JP5324320B2 - 電子部品加工装置及び電子部品加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品加工装置及び電子部品加工方法に関し、特に、不良状態の電子部品をプリント基板から取り外して同種の電子部品を再実装する電子部品のリペアや新規の電子部品をプリント基板に取り付ける基板製造に好ましく適用される技術に関するものである。
近年、プリント基板はその実装密度がますます高くなってきている。これに伴い、LSI(Large Scale Integration)のような高価な電子部品が多数実装され、プリント基板の単価も高価になってきている。プリント基板に実装される電子部品には、高密度実装を可能とする電子部品として、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)がある。
BGAは、BGAパッケージ方式でパッケージされており、バンプあるいは半田ボールと呼ばれる半田によるボール状の端子がパッケージ底面に例えば格子状に配列して多数設けられ、これらの多数の端子が部品側端子群を形成している。CSPは、内蔵する半導体チップとほぼ同じ程度の大きさでパッケージされた電子部品であり、そのパッケージにおける端子構造はBGAパッケージ方式とされるのが一般的である。
このBGAやCSPを実装したプリント基板では、これらの電子部品の故障、保守、リサイクル等の理由により、BGAやCSPの交換が必要となる場合があるため、BGAやCSPをプリント基板から取り外し、再びプリント基板に取り付けるリペア技術は不可欠といえる。しかし、BGAやCSPは、上述したように、ボール状の半田接合部がパッケージの底面にあるため、半田接合部を融解して実装基板から取り外すことが非常にやりにくいという実情がある。
従来、BGAやCSPのような電子部品のリペア方法において、上述したように、電子部品のパッケージ底面に設けられているボール状の半田接合部を直接溶かすことができないため、図8に示すように、フード内にセットされた電子部品の上下から熱風を吹き付け、電子部品と実装基板を加熱して半田接合部を溶解し、実装基板から電子部品を取り外す方法が行われている。
また、例えば特許文献1では、電子部品取り外しの際の半田接合部における加熱温度を均一化できるリペア装置が開示されている。当該リペア装置は、BGAを収容するための開口部が底面に形成された筒状部材を備え、開口部にBGAを収容させた状態で、筒状部材内でBGAに向けて熱風を流入させBGAと基板の間を経由させて、一方の端部に設けた排出口から熱風を排出させる。
特開2006−228771号公報
図8に示した従来の方法は熱風により加熱させるため熱効率が悪い。つまり、熱風の直接当たる部分や排出口の近辺と中央部分との温度差が生じてしまい、一番温度の低い中央部分の半田接合部分を溶解させるために長時間熱風を吹き付けなければならない。また、BGAやCSPといった電子部品に長時間熱風を吹き付けるため、これら電子部品の上面温度が耐熱温度を超してしまうといった問題もある。さらに、排出される熱風により、加熱対象の周辺に配置された電子部品も加熱され高温となり、場合によっては半田の吹き出し等の事象が発生してしまうといった問題もある。
特許文献1で開示されたリペア装置は、半田接合部の領域ごとの温度差をなくして均等加熱を図ろうとするものであるが、中央部分と排出口近辺との温度差を完全に解消するのは困難であり、ある程度の吹き付け時間が必要になる。この吹き付け時間の長期化から、電子部品の耐熱温度の問題も生じてくる。また、加熱対象の電子部品のみを筒状部材で収容して熱風を吹き付けても、原理上、熱風を完全に内部に閉じ込めて外部に漏れないようにすることは困難である。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて、BGAやCSPのような電子部品のリペアやプリント基板へ取り付ける基板製造において、半田接合部を均等に加熱し、該電子部品に耐熱温度以上の熱を与えないようにするとともに、加熱対象部品の周辺に配置された電子部品への熱負荷を軽減することを目的とする。
本発明の一側面としての電子部品加工装置は、底面に設けられ半田ボールを用いた端子により基板との接続を行う電子部品の取り外し又は取り付けを行う電子部品リペア装置であって、光を照射する光源手段と、光源手段から照射される光を集約する集約手段と、を含む局部加熱手段を有し、局部加熱手段は、集約手段により集約された光の焦点部より光源手段に近い位置又は遠い位置で、電子部品の基板への設置面上方から電子部品に対して光を照射して加熱する。
また、本発明は、上記の電子部品加工装置において、局部加熱手段が、集約手段で集約された光の所定の照射領域を遮断して光の照射領域を特定する照射領域特定手段を有するものでもよい。
また、本発明は、上記の電子部品加工装置において、局部加熱手段が、光源手段の移動により光の照射距離を調整して電子部品に与える温度を制御するものでもよい。
また、本発明は、上記の電子部品加工装置において、局部加熱手段が、集約手段の焦点距離を調整して電子部品に与える温度を制御するものでもよい。
また、本発明は、上記の電子部品加工装置において、局部加熱手段が、光源手段の光出力値を調整して電子部品に与える温度を制御するものでもよい。
また、本発明は、上記の電子部品加工装置において、局部加熱手段が、基板への設置面上方からの照射に加えて、設置面の裏側から基板に対して光を照射して加熱するものでもよい。
本発明の一側面としての電子部品加工方法は、底面に設けられ半田ボールを用いた端子により基板との接続を行う電子部品の取り外し又は取り付けを行う電子部品加工方法であって、光源から光を照射する光照射工程と、光照射工程で照射された光を集約する光集約工程と、を含む局部加熱工程を有し、局部加熱工程は、光集約工程で集約された光の焦点部より光源に近い位置又は遠い位置で、電子部品の基板への設置面上方から電子部品に対して光を照射して加熱する。
本発明によれば、BGAやCSPのような電子部品のリペアやプリント基板へ取り付ける基板製造において、半田接合部を均等に加熱でき、該電子部品に耐熱温度以上の熱を与えないようにするとともに、加熱対象部品の周辺に配置された電子部品への熱負荷を軽減することが可能となる。
本発明に係る電子部品加工方法における局部加熱の基本原理を説明するための図である。 本発明に係る電子部品加工方法における局部加熱の基本原理を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電子部品リペア装置の概略構成を示した図である。 本発明の実施形態に係る電子部品リペア方法を説明するための図である。 本発明を適用した場合の従来と比較した効果をデータで示した図である。 本発明の実施形態における局部加熱温度の制御を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電子部品リペア装置の変形例の概略構成を示した図である。 従来の電子部品リペア方法を説明するための図である。
図1及び図2は、本発明の電子部品加工方法における局部加熱の基本原理を説明するための図である。従来では、図8に示すように、交換対象あるいは取り付け対象の電子部品を加熱する手段としてヒータ等による温風を利用していた。本発明では、局部加熱手段として、温風ではなく光ビームやレーザといった光を用いる。なお、本発明が適用される電子部品加工には、BGAやCSPといった電子部品が不良状態の場合に取り外して良好状態の部品を取り付けるリペアのほか、該電子部品を新規にプリント基板へ取り付ける基板製造が含まれる。
光を利用する局部加熱手段の最もオーソドックスな構成は、赤外線を含む光を出力する光源と、出力された光を集約する反射鏡又はレンズである。図1(a)は光を集約する手段として反射鏡を用いたもので、光源1から出力された光を反射鏡2で集めて焦点部7を形成する。また、図1(b)は光を集約する手段としてレンズを用いたもので、光源1から出力された光をレンズ4で収束させて焦点部7を形成する。
焦点部7は非常に高温化しており、約500度以上の温度を確保することが可能である。本発明の電子部品リペア方法における局部加熱では、BGAやCSPといった電子部品の表面(底面の半田接合部とは逆の面)から光を照射することから、電子部品の耐熱温度を考慮して、光源1と焦点部7の間に位置する照射距離8で光を照射する。
なお、図1では、照射距離を焦点部より光源に近い位置としているが、照射距離を焦点部より光源に遠い位置とするように構成することも可能である。焦点部より光源に近い位置とした場合は小さい製品についてリペアするのに有効であり、一方、焦点部より光源に遠い位置とした場合には大きい製品についてリペアするのに有効と考えられる。
また、図2に示すように、本発明の電子部品加工方法における局部加熱では、上記構成の応用として、光源1で出力され反射鏡2で集約された光を遮光部材5で遮光することで、加熱範囲を明確に特定し、狙いとする交換対象あるいは取り付け対象の電子部品にのみ光を照射させることもできる。
図3は、本発明の実施形態の電子部品リペア装置の概略構成を示した図である。本実施形態の電子部品リペア装置は、少なくとも加熱装置10及び遮光板20からなる局部加熱装置を備える。加熱装置10は、図1に示すように、光源と光源からの光を集約する手段とからなり、基板60上のCSP50に光を照射して加熱する。
CSPに照射する光は光ビームやレーザを用いることができる。光ビームではφ5程度、レーザではφ1程度の照射面積である。光ビームの場合は、照射面積(ビーム径)を大きくできるキセノンランプやハロゲンランプ等を用いることができ、またレーザの場合は、波長1μm付近の半導体レーザ等が適している。本実施形態においては、CSP全体(14mm×14mmの広範囲)に対して焦点距離を変えて(焦点をぼかして)光を照射し加熱を行う。
また、遮光板20は、図2に示すような遮光部材の一例で、加熱装置10からの光ビーム30を所定の領域のみ照射するように遮光して加熱範囲を明確に特定するマスクの役割を果たす。そして、遮光板20は、狙いとするCSP50にのみ光ビーム30を照射させる。
なお、図示はしていないが、本実施形態の電子部品リペア装置は該リペア装置の動作を制御するための制御装置をさらに備える。この制御装置は、制御信号を生成するための制御信号生成部、基板上に実装される複数の電子部品(CSPやその他の部品)の加熱に必要な位置に関する位置情報を記憶するための記憶部を有する。制御装置は、記憶部に記憶された位置情報に基づいて、交換や取り付けの作業を行うための制御信号を制御信号生成部にて生成し、生成された制御信号を各装置に出力する。また、基板上の部品配置に関する情報に基づいて、自動的に位置検出を行い、先に記述した機構との連動も可能にすることができる。
図4は、本実施形態における局部加熱状況を表した図である。本実施形態における光ビームを利用した電子部品の加熱では、図4(a)に示すように、光ビームがCSPの表面全領域に均一に照射されており、CSPを通じて半田接合部に熱が与えられている。そして、図4(b)に示すように、CSPの温度分布は全ての領域において均等であり、従来のリペア方法の場合(図8(b))のような領域ごとの温度差は見られない。なお、図4や図8の温度分布は、高温の箇所は色を濃く、低温の箇所は色を薄く表している。
図5は、本発明を適用した光ビームによる局部加熱と従来の温風による局部加熱における各種データを示したものである。グラフにあるように、光ビームを用いた場合は温風を用いた場合と同様の熱を半田に与えることができ(光ビーム:185度、温風:180度)、また同様の温度プロファイルを示していることから、光ビームは局部加熱手段として温風に劣らないことがわかる。
さらに、特筆すべき点としては、電子部品への加熱を行う際に該部品自体に与える熱と周辺部品に与える熱が、光ビームを用いた場合と温風を用いた場合とで大きく異なる点である。部品表面温度及び隣接部温度として示したデータからわかるように、光ビームを用いた場合の方が温風を用いた場合より、加熱している電子部品自体と周辺の電子部品に対して与える熱が少なく熱負荷が小さい(部品表面温度(光ビーム:200度、温風:229度)、隣接部温度(光ビーム:151度、温風:178度))。
すなわち、BGAやCSPのような電子部品のリペアに際し、本発明の実施形態のように光ビームを利用した局部加熱を行うで、半田接合部を均等に加熱でき、また、該電子部品に耐熱温度以上の熱を与えないようにするとともに、加熱対象部品の周辺に配置された電子部品への熱負荷を軽減することが可能となる。
図6は、本発明の実施形態における局部加熱温度の制御を説明するための図である。光ビームを利用した局部加熱の温度制御の方法としては3つ考えられる。1つ目の方法は、光ビームの出力を一定にしつつ、加熱装置(光源)の高さを変えることで光源からの照射距離を調整して加熱温度を制御する方法である(図6)。図6の右図のように光源の位置を高くすると、CSPへの照射位置(光源からCSPへの距離)が焦点部に近づくため、CSPに与えられる温度は高くなる。一方、左図のように光源の位置を低くすると、CSPへの照射位置が焦点部から遠ざかるため、CSPに与えられる温度は低くなる。
1つ目の方法は例えば以下のような構成で実現できる。制御装置の記憶部に温度制御のための光源の高さに関する高さ情報を記憶しておき、該高さ情報に基づいて、光源を上下動作させるための制御信号を制御信号生成部にて生成する。加熱装置を駆動させる駆動装置(不図示)は、生成された制御信号を制御装置から受け取って加熱装置を上下に駆動する。なお、加熱装置10の上下動作に連動して遮光板20が上下に動くように構成してもよいし、遮光板20は固定として加熱装置10のみ上下に動作するように構成してもよい。
2つ目の方法は、光ビームの出力を一定にしつつ、光源からの焦点距離をレンズや反射鏡により調整して加熱温度を制御する方法である。焦点距離を変化させることでCSPへの照射距離を調節するという点で、上記の1つ目の方法と共通する。焦点距離の異なるレンズや反射鏡を複数用意しておき、自動あるいは手動でレンズや反射鏡を交換するように構成できる。
3つ目の方法は、加熱装置の位置やレンズ等を変えずに、光源の光ビーム出力を調整して加熱温度を制御する方法である。これは、1つ目や2つ目の方法とは逆の考え方で焦点距離を一定にして光ビームの出力を変えるというものである。3つ目の方法は例えば以下のような構成で実現できる。制御装置の記憶部に温度制御のための光源の光ビーム出力に関する出力情報を記憶しておき、該出力情報に基づいて、光源の光ビーム出力値を設定するための制御信号を制御信号生成部にて生成する。加熱装置は、生成された制御信号を制御装置から受け取って光ビームの出力値を設定し、光ビームを出力する。
図7は、本発明の実施形態としての電子部品リペア装置の変形例の概略構成を示した図である。上述した例の電子部品リペア装置はCSPの表面から光ビームを照射して加熱し、CSP裏面の半田接合部を溶解するものであった。本変形例では、CSPの表面から光ビームによる加熱を行うことに加えて、CSP実装面と反対面から基板に対して加熱を行う。CSP実装面と反対面から基板に対して加熱を行う手段としては、図7(a)のように温風を用いることもできるし、図7(b)のように光ビームを用いることもできる。
このように、CSP実装面と反対面の両面から、交換や取り付けの対象となるCSPやその実装箇所に加熱することで、CSP実装面からのみ加熱する場合と比較して、CSP半田付けの質を格段に向上させることが可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
1 光源
2 反射鏡
3 光源ガイド
4 レンズ
5 遮光部材
7 焦点部
8 照射距離
10 加熱装置
20 遮光板
30 光ビーム
50 CSP
60 基板

Claims (7)

  1. 底面に設けられ半田ボールを用いた端子により基板との接続を行う電子部品の取り外し又は取り付けを行う電子部品加工装置であって、
    光を照射する光源手段と、
    前記光源手段から照射される光を集約する集約手段と、
    を含む局部加熱手段を有し、
    前記局部加熱手段は、前記電子部品の大きさに基づき、前記集約手段により集約された光の焦点部より前記光源手段に近い位置又は遠い位置で、前記電子部品の基板への設置面上方から前記電子部品に対して光を照射して加熱することを特徴とする電子部品加工装置。
  2. 前記局部加熱手段は、前記集約手段で集約された光の所定の照射領域を遮断して前記光の照射領域を特定する照射領域特定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子部品加工装置。
  3. 前記局部加熱手段は、前記光源手段の移動により光の照射距離を調整して前記電子部品に与える温度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品加工装置。
  4. 前記局部加熱手段は、前記集約手段の焦点距離を調整して前記電子部品に与える温度を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子部品加工装置。
  5. 前記局部加熱手段は、前記光源手段の光出力値を調整して前記電子部品に与える温度を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子部品加工装置。
  6. 前記局部加熱手段は、前記の基板への設置面上方からの照射に加えて、前記設置面の裏側から基板に対して光を照射して加熱することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子部品加工装置。
  7. 底面に設けられ半田ボールを用いた端子により基板との接続を行う電子部品の取り外し又は取り付けを行う電子部品加工方法であって、
    光源から光を照射する光照射工程と、
    前記光照射工程で照射された光を集約する光集約工程と、
    を含む局部加熱工程を有し、
    前記局部加熱工程は、前記電子部品の大きさに基づき、前記光集約工程で集約された光の焦点部より前記光源に近い位置又は遠い位置で、前記電子部品の基板への設置面上方から前記電子部品に対して光を照射して加熱することを特徴とする電子部品加工方法。
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