JP2006289464A - レーザ加熱制御方法およびレーザ加熱装置 - Google Patents

レーザ加熱制御方法およびレーザ加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 加熱対象物に熱的な不具合を招来することなく半田付部を短時間に加熱することができるレーザ加熱制御方法およびレーザ加熱装置を提供する。
【解決手段】 加熱対象物における表面にレーザビームを時分割で繰返し照射して、レーザビームが照射された表面から非照射時における当該表面よりも深い部位への伝熱による熱の伝播により前記表面よりも深い部位を加熱しつつ半田付部を徐々に昇温する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半田付用のレーザ加熱制御方法およびレーザ加熱装置に関するものである。
レーザ照射による半田付部分の加熱が行われている(例えば、特許文献1)。
特開平5−55740号公報
ところが、短時間に加熱を行わせようとすると、高出力ビーム化すればよいが、このようにすると、表面のみが高温化して基板等の加熱対象物の損傷を招く虞がある。
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、加熱対象物に熱的な不具合を招来することなく半田付部を短時間に加熱することができるレーザ加熱制御方法およびレーザ加熱装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、加熱対象物における半田付部にレーザビームを照射して当該半田付部を加熱するための半田付用のレーザ加熱制御方法であって、前記加熱対象物における表面にレーザビームを時分割で繰返し照射して、レーザビームが照射された表面から非照射時における当該表面よりも深い部位への伝熱による熱の伝播により前記表面よりも深い部位を加熱しつつ半田付部を徐々に昇温するようにしたレーザ加熱制御方法をその要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、大出力のレーザビームを照射しても加熱対象物の表面が高温になることなく半田付部を短時間に加熱することができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載のレーザ加熱制御方法において、前記加熱対象物における半田付部の表面にレーザビームを時分割で繰返し照射する際に、レーザビームを当該半田付部に照射していない時に同一のレーザビーム照射源から出たレーザビームを他の半田付部に照射することにより複数の半田付部を時分割で加熱するようにすると、複数の半田付部を加熱するときに好ましいものとなる。
請求項3に記載のように、請求項1または2に記載のレーザ加熱制御方法において、熱容量が異なる半田付部にレーザビームを照射して各半田付部を加熱する際に、各々の半田付部に対するレーザビームの照射の繰返し回数を熱容量に応じた回数として各々の半田付部に対し単位時間あたり単位面積に供給するレーザエネルギー量を熱容量に応じた量とすると、半田付部毎に熱容量に応じた加熱を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置であって、レーザビーム出射部と前記加熱対象物との間の空間におけるレーザビームの光路となる領域をカバーで覆うとともに、当該カバーの内部において清浄なガスを半田付部に向かって流したレーザ加熱装置をその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、カバー内に清浄なガスを半田付部に向かって流すことにより、半田付時において半田付部からの煙による不具合を回避することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置であって、全体加熱方式の加熱装置を有する半田リフロー装置に、局部加熱装置として設置され、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正するようにしたレーザ加熱装置をその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正する半田リフロー装置を構成することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態におけるレーザ加熱装置10の概略構成を示す。
図1において、レーザ加熱装置10はレーザビーム照射源(光源)11とガルバノミラー12a,12bを具備している。レーザビーム照射源11からレーザビームLbが発射される。このレーザビームLbは、ガルバノミラー12a,12bを介して加熱対象物1に至る。ここで、ガルバノミラー12a,12bから出たレーザビームLbを集光させてもよく、また、ガルバノミラー12a,12bへ入る前に所定の並行光にしてもよい。
加熱対象物1は、これから加熱して半田付を行おうとしている対象物であり、半田付部を有している。具体的には加熱対象物1は、例えばプリント基板(プリント配線板)にクリーム半田を印刷またはディスペンサにて所定の箇所に塗布した後に、表面実装部品(SMD)等の電子デバイスを載せたものである。
図1の加熱対象物1の半田付部にレーザビームLbが照射され、このレーザビームLbの照射により半田付部が加熱される。また、レーザビームLbを照射する際に、ガルバノミラー12a,12bの向きをコントロールすることによりレーザビームLbを走査することができるようになっている。
図1のレーザ加熱装置(半田付用のレーザ加熱制御方式)においては、図2に示すように、加熱対象物1の表面に対しレーザビームを時系列的に照射と非照射を繰返している。つまり、加熱対象物1の表面にレーザビームLbを時分割で繰返し照射して加熱している。レーザビームLbの照射/非照射時間は、例えば5msec/95msec程度である。図2において、表面温度Tsに関して、レーザ照射時には表面が加熱されて表面温度Tsが上昇し、レーザ非照射時には伝熱により表面が冷却されて表面温度Tsが低下する。
表面にレーザビームLbを時分割により繰返し照射して加熱するときのメカニズム、加熱範囲、加熱温度について、図3,4および図2を用いて説明する。
図3(a)に示すレーザ照射前の状態から図3(b)に示すようにレーザビームを照射することにより照射部が高温となり、その後の図3(c)に示すレーザビーム非照射時において伝熱による熱の伝播により拡散する。このように、レーザビームが照射された表面1aで光エネルギーから熱エネルギーへの変換が起こり、レーザビーム非照射時に、レーザビームが照射された表面から、表面よりも深い部位(下部の層)を含めた周辺に対し伝熱により熱が伝播する。このレーザビーム照射とレーザビーム非照射が繰返されて表面1aよりも深い部位が加熱されながら半田付部が徐々に昇温される。
また、プリント基板の半田付の特性上、要求される温度が200℃近辺の半田の溶融点以上にする必要があり、かつ、プリント基板及び電子デバイスの許容温度(200〜250℃近辺)に抑える必要がある。
半田付は図4(a)に示す半田付前の状態から図4(b)に示すように半田付けが行われる。ここで、図4(c)に示すように昇温の必要な部位は電子デバイスのピンの外周面と基板側パッドである。このように半田付は、レーザビームが当たるプリント基板の上面だけでなく半田の行き渡る範囲全般の温度を半田付温度に保持して行う必要がある。
このような温度特性が要求される半田付においては、むやみにレーザ強度を上げても単にレーザビームが直接照射された部分の温度が要求以上に上昇して半田付部全体の温度が半田付温度に到達する前にレーザビームが照射されている表面のみ昇温して部材の酸化とか焼損という問題が発生する。
このような加熱の要求に対し、レーザ照射(照射された表面の加熱)と非照射(表面から深部への伝熱による熱の伝播で深部を加熱しつつ表面温度を下げる)を繰り返して行うことにより、図2に示す表面温度Tsが温度上限Tmaxを超えることのない加熱を行うことができる。換言すれば、短時間に加熱すべく強いレーザを使用することができる(強いレーザを使用しても加熱対象物に熱的な不具合を招くことがない)。
さらに、図5に示すように半田付においては通常は半田付箇所が複数あるので(図5ではA点、B点、C点、D点)、図6に示すように第1半田付部にレーザビームを照射していない時間帯を使って同一のレーザビーム照射源(図5の符号11)から出たレーザビームを第1半田付部以外の第2半田付部や第3半田付部に照射する。図5で説明すると、A点→B点→C点→D点→A点と走査する。このようにして複数の半田付部を時分割で加熱する。これにより、レーザビーム照射源11を非稼動にすることなく複数の半田付部を加熱することができる。
さらには、加熱時間、加熱強度、加熱範囲を調整することにより、図7に示すように、複数箇所(第1〜第4の半田付部)の温度を徐々にゆっくり加熱することができるようになっている。
この図7に示したレーザ照射方式による加熱は従来の1箇所にレーザビームを当て続ける加熱方式に比べて下記のメリットがある。
1.1点ずつレーザ照射する方式では表面温度が上昇しすぎてレーザ照射エネルギー密度を一定値以上に上げられないが、この方式では照射が間欠的で、且つ短時間であるので、大出力・大照射径のレーザを使って1点ずつレーザ照射する方式に比較して複数箇所の半田付を短時間で完了できる。つまり、強いレーザを使用することができ、これにより、複数箇所の個々の加熱箇所をゆっくり昇温させても複数箇所を目標温度にするのに要する時間が短時間ですむ。
2.ゆっくり加熱するので半田フラックスの沸騰やそれに伴う溶融半田の飛散や加熱しすぎによるフラックス清浄効果消失などのデメリットがない。
3.レーザビームを当て続け1秒/1箇所ぐらいで伝熱の過渡現象中に半田付けするのに比較して昇温の時間を長くとれるので、照射箇所別に繰り返し照射回数を変えるなどの加熱制御で昇温温度制御が実施しやすい。
また、本実施形態におけるレーザ加熱装置10は、レーザエネルギーを半田付部に集中させることができるようになっている。
詳しくは、単に走引するだけでは半田付部も半田付部から次の半田付部の間も同じように加熱される。半田付部に光エネルギーを集中させるためには以下のいずれかの方法をとる。
1.複数回、同一パターンを走査する。
2.走査速度を下げる。
3.両者を併用する。
具体例を、図8,9を用いて説明する。
図8に示すように、レーザビームの走査の際の軌跡としてa〜gがあり、軌跡b,d,fにおいては半田付部の円走引を行い、軌跡b,d,fを軌跡a,c,e,gで結んでいる。
図9には、各軌跡a,b,c,d,e,f,gにおける、単発走査長A、繰返走査回数B、総走査長C(=A×B)、構成比率を示す。軌跡b,d,fは、直径3mmの円であり、各軌跡b,d,fはそれぞれ、繰返走査回数Bを「5」としている。即ち、同一パターンを5回走査している。各軌跡a,b,c,d,e,f,gのそれぞれの構成比率は、3%、27%、3%、27%、3%、27%、11%である。
よって、半田付部の軌跡b,d,fを5回繰り返し走引すれば、全エネルギーの81%(=27%×3)を半田付部に集中することができる。
また、ガルバノミラーの走引速度は秒速10m近くあり、この場合には加熱時間としては次のようになる。走引速度が秒速8mであると、図9の場合には合計の総走査長が176mmであり、8000[mm/秒]/176[mm]=45[回/秒]であるから、軌跡b,d,fの各半田付ポイントは、1回あたり6msec(=(1/45)×27%)だけ加熱されることになる。
図8,9で説明したレーザエネルギーを半田付部に集中させる方法のメリットは以下の通りである。
1.レーザ光量を制御する方式(半田付部や半田付部の間でパワーを上げたり下げたりする方式)に比べると、常に全光量を加熱に利用しているので加熱時間短縮となる。
2.レーザ光量を制御する方式に比較して操作パターンだけで場所毎に与える熱量を制御するので制御が簡単になる。
3.レーザ光量を制御する方式に比較して常にガルバノミラーを動かしているので速度変化が少なくガルバノミラーの耐久要求を減らせる。
一方、前述の「2.走査速度を下げる」とは、図8における軌跡b,d,fの走査速度と軌跡a,c,e,gの走査速度の関係において、軌跡b,d,fの走査速度を下げることである。さらに、前述の「3.両者を併用する」とは、図8における軌跡b,d,fの走査回数を複数回とし、かつ、低速で走査することである。
また、本実施形態におけるレーザ加熱装置10は、熱容量が異なる半田付部に対しては熱容量に応じた走査パターンを使うことができるようになっている。
詳しくは、プリント基板においては、装着する部品の大きさ、及び、プリント基板の銅箔パターンにより、半田付部毎に熱容量が異なる。この場合も各半田付部に対して以下のように照射パターンを変えて半田付部毎に熱容量に応じた加熱を行う。
1.複数回、同一パターンを走査する。
2.走査速度を下げる。
3.両者を併用する。
前述の図8で説明する。図8のような走査パターンにおいて、3つの半田付部(加熱部)のうちの中央の半田付部のみ熱容量が大きい場合は、中央部の半田付部のみに多くの熱量を供給する必要がある。そのために、軌跡dの走査回数を、軌跡b,fの走査回数より多くする。即ち、熱容量に違いがある半田付部に対し同一箇所に対するレーザビームLbの照射の繰返し回数を変えて熱容量に応じた回数として、各々の半田付部に対し単位時間あたり単位面積に供給するレーザエネルギー量を変えて熱容量に応じた量とし、これにより熱容量の違いに関係なく昇温速度を同一にすることができる。あるいは、図8における軌跡dの走査時の走引速度を、軌跡b,fの走査時の走引速度より遅くする。あるいは、両者を併用して、軌跡d,d,fのうちの軌跡dの走査回数を多くし、かつ、低速で走査する。
また、本実施形態におけるレーザ加熱装置10は、半田付部の温度低下を考慮した走査パターンを使うことができるようになっている。
詳しくは、本実施形態におけるレーザ加熱装置10においては、レーザビームを時分割で繰返し照射して加熱するという方式上、レーザビームの非照射時には伝熱により半田付部の温度の低下が大きくなりやすい。
そこで、温度低下が大きい場合は、図10(a)に示すように、実際の半田付部の周辺も走査範囲に入れて半田付部の加熱に加えて周囲も加熱して温度低下を小さくする。
または、図10(b)に示すように、半田付部より広い集光光学システム(光照射径)を用いて、半田付部の周囲も加熱して温度低下を小さくする。
または、図10(c)に示すように、両者を併用する。つまり、ビーム径の大きなレーザを用い、かつ、実際の半田付部の周辺も走査範囲に入れる。
このようにすることにより、半田付部を必要以上に高温にすることなく伝熱による温度低下を抑えることができる。また、図10(b)に示すように、半田付部より大きな照射径を使用することにより、今後の半導体レーザの大出力化を有効に半田付け時間の短縮に利用できる。
また、本実施形態におけるレーザ加熱装置10は、装置構成上のしくみとして、図11に示す構造とすることにより半田付時の煙対策が講じられている。
図11において、レーザビーム出射部13には図1に示したレーザビーム照射源11やガルバノミラー12a,12b等が配置されている。図11のレーザビーム出射部13の下方において加熱対象物1(半田付部)が位置している。レーザビーム出射部13を含めて、レーザビーム出射部13と加熱対象物1との間の空間におけるレーザビームLbの光路となる領域がカバー14にて覆われている(レーザビーム出射部13の下部にカバー14が配置されている)。カバー(フード)14は、全体形状として、下側ほど径が大きくなった円錐形をなし、かつ、上面および下面が開口している。また、外部からカバー14の上面開口部を通してカバー14内に清浄なガスが導入される。清浄なガスとして清浄なエアを用いるとよい。カバー14の内部において清浄なガスがダウンフローで半田付部に向かって流れて当該ガスにより半田付部が高圧となる(半田付部が加圧される)。この清浄なガスにより煙のレーザビーム出射部13への進入が防止される。
なお、半田付部(加熱部)が冷却されるのを防止するために、流すガスは加熱したガスを用いるとよい。
煙による問題について言及すると、半田付けを行う際にはフラックスから樹脂分を含んだ煙が発生し光線照射上の障害及びレーザ光学系(ガルバノミラー12a,12b等)への汚れの付着などの悪影響が発生する。カバー14の設置および清浄ガスフローにより半田付時の煙によるビーム照射障害や汚濁を防止することができる。また、カバー14により、レーザビームが加熱対象物1に反射した後の光が外部に漏れるのを防止することができ、安全面でも好ましいものとなる。
なお、カバー14の設置のみ、あるいは、清浄ガスのフローのみを行ってもよい。
次に、図1等に示したレーザ加熱装置10を、半田リフロー装置に、局部加熱装置として設置した構成について説明する。図12,13,14はその具体例である。
図12(a)は、半田リフロー装置の設備構成を示す図である。図12(b)は、その半田リフロー装置における温度プロファイルである。
図12(a)において、設備構成として、本加熱に先立つ予備加熱を行うための予熱用加熱装置20と、局部加熱を行うためのレーザ加熱装置10と、本加熱を行うための本加熱装置30と、半田溶融後に冷却するための冷却装置40を具備している。半田リフロー装置の内部(炉内)において、予熱用加熱装置20、レーザ加熱装置10、本加熱装置30および冷却装置40が順に並べて配置されている。また、半田リフロー装置の内部(炉内)において、搬送機器50にて加熱対象物(加熱製品)1を、予熱用加熱装置20からレーザ加熱装置10を経て本加熱装置30へと搬送するとともに更に冷却装置40に搬送することができるようになっている。
予熱用加熱装置20は熱風又は赤外線式の加熱装置であり、加熱対象物(加熱製品)1に対し熱風を当てる又は赤外線を照射することにより加熱することができるようになっている。本加熱装置30も熱風又は赤外線式の加熱装置であり、加熱対象物(加熱製品)1に対し熱風を当てる又は赤外線を照射することにより加熱することができるようになっている。予熱用加熱装置20は製品全体を加熱する装置である。同様に、本加熱装置30も製品全体を加熱する装置である。半田リフロー装置の内部(炉内)において予熱用加熱装置20と本加熱装置30との間に配置されたレーザ加熱装置10により、加熱対象物(加熱製品)1を局所的に(局部的に)加熱することができるようになっている。
図12(b)においては、暖めにくい大型部品(熱容量が大きい部品)についての温度プロファイルと、暖めやすい小型部品(熱容量が小さい部品)についての温度プロファイルを表している。図12(b)において加熱開始後において予備加熱温度帯(予熱温度帯)まで昇温し、予備加熱温度帯においてフラックスを活性化して清浄する最低時間保持する。予備加熱を行った後に、半田付温度帯まで昇温して、塗布したクリーム半田を加熱溶融させて半田付けを行う。半田付温度帯で半田付けを行った後に、冷却する。
本実施形態における半田リフロー装置(図12)について図15(a)の一般的な半田リフロー装置と比較しつつ説明する。図15(b)は一般的な半田リフロー装置における温度プロファイルである。
図15(a)の一般的な半田リフロー装置の設備構成において、半田リフロー装置は熱風または赤外線輻射で全体加熱(一括加熱)しているが、局部的に加熱量を変える機能を持たないため次の不具合が発生している。
大型部品については温まりにくく半田付品質が一定しない。また、小型部品については大型部品が適温になるまで非常に長い時間、高い温度にさらされ、部品への損傷の危険がある。このような不具合をなるべく少なくするため、次のような対策がとられている。設備の対策として、図15(a)のごとく、加熱装置を、予備加熱と本加熱の2段階として、図15(b)のごとく、予備加熱時間を長くとる。これにより、熱容量が大きい部品を十分暖めて本加熱での加熱遅れの影響を低減させて、熱容量の違いにより小型部品が本加熱で長い時間、半田付温度にさらされるのを防止することができる。一方、半田リフロー装置内におけるプリント基板での部品のレイアウトとして、大型部品を密集して配置しない設計とする。
このような対策は加熱装置側に、プリント基板上の熱容量分布に応じた局部加熱能力が無いことから必要となっており、図12に示す本実施形態においては局部加熱方式(レーザビームを時分割で繰返し照射する加熱方式)を用いることにより、部品の熱容量に関係なく加熱部(プリント基板等)を均一に加熱することができる。
詳しくは、図12(a)の半田リフロー装置の設備構成において、予備加熱後に、レーザ加熱装置10により(レーザビームを時分割で繰返し照射する加熱方式により)、図12(b)の温度プロファイルに示すように、低温となっている熱容量が大きな部品についてレーザビームを照射して局部加熱を行う。つまり、暖めきれていない大型部品についてのみ選択的に加熱してフラックスを活性温度までもっていき、半田付面を清浄化する。また、熱容量が大きな部品については、半田付温度帯にまで昇温する際において、本加熱の遅れを加味して熱容量が小さな部品より高温にする。つまり、本加熱に先立って大型部品が本加熱で昇温が遅れる分を見越してその分だけ大型部品については昇温させておく。
このようにしてレーザ加熱装置10により、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正することができる。
図12の方式の場合には、大型部品の昇温遅れを補正する点で有用であり、後述する図13,14の3つの中では最小のレーザ源で部品熱容量の差異による温度の補正を行うことができる。
一方、図13(a)の半田リフロー装置の設備構成においては、予熱用加熱装置20と、本加熱装置としてのレーザ加熱装置10と、冷却装置40を具備しており、本加熱においてレーザビームを時分割で繰返し照射して局部加熱を行っている。
図13(a)に示した構成とした場合においては、図13(b)の温度プロファイルに示すように、暖めきれていない大型部品についてのみ選択的に局部加熱してフラックスを活性温度までもっていき半田付面を清浄化することができる。また、本加熱においてはレーザビームの照射による局部加熱によって部品の熱容量に応じた加熱を行っており、これにより、部品の大小に関係なく均一な昇温を行うことができる。
このようにして図13の場合もレーザ加熱装置10により、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正することができる。
図13の方式は、レーザ照射にてプリント基板全面の加熱が必要となるので、図12の方式(予備加熱と本加熱を、レーザによる局部加熱にて補正する方式)との比較においては、図13の場合の方がより大きな出力のレーザ源が必要となるが、本加熱が制御下でより安定して行うことができるというメリットがある。
さらに、図14(a)の半田リフロー装置の設備構成においては、本加熱装置としてのレーザ加熱装置10と、冷却装置40を具備しており、レーザビームを時分割で繰返し照射するのみで加熱している。
図14(a)に示した構成とした場合においては、予備加熱および本加熱において共に部品の熱容量に応じた加熱を行い、図14(b)の温度プロファイルに示すように、部品の大小に関係なく均一な昇温を行うことができる。つまり、最初からレーザビームで熱容量に応じた加熱を行うことができ、これにより、部品の大小に関係なく半田付に必要な温度プロファイルとすることができる。
なお、図14(a)では1台のレーザ加熱装置10を用いていたが、これに代わり、予備加熱においてレーザ加熱装置10を用いるとともに本加熱でも別のレーザ加熱装置10を用いて、2台のレーザ加熱装置10を用いて予備加熱、本加熱を行ってもよい。
この図14の方式は全ての加熱をレーザビームの照射で行うので、図12や図13に比べて最も大きなレーザ源が必要となるが、全加熱工程が制御下でより安定して行えるというメリットと同時に設備がシンプルで小型のものになり、消費電力も少なくできるというメリットがある。
以上のように、本実施形態は下記の特徴を有している。
(イ)レーザ加熱制御方法として、図2に示すように、加熱対象物1における表面にレーザビームLbを時分割で繰返し照射して、図3に示すように、レーザビームLbが照射された表面1aから非照射時における当該表面1aよりも深い部位への伝熱による熱の伝播により表面1aよりも深い部位を加熱しつつ半田付部を徐々に昇温するようにした。これにより、大出力のレーザビームLbを照射しても加熱対象物1の表面1aが高温になることなく半田付部を短時間に加熱することができる。特に、近年、安価に利用可能になりつつある数百Wクラスのレーザを利用して品質の良い半田付けを短時間に行うときに有用である。
(ロ)また、図5,6,7に示すように、加熱対象物1における半田付部の表面にレーザビームLbを時分割で繰返し照射する際に、レーザビームLbを当該半田付部に照射していない時に同一のレーザビーム照射源11から出たレーザビームLbを他の半田付部に照射することにより複数の半田付部を時分割で加熱するようにした。これにより、複数の半田付部を加熱するときに好ましいものとなる。
(ハ)さらに、熱容量が異なる半田付部にレーザビームLbを照射して各半田付部を加熱する際に、各々の半田付部に対するレーザビームLbの照射の繰返し回数を熱容量に応じた回数として各々の半田付部に対し単位時間あたり単位面積に供給するレーザエネルギー量を熱容量に応じた量とした。これにより、半田付部毎に熱容量に応じた加熱を行うことができる。具体的には、熱容量が異なっていても昇温速度を同一にすることができる。
(ニ)一方、図11に示すように、前述の(イ)〜(ハ)のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置において、レーザビーム出射部13と加熱対象物1との間の空間におけるレーザビームLbの光路となる領域をカバー14で覆うとともに、当該カバー14の内部において清浄なガスを半田付部に向かって流した。よって、カバー14内に清浄なガスを半田付部に向かって流すことにより、半田付時において半田付部からの煙による不具合(光線照射上の障害やレーザ光学系への汚れの付着など)を回避して、加熱性に優れたものとなる。
(ホ)また、図12や図13においてレーザ加熱装置10で示したように、前述の(イ)〜(ハ)のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置を、全体加熱方式の加熱装置(図12での加熱装置20,30、図13での加熱装置20)を有する半田リフロー装置に、局部加熱装置として設置して、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正するようにした。よって、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正する半田リフロー装置を構成することができる。
なお、図12,13,14ではレーザ加熱装置10を半田リフロー装置に設置した場合(一括して半田付する場合)について説明したが、図1等に示すレーザ加熱装置10を単体で使用して個別半田付してもよく、例えば、数箇所と少ない部位に対し半田付を行う場合に用いてもよい。
本実施形態におけるレーザ加熱装置の概略構成図。 レーザビームの時分割繰返し照射と温度の推移を示す図。 (a),(b),(c)はレーザビームの照射と熱の伝播を説明するための断面図。 (a),(b),(c)は半田付工程を示す断面図。 レーザ加熱装置の概略構成図。 レーザビームの照射による温度の推移を示す図。 レーザビームの照射による温度の推移を示す図。 各半田付部の走査を説明するための平面図。 走査長や繰返走査回数等を示す図。 (a),(b),(c)は半田付部の平面図。 半田付時の煙対策を講じたレーザ加熱装置における断面図。 (a)は本実施形態における半田リフロー装置を示す図、(b)は本実施形態の半田リフロー装置における温度プロファイルを示す図。 (a)は本実施形態における半田リフロー装置を示す図、(b)は本実施形態の半田リフロー装置における温度プロファイルを示す図。 (a)は本実施形態における半田リフロー装置を示す図、(b)は本実施形態の半田リフロー装置における温度プロファイルを示す図。 (a)は一般的な半田リフロー装置を示す図、(b)は一般的な半田リフロー装置における温度プロファイルを示す図。
符号の説明
1…加熱対象物、1a…表面、10…レーザ加熱装置、11…レーザビーム照射源、13…レーザビーム出射部、14…カバー、Lb…レーザビーム。

Claims (5)

  1. 加熱対象物における半田付部にレーザビームを照射して当該半田付部を加熱するための半田付用のレーザ加熱制御方法であって、
    前記加熱対象物における表面にレーザビームを時分割で繰返し照射して、レーザビームが照射された表面から非照射時における当該表面よりも深い部位への伝熱による熱の伝播により前記表面よりも深い部位を加熱しつつ半田付部を徐々に昇温するようにしたことを特徴とするレーザ加熱制御方法。
  2. 前記加熱対象物における半田付部の表面にレーザビームを時分割で繰返し照射する際に、レーザビームを当該半田付部に照射していない時に同一のレーザビーム照射源から出たレーザビームを他の半田付部に照射することにより複数の半田付部を時分割で加熱するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加熱制御方法。
  3. 熱容量が異なる半田付部にレーザビームを照射して各半田付部を加熱する際に、各々の半田付部に対するレーザビームの照射の繰返し回数を熱容量に応じた回数として各々の半田付部に対し単位時間あたり単位面積に供給するレーザエネルギー量を熱容量に応じた量としたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加熱制御方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置であって、
    レーザビーム出射部と前記加熱対象物との間の空間におけるレーザビームの光路となる領域をカバーで覆うとともに、当該カバーの内部において清浄なガスを半田付部に向かって流したことを特徴とするレーザ加熱装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加熱制御方法を採用したレーザ加熱装置であって、
    全体加熱方式の加熱装置を有する半田リフロー装置に、局部加熱装置として設置され、熱容量の違いによる昇温特性の違いを補正するようにしたことを特徴とするレーザ加熱装置。
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