JP3589013B2 - ハンダリフロー方法及びハンダリフロー装置 - Google Patents

ハンダリフロー方法及びハンダリフロー装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンダリフロー方法及びハンダリフロー装置に関する。
【0002】
【背景技術】
電子機器が小型化、軽量化、多機能化されるのに伴い、それに使用する電子部品も同様に、小型化、軽量化、多機能化されてきている。そのため、特に、BGA(Ball Grid Arrei)パッケージや、フリップチップ接合を用いた半導体装置等の高密度実装が開発されている。
【0003】
BGAパッケージは、プリント配線基板や、窒化アルミニウム等の高熱伝導性セラミックス更には、ポリイミド樹脂等の高耐熱樹脂等を用いた、基板やパッケージ基材の入出力部分に、半田ボールや、はんだメッキを施した銅ボール等で形成されたバンブを配置し、これを溶融してパッケージの入出力部を配線基板の端子に接続することを特徴とするものである。このような技術の出現により、BGAパッケージは、QFP(Quad Flat Package)を用いてプリント配線基板に接続するのに比較して、小型化、高集積化が容易に可能となる優れたパッケージである。
【0004】
上記のごときBGAパッケージの作成には、基板へのバンプ形成が重要な作業となる。一般にBGA基板を作成するために、基板へのバンプ形成は、例えば、特開平9−82713号公報の従来の技術に開示されているように、ハンダボールをヘッドに保持してワークの電極上に搭載した後、ワークを加熱炉で加熱してハンダボールを溶融個化させ電極上にバンプ(突出電極)を形成する。
【0005】
さらに詳述すると、従来BGA基板のバンプ形成は、BGA基板のバンプ形成箇所に、フラックスを塗布し、その上にハンダ粒子を整列載置し、フラックスの粘性を利用して仮固定する、次にハンダボールが搭載されたBGA基板はリフロー炉に搬送される。リフロー炉ではハンダ粒子を溶融しBGA基板にバンプを形成する。
【0006】
バンプ形成装置には、基板取り出し装置、フラックス塗布装置、ハンダ粒子整列搭載装置、リフロー炉などが設置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
BGA用基板に載置されるハンダ粒子を、溶融固化するためのリフロー炉は、バンプ形成装置の中でも、フラックス塗布装置、半田粒子整列搭載装置等と比較したときに、大型となってしまう。バンプ形成装置に占めるリフロー装置の占有面積を、いかに減少させるかが生産工場への設備配置の上からの大きな課題であった。
【0008】
また、BGA用基板に載置されるハンダ粒子を、溶融固化するためには、リフロー炉の長い炉内をBGA用基板が通過しなければならないため、BGA用基板への熱影響が大きく、BGA用基板が機能劣化を起したり、不良となってしまう等の課題があった。
【0009】
さらに、リフロー炉の炉内を加熱するためには、大きなエネルギを必要とするため、使用エネルギをいかに抑制するかも大きな課題であった。
【0010】
そこで本発明は、装置の小型化が容易で、ハンダ粒子を溶融固化するときのBGA用基板への熱影響を抑えることが可能であり、さらに、効率的な加熱が可能となるハンダリフロー方法及びハンダリフロー装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のハンダリフロー方法は、複数のハンダボールが配置された基板に面加熱型光加熱ヒータを用いて熱光線を照射することによって、前記基板のハンダボール配置位置に前記複数のハンダボールを溶融接続させるハンダリフロー方法において、
基板搬送機構と、該基板搬送機構の搬送方向に傾きを持つ前記面加熱型光加熱ヒータを設け、前記複数のハンダボールの溶融、凝固を助けるための温度勾配を設けたことを特徴とする。
【0012】
ここで、基板とは、ガラスエポキシ、有機プラスチックのフイルムまたはシートまたはアルミナ、炭化珪素等のセラミックス類、シリコン等の材料を用いて形成された配線基板である。
【0013】
また、面加熱型光加熱ヒータとは、加熱用光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータあるいは、加熱用光源から放射された熱光線を、レンズを用いて光軸を変化させ、平行照射させる面加熱型光加熱ヒータまたは、加熱用光源から放射された熱光線を反射する反射鏡と、レンズを用いて光軸を変化させ、平行照射させる面加熱型光加熱ヒータである。
【0014】
さらに、平行照射するとは、光源各点から出発する光を幾何光学的に扱うときに、反射鏡または、レンズ等を通過した各光線を平行光線又は略平行光線として照射することである。
【0015】
また、溶融接続させるとは、ハンダ溶融温度温度を確保して、ハンダボールが加熱され、ハンダボールのハンダが、ハンダボール配置位置に固着し、ハンダボールとハンダボール配置位置の電極とを電気的、機械的に接続させることである。
【0016】
上記説明したヒータを用いてBGA用基板のボール載置面を熱光線により面照射することで、照射された熱光線によりBGA基板は加熱され、ハンダボールも加熱することができる。
【0017】
照射した熱光線によりBGA基板上に搭載された該複数のハンダボールが、溶融温度に達することにより、BGA基板のハンダボール配置位置に、ハンダボールは溶融接続し、BGA基板に突起電極が形成される。
【0018】
その結果、本発明のハンダリフロー方法によれば、ハンダリフロー装置の小型化を容易にし、ハンダボールを溶融固化するときのBGA用基板への熱影響を抑えることが可能となり、且つ効率的な加熱を可能にする。
【0019】
請求項2のハンダリフロー方法は、前記基板を等速で移動させながら前記複数のハンダボール溶融接続させることを特徴とする。
【0020】
移動とは基板の照射範囲を相対的に移動させることをさし、基板の受光範囲において、光源からの距離が変化する場合には、光源からの距離の変化方向に、基板を移動することが望ましい。
【0021】
面加熱型光加熱ヒータから基板までの距離を変化させた照射範囲を、基板が移動することにより、BGA基板のボール載置面は、熱光線により、徐々に与熱され基板面に温度差をつけ、ハンダボール配置位置に、溶融接続することが可能となる。
【0022】
さらに、傾斜方向を逆転することにより、急激にハンダボールを溶融し基板を除冷することも可能となる。
【0023】
請求項3記載の半田リフロー装置は、面加熱型光加熱ヒータと、基板搬送機構と、該基板搬送機構の搬送方向に傾きを持って前記面加熱型光加熱ヒータを保持するための面加熱型光加熱ヒータ保持部とを有することを特徴とする。
【0024】
半田リフロー装置は複数のハンダボールが搭載された基板の搬送機構により、基板載置部に搬送され、基板載置部の基板載置範囲に載置することで、予め設定した、加熱用光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータの加熱範囲内に載置されることとなり、熱光線により前記基板上に搭載された複数のハンダボールを、基板のハンダボール配置位置に、溶融接続することが可能となる。複数のハンダボールを溶融接続した基板は搬送機構により、基板載置部より排出され、検査装置や、基板ストック装置等に搬送される。
【0025】
請求項4記載の半田リフロー装置は、前記基板載置する基板載置範囲に、前記基板を位置決めする位置決め機構を有することを特徴とする。
【0026】
半田リフロー装置は、BGA基板搬送機構と、BGA搬送機構と継接する基板載置部と、基板載置部と対向して、面型加熱ヒータが配置される。
【0027】
半田リフロー装置は複数のハンダボールが搭載された基板を基板載置部の基板載置範囲に載置することで、予め設定した、加熱用光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータの加熱範囲内に載置されることとなり、熱光線により前記基板上に搭載された複数のハンダボールを、基板のハンダボール配置位置に、溶融接続することが可能となる。
【0033】
請求項5記載の半田リフロー装置は、請求項3記載のハンダリフロー装置において、
前記面加熱型光加熱ヒータ保持部は、前記面加熱型光加熱ヒータの傾斜角度を調整するための機能を有することを特徴とする。
【0034】
面加熱型光加熱ヒータ保持部に、傾斜角度調整機能を有することで、面加熱ヒータと、基板に、傾斜角度を付与することにより、基板上の照射範囲に温度差が生じさせることが可能となる。生じた温度差が、基板の移動方向に生じさせるように、傾斜角度調整機能を配置することで、基板までの距離を変化させた照射範囲を、基板が移動することにより、BGA基板のボール載置面は、熱光線により、徐々に与熱され基板面に温度差をつけ、ハンダボール配置位置に、溶融接続することが可能となる。
【0035】
さらに、傾斜方向を逆転することにより、急激にハンダボールを溶融し基板を除冷することも可能となる。
【0036】
請求項6記載の半田リフロー装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載のハンダリフロー装置において、
前記面加熱光加熱ヒータはライン型であることを特徴とする。
【0037】
面加熱型光加熱ヒータは加熱用光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータであり、BGA基板の幅よりも大きな幅を有するライン型の反射鏡と、ライン型の発光部を有することで、基板上に搭載された複数のハンダボールを、基板のハンダボール配置位置に、溶融接続することが可能となる。
【0038】
請求項7記載の半田リフロー装置は、請求項3乃至6のいずれかに記載のハンダリフロー装置において、
前記面加熱型光加熱ヒータは、近赤外光線、赤外線等の熱光線を放射するヒータであることを特徴とする。
【0039】
面加熱型光加熱ヒータは加熱用光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータであり、加熱用光源から放射される熱光線は、近赤外光線、赤外線等の熱光線が用いられる。好ましくは、近赤外線により加熱可能な、ハロゲン光線を発生するヒータが好ましい。
【0040】
以上述べたごとく本発明によれば、少ないスペースで、同等の品質を有するBGA基板を得る事が可能となり、更に加熱範囲をリフロー炉を用いる方法と比較して抑える事が可能となる為、使用エネルギーを抑制することができるという効果を有する。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0042】
図1は実施例のハンダリフロー方法によって製造されるBGA基板の説明面図であり、(a)はBGA基板の断面図、(b)はBGA基板の平面図である。このBGA基板10は、BGA用基板1、半導体チップ3、ワイヤ4、封止樹脂部5及び複数のハンダボール配置位置2を有している。
【0043】
BGA基板10は、BGA用基板1に半導体チップ3を搭載し、半導体チップ3の電極9と、BGA用基板1の接続部6とを、ワイヤ4により継接しスルーホール8等によりBGA用基板1の表面のハンダボール配置位置2と接続する。半導体チップ3と、ワイヤ4と、接続部6とは、封止樹脂によって封止し、封止樹脂部5を形成する。ハンダボール配置位置2にはハンダボール7を載置し、ハンダボール配置位置2と、ハンダボール7とを熱により半田付することで、形成される。
【0044】
図2は実施例のハンダリフロー装置を説明するための概略図である。ハンダリフロー装置100は、第1の面加熱型光加熱ヒータ101、第2の面加熱型光加熱ヒータ102、第1の光源103、第2の光源104、第1の角度調整部105、第2の角度調整部106、第1の保持軸107、第1の位置調整機構109、第2の保持軸108、第2の位置調整機構110、基板搬送機構111、第1のセンサ112、第2のセンサ113、第3のセンサ114、より形成される。面加熱型光加熱ヒータは、光源から放射された熱光線を反射し平行照射させる反射鏡を有する面加熱型光加熱ヒータを用いた。
【0045】
また、第1の面加熱型光加熱ヒータ101、第2の面加熱型光加熱ヒータ102はそれぞれ、図示しない出力調整機能により加熱出力の変更が可能となっている。
【0046】
第1の面加熱型光加熱ヒータ101の第1の光源103及び、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の第2の光源104より照射される熱光線を説明するために、第1の面加熱型光加熱ヒータ101の端部より出射された熱光線を第1の光線116、第1の面加熱型光加熱ヒータ101の他の端部より出射された熱光線を第3の光線118、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の端部より出射された熱光線を第4の光線119、第2の面加熱型光加熱ヒータ101の他の端部より出射された熱光線を第6の光線120とする。
【0047】
さらに、第1の光線116の出発点を出射点a、第1の光線116の基板搬送機構111上面への到達点を受光点b、第3の光線118の出発点を出射点e、第3の光線118の基板搬送機構111上面への到達点を受光点f、第4の光線119の出発点を出射点g、第4の光線119の基板搬送機構111上面への到達点を受光点h、第6の光線120の出発点を出射点k、第6の光線120の基板搬送機構111上面への到達点を受光点m、として説明する。
【0048】
ハンダリフロー装置300の構造は、 BGA用基板1を搬送する基板搬送機構111と、基板搬送機構と対向して配置される第1の面加熱型光加熱ヒータ101、第2の面加熱型光加熱ヒータ102より構成される。第1の面加熱型光加熱ヒータ101には第1の光源103を有し照射範囲内での面加熱を可能としている。第1の面加熱型光加熱ヒータ101は第1の角度調整部105によって傾斜角度を変更し加熱条件を変えることが可能であり、さらに第1の保持軸107に継接された第1の位置調整機構109により、位置調整可能であり、さらに第1の位置調整機構109は装置本体に接続されている。
【0049】
また、第2の面加熱型光加熱ヒータ102も第2の角度調整部106によって傾斜角度を変更し加熱条件を変えることが可能であり、さらに第2の保持軸108に継接された第2の位置調整機構110により、位置調整可能であり、さらに第1の位置調整機構109は装置本体に接続されている。
【0050】
上記のように第1の面加熱型光加熱ヒータ101および第2の面加熱型光加熱ヒータ102は、照射角度や、照射距離を、変更可能な構造であるため、ハンダボール形状や特性に対応する加熱条件の変更が容易に可能となる。
【0051】
また、基板搬送機構111には、基板位置検知出用に第1のセンサ112と、第2のセンサ113と、第3のセンサ114と、を配置し基板の位置検出を行い、センサよりの信号を用いて、図示しない制御装置により第1の光源103および第2の光源104の出力制御を行う。
【0052】
ハンダリフロー装置100の基板搬送機構111は、図示しないハンダボール搭載装置の搬送機構と接続され、さらにハンダボール搭載装置は図示しないフラックス塗布装置と接続されさらに、フラックス塗布装置は、図示しないBGA用基板供給装置と接続されており、BGA用基板1は、ハンダリフロー装置100に供給される。
【0053】
また、ハンダリフローを終了したBGA基板10は、基板搬送機構111により搬送され、第3のセンサ114上を通過し、図示しない収納部に収納される。
【0054】
上記に説明したハンダリフロー装置100を用いて、BGA用基板1に搭載されたハンダボール7を溶融し、BGA基板10を形成する方法について述べる。
【0055】
まず、第1のハンダリフロー方法として、第1の光線116の出射点aから受光点bまでの距離と、第3の光線118の出射点eから受光点fまでの距離を等しくすることで第1の面加熱型光加熱ヒータ101の照射範囲内に載置されるBGA用基板1表面の、ハンダボール7群は、均一な光エネルギを与えられることになる。
【0056】
さらに第4の光線119の出射点gから受光点hまでの距離と、第6の光線120の出射点kから受光点mまでの距離を等しくすることで第2の面加熱型光加熱ヒータ102の照射範囲内に載置されるBGA用基板1表面の、ハンダボール7群は、均一な光エネルギを与えられる。
【0057】
この時の基板搬送機構111の表面と、第1の面加熱型光加熱ヒータ101および、基板搬送機構111の表面と、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の位置関係は、基板搬送機構111の表面に対し、第1の面加熱型光加熱ヒータ101は平行に配置されおり、さらに、基板搬送機構111の表面に対し、第2の面加熱型光加熱ヒータ102も平行に配置されている。第1の光線116と、第3の光線118と、第4の光線119と、第6の光線120は、基板搬送機構111の表面に、直角に照射される。このことから、第1の光線116の出射点aから受光点bの距離および、第3の光線118の出射点eから受光点fの距離、は約20mmの距離を確保するように、第1の位置調整機構109により位置調整を行い、さらに第4の光線119の出射点gから第4の光線119の受光点hの距離および、第6の光線120の出射点kから第6の光線120の受光点mの距離は、約20mmの距離を確保するように、第2の位置調整機構110により位置調整を行う。さらに各光線の受光点の平均温度が240℃となるように図示しない出力調整機構により、第1の面加熱型光加熱ヒータ101および第2の面加熱型光加熱ヒータ102の出力調整を行う。
【0058】
このような設定を行い、基板搬送機構111で、BGA用基板1を搬送し、
第1のセンサ112を、BGA用基板1が通過しさらに、第2のセンサ113をBGA用基板1が通過した状態で、 BGA用基板1の移動を停止し第2の面加熱型光加熱ヒータ102の照射範囲内にBGA用基板1を載置する。同様に、第1の面加熱型光加熱ヒータ101の照射範囲内にもBGA用基板1を載置する。
【0059】
第1の面加熱型光加熱ヒータ101の照射範囲内及び、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の照射範囲内にそれぞれBGA用基板1を載置した後に、第1の光源103及び第2の光源104に通電し、ハンダ溶融温度に上昇することで、ハンダボール7群を溶融してBGA基板10を形成することが可能となる。
【0060】
この後第1の光源103及び第2の光源104の通電を停止し、基板搬送機構111により、BGA基板10を搬送し、図示しない収納ストッカにBGA基板10を収納する。
【0061】
また第2のハンダリフロー方法としては、第1の角度調整部105により、第1の面加熱型光加熱ヒータ101の取り付け角度を調整し、第1の光線116の出射点aから受光点bまでの距離よりも、第3の光線118の出射点eから受光点fまでの距離を短くする。これにより、受光点bの光エネルギに比較して、受光点fの光エネルギは強くなる。従って、BGA用基板1が等速度で基板搬送機構111上を移動すれば、BGA基板温度は徐々に上昇することになる。そこで、第1の光線116の受光点bの測定温度を90℃、第3の光線118の受光点fの平均温度を250℃となるように第1の角度調整部105を調整した。このときの第1の光線116の出射点aから受光点bまでの距離は、約20mmの距離を確保するように、第1の位置調整機構109により高さ調整を行った。
【0062】
この時、面加熱型光加熱ヒータを用いていることにより、照射範囲内においては、光線の受光点における基板搬送機構111上の温度は、基板搬送機構111表面で、搬送方向と直角方向においては、受光点と均等な温度が確保できる。
【0063】
さらに、第2の角度調整部106により、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の取り付け角度を調整し、第4の光線119の出射点gから受光点hまでの距離よりも、第6の光線120の出射点kから受光点mまでの距離を長くする。これにより、受光点gの光エネルギに比較して、受光点mの光エネルギは強くなる。従って、BGA用基板1が等速度で基板搬送機構111上を移動すれば、BGA基板温度は徐々に下降することになる。そこで、第4の光線119の受光点hの平均測定温度を170℃、第6の光線120の受光点mの平均測定温度を80℃となるように第2の角度調整部106を調整した。このときの、第6の光線120の出射点kから受光点mは、約20mmの距離を確保するように、第2の位置調整機構110により位置調整を行った。
【0064】
この時、面加熱型光加熱ヒータを用いていることにより、照射範囲内においては、光線の受光点における基板搬送機構111上の温度は、基板搬送機構111表面で、搬送方向と直角方向においては、受光点と均等な温度が確保できる。
【0065】
基板搬送機構111の左側より基板搬送機構111上を供給されたBGA用基板1が、第1のセンサ112位置に達すると、該第1のセンサ112からの信号によって第1の光源103に通電し第1の面加熱型光加熱ヒータ101は加熱状態になる。さらに等速度でBGA用基板1が移動することにより、BGA用基板1と、BGA用基板1に載置されたハンダボール7は第1の光線116の照射位置から徐々に加熱され、第3の光線118の照射位置まで移動する間にハンダは溶融し、BGA用基板1とハンダボール7とは、接続される。ハンダボール7の溶融したBGA基板10が、さらに移動して、第2のセンサ113の位置に達すると、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の第2の光源104に通電される。
【0066】
さらに、BGA用基板1と、BGA用基板1に載置されたハンダボール7の移動にしたがって、第4の光線119の照射位置から徐々に徐冷され、第6の光線120の照射位置まで移動する間にハンダは固化して、BGA用基板1とハンダボール7とは、接続されBGA基板10が完成する。
【0067】
基板搬送機構111上を、 BGA基板10が等速度で移動し、第3のセンサ114上をBGA基板10が通り過ぎた信号を第3のセンサ114より発信し、第2の面加熱型光加熱ヒータ102の第2の光源104の通電を停止する。
【0068】
その後、基板搬送機構111により、BGA基板10を搬送し、図示しない収納ストッカにBGA基板10を収納する。
【0069】
以上に説明した第2のハンダリフロー方法によれば、ハンダリフロー装置100の構成により、溶融直後の急冷を防ぎ適正なハンダの固着条件を得ることで好ましい。
【0070】
上記説明における第1のセンサ112と、第2のセンサ113と、第3のセンサ114とは、BGA用基板1の供給状態により、変更可能なため、面加熱型光加熱ヒータへの通電状態を変化させることで、面加熱型光加熱ヒータの出力を余熱付与状態に設定し第1のセンサ112と、第2のセンサ113をBGA用基板1が通過する信号で、実際の加熱状態に出力変更が可能であるため、電力消費が削減されエネルギを抑制する効果を生む。また、出力遮断状態から、出力状態への変更も可能であるため、BGA用基板1の供給状態によりセンサの信号の処理方法を変更することで、さらに電力消費が削減されエネルギを抑制する効果を生む。
【0071】
また、熱雰囲気型リフロー炉の如く、密閉された装置内を基板が通過するものと異なり、開放構造のため、リフロー状態を流動中に遮光フィルタ等の保護手段を介して、目視による管理をも可能にする。
【0072】
上記に説明したハンダリフロー装置100の基板搬送機構111に、BGA基板の、大きさに合わせてガイド板を配置したり、パレットに載置したBGA基板を、基板搬送機構111上を移動させても、ハンダリフロー装置100の作動効率を上げ、BGA基板の、品質の均一化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のハンダリフロー方法によって製造されるBGA基板の構造を示す図である。
【図2】実施例のハンダリフロー装置を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 BGA用基板
2 ハンダボール配置位置
7 ハンダボール
10 BGA基板
100 ハンダリフロー装置
101 第1の面加熱型光加熱ヒータ
102 第2の面加熱型光加熱ヒータ
103 第1の光源
104 第2の光源
105 第1の角度調整部
106 第2の角度調整部
111 基板搬送機構
112 第1のセンサ
113 第2のセンサ
114 第3のセンサ
116 第1の光線
118 第3の光線
119 第4の光線
120 第6の光線
a 第1の光線の出射点
b 第1の光線の受光点
e 第3の光線の出射点
f 第3の光線の受光点
g 第4の光線の出射点
h 第4の光線の受光点
k 第6の光線の出射点
m 第6の光線の受光点

Claims (7)

  1. 複数のハンダボールが配置された基板に面加熱型光加熱ヒータを用いて熱光線を照射することによって、前記基板のハンダボール配置位置に前記複数のハンダボールを溶融接続させるハンダリフロー方法において、
    基板搬送機構と、該基板搬送機構の搬送方向に傾きを持つ前記面加熱型光加熱ヒータを設け、前記複数のハンダボールの溶融、凝固を助けるための温度勾配を設けたことを特徴とするハンダリフロー方法。
  2. 請求項1に記載のハンダリフロー方法において、
    前記基板を等速で移動させながら前記複数のハンダボール溶融接続させることを特徴とするハンダリフロー方法。
  3. 面加熱型光加熱ヒータと、基板搬送機構と、該基板搬送機構の搬送方向に傾きを持って前記面加熱型光加熱ヒータを保持するための面加熱型光加熱ヒータ保持部とを有することを特徴とするハンダリフロー装置。
  4. 請求項3記載のハンダリフロー装置において、
    前記基板載置する基板載置範囲に、前記基板を位置決めする位置決め機構を有することを特徴とするハンダリフロー装置。
  5. 請求項3記載のハンダリフロー装置において、
    前記面加熱型光加熱ヒータ保持部は、前記面加熱型光加熱ヒータの傾斜角度を調整するための機能を有することを特徴とするハンダリフロー装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載のハンダリフロー装置において、
    前記面加熱光加熱ヒータはライン型であることを特徴とするハンダリフロー装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれかに記載のハンダリフロー装置において、
    前記面加熱型光加熱ヒータは、近赤外光線、赤外線等の熱光線を放射するヒータであることを特徴とするハンダリフロー装置。
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