JP5323563B2 - 加工性および形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板 - Google Patents

加工性および形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板 Download PDF

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Description

本発明は加工性および形状凍結性に優れた引張強度が約550〜900MPa程度の高強度冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、および合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。詳細には優れた加工性を有し、低歪域でのスプリングバック量が低減された、TRIP(TRansformation Induced Plasticity;変態誘起塑性)鋼板の改良技術に関するものである。本発明の高強度冷延鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板の母材(素材)となる高強度鋼板として有用であり、例えば、高い加工性が要求される自動車用構造部材(ピラー、メンバー、リインフォース類などのボディ骨格部材;バンパー、ドアガードバー、シート部品、足回り部品などの強度部材)や家電用部材などに好適に用いられる。
自動車や産業用機械などにプレス成形して用いられる鋼板には、衝突安全性の向上や、環境問題対策に伴う燃費向上・車体軽量化などの観点から、高い強度と加工性(強度と伸びのバランス)を兼ね備えていることが要求される。加工性に優れた高強度鋼板として、TRIP鋼板が使用されている。TRIP鋼板は、オーステナイト組織が残留しており、応力や歪みによって残留オーステナイト(γ)がマルテンサイトに誘起変態して大きな伸びが得られる鋼板である。
ところで、衝突時のエネルギーを吸収するメンバーなどの自動車構造部材には、上記特性のほか、更に曲げ加工やハット曲げ加工時の形状凍結性にも優れていることが要求される。形状凍結性とは、鋼板を加工すると加工後のスプリングバックによって成形形状が変化する形状不良を凍結(阻止)する特性を意味する。
ところが、一般に鋼板の強度が高くなるにつれ、加工後のスプリングバックは大きくなり、形状凍結成性が低下するという問題がある。特にTRIP鋼板では、成形後の鋼板内部に、残留オーステナイトがマルテンサイトに変態する部分と変態しない部分とが不均一に発生するため、大きな残留応力が発生し、スプリングバックが大きくなるといわれている。
そこで、TRIP鋼板による良好な加工性を維持しつつ、形状凍結性も高められた鋼板を提供するための検討が行なわれている。
例えば特許文献1には、自動車用部材の耐衝突安全性の指標として、鋼板の加工硬化指数(歪5〜10%のn値)が有用であり、残留オーステナイトの平均結晶粒径を5μm以下に制御すれば、高い強度と伸び(TS×EL≧20000)が確保され、且つ、n値が高いTRIP鋼板を提供できることが開示されている。
特許文献2には、フェライト相と3%以上のオーステナイト相から主に構成され、フェライト相以外の部分における結晶粒のアスペクト比2.5以下のものの割合を制御することにより、高い成形性を維持したまま、従来よりも成形後の残留応力が低減され、スプリングバックの小さい高強度鋼板が開示されている。
本出願人も、例えば特許文献3や特許文献4の技術を開示している。このうち特許文献3には、フェライトとマルテンサイトと1〜5%の残留オーステナイトの3相からなり、マルテンサイトの硬度が制御されたTRIP鋼板を開示している。また、特許文献4には、焼戻マルテンサイトとフェライトの混合組織を母相とするTRIP鋼板であって、残留オーステナイトのうち2%歪を加えることによりマルテンサイトへ変態する残留オーステナイト(残留オーステナイト中のC濃度が低く不安定な残留オーステナイト)の量が厳密に制御されたTRIP鋼板を開示している。
特開平11−61326号公報 特開2007−154283号公報 特開平11−350064号公報 特開2004−218025公報
本発明の目的は、残留オーステナイトを有するTRIP鋼板であって、約550〜900MPa級の高強度域におけるTS−ELバランスの向上およびスプリングバック量の低減(特に低歪域でのスプリングバック量の低減)が達成され、加工性および形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明に係る加工性および形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板は、鋼中成分は、C:0.10%以上0.20%以下(%は質量%の意味、以下、鋼中成分について同じ。)、Si:0.5%以上2.5%以下、Mn:0.5%以上2.5%以下、Al:0.01%以上0.10%以下を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物からなり、組織は、フェライトの母相組織と、残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくても良い)の第2相組織を有し、全組織中に占めるフェライトの体積率をVf(%)、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率をVγ(%)、残留オーステナイト中の炭素濃度をCγ(質量%)、第2相組織間の最短距離をdis(μm)、第2相組織の平均粒径をdia(μm)としたとき、下式(1)および(2)を満足するところに要旨を有するものである。
(Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia≧300 ・・・(1)
dis≧1.0μm ・・・(2)
好ましい実施形態において、全組織中に占めるフェライトの体積率Vf(%):60%以上、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率Vγ(%):5.0%以上20%以下、残留オーステナイト中の炭素濃度Cγ(質量%):0.7%以上、第2相組織の平均粒径dia(μm):5μm以下である。
本発明には、上記の高強度冷延鋼板に溶融亜鉛めっきが施された溶融亜鉛めっき鋼板、も包含される。
また、本発明には、上記の高強度冷延鋼板に合金化溶融亜鉛めっき鋼板が施された合金化溶融亜鉛めっき鋼板も包含される。
本発明によれば、鋼中成分および組織が適切に制御されているため、TS−ELバランスおよび形状凍結性の双方に優れた高強度冷延鋼板を提供することができた。詳細には、本発明によれば、加工初期段階の加工硬化指数(歪み0.5〜1.0%のn値)が比較的低く、加工後期段階の加工硬化指数(歪み5〜10%のn値)が比較的高く維持されるようになるため、成形後のスプリングバック量が小さく抑えられる。よって、本発明の高強度冷延鋼板は、メンバー類などのように曲げ加工やハット曲げ加工時の形状凍結性が強く要求される自動車用構造部材などの素材として極めて有用である。
図1は、本発明で規定する式(1)とTS×EL、スプリングバック量との関係を示すグラフである。 図2は、本発明で規定する式(3)とTS×EL、スプリングバック量との関係を示すグラフである。 図3は、本発明鋼板を製造するためのヒートパターンの一部を示す概略図である。 図4は、実施例において組織の測定に用いた格子間隔を説明する図である。 図5は、実施例においてスプリングバック量の測定に用いた3点U曲げ試験の概要を説明するための図である。 図6は、実施例においてスプリングバック量を測定するための説明図である。
本発明者らは、加工性(TS×ELバランス)に優れると共に、形状凍結性も良好なTRIP鋼板を提供するため、検討を行なった。特に、加工初期の低歪み下における加工硬化指数(歪み0.5〜1.0%のn値)を比較的低くし、加工中期から後期の高歪み下における加工硬化指数(歪み5〜10%のn値)を比較的高くして良好な加工性と形状凍結性を確保するとの観点から、検討を行なった。というのも従来は、高歪み下におけるn値の向上を中心に検討されているものが多く、歪み初期のn値について充分考慮されていないため、プレス加工時における反りやねじれに対するスプリングバック量を有効に低減できない、といった問題があるからである。
その結果、加工の初期から後期にわたって加工硬化指数n値を適切に制御して良好な特性を確保しようとすると、TS×ELバランス向上に有用な公知のパラメータを個別に制御するだけでは不充分であり、加工性などの観点からはこれまで着目されていなかった「第2相組織間の最短距離dis」を適切に制御することが非常に重要であることが分かった。
この点について詳しく説明する。一般にTS×ELバランスを高めて良好な加工性を確保するためには、組織中のフェライト体積率(Vf)および残留オーステナイト体積率(Vγ)をできるだけ多くし、残留オーステナイト中の炭素濃度(Cγ)をできるだけ高くすれば良いことは知られている。また、残留オーステナイトの粒径を小さくして微細化すれば良いことも知られている。しかしながら、上記特性に加えて形状凍結性も兼ね備えたTRIP鋼板を提供するためには、これらの制御だけでは不充分であることが判明した。例えばプレス成形時のねじれや反りは、おおよそ0.5%〜2%の低い歪み域で発生するが、上述した要件を制御するだけでは、低歪み域での変形応力を充分低減することができず、形状凍結性に劣ることが、本発明者らの検討結果により判明した。
そこで、特に低歪み域での変形応力を低減し、加工性と形状凍結性の両方に優れたTRIP鋼板を提供するため、更に検討を重ねてきた。その結果、フェライトの母相組織と、残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくても良い)の第2相組織を有するTRIP鋼板において、全組織中に占めるフェライトの体積率をVf(%)、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率をVγ(%)、残留オーステナイト中の炭素濃度をCγ(質量%)、第2相組織間の最短距離をdis(μm)、第2相組織の平均粒径をdia(μm)としたとき、下式(1)および(2)を満足するように制御すれば、歪み初期の転位の移動が阻止されることもないため、ひずみ初期の変形応力が充分小さく抑えられ、所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
(Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia≧300 ・・・(1)
dis≧1.0μm ・・・(2)
本明細書では、説明の便宜上、上記式(1)の左辺[(Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia]の値を、特にP値と呼ぶ場合がある。
ここで、上記式(1)および(2)は、加工性および形状凍結性の両特性に優れることを示すパラメータとして非常に有用である。後記する実施例に示すように、上記式(1)および(2)のいずれか一方を満たしても、加工性および形状凍結性の両方を同時に高めることはできず、これら式の両方を満たした場合にのみ、所望の特性が発揮されることが分かった。
参考のため、図1に、上記式(1)と、加工性の指標であるTS×ELおよび形状凍結性の指標であるスプリングバック量との関係をグラフ化して示す。この図は、後記する実施例の結果をプロットして作成したものである。図中、○は上記式(1)および(2)の両方を満足する本発明例であり、△は上記式(1)を満足しない比較例である。図1に示すように、式(1)は、TS×ELおよびスプリングバック量の両方に対して極めて良好な相関関係を有しており、P値=300を境にして、TS×ELおよびスプリングバック量が大きく変化することが読み取れる。
ここで、上記式(2)に規定する第2相組織間の最短距離disは、加工性および形状凍結性の向上に寄与する新規な指標として、本発明者らによって特定されたものであり、上記式(1)においてP値の分子にも含まれている。また、上記式(1)に規定するように、本発明では、加工性および形状凍結性の向上に寄与する(又は寄与しない)構成要件のそれぞれを個別に制御するものではなく、トータルで制御するというものである。
以下、各式の技術的意義を詳しく説明する。
まず、上記式(1)において、分母[(Vf×Vγ×Cγ×dis)]を構成する各要件、すなわち、全組織中に占めるフェライトの体積率Vf(%)、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率Vγ(%)、残留オーステナイト中の炭素濃度Cγ(質量%)、および第2相組織間の最短距離dis(μm)は、いずれも加工性および形状凍結性の向上に寄与する正(+)の構成要件として設定されたものである。すなわち、本発明者らの検討結果によれば、炭素濃度Cγが高い残留オーステナイトの体積率Vγが高く、フェライト体積率Vfが高く、第2相組織を構成する残留オーステナイトやマルテンサイトの最短近接距離の平均disが広くなるように制御すると、特に歪み初期の延性を司るフェライト中の転位の移動や2次転位の放出が阻害されることがないため、歪み初期の変形応力が低く抑えられると共に、加工中期から後期にわたって高い加工硬化が持続されるようになることが分かった。
一方、上記式(1)において、分子を構成するパラメータである第2相組織の平均粒径diaは、加工性および形状凍結性の向上に寄与する負(−)の構成要件として設定されたものである。すなわち、本発明者らの検討結果によれば、第2相組織を構成する残留オーステナイトやマルテンサイトの平均粒径が大きいものは、特に歪み初期の延性を司るフェライト中の転位の移動を妨げるか、転位の移動があっても局所的(限定的)になるため、歪み初期の変形応力を低く抑えることができず、加工中期から加工後期にわたって高い加工硬化を持続できないことも分かった。
上記式(1)は、上記の知見に基づき、本発明者らによる数多くの基礎実験に基づいて設定されたものであり、加工性および形状凍結性の向上に寄与する正(+)の構成要件の積を分母に、負(−)の構成要件を分子に設定し、所望の特性が得られるための式(1)の下限値(P値=300)を特定した次第である。
P値[(Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia]の下限は大きいほど良く、好ましくは400以上であり、より好ましくは500以上である。P値の上限は、加工性と形状凍結性の向上の観点からは特に限定されず、P値を構成する個々のパラメータの好ましい範囲に基づき、適宜適切に設定されるが、添加合金元素過多や組織微細化のための工程追加によるコストアップなどを考慮すると、好ましくは1800であり、より好ましくは1600である。
次に、上記式(2)の技術的意義について説明する。
本発明者らの検討結果によれば、加工性と形状凍結性の双方に優れた高強度鋼板を得るためには、上記式(1)の設定だけでは不充分であり、P値を構成する構成要件のうち、特に第2相組織間の最短距離disを1.0μm以上に制御しなければ、加工時にフェライト間同士の2次転位の放出が減少し、所望の特性が得られないことが判明した。後記する実施例の表2のNo.52は、P値は391であり、上記式(1)を満足しているが、disが0.9μmであり、上記式(2)を満足していないために、TS×ELバランスおよび形状凍結性の指標であるスプリングバック量が大きくなった。
ここで、disは、走査型電子顕微鏡(SEM)写真により第2相組織(残留オーステナイトおよびマルテンサイト)を同定し、フェライトの母相組織を挟んで隣接して観察される第2相組織間の距離を測定したとき、その距離が最も短い距離の平均値である。「第2相組織間の距離」としては、残留オーステナイト間の距離、マルテンサイト間の距離のほか、残留オーステナイトとマルテンサイトとの間の距離も含まれる。測定方法の詳細は、後記する実施例の欄で詳述する。
disの下限は1.0μmである。disは大きいほど良く、好ましくは1.2μm以上であり、より好ましくは1.4μm以上である。ただし、残留γ量低下による延性悪化を考慮すると、disを、7.0μm以下に制御することが好ましく、より好ましくは6.0μm以下である。
以上、本発明を最も特徴付ける上記式(1)および(2)について説明した。
本明細書において「高強度」とは、引張強度が約550〜900MPa程度のものを意味する。
本明細書において「加工性に優れる」とは、強度レベルによっても相違するが、TS×ELが約20000以上(好ましくは約22000以上)のものを意味する。詳細には、強度が550MPa級(550MPa以上780MPa未満)の鋼板では、伸び(EL)が約30%以上を満足していることが好ましい。また、780MPa級(780MPa以上900MPa未満)の鋼板では、伸び(EL)が約28%以上を満足していることが好ましい。
本明細書において「形状凍結性に優れる」とは、後記する実施例に記載のU曲げ試験でスプリングバック量を測定したとき、スプリングバックが32°以下のものを意味する。
また、本発明では、TS×ELバランスと、加工初期から後期にわたる形状凍結性との両方を評価するための指標として下記式(3)を規定している。式中には、低歪み域での加工硬化指数[n値(0.5〜1.0%)]および高歪み域での加工硬化指数[n値(5〜10%)]を両方含んでおり、下式(3)を満足するものは、歪み初期のn値が比較的低く歪み後期のn値が比較的高くなることを意味している。
TS×EL×n値(5〜10%)/n値(0.5〜1.0%)≧20000
・・・(3)
参考のため、図2に、上記式(3)と、加工性の指標であるTS×ELおよび形状凍結性の指標であるスプリングバック量との関係をグラフ化して示す。この図は、後記する実施例の結果をプロットして作成したものである。図中、○は上記式(3)を満足する本発明例であり、△は上記式(3)を満足しない比較例である。図2に示すように、式(3)は、TS×ELおよびスプリングバック量の両方に対して極めて良好な相関関係を有していることが分かる。
本発明には、冷延鋼板だけでなく、溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼板)や合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA鋼板)も含まれる。これらのめっき処理を施すことによって耐食性が向上する。
以下、本発明鋼板の組織および鋼中成分を説明する。
(組織)
本発明鋼板は、フェライトの母相組織と、残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくても良い)の第2相組織を有している。本発明は、このような組織のTRIP鋼板における加工性および形状凍結性の向上を図るものである。
母相組織:フェライト
「母相」とは、全組織中に占める比率が半数以上を占めるもの(主相)を意味し、本発明ではフェライトである。フェライトは、伸び(EL)の向上に寄与すると共に、転位の移動や2次転位の放出による低歪み域での加工によるスプリングバック量の低減化、TS×ELバランスの向上に有用な組織である。本発明において、フェライトには、ポリゴナルフェライト(PF)とベイニティックフェライト(BF)の両方が含まれる。本発明では、フェライト中に占めるポリゴナルフェライトの比率は多いほど良く、ポリゴナルフェライトの比率が約50%以上(好ましくは約70%以上)の「ポリゴナルフェライト主体のフェライト」とすることが好ましい。
また、全組織中に占めるフェライト(PF+BFの合計)の体積率Vfは、60%以上であることが好ましい。Vfが60%未満では、変形初期の段階で少量のフェライトに変形が集中してしまい、変形中期および後期まで高いn値が持続せず、TS×ELバランスが低下するようになる。Vfのより好ましい範囲は、第2相組織とのバランスによって適宜適切に決定され得るが、おおむね、65%以上90%以下であり、更に好ましくは70%以上85%以下である。
第2相組織:残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくてもよい)
「第2相組織」とは、残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくてもよい)を意味する。すなわち、本発明では、少なくとも残留オーステナイトを含んでいる。残留オーステナイトは伸びの向上に有用である。更に、後記するように残留オーステナイト中の炭素濃度Cγが適切に制御されたものや、残留オーステナイトを含む第2相組織間の最短距離disおよび第2相組織の平均粒径diaが適切に制御されたものは、低歪み域での加工によるスプリングバック量の低減化やTS×ELバランスの向上にも寄与する。
ここで、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率Vγは、5.0%以上20%以下であることが好ましい。Vγが5.0%未満では、変形中期から後期にかけて高いn値が維持されず、TS×ELのバランスが低下する。より好ましいVγは7%以上である。ただし、Vγが20%を超えると、本発明のように鋼中C量の上限が0.20%の鋼板では、残留オーステナイト中のC濃度を、最大でも0.5質量%程度しか高めることができず、安定した残留オーステナイトが得られない。そのため、歪初期に残留オーステナイトからマルテンサイトへ変態してしまい、TS×ELのバランスが低下するようになる。より好ましいVγは15%以下である。
残留オーステナイト中の炭素濃度Cγは0.7質量%以上であることが好ましい。Cγが0.7%未満では、歪初期に残留オーステナイトがマルテンサイトに変態してしまい、TS×ELバランスが低下するためである。TS×ELバランスの向上という観点からすれば、Cγは多い程よく、より好ましいCγは0.8質量%以上である。Cγの上限は特に限定されず、鋼中のC量などによって決定され得るが、おおむね、1.5質量%以下である。
第2相組織には、残留オーステナイトのほか、マルテンサイトが更に含まれていてもよい。すなわち、第2相組織は、残留オーステナイトのみから構成されていても良いし、残留オーステナイトとマルテンサイトの混合組織であっても良い。上述したように、マルテンサイトを含む第2相組織間の最短距離disおよび第2相組織の平均粒径diaが適切に制御されていれば、TS×ELバランスおよび形状凍結性が高められるからである。マルテンサイトを更に含む場合、全組織中に占めるマルテンサイトの体積率Vmは、おおむね30%以下であることが好ましい。
第2相組織の平均粒径diaは5μm以下であることが好ましい。diaが5μmを超えると、加工時の初期に応力が集中することにより、TS×ELバランスと歪み初期のスプリングバック量が低下するためである。diaは小さいほど良く、例えば、4μm以下であることがより好ましい。なお、diaの下限は特に限定されないが、過度な微細化による製造工程追加などのコストアップなどを考慮すると、おおむね、3μmにすることが好ましい。
ここで、diaは、走査型電子顕微鏡(SEM)写真により第2相組織(残留オーステナイトおよびマルテンサイト)を同定し、第2相粒それぞれについて長径と短径を測定してその平均値を各組織の平均粒径としたとき、SEM写真に観察される第2相組織すべての平均粒径を測定し、その平均値を算出したものである。測定方法の詳細は、後記する実施例の欄で詳述する。
本発明鋼板は、上記の母相組織と第2相組織のみから構成されていても良いし、本発明の作用を阻害しない限度において、他の組織(残部組織)を更に含んでいてもよい。「他の組織」とは、例えば製造過程で不可避的に生成する残部組織であり、パーライトやベイナイトなどが代表的に例示される。「他の組織」の含有量は、合計で約5体積%以下であることが好ましい。パーライトやベイナイトの組織中には炭素が多く存在し、TS×ELバランスの向上に寄与する残留オーステナイト量が減少するか、または残留オーステナイト中の炭素濃度Cγが減少するためである。
(鋼中成分)
次に、本発明鋼板の鋼中成分について説明する。
C:0.10%以上0.20%以下
Cは、鋼板の強度を確保すると共に、残留オーステナイトの生成に寄与する元素である。C量が0.10%未満では、上記効果を有効に発揮できない。一方、C量が0.20%を超えると溶接性が低下する。そこで本発明では、C量を上記範囲に定めた。C量の好ましい下限は0.12%であり、好ましい上限は0.18%である。
Si:0.5%以上2.5%以下
Siは、固溶強化元素として知られており、C濃度の高い残留オーステナイトの生成に有用な元素である。Si量が0.5%未満では、上記作用を有効に発揮できない。一方、Si量が2.5%を超えると、上記作用が飽和すると共に、延性が低下するようになる。そこで本発明では、Si量を上記範囲に定めた。Si量の好ましい下限は1.0%であり、好ましい上限は2.0%である。
Mn:0.5%以上2.5%以下
Mnはオーステナイト安定化元素であり、C濃度の高い安定な残留オーステナイトの生成を高め、TS×ELバランスを向上させる元素である。ただし、Mn量が過剰になると、鋼板内のフェライト量が減少し、延性およびTS−ELバランスが低下する。そこで本発明では、Mn量を上記範囲に定めた。Mn量の好ましい下限は1.0%であり、好ましい上限は、2.0%である。
Al:0.01%以上0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用する。このような効果を有効に発揮させるため、本発明では、Al量の下限を0.01%とした。一方、Al量が過剰になると、酸化物系介在物の量が増加し、鋼板の表面性状が低下するため、Al量の上限を0.10%とした。Al量の好ましい下限は0.02%であり、好ましい上限は0.07%である。
本発明鋼板は上記成分を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物である。不可避的不純物には、製造工程などで不可避的に含まれ得る元素(例えば、P、N,S、Oなど)が挙げられる。
本発明鋼板は、本発明の作用を損なわない範囲で、更なる特性の付与を目的として、TRIP鋼板に通常用いられる上記以外の元素(許容成分)を含んでいてもよい。具体的には、強度増加などを目的として、Niを約0.5%以下、Vを約0.15%以下、Moを約0.5%以下、Crを約0.8%以下、Cuを約0.5%以下、Alを約2.0%以下、Bを約0.01%以下程度、含有しても良い。
本発明の高強度鋼板は、自動車鋼板などの薄鋼板として有用であり、板厚は、0.8〜2.3mm程度であることが好ましい。
本発明には、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき鋼板も包含される。上記めっき鋼板は、更にフィルムラミネートなどの有機皮膜や、リン酸塩処理などの化成処理や、塗装処理を施しても良い。特に塗装前の下地処理として、化成処理が施されためっき鋼板が好適に用いられる。
上記塗装処理に用いられる塗料には、公知の樹脂、例えばエポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂などを使用できる。耐食性の観点から、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコンアクリル樹脂が好ましい。前記樹脂とともに、硬化剤を使用しても良い。また塗料は、公知の添加剤、例えば着色用顔料、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、難燃剤などを含有していても良い。
本発明において塗料形態に特に限定はなく、あらゆる形態の塗料、例えば溶剤系塗料、水系塗料、水分散型塗料、粉体塗料、電着塗料などを使用できる。また塗装方法にも特に限定にはなく、ディッピング法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコーター法、電着塗装法などを使用できる。被覆層(めっき層、有機皮膜、化成処理皮膜、塗膜など)の厚みは、用途に応じて適宜設定すれば良い。
(製造方法)
次に、本発明鋼板を製造する方法について説明する。
上記要件を満足する本発明鋼板を製造するためには、特に、熱間圧延後の巻取温度(CT)と、冷間圧延後の焼鈍工程を適切に制御することが重要であり、これにより、上記要件を満足するTRIP鋼板が得られる。
以下、本発明を特徴付ける工程を、順を追って説明する。このうち焼鈍工程については、図3にヒートパターンの概要を示している。
熱間圧延後の巻取温度(CT):550℃以下
巻取温度CTが550℃を超えると、熱延板の組織が粗大なフェライトとパーライトとなり、焼鈍後の第2相組織などのサイズが粗大化し、所定の組織が得られ難くなる。また、鋼板表面のスケールが厚くなり、酸洗性が劣化する。好ましい巻取温度CTは、約500℃以下である。なお、CTの下限は特に限定されないが、製造時の過度な冷却による生産性悪化などを考慮すると、約450℃であることが好ましい。
冷延率:20〜60%
冷延率が20%未満になると、所定厚さの鋼板を得るために薄くて長い熱間圧延鋼板が必要となり、酸洗時の生産性などが低下するようになる。一方、冷延率が60%を超えると、焼鈍時(加熱時)に再結晶が低温で充分進み、その後の二相域温度におけるオーステナイトへの逆変態開始の核が減少し、焼鈍後の第2相組織を微細に分散させることができない。好ましい冷延率は、おおむね、30%以上50%以下である。
焼鈍時の加熱速度:0.5〜5.0℃/秒
焼鈍時の平均加熱速度が0.5℃/秒未満になると、生産性が低下するほか、焼鈍時に再結晶が低温で充分進み、その後の二相域温度におけるオーステナイトへの逆変態開始の核が減少し、焼鈍後の第2相組織を微細に分散させることができない。一方、焼鈍時の平均加熱速度が5.0℃/秒を超えると、加熱温度にムラが生じ、焼鈍後の組織が不均一になる。好ましい平均加熱速度は、おおむね、1.0℃/秒以上4.0℃/秒以下である。
均熱温度(図3中、Ts):840℃以上Ac℃以下
均熱温度Tsが840℃未満では、二相域でのオーステナイト量が低下してオーステナイト中のC濃度が増加するため、その後の冷却過程でフェライトの生成が不充分となり、第2相組織間の最短距離disが狭くなる。一方、均熱温度TsがAc℃を超えると、均熱終了時にオーステナイト単相となってしまい、焼鈍後の組織が粗大化する。好ましい均熱温度Tsは、おおむね、850℃以上880℃以下である。
ここで、Ac温度は、下式に基づいて算出される。式中(%)は各元素の含有量(質量%)である。この式は、「レスリー鉄鋼材料学」(丸善株式会社発行、William C. Leslie著、p273)に記載されている。
Ac=910−203√(%C)−15.2(%Ni)+44.7(%Si)+104(%V)+31.5(%Mo)+13.1(%W)−30(%Mn)−11(%Cr)−20(%Cu)+700(%P)+400(%Al)+120(%As)+400(%Ti)
均熱時間(図3中、ts):30秒以下
均熱時間tsが30秒を超えると、焼鈍後の残留オーステナイトやマルテンサイトが粗大化する。好ましい均熱時間tsは、おおむね25秒以下である。なお、均熱時間tsの下限は特に限定されないが、焼鈍後の残留γ量増加などを考慮すると、おおむね20秒に制御することが好ましい。
均熱温度Tsからオーステンパ温度Taまでの平均冷却速度:1〜20℃/秒
均熱温度Tsからの平均冷却速度が1℃/秒未満では、冷却中にTS×ELバランスの向上などに有害なパーライトが生成する。一方、Ts温度からの冷却速度が20℃/秒を超えると、フェライト体積率が減少する。好ましい平均冷却速度は、おおむね2℃/秒以上15℃/秒以下である。
なお、上記の温度範囲については、後記する実施例に示すように、平均冷却速度が異なる二段冷却を行なっても良い。具体的には、均熱温度Tsから約600℃までの温度範囲を、約1〜10℃/秒の平均冷却速度で冷却し、次いで、約600℃から約390℃までの温度範囲を、約3〜20℃/秒の平均冷却速度で冷却しても良い。
オーステンパ温度Ta:300〜390℃
オーステンパ温度Taが300℃未満では、冷却時にマルテンサイトが多く生成するほか、ベイナイト変態が遅延し、焼鈍後の残留オーステナイト量が少なくなる。一方、オーステンパ温度Taが390℃を超えると、ベイナイト変態開始となる核が減少し、第2相組織が粗大化する。好ましいオーステンパ温度Taは、おおむね320℃以上390℃以下であり、より好ましくは340℃以上390℃以下である。
オーステンパ時間ta:30〜1000秒
オーステンパ時間taが30秒未満では、ベイナイト変態の時間が短くなって残留オーステナイト量が減少する。一方、オーステンパ時間taが1000秒を超えると生産性が低下する。好ましいオーステンパ時間taは、おおむね35秒以上500秒以下であり、より好ましくは40秒以上300秒以下である。
オーステンパ後の再加熱時の平均加熱速度:1〜20℃/秒
再加熱時の平均加熱速度が1℃/秒未満では生産性が低下し、20℃/秒を超えると、温度ムラにより焼鈍後の組織が不均一になり、第2相組織間の最短距離disが増加となる。好ましい平均加熱速度は、おおむね、2℃/秒以上15℃/秒以下であり、より好ましくは3℃/秒以上10℃/秒以下である。
再加熱温度Tr:450〜550℃
再加熱温度Trが450℃未満では、ベイナイト変態の促進が不充分となり、残留オーステナイト量が減少する。一方、再加熱温度Trが550℃を超えると、未変態オーステナイトがフェライトとセメンタイトに分解し、焼鈍後の残留オーステナイト量が減少する。好ましい再加熱温度Trは、おおむね460℃以上530℃以下である。
再加熱時間tr:100秒以下
450℃以上における再加熱時間trが100秒を上回ると、未変態オーステナイトがフェライトとセメンタイトに分解し、焼鈍後の残留オーステナイト量が減少する。好ましい再加熱時間trは90秒以下であり、より好ましくは80秒以下である。なお、再加熱時間trの下限は特に限定されないが、ベイナイト変態促進などを考慮すると、おおむね、20秒であることが好ましい。
再加熱後の平均冷却速度:1〜50℃/秒
再加熱後の平均冷却速度が1℃/秒未満では生産性が低下し、50℃/秒を超えると、温度ムラにより焼鈍後の組織が不均一になる。好ましい平均冷却速度は、おおむね 2℃/秒以上40℃/秒以下であり、より好ましくは3℃/秒以上30℃/秒以下である。
以上が本発明を特徴付ける製造工程である。本発明では特に、熱延後の巻取温度CTと、均熱工程(均熱温度Tsと均熱時間ts)と、オーステンパ工程(オーステンパ温度Taとオーステンパ時間ta)と、オーステンパ後の再加熱工程(再加熱温度Trと再加熱時間tr)を厳密に管理することが必要であり、これらのいずれか一つでも本発明の要件を外れると、所望の特性を兼ね備えた鋼板が得られ難い結果となった(後記する実施例を参照)。
上記工程以外の工程、例えば、熱間圧延や冷間圧延は常法に従って行えば良く、所望とする鋼板が得られるように、通常用いられる方法を適宜適切に制御して採用することができる。また、本発明には、冷延鋼板のほか、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板も含まれるが、溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきの方法を限定する趣旨ではなく、通常用いられる方法を用いることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明するが、これに限定する趣旨ではない。
まず、本発明の組成を満足する溶鋼を転炉や電気炉などの公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造や鋳造−分塊圧延によってスラブなどの鋼片とする。
次に、上記の鋼片を熱間圧延する。詳細には、連続鋳造後に直接、熱間圧延を行なってもよいし、あるいは、連続鋳造や鋳造−分塊圧延によって製造する場合には、適当な温度まで一旦冷却した後に加熱炉で加熱した後、熱間圧延を行なってもよい。
熱間圧延時の加熱温度は、約1100℃以上(より好ましくは1150℃以上)とすることが好ましく、これにより、鋼中成分がオーステナイト組織中に均一に固溶し易くなる。熱間圧延の仕上げ温度は、Ar点以上とすることが好ましく、より好ましい仕上げ温度はAr点+(30〜50)℃である。
熱間圧延後、上述したように所定の巻取温度CTで巻き取った後、必要に応じて酸洗し、冷間圧延を行なう。次に、連続焼鈍ラインで、上記のように焼鈍→冷却を行うと所望の高強度鋼板が得られる。
溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するためには、上記の高強度冷延鋼板を用い、常法に基づき、溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきを施せば良い。めっき浴の条件としては、例えば、めっき浴の温度を約400〜600℃(好ましくは、400〜500℃)の温度範囲とすることが好ましい。さらに合金化を行う場合は約450〜600℃で約2〜60秒間合金化すればよい。
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、上記の再加熱を行なう前に、亜鉛めっき浴に浸漬し、再加熱工程で溶融亜鉛めっきを行なっても良い。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、その後の再加熱工程で合金化処理を行ってもよい。加熱手段は特に限定されず、慣用される種々の方法(例えばガス加熱、インダクションヒーター加熱など)を利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適切に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
表1に示す成分組成の鋼種A〜H(単位は質量%であり、残部:鉄および不可避的不純物)を溶製した後、鋳造してスラブを得た。このスラブを1150℃に加熱し、仕上温度880℃で2.4mm厚まで熱間圧延した後、30℃/秒の平均冷却速度で冷却し、表2記載の巻取温度(CT)で巻取った。酸洗後、冷延率50%で1.2mm厚まで冷間圧延した。次いで、連続焼鈍ラインを模擬できる実験用熱処理設備にて、5℃/秒の平均加熱速度で表2に記載の均熱温度(Ts)まで加熱し、その温度で表2に記載の時間(ts)保持した。その後、3℃/秒の平均冷却速度で600℃まで冷却した後、10℃/秒の平均冷却速度で、表2に記載のオーステンパ温度(Ta)まで冷却し、その温度にて、オーステンパ時間(ta):3〜1000秒間保持するオーステンパ処理を行った。その後、10℃/秒の平均加熱速度で、表2に記載の再加熱温度(Tr)まで加熱し、表2に記載の時間(tr)保持した後、10℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却した。
このようにして得られた各冷延鋼板について、組織の分率、disおよびdiaを以下のようにして測定した。
2mm×20mm×20mmの試験片を切り出し、圧延方向と平行な断面を研磨し、ナイタール腐食を行った後、板厚tのt/4位置における組織を、SEM写真(倍率3000倍)で観察した。観察は、1視野当たり約15μm×15μmについて、合計10視野行なった。
上記SEM写真の各視野について、図4に示した1μm間隔の格子を用い、フェライト、第2相組織(残留オーステナイト+マルテンサイト)、及びその他の組織(残部組織、表中「その他」と記載)の各体積率を点算法により測定した。同様の操作を合計10視野について行い、その平均値を、上記各組織の体積率とした。
また、上記のSEM写真に基づき、前述した方法により、第2相組織間の最短距離dis(μm)、および第2相組織の平均粒径dia(μm)を測定した。
一方、残留オーステナイトの体積率Vγは飽和磁化測定法によって測定した。飽和磁化測定法の詳細は、特開2003−90825号公報や、R&D神戸製鋼技報(Vol.52,No.3、Dec.2002)に記載されている。
マルテンサイトの体積率は、第2相組織の体積率から、残留オーステナイトの体積率を引いて算出した。
また、残留オーステナイト中の炭素濃度Cγ(質量%)は、t/4位置における試験片を用い、Cu−Kα線によるX線解析でオーステナイトの(200)面、(220)面、(311)面の反射角から格子定数(Å)を求め、下記式に代入して求めた。
Cγ=(格子定数−3.572)/0.033
このようにして得られたVf(体積%)、Vγ(体積%)、Cγ(質量%)、dis(μm)、dia(μm)に基づき、P値[(Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia]を算出した。
また、上記の各冷延鋼板について、機械的特性およびスプリングバック量を以下のようにして測定した。
(機械的特性の測定)
上記の冷延鋼板からJIS5号試験片(標点距離50mm、平行部幅25mm)を採取し、JIS Z 2241に従って引張強さ(TS)、全伸び(EL)、および加工硬化指数(歪み0.5〜1.0%のn値、および歪み5〜10%のn値)を測定した。なお、歪み0.5%〜破断間の引張り速度は10mm/分と一定にした。このようにして得られたTS(MPa)およびEL(%)の積を計算し、強度−延性バランス(TS×EL)を算出した。本実施例では、TS×ELバランスが20000以上のものを加工性に優れると評価した。
(スプリングバック量の測定)
低歪み領域でのスプリングバック量を測定するため、図5に示す3点U曲げ試験を行った。具体的には、パンチ先端R:20mm、パンチとローラーダイのクリアランス1.2mmとし、パンチ先端Rの中心とダイ先端Rの中心が一致するようにU曲げ試験を行い、10mm押込みの時点で曲げ試験を終了した。図6に示すように、スプリングバック後(徐荷後の弾性回復をした状態)の角度を測定し、スプリングバック量とした。
本実施例では、このようにして得られるスプリングバック量が32°以下(厳密に言えば32.0°以下)のものを「形状凍結性に優れる」、31°以下(厳密に言えば31.0°以下)のものを「形状凍結性に極めて優れる」と評価した。
これらの結果を表3にまとめて示す。
表2および表3より、以下のように考察することができる。
まず、No.2、3(鋼種Bを使用)、4、5(鋼種Cを使用)、6〜8(鋼種Dを使用)、9〜13、16、17、22〜24、29〜31、34〜36、41〜43(以上、鋼種Eを使用)、48、49(鋼種Fを使用)はいずれも、本発明の要件を満足する例である。これらはいずれも、TS×Elバランスは20000を超えて加工性に優れると共に、スプリングバック量も31°以下であり形状凍結性に極めて優れている。
なお、No.36、42、43(鋼種Eを使用)は、本発明の要件を満足するため、加工性および形状凍結性の両方に優れているが、これらはいずれも、残留オーステナイト中の炭素濃度Cγが本発明の好ましい要件を外れているため、上記の例に比べ、スプリングバック量が若干大きくなった。
これに対し、本発明で規定するいずれかの要件を満足しない下記の例は、以下の不具合を抱えている。
No.1は、C量が少ない鋼種Aを用いた例である。C量が少ないために残留オーステナイト体積率Vγが少なくなり、TS×Elバランスも12000程度と低く、加工性が低下した。
No.14および15は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、巻取温度CTを高くして製造した例であり、式(1)が小さくなり、第2相組織の平均粒径diaも本発明で規定する好ましい範囲を超えた。そのため、TS×ELバランスが低下し、スプリングバック量も大きくなった。
No.18および19は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、均熱温度Tsを低くして製造した例である。表2中、「均熱時間ts:−」とは、本発明で規定する均熱温度で保持していないために「−」と記載したものであり、No.18は、780℃の均熱温度で10秒間均熱し、No.19は、830℃の均熱温度で10秒間均熱した。このうちNo.18は、式(1)が小さく、式(2)(第2相組織間の最短距離dis)も小さくなったため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。また、No.19は、式(1)が小さくなり、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
一方、No.20および21は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用い、均熱温度Tsを高くして製造した例である。このうちNo.20は、式(1)が小さくなり、第2相組織の平均粒径diaも本発明の好ましい範囲を超えたため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。また、No.21は、式(1)が小さくなるほか、第2相組織の平均粒径dia、フェライト体積率Vf、および残留オーステナイト体積率Vγが本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。なお、No.21は、一様伸びが10%を下回った(表には示さず)ために加工硬化指数n値(5〜10%)を測定できず、そのため、式(3)を算出できなかった。
No.25および26は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、オーステンパ温度Taを低くして製造した例であり、式(1)が小さくなり、diaが本発明の好ましい範囲を超えたため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。なお、No.25は、一様伸びが10%を下回った(表には示さず)ために加工硬化指数n値(5〜10%)を測定できず、そのため、式(3)を算出できなかった。
一方、No.27および28は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用い、オーステンパ温度Taを高くして製造した例であり、式(1)が小さくなり、diaが本発明の好ましい範囲を超えたため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
No.32は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、オーステンパ時間taを短くして製造した例であり、式(1)および式(2)が小さくなったほか、diaおよびVfが本発明の好ましい範囲を外れており、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。一方、No.33は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用い、オーステンパ時間taを長くして製造した例であり、式(1)が小さくなり、diaおよびVrが本発明の好ましい範囲を外れており、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
No.37、38は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、再加熱温度Trを低くして製造した例である。このうちNo.37は、式(1)および式(2)の両方が本発明を満足せず、diaも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。No.38は、式(1)が本発明を満足せず、diaも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
一方、No.39、40は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用い、再加熱温度Trを高くして製造した例であり、式(1)が本発明を満足せず、Vγも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
No.44、45は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、再加熱時間trを短くして製造した例である。このうちNo.44は、式(1)および式(2)の両方が本発明を満足せず、Vf、Vγ、Cγ、diaも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。No.45は、式(1)が本発明を満足せず、Vf、Vγ、Cγ、diaも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
一方、No.46、47は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用い、再加熱時間trを長くして製造した例であり、式(1)が本発明を満足せず、Vγも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
No.50は、Si量が多い鋼種Gを用いて製造した例であり、式(1)が本発明を満足せず、Vγも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
No.51は、Mn量が多い鋼種Hを用いて製造した例であり、式(1)が本発明を満足せず、Vγおよびdiaも本発明の好ましい範囲を外れるため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。なお、No.51は、一様伸びが10%を下回った(表には示さず)ために加工硬化指数n値(5〜10%)を測定できず、そのため、式(3)を算出できなかった。
No.52は、本発明の要件を満足する鋼種Eを用いたが、均熱温度Tsを低くして製造した例である。表2中、「均熱時間ts:−」とは、本発明で規定する均熱温度で保持していないために「−」と記載したものであり、ここでは、800℃の均熱温度で10秒間均熱した。そのため、No.52では、式(1)は本発明を満足するが式(2)が本発明を満足しないため、TS×ELバランスおよび形状凍結性が低下した。
なお、本実施例では冷延鋼板を製造したが、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板においても、上記と同様の傾向が認められ、本発明の要件を満足するものは、加工性と形状凍結性の両方に優れていることを確認している。

Claims (4)

  1. 鋼中成分は、C:0.10%以上0.20%以下(%は質量%の意味、以下、鋼中成分について同じ)、Si:0.5%以上2.5%以下、Mn:0.5%以上2.5%以下、Al:0.01%以上0.10%以下を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物からなり、
    組織は、フェライトの母相組織と、残留オーステナイトおよびマルテンサイト(マルテンサイトは含まれていなくても良い)の第2相組織を有し、
    全組織中に占めるフェライトの体積率をVf(%)、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率をVγ(%)、残留オーステナイト中の炭素濃度をCγ(質量%)、第2相組織間の最短距離をdis(μm)、第2相組織の平均粒径をdia(μm)としたとき、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする加工性および形状凍結性に優れた高強度冷延鋼板。
    (Vf×Vγ×Cγ×dis)/dia≧300 ・・・(1)
    dis≧1.0μm ・・・(2)
  2. 全組織中に占めるフェライトの体積率Vf(%):60%以上、全組織中に占める残留オーステナイトの体積率Vγ(%):5.0%以上20%以下、残留オーステナイト中の炭素濃度Cγ(質量%):0.7%以上、第2相組織の平均粒径dia(μm):5μm以下である請求項1に記載の高強度冷延鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板を用いて得られる溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板を用いて得られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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