JP2019145617A - 半田接合方法、半田溶融方法、接合方法及び半田接合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる半田接合方法を提供する。【解決手段】本発明は、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する半田接合方法であって、回路基板4に、電気回路6を形成する回路形成工程と、電気回路6に半田10を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置工程と、この電子部品14を配置している状態の回路基板4の面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、半田10を加熱する半田接合工程とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、半田接合方法、半田溶融方法、接合方法及び半田接合装置に係り、特に、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合方法に関する。
従来から、電気回路に電子部品を半田接合する方法として、電気回路上に、ペースト状のはんだを印刷または塗布し、その上に電子部品を実装した回路基板をリフロー炉に投入し、半田接合する方法が知られている。
また、特許文献1に示すように、電気回路が低耐熱性材料上に形成されている場合、低耐熱性材料を加熱せずに、配線、電極、半田パッド、半田等の金属部分のみを加熱できる高周波誘導加熱による半田接合方法が知られている。
また、特許文献2に示すように、電気回路に電子部品を半田接合する方法として、レーザー光を基板の部品に照射してハンダボールを溶融させ半田接合を行う半田接合方法も知られている。
また、電気回路に電子部品を半田接合する方法として、スポットレーザーを電子部品の電極に投射し、各電極を一つずつ半田接合を行うスポットレーザー半田接合方法も知られている。
また、特許文献3に示すように、実装済の電子部品を電気回路から取り外すリワーク装置において、温風機による予備加熱後にレーザー光を照射して半田を溶融温度以上に加熱する加熱方法も知られている。
回路基板の電気回路上には様々な電子部品、例えばコンデンサ、IC、チップ部品等が混在して実装される。電子部品は様々な形状を有する。また、回路基板の材質も様々に異なり、低耐熱性材料で形成される場合がある。さらに、回路基板が、複数の面が形成される立体形状を形成する場合もある。
リフロー炉を用いて半田接合する場合、すべての異なる材料(回路基板、電子部品、半田など)を同じ温度雰囲気に投入して半田接合するため、個々の素材に最適の温度を加えることができず、半田接合が不良となる、又は電子部品や低耐熱性材料で形成された回路基板が熱で溶けてしまう等の課題があった。
低耐熱性材料で形成された回路基板は、安価であるため、このような回路基板を用いて電気回路を作成し、電子部品を接合できれば、大幅にコストダウンが図れる。しかしながら、低耐熱性材料で形成された回路基板は、熱で溶けやすく、リフロー炉を用いて半田接合できないという課題があった。
仮に特許文献1に示すような高周波誘導加熱により、電気回路上に電子部品を接合しようとしても、様々な形状の電子部品を電気回路上に接合しようとする場合には、様々な電子部品に対し、金属体積、コイルとの距離、半田量、材質、など、様々な要素を組み合わせて加熱量を決定する必要があり、加熱量の決定が難しいという課題があった。従って、様々な形状、素材の電子部品が混在している状態で、高周波誘導加熱により半田接合を行うと、半田接合が不良となる、又は低耐熱性材料で形成された回路基板や電子部品が熱で溶けてしまう等の課題があった。
特許文献2に示すようなレーザー光を回路基板に照射して半田接合を行う場合にも、低耐熱性材料の回路基板には、レーザー光を透過せずに、レーザーエネルギーを吸収蓄積するものがあるため、回路基板が溶けてしまうという課題があった。また、回路基板の電気回路上に様々な電子部品を接合しようとする場合に、レーザー光の照射を増やすと回路基板が溶ける課題がより顕著となる。なお、特許文献2では、レーザー光として1060nm以上4000nm以下の波長を有する近赤外線レーザーを使用することに限定されている。また、特許文献2では、レーザー光を所定の断面形状に絞るための円盤状のマスクホルダを使用し、このマスクホルダを通過した収束性のあるレーザー光を拡散させるための拡散レンズを使用する必要があった。
また、レーザー光に関し、スポットレーザーリフロー方式を採用した場合には、電子部品の各電極を一点一点スポットレーザー光により投射することとなるため、生産性が悪くなるという課題があった。また、レーザー光に焦点があり、レーザー光の中心部分のエネルギーが高すぎるので、半田が飛散するという課題も生じていた。
さらに、電気回路を、立体的な成型品の回路基板(3D実装デバイス)上に形成することが検討されている。このような立体的な回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合、多面体の一面を水平に支持し、その一面の上に電子部品を実装し、その後他の一面を水平になるように回転させ、他の一面の上に電子部品を実装する。このような実装を多面の数だけ繰り返し、電子部品の実装が全て完成した後、半田接合を行う半田接合工程が実行される。しかしながら、水平でない面に実装された電子部品が、半田接合工程前や半田接合行程中に落下してしまうという課題があった。
このような電子部品の落下を防ぐために、接着剤などで電子部品を仮止めすることが提案されている。しかしながら、接着剤の塗布工程が追加されるため、生産性が低下するという課題があった。また、接着剤で電子部品を仮止めすれば、半田接合時に溶融した半田の表面張力により、電子部品を正しい位置に戻すセルフアライメント効果を奏することができなくなるという課題もあった。
また、リフロー炉は、基本的に、板状で平面の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する目的で開発されているので、立体的な電気回路への電子部品の半田接合に適用できないという課題もあった。
さらに、立体的な成型品の回路基板は、低耐熱性材料を使用して形成されることが検討されている。例えば、回路基板は、例えば、ポリフタルアミド(PPA)のような耐熱温度が260℃のような低耐熱性材料で形成される。このような低耐熱性材料の回路基板の耐熱温度は半田の溶融温度に近い温度である。回路基板を溶かさずに、電子部品を半田接合するためには、立体的な回路基板に与える温度のコントロールを厳しく管理する必要があるという課題がある。
半田接合温度を正確に管理するために、立体的な成型品の回路基板への電子部品の半田接合には、ベーパーフェーズリフロー炉(VPS)が使用される場合がある。ベーパーフェーズリフロー炉は、沸点が半田融点に決められた、化学溶剤を沸騰させた蒸気雰囲気に、立体的な回路基板を投入し、半田接合する。このようなベーパーフェーズリフロー炉は、インライン化すると高価な化学溶剤が漏れ出してしまうため、実装ラインとのインライン化が難しく、量産するシステムの生産ラインに組み込みにくいという課題がある。
また、特許文献3に示すようなリワーク装置においては、温風機による温風を使用するため、加熱範囲を限定することが難しく、取り外す電子部品の周辺にある電子部品や回路基板も加熱してしまう課題がある。
また、従来のTCボンダーは、セラミックヒーターを使用し、フリップチップを加圧しながら熱伝導によりフリップチップに熱を伝えている。よって、フリップチップに熱が伝わるのに時間がかかり、フリップチップと回路基板とを接合するための所要時間が長く、生産性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、電子部品を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる半田接合方法を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合方法であって、上記回路基板に、上記電気回路を形成する回路形成工程と、上記電気回路に半田を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置する配置工程と、この電子部品を配置している状態の上記回路基板の面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、上記半田を加熱する半田接合工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱し、半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。よって、立体的な回路基板の接合しようとする面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱し、半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。よって、立体的な回路基板の接合しようとする面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記回路基板の一つの面に対し上記半田接合工程を実行した後、上記回路基板を回転させる回転工程と、次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、上記コイルの側方に位置決めする位置決め工程であって、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面を、上記コイルの側方からはずれるように位置決めする位置決め工程と、を備える。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、回転工程により、回路基板の一つの面に対し半田接合工程を実行した後、回路基板を回転させることができる。さらに、位置決め工程により、次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、コイルの側方に位置決めすることができる。この位置決め工程において、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面は、コイルの側方からはずれるように位置決めされる。よって、接合しようとする面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品を、複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる。さらに、既に半田接合された電子部品は、コイルの誘導加熱により、半田が溶融するまで加熱されないようにすることができる。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、回転工程により、回路基板の一つの面に対し半田接合工程を実行した後、回路基板を回転させることができる。さらに、位置決め工程により、次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、コイルの側方に位置決めすることができる。この位置決め工程において、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面は、コイルの側方からはずれるように位置決めされる。よって、接合しようとする面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、電子部品を、複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる。さらに、既に半田接合された電子部品は、コイルの誘導加熱により、半田が溶融するまで加熱されないようにすることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記半田接合工程を実行する間、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面を、冷却する冷却工程を備える。
このように構成された本発明においては、半田接合工程を実行する間、冷却工程により、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面を、半田が溶融するまで加熱されないように冷却することができる。
このように構成された本発明においては、半田接合工程を実行する間、冷却工程により、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面を、半田が溶融するまで加熱されないように冷却することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記半田接合工程を実行する間、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面に作用する磁界を減少させるブロック工程を備える。
このように構成された本発明においては、半田接合工程を実行する間、ブロック工程により、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面に作用する磁界を減少させ、半田が溶融するほど加熱されないようにすることができる。
このように構成された本発明においては、半田接合工程を実行する間、ブロック工程により、既に半田接合された電子部品を備える回路基板の面に作用する磁界を減少させ、半田が溶融するほど加熱されないようにすることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する面レーザー加熱工程を備える。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する際に、半田接合工程とレーザー加熱工程とを併用して、半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。
このように構成された本発明においては、複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する際に、半田接合工程とレーザー加熱工程とを併用して、半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。
本発明において、好ましくは、低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合方法であって、上記回路基板に、上記電気回路を形成する回路形成工程と、上記電気回路に半田を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置する配置工程と、この電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、コイルの誘導加熱により、加熱する第一加熱工程と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する第二加熱工程とを備える。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を加熱して電子部品を半田接合することができる。よって、半田の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的に半田接合することができる。また、半田を予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板に電子部品を半田接合する場合であっても、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱して電子部品を半田接合することができる。よって、半田が予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板に電子部品を半田接合する場合であっても、コイルの誘導加熱による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を加熱して電子部品を半田接合することができる。よって、半田の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的に半田接合することができる。また、半田を予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板に電子部品を半田接合する場合であっても、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱して電子部品を半田接合することができる。よって、半田が予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板に電子部品を半田接合する場合であっても、コイルの誘導加熱による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、面レーザー光の投射範囲を変更する範囲変更工程を備える。
このように構成された本発明においては、範囲変更工程により、半田接合しようとする電子部品の配置状態及び半田接合しようとする範囲に応じて、面レーザー光の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田接合の効率をより向上させることができる。また、回路基板の加熱したくない領域を避けながら半田接合しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板及び電子部品の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田接合を行うことができる。
このように構成された本発明においては、範囲変更工程により、半田接合しようとする電子部品の配置状態及び半田接合しようとする範囲に応じて、面レーザー光の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田接合の効率をより向上させることができる。また、回路基板の加熱したくない領域を避けながら半田接合しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板及び電子部品の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田接合を行うことができる。
本発明において、好ましくは、さらに、次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、上記コイルの上方又は下方に位置決めする位置決め工程を備える。
このように構成された本発明においては、位置決め工程によって、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、コイルの上方又は下方に位置決めすることができる。よって、接合しようとする面の上方又は下方に位置決めされたコイルの誘導加熱により、電子部品を、回路基板に効率よく半田接合することができる。
このように構成された本発明においては、位置決め工程によって、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、コイルの上方又は下方に位置決めすることができる。よって、接合しようとする面の上方又は下方に位置決めされたコイルの誘導加熱により、電子部品を、回路基板に効率よく半田接合することができる。
本発明において、好ましくは、上記回路基板は、複数の面を有する立体の回路基板である。
このように構成された本発明においては、電子部品を、複数の面を有する立体的な回路基板に半田接合することができる。
このように構成された本発明においては、電子部品を、複数の面を有する立体的な回路基板に半田接合することができる。
本発明において、好ましくは、低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に半田接合された電子部品の半田を溶融させる半田溶融方法であって、上記電子部品が半田接合されている上記回路基板の面を、コイルの誘導加熱により、加熱する第一加熱工程と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田を溶融しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する第二加熱工程とを備える。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田を加熱して半田溶融させ電子部品を取外すことができる。よって、半田の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的に半田溶融することができる。また、半田を予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板の電子部品を半田溶融する場合であっても、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱して半田溶融させ電子部品を取外すことができる。よって、半田が予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的に半田溶融させることができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板の電子部品を半田溶融する場合であっても、コイルの誘導加熱による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、半田の溶融までの時間が短縮され、半田溶融の作業効率を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田を加熱して半田溶融させ電子部品を取外すことができる。よって、半田の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的に半田溶融することができる。また、半田を予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板の電子部品を半田溶融する場合であっても、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面をコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱して半田溶融させ電子部品を取外すことができる。よって、半田が予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的に半田溶融させることができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板の電子部品を半田溶融する場合であっても、コイルの誘導加熱による回路基板の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、半田の溶融までの時間が短縮され、半田溶融の作業効率を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、面レーザー光の投射範囲を変更する範囲変更工程を備える。
このように構成された本発明においては、範囲変更工程により、半田溶融しようとする電子部品の配置状態及び半田溶融しようとする範囲に応じて、面レーザー光の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田溶融の効率をより向上させることができる。また、回路基板の加熱したくない領域を避けながら半田溶融しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板及び電子部品の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田溶融を行うことができる。
このように構成された本発明においては、範囲変更工程により、半田溶融しようとする電子部品の配置状態及び半田溶融しようとする範囲に応じて、面レーザー光の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田溶融の効率をより向上させることができる。また、回路基板の加熱したくない領域を避けながら半田溶融しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板及び電子部品の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田溶融を行うことができる。
本発明において、好ましくは、回路基板の電気回路に半導体フリップチップを接合する接合方法であって、バンプを備えた半導体フリップチップを準備する工程と、上記回路基板に、電極を含む上記電気回路を準備する工程と、接合しようとする上記半導体フリップチップの上記バンプを上記電気回路の上記電極上に配置する配置工程と、上記半導体フリップチップの上記バンプをコイルの誘導加熱により加熱する第一加熱工程と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより上記バンプを加熱する第二加熱工程とを備える。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを加熱して半導体フリップチップを接合することができる。よって、バンプが予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的にバンプを加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプを予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、回路基板に半導体フリップチップを接合する場合に、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱して半導体フリップチップを接合することができる。よって、バンプが予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的にバンプを加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、接合の時間が短縮され、タクトタイムを向上させ、生産性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを加熱して半導体フリップチップを接合することができる。よって、バンプが予め加熱されている状態から、面レーザー光により短時間で効率的にバンプを加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプを予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、回路基板に半導体フリップチップを接合する場合に、面レーザー光の回路基板への吸収による回路基板の温度上昇を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱して半導体フリップチップを接合することができる。よって、バンプが予め加熱されている状態から、コイルの誘導加熱により短時間で効率的にバンプを加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、接合の時間が短縮され、タクトタイムを向上させ、生産性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記配置工程の実行中のいずれかの期間において、上記半導体フリップチップの上記バンプを、上記コイルの誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を備える。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程により、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップのバンプを、予め予備加熱しておくことができ、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱を低減させることができる。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程により、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップのバンプを、予め予備加熱しておくことができ、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱を低減させることができる。
本発明において、好ましくは、上記第三加熱工程と上記第一加熱工程とが連続して実行される。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程と第一加熱工程とが連続して実行されるので、第三加熱工程後に半導体フリップチップのバンプの温度が低下することを抑制し、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱をより低減させることができる。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程と第一加熱工程とが連続して実行されるので、第三加熱工程後に半導体フリップチップのバンプの温度が低下することを抑制し、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱をより低減させることができる。
本発明において、好ましくは、上記第一加熱工程を省略して上記第三加熱工程を実行し、上記第三加熱工程は、上記半導体フリップチップの上記バンプを、上記回路基板の上方において、上記コイルの誘導加熱により加熱し、さらに、上記第二加熱工程は、上記コイルの下方に位置する上記電気回路に上記半導体フリップチップを配置した状態で、上記バンプを加熱して上記半導体フリップチップを接合する。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程により、回路基板の上方において、半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップのバンプを、予め予備加熱しておくことができると共に、回路基板の加熱を抑制することができる。さらに、第二加熱工程により、コイルの下方に位置する電気回路に半導体フリップチップを配置した状態で、面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを加熱して半導体フリップチップを接合することができる。
また、面レーザー光は光学系の設定によりコイルよりも離れた位置からバンプを加熱することができるので、面レーザー光装置を自由な位置に配置してコイルの下方で面レーザー光による接合を行うことができる。
このように構成された本発明においては、第三加熱工程により、回路基板の上方において、半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップのバンプを、予め予備加熱しておくことができると共に、回路基板の加熱を抑制することができる。さらに、第二加熱工程により、コイルの下方に位置する電気回路に半導体フリップチップを配置した状態で、面レーザー光を接合しようとする領域に投射することによりバンプを加熱して半導体フリップチップを接合することができる。
また、面レーザー光は光学系の設定によりコイルよりも離れた位置からバンプを加熱することができるので、面レーザー光装置を自由な位置に配置してコイルの下方で面レーザー光による接合を行うことができる。
本発明において、好ましくは、低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合装置であって、半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置した状態で上記回路基板を支持する支持機構と、この電子部品を上記半田上に配置している状態の上記回路基板の面を、コイルによる電磁誘導により加熱する誘導加熱装置と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射する面レーザー光装置とを備える。
このように構成された本発明においては、回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、誘導加熱装置のコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱することができる。また、面レーザー光装置により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を加熱することができる。よって、コイルの誘導加熱と面レーザー光の加熱とを併用して半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。また、半田が予め加熱されている状態からコイルの誘導加熱又は面レーザー光の加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。
このように構成された本発明においては、回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品を配置している状態の回路基板の面を、誘導加熱装置のコイルの誘導加熱により、電子部品、電極及び半田の金属部分を加熱することができる。また、面レーザー光装置により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより半田を加熱することができる。よって、コイルの誘導加熱と面レーザー光の加熱とを併用して半田を溶融させて電子部品を半田接合することができる。また、半田が予め加熱されている状態からコイルの誘導加熱又は面レーザー光の加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。
本発明において、好ましくは、回路基板の電気回路に半導体フリップチップを接合する接合方法であって、バンプを備えた半導体フリップチップを準備する工程と、上記回路基板に、電極を含む上記電気回路を準備する工程と、接合しようとする上記半導体フリップチップの上記バンプを上記電気回路の上記電極上に配置する配置工程と、上記半導体フリップチップの上記バンプをコイルの誘導加熱により加熱する第一加熱工程と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより上記回路基板上の非導電性部材であるノンコンダクティブペーストを加熱する第二加熱工程とを備える。
このように構成された本発明においては、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより回路基板上の非導電性部材のノンコンダクティブペーストを予め加熱することができる。よって、バンプ及びノンコンダクティブペーストを予め加熱しておくことができ、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプを予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。
このように構成された本発明においては、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップのバンプを、コイルの誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより回路基板上の非導電性部材のノンコンダクティブペーストを予め加熱することができる。よって、バンプ及びノンコンダクティブペーストを予め加熱しておくことができ、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプを予め加熱することにより、面レーザー光の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。
本発明の半田接合方法によれば、電子部品を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板に半田接合することができる。
つぎに、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による半田接合装置について説明する。
図1は本発明の第1実施形態による半田接合装置を備えた半田接合システムを説明する概略図であり、図2は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、誘導加熱装置のコイルを、回路基板の側方に配置している状態を支持機構を省略して示す概略斜視図であり、図3は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、回路基板がコイルの高さに到達する前の状態を、図2のIII−III線に沿って示す断面図であり、図4は図3に示す半田接合装置において、回路基板がコイルの側方に到達した状態を示す断面図であり、図5は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、コイルを螺旋状に延びるように形成した変形例を、図2のIII−III線に沿って示す断面図である。
図1は本発明の第1実施形態による半田接合装置を備えた半田接合システムを説明する概略図であり、図2は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、誘導加熱装置のコイルを、回路基板の側方に配置している状態を支持機構を省略して示す概略斜視図であり、図3は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、回路基板がコイルの高さに到達する前の状態を、図2のIII−III線に沿って示す断面図であり、図4は図3に示す半田接合装置において、回路基板がコイルの側方に到達した状態を示す断面図であり、図5は本発明の第1実施形態による半田接合装置において、コイルを螺旋状に延びるように形成した変形例を、図2のIII−III線に沿って示す断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による半田接合装置2は、半田接合システム1に備えられている。半田接合システム1は、複数の面を有する立体の回路基板4に電気回路6を形成する回路形成装置8と、回路基板4上の電気回路6に半田10を形成する半田塗布装置12と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置装置16と、電子部品14を回路基板4に半田接合する半田接合装置2と、回路形成装置8、半田塗布装置12、配置装置16及び半田接合装置2と電気的に接続され、これらの各々を制御する制御部20と、を備えている。回路形成装置8、半田塗布装置12、配置装置16及び半田接合装置2の全部又は一部がX−Y軸移動型のヘッド装置として形成され、一つの装置が移動されることにより、別の装置と切り替わるように形成されていてもよい。制御部20はこのような切替制御も実行することができる。
図2に示すように、回路基板4は、複数の面を形成するような立体形状に形成され、第1面4a、第2面4b及び第3面4cを備えている。回路基板4は、樹脂材料、例えば、ポリフタルアミド(PPA)のような低耐熱性材料で形成されている。ポリフタルアミド(PPA)で形成された回路基板4の耐熱温度は、概ね260℃である。低耐熱性材料は、例えば、耐熱温度が約230℃〜約300℃の範囲である材料である。なお、回路基板4は、他の樹脂材料で形成されていてもよい。回路基板4の耐熱温度は、半田10の溶融温度である230℃から数十度程度と比較的近い温度範囲にあるため、回路基板4の温度を耐熱温度以下に保つ必要がある。電気回路6は、立体の回路基板4上の複数の面、例えば第1面4a及び第2面4bにわたって形成されている。
半田10は、半田融点(溶融温度)が183℃である共晶半田(有鉛ハンダ)、半田融点(溶融温度)が217℃である鉛フリー半田(無鉛ハンダ)、又はさらに融点の低い低温半田であってもよい。例えば、鉛フリー半田(無鉛ハンダ)の半田接合に最適な温度は約250度とされているため、従来のリフロー炉のピーク温度は約265度に設定されている。
電子部品14は、ICチップ、例えば、SOP、QFP、BGA、CSP、PLCC等の略称のICを含む。これ以外にも、電子部品14は、チップ部品、電解コンデンサー、コネクター、タンタルコンデンサー等、様々な形状、大きさの電子部品として、回路基板4に半田接合するものを含む。様々な形状の電子部品14として、例えば、SOP、QFP等のICはリードがパッケージの外にガルウィング形状に形成されている。BGAのようなICチップは、パッケージの裏面にグリッド上に半田ボールを配置している。
制御部20は、本実施形態の半田接合方法の各工程を各装置に実行させる機能を有する。制御部20は、CPU及びメモリ等を内蔵し、所定の制御プログラム等に基づいて他の機器の制御を行うことができる。
制御部20は、本実施形態の半田接合方法の各工程を各装置に実行させる機能を有する。制御部20は、CPU及びメモリ等を内蔵し、所定の制御プログラム等に基づいて他の機器の制御を行うことができる。
半田接合装置2は、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する。半田接合装置2は、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置した状態で回路基板4を支持する支持機構22と、半田10を加熱して電子部品14を半田接合する高周波誘導加熱装置24とを備えている。
支持機構22は、回路基板4の任意の面を上面として水平に支持できる機能を有する。支持機構22は、回路基板4を任意の姿勢で支持した状態で回路基板4を移動できると共に、回路基板4を任意の姿勢に回転させることができる。よって、回路基板4が立体形状に形成されていても、電子部品14を半田接合しようとする面を上面として水平に保つことができる。
図2に示すように、高周波誘導加熱装置24は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを、コイル26による電磁誘導により加熱するようになっている。高周波誘導加熱装置24は、交流電流を生じさせる交流電源装置28と、概ねワークの形状に合わせて、作成された形状、例えば四角形状の輪を形成するようなコイル26と、を備えている。高周波誘導加熱装置24は、コイル26に交流電流を流すことにより、その周りに向き、強度の変化する磁力線を発生させる。磁力線の中に金属などの電気を通す物質を配置すると、この変化する磁力線の影響を受けて、金属の中に渦電流が流れる。金属には通常電気抵抗があるため、金属に電流が流れると、金属が自己発熱する。高周波誘導加熱装置24は、このメカニズムを利用して、半田10を加熱する。
コイル26は、回路基板4の半田接合しようとする第2面4bの側方を囲うような大きさに形成されている。後述するように、コイル26は、第2面4bとほぼ同じ高さに位置する状態で半田接合を行う。コイル26は、交流電源装置28と電気的に接続されている。コイル26に交流電流が流れると、コイル26を通る磁界が発生する。この磁界によりコイル26と離れた回路基板4上における金属部分、例えば電気回路6の半田パッド30、半田10及び電子部品14の電極32に誘導電流が発生し、ジュール熱により金属が発熱する。高周波誘導加熱装置24は、非接触で、半田接合を行うことができる。高周波誘導加熱装置24は、誘導加熱により金属部分のみを加熱するので、金属部分以外は加熱しないようにすることができる。コイル26は、第2面4bの側方を囲うような位置に位置することにより、効率的に誘導加熱を行うことができる。
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態による半田接合方法について説明する。本実施形態の半田接合方法は、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する方法である。
半田接合方法は、回路基板4に、電気回路6を形成する回路形成工程と、電気回路6に半田10を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置工程と、半田接合工程とを備えている。
半田接合方法は、回路基板4に、電気回路6を形成する回路形成工程と、電気回路6に半田10を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置工程と、半田接合工程とを備えている。
先ず、回路形成工程において、回路形成装置8により複数の面を有する立体の回路基板4に電気回路6を形成する。電気回路6には半田パッド30が形成されている。回路形成工程終了後、回路基板4は回路形成装置8から半田塗布装置12に移送される。なお、回路基板4が回路形成装置8から半田塗布装置12に移送される代わりに、回路基板4が配置された状態で、回路形成装置8及び半田塗布装置12がそれぞれ移動して、回路形成装置8から半田塗布装置12に切り替わるようにし、回路形成工程及び半田形成工程を順に行うようにしてもよい。 次に、半田形成工程において、半田塗布装置12により回路基板4上の電気回路6に半田10を形成する。半田10が半田パッド30条に印刷または配置される。半田形成工程終了後、回路基板4は半田塗布装置12から配置装置16に移送される。回路基板4が配置された状態で、半田塗布装置12及び配置装置16がそれぞれ移動して、半田塗布装置12から配置装置16に切り替わるようにし、半田形成工程及び配置工程を順に行うようにしてもよい。
次に、配置工程において、配置装置16により半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する。配置工程終了後、回路基板4及び電子部品14は配置装置16から半田接合装置2に移送される。回路基板4が配置された状態で、配置装置16及び半田接合装置2がそれぞれ移動して、配置装置16から半田接合装置2に切り替わるようにし、配置工程及び半田接合工程を順に行うようにしてもよい。半田接合装置2のコイル26が支持されている複数の電子部品14上をXY平面方向に順次移動しながら電子部品14を順次半田接合していくことができる。
次に、配置工程において、配置装置16により半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する。配置工程終了後、回路基板4及び電子部品14は配置装置16から半田接合装置2に移送される。回路基板4が配置された状態で、配置装置16及び半田接合装置2がそれぞれ移動して、配置装置16から半田接合装置2に切り替わるようにし、配置工程及び半田接合工程を順に行うようにしてもよい。半田接合装置2のコイル26が支持されている複数の電子部品14上をXY平面方向に順次移動しながら電子部品14を順次半田接合していくことができる。
図3に示すように、半田接合工程においては、半田接合装置2の支持機構22(図1参照)は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを上面として支持している。図4に示すように、支持機構22(図1参照)は、回路基板4を回路基板4の側方をコイル26が囲う位置まで上昇して位置決めする。この位置で、半田接合装置2は、コイル26の誘導加熱により、半田10を加熱して電子部品14を半田接合する。支持機構22は、回路基板4の高さ位置を調整できるので、立体形状の回路基板4の最適な位置を調整しながら、多様な電子部品14の半田接合に対応することができる。支持機構22は、回路基板4をコイル26の下方の中央位置に支持する位置決めを行い、コイル26が回路基板4の上方に位置する状態としてもよい。この位置で、半田接合装置2は、電子部品14を半田接合することができる。
半田接合工程は、さらに、回路基板4の一つの第2面4bに対し半田接合工程を実行した後、回路基板4を支持機構22により回転させる回転工程と、次に半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の第3面4cを、支持機構22によりコイル26の側方に位置決めする位置決め工程であって、既に半田接合された電子部品14を備える回路基板4の第1面4a及び第2面4bを、コイル26の側方からはずれるように位置決めする位置決め工程とを備える。
このようにして、半田接合工程において、第2面4bへの電子部品14の半田接合が終了した後、回路基板4を回転させ、第3面4cを上面にする。第3面4cが上面となった後、電子部品14を配置し、電子部品14を第3面4cに半田接合する。電子部品14の半田接合が終了した後に回路基板4を回転させるので、3次元的な多面体の各面において電子部品14を接着剤により仮止めする必要をなくすことができる。なお、図2においては、第2面4bへの半田接合が行われる前に、電子部品14の半田接合が終了した第1面4aが示されている。
なお、変形例として、位置決め工程において支持機構22が回路基板4のコイル26の側方までの上下動を省略するように形成される場合、支持機構22は回路基板4をコイル26の下方に位置させた状態で、回路基板4の回転のみを行い、支持機構22を単純化して、効率的に電子部品14の半田接合を行うことができる。
このようにして、半田接合工程において、第2面4bへの電子部品14の半田接合が終了した後、回路基板4を回転させ、第3面4cを上面にする。第3面4cが上面となった後、電子部品14を配置し、電子部品14を第3面4cに半田接合する。電子部品14の半田接合が終了した後に回路基板4を回転させるので、3次元的な多面体の各面において電子部品14を接着剤により仮止めする必要をなくすことができる。なお、図2においては、第2面4bへの半田接合が行われる前に、電子部品14の半田接合が終了した第1面4aが示されている。
なお、変形例として、位置決め工程において支持機構22が回路基板4のコイル26の側方までの上下動を省略するように形成される場合、支持機構22は回路基板4をコイル26の下方に位置させた状態で、回路基板4の回転のみを行い、支持機構22を単純化して、効率的に電子部品14の半田接合を行うことができる。
半田接合工程は、さらに、電子部品14を第3面4cに半田接合する半田接合工程を実行する間、既に半田接合された電子部品14を備える回路基板4の第1面4a及び第2面4bを、冷却する冷却工程を備える。半田接合装置2は、回路基板4の上面以外の面の冷却を行う冷却装置(図示せず)を備えていてもよい。このような冷却装置は例えば立体形状の回路基板4の側面に向けて空気等のガスを噴出する装置であってもよい。
半田接合工程は、さらに、電子部品14を第3面4cに半田接合する半田接合工程を実行する間、既に半田接合された回路基板4の第1面4a及び第2面4bに作用する磁界を減少させるブロック工程を備えている。ブロック工程は、コイル26と、回路基板4の側面となっている面、例えば第2面4bとの間に遮蔽板(図示せず)を配置することにより、コイル26から第1面4a及び第2面4bに作用する磁界を減少させる。遮蔽板(図示せず)は、コイル26の近傍の下方に配置される。
なお、変形例として、支持機構22による移動に代わり、コイル26を移動して回路基板4の側方をコイル26が囲うように位置決めしてもよい。
また、他の変形例として、図5に示すように、コイル26を螺旋状に延びるように形成してもよい。例えば、コイル26は4周程度巻かれている。コイル26が螺旋状に形成されることにより、コイル26の内側に生じる磁界の強度が上昇し、より強力な誘導加熱を行うことができる。このような螺旋状のコイル26が、回路基板4の側方に配置された状態で、コイル26の誘導加熱を行う。
また、他の変形例として、図5に示すように、コイル26を螺旋状に延びるように形成してもよい。例えば、コイル26は4周程度巻かれている。コイル26が螺旋状に形成されることにより、コイル26の内側に生じる磁界の強度が上昇し、より強力な誘導加熱を行うことができる。このような螺旋状のコイル26が、回路基板4の側方に配置された状態で、コイル26の誘導加熱を行う。
つぎに、上述した本発明の第1実施形態による半田接合方法における作用について説明する。
まず、本発明の第1実施形態による半田接合方法によれば、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱し、半田10を溶融させて電子部品14を半田接合することができる。よって、立体的な回路基板4の接合しようとする面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、電子部品14を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板4に半田接合することができる。
まず、本発明の第1実施形態による半田接合方法によれば、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱し、半田10を溶融させて電子部品14を半田接合することができる。よって、立体的な回路基板4の接合しようとする面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、電子部品14を、低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板4に半田接合することができる。
つぎに、本実施形態による半田接合方法によれば、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合において、回転工程により、回路基板4の一つの面に対し半田接合工程を実行した後、回路基板4を回転させることができる。さらに、位置決め工程により、次に半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面を、コイル26の側方に位置決めすることができる。この位置決め工程において、既に半田接合された電子部品14を備える回路基板4の面は、コイル26の側方からはずれるように位置決めされる。よって、接合しようとする面の側方を囲うコイル26の誘導加熱により、電子部品14を、複数の面を有する立体の回路基板4に半田接合することができる。さらに、既に半田接合された電子部品14は、コイル26の誘導加熱により、半田10が溶融するまで加熱されないようにすることができる。
また、本実施形態による半田接合方法によれば、半田接合工程を実行する間、冷却工程により、既に半田接合された電子部品14を備える回路基板4の面を、半田10が溶融するまで加熱されないように冷却することができる。
また、本実施形態による半田接合方法によれば、半田接合工程を実行する間、ブロック工程により、既に半田接合された電子部品14を備える回路基板4の面に作用する磁界を減少させ、半田10が溶融するほど加熱されないようにすることができる。
つぎに、図6〜図9を参照して、本発明の第2実施形態による半田接合装置について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態による半田接合装置を備えた半田接合システムを説明する概略図であり、図7は、本発明の第2実施形態による半田接合装置において、電子部品を配置している状態の回路基板、誘導加熱装置のコイルを示す平面図であり、図8aは、ガウシアン形状のエネルギー分布特性を有するレーザー光を説明する図であり、図8bは、ビームシェイパーにより形成された面レーザー光を説明する図であり、図9は本発明の第2実施形態による半田接合装置の変形例を示す概略図である。図8aの縦軸においてレーザー光のエネルギー分布を示し、横軸において位置を示している。図8bの縦軸においてレーザー光のエネルギー分布を示し、横軸において位置を示している。
第2実施形態による半田接合システム101は、上述した第1実施形態による半田接合システム1と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図6は、本発明の第2実施形態による半田接合装置を備えた半田接合システムを説明する概略図であり、図7は、本発明の第2実施形態による半田接合装置において、電子部品を配置している状態の回路基板、誘導加熱装置のコイルを示す平面図であり、図8aは、ガウシアン形状のエネルギー分布特性を有するレーザー光を説明する図であり、図8bは、ビームシェイパーにより形成された面レーザー光を説明する図であり、図9は本発明の第2実施形態による半田接合装置の変形例を示す概略図である。図8aの縦軸においてレーザー光のエネルギー分布を示し、横軸において位置を示している。図8bの縦軸においてレーザー光のエネルギー分布を示し、横軸において位置を示している。
第2実施形態による半田接合システム101は、上述した第1実施形態による半田接合システム1と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図6に示すように、本発明の第2実施形態による半田接合装置102は、半田接合システム101に備えられている。半田接合システム101は、電子部品14を回路基板4に半田接合する半田接合装置102と、回路形成装置8、半田塗布装置12、配置装置16及び半田接合装置102と電気的に接続されてこれらの各々を制御する制御部120と、を備えている。半田接合装置102は、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に対してのみならず、単一の面を形成する平板上の回路基板4の電気回路6に対しても、電子部品14を短時間で回路基板4を溶かすことなく良好に半田接合することができる。また、回路基板4がレーザー光を吸収しやすい材料で形成されている場合においても、回路基板4を溶かすことなく良好に半田接合することができる。
本発明の第2実施形態による半田接合装置102においては、第1実施形態による半田接合装置2において半田接合できなかった又は半田接合がしにくい電子部品14又は電子部品14の配置についても半田接合を行いやすくなっている。例えば、電気回路6上には、電解コンデンサー、コネクター、タンタルコンデンサー等の非常に多くの電子部品が混載されて実装されている。また、電気回路6上には、チップ部品、例えば通称0201と呼ばれる、極小チップ部品(サイズ0.25mm × 0.125mm)や、通称3216と呼ばれるチップ部品(サイズ3.2mm × 1.6mm)等のような非常に多くのサイズ、種類のチップ部品が混載されて実装される。半田接合装置102は、例えば、様々な電子部品14が混在する電気回路6においても半田接合を行いやすくなっている。
半田接合装置102は、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する。半田接合装置102は、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置した状態で回路基板4を支持する支持機構22と、半田10を加熱して電子部品14を半田接合する高周波誘導加熱装置24と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域Aに投射する面レーザー光装置134と、を備えている。エネルギー分布の平滑化には、頂部を比較的なだらかにした状態や、エネルギー分布の頂部を比較的平らにした状態も含まれる。
高周波誘導加熱装置24は、概ねワークの形状に合わせて作成された形状、例えば四角形状の輪を形成するようなコイル126を備えている。コイル126は、回路基板4の上方に配置されている。コイル126は、上面視で回路基板4の半田接合しようとする第2面4bの領域を囲うような大きさに形成されている。コイル126は、環状に形成され、その内側において後述する面レーザー光142を通過させる空間を形成する。コイル126が回路基板4の上方に配置されているので、コイル126を水平移動するのみで、冶具上に並べられた多数の回路基板4を、連続して半田接合することができる。
図9に示すように、変形例として、コイル126は、回路基板4の下方に配置されていてもよい。このとき、面レーザー光142をコイル126の内側だけでなく、外側の領域まで拡大して投射することができる。
さらに別の変形例として、コイル126は、第2面4bとほぼ同じ高さにおいて第2面4bの側方に配置されていてもよい。
さらに別の変形例として、コイル126は回路基板4の上方と下方の両方に配置されていてもよい。面レーザー光142をコイル126の内側に投射することにより、さらに半田接合時間を短縮することができる。
さらに別の変形例として、コイル126は、第2面4bとほぼ同じ高さにおいて第2面4bの側方に配置されていてもよい。
さらに別の変形例として、コイル126は回路基板4の上方と下方の両方に配置されていてもよい。面レーザー光142をコイル126の内側に投射することにより、さらに半田接合時間を短縮することができる。
面レーザー光装置134は、レーザー光源136と、光ファイバー138と、ビームシェイパー140とを備えている。レーザー光源136は、半田接合に必要な出力のレーザー光を発生させる。レーザー光源136は、ガウシアン形状のエネルギー分布特性を有するスポットビームを生じさせるレーザー光発生装置である。レーザー光源136は、900nm以上1000nm以下の波長の赤外線レーザーを発する。図8aに示すように、ガウシアン形状のエネルギー分布特性を有するレーザー光141は、中心部にエネルギーが集中した高エネルギー焦点141aが存在する。光ファイバー138は、レーザー光源136からビームシェイパー140まで延び、レーザー光141を導くようになっている。
ビームシェイパー140は、コイル26より上方に配置され、回路基板4に対してコイル26より離れた位置に配置されている。ビームシェイパー140は、ガウシアン形状のエネルギー分布特性を有するスポットビームであるレーザー光141を、光学的に、焦点のない、面レーザー光142(図6及び図8b参照)に変換する機能を有する。面レーザー光142は、面レーザー光142が投射される平面上の一定の面積の範囲内においてほぼ均一な熱分布及びエネルギー分布を形成する。面レーザー光142は、投射される平面において四角形状の投射領域Aを形成する。投射領域Aは、円形状に形成されてもよい。ビームシェイパー140により形成される面レーザー光142は、コイル26の内側空間を通過して、コイル126の下方の回路基板4に投射される。ビームシェイパー140は、制御部120の制御プログラムにより光学系が変更され、回路基板4上の面レーザー光142の投射範囲(領域)の大きさ、形状を制御することができる。制御部120は、ビームシェイパー140を制御することにより、レーザー投射範囲を変更しながら、電子部品14ごと、複数の電子部品14をまとめて、又は任意の電子部品14のみ等の半田接合を行うことができる。投射領域Aは、図7に示すように電子部品14の一つを覆うような領域として形成されていてもよく、また、図6に示すように複数の電子部品14をまとめて覆うような領域として形成されていてもよい。
また、複数の面を有するような立体の回路基板4において、電子部品14が配置される面が複数段に高さがずれて形成されていても、面レーザー光142は、所定の領域ごとに、或いはまとめた領域を加熱することができる。
また、複数の面を有するような立体の回路基板4において、電子部品14が配置される面が複数段に高さがずれて形成されていても、面レーザー光142は、所定の領域ごとに、或いはまとめた領域を加熱することができる。
次に、本発明の第2実施形態による半田接合方法について説明する。本実施形態の半田接合方法は、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する方法である。
半田接合方法は、回路基板4に、電気回路6を形成する回路形成工程と、電気回路6に半田10を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、範囲変更工程と、を備えている。
半田接合方法は、回路基板4に、電気回路6を形成する回路形成工程と、電気回路6に半田10を形成する半田形成工程と、半田接合しようとする電子部品14を半田10上に配置する配置工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、範囲変更工程と、を備えている。
第2実施形態による半田接合方法の回路形成工程、半田形成工程及び配置工程は、第1実施形態による半田接合方法の回路形成工程、半田形成工程及び配置工程とほぼ同じであるため説明を省略する。
配置工程終了後、回路基板4は配置装置16から半田接合装置102に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の中心の鉛直上方又は鉛直下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
配置工程終了後、回路基板4は配置装置16から半田接合装置102に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の中心の鉛直上方又は鉛直下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
図6に示すように、第一加熱工程においては、電子部品14を配置している状態の回路基板4の面及び半田10を、コイルの誘導加熱により、予備加熱する。第一加熱工程においては、半田接合装置102は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、回路基板4の耐熱温度より低い温度、より好ましくは半田10の溶融温度、さらに好ましくは半田10の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱させる。例えば、半田接合装置102は、半田10を、200℃から260℃より低い温度範囲、より好ましくは200℃から240℃の範囲、さらに好ましくは200℃から230℃の範囲、さらに好ましくは230℃に加熱させる。
なお、第一加熱工程において、半田10を、コイルの誘導加熱により、少なくとも一部の半田10の溶融温度まで加熱してもよい。この場合、第一加熱工程において溶融できなかった半田10を第二加熱工程において確実に溶融させることができる。第2実施形態の面レーザー光装置134を第1実施形態の半田接合装置2に適用することにより、第1実施形態の半田接合装置2において、第2実施形態の第二加熱工程を実行することが可能である。
なお、第一加熱工程において、半田10を、コイルの誘導加熱により、少なくとも一部の半田10の溶融温度まで加熱してもよい。この場合、第一加熱工程において溶融できなかった半田10を第二加熱工程において確実に溶融させることができる。第2実施形態の面レーザー光装置134を第1実施形態の半田接合装置2に適用することにより、第1実施形態の半田接合装置2において、第2実施形態の第二加熱工程を実行することが可能である。
制御部120は、第一加熱工程の実行開始に続いて、第二加熱工程を実行する。第二加熱工程においては、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田接合しようとする領域Aに投射することにより半田10を加熱して電子部品14を半田接合する。第二加熱工程は、第一加熱工程の終了後に実行されてもよいし、第一加熱工程と並行して実行されてもよい。
第二加熱工程においても、半田接合装置102は、面レーザー光142の投射により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田接合装置102の制御部120は、回路基板4の半田10の温度、面レーザー光142の投射範囲、出力、投射時間等に基づいて、半田10の温度上昇を制御することができる。第一加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、面レーザー光142を投射する時間を非常に短時間に短縮しても、半田10を溶融して電子部品14を半田接合することができる。よって、面レーザー光142の加熱量は抑制されるため、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー光源136を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合であっても、面レーザー光142により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。また、面レーザー光142は、半田接合しようとする領域Aのみを加熱するので、領域A以外の回路基板4の部分に配置される電子部品14及び回路基板4を加熱することを防ぐことができる。また、第一加熱工程と並行して第二加熱工程が実行されるので、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
第二加熱工程においても、半田接合装置102は、面レーザー光142の投射により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田接合装置102の制御部120は、回路基板4の半田10の温度、面レーザー光142の投射範囲、出力、投射時間等に基づいて、半田10の温度上昇を制御することができる。第一加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、面レーザー光142を投射する時間を非常に短時間に短縮しても、半田10を溶融して電子部品14を半田接合することができる。よって、面レーザー光142の加熱量は抑制されるため、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー光源136を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合であっても、面レーザー光142により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。また、面レーザー光142は、半田接合しようとする領域Aのみを加熱するので、領域A以外の回路基板4の部分に配置される電子部品14及び回路基板4を加熱することを防ぐことができる。また、第一加熱工程と並行して第二加熱工程が実行されるので、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
第二加熱工程の実行に際し、制御部120は、範囲変更工程を実行することができる。範囲変更工程は、第二加熱工程の実行前、実行後又は実行中に実行される。
範囲変更工程においては、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲を変更する。制御部120は、範囲変更工程において、ビームシェイパー140を制御し、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲の大きさ、形状を変更することができる。半田接合しようとする電子部品14の配置状態及び半田接合範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田接合の効率をより向上させることができる。
範囲変更工程においては、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲を変更する。制御部120は、範囲変更工程において、ビームシェイパー140を制御し、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲の大きさ、形状を変更することができる。半田接合しようとする電子部品14の配置状態及び半田接合範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田接合の効率をより向上させることができる。
なお、変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とが逆の順に実行開始されてもよい。制御部120は、第一加熱工程の実行開始の前に、第二加熱工程を実行する。第二加熱工程において、面レーザー光142を領域Aに投射することにより半田10を予備加熱する。第二加熱工程において、半田10は、回路基板4の耐熱温度より低い温度、より好ましくは半田10の溶融温度、さらに好ましくは半田10の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱される。なお、第二加熱工程において、半田10を、面レーザー光142により、少なくとも一部の半田10の溶融温度まで加熱してもよい。この場合、第二加熱工程において溶融できなかった半田10を第一加熱工程において確実に溶融させることができる。
制御部120は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半田接合装置102は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又は出力を低減しても、半田10を溶融して電子部品14を半田接合することができる。よって、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合であっても、コイル126の誘導加熱により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
制御部120は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半田接合装置102は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又は出力を低減しても、半田10を溶融して電子部品14を半田接合することができる。よって、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合であっても、コイル126の誘導加熱により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、さらなる変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行又はほぼ同時に実行開始してもよい。制御部120は、第一加熱工程及び第二加熱工程を並行して実行する。第一加熱工程と並行して第二加熱工程が実行されるので、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
つぎに、上述した本発明の第2実施形態による半田接合方法における作用について説明する。
まず、本発明の第2実施形態による半田接合方法によれば、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する際に、半田接合工程とレーザー加熱工程とを併用して、半田10を溶融させて電子部品14を半田接合することができる。
まず、本発明の第2実施形態による半田接合方法によれば、複数の面を有する立体の回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する際に、半田接合工程とレーザー加熱工程とを併用して、半田10を溶融させて電子部品14を半田接合することができる。
つぎに、本実施形態による半田接合方法によれば、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田接合しようとする領域に投射することにより半田10を加熱して電子部品14を半田接合することができる。よって、半田10の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光142により短時間で効率的に半田接合することができる。また、半田10を予め加熱することにより、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4に電子部品14を半田接合する場合であっても、面レーザー光142の回路基板4への吸収による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田接合しようとする領域に投射することにより半田10を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱して電子部品14を半田接合することができる。よって、半田10が予め加熱されている状態から、コイル126の誘導加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板4に電子部品14を半田接合する場合であっても、コイル126の誘導加熱による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行される場合には、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田接合しようとする領域に投射することにより半田10を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱して電子部品14を半田接合することができる。よって、半田10が予め加熱されている状態から、コイル126の誘導加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板4に電子部品14を半田接合する場合であっても、コイル126の誘導加熱による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行される場合には、半田接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態による半田接合方法によれば、範囲変更工程により、半田接合しようとする電子部品14の配置状態及び半田接合しようとする範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田接合の効率をより向上させることができる。また、回路基板4の加熱したくない領域を避けながら半田接合しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板4及び電子部品14の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田接合を行うことができる。
また、本実施形態による半田接合方法によれば、位置決め工程によって、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面を、コイル126の上方又は下方に位置決めすることができる。よって、接合しようとする面の上方又は下方に位置決めされたコイル126の誘導加熱により、電子部品14を、回路基板4に効率よく半田接合することができる。
また、本実施形態による半田接合方法によれば、電子部品14を、複数の面を有する立体的な回路基板4に半田接合することができる。
また、本実施形態による半田接合装置102によれば、回路基板4の電気回路6に電子部品14を半田接合する場合において、半田接合しようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面を、誘導加熱装置のコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱することができる。また、面レーザー光装置134により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田接合しようとする領域に投射することにより半田10を加熱することができる。よって、コイル126の誘導加熱と面レーザー光142の加熱とを併用して半田10を溶融させて電子部品14を半田接合することができる。また、半田10が予め加熱されている状態からコイル126の誘導加熱又は面レーザー光142の加熱により短時間で効率的に半田接合することができる。
つぎに、図10を参照して、本発明の第3実施形態による半田溶融装置について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態による半田溶融装置を備えた半田溶融システムを説明する概略図である。
第3実施形態による半田溶融システム201は、上述した第2実施形態による半田接合システム101と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第3実施形態の第2実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図10は、本発明の第3実施形態による半田溶融装置を備えた半田溶融システムを説明する概略図である。
第3実施形態による半田溶融システム201は、上述した第2実施形態による半田接合システム101と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第3実施形態の第2実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図10に示すように、本発明の第3実施形態による半田溶融装置202は、半田溶融システム201に備えられている。半田溶融システム201は、回路基板4の電気回路6に半田接合された電子部品14の半田10を溶融させる半田溶融装置202と、半田溶融装置202と電気的に接続され、半田溶融装置202を制御する制御部220と、を備えている。
半田溶融装置202は、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に半田接合された電子部品14の半田10を溶融させる。半田溶融装置202は、電子部品14が半田接合されている回路基板4を支持する支持機構22と、電子部品14を半田接合している半田10を加熱する高周波誘導加熱装置24と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田を溶融させようとする領域Aに投射する面レーザー光装置134とを備えている。
次に、本発明の第3実施形態による半田溶融方法について説明する。本実施形態の半田溶融方法は、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路6に半田接合された電子部品14の半田10を溶融させる方法である。
半田溶融方法は、半田10を溶融させようとする電子部品14を備えた回路基板4を準備する準備工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、範囲変更工程とを備えている。
半田溶融方法は、半田10を溶融させようとする電子部品14を備えた回路基板4を準備する準備工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、範囲変更工程とを備えている。
先ず、準備工程において、リワーク対象の電子部品14と半田接合された回路基板4を準備する。
準備工程終了後、電子部品14及び回路基板4は半田溶融装置202に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に半田溶融させようとする回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の上方又は下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14が半田接合されている回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
準備工程終了後、電子部品14及び回路基板4は半田溶融装置202に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に半田溶融させようとする回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の上方又は下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14が半田接合されている回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
図10に示すように、第一加熱工程においては、電子部品14が半田接合されている回路基板4の面及び半田10を、コイル126の誘導加熱により、予備加熱する。第一加熱工程においては、半田溶融装置202は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、回路基板4の耐熱温度より低い温度、より好ましくは半田10の溶融温度、さらに好ましくは半田10の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱させる。例えば、半田溶融装置202は、半田10を、200℃から260℃より低い温度範囲、より好ましくは200℃から240℃の範囲、さらに好ましくは200℃から230℃の範囲、さらに好ましくは230℃に加熱させる。
制御部220は、第一加熱工程に続いて、第二加熱工程を実行する。第二加熱工程においては、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田を溶融しようとする領域Aに投射することにより半田10を加熱して溶融させる。半田10を溶融させることにより、電子部品14を取り外すことができる。第二加熱工程は、第一加熱工程の終了後に実行されてもよいし、第一加熱工程と並行して実行されてもよい。
第二加熱工程においても、半田溶融装置202は、面レーザー光142の投射により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田溶融装置202の制御部220は、回路基板4の半田10の温度、面レーザー光142の投射範囲、出力、投射時間等に基づいて、半田10の温度上昇を制御することができる。第一加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、面レーザー光142を非常に短時間の間投射することにより、半田10を溶融して電子部品14を早期に且つ簡単に取り外すことができる。よって、面レーザー光142の加熱量は抑制されるため、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー光源136を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路の半田10を溶融させる場合であっても、面レーザー光142により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。また、面レーザー光142は、半田を溶融しようとする領域Aのみを加熱するので、領域A以外の回路基板4の部分に配置される電子部品14及び回路基板4を加熱することを防ぐことができる。
第二加熱工程の実行に際し、制御部220は、範囲変更工程を実行することができる。範囲変更工程は、第二加熱工程の実行前、実行後又は実行中に実行される。
範囲変更工程においては、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲を変更する。制御部220は、範囲変更工程において、ビームシェイパー140を制御し、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲の大きさ、形状を変更することができる。半田10を溶融させようとする半田10の配置状態及び半田接合範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田10を溶融しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田溶融の効率をより向上させることができる。
範囲変更工程においては、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲を変更する。制御部220は、範囲変更工程において、ビームシェイパー140を制御し、コイル126の内側領域において、面レーザー光142の投射範囲の大きさ、形状を変更することができる。半田10を溶融させようとする半田10の配置状態及び半田接合範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田10を溶融しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田溶融の効率をより向上させることができる。
なお、変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とが逆の順に実行開始されてもよい。制御部220は、第一加熱工程の実行開始の前に、第二加熱工程を実行開始する。第二加熱工程において、面レーザー光142を領域Aに投射することにより半田10を予備加熱する。第二加熱工程において、半田10は、回路基板4の耐熱温度より低い温度、より好ましくは半田10の溶融温度、さらに好ましくは半田10の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱される。なお、第二加熱工程において、半田10を、面レーザー光142により、少なくとも一部の半田10の溶融温度まで加熱してもよい。この場合、第二加熱工程において溶融できなかった半田10を第一加熱工程において確実に溶融させることができる。
制御部220は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半田溶融装置202は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又はコイル126の出力を低減しても、半田10を加熱して溶融させることができる。半田10を溶融させることにより、電子部品14を取り外すことができる。よって、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路の半田10を溶融させる場合であっても、コイル126の誘導加熱により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
制御部220は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半田溶融装置202は、コイル126の誘導加熱により、半田10を、半田10の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半田10が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又はコイル126の出力を低減しても、半田10を加熱して溶融させることができる。半田10を溶融させることにより、電子部品14を取り外すことができる。よって、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電気回路の半田10を溶融させる場合であっても、コイル126の誘導加熱により回路基板4を耐熱温度まで上昇させてしまうことを抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、さらなる変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行又はほぼ同時に実行開始してもよい。制御部220は、第一加熱工程及び第二加熱工程を並行して実行する。第一加熱工程と並行して第二加熱工程が実行されるので、半田の溶融までの時間が短縮され、半田溶融の作業効率を向上させることができる。
つぎに、上述した本発明の第3実施形態による半田溶融方法における作用について説明する。
まず、本発明の第3実施形態による半田溶融方法によれば、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田10を加熱して半田溶融させ電子部品14を取外すことができる。よって、半田10の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光142により短時間で効率的に半田溶融することができる。また、半田10を予め加熱することにより、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電子部品14を半田溶融する場合であっても、面レーザー光142の回路基板4への吸収による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田10を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱して半田溶融させ電子部品14を取外すことができる。よって、半田10が予め加熱されている状態から、コイル126の誘導加熱により短時間で効率的に半田溶融させることができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電子部品14を半田溶融する場合であっても、コイル126の誘導加熱による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行される場合には、半田10の溶融までの時間が短縮され、半田溶融の作業効率を向上させることができる。
まず、本発明の第3実施形態による半田溶融方法によれば、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田10を加熱して半田溶融させ電子部品14を取外すことができる。よって、半田10の金属部分が予め加熱されている状態から、面レーザー光142により短時間で効率的に半田溶融することができる。また、半田10を予め加熱することにより、面レーザー光142の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。さらに、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電子部品14を半田溶融する場合であっても、面レーザー光142の回路基板4への吸収による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光142を半田溶融させようとする領域に投射することにより半田10を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、半田溶融させようとする電子部品14を配置している状態の回路基板4の面をコイル126の誘導加熱により、電子部品14、電極32及び半田10の金属部分を加熱して半田溶融させ電子部品14を取外すことができる。よって、半田10が予め加熱されている状態から、コイル126の誘導加熱により短時間で効率的に半田溶融させることができる。また、低耐熱性材料により形成された回路基板4の電子部品14を半田溶融する場合であっても、コイル126の誘導加熱による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、低耐熱性材料の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行される場合には、半田10の溶融までの時間が短縮され、半田溶融の作業効率を向上させることができる。
つぎに、本実施形態による半田溶融方法によれば、範囲変更工程により、半田溶融しようとする電子部品14の配置状態及び半田溶融しようとする範囲に応じて、面レーザー光142の投射範囲を変更することができる。よって、半田接合しようとする範囲のみを効率的に加熱でき、半田溶融の効率をより向上させることができる。また、回路基板4の加熱したくない領域を避けながら半田溶融しようとする領域を加熱することができる。従って、回路基板4及び電子部品14の溶融を抑制し、より信頼性の高い半田溶融を行うことができる。
つぎに、図11〜図15を参照して、本発明の第4実施形態による接合装置について説明する。
図11は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムを説明する概略図であり、図12は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムの変形例を説明する概略図であり、図13は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムのさらなる変形例を説明する概略図であり、図14は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図であり、図15は、図14の半導体フリップチップ接合装置において第二加熱工程を実行する様子を示す概略図であり、図16は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図であり、図17は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図である。
第4実施形態によるフリップチップ接合システム301は、上述した第2実施形態による接合システム101と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第4実施形態の第2実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図11は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムを説明する概略図であり、図12は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムの変形例を説明する概略図であり、図13は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置を備えたフリップチップ接合システムのさらなる変形例を説明する概略図であり、図14は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図であり、図15は、図14の半導体フリップチップ接合装置において第二加熱工程を実行する様子を示す概略図であり、図16は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図であり、図17は、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置の変形例を説明する概略図である。
第4実施形態によるフリップチップ接合システム301は、上述した第2実施形態による接合システム101と構造がほぼ同じであるため、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略し、ここでは、第4実施形態の第2実施形態とは異なる部分等を主に説明する。
図11に示すように、本発明の第4実施形態による半導体フリップチップ接合装置302は、フリップチップ接合システム301に備えられている。フリップチップ接合システム301は、回路基板4の電気回路6に半導体チップを接合する半導体フリップチップ接合装置302と、バンプ310を備えた半導体フリップチップ314を準備する半導体フリップチップ形成装置307と、回路基板4に、電極を含む電気回路6を準備する回路形成装置308と、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を電気回路6の電極上に配置するように半導体フリップチップ314を移送する配置装置316と、半導体フリップチップ形成装置307、回路形成装置308、配置装置316、加熱ステージ317及び半導体フリップチップ接合装置302と電気的に接続され、これらの各々を制御する制御部320と、を備えている。半導体フリップチップ形成装置307、回路形成装置308、配置装置316及び半導体フリップチップ接合装置302の全部又は一部がX−Y軸移動型のヘッド装置として形成され、一つの装置が移動されることにより、別の装置と切り替わるように形成されていてもよい。制御部320はこのような切替制御も実行することができる。
配置装置316は、半導体フリップチップ314を吸着した状態で移動できるノズル321を備えている。配置装置316と半導体フリップチップ接合装置302とが、半導体フリップチップ314を移送、配置するため、共通のノズル321を使用してもよく、また、別個のノズルをそれぞれ使用してもよい。
半導体フリップチップ接合装置302は、回路基板4の電気回路6に半導体フリップチップ314を接合する。
半導体フリップチップ接合装置302は、接合しようとする半導体フリップチップ314を吸着した状態で移動でき且つ半導体フリップチップ314を配置できるノズル321と、接合しようとする半導体フリップチップ314を配置した状態で回路基板4を支持する支持機構22と、バンプ310を加熱する高周波誘導加熱装置24と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域Aに投射する面レーザー光装置134と、を備えている。
半導体フリップチップ接合装置302は、接合しようとする半導体フリップチップ314を吸着した状態で移動でき且つ半導体フリップチップ314を配置できるノズル321と、接合しようとする半導体フリップチップ314を配置した状態で回路基板4を支持する支持機構22と、バンプ310を加熱する高周波誘導加熱装置24と、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域Aに投射する面レーザー光装置134と、を備えている。
ノズル321には、半導体フリップチップ314を真空吸着できるような吸着孔323が形成されている。ノズル321は、面レーザー光342を透過できる石英などで形成されている。よって、ノズル321が半導体フリップチップ314を吸着している状態で、面レーザー光342は、ノズル321を透過し、半導体フリップチップ314のバンプ310を加熱することができる。ノズル321は、加圧しながらヒーターの熱伝導でフリップチップ接合する方式をとっていない。よって、ノズル321は、半導体フリップチップ314の反りを抑える程度の加圧を行い、強力に加圧しないので、加圧によりバンプ310がはみ出す問題の発生を抑制することができる。
コイル126は、回路基板4の上方に配置されている。コイル126は、上面視で回路基板4の接合しようとする第2面4bの領域を囲うような大きさに形成されている。なお、変形例として、コイル126は、回路基板4の下方に配置されていてもよく、また、さらに別の変形例として、コイル126は、第2面4bとほぼ同じ高さにおいて第2面4bの側方に配置されていてもよい。
レーザー光源136は、接合に必要な出力のレーザー光を発生させる。ビームシェイパー140を通過した面レーザー光342は、半導体フリップチップ314の上面及びノズル321のいずれに対しても斜めの角度から半導体フリップチップ314に投射される。
次に、本発明の第4実施形態による接合方法について説明する。本実施形態の接合方法は、回路基板4の電気回路6に半導体フリップチップ314を接合する方法である。
接合方法は、バンプ310を備えた半導体フリップチップ314を準備する半導体フリップチップ形成工程と、回路基板4に、電極を含む電気回路6を準備する回路形成工程と、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を電気回路6の電極上に配置する配置工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、第三加熱工程と、範囲変更工程とを備えている。
接合方法は、バンプ310を備えた半導体フリップチップ314を準備する半導体フリップチップ形成工程と、回路基板4に、電極を含む電気回路6を準備する回路形成工程と、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を電気回路6の電極上に配置する配置工程と、位置決め工程と、第一加熱工程と、第二加熱工程と、第三加熱工程と、範囲変更工程とを備えている。
先ず、半導体フリップチップ形成工程において、半導体フリップチップ形成装置307により、端子電極309上にバンプ310を備えた半導体フリップチップ314を準備する。半導体フリップチップ形成工程終了後、半導体フリップチップ314は半導体フリップチップ形成装置307から配置装置316に移送される。
また、回路形成工程において、回路形成装置308によりシリコンウェハ等の回路基板4に電気回路6を形成する。回路形成工程終了後、回路基板4は回路形成装置308から配置装置316に移送される。
また、回路形成工程において、回路形成装置308によりシリコンウェハ等の回路基板4に電気回路6を形成する。回路形成工程終了後、回路基板4は回路形成装置308から配置装置316に移送される。
次に、配置工程において、配置装置316により接合しようとする半導体フリップチップ314を電気回路6上に配置する。配置工程終了後、回路基板4及び半導体フリップチップ314は配置装置16から半導体フリップチップ接合装置302に移送される。
配置工程終了後、回路基板4は配置装置16から半導体フリップチップ接合装置302に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に接合しようとする半導体フリップチップ314を配置している状態の回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の上方又は下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
配置工程終了後、回路基板4は配置装置16から半導体フリップチップ接合装置302に移送され、位置決め工程が実行される。位置決め工程において、次に接合しようとする半導体フリップチップ314を配置している状態の回路基板4の面が、支持機構22により、コイル126の上方又は下方に位置決めされる。支持機構22は、電子部品14を配置している状態の回路基板4の第2面4bを上面として支持する。
図11に示すように、第一加熱工程においては、半導体フリップチップ314を配置している状態の回路基板4の面及びバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、予備加熱する。第一加熱工程においては、半導体フリップチップ接合装置302は、コイル126の誘導加熱により、バンプ310を、回路基板4の耐熱温度より低い温度、さらに好ましくはバンプ310の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱させる。例えば、半導体フリップチップ接合装置302は、バンプ310を、200℃から260℃より低い温度範囲、より好ましくは200℃から240℃の範囲、さらに好ましくは200℃から230℃の範囲、さらに好ましくは230℃に加熱させる。
なお、本実施形態においてはバンプ310として半田バンプを例示しているが、フリップチップ接合には様々な方法、材料がある。バンプ310は、SnAgバンプ、SnBiバンプ、Snバンプ、AuSnバンプなどSnを主体とした合金めっき等であってもよい。バンプ310の溶融温度は、SnAgバンプやAuSnバンプ(高融点)などの材料により異なる。また、バンプ310の工法も様々な工法が可能であり、バンプ310の工法は、例えば、ボールバンプ、印刷バンプ、スタッドバンプ、又はめっきバンプなどが適用可能である。このように、バンプ310の材料や工法に応じて、バンプを接合するための温度、加圧、又は時間などの条件を変更することが要求される。よって、第一加熱工程と第二加熱工程を併用することにより、第一加熱工程又は第二加熱工程単独で十分にバンプを接合できない又はしにくい場合においても、バンプ310のより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。
仮に、従来のように半田バンプの加熱にセラミックヒーターを使用し、熱伝導でフリップチップ接合を行う場合、セラミックヒーターの温度はおよそ400度、フリップチップのピーク温度を250度程度にしている。このような従来の接合方法ではバンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが困難であった。さらに、このような従来の接合方法ではフリップチップ接合工程に数十秒かかるため、タクトタイムの向上が課題となっている。
仮に、従来のように半田バンプの加熱にセラミックヒーターを使用し、熱伝導でフリップチップ接合を行う場合、セラミックヒーターの温度はおよそ400度、フリップチップのピーク温度を250度程度にしている。このような従来の接合方法ではバンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが困難であった。さらに、このような従来の接合方法ではフリップチップ接合工程に数十秒かかるため、タクトタイムの向上が課題となっている。
制御部320は、第一加熱工程の実行開始に続いて、第二加熱工程を実行する。第二加熱工程においては、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域Aに投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合する。第二加熱工程は、第一加熱工程の終了後に実行されてもよいし、第一加熱工程と並行して実行されてもよい。第二加熱工程においても、半導体フリップチップ接合装置302は、面レーザー光342の投射により、バンプ310を、バンプ310の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、半導体フリップチップ接合装置302の制御部320は、回路基板4のバンプ310の温度、面レーザー光342の投射範囲、傾斜角度、出力、投射時間等に基づいて、バンプ310の温度上昇を制御することができる。第一加熱工程において、バンプ310が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、面レーザー光342を非常に短時間の間投射することにより、バンプ310を溶融して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプ310のより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプ310の接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプ310の接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、面レーザー光342による加熱量が抑制できるため、面レーザー光342の出力を抑えることができ、レーザー光源136を小型で安価なものとすることができる。さらに、本発明の第4実施形態においても、第2実施形態と同様に、第二加熱工程の実行に際し、制御部320は、範囲変更工程を実行することができる。
制御部320は、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップ314を配置する前の状態において、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。また、制御部320は、第三加熱工程と第一加熱工程とを連続して実行させることができる。
なお、変形例として、制御部320は、第一加熱工程を省略して第三加熱工程を実行し、第三加熱工程は、半導体フリップチップ314のバンプ310を、回路基板4の上方において、コイル126の誘導加熱により加熱し、さらに、第二加熱工程は、コイル126の下方に位置する電気回路6に半導体フリップチップ314を配置した状態で、バンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を電気回路6に接合してもよい。
このように構成された変形例によれば、第三加熱工程により、回路基板4の上方において、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップ314のバンプ310を、予め予備加熱しておくことができると共に、回路基板4の加熱を抑制することができる。さらに、第二加熱工程により、コイル126の下方に位置する電気回路6に半導体フリップチップ314を配置した状態で、面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。面レーザー光342は光学系の設定によりコイル126よりも離れた位置からバンプ310を加熱することができ、レーザー光源136を自由な位置に配置してコイル126の下方で接合を行うことができる。
このように構成された変形例によれば、第三加熱工程により、回路基板4の上方において、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップ314のバンプ310を、予め予備加熱しておくことができると共に、回路基板4の加熱を抑制することができる。さらに、第二加熱工程により、コイル126の下方に位置する電気回路6に半導体フリップチップ314を配置した状態で、面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。面レーザー光342は光学系の設定によりコイル126よりも離れた位置からバンプ310を加熱することができ、レーザー光源136を自由な位置に配置してコイル126の下方で接合を行うことができる。
さらに別の変形例として、図12に示すように、フリップチップ接合システム301は、さらに、加熱ステージ317を備えていてもよい。加熱ステージ317は、固定ステージを形成し、高周波誘導加熱装置24を備えている。高周波誘導加熱装置24のコイル126は固定ステージ中に配置されている。加熱ステージ317は、加熱ステージ317上に配置された半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する。制御部320は、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302に配置する前の状態において、加熱ステージ317上に配置された半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。
配置装置316が、その移送過程で半導体フリップチップ314を一旦加熱ステージ317上に移送する。加熱ステージ317は、半導体フリップチップ314をコイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行する。半導体フリップチップ314を加熱した後、配置装置316が、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302まで移送する。配置装置316は、フリップ前のフリップ前チップ311を反転するフリップ装置315を含んでいてもよい。配置装置316のフリップ装置315は、反転前のフリップ前チップ311をウェハ313から移送すると共に反転させる機能を有する。配置装置316のフリップ装置315は、ウェハ313から移送される半導体フリップチップ314を、加熱ステージ317を省略して、回路基板4まで移送してもよい。このとき、配置装置316のフリップ装置315は、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。なお、前述のように、半導体フリップチップ314が回路基板4上に配置された後は、面レーザー光342の投射により、バンプ310を加熱する第二加熱工程が実行される。
配置装置316が、その移送過程で半導体フリップチップ314を一旦加熱ステージ317上に移送する。加熱ステージ317は、半導体フリップチップ314をコイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行する。半導体フリップチップ314を加熱した後、配置装置316が、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302まで移送する。配置装置316は、フリップ前のフリップ前チップ311を反転するフリップ装置315を含んでいてもよい。配置装置316のフリップ装置315は、反転前のフリップ前チップ311をウェハ313から移送すると共に反転させる機能を有する。配置装置316のフリップ装置315は、ウェハ313から移送される半導体フリップチップ314を、加熱ステージ317を省略して、回路基板4まで移送してもよい。このとき、配置装置316のフリップ装置315は、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。なお、前述のように、半導体フリップチップ314が回路基板4上に配置された後は、面レーザー光342の投射により、バンプ310を加熱する第二加熱工程が実行される。
さらに別の変形例として、図13に示すように、フリップチップ接合システム301の配置装置316が、高周波誘導加熱装置24のコイル126を備えるように形成されていてもよい。配置装置316が、ノズル321が高周波誘導加熱装置24のコイル126と共に移動できるように構成される。よって、配置装置316は、移送中に半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル126の誘導加熱により、加熱する。制御部320は、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302に配置する前の状態において、ノズル321に吸着されている半導体フリップチップ314を、コイル126の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。配置装置316が、コイル126を備えているので、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302に配置するまで加熱を実行することができる。また、配置装置316が、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302に配置した状態で、配置装置316のコイル126の誘導加熱により、第一加熱工程を実行してもよい。また、フリップチップ接合システム301は、この変形例の配置装置316を別の変形例の加熱ステージ317と組合せてもよい。
さらに別の変形例として、図17に示すように、フリップチップ接合システム301の配置装置316が、半導体フリップチップ314を移送しているときに、面レーザー光342を回路基板4に投射して回路基板4上のノンコンダクティブペースト344を予め加熱していてもよい。面レーザー光342によりノンコンダクティブペースト344を予め加熱しておくことでバンプ310が回路基板4上の非導電性部材であるノンコンダクティブペースト344に配置されたときにバンプ310を間接的に加熱する第二加熱工程を実行することができる。このように、面レーザー光342により回路基板4と共に回路基板4上のノンコンダクティブペースト以外の非導電性部材も加熱することができる。
このように、フリップチップ接合システム301では、接合後の半導体フリップチップ314がずれないように、非導電性部材であるノンコンダクティブペースト344を、半導体フリップチップ314と回路基板4の隙間に、挿入し、硬化させて機械的強度を増すアンダーフィルという工程が設けられている場合がある。しかしながら、半導体フリップチップ314が薄くなり、バンプ310の高さも低くなる場合、接合後において、半導体フリップチップ314と回路基板4との隙間がほとんどなくなり、アンダ―フィルが入らない場合がある。そこで、半導体フリップチップ314の接合前に、非導電性部材のノンコンダクティブペースト344を事前配置し、面レーザー光342により、ノンコンダクティブペースト344及び電気回路6を予備加熱することで、半導体フリップチップ314の接合時にノンコンダクティブペースト344の硬化時間を短縮させることができる。 なお、前述のように半導体フリップチップ314が回路基板4上に配置された後は、面レーザー光342の投射により、バンプ310を加熱する第二加熱工程が実行される。
このように、フリップチップ接合システム301では、接合後の半導体フリップチップ314がずれないように、非導電性部材であるノンコンダクティブペースト344を、半導体フリップチップ314と回路基板4の隙間に、挿入し、硬化させて機械的強度を増すアンダーフィルという工程が設けられている場合がある。しかしながら、半導体フリップチップ314が薄くなり、バンプ310の高さも低くなる場合、接合後において、半導体フリップチップ314と回路基板4との隙間がほとんどなくなり、アンダ―フィルが入らない場合がある。そこで、半導体フリップチップ314の接合前に、非導電性部材のノンコンダクティブペースト344を事前配置し、面レーザー光342により、ノンコンダクティブペースト344及び電気回路6を予備加熱することで、半導体フリップチップ314の接合時にノンコンダクティブペースト344の硬化時間を短縮させることができる。 なお、前述のように半導体フリップチップ314が回路基板4上に配置された後は、面レーザー光342の投射により、バンプ310を加熱する第二加熱工程が実行される。
さらに別の変形例として、図14及び図15に示すように、高周波誘導加熱装置24は、回路基板4の所定距離上方に配置されているコイル326を備えていてもよい。コイル326は、螺旋状に延びるように形成され、複数周にわたって巻かれている。コイル326が螺旋状に形成されることにより、コイル326の内側に生じる磁界の強度が上昇し、より強力な誘導加熱を行うことができる。コイル326は、その電磁誘導の回路基板4への影響が少なくなる所定距離まで回路基板4から上方に離れて配置されている。半導体フリップチップ接合装置302又は配置装置316のノズル321は、半導体フリップチップ314を吸着した状態で回路基板4の上空に一旦停止する。このとき、ノズル321に吸着されている半導体フリップチップ314を、コイル326の誘導加熱により、加熱する。複数巻きのコイル326により短時間で強力に予備加熱を行うことができる。よって、制御部320は、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップ314を半導体フリップチップ接合装置302に配置する前の状態において、ノズル321に吸着されている半導体フリップチップ314を、コイル326の誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を実行することができる。
図15に示すように、制御部320は、第三加熱工程終了後、ノズル321を下降させ、半導体フリップチップ314を回路基板4上に配置する。制御部320は、続いて、第二加熱工程を実行する。第二加熱工程により、コイル326の下方に位置する電気回路6に半導体フリップチップ314を配置した状態で、面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。
なお、図16に示すように、図14の半導体フリップチップ接合装置302におけるさらなる変形例として、半導体フリップチップ接合装置302は、半導体フリップチップ314が回路基板4の上方に位置しているときに、面レーザー光342を回路基板4に投射して回路基板4を予め加熱していてもよい。例えば、非導電性部材であるノンコンダクティブペースト(NCP)344が回路基板4上に予め塗布又は添付されている場合には、ノンコンダクティブペースト(NCP)344を面レーザー光342により予め加熱することもできる。制御部320は、第二加熱工程において、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域Aに投射することにより回路基板4上のノンコンダクティブペースト344を加熱する。よって、面レーザー光342により、ノンコンダクティブペースト344及び電気回路6を予備加熱することで、半導体フリップチップ314の接合時にノンコンダクティブペースト344の硬化時間を短縮させることができる。また、バンプ310が回路基板4又はノンコンダクティブペースト344上に配置されたときにバンプ310を間接的に加熱する第二加熱工程を実行することができる。
なお、第4実施形態におけるさらなる別の変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とが逆の順に実行開始されてもよい。制御部320は、第一加熱工程の前に、第二加熱工程を実行開始する。第二加熱工程において、面レーザー光342を領域Aに投射することによりバンプ310を予備加熱する。第二加熱工程において、バンプ310は、回路基板4の耐熱温度より低い温度、より好ましくはバンプ310の溶融温度、さらに好ましくはバンプ310の溶融温度である230℃よりわずかに低い温度領域まで加熱される。なお、第二加熱工程において、バンプ310を、面レーザー光342により、少なくとも一部のバンプ310の溶融温度まで加熱してもよい。この場合、第二加熱工程において溶融できなかったバンプ310を第一加熱工程において確実に溶融させることができる。
制御部320は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半導体フリップチップ接合装置302は、コイル126の誘導加熱により、バンプ310を、バンプ310の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、バンプ310が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又は出力を低減しても、バンプ310を溶融して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプ310のより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプ310の接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプ310の接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
制御部320は、第二加熱工程の実行開始に続いて、第一加熱工程を実行する。半導体フリップチップ接合装置302は、コイル126の誘導加熱により、バンプ310を、バンプ310の溶融温度以上且つ回路基板4の耐熱温度より低い温度の温度範囲まで加熱させる。第二加熱工程において、バンプ310が既に溶融温度近傍まで加熱されているので、コイル126の誘導加熱を実行する時間を短時間に短縮する又は出力を低減しても、バンプ310を溶融して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプ310のより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプ310の接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプ310の接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
また、さらなる変形例として、第一加熱工程と第二加熱工程とを並行して実行又はほぼ同時に実行開始してもよい。制御部320は、第一加熱工程及び第二加熱工程を並行して実行する。第一加熱工程と並行して第二加熱工程が実行されるので、接合の時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
つぎに、上述した本発明の第4実施形態による接合方法における作用について説明する。
まず、本発明の第4実施形態による接合方法によれば、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、バンプ310が予め加熱されている状態から、面レーザー光342により短時間で効率的にバンプ310を加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプ310を予め加熱することにより、面レーザー光342の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。回路基板4に半導体フリップチップ314を半田接合する場合に面レーザー光342の回路基板4への吸収による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、回路基板4の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、バンプ310が予め加熱されている状態から、コイル326の誘導加熱により短時間で効率的にバンプ310を加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、接合の時間が短縮され、タクトタイムを向上させ、生産性を向上させることができる。
まず、本発明の第4実施形態による接合方法によれば、第二加熱工程より先に第一加熱工程が実行開始される場合には、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、バンプ310が予め加熱されている状態から、面レーザー光342により短時間で効率的にバンプ310を加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプ310を予め加熱することにより、面レーザー光342の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。回路基板4に半導体フリップチップ314を半田接合する場合に面レーザー光342の回路基板4への吸収による回路基板4の温度上昇を抑制することができる。よって、回路基板4の熱変形を抑制することができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程より先に、第二加熱工程が実行開始される場合には、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を予め加熱することができる。また、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。よって、バンプ310が予め加熱されている状態から、コイル326の誘導加熱により短時間で効率的にバンプ310を加熱して接合することができる。よって、第一加熱工程と第二加熱工程とを併用することにより、より多様な最適温度プロファイルを作ることができ、バンプのより広範囲な工法及び材料を広くカバーして、バンプの接合を良好に実現することが可能となる。さらに、バンプの接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。
また、このように構成された本発明においては、第一加熱工程と第二加熱工程とが並行して実行される場合には、接合の時間が短縮され、タクトタイムを向上させ、生産性を向上させることができる。
つぎに、本実施形態による接合方法によれば、第三加熱工程により、配置工程の実行中のいずれかの期間において、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップ314のバンプ310を、予め予備加熱しておくことができ、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱を低減させることができる。
つぎに、本実施形態による接合方法によれば、第三加熱工程と第一加熱工程とが連続して実行されるので、第三加熱工程後に半導体フリップチップ314のバンプ310の温度が低下することを抑制し、第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱をより低減させることができる。
つぎに、本実施形態による接合方法によれば、第三加熱工程により、回路基板4の上方において、半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、加熱する。よって、半導体フリップチップ314のバンプ310を、予め予備加熱しておくことができると共に、回路基板4の加熱を抑制することができる。さらに、第二加熱工程により、コイル326の下方に位置する電気回路6に半導体フリップチップ314を配置した状態で、面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することによりバンプ310を加熱して半導体フリップチップ314を接合することができる。また、面レーザー光342は光学系の設定によりコイル326よりも離れた位置からバンプ310を加熱することができるので、面レーザー光装置134を自由な位置に配置してコイル326の下方で面レーザー光342による接合を行うことができる。
つぎに、本実施形態による接合方法によれば、第一加熱工程により、接合しようとする半導体フリップチップ314のバンプ310を、コイル326の誘導加熱により、予め加熱することができる。また、第二加熱工程により、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光342を接合しようとする領域に投射することにより回路基板4上のノンコンダクティブペースト344を予め加熱することができる。よって、バンプ及びノンコンダクティブペースト344を予め加熱しておくことができ、バンプ310の接合にかかる時間を短縮でき、タクトタイムを向上させることができる。また、バンプ310及びノンコンダクティブペースト344を予め加熱することにより、面レーザー光342の出力を抑えることができ、レーザー設備を小型で安価なものとすることができる。
1 半田接合システム
2 半田接合装置
4 回路基板
4a 第1面
4b 第2面
6 電気回路
8 回路形成装置
10 半田
12 半田塗布装置
14 電子部品
16 配置装置
20 制御部
22 支持機構
24 高周波誘導加熱装置
26 コイル
28 交流電源装置
30 半田パッド
32 電極
101 半田接合システム
102 半田接合装置
120 制御部
126 コイル
134 面レーザー光装置
136 レーザー光源
138 光ファイバー
140 ビームシェイパー
141 レーザー光
141a 高エネルギー焦点
142 面レーザー光
201 半田溶融システム
202 半田溶融装置
220 制御部
301 接合システム
302 接合装置
307 半導体フリップチップ形成装置
308 回路形成装置
309 端子電極
310 バンプ
314 半導体フリップチップ
316 配置装置
317 加熱ステージ
320 制御部
321 ノズル
323 吸着孔
326 コイル
342 面レーザー光
A 領域
2 半田接合装置
4 回路基板
4a 第1面
4b 第2面
6 電気回路
8 回路形成装置
10 半田
12 半田塗布装置
14 電子部品
16 配置装置
20 制御部
22 支持機構
24 高周波誘導加熱装置
26 コイル
28 交流電源装置
30 半田パッド
32 電極
101 半田接合システム
102 半田接合装置
120 制御部
126 コイル
134 面レーザー光装置
136 レーザー光源
138 光ファイバー
140 ビームシェイパー
141 レーザー光
141a 高エネルギー焦点
142 面レーザー光
201 半田溶融システム
202 半田溶融装置
220 制御部
301 接合システム
302 接合装置
307 半導体フリップチップ形成装置
308 回路形成装置
309 端子電極
310 バンプ
314 半導体フリップチップ
316 配置装置
317 加熱ステージ
320 制御部
321 ノズル
323 吸着孔
326 コイル
342 面レーザー光
A 領域
Claims (17)
- 低耐熱性材料により複数の面を有する立体の回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合方法であって、
上記回路基板に、上記電気回路を形成する回路形成工程と、
上記電気回路に半田を形成する半田形成工程と、
半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置する配置工程と、
この電子部品を配置している状態の上記回路基板の面の側方を囲うコイルの誘導加熱により、上記半田を加熱する半田接合工程とを備えることを特徴とする半田接合方法。 - さらに、上記回路基板の一つの面に対し上記半田接合工程を実行した後、上記回路基板を回転させる回転工程と、
次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、上記コイルの側方に位置決めする位置決め工程であって、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面を、上記コイルの側方からはずれるように位置決めする位置決め工程と、を備える、請求項1に記載の半田接合方法。 - さらに、上記半田接合工程を実行する間、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面を、冷却する冷却工程を備える、請求項1又は2に記載の半田接合方法。
- さらに、上記半田接合工程を実行する間、既に半田接合された電子部品を備える上記回路基板の面に作用する磁界を減少させるブロック工程を備える、請求項1又は2に記載の半田接合方法。
- さらに、エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する面レーザー加熱工程を備える、請求項1又は2に記載の半田接合方法。
- 低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合方法であって、
上記回路基板に、上記電気回路を形成する回路形成工程と、
上記電気回路に半田を形成する半田形成工程と、
半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置する配置工程と、
この電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、コイルの誘導加熱により、加熱する第一加熱工程と、
エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とする半田接合方法。 - さらに、面レーザー光の投射範囲を変更する範囲変更工程を備える、請求項6に記載の半田接合方法。
- さらに、次に半田接合しようとする電子部品を配置している状態の上記回路基板の面を、上記コイルの上方又は下方に位置決めする位置決め工程を備える、請求項6に記載の半田接合方法。
- 上記回路基板は、複数の面を有する立体の回路基板である、請求項6乃至8の何れか1項に記載の半田接合方法。
- 低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に半田接合された電子部品の半田を溶融させる半田溶融方法であって、
上記電子部品が半田接合されている上記回路基板の面を、コイルの誘導加熱により、加熱する第一加熱工程と、
エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田を溶融しようとする領域に投射することにより上記半田を加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とする半田溶融方法。 - さらに、面レーザー光の投射範囲を変更する範囲変更工程を備える、請求項10に記載の半田溶融方法。
- 回路基板の電気回路に半導体フリップチップを接合する接合方法であって、
バンプを備えた半導体フリップチップを準備する工程と、
上記回路基板に、電極を含む上記電気回路を準備する工程と、
接合しようとする上記半導体フリップチップの上記バンプを上記電気回路の上記電極上に配置する配置工程と、
上記半導体フリップチップの上記バンプをコイルの誘導加熱により加熱する第一加熱工程と、
エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより上記バンプを加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とする接合方法。 - さらに、上記配置工程の実行中のいずれかの期間において、上記半導体フリップチップの上記バンプを、上記コイルの誘導加熱により、加熱する第三加熱工程を備える、請求項12に記載の接合方法。
- 上記第三加熱工程と上記第一加熱工程とが連続して実行される、請求項13に記載の接合方法。
- 上記第一加熱工程を省略して上記第三加熱工程を実行し、上記第三加熱工程は、上記半導体フリップチップの上記バンプを、上記回路基板の上方において、上記コイルの誘導加熱により加熱し、さらに、上記第二加熱工程は、上記コイルの下方に位置する上記電気回路に上記半導体フリップチップを配置した状態で、上記バンプを加熱して上記半導体フリップチップを接合する、請求項13に記載の接合方法。
- 低耐熱性材料により形成された回路基板の電気回路に電子部品を半田接合する半田接合装置であって、
半田接合しようとする上記電子部品を上記半田上に配置した状態で上記回路基板を支持する支持機構と、
この電子部品を上記半田上に配置している状態の上記回路基板の面を、コイルによる電磁誘導により加熱する誘導加熱装置と、
エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を半田接合しようとする領域に投射する面レーザー光装置とを備えることを特徴とする半田接合装置。 - 回路基板の電気回路に半導体フリップチップを接合する接合方法であって、
バンプを備えた半導体フリップチップを準備する工程と、
上記回路基板に、電極を含む上記電気回路を準備する工程と、
接合しようとする上記半導体フリップチップの上記バンプを上記電気回路の上記電極上に配置する配置工程と、
上記半導体フリップチップの上記バンプをコイルの誘導加熱により加熱する第一加熱工程と、
エネルギー分布を平滑化した面レーザー光を接合しようとする領域に投射することにより上記回路基板上の非導電性部材を加熱する第二加熱工程とを備えることを特徴とする接合方法。
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WO2023053208A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | 三菱電機株式会社 | はんだ接合方法 |
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