縮合触媒としてテトラブチルチタネート(以下、TBTと記す。)を全酸成分1モルに対して8×10-4モル(60g)を重縮合反応缶に投入した後、反応器内の圧力を徐々に減じ、70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、得られたポリエステルを常法によりストランド状に払出し、チップ化した。
このポリエステルとPETとを同心芯鞘型複合溶融紡糸装置に供給し、吐出孔数 225の紡糸口金により、紡糸温度 270℃、吐出量 227g/分、複合質量比1/1で、前者が鞘となるように溶融紡糸し、冷却した後、 700m/分の速度で巻き取り複合未延伸糸を得た。 この未延伸糸を10万dのトウに集束し、延伸温度62℃、延伸倍率 3.2で延伸し、押し込み式クリンパーで捲縮を付与した後、長さ51mmに切断して繊度4dのバインダー繊維を得た。
このバインダー繊維30質量%と、長さ51mm、繊度2dのPET繊維70質量%とを混綿し、カードに通して50g/m2の目付のウエブとした後、180℃の回転乾燥機で2分間熱処理して不織布を得た。
実施例2〜、比較例1〜7
ADA、BDの添加量、リン酸の添加量と添加時期及びTBTの添加量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルと不織布を製造した。
実施例1〜、比較例1〜7の製造条件を表1に、得られたポリエステルの特性値と不織布の評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜で得られたポリエステルは、色調が良好で、バインダー繊維として不織布を形成すると風合いがよく、かつ高温での強度低下が少ないものであった。
一方、比較例では、次のような問題があった。
まず、比較例1は、リン酸を重縮合反応の直前に添加したため、触媒であるTBTとリン酸との反応が進みすぎてTBTの触媒活性が低下し、このため得られたポリエステルは極限粘度が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例2は、リン酸の添加量が少なかったため、リン酸によるTBTの着色抑制の効果が小さく、得られたポリエステルの赤みが強かった。
比較例3では、TBTの添加量が少なかったため、得られたポリエステルは極限粘度が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例4は、TBTの添加量が多かったため、得られたポリエステルはa値が高くて赤色となり、色相が悪いものであった。
比較例5は、ADAの共重合量が多かったため、得られたポリエステルの融点が低く、高温での不織布強力が劣り、また、不織布作成において、収縮が大きく、風合いが悪かった。
比較例6は、BDの共重合量が多く、得られたポリエステルの融点が高かったため、不織布を作成する際、十分接着せず、不織布が得られなかった。
比較例7は、BDの共重合量が少なく、得られたポリエステルが明確な融点を示さず、結晶化が進まないため、乾燥が行うことができず、試験を行うことが出来なかった。

Claims (2)

  1. ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜90モル%とアジピン酸10〜30モル%、グリコール成分がエチレングリコール30〜60モル%と1,4-ブタンジオール40〜70モル%からなるポリエステルを製造するに際し、テレフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールからなるエステル化物に対して、1,4-ブタンジオールとポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モルのリン酸を添加し、解重合反応を行った後、重縮合触媒としてチタン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜10×10-4モル添加し、重縮合反応を行うことを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 請求項1記載の方法で製造されたポリエステルであり、極限粘度が0.5以上、ハンターのLabにおいてa値が-3〜0、b値が0〜5であり、融点が130〜200℃であることを特徴とするポリエステル。
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